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ハルヒ「何であんたが幼馴染みなのよ!」キョン「こっちだってお断りだ」
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178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/04(木) 07:59:37.95 ID:/h+1DrB+o
だが別の意味でストレスがたまって、神人さん大忙し
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/04(木) 08:04:45.52 ID:Rl3ruZt4O
ハルヒはどんな気持ちでこの日弁当作ったんだろうなって考えただけで胸が熱くなる
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/04(木) 11:12:29.63 ID:vGr4d5Ew0
>>178
同時に小泉達も大忙しに…
ハルヒちゃん内だとタンスに小指ぶつけただけでもかなりの強敵神人出るみたいだしなあww
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 05:32:14.29 ID:2S18A+l/O
さて、放課後である
ハルヒのやつは昼休みと同様に号令と共に教室から飛び出してしまった
俺はといえば気がつけば部室に足を運んでしまっていた
そして躊躇なく扉を開けるとそこには下着姿の朝比奈さんがいた
「なっ……」
「ひっ」
「失礼しました!」
何かを叫ばれる前に扉を乱暴に閉める
な、何が起きたって言うんだ?
いや、落ち着け、普通に何かに着替えようとしていた
そこにたまたま俺が居合わせてしまったのだろう
よし、状況整理は完了した
そもそも何故朝比奈さんがここで着替えを?
というか今の姿を俺は記憶に深く刻み込むべきか否か……
「ど、どうぞ」
完全に混乱してしまっていた俺に控えめに声をかけてくれる朝比奈さん
「す、すいません。ノックをするべきでした」
「い、いえ、私こそすいません」
「あの……その姿は?」
「この前の探索で涼宮さんに部室ではこれを着るようにと言われてしまったので……」
あ、あいつはなんて命令をしてくれてるんだ!
話を聞くと前回、俺の参加しなかった不思議探索とやらで朝比奈さんはハルヒによってメイド服を着ることを義務付けられたらしい
しかしそのハルヒもいないのに律儀にそんな話を守るなんて……
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 05:33:35.64 ID:2S18A+l/O
「あ、あのぅ……そ、そんなにジロジロ見られると流石に恥ずかしいです」
「あー、いえ、すいません」
「い、いぇ……」
「し、しかしハルヒのやつ遅いですね」
「そうですね。朝倉さんも遅いみたいですけど……」
「あー朝倉は今日休みです。学校にも連絡来てないみたいなんですけど……長門なら何か知ってるんじゃないかと思ったんですけど」
同じマンションに住んでいて夕飯のお裾分けを貰うぐらいの仲の長門なら何か知っているんじゃないかと思ったのだが……
その長門が何時も座っているパイプ椅子には誰も座っていない
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 05:34:08.47 ID:2S18A+l/O
「長門がいないのも珍しいですね」
「……あの、キョン君」
「はい?」
「実はずっと前から聞きたかったんですけど……」
朝比奈さんはそこで一度言葉を区切る
そして、何かを迷っているのか口を開けたり閉めたりしている
何か重要な事を言おうとしているのだろうか
こちらから話しやすいように何か言葉をかけようとした瞬間に部室の扉が開く
ビクリと朝比奈さんと俺の身体は跳ねたと思う
いや、本当にビックリした
「すいません。バイトがありますので今日の部活はお先に失礼します」
突如現れた古泉はそれだけ言うと颯爽と部室から出ていってしまった
「なんつータイミングだ」
狙った訳じゃないだろうな?
流石に考えすぎか
「あはは」
「あー……朝比奈さん?それで、さっきは何を?」
「いえ、やっぱり止めておきます」
「……そうですか」
一体何を喋ろうとしていたのかはわからないが、推測はできる
恐らく、ハルヒのことなんだろう
話が途切れて気まずくなったのか居心地悪そうに身体を捩る朝比奈さんを見ているのは罰が悪いので古泉がどこからか持ってきているボートゲームを二人でやることを提案する
「あっ。これ知っています。前に教科書で……」
どうやら未来にはチェスという文化は生き残ってないらしい……
……この日結局ハルヒは部活に顔を出すことはなかった
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 05:34:44.86 ID:2S18A+l/O
それは夕暮れの教室の出来事である
教卓の上に腰をかける彼女は此方を見てクスリと微笑む
その彼女が
「貴方を殺して……涼宮ハルヒの出方を見る」
突如ナイフを手に此方に攻撃してくる
鈍く光る金属光が、軌跡を描く
そのまま真っ直ぐに……俺の身体を……
「うぁぁぁ!?」
バタバタと身体を触る
「ゆ、夢……?」
何も異常がない自分自身にほっとする
「なんつー夢を見てんだ俺は……」
しかしやたらとリアルな夢だったな
「キョン君おっきい声だしてどーしたのー?」
ガチャリと部屋を開けてくる妹
「何でもない。ちょっと怖い夢を見ただけだ」
「えー!どんなゆめー?」
怖い夢だってのに興味津々で聞いてくる妹はある意味大物なのかもしれない
「あー……どんな夢だったか忘れちまったよ」
「えー。変なキョンくん」
「夢なんて覚めたら思い出せないのが殆どだろう?」
実際既に記憶から抜けてしまったようだ
何か嫌な夢を見た、それぐらいの認識だ
「そっかー。それよりー」
「今度はどうした」
「キョン君ちゃんとハルにゃんと仲直りしたー?」
「喧嘩した訳じゃないぞ」
「えー。うっそだー」
「ほら、さっさと顔洗って学校行く準備する」
「はーい」
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 05:35:35.87 ID:2S18A+l/O
「ふぁぁ」
一人でこの坂を登るのは眠気も相まって辛いものがある
ちなみに今日もハルヒは弁当を作ってくれている
……ちゃんと話をしないとな。あいつと
「おーす。キョン」
「おはよ。キョン」
「おはよーさん。谷口は朝から元気だな」
「お前はなーにを辛気くさい顔でじいさんみたいな事を言ってんだよ。あれか、まだ涼宮と仲直りできてねーのか?」
「だからあいつと喧嘩した訳じゃないぞ」
「そーかいそーかい。ま、夫婦喧嘩は出来れば見えないとこでやってくれや。涼宮の不機嫌オーラは体に悪い」
「体に悪いと言えば朝倉さんも大丈夫かな?昨日は結局休んだみたいだけど」
「俺に聞かれてもわからんぞ?」
「え?同じ部活だし、それじゃなくても仲もいいのに連絡とかは?」
「……そういえばあいつの連絡先知らんな」
住所というか住んでいるマンションまでは知っているが……
「まぁ、ただの風邪なら早ければ今日にはくるだろう」
「それもそうだね」
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 05:36:56.90 ID:2S18A+l/O
あの糞ながーい坂を登りきり、火照った身体に少しでも冷やそうと下敷きで冷気を送っているとハルヒが登校してきた
「……私も扇いでよ」
「……やれやれ」
本来なら、不貞腐れた声でこんなこと言われたら自分でやれと言ってやるのだが……
俺はハルヒにも風が行くように少しだけ身体と下敷きの角度をずらす
「……ありがと」
ボソリとハルヒはギリギリ聞き取れる程度の声を発する
本人的には聞かれたくなかったんだろうが、残念ながらばっちりと聞こえてしまった
それっきりハルヒは喋ろうとしないので此方から話を振ることにする
「昨日、何で部活来なかったんだ?待ってたぞ」
「昨日は一人で反省会してたのよ」
「反省会?」
「そうよ。どっかの誰かさんがサボった不思議探索のよ」
ジトリとこっちを見るハルヒの目から逃げるように窓の外に目を向ける
「それは、なんというかだな……いや、俺はサボった訳じゃないぞ」
「……ふーん」
それっきりハルヒは此方を見ずに俺と同じように窓の外を見る
ああ、こういったときに窓際ってのは便利なものだ
そのまま朝のホームルームまでの時間はゆっくりと過ぎていく
……そして、今日も朝倉は学校に来なかった
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/05/10(水) 05:40:31.49 ID:2S18A+l/O
糞遅い展開と更新頻度なのに毎度感想までくれてありがとう
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 07:02:23.46 ID:F8mlpd9co
面白いから期待してる
何年かかろうと待つぜ
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 08:00:12.73 ID:Af3Grr02O
いいのよ
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 08:06:37.85 ID:x/6o/p7dO
(面白ければそれで)ええんやで
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/10(水) 14:24:07.98 ID:ZQMrQ0Wy0
乙
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/13(土) 21:46:34.47 ID:ijhRpzLEo
乙
ハルにゃんとキョンのデートもとい不思議探索を待ってます
それとは別に朝倉さんとキョンのデートも待ってます
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/15(月) 14:11:01.28 ID:nG3zS16xO
不穏だ…
やはり朝倉のオアシスはハルヒちゃんしかないのか…!
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/05/21(日) 19:26:07.72 ID:+D/b7ZcvO
続きが気になって早く読みたい病にかかってしまった
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:03:03.33 ID:A0rfwOqEO
「どうなってるのよ」
「……むしろ俺がお前に聞きたいぞ、それ」
さて、現状を説明しよう
俺は昼休みが始まったと同時に後ろの席にいるハルヒに首根っこを捕まれそのまま連行されたのである
そして、やーっと口を開いたと思ったらこれである
全くもって常人には理解不能である
付き合いの長い俺ですらお手上げだ
「あんた、朝倉に何かしたんじゃないの?」
「待て待て、何がどうしてそうなった」
「だってあの子が二日も休むなんて変じゃない」
「二日ぐらいなら風邪だったりでありえるだろう?それがどうして俺が何をしたって話に結び付くんだ」
「それは……タイミング的によ」
タイミング?いや、確かに休みだしたのは俺と朝倉が一緒に街に出掛けたときからだし俺だって連れ回しすぎたのかとも思ったが……それはあの場にいた俺だから知りうることであり、何故ハルヒがそんなことを言い出す?
「とにかく!あんたが朝倉に何か学校に来たくなくなるようなことしたんじゃないの?」
「そんな訳がないだろう」
「……むぅ……嘘は……ついてないわね」
「嘘をつく必要がないからな」
「あんた、嘘が下手すぎてすぐバレるもんね」
「ハルヒに嘘をつく必要がないからな」
「……嘘ね。あんた嘘つきだもん」
「おい……実際あんまり嘘はついてないぞ」
「そうね。滅多につかないわ……ってそうじゃないわよ!朝倉の話よ」
「それについては俺は本当に知らん」
「……はぁ、わかったわよ。お見舞い行ってあげたほうがいいかしら」
「あ、勿論あんたは駄目よ?弱った女の子の姿なんて見るもんじゃないし、病人に大勢で押し掛けるのも悪いもの」
「……わかった。もし行くなら俺の分も宜しく言っておいてくれ」
「任せなさい。とりあえず住所を担任から聞くところからね……」
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:03:57.57 ID:A0rfwOqEO
「という訳で今日もハルヒは来ません」
「そうですか……朝倉さん大丈夫だといいんですけど」
「長門も気になりますけどね……」
昨日に続いて長門は部室にいない
まさか学校に来てないなんて事はないだろうな?
「キョン君?眉間に皺が寄ってますよ」
「え?」
「キョン君は優しい人ですけど、心配しすぎて自分の体調が悪くなってしまったら駄目ですよ?」
「いや、そんな買い被り過ぎですよ」
「ふふふ。そんな貴方だから涼宮さんはきっと……」
そこで朝比奈さんは言葉を区切ってしまう
何だろうか……凄くむず痒い
「……ふふ。ごめんなさい。少し意地悪ですね」
「……今日はこれでどうです?」
オセロ盤を手に持ちながら勝負をもちかける
「わかりました。今日は負けませんからね?」
「それは楽しみです」
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:06:10.70 ID:A0rfwOqEO
パチパチとオセロの駒を置く音が部室にやけに響く
あれだけ狭苦しいと思った部室も二人だとこんなにも広くて……
そして、こんなにも静かなのだ
ああ、そうか
俺は何だかんだで……
ハルヒと朝倉がワイワイとじゃれあって、それに朝比奈さんが巻き込まれて……俺と古泉はゲームしながら、長門は本を読みながらそれを見る
そんな平凡な日常が……
好きなんだ
「……だから、早く帰ってこいよ」
「え?」
「あ、すいません。何でもありませんよ」
「そうですか?」
「ええ……」
「ふふっ。じゃあ角もらいますね」
「あっ……」
「心ここにあらず……そんな感じですね」
「……ははは」
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:07:09.70 ID:A0rfwOqEO
「朝比奈さん」
「はい」
「朝比奈さんはその……未来から来たって言っていましたよね」
「はい……信じては貰えてないでしょうけど」
「それについてはまだ保留にしてますが……これだけ聞かせてもらえませんか」
「何ですか?」
「これから先の……ハルヒの未来に……何か悲しいことが起きたんでしょうか」
「……」
朝比奈さんはキョトンとした顔になる
その後ニッコリと微笑みながらこう述べた
「禁則事項です」
「……」
「私の勝ち……ですね」
「ははは……降参です」
「今日は帰りましょうか」
「そうですね」
「キョン君」
「……はい?」
「未来は一つではないの。例えば今のオセロは私が勝ちました。けれどもキョン君が勝った世界もきっとあるんです」
「……?」
「未来への道は凄く細分化されていて、色々な可能性があるんです。私たちはその細分化されたある道を歴史通りに通そうと未来から来ました。だから……」
そこで朝比奈さんの言葉は止まってしまう
「えっと……?」
「ごめんなさい。これ以上は禁則にかかってしまうみたいです。私に言えるのはここまでです」
「……はい」
こうして少し寂しい部活は過ぎていった
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:07:40.92 ID:A0rfwOqEO
「ただいまー」
「キョン君おかえりー」
「ん。おかえり。晩御飯できてるわよ」
帰宅した俺を出迎えてくれたのは妹とハルヒだった
「……なんか久しぶりだな」
「何よ。文句でもあるの?」
「まさか。感謝しか出てこないね」
「……ふ、ふん」
素直に言ったのだがプイッと顔を反らされてしまう
……まだ怒ってらっしゃるのか
「ほら、ボサってしてないで手を洗ったら配膳手伝いなさい!」
「お、おう」
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:08:48.41 ID:A0rfwOqEO
「……朝倉の所に行ってきたわ」
「そうか……どうだった?」
「……体の方は大丈夫みたいね……ただ……」
「……ただ?」
「彼女のご両親が少し……複雑みたいなのよ」
「両親?喧嘩でもしたってのか?」
「なのかも……あまり詳しくは聞かなかったんだけどね……ご両親は海外出張に出てて、今朝倉は一人暮らしをしてるみたいなの」
「そうだったのか」
「ね。私も今日はじめて知ったのよ。それでどうにもそのご両親絡みで問題があったみたいで……」
「色々悩んでた……って感じか」
「……うん」
「……それと、明日は学校に来るみたいよ」
「ん……そうか……何も知らなかった、聞かなかった体で何時も通りに接するのが一番かもな」
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:09:22.91 ID:A0rfwOqEO
「それ、キョンには絶対無理ね」
「なんですと?」
「あんたすぐに顔に出るし。心配してるのすーぐわかるんだから」
「む……いや、少しはポーカーフェイス出来るはずだぞ?」
「そう思ってるのはあんただけよ……もし通じたとしてもそれはあんまりあんたの事を見てない人ね。朝倉には通用しないわよ」
「やれやれ。俺の評価は随分と低いんだな」
「……そういう意味で言った訳じゃないけど……まぁ、キョンに気付けっていうのが無理な話だったわね」
「おいおい。人を察しの悪い出来ない子扱いをするのはよせ」
「……ふーん?」
「可哀想な人を見る目はやめなさい」
「じゃあどうして私はちょっと前に怒ってたの?」
「む……うーむ……」
ぬかった
つついた先はまさかのやぶ蛇であった
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:09:51.79 ID:A0rfwOqEO
「……もうその話はいいわ。保留にしてあげる」
「そうかい……ああ、ハルヒ」
「何よ?」
「ん。ちょっと待ってな……ほら」
ハルヒの機嫌取りと言うかなんというか、あの日朝に買ったのはいいが結局渡す機会がなくて渡せなかったものを冷蔵庫から引っ張り出す
「……シュークリーム?」
「んーなんだ……まぁ、毎日弁当とか作って貰ってるし……今日なんかは晩飯までだし……その、礼だよ」
「ふーーん?私への感謝はシュークリーム一個分ってことなのね?」
「い、いや!そういう意味じゃなくてだな!」
「……ぷ。あはは。冗談に決まってるじゃない」
「……やれやれ。心臓に悪いからやめてくれ」
「……んーじゃあ感謝の印として今度の週末の不思議探索はあんたの奢りね」
「むむ……まぁ、それぐらいはいいか」
「そうよ。今度はちゃんと朝倉もあんたも合わせて皆でやるのよ」
そうにっこりと笑うハルヒ
ああ、何だかこんなハルヒを見るのは久しぶりだ
そうだな。それは楽しそうだ
少しぐらい俺の財布が火の車になっても構わないぐらいにな
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/06/10(土) 07:10:44.73 ID:A0rfwOqEO
さて、翌日である
少し早い時間に家をでてハルヒと登校した
勿論それは朝倉を待つためであったのだが……
その目当ての人物は俺達より早く登校していた
「おはよう。キョン君。涼宮さん」
「よう。身体は大丈夫か?」
「ええ。もうバッチリよ。心配かけてごめんなさいね?」
「まったくだ」
「本当よ。でもまだ病み上がりなんだから無理しちゃだめよ」
「そうね。今日は部活にいかずに帰らせてもらってもいいかしら?」
「しょうがないわね。特別に許可するわ」
……普段と変わらない様子の朝倉に見える
別段強がったり無理をしたりしてるようにも見えない
見えないが……やはり俺には見抜けないだけで何処か無理をしているのだろう
ハルヒが普段通りに接しながらも心配しているのがわかる
「なーに?キョン君?じーっとこっちを見て」
「あー、いや。特に意味はないんだ。すまんな」
「ふふふ。少しの間会えなかったから寂しかったのかしら?」
「そういうことにしておくよ」
「あら、素直ね」
こうして、朝の一幕は終わりを迎えたわけなのだが……今朝はもうひとつ出来事があったのだ
ポケットに突っ込んである紙に触れる
今朝登校したときに下駄箱に入っていたのである
内容は【放課後、教室にて待っています】
……ご丁寧に女の字である
普段ならば谷口あたりの悪戯なのではないかと思ってしまうのだが……
また、ハルヒ関連なのかもしれんと思ってしまう辺り、もう大分あいつらに毒されたのかもしれん
残っているのは……異世界人ぐらいだが
はたしてどうなるのやら
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/10(土) 07:25:10.43 ID:1gDJfIODo
キョンとハルヒのお互いのこと分かってる感好き
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/11(日) 13:41:33.95 ID:nsqU2jyt0
これは刺されるな
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/06/11(日) 14:43:09.83 ID:UHW1oDl+O
キョンくんナイフーグサァ
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/07/04(火) 22:25:35.86 ID:7wd+10a7O
まだか
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/07/05(水) 07:21:40.76 ID:YiHRA6BFO
>>207
下げろks
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/03(木) 12:46:26.85 ID:JT9MwZXDO
保守
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/10(木) 12:57:16.03 ID:/2LvvahaO
今日で二ヶ月か
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/10(木) 15:06:55.67 ID:5m1LSUsWO
はよはよ
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 16:11:29.25 ID:dew7oXyFO
連休取れたから来週書く
もう少し待ってくれ
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/14(月) 16:25:34.04 ID:hUQP2a8oO
はよぉぉぉぉぉ
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/04(月) 00:34:39.27 ID:LHjJQ8xb0
期待してます
まだか〜!!
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/04(月) 00:40:00.65 ID:sHvgzwzno
>>214
うるせぇsageろks
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/06(水) 12:43:21.18 ID:tBIMYFQ9O
面白いから支援
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/11(月) 22:04:02.42 ID:jQFTkDQ3O
わっふるわっふる
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 08:56:18.66 ID:c+c7Il0Po
時刻はさらっと放課後になる
「さぁ!部活よ!朝倉はさっさと休んで治すのよ?いーい?」
「勿論よ……ああ、涼宮さん」
「ん?なに?」
「ありがとうね」
「……急に何よ?別に何もやってないわよ?」
「ふふふ。何となく言いたくなったのよ」
「……そう?ならいいわ。お礼を言いたいなら早く治してちょうだい」
「ええ……それじゃあまたね」
「ええ!また明日よ!行くわよキョン!」
「あー。すまんが岡部に呼び出されてな」
「……あんた何かしたの?」
「わからん。とりあえず先に職員室に行ってから部室に顔を出すよ」
「……そう。でもいい?出きるだけ早く来なさいよね!」
ハルヒに嘘をつくのはあまり好きじゃないが本当の事を言ったら何されるかわかったもんじゃないからな
許せハルヒ
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 08:57:56.83 ID:c+c7Il0Po
「……いいの?」
「良いも何もあるか、お前も体調悪いならさっさと帰って寝た方がいいぞ」
勿論岡部の呼び出しと言うのは嘘なのだがそれを朝倉に言う訳にもいかないのでいつも通りの軽口を言い合う事にした
きっと朝倉の事だから少しムッとした表情でも浮かべながら「もう、馬鹿にして」とでも言ってくるだろう
……そう、そんな風にいつも通り朝倉に小言の一つでも言われてそれでおしまいのはずだったのだ
……のだが、この日、この時、そんないつも通りなんてことは起きてくれなかったのだ
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 08:58:28.24 ID:c+c7Il0Po
「それもそうね……私も用を済ませないとね」
「……何の用があるんだよ?クラス委員の仕事なら今日ぐらいは休めばいいんじゃないか?」
「……」
「……朝倉?」
「ねぇ、キョンくん。何だか変だと思わない?」
「変?何がだ?」
「それは勿論……この世界かな」
「……はい?」
おいおい、どうしてしまったんだ朝倉は
本当に風邪でも引いてしまったのか?
こんな電波混じりの……
電波まじり……?
そう、俺はここ最近そんな話をよく聞いていたではないか
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 08:58:57.96 ID:c+c7Il0Po
「……そうね。急にごめんなさい。でも気がついてる?この教室……いつのまにか私達しかいないのよ」
確かに普段は授業が終わってもある程度は生徒が残っていてもおかしくない教室がものの二、三分ですっからかんになるのは珍しい
……が別にそれぐらいただの……
「ただの偶然……って考えてるよね」
「……別にたまたま用事があったとかそんなもんだろ」
「そうね……たしかにそう……それもあるわね」
「本当にどうしたんだ朝倉?」
「……ねぇ、キョンくん」
「ん?」
「下駄箱の手紙は読んでくれた?」
「……朝倉だったのか」
「そうよ。ビックリしたでしょう」
「まぁ、それはな」
「……私もビックリしたわ」
「……朝倉が?」
「そうよ。だって初めてのラブレターなんだもの」
「なんですと?」
「……でも、ごめんね」
顔を伏せ、何かを堪えるように……
「貴方を殺して、涼宮ハルヒの出方を見る」
パチン……と指を弾きながら彼女は確かにそう言った
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 09:01:47.82 ID:c+c7Il0Po
灰色……そう定義するしかない空間にいつの間にか俺はいた
さっきまで確かにここは教室であったはずなのに
ふと、いつぞやに見た夢が脳裏を過る
あの夢でも確かに言われていた
俺を殺して涼宮ハルヒの出方を見る……と
……笑えない冗談だ
これが正夢というやつならば夢を夢で済ませてくれなかった神様を恨むってもんさ
古泉曰くそれはハルヒだという
そして今回の件もハルヒ絡みなのは見てとれる
おいおいハルヒよ……本当にお前はどうなっちまったんだ
「……涼宮さんの事を考えてるんでしょ」
「殺すだのなんだの言われて軽い現実逃避をしてるだけだ」
「……ふふ。素直じゃないんだから」
「……んで、朝倉、こりゃどういった冗談だ?」
「これが冗談に見える?」
「……俺としては夢であってほしいもんだ」
「そうね……本当に……悪い夢みたいなものよ」
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 09:02:42.44 ID:c+c7Il0Po
「朝倉……?」
「……大丈夫よ……キョンくん。時間がないから手短に話すわ」
「説明してくれるのか?」
「ええ……大丈夫よ。私は貴方を殺したりなんかしないわ」
「殺されるとしたら、それは私よ」
「……は?」
さも当然のようにいう朝倉に頭は混乱する
だってそうだろう?
いきなりクラスメイトに殺すと言われたり殺されると言われたりして理解が追い付くやつがどこにいるってんだ
「まずはそうね……簡単に言うなら私は長門さんと同じ宇宙人ってことだったのよ」
「いやまてまて、色々と突っ込みたいことが多すぎるんだが、まず殺されるってどういう」
「ごめんなさいキョンくん。本当に時間がないの」
どうやらこちらの質問には答えてくれないみたいである
時間がないと朝倉は言った
……では時間が切れたらいったい何が起きるって言うのだ
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 09:03:43.67 ID:c+c7Il0Po
「私は長門さんと同じ用途で作られた存在だったの。だけどある事がきっかけで長門さんとはまったく違う用途で運用された存在、それが私」
なんだ
俺はいったい何を伝えられようとしているんだ
長門と同じ存在、宇宙人
だけど違う目的で運用?
「私はある目的のために自分が宇宙人であるという記憶そのものを消された状態で生活していたのよ」
「つまり……どういうことだ?」
「んー、簡単にいうと記憶喪失ってことかな。自分が何者かわからないようにされていたってこと」
「いやだが……それはおかしくないか?」
そんな状態でどうやって生活を送るというのだ
「情報統合思念体の力によって私は人間であるという……過去の記憶も作られた状態で私は生まれたのよ」
「私は自分の父と母の名前を知っているし顔も思い浮かべることもできる。けどそれすらも作られていたってことね」
「そんな無茶苦茶な」
「そう……無茶苦茶なことができるのよ。彼等は」
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 09:04:48.10 ID:c+c7Il0Po
「話を戻すわ。私は普通の人間として生活を送りながらこの高校に進学をした。勿論自分の意思と力でよ」
「思念体にとってここまでは別に問題はなかった。涼宮さんと同じクラスになったのは多少イレギュラーだったようだけど、これも因果だったんでしょうね」
「涼宮さんの事についての説明はきっと長門さんがしてくれてるわよね?」
「少しは……なぁ朝倉よ。ここからどうして俺が殺されたりお前が殺されたりと物騒な話に転がるんだ」
「……涼宮さんを観測するのが長門さんの役目だってのは聞いたのよね」
「ああ」
「涼宮さんの情報をできるだけ静観しながら観測するのが情報統合思念体の目的なのね」
「だからそれは聞いたって」
「その涼宮さんに悪影響を与えている存在が現れたのよ」
「……はい?」
「情報統合思念体はそのイレギュラー因子をどうにかしたいと考えた。そしてその結果その因子を取り除こうと考えた」
「……そのイレギュラー因子ってのが朝倉涼子。つまりは私ね」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 09:06:36.23 ID:c+c7Il0Po
「私は本来SOS団に入部しない……ううん、入ってはいけない存在なのよ」
「いや、待てよ、どうして朝倉がハルヒに悪影響を与えてるなんて事がわかるんだよ!」
「……キョンくん」
「SOS団に入ってはいけない存在?そんな訳あるか!」
「キョンくん」
「っ……」
頭が真っ白になり半ば叫びに近い声をあげる俺の手を取る朝倉
じっと此方を見る目から思わず顔を背けてしまう
「まさか……それだけの理由で殺されるってことなのか……?」
そんな不条理があっていいのかよ
そんなの認められるわけがないだろう
「……なぁ朝倉、どうして悪影響だとかわかるんだよ。お前がいるとむしろハルヒは……」
「……それは、んー……」
「朝倉?」
「……うん。それは内緒。きっと私が伝えちゃうと伝えてはいけないことまで伝わってしまうから」
「なん……!」
「とりあえずこれが私が殺されちゃうーって話の半分ね」
「これで半分ってどういうことだよ。もう頭一杯だぞ」
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/21(土) 09:08:15.02 ID:c+c7Il0Po
「もう半分はキョンくんを殺すって話も絡むのよ」
「情報統合思念体もね、一枚岩じゃないの」
「色々な派閥があって、今は静観派が多数なんだけど、中には過激派もいるの」
「過激派?」
「そう。わざと涼宮さんにちょっかいをかけて情報フレアを発生させてそれを観測しようっていうね……つまり今回の発端はこっち」
「過激派の思念体の命令はこうよ。助かりたいならキョンくんを殺して情報フレアを発生させよ……ね?簡単でわかりやすいでしょう」
「でも残念、私はキョンくんを殺す気なんてこれっぽっちもないの」
「それだと朝倉が!」
「……キョンくん既に私は詰んでいるのよ。貴方を殺しても殺さなくても私は処分される運命よ」
「……そんな顔しないでよ。まったく」
「……むしろなんで笑ってられるんだよ……」
「決まってるじゃない」
「好きな人に見せる最後の顔が泣き顔なんて嫌じゃない」
「……え?」
「あー。やっぱり気がついてなかったんだ」
「好きよ、キョンくん」
今度こそ、俺のちっぽけな脳みそは真っ白になった
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/21(土) 16:37:21.91 ID:tBHeytPnO
更新きて喜んでたら怒涛の展開過ぎて驚いている俺ガイル
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 03:14:25.56 ID:/915PmbF0
!?
更新きてるじゃん
おつおつ
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 02:04:01.19 ID:uijPZmew0
おつんつん
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/23(土) 15:39:32.34 ID:2hUcbb19O
>228
それな
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/27(土) 01:13:47.11 ID:Enx/pz9Yo
はやく、はやく、続き、続き!
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/25(日) 10:28:14.79 ID:8hOXtIzH0
舞ってる
気体してます
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/10(火) 10:44:39.07 ID:lmdZ5P17o
待ってる
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 03:02:49.73 ID:fN++ZSIBo
______さて俺は何を言われたのだろうか
すき?スキ?隙?空き?
……好き?
いきなりクラスメイトで委員長で部活仲間の朝倉涼子に手紙で呼び出されたと思ったら殺すと言われ電波な話を聞かされたと思ったら最後には好き?
はは、まったく笑えないのにここまできたら笑えてきちまう
いや、待て、落ち着け
そうじゃなくてだな…………
この状況はなんだ?
何がどうして何処で間違ったらこうなったんだ?
「……ふふふ。キョンくん凄い顔してるよ?」
「……からかうのはよしてくれ。もう本当に頭の中がいっぱいいっぱいなんだ」
「ふふ。そうみたいね。でも冗談ではないの。それに、返事はしなくていいのよキョンくん」
「本当はこれも言うべきじゃなかったんだろうけど……どうしてだろうね?人って不思議だよね。まぁ私は人じゃなかったんだけどね」
「……朝倉は人だろう」
「……ふふ。ありがとう。そろそろ時間ね」
「……時間?」
「ええ……先に謝っておくわ。キョンくん。ちょっとだけ……我慢してね」
朝倉が呟いた途端身体がまるで金縛りにでもあったように動かなくなる
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 03:04:08.51 ID:fN++ZSIBo
「______」
何を始めようとしているのか聞こうとしても声すらでない
なんてこった反則だ
朝倉はこっちを見て悲しそうに……それでもにっこりと笑いながら此方に向かってくる
_____その右手にナイフを握りながら
「それじゃあ……死になさい」
だが、そのナイフが俺に届くことはなかった
「……こんにちは。長門さん」
長門がド派手な音と共に目の前に現れてナイフを素手で掴んでいた
……ポタポタと流れる血を見るだけでこっちまで痛くなってきてしまう
大丈夫なのかと問おうにも声がでない
なんて情けない状態なんだよ
「……パーソナルネーム朝倉涼子。貴女の独断専行は許可されていない。私に従うべき」
「嫌だといったら?」
「……情報結合を解除する」
「やってみる?ここでは私の方が有利よ」
二人が俺の目に見えない速度で移動やら攻撃を繰り返すのを見て俺は、ああ、この二人は本当に人間離れした力を持っているんだなと場違いなことを思った
いや、そんな事より何とかして長門を止めなければ
こんな糞ったれな脚本を書いた情報統合なんたらの思うがままにしてたまるものか
動け……動けよ!
身体も動かなければ声すらでない
傍観しているだけの俺と朝倉が一瞬目があう
その瞬間、朝倉の身体を一筋の光りが貫いた
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 03:05:05.23 ID:fN++ZSIBo
「……情報連結解除開始」
「……あーあ。やっぱり私はバックアップのままだったかぁ」
さらさらと砂のように朝倉の身体が崩れていく
そして身体が急に動くようになった
「朝倉!」
「……」
「長門!止めてくれ!」
「……いいのよ。キョンくん。これは決まってることだから」
「決まってるってなにがだよ!」
「……長門さん」
「……何」
「後は……任せたわ。ごめんね」
「……」
「朝倉!」
「ふふ。そんな顔しないで……じゃあね。キョンくん……」
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 03:06:14.60 ID:fN++ZSIBo
「……長門」
「……何」
どうして朝倉を……そんな言葉が出そうになったのをぐっと堪えた
長門は助けてくれたのだ
情報統合思念体とやらからの刺客である朝倉から俺を
それはきっと善意の事で……
「いや……なんでもない。それよりこれ、大丈夫なのか」
「……問題ない。情報操作は得意……まずはこの空間の再構築を行う」
ゆっくりと空間が俺の知っている教室に戻っていく
「……大丈夫?」
「……ああ。長門も怪我とかしてないか」
「問題ない」
「そうか……」
それきりお互いに喋らなくなる
俺はといえば頭の中で朝倉のことばかり考えてしまっていた
なぁ……朝倉
俺はまたお前と喫茶店にでも行きたいぞ
今度はハルヒとかsos団メンバーも呼んでさ
その時は勿論俺が奢るさ
……だから戻って来てくれよ
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 03:07:54.24 ID:fN++ZSIBo
「キョンくんおかえりー」
気がついたら家に帰ってきてたらしい
あの後長門とどうやって別れたのかすら覚えていない
返事もそこそこに部屋に引きこもってしまう
「キョンくーん。ごはーん」
「今日はいい」
「風邪でも引いたぁ?」
「……ああ、そうみたいだ」
「大丈夫ー?」
「……少し寝とくから部屋にはいるんじゃないぞ」
「はーい」
「……朝倉」
ああ、なんて未練がましいのだ……俺は
それでも巡る思考を止めることはできなかったのである
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 03:10:31.10 ID:fN++ZSIBo
どれくらいの時間がたったのだろうか
パチリと部屋の電気が付く
入ってくるなと言っただろうに
文句を言いたくなるが話すのも億劫であるので狸寝入りを決め込むとする
「風邪引いたって聞いたけど……辛くはなさそうね」
そんな言葉と共にベッドに近づいてくる
そした突如ヒヤリとした感触が額に乗る
……言うまでもなくハルヒの手である
「……妹ちゃんに心配かけるんじゃないわよ」
そこは嘘でもハルヒが心配していると言ってくれないものなのかね
……などと少々身勝手な感想を考えていると
「……あんた何時まで狸寝入りしてんのよ」
いきなり鼻を思いきりつねられてしまった
「お前いきなり鼻つまむなよ……」
「で、どーしたのよ」
「……どうしたも何もないぞ。ただ身体がだるいだけだ」
「……」
「……」
ジッとハルヒが此方を見つめてくる
何だか全てを見透かされそうで思わず目をそらしてしまいそうになるがぐっと堪えて見つめ返す
「……ふーん。この私に嘘を付くとはいい度胸ね」
「嘘なんて言ってないぞ」
事実身体は疲れきっているのだ
「……はぁ。仕方ないわね。ったく」
そっとハルヒが頭を撫でてくる
「お、おい」
「黙りなさい」
「……」
「いいから。何も考えず目を閉じなさい」
ハルヒに言われるがままに目を閉じる
「……今はゆっくり休みなさい」
「……ずいぶんと優しいんだな」
「そうね。珍しく本当に弱ってるみたいだからね」
「……普段もそのぐらい優しくしておいてくれると助かる」
「残念ながら今日だけよ」
「……そいつは残念だ」
「いいから黙ってなさい……寝るまでいてあげるから」
ああ、もう
本当になんなのだ
何時もは強引で遠慮せずに此方の都合も考えずに問い詰めてくるだろうに
急に優しくされるとむず痒いんだよ
せめて寝顔は見られないように布団を大きめに被り寝返りをうつ
……優しく撫でてくるハルヒの手の温もりを感じながらゆっくりと意識が沈んでいくのだった
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/04/30(月) 04:34:13.43 ID:s8eWSNL40
きてりゅうううううう
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/30(月) 14:15:11.93 ID:w8Juahyso
この幼馴染独特の勘の良さよ
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/30(月) 18:45:15.77 ID:OnomNgQh0
乙
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 22:49:02.15 ID:fN++ZSIBo
「う……ん」
「……朝か」
目覚ましの音で目が覚める
身体が異常に重いのは果たして肉体的なものからなのかそれとも……
「……夢じゃなかったんだよな」
できるなら夢であってほしい
リアルすぎる夢を見た、ただそれだけであったならどれだけよかったのだろうか
「キョンくーん。朝だよー!元気出たぁー?」
「ああ。もう大丈夫だから先に降りてなさい」
「わかったぁー!」
……休むわけにもいかないよな
休んだら今度こそハルヒに叩かれそうだ
「……あいつに何て説明すればいいんだよ」
ハルヒにとっても朝倉は大切な存在だったはずだ
その朝倉が消えただなんてどう言えばいいんだ
昨日のあれは全部夢で、登校すると何事もなかったように朝倉がいる
……なんて事になってくれるなら俺は毎日あの校門までのだるい坂を楽しく元気に登校してやってもいいぐらいだ
そんな気持ちを持ちながら登校した俺を待ち受けていたのはやはりハルヒ一人であった
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 22:49:30.98 ID:fN++ZSIBo
「……ちゃんと来たのね」
「ただの風邪だしな。一日寝れば治るさ」
「そう。ならいいのよ。今日はSOS団の会議の予定だったから休んだりしたら罰金ものよ」
「会議?一体何の」
「放課後になったら言うわ」
「そうかい」
それで会話は終わったようだ
ハルヒは頬杖を付きながら窓の外を見始める
俺はといえば空席である朝倉の席をぼおっと眺めているのだった
ああ、本当に朝倉は……
「お、おはよう?」
「……はい?」
そこには何だか恥ずかしそうに両手の指をモジモジさせている朝倉がいた
「もう大丈夫なの?」
「ええ、お陰さまで。心配かけてごめんなさいね」
「いいわよ。今日からはばっちりと働いてもらうわよ」
「ふふ。お手柔らかにお願いね」
「じゃなくてだな!朝倉!」
「ちょっとうるさいわよキョン」
「なんでお前がここにいる!」
「ちょっと、あんた何言ってるのよ」
「えーっと……ごめんね?キョンくん。少し落ち着いて?」
「なぜ謝る!いやすまん。落ち着けと言われても落ち着けるわけがないだろう」
「後で全部説明するから……もうすぐHRだしお昼にでも」
そう小声で伝えてくる朝倉
……ああ、全部教えてもらうからな
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 22:50:32.72 ID:fN++ZSIBo
これほどに待ち望んだ昼休みというものは初めてかもしれない
昼休みになると朝倉と俺は文芸部室ことSOS団部室に来ていた
「朝倉!これはどういうことなんだ」
「どうって?」
「昨日のことだ。お前は長門にその……それとも、あれはやっぱり俺の夢か何かだったのか?」
「夢じゃないわ。現実に起きたことよ」
「じゃあ朝倉はやられたわけじゃなかったってことなのか?」
「それも違うわね。情報統合思念体の端末である朝倉涼子は昨日確かに情報連結を解除されたわ」
「じゃあ……お前はどうして……?」
「……再構築されたのよ」
「再構築……?」
「んーっと……蘇らせられた?って言えばいいのかな」
「情報なんたらにか?」
「いいえ……私を再構築したのは恐らく涼宮さん」
「……ハルヒが?」
「ええ。どうにも私は予想以上にSOS団のメンバーとして望まれていたようね」
「無意識的に彼女は私が消えることをよしとしなかった。結果として連結解除された私は再構築された」
「驚くべきことに今の私は情報統合思念の末端としてではなく、ただの人間として再構築をされてしまったの」
「ただの人間として……?」
「そう。涼宮さんがただの人として私を望んでいる。これは異常事態よ」
「この事態を受けて上も混乱したわ。ただ非常に貴重な観察対象とされた私の処分は結果的に見送られたわ」
「すまない。話についていけなくなりそうなんだが」
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 22:51:09.74 ID:fN++ZSIBo
「んー。簡単にいうと私は人間になって、私が情報統合思念体に消されるという話は当分はないってことね」
「……そうか」
「やっぱり一番の不思議は何故涼宮さんが私を人間として復活させたかよね」
「そんなのが不思議なのか?」
「当然でしょう?涼宮さんの行動理念は入学式、それにSOS団の活動目的からも明白だし。末端としてではなく人間として蘇らせる必要はないのよね」
「ふむ……」
「あっ。その顔。もしかして何か心当たりがあるの?」
「……さぁな」
何となく……いや、思い付くことはひとつある
あるがそれを教えるのはなんだか勿体ないような気がした
どうやら今回の一件で名実ともに人間となった朝倉なのだ
人間ならば悩みのひとつやふたつ持っているのもなのだ
大いに悩んでもらおう
なのでここはひとつ、話題を変えることにした
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/04/30(月) 22:51:58.16 ID:fN++ZSIBo
「それにしても昨日は本当にまいったぞ」
「あー……ごめんね?怖かったよね……怪我は……してないよね?」
「ああ。傷一つついてないぞ」
「よかった」
「怖いというよりも状況整理に必死で頭が破裂しそうだったさ」
「ふふ。キョンくんらしいわね。そんなに悩んだんだ?」
「そりゃそうさ。いきなり呼び出されて殺すと言われたと思ったら自分は宇宙人とか言われてあげくに……」
「……」
そう、そうだった
朝倉が生きていた喜びですっかりと忘れていたのだが……
色々ととんでもない話をされた後に自分は告白されていたのだ
「あー……」
中途半端に途切れた会話の間を埋めるためにまた中途半端な発言をしてしまう
朝倉も俺が何を思っているのか勘づいたのかさっきまでの淡々とした表情から恥ずかしげな表情に変わっている
なんだかそれだけなのに凄く女の子っぽさを感じてしまうのは何故だろうか
……って、そうじゃなくてだな
「……嘘じゃないからね?」
「え?」
「今は返事はいいから」
本当にそれでいいのだろうか
あまりにも不誠実ではないのだろうか
そんな思考に囚われている俺に朝倉は畳み込んでくる
「せっかく人間になれたんだもの」
「キョンくんから告白されるくらいの女になるわ」
「私の新しい目標よ。だからそれを取り上げないで?」
「……わかったよ」
「ふふ。ありがとう。そろそろ教室に戻ったほうがいいわよ。涼宮さん……きっと怒ってるわよー?」
「そんなことはないだろう」
「さぁ……どうかしら」
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/01(火) 02:59:17.71 ID:Cb/GetB60
来てた
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/01(火) 09:58:59.47 ID:xDxeo+sj0
乙
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/01(火) 10:01:04.14 ID:ROcxpLbeo
連続更新いいぞ
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/01(火) 21:18:10.34 ID:hWpFqzOFo
メインヒロインは朝倉だった
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/02(水) 03:59:43.85 ID:p2duhN2qo
乙
確かに朝倉のヒロイン力は強いがそれでもあえてハルヒを推したい
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/03(木) 07:58:39.15 ID:zHH1DxvQo
「……それで、本当に私は思念体から狙われなくなったのかしら?」
「……不明。ただし分岐した世界が今後どうなるか観測するまでは静観」
「……そう。それにしてもまさか復活した上に人間になるなんてね」
「……」
「そんな顔しないで?あの時私が消えるのは決まっていたことなんだから」
「……そう」
「感謝もしてるのよ。貴女がいたからキョンくんを傷つけなくてすんだのよ?感謝してるくらいよ」
「……」
「気にしすぎ。それに、これで何も気にせずに人生ってのを謳歌できる訳だしね。気楽でいいわ」
「今後はバックアップとしてではなく友達として貴女の側にいる。それで問題ないでしょう?」
「……問題ない」
「ふふ。改めてよろしくね」
「……よろしく」
「それじゃあ楽しみましょうか。あるべき未来と変わってしまったこの世界を」
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/03(木) 07:59:59.35 ID:zHH1DxvQo
教室に戻った俺を出迎えたのはムスっとした表情でアヒル口を作ったハルヒであった
「朝倉と何してたのよ。ご飯食べずに待ってたのに」
おお、よくある幼馴染みのテンプレをあのハルヒが言っているぞ
「すまん。ちょっとだけ野暮用でな」
「……」
「……どうした?」
「……別に。待たせた罰に今日の帰りちょっと付き合いなさいよ」
「……わかったよ」
それぐらいで機嫌が直るなら安いものだ
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/03(木) 08:02:42.66 ID:zHH1DxvQo
放課後部室に集まった俺達を一通り眺めた後に
「それじゃあ第二回SOS団ミーティングを始めます!」
そう高々に宣言したハルヒの話した内容と言えば
「……つまり週末に不思議探索をすると」
「そうよ!前回はどっかの誰かと涼子がいなかったもの。今回は当然参加よ参加!」
「やれやれ……仕方ないか」
「集合場所は前回と同じ駅前ね!遅れたら罰金よ罰金!」
「わかったよ」
まるで参加するのは当然という物言いに少しは苦言をしようかと悩みもしたが今回はいいだろう
実際異議を唱えるものは一人も居なかったことだしな
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/03(木) 08:03:41.41 ID:zHH1DxvQo
さて、ミーティングとは名ばかりの決定事項をいい放った後はもう自由時間になったようでハルヒは朝倉と朝比奈さんを連れて外に出ていた
恐らくまたバトミントンでもやっているのだろう
中庭の方からはハルヒの馬鹿でかい声と朝倉の声が聞こえてくる
俺は古泉とボードゲームを嗜んでいる
長門は勿論読書だ
「何か良いことでもありましたか?」
「む?何の話だ」
「いえ、珍しく顔がにやけていましたので」
「そうか……ちょっとな」
「朝倉涼子の事ですか?」
「……知っていたのか」
「全てを把握している訳ではありませんよ」
「……なぁ古泉」
「何でしょう?」
「お前らの所属している機関……だったか?そこでも朝倉や長門のところみたいに意見が割れているんだよな」
「はい。その通りです」
「……てことは、今回みたいなことがまた起こる可能性もあるのか」
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/03(木) 08:04:09.90 ID:zHH1DxvQo
「否定はできません、ただそうさせないように僕達は努力しますよ……ねぇ、長門さん」
そこで読書をしていた長門に古泉は話をふる
長門は本から視線を上げこっちを見てからゆっくりと頷く
「……させない」
「……そっか。そういえば長門」
「なに?」
「手は大丈夫か?」
「問題ない。修復済み」
「そうか……改めてありがとうな。助けてくれて」
朝倉のことで頭が一杯だったせいで俺を庇って手を怪我していた長門に対して対応がおざなりだった自分が情けない限りてわある
あろうことか礼すら言っていなかったのだ
長門はもう一度頷くと視線を本に戻した
「何はともあれよかったです。お陰さまで僕のバイトも発生しませんでしたので」
「そういえばバイトってのは何をしているんだ?」
「それはまた機会があるときにお話ししましょう」
勿体つけてくる古泉に対して俺は
「そうかい……ほらよ」
「……まいりました。詰みですね」
ゲームを終わらせたのだった
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/03(木) 08:04:43.51 ID:zHH1DxvQo
「病み上がりだから手加減して上げただけなんだからね!」
「ふふん。今日は私の勝ちね」
「明日は覚えてなさいよ!涼子」
「ふふ。返り討ちにしてあげるわ」
「くぅー!あんたのドヤ顔見てると悔しいわ」
「何と言われようと勝った方が正義よ」
「むー!覚えておきなさいよ」
「それじゃあキョン帰るわよ!またね皆!」
「あっおい!こら鞄!」
慌てて追いかけたハルヒは下駄箱の前で仁王立ちしていた
「遅いわよ」
「ったく。自分の鞄ぐらい持て」
「だってこうでもしなきゃあんた来ないかもしれないじゃない」
「なんだそれ」
「……別に」
いくら俺だって数時間前に約束した事を忘れたりはしないぞ
「ほら、どっかいくんだろう?」
「……そうね。付いてきなさい」
「はいはい」
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2018/05/03(木) 08:05:21.91 ID:zHH1DxvQo
まだ読んでくれる人いて驚いてるありがとう遅くて本当にごめんね
まだ序章が終わったばかりだけど頑張ります
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/03(木) 08:43:39.44 ID:Vy0YpM3Bo
乙
頑張ってくれ
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/03(木) 09:25:44.63 ID:oky43ePe0
乙
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/03(木) 20:35:21.03 ID:xrFdrYB9O
完結してくれるまで死ぬ気で待ってる
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/04(金) 02:03:38.75 ID:6g3SGdWi0
久々に楽しみなSSなんだ
いつまでも待つけど早く書いて(矛盾)
おつ
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/04(金) 02:11:15.27 ID:FVd3I5I+o
乙
再開してくれるだけでありがたい
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/04(金) 11:35:53.25 ID:4lDlM7WHo
ハルヒを選ぶのかそれとも朝倉なのか
佐々木がどうなってるのかも気になる
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/05(土) 10:05:50.17 ID:V7Tz91HRO
荒らしがここのURL貼って邪魔するんだけどここでちゃんと紐握って離さないで
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/05/28(月) 20:41:04.97 ID:MeOSK9w40
ハーメルンや渋で書いてもええんやで?この手の掲示板ではパスワード忘れて未完ってこともあるみたいだし。
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/28(月) 21:28:50.90 ID:OqFKGzVA0
へーここって書き込むのにパスワード必要なんだ知らんかったわ
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/28(月) 23:58:46.76 ID:0Bef/siQO
ほー書き込むのにパスなんて必要だったのかー
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/05/29(火) 08:44:11.21 ID:yhLiT+OX0
パスワードとかは要らなかったんだった。なんで俺こんな事書いたんだろ・・・
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/29(火) 09:17:26.94 ID:W6B0irp6o
酉は忘れる危険あるけどこの作者付けてないしね
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/29(火) 21:51:45.97 ID:TmhEcnbeO
パスワードうんぬんよりまずsageる事を覚えるべきだろ
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/15(月) 11:59:18.53 ID:/2ScupsnO
復活してるのか
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/19(日) 22:40:31.53 ID:obrh20BsO
で、今どうなってるの?
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