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男「はぁ?ダンジョンに行ってこいって?」
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70 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/16(火) 11:20:24.59 ID:76z/AbrT0
投下終了です。
ちなみにこのSSは別に世界を救う勇者の話などではありません。1人の少年とその周囲の人間の、ダンジョン物語です。
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 11:27:42.69 ID:364FEUypO
おつ
次もきたい
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 11:34:41.38 ID:IJEoqns9O
剣道やってるけど実戦にはなんの役にも立たないよ
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 11:57:03.18 ID:76z/AbrT0
>>72
3段だけど自衛の為に小手アンド膝おすすめ。使う機会がない方がいいに決まってるけど。
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 17:52:24.33 ID:YBpYA9uMO
そんなこと言ってたらなろう界隈じゃ生きてけねーよ
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 21:11:45.40 ID:CxcLVMZyO
面白いからもっとかけ
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 22:37:03.71 ID:x3m8McVAO
乙
>>58
世界観が現実準拠ぽかったのでつい計算しちゃったんだが、普通の蟻の体重を0.004g、体長を0.5cmとすると60cmの蟻はなんと7kgある
蟻がぶら下がった場所を1m先として、持つ場所を10cm先とすると70kgの荷物を持ち上げる力がないと剣は持ち上がらないどころか水平にすら持っていけない
まあダンジョンだから蟻も普通じゃなかったんだな!うん!
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 23:04:38.52 ID:364FEUypO
>>76
それで納得したならわざわざ嫌味ったらしく文に書き起こして書き込む必要無い........無くない?
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 23:04:38.83 ID:x3m8McVAO
やべ、剣の質量と重心忘れてたけど振り上げるなら結局これ以上必要だと思う
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 23:12:33.52 ID:BEdt3zroO
最近、フィクションにドヤ顔で「俺って頭良いだろ?」みたいなバカがバカみたいな事を書き込む事案が多いなぁ…夏だからかなぁ…
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 23:23:42.35 ID:NzRNDxSEo
そういうメタ的計算好きだから嫌みっぽくないようにいってくれれば皆ハッピー
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/16(火) 23:26:00.77 ID:gj8QPcb20
>>76
モーメント力だけで解決すると思ってるんだったらおめでたい頭だな。
黙って塾でも行って来いよクソガキ。
82 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/16(火) 23:53:45.14 ID:ZLdVYUBcO
こんばんわ、1です。軽く投下していきます。
何か色々揉めてるので、
>>76
を
>>1
が説明しましょう。
きっと重力が地上よりこのダンジョンは軽かったんです。
だって!ダンジョンなんだから!!
以上です。投下します。
83 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/16(火) 23:55:34.16 ID:76z/AbrT0
男「オートマタ……何でこんなモンがこんなところに……」
森林地帯にポッカリと空いた円形のスペースに、ポツンと置かれた1つの墓。
そこに寄り添うように、少女の姿をした魔導式機械人形オートマタが眠っていた。
オートマタとは、簡単に言えば自我を持った人形である。
自分で考え、行動する。
側から見れば、普通の人間とそう変わらないだろう。
単純に、家庭用のモノもあるし、ダンジョン攻略のパートナーとして連れている者も多い。
そんな技術と魔導の結晶であるオートマタが、何故こんな所で捨てられているのか。
84 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/16(火) 23:58:19.15 ID:76z/AbrT0
男「……とりあえずほっとくのもアレだしな……でもこの墓の下の人がコイツの持ち主だったら、引き離すのも悪い気がするし。んー」
死んだ持ち主と共に眠るオートマタという、映画のエンディングに出てきそうな感動的な話かもしれないと思うと、やはり放って置くのが正解なのか。
そうこうしている内に
魔少女「……先輩……」
先ほど男を助ける為に、魔力の大半を使ってしまった魔少女が、魔力を回復させて追いついたようだ。
男「ん?おぉ、魔少女。丁度よかった、実はコイツ」
魔少女「先輩……とうとう罪を犯してしまったんですね」ハァッ……
男「え?は?」
魔少女「先輩が……そのような女の子に手を出す人間だとは思いませんでした……安心してください、自首する時は私も付き添いますから」
男「はいストップ。魔少女ストップ。お前は重大な勘違いを」
魔少女「私の……私の管理不足でした。先輩が無事にお勤めから帰ってきた時は、私も社会復帰に協力します。
まずは地道に出所者更生用の職場をリストアップして」
男「やめろ!具体的に出所後の復帰プランまで考えるのはやめろ!!」
85 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 00:00:07.98 ID:/KNu79xO0
…………
魔少女「なるほど……オートマタですか。確かにこんなダンジョンに廃棄されているなんておかしいですね」
男「だろ?それも墓の側で倒れてんだぜ?何か映画のワンシーンみたいだよな」
魔少女「何処かに……製造年月日が記されているはず……」ゴソゴソ
男「え!?ちょ、バカ!!何やってんだお前!!」バッ!!
魔少女は、オートマタの作られた年代を調べようと、ボロボロのドレスを脱がし、身体中を調べていく。
人形とはいえ、見た目は完全に人間の少女なので、魔少女が色々弄ったり開いたりと、絵的にかなりヤバイ事になっている。
純情な男子高生には、直視しがたい光景である。本当は見たいが。
魔少女「ッ!?ありました……今から20年以上も昔に製造されたモノです」
男「20年!?そりゃまた結構古いなぁ。俺らが生まれるより昔か……あ」
魔少女「…………」
驚いた男は、つい目線を魔少女達に向けてしまい、少女を形取ったオートマタを色々と凝視してしまう。
見た目は人間と変わりはない。つまりモロ見えだ。
男「…………とりあえず上着かけといて…………」スッ……
男は経験値を獲得した。
男はレベルが上がった。
86 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 00:01:50.47 ID:/KNu79xO0
魔少女「で……どうします?先輩」
男「ん?どうって?」
魔少女「このオートマタ……恐らくまだ使用出来ますよ?」
男「え!?マジで!?壊れてねぇの!?」
魔少女「いえ、流石に壊れてはいます……ただ、専門店に行って修理してもらえばいいかと」
男「修理かー。でも金かかんだろ?高校生で払える額なのか?」
魔少女「そこはコツコツと貯める感じで……ダンジョンを回ればバイトよりは早いですよ?」
男「んー……でもなー……問題は、この墓の主とこのオートマタの関係だよな。無闇に引き離すってのもさぁ……こう……何かダメな気がしない?」
魔少女「墓の主がオートマタの主であるなら……もう死んでいるので大丈夫です。所有権はリセットされています」
男「いやそうじゃなくて……お前意外とドライなんだな……」
魔少女「そうですか?……それでどうします?アイテムとして考えるなら、危険度ランク1何かではとてもお目にかかれない超レアものですが」
男「ん〜……んん〜〜〜……」
87 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 00:03:33.71 ID:/KNu79xO0
……………………
ガードマン「そろそろ18時か……何事も無ければそろそろ戻ってくる頃だねぇ」
ダンジョンから脱出アイテム。もしくは最奥地から転送されてくると、ダンジョンの入り口周辺へと転送されてくる。
戻ってくれば、ガードマンが確認出来る仕組みだ。
ちなみに、ガードマンが男に渡した脱出用アイテム。アレは、遠隔操作でこちらからも転送させる事の出来る様になっている。
未成年の場合、20時を超えるとこちらから強制的に脱出させる規則となっているのだ。
これも、未成年の事故を防止する為の最低限の処置である。
シュインッ!!
88 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 00:05:49.53 ID:/KNu79xO0
男「お!戻れた戻れた!!いやー、アリの大群に追いかけられた時はどうなるかと思ったぜ」
魔少女「先輩……今度からダンジョンに入る前には、最低限そのダンジョンの魔物の生態くらい知っておいた方がいいです。その為にガイドブックが配られているんですから」
賑やかな声が聞こえてきた。どうやら帰ってきたようだ。
ガードマン「おぉー戻ってきたねぇ。収穫はあったかい?……ん?」
声の方へと振り向くと、少年と少女の姿があった。
そして
ガードマン「……少年……君が背負っている子は……」
少年の背には、ボロボロのドレスを着たボロボロの少女らしき姿が。
男「え?あ!?ストップ!ガードマンさんの今考えている事は恐らく誤解ですから!!これには深い理由が」
魔少女「先輩……面会には時々行きますから安心してください」
男「魔少女!!お前もちゃんと理由を説明して」
ガードマン「まさか…………そんな…………『エリス』……」
男「へ?」
魔少女「?」
ガードマンの老人が1つの名を呟く。
それはこの老人の遠い遠い思い出。
89 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 00:07:20.56 ID:/KNu79xO0
『おっちゃん!今日もダンジョンで一稼ぎしてくるぜ!!行くぞエリス!!』
『毎日お勤めご苦労様です。待ってくださいマスター』
『待ってよー○○ー。私も行くってばー』
90 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 00:09:44.30 ID:/KNu79xO0
泥だらけで眠っているオートマタを、老人はじっと見つめる。
ガードマン「そうかい……帰ってきたんだねぇ……『エリス』……」
老人の目に涙が滲む。
年老いて涙も枯れたと思っていたその目に。
20年近く前の思い出と共に。
男「……えっと……ガードマンさん?」
魔少女「先輩……空気読んでください。今は感動シーンというヤツです」
背に担いだオートマタを見つけた本人達は、いまいち状況を把握出来ていなかったが。
91 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 00:11:37.45 ID:/KNu79xO0
投下終了です。眠いのでいいところで中断です。
明日の朝に残りを投下します。ではまた。
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 00:13:48.95 ID:xPyQLhh0O
乙
93 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 07:56:01.76 ID:/KNu79xO0
…………
ガードマン「そうかい……ダンジョンの森の中に墓が……」
魔少女「はい……恐らくこのオートマタの子が作ったのでしょう。壊れた両手には土がビッシリ詰まっていましたから」
ガードマン「……昔……君らと同じ年くらいかなぁ……ダンジョンにしょっちゅう足を運ぶ少年がいたんだ」
ガードマンの老人は昔を思い出しながら語り始めた。
ガードマン「その少年に引っ付いて行くように、この子ともう1人、活発そうな女の子もダンジョンに入っていた。毎日のようにねぇ。
話を聞くと、修行がてらにダンジョン系の学校に入る為の資金稼ぎをしていたそうだ」
94 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 07:58:04.85 ID:/KNu79xO0
『おっちゃん!俺は世界中のダンジョンを冒険したいんだ!!まだ誰も見たことない景色を、お宝を一番に発見してやりたいんだ!!』
『マスターだけじゃ心配だから、私もお供するつもりです!」
『○○は年下の私より腕っぷしが弱いんだから、エリスと私がついててやらないとねー☆』
ガードマン「そして進学して卒業し、仕事をこなしながら許可ランクを順調に上げていった彼は、身重の奥さんと小さな男の子を置いて、この子と海外で新しく出現したダンジョンに挑戦した。
……そのまま彼が生きて帰って来ることはなかったけどね」
『マスターは……このダンジョンが大好きでした。だから眠る時はこのダンジョンの中で眠りたい。それが最後の言葉です』
ガードマン「……この子は彼の遺骨と共にこのダンジョンに入りそのまま……あれから20年近く経った。まさかもう一度会えるとはねぇ……」
魔少女「…………おじいさん…………」
魔少女の側で横たわるオートマタの少女を見つめながら、ガードマンの老人は語り終える。
95 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 08:09:40.44 ID:/KNu79xO0
男「魔少女ー!!ガードマンさーん!!やった!ノルマ達成した!!これであのクソババァの新技の実験台にならなくて済むわ!!」ヒャッホー
ガードマン「ハハハッ、よかったねぇー」
魔少女「……あぁ……今魔力が少なくなかったら……少なくなかったら……」ワナワナ……
シリアスブレイカーの使い手とも言わんばかり、満面の笑みを浮かべて小躍りしながら、男はダンジョンにて回収したアイテムの換金から戻ってきた。
ちなみに、ダンジョンアイテムの換金は、基本的には公的機関の換金所で行われている。
武器や防具、魔法道具などは直接店に売りに出した方が高く売れる事もあるが、多種多様なジャンク品なども多い為、換金所が収集品を受け取り、ジャンル毎に仕分けされ、各業者に売り渡すといった仕組みだ。
今回は近くの市役所に設置された換金所で男は換金してきたようだ。
ちなみに換金所員は公務員である。いつでも取引が行われるよう、3交代制で日夜行われているのだ。
今回、魔少女やスライム達が集めてきたモノを含め、160ゴールドの稼ぎである。
ダンジョン滞在時間は4時間ほど。時給40ゴールドと考えれば、破格の稼ぎだ。(1ゴールド→約100円)
その分、男はかなり死ぬような思いをしたが。
96 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 08:16:04.70 ID:/KNu79xO0
男「よし、早く行こうぜ魔少女。急がないとオートマタの修理に出せなくなっちまう」
魔少女「先輩……感動の話の余韻も感じさせてくれないんですね……」ハァッ……
ガードマン「この子の修理先をお探しかい?」
男「はい!あ、ガードマンさん、どこかいいお店知ってたりします?出来れば安いところが」
ガードマン「それなら、商店街にある『フリーダム(糸の切れたマリオネット)』という店に行くといいよ。私が連絡しておこう」
男「商店街か。ありがとうガードマンさん」
魔少女「いいお話……ありがとうございました」ペコリ
ガードマン「いやいや。こちらこそ古い知り合いに再び会えてよかったよ。……贅沢をいえば、彼のお墓に一度くらいは会いに行きたかったけどねぇ」
ダンジョン入り口から転送される空間の先は、無限に近いほど存在する。
同じダンジョンに再び入る事は、宝クジに当たるレベル以上の確率となるだろう。
男「行けるよ?」
ガードマン「……え?」
男は、即答で老人に応えた。
97 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 08:21:28.88 ID:/KNu79xO0
男「コイツがさ、オートマタが直ったら、この子がお墓まいりにいつでも来れるようにって、墓に探知魔法かけてんだ。頭いいよなー」ポンッ
魔少女「……ダンジョン救助用の……空間固定用の道具を使えばいつでもお墓のある空間に繋げられます」
ダンジョン探索の保険として、脱出用の魔法道具の他に、自分のいる空間を外に知らせる道具もある。
万が一の救助の時は、専用の魔法道具で、その空間を選んで繋げられるのだ。
最も、その階層までは自力で行かなくてはならない為、危険度が高いダンジョンほど救助に行ける人材も少なくなるが。
ガードマン「き、君たちは……ありがとう……」
男「こっちこそお店教えてくれてありがとでーす」フリフリ
魔少女「お墓に行く時は……いつでも言ってください。では」ペコリ
男と魔少女は、オートマタを担ぎ商店街へと向かう。
98 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 08:23:07.20 ID:/KNu79xO0
魔少女「先輩……お墓まいりを提案したのは先輩ですよね」
男「ん?んなもんどっちでもいいだろ。その為の魔法が使えるのはお前なんだし」
魔少女「フフッ……やはり先輩は先輩ですね」
その3人の光景を見て、ガードマンの老人には昔の光景が被って見えた。
ガードマン「あの頃のあの子達とそっくりだねぇ……」
99 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/17(水) 08:25:02.59 ID:/KNu79xO0
投下終了です。ではまた。
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 10:09:52.60 ID:rLa9l5jw0
おつつ
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 10:28:42.98 ID:eho6fnctO
ええやん
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 12:42:19.49 ID:aat8zZtr0
よい
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/17(水) 17:58:15.16 ID:MQWjDY9Io
乙
男はおじいさんの話聞いたん?
104 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 07:38:08.74 ID:LiXEd17d0
お早うございます。
>>1
です。
軽く投下しておきます。
>>100
>>101
>>102
ありがとうございます。引き続きどうぞ。
>>103
おじいさんが人形と墓の人物の知り合いである事は換金に行く前に聞いてますが魔少女が聞いた内容は聞いてません。
105 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 07:52:29.72 ID:LiXEd17d0
一(はじめ)市商店街 魔導式機械人形店 『フリーダム(糸の切れたマリオネット)』
「話はじーさんから聞いてるよ。懐かしい子が帰ってきたってな」
男「知ってるんですか?このオートマタの事」
「あぁ、20年くらい前にウチが扱った子だよ。元々ジャンク品だったんだが、当時君くらいの男の子が持ってきてね。ダンジョンで部品代を稼いで地道に直してたなぁ」
男「へぇ……あの、ちなみに修理代ってどれくらいになりそうですか?」
「んー、ざっと見積もって2000ゴールドくらいかなぁ」
男「に、2000ゴールド!?」
「各部のメンテナンスと魔導動力コアの交換。それに両手の復元もあるからね。一般的な流通部品が多いから修理自体は早く終わるんだけどね」
男「ど、どうする魔少女……」
魔少女「それは……普通にダンジョンで稼げばいいんじゃないですか?」
男「んな簡単に言うなよ……さっきのダンジョンだけでも10回以上潜らなきゃいけないだろ」
魔少女「ダンジョン探索というのは……そういうものです」
106 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 07:57:15.37 ID:LiXEd17d0
「まぁ懐かしいお客さんだ。1500にまけてもいいが……そこはやっぱ条件ってものがあるよなぁ」
男「条件?」
「この子の修理に必要な素材を調達してくれ。もう少ししたら仕入れようと思った材料がいくらかあるんだ」
魔少女「素材……ですか」
男「買ってくればいいんすか?」
「それでもいいが、出来るものはダンジョンで調達した方がいいだろう。君達の資金稼ぎにもなるしね」
男「やっぱダンジョンかぁー。今日の出来じゃあ、次は心配だな」
魔少女「その前に少し……特訓しないとダメですね。先輩は身体は出来てるんですからお勉強です」
男「修理代金ってローンでもいいですか?」
「別にかまわないよ。君達なら夏休みの間に払いきれるだろ。あ、これ素材のリストね」
107 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 08:06:20.72 ID:LiXEd17d0
魔導回路用の水晶 150ゴールド 水見市のダンジョン ランク2
人皮樹脂 60ゴールド
冷却用オイル 40ゴールド
魔導コア用の魔力結晶ランク1
250ゴールド ダンジョン レア
オートマタの服(お好み)
オートマタの武装(付けたいなら)
男「買うとなると結構高いなー」
魔少女「服は……私が選びます」
「修理が終わるのは、大体2週間後だな。それまでに素材は都合つけてくれると助かる。特に動力燃料の魔力結晶はな」
男「わっかりましたー。とりあえず買えるヤツから揃えてみます」
魔少女「よろしくお願いします」ペコリ
108 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 08:12:27.44 ID:LiXEd17d0
…………
男「今日はダンジョンから何やら付き合わせてありがとうな、魔少女。また何か奢るよ」
魔少女「いえ……オートマタなんて高価なモノやあのお爺さんのいい話も聞けましたので。あ、その時はチーズケーキでお願いします」
男「ハイハイ。しかし、今度は1人でダンジョンか。せめて魔物を出せるくらいは魔力の練習しないとな」
魔少女「……1人?」
男「ん?いや、お前も夏休みは色々予定あるだろ。流石に何度も」
魔少女「余計なお世話です……大体今の先輩が1人でダンジョンに行ったら全部治療費に持っていかれます」
男「ヒデーなお前」
魔少女「それに……あのお爺さんの話を聞いて、あのオートマタの子は必ず直してあげたいと私は思いました。何を言われてもついていきますよ」
男「ハイハイ、わかりましたよ。んじゃ、またな」
魔少女「はい……おやすみなさい」
109 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 08:14:19.02 ID:LiXEd17d0
ガチャッ!!
男「ただいまー」
母「おっかえりー!ねぇ、どうだったどうだった?」
男「どうもこうも疲れたわ、向かいの魔少女が居なかったらどうなってたか」
母「あら、魔少女ちゃんも一緒だったんだ。あとでお礼いっとかなきゃねー」
男「んでコレ。全部で160ゴールド。この金まで闘技場に注ぎ込んだらぶっ飛ばすからな」
母「へー、結構頑張ったのねーお疲れ。た・だー……」
男「は?まさか更に注ぎ込んだとか」
母「ブー!正解は、もっかい行ったら大勝ちしちゃったでしたー☆というわけで晩ご飯はお寿司デース!!」テヘペロ♪
男「だから行くなっていってんだろうがぁぁああ!!」
母「いいじゃないの勝ったんだから。アンタの初ダンジョン祝いって事で」
男「はぁ……俺は何の為にあんな思いを……」ガクッ
母「というわけでそのお金はアンタのお小遣いにしていいよ。魔少女ちゃんに何かご馳走してやりな」
男「それならまだいいけど……何か納得いかねぇ……」
110 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 08:20:00.05 ID:LiXEd17d0
…………
男「ハァッ……疲れた……」ドサッ
振り回されまくった1日を終え、男は自分のベットにダイブする。
♪ライ〜ン♪
男「ん?魔少女から?」ピッ
『明日特訓です』
男「早速かよ!スパルタだなぁ……まぁ空いてるからいいけど」ピッ
男「ハァッ……もう寝よう……」ポイッ
携帯を放り出して死んだように眠る男。
その携帯の待ち受け画面には、ダンジョンの出口で魔少女とスライム3匹と共に写った写真が登録されていた。
本日の成果
160ゴールド
スライムのこころ 3つ
ラージアントのこころ 2つ
オートマタ『エリス』(修理中)
修理代 残り1500ゴールド
111 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 08:23:34.60 ID:LiXEd17d0
『魔女達の思惑』
…………
プルルルッ
プルルルッ
魔少女「はい……こんばんわです。ママさん」
母「魔少女ちゃん、今日はわざわざありがとねー☆」
魔少女「いえ……私も好きでやっていますから」
母「アイツどうだった?ダンジョンに興味持ってた?」
魔少女「そうですね……興味は持ってると思います。それにある出来事があったのでしばらくはダンジョンに挑んでいきますよ」
母「よかったー。アイツやりたい事がなさそうだったからさー。上の子もそうだったしアイツもダンジョンなら興味持つかなーって思ったのよねー」
魔少女「回りくどい……ママさん、先輩にいつまでウソついてるんですか?闘技場なんて言ったこともないのに」
母「あははー☆バレてた?つい上の子の時と同じ手をねー」
魔少女「そうやって……節約の口実にして先輩の為にお金貯めてるんですよね」
母「魔少女ちゃーん。頭の良すぎる子はお姉さん嫌いだなー」
魔少女「ママさん……お姉さんは流石にもう」
母「魔少女ちゃん?」
魔少女「ごめんなさい」
母「ま、冗談はおいといて……もし今度暇だったらさ。あの子に色々口実つけて特訓させてくれない?メニューは私が考えるからさー」
魔少女「実はもう……明日に行う事を考えてあります」
母「あらー流石ねー、じゃあ魔少女ちゃんに任せよっかな。いやー魔少女ちゃんはアイツのいいパートナーになるわねー☆」
魔少女「そのつもりですが……何か?」
母「え?」
魔少女「え?」
……………………
112 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/18(木) 08:25:48.96 ID:LiXEd17d0
投下終了です。ダンジョン生活1日目でした。
ではまた。
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/18(木) 09:19:27.63 ID:S2UgDufZO
二日目はよ!!
おつ
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/18(木) 09:59:36.43 ID:L2I22piWO
おつおつ
115 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 06:10:31.91 ID:/zggzXI20
おはようございます、
>>1
です。それではダンジョン生活2日目開始です。
>>113
>>114
ありがとうございます。引き続き暇な時にどーぞ。
116 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 06:36:38.56 ID:/zggzXI20
オートマタ素材納品期限まであと13日
次の日
ファミレス
魔少女「今日は……先輩がダンジョンで出来る事を増やしましょう。あ、チーズケーキもう一ついいですか?」モグモグ
男「おー、臨時収入入ったからドンドン食え。で、出来る事ってやっぱ魔力の使い方とかか?」
魔少女「それも重要ですが……折角軍資金があるので装備や魔法道具を整えるのもいいです」モグモグ
男「え?そんな一気に使っちゃうの?」
魔少女「これから……ダンジョンで稼ぐ為の投資です。昨日のように私が毎回助けられるとは限りませんから」ピーンポーン
男「んー……でもダンジョンの装備って高くね?160ゴールドくらいじゃ満足に揃えられないだろ」
魔少女「それに関しては……昨日手に入れた魔物の心を使います。あ、チーズケーキをもう一つ」
男「魔物の心?アレってダンジョンで魔物を仲間にするモンだろ?」
魔少女「昨日も言いましたが……魔物の心は色々な事に使えます。先輩は銅の剣を持ってますから、コレを使いましょう」
117 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 06:40:26.47 ID:/zggzXI20
魔物の心について!!
1.ダンジョン内で、魔物の心の結晶に魔力を込めれば、即席でダンジョン内でのみ魔物を仲間にする事が出来る。
ただし、この場合魔物が力尽きれば魔物の心は消える。ダンジョンから持ち出す事も出来なくなる。
2.魔物の心を、武器や防具に取り付ける加工を行うと、その武器や防具に応じた魔物の技、『戦技』を使う事が出来るようになる。
その際、魔力を消費する。
異なる魔物の技を組み合わせ、新しい『合成戦技』を生み出す事も可能。ただし魔力消費力も多くなり、強化には毎回組み合わせた魔物の心が必要。
加工は店でしか出来ない為、ダンジョン内では基本不可。たまにダンジョン内に店を出してる物好きもいる。
3.魔物の心をアクセサリーに取り付ける加工を行えば、魔物を永続的に仲間に。もしくは大きく魔力を消費する『召喚』が出来るようになる。
4.加工を行う時は、魔物の心を重ねる事で能力が強化される。つまり、魔物の心を重ねれば重ねる程強くなり、魔力注入容量が増える。
ちなみに、注入する魔力が大きければ大きい程、基本的に強くなる。
5.魔物に関する事柄については、ダンジョン内以外での使用は不可能。魔物の力は使用者とダンジョン内の魔力がトリガーとなっている為である。
その為、お試し用のダンジョンなどが作られていたりする。
118 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 06:51:20.45 ID:/zggzXI20
魔少女「以上が……魔物の心ついてです。色々上級な使い方もありますが、まずはこれが基本かと。あ、チーズケーキこっちです」
男「なるほど……ん?結局魔力の使い方がわからないと意味ないって事?」
魔少女「だから……昨日から何度も言ってるじゃないですか怒りますよ?」モグモグ
男「ヤバイじゃん!ケーキ食ってる場合じゃねぇよ!!」
魔少女「心配無用です……魔力の練習ならこのファミレスでも出来ます」コトッ
魔少女は、水が溢れそうなグラスを男の前に置く。
男「ん?飲めってコト?」
119 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 06:52:21.49 ID:/zggzXI20
魔少女「違います……グラスに手を当てて、身体の中から手を伝って力を放出するイメージをしてください。魔力が放出されていれば水が揺れてグラスから溢れます」
男「え?それって水見しk」
魔少女「黙ってやってください……先輩が出来るようになるまで私はチーズケーキを頼み続けます。すいませーん」ピーンポーン
男「装備の資金が無くなるんだけど!?大体魔少女はそんなコトできんのか?」
魔少女「…………」スッ
魔少女はイラっとしながら人差し指をグラスにつける。
その瞬間
ドバァッ!!
男「うぉっ!?めっちゃ溢れた!!布巾布巾!!」フキフキ
魔少女「わかったなら……水を注いで早くやってください」ドヤッ
120 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 06:58:51.92 ID:/zggzXI20
10分後
男「うーん……」
魔少女「すいませーん……チーズケーキおかわりで」ピーンポーン
20分後
男「あ、溢れた!溢れたぞ!!」
魔少女「グラスが揺れただけです……あ、おかわりお願いします」ピーンポーン
30分後
男「コツを……コツを教えてください……」土下座
魔少女「深呼吸して……吐くとともに身体の中の力を手から放出するイメージです。追加でお願いします」ピーンポーン
1時間後
男「あ、溢れた!これは成功だろ!!」チョロチョロ
魔少女「そうですね……でも弱すぎます。せめて布巾が必要なくらいは頑張ってください。面倒なのでホールごとください」ピーンポーン
2時間後
男「で……出来た……」ゴポゴポ……
魔少女「合格ですね……では魔物の心を加工しに行きましょう。ごちそうさまでした」
「お会計、40ゴールドになりまーす」
121 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 07:23:29.48 ID:/zggzXI20
一市商店街
魔少女「さて……ようやく最低限の下地が出来たわけですが」
男「チーズケーキだけで40ゴールド……残り120ゴールド……」
魔少女「おいしかったです……まずは剣に能力をつけるところから始めましょうか」
男「残り119ゴールド……」ポチッ
ガタンッ!
魔少女「ジュースは買うんですね……さ、お店に行きましょう」
122 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 07:25:32.94 ID:/zggzXI20
武器専門店『俺の武器』
魔少女「さて……いまここには、スライム3つとラージアント2つの心があります。
カタログによると……剣タイプの武器にこれらの心を加工した場合、こんな『戦技』が使えるようですね」
スライムの心→スラ・ストライク
ラージアントの心→ウォークライ
男「うん、どんな技なのかサッパリわからん」
魔少女「ちょっと待ってください……スラ・ストライクは力を溜めて突撃。ウォークライは力を上げる技だそうです」
男「ん?突撃って別に、魔力使わなくても出来るんじゃねーの?」
魔少女「魔力を纏うことで……威力やスピードが上がるんだと思います。それで、どちらにしますか?」
男「んー……」
魔少女「そんなに……悩む必要はありませんよ。これから色々試していけばいいんですから」
男はまだダンジョンを一回クリアしただけ。ゲームでいえばチュートリアルを終えただけだ。
これから無数に溢れるダンジョンに挑むかもしれないと考えれば、こんな序盤好きにすればいいのである。
男「じゃあ面白そうだから2つ組み合わせたヤツで」
魔少女「ですよね……先輩ならそう言うと思いました。じゃあそれでお願いします」
「あいよー!!お代は50ゴールドね!!嬢ちゃん可愛いからサービスで研磨もしてやろう!!」
123 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 07:30:23.92 ID:/zggzXI20
ダンジョンアクセサリー店『私の装飾』
男「ひょっとして、武器屋のおっちゃんと親子だったりします?」
「あ、やっぱわかる?」
魔少女「とりあえず……スライムの召喚1つと残りを仲間にお願いします」
「あいよー!!お代は50ゴールドね!!」
男「女子なのに買い物が速いとは……」
魔少女「さっき……自分で悩む必要がないって言いましたから」ドヤッ
男「あらやだこの子男前」
魔少女「」ドヤッ!
124 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 07:31:40.67 ID:/zggzXI20
男「あと17ゴールドかー。あっという間に無くなったな」ズズッ……
魔少女「何気にまたジュース2本買ってますからねぇ……あ、ごちそうさまです」ズズッ……
男「それでこれからどうする?17ゴールドであとは他に何が出来るんだ?」
魔少女「何を言ってるんですか……次は実戦です」
男「え!?もう!?昨日の今日だぞ!?」
魔少女「先輩は……昨日よりやれる事が増えましたから。昨日よりは楽だと思いますよ」
男「そんな急に変わるもんかねぇ〜」
魔少女「目標は……昨日と同じ100ゴールドです。ただし2時間で先輩1人で稼いでください。私も色々特訓したいので」
男「え?マジで?2時間で俺1人じゃ、昨日の4分の1以下だぞ?」
魔少女「先輩……何のために、私が40ゴールド分のチーズケーキを食べたんですか?」
男「……あ」
125 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/19(金) 07:35:56.84 ID:/zggzXI20
投下終了です。次は男が強くなってダンジョン再突入です。
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/19(金) 07:52:33.91 ID:GBPafs0NO
やったぜ。
おつ
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/19(金) 08:54:39.01 ID:5J8rTQzxo
乙
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/20(土) 02:40:23.99 ID:hi24tu7ko
おつ
129 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 18:40:00.95 ID:BY400CnI0
こんばんわ、
>>1
です。暑いのでゆっくりと投下していきます。
>>126
>>127
>>128
ありがとうございます。引き続きどうぞ。
130 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 18:43:29.43 ID:BY400CnI0
『一(はじめ)市 市役所前ダンジョン』 (2回目)
草原エリア『見晴らしのいい草原』
スライムは仲間を呼んだ。
スライムは仲間を呼んだ。
スライムは仲間を呼んだ。
スライム×16【ピキー!!】
男「……多くね?」
魔少女「昨日は……8匹でも余裕そうでしたので、仲間を呼ぶまで待ってみました」
スライムは仲間を呼んだ。
スライムは仲間を呼んだ。
スライム×24【ピキーーー!!】
男「増えてる!まだ増えてる!!ほら、あっちの方からスライムの群れがこっちに来てるの見えるし!!」
131 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 18:49:24.63 ID:BY400CnI0
魔少女「これくらいやらないと……2時間、1人で100ゴールドは難しいですよ。
では頑張ってください。あ、お腹空いたらこれ食べてください」つおにぎり
男「同時にかかってこられるとキツイんだけどなぁ……」グッ!
男は銅の剣を構えて正面を見据える。
周囲を取り囲もうと、スライム達が跳ねながら移動している。完全に囲まれると流石にタコ殴りにされてしまうだろう。
男「んーまとまってるヤツ等から倒していくか。そんじゃあ早速」ググッ!!
男は銅の剣に意識を集中させる。
ファミレスで散々やった、魔力の操作である。
魔物の心を加えた武器は、魔力の注入をトリガーに戦技を発動する事が出来る。
操作に不慣れな為、発動には時間がかかるが。
カッ!!
男「お!きたきた、これが『戦技』かぁー」
戦技の発動と共に、男の身体を魔力が覆う。同時に銅の剣にも魔力が纏っていた。
魔力で覆われた事で、男の身体能力は全身の瞬発力と腕力。銅の剣は、剣の先端にある魔法がかかっている。
つまり
132 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 18:57:08.44 ID:BY400CnI0
男「『突き』が強力になる技ってことだな。うし、いっくぞぉぉぉおおっ!!!」グググッ!!
ダンッ!!
男「突きぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいっ!!!!!!」ドンッ!!
男は剣道の突きの要領で大きく踏み込み、全身のバネを使って群れてまとまってるスライム達に向けて全力で突いた。
その瞬間
スライム's【ピ】ブワッ!!
【ピィィィイイイイイイッ!!!!!!】
ドォォォオオオオオオッ!!!!!!!
剣の先端から放たれた衝撃波が、直線上のスライム達を貫くように草原を走っていく。衝撃波によって貫かれたスライム達は宙に舞い上がり、そのまま消滅していった。
男「」(;゜0゜)
133 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 18:59:09.03 ID:BY400CnI0
予想外過ぎるその威力に、突きを放った男自身が固まっている。
男「おいおい……いくらなんでも強力過ぎんだろ……あんだけいたのにもう6匹しか残ってねぇぞ?」
せいぜい4、5匹まとめて倒せれば上出来かと思えば、半分以上を一掃してしまい、男は逆に戸惑っていた。
男「うお……しかも何かすげー力を使った感じ……あと1発撃ったらもうダメだな」
魔法使いなどと比べ、平均的な魔力量であり、覚えたてな為に非効率な魔力の使い方をしている為、男の戦技使用可能回数は少ない。
更に、『合成戦技』は通常に比べて、より魔力を多く消費する。男では、一度の戦闘に二回が限度だろう。
男「とりあえず仲間呼ばれる前に、地道に倒しておくか」ニヤリ
スライム【ピ……ピーーー】 ガタガタガタガタ
ピーーーッ…………
134 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 19:26:18.31 ID:BY400CnI0
男「よっしゃあ!!皆、回収は頼んだ!!」
スライム×8『ピーーー!!』ダッ!!
30体以上のスライムを倒した為、魔物の心もそれなりに落ち、男はようやく魔物を自分の手で仲間にする事が出来た。
8体のスライムによってあちこちに散乱したスライムからの戦利品はあっという間に集められていく。
VSスライム軍団 戦利品
青い液体 20ゴールド分
スライムゼリー 30ゴールド分
男「まだ30分くらいしか経ってないけど、もうノルマの半分行ったのか。いやー魔力使えるようになると、一気に楽になったなー」モグモグ
魔少女にもらったおにぎりを頬張りながら、男は戦利品の勘定を行う。
魔少女もダンジョンの中でよく食べ物を食べていたが、魔力を消費し、回復させようとすると腹が減りやすくなるようだ。
ダンジョンの中で食料が尽き、餓死するケースも少なからずある為、前に魔少女が言った通り確かに食料調達は探索の生命線となる。
男「そういや魔少女は、今頃何してんだろうな。自分も特訓したいって言ってたけど、一体何処まで行ったんだ?」モグモグ
135 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 19:32:59.71 ID:BY400CnI0
…………
森林エリア『森人の庭』
魔少女「『ファイヤーボール』……『ウォーターボール』……『サンダーボール』……『エアロボール』……『アースボール』……」グググッ……
魔少女の目の前には、基本的な5種。『火、水、雷、風、地』の属性魔法球が浮かんでいる。
最も初歩的な属性攻撃魔法であるが、同時に5種もの魔法を繰り出すにはかなりの集中力と技術が必要である。
魔少女「5属性を……そのまま……合わせて……」グググッ……
魔少女により、5つの魔法球が融合していく。
互いに相反する属性魔法が細やかな調整によって、混ざり合って全く別のモノとなっていく。
バチバチッ!!バチバチバチバチッ!!!
魔少女「極大魔法……『アル……テ……』」カッ!!
ドォォォオオオオオオオオオオオッ!!!!!
136 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 19:35:02.46 ID:BY400CnI0
男「うおっ!?何だ今の!!」バッ!!
突然、ダンジョン中に響き渡るような轟音と振動を、男は感じ取る。
周囲を見ると、1km程離れた森林地帯から煙が立ち上っていた。
男「まさか……魔少女のヤツ、何かやらかしたんじゃねぇだろうな」ダッ!!
回収した戦利品を広げたまま、男は煙の立ち上る森林へと走っていった。
ォォォォォオオオッ…………
魔少女「…………失敗ですね…………」フゥッ……
辺りに煙が立ち上る中、魔少女は座り込んでいた。
どうやらケガなどはしていないようだ。
魔少女「基本5属性を複合させた極大魔法……いくら簡単な魔法を用いても、そうそう習得出来るわけはない……ですか」
137 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 19:39:24.76 ID:BY400CnI0
極大魔法。
複合魔法の更に上、5種以上の魔法を組み合わせた、熟練された魔法使いを目指す者にとっての最大の難関である。
例え、各属性の一番弱い魔法を組み合わせたとしても、その威力は計り知れない。
それは、魔少女の目の前に出来た直径5mほどの深いクレーターが物語っている。
魔少女「ですが……私ももっと強くならなければ……私が先輩を守らなきゃ……」
ズンッ……ズンッ……
魔少女「ッ!?何ですか……この振動は……」
まるで森が揺れているかのような地響きが、魔少女の近くで鳴り響いている。
まるで、巨大な何かが歩いているかのような。
ズンッ……ズンッ!
魔少女「……今日は運が悪いんですかね……私……」
トレント【ボォォオオオオオオオオオッ……】ズンッ!!
魔少女の目の前にゆっくりと現れたのは、大木がダンジョンの魔力によって魔物化したモノ、森の巨人『トレント』であった。
138 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/20(土) 19:43:54.76 ID:BY400CnI0
投下終了です。
ゲームやってると、よく序盤なのに半端なく強い敵とかよくいますよね。トレントはあの枠です。
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/20(土) 20:16:11.82 ID:Njkyi7koo
そういうのいいよね
乙
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/20(土) 20:31:34.26 ID:NSKeHavL0
乙
141 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 19:31:03.95 ID:p7exulLn0
こんばんわ、
>>1
です。今夜もゆっくり投下していきます。
>>139
>>140
ありがとうございます!!
142 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 19:43:59.59 ID:p7exulLn0
今、男達が入っているダンジョンは危険度1である。
現れる魔物はスライムなど、比較的危険の少ない魔物達。
しかし、同じダンジョンでも無数にあるダンジョンエリアの中には、こういったイレギュラーな存在もいる。
トレントは危険度ランク10相当の魔物。
いくら魔少女が魔法に長けているとはいえ、現時点では到底敵わない魔物である。
魔少女「手持ちの魔物では……到底勝てそうにないですね。なら……」バッ!
魔少女は、魔物の心と加工したネックレスに魔力を込める。
魔少女「召喚……『スーパースラ・ストライク』」
スライム『ピキィィィイイッ!!!!』ポテンッ
その瞬間、何処からかスライムが魔少女の目の前に降ってきた。
ググググッ!!!
そして、これでもかと言わんばかりに力を溜めに溜め
スライム『ピィィィイイイイイイッ!!!!』ドンッ!!
トレント【ボォォオオオッ!!!】ドゴォォオオオッ!!!
ズシーンッ!!!
143 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 19:54:48.74 ID:p7exulLn0
トレントへと全身全霊の力で体当たりをぶつけ、トレントはその衝撃で転倒した。
『召喚』とは、使用者の魔力で力を上げた魔物の力の全てを、一撃に集約することで爆発的に効果を高める、技術のいらない魔法である。
その力は、たかがスライムがこの巨大なトレントを転倒させるほど。
魔少女「今の内に……森からでましょう」ダッ
しかし、所詮はスライムの攻撃。
転倒はさせるもトレントの体力に対してのダメージは少なく、一時的に隙を作っただけに過ぎない。
魔少女の最善の手は、今のうちに逃げるということだ。
シュルルッ!!!
魔少女「あ……キャッ!!」ドサッ!!
しかし、トレントの伸ばした触手のような根に、魔少女は足を取られ、転倒してしまう。
144 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 20:10:16.62 ID:p7exulLn0
トレント【ボォォオオオッ…………】
魔少女「く……離してッ……」ジタバタッ
そしてそのまま、魔少女はトレントの目の前に吊るし上げられる。
トレントは元々大木の魔物だ。肉食でない為、捕食により殺される事はない。
ただし、トレントは森の守り人とも呼ばれる大自然の魔物。先ほど魔少女の極大魔法失敗によって破壊された森に対して、怒っている可能性はある。
魔少女「とにかく……逃げなければ……逃げなきゃ……」ジタバタッ
魔少女の目に涙が見え始める。よほど焦っているのだろう。
植物である以上、火の魔法を使えば怯ませる事はできるだろう。ただしそれをやると、トレントが激昂するのは間違いない。
もう1つ、弱点と言える属性魔法があるが、どちらにせよ距離を離さなければならない。
手詰まりである。
145 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 20:25:40.58 ID:p7exulLn0
男「突きぃぃぃぃいいいいいッ!!!!!」ダンッ!!
突如、男が現れ渾身の突きをトレントに突き刺す。
戦技によって強化された突きは、トレントの巨大な身体を一瞬だが浮かせた。
そして
ドォォォオオオオオオッ!!!!
トレント【ボォォオオオッ!!!】ズゥゥゥウンッ!!!
同時に発生した突きによる衝撃波で、そのままトレントを5mほど押し込み、再び転倒させた。
先ほど、スライムの群れを一掃した突きだ。
魔少女「キャッ!?」
男「おっとぉっ!?」ガシッ!!
同時に、トレントから解放され、地に落下しようとしていた魔少女を、何とかキャッチする。
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 20:41:19.07 ID:qrFfVhkqO
期待
147 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 20:41:53.57 ID:p7exulLn0
男「あっぶねぇー……怪我してないか?魔少女」
魔少女「……遅いです……」グスッ
男「まぁそういうなよ。これでも途中から全力で走ってきたんだからさ」
魔少女「とりあえず……まだ終わってません」ググッ……
魔少女が意識を集中させると、初歩的な氷と風の属性魔法が発現し、互いに混じり始めた。
魔少女「複合魔法……『アイシクルガスト』!!」カッ!!
ブワァァァァァァアアアアッ!!!!
男「うぉ!?寒っ!!」
魔少女が複合魔法を発動した瞬間、辺りに氷点下の突風が吹き荒れる。
トレント【ボォォオオオッ…………】ギギギッ……
男「ん?あのデカイ木、動きがえらい鈍くなったぞ?」ガチガチッ……
魔少女「植物は水分が多く……基本、寒くなると活動しませんから……今の内に逃げましょう」
男「あいよー!おぉ……寒っ……」ダッ!!
トレントの動きが寒さで鈍ってる間に、男は魔少女を抱えて一目散に逃げ出した。
勝てない相手とは戦わない。
これが、ダンジョンの鉄則である。
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 21:11:22.89 ID:GfMbwVgjo
逃げるときは斜めからの攻撃に気を付けろよw
149 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 22:36:57.38 ID:p7exulLn0
『のどかな草原』
男「ハァッ、ハァッ、どうにか森から出てこれたか……」
魔少女「フゥッ……何とかなりましたね……」ギュッ……
男「ん?おいおい魔少女。森から出られたんだからもうそろそろ下りてくれよ」
魔少女「もう少し……怖かったんですから……」ギュッ……
魔少女は顔を見せずに男の服を握りしめている。
無理もない。
いつも冷静沈着とはいえ、まだ高校2年の女の子なのだ。
あのような巨大な魔物に追い詰められ、余程の恐怖を味わったのだろう。
男「はいはい……悪いな、早く助けられなくて」
魔少女「いえ……ありがとうございます……」グスッ
150 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 22:37:51.70 ID:p7exulLn0
…………
男「で?お前はあんなところで何をしてたんだ?」
魔少女「その……ちょっと難しい魔法の特訓を……」
男「何で俺から離れてやってたんだ?」
魔少女「いえ……特に理由は」
男「な・ん・で・だ?」
魔少女「…………驚かせようと……思いまして…………」
男「……ハァッ……まぁ驚いたよ。別の意味でさ。何かあったかと思ったらゲームオーバー間近だったんだからよ。
ホント間に合ってよかったわー……」
魔少女「……ごめんなさい……」シュンッ……
男「大体、お前は今のままで十分凄いんだから、無理に特訓とかする必要ないだろー。俺の一個下なんだしじっくり時間をかけて」
魔少女「それじゃ駄目なんです!!」
男「うおっ!?お前がそんな大声出すなんて珍しいな……」
基本的には物静かなタイプの魔少女が声を荒げ、男は思わず驚く。
151 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 22:42:13.60 ID:p7exulLn0
魔少女「今すぐにでも……強くならなきゃ……私が先輩を守らなきゃ……」
男「……はぁ?」
魔少女「昨日あのおじいさんの話を聞いて……少し怖くなったんです。やっぱりダンジョンっていうのは危険なところなんだって……一歩間違えれば命を落とすんだって……」
男「…………」
魔少女「思えば……先輩が昨日アリの大群に追いかけられた時も、もしかしたら死んじゃってたかもって思ったら……私怖くて……もっと先輩を守れるように強くならなきゃって……」
男「そぉい!!」ブンッ!!
魔少女「あ痛ッ!!」ビシィッ!!
男のチョップが、魔少女の頭へと突き刺さる。
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 22:43:26.52 ID:qrFfVhkqO
魔少女ちゃんかわいい
153 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 22:46:30.95 ID:p7exulLn0
魔少女「な……何ですか?」オロオロ
男「昨日助けてくれたのは感謝してる。が!!お前に守られっぱなしになる筋合いはねぇ!!」
魔少女「……え?」
男「さっきから聞いてりゃー先輩を守らなきゃー守らなきゃーって、お前は俺のオカンか!!そんなもんあのクソババァで間に合っとるわ!!」
魔少女「だって……先輩実際まだ弱い」
男「うっせーバーカッ!バーカバーカッ!!」
魔少女「な……し、小学生みたいな事言わないでください」
男「その小学生にお前は助けられたんだよバーカ!!いいか?何の為に2人でダンジョンに入ってんだ?お互いに助け合う為にだろうが!!
勝手に上から見下してんじゃねーよこの馬鹿ガキ!」
154 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 22:51:24.28 ID:p7exulLn0
魔少女「見下すって……そんな……つもりは……」
男「いーや!あるね!!お前は無意識に俺の事見下してんだよ」
魔少女「違……いま……す……」プルプル……
男「そりゃあダンジョンなんざ来たことないから今はお前に世話かけっぱなしだけどなぁ!俺だって今から」
魔少女「だから!!違うって言ってるじゃないですかぁぁぁあああああ"あ"あ"あ"っ!!!!!」
男「うぉっ!?」ビクゥッ!!
魔少女「う"ぁぁああああああ"あ"あ"ああ"あ"っ!!!!」
魔少女は泣き出した。
男は驚いている。
魔少女「わだしはぁあ!!○○くんに危ない目にあっでほしぐないからぁぁああ!!だがらいっしょうげんめい頑張ってるのにぃぃぃいいいい"い"い"い"」
男「え?ちょ、魔少女?」
魔少女は盛大に泣き出した。
男に効果は抜群だ。
魔少女「ぞれなのにぃみぐだしてるとかぁぁぁあ!!そんなわげないのにぃぃぃいいいい!!!むがじまもっでぐれだからぁ!づぎはわたじがぁぁぁあああああ"あ"あ"あ"あ"あ"」
男「わ、わかった!ゴメン!俺が悪かったから!!な!?」
魔少女「ばがぁぁぁぁぁああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」
ずっと魔少女のターンが続き、最終的には男が土下座し続けてようやく魔少女は泣き止んだ。
155 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 22:59:49.62 ID:p7exulLn0
……………………
魔少女「…………」グスッ……
男「なぁ、機嫌直せよ魔少女」
魔少女「……嫌です……」
男「あーもー悪かったって。ありがとな、守ろうとしてくれて」
魔少女「…………歩きたくない…………」
男「え?」
魔少女「歩きたくないから……出口まではおぶってってください……」
男「はぁ……ハイハイわかりましたよ魔少女様っと」ヨッ
…………出口進行中…………
男「しっかし魔少女があんだけ泣くのを見るなんていつぶりだろうな。小さい頃はやんちゃでよくあんな感じでビービー泣いてたもんな」
魔少女「…………知りません…………」
男「んでしばらく会わなくなって、同じ高校目指してるからってまた会うようになって。久しぶりに見たらえらい大人しそうな子になっててびっくりしたなー」
魔少女「……先輩は……」
男「ん?」
魔少女「大人しくない……活発な私がいいですか?」
男「別にどっちでもー。どんな魔少女でも大事な妹分だからな」
魔少女「…………はい…………」ギュッ……
男「そういや久しぶりに魔少女に○○くんって呼ばれたな」
魔少女「……覚えてません……」
本日の成果
戦利品 無し(魔少女救出の為、草原に置いてきたまま)
スライムの心×7
修理代 残り1500ゴールド
所持金 残り17ゴールド
156 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/22(月) 23:04:03.07 ID:p7exulLn0
投下終了です。魔少女ガン泣き回でした。
とりあえず2人は恋愛関係ではなく親愛関係です。
そろそろチュートリアルダンジョンではなく、固定マップダンジョンやりたいですねー。
ではまた。
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 23:12:57.18 ID:a9VMChv60
乙
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 23:30:59.89 ID:qrFfVhkqO
おつおつ
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/31(水) 15:31:16.37 ID:yw4Lo6pc0
保守
160 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 16:28:15.51 ID:O8GMexQM0
こんにちわ、1です。投下していきます。
161 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 16:29:17.00 ID:O8GMexQM0
オートマタ素材納品期限まであと12日
男「……しんどい……」
ダンジョン生活3日目。
2日連続でダンジョンに入り、前日は魔少女と色々あった為、男の疲労はピークに達していた。
♪ライ〜ン♪
男「んあー?魔少女からか?」ピッ
『今日はゆっくりしてください。昨日やった魔力操作の練習だけはお忘れなく』
男「流石にあのスパルタ魔少女も今日は休みか……よっと」
男はグラスに水を注ぎ、両手をそえて集中する。
魔少女いわく、この練習は反復して感覚を馴染ませることが重要だそうだ。
戦技を使うにしろ召喚を使うにしろ、素早く無駄な魔力消費を抑える事が魔物との戦いの分かれ目となる。
その為に、毎日欠かさず行う事を、魔少女に強く言われていた。
最終目標は、呼吸をするのと同じ感覚で魔力の操作が出来るようにする事である。
男「といってもずっとやり続けると腹減るんだよなぁ。今は金ないしクソババァは仕事だし。後でカップラーメンでも食うか」
162 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 16:30:26.50 ID:O8GMexQM0
市立図書館
魔少女「……ふむふむ……」
魔少女は、昨日やろうとした極大呪文の理論を勉強する為に、図書館で魔導書を読んでいた。
ちなみに魔導書は、ダンジョンで拾う事もある。
高いランクのダンジョンにもなると、未知なる魔法も記されている為、高値で取引されているのだ。
ちなみに、それらの魔導書の詳しい内容をネットに書き込もうとすると、何故か文字化けするらしい。
複製禁止の魔法でも掛けられているのだろうか。
魔少女「んー……やはり根本的に技術が足りないようですね……地道に練習するしか……」
小さい頃から何度も読んできた図書館の魔導書だ。
内容は完璧に覚えているが、技術が足りないのはどうしよもない。
昨日に男が言った通り、地道に練習するしかなさそうだ。
魔少女「しかし……あれくらいで取り乱すとは、私もまだまだですね……」ハァッ……
不意に昨日の失態を思い出す。
彼処まで感情を剥き出しにしたのは何年ぶりだろうか。
163 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 16:53:31.69 ID:O8GMexQM0
「あれ?魔少女じゃん!おっすおっす!!」イェーイ
魔少女「……おっす……」イェーイ
「何読んでるの?あ、また魔法の本?飽きないわねーアンタも」
魔少女「理解出来れば……結構面白いですよ」
「そんなもんなの?あ、そういえばアンタどうなったのよ例の先輩と。昨日も一緒にダンジョン入ったんでしょ?」
魔少女「……昨日は……怒られちゃいました」
「え?何それ。アンタ何かやらかしたの?」
魔少女「まぁ色々……でも仲直りはしました」
「ふーん……何でアンタ達付き合ってないの?」
魔少女「私と先輩は……そういうのじゃないですから」
「わかんないなー。……あ、じゃあもし先輩が別の誰かと付き合いそうになったら」
魔少女「じっくりその女性と話し合います」ゴゴゴゴゴゴッ…………
「あ、はい」
「図書館ですのでお静かに」
魔少女「あ……はい」
164 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 17:05:21.75 ID:O8GMexQM0
男「……暇だな……」
ここ2日間が刺激的過ぎた為か、平和な日常が少し退屈に思えてきたようだ。
誰かの思惑通り、順調にダンジョンにハマっているようだ。
男「んー……そういやダンジョン系の学校ってどんなのがあるんだろうな」ピッ
おもむろに携帯を取り出し、ダンジョン専攻の大学や専門学校を探し始める。
男「うわ、偏差値高っ。今から入ろうと思うとかなり頑張らなきゃ無理だなぁ。専門は金めっちゃかかりそうだし……」
ダンジョン系の学科は、現地実習などが多い為に、授業料がバカ高い。専門学校ではなおさら高くなるだろう。
男「それに……条件が入試までに危険度ランク8以上の許可証が必要……か。これが一番しんどいんじゃないか?」
現在、男は学校の実習により、危険度ランク2までの許可を持っている。
これは、高校生以上ならば殆どの人間が持つ資格だ。
ダンジョンに入るにしろ入らないにしろ、とりあえずとっとけという制度である。
しかし、そこから上のランクに上がるには、国際ダンジョン協会の試験を受けなければならない。
試験はランクが1上がる毎に行われ、上に上がるにつれて要求される実力がどんどん上がっていく。
今の男の実力では、ランク3に上がれるかはよくて五分五分だろう。
なんせまだランク2のダンジョンにすら入った事がないのだから。
男「将来か……少し真面目に考えてみっかな……」
165 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 17:32:33.78 ID:O8GMexQM0
ダンジョン生活4日目
オートマタ素材納品期限まであと12日
『今日はエリスの修理素材を採りにいきましょう。13時に駅前集合です。お昼はしっかり食べてきてください、』
男「エリス?……あぁ、あのオートマタの事か。素材って何か取れるモンあったっけな?」ピッ
男は、携帯に保存していた修理材料リストを開く。
魔導回路用の水晶 150ゴールド 水見市のダンジョン ランク2
人皮樹脂 60ゴールド
冷却用オイル 40ゴールド
魔導コア用の魔力結晶ランク1
250ゴールド ダンジョン レア
オートマタの服(お好み)
オートマタの武装(付けたいなら)
男「こん中だったら……水晶か魔力結晶かな?他は買わなきゃいけないだろうし。そういや水晶のある水見市って何処だっけ?」ピッ
男は携帯で検索すると、どうやらここから電車で1時間ほど離れた山間の町だそうだ。
2人分の電車代だけで、所持金がちょうど底をつく。
男「あー……これだろうなー……探索失敗したら帰れねぇなこりゃあ」
166 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 18:01:45.25 ID:O8GMexQM0
駅前広場
魔少女「正解です……流石先輩」
男「お前なら考えそうな事だからなぁ。背水の陣ってヤツか」
行きの電車代だけで所持金が無くなる為、このダンジョン探索を失敗すれば、最悪交番でお金を借りて帰るしかない。
魔少女「先輩の昨日の動きを見た限り……ランク2でも通用するハズと考えました。昨日みたいなアクシデントがない限り……成功は7割を超えるかと」
男「まぁ、ここらでかなり稼がないとなぁ……1500ゴールドの道のりは険しいわ」ハァッ……
魔少女「1つランクが上がれば……稼げるお金もかなり違いますよ。では出発しましょう」
男「はいよー。しっかし1時間の電車とはちょっとした旅だな。金ないけど駅弁が欲しくなるわ」
魔少女「一応……お弁当なら作ってきました。食べたくなったら言ってください」
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/31(水) 18:05:04.27 ID:0tDuFCpuO
これは美少女天使魔少女ちゃん
168 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 18:10:46.58 ID:O8GMexQM0
40分後
電車内
次は〜○○、次は〜○○
男「乗客えらい減ったな」
魔少女「この路線は……元々使用者が多いわけではないですからね。この先に向かうのは山の方のダンジョンに向かう人くらいです」
男「なるほどねー。じゃあ、この車両に残ってんのはダンジョン目的の人らって訳か」チラッ
男が周囲を見ると、大剣を側に置いたヘッドホンをつけた青年と、様々な召喚用装飾品を身にまとった女性のペアが見えた。
見る限り、かなりの上級者に思える。
魔少女「私達が向かっているダンジョンの他にも……高ランクダンジョンがいくつかあります。他の皆さんはそちらにいかれるかと」
男「そうなのか。確かにわざわざランク2のダンジョンに何て行きそうにない装備だよな。……ただ……」チラッ
男が再度周囲を見渡す。
そして乗車口の前に立っている1人の中年くらいの男を見る。
169 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/08/31(水) 18:16:14.29 ID:O8GMexQM0
男「……何かカウボーイみたいなのがいるんだが……」ヒソヒソ
魔少女「見ては……ダメです」ヒソヒソ
カウボーイ「…………」
上はカウボーイハット、下はウエスタンブーツと全身西部時代からやってきたかのような装いの男は静かに外を眺めていた。
また、身長が高く割とダンディーな顔つきな為、カウボーイファッションが似合ってるっちゃ似合っている。
更に、両腰のホルスターに2丁、両脇ガンポケットに2丁、リボルバーが入っている。
恐らく、彼もダンジョン探検者なのだろう。
男「何で4丁も持ってんのかな?」ヒソヒソ
魔少女「それぞれに……違ったいくつもの魔力を感じます。恐らく戦技毎に使い分けているのではないかと」ヒソヒソ
武器にもよるが、1つの武器に取り付けられる戦技は基本、1つという訳ではない。
しかし有限には違いないので、武器を複数持つ者も多い。
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