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男「はぁ?ダンジョンに行ってこいって?」
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303 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 21:28:15.92 ID:wTsCWmra0
魔少女「順番に掛け合わせる属性の相性を……火は水に呑まれ……水は地に呑まれ……」ググググッ……
魔少女は属性魔法球を1つずつ掛け合わせていく。
今までは5種を同時に無理矢理混ぜ合わせて失敗していたが、相性がよい順に掛け合わせればどうかと試しているようだ。
そして、その思惑は成功したようである。
バチバチッ……バチバチッ……
魔少女「地は風に削られ……風は雷に裂かれ……」ググググッ!!
そして、最後の魔法球が混ぜ合わされた瞬間
魔少女「極大魔法…………『(プチ)アルテマ』…………」バチバチッ!!バチバチッ!!!」
魔少女の目の前には凄まじい魔力を放つ球体が現れていた。
基本5大属性魔法球を用いた、最も初歩で基本的な極大魔法の完成である。
304 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 21:29:29.07 ID:wTsCWmra0
魔少女「ようやく完成しましたが……これを発動するのに……約8分ですか……実戦では使えませんね……」ググググッ!!!
魔少女の手が震える。極大魔法を維持するのも限界のようだ。
魔少女はそのまま作り出した魔法球『プチアルテマ』を夕焼け空へと放つと
ドォォォオオオオオオンッ!!!!!!!!
「わっ!?」
「キャッ!!」
魔法球は途中で炸裂し、まるでミサイルが爆発したかのような爆炎と爆風が、夕焼け空を覆った。
爆風範囲はおよそ15mほど。もし地上でこれが炸裂すれば、少なくとも直径5mほどの空間には何1つ残らないだろう。
魔少女はとうとう、兵器並みの火力を手に入れたのだ。
これがアレばゴーレムは愚かトレントすら一撃だろう。
しかし
魔少女「これでは……形成維持も不安定ですし撃つ前に先輩がやられちゃいますね。もっと精度を上げて、時間も短縮しないと……」ブツブツ
改善するべき箇所は多いようだ。
魔法部顧問「ふ……ふふ……まさかウチの学校から極大魔法を完成させる生徒が出るとは……これは明日の県大会で全国大会出場間違いなし!!」
「部長ー。めちゃくちゃ凄いっすけど危ないっす」
魔少女「あ……ごめんなさい……」ペコ
男「……魔少女がどんどん人間離れしていく……」
「あ。あれって部長と噂の先輩じゃない?」
差し入れを片手に様子を見ていた男は、極大魔法の威力に呆然としていた。
305 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 21:34:29.27 ID:wTsCWmra0
…………
魔少女「差し入れ……ありがとうございます」モグモグ
男「お、おお。てかビックリしたわ。お前いつの間にあんな凄い事出来るようになったんだ?」
魔少女「アレは……前にダンジョンで暴発させた魔法の完成形です。色々やり方を試していたんですがようやく上手くいきました」
男「あー、トレントにやられそうになった時のヤツか!まだ数日しか経ってないのに凄いなお前」
魔少女「前々から……全国大会に出場する為に研究してましたから。それに今は先輩がダンジョンで魔物にやられない為にも」フンスッ
男「ハイハイ、頼りにしてますよっと。……俺もどうにかして強くならないと本格的にヤバイなこりゃあ」ハァッ……
306 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 21:50:28.40 ID:wTsCWmra0
…………
オツカレッシター
魔少女「ギルドへのゲート……ですか?」
男「おう。調べたらあのおっさんのギルドに行くのにダンジョンの中でこの名刺を使えばいいんだってさ」
魔少女「この名刺に……そんな高度で強力な魔法が込められていたとは……」
男「まぁダンジョンアイテムで作られた技術らしいけどな。どうする?部活終わったなら今から行くか?折角ダンジョンの中にいるんだし。でも明日大会ならもう休むか」
魔少女「そうですね……行きたいところですが、その……今日はかなり汗もかいてるので……」
男「ん?……別に汗臭くねぇけど」クンクン
魔少女「ッッッ!!!?『ファイヤーボール』!!」ボゥッ!!
男「おわっ!?危なッ!!何すんだテメェ!!」
魔少女「ファイヤーボール!ファイヤーボール!!ファイヤーボール!!!ファイヤーボール!!!!」ボゥッ!!
男「ちょっ!?マジかよ!!」ダッ!!
魔少女「ファイヤーボール!!!!!ファイヤーボール!!!!!!ファイヤーボール!!!!!!!」ドドドドドッ!!!
307 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 22:02:18.11 ID:wTsCWmra0
「凄ぇ……部長があんなに取り乱してるとこ初めてみた……」
「いいんすかアレ?あの先輩死ぬんじゃないすか?」
「あー大丈夫大丈夫。あの子にとってはお兄ちゃんに戯れてるようなモンだから」
魔少女「火球!火球!!火球!!!3種複合魔法『ガトリングファイヤーボール(最弱)』!!!」ドドドドドドドドドドドドッ!!!!
男「おまっ!?さり気なく新技の実験台にしてんじゃねぇぇぇええええっ!!!」ダッ!ダッ!!ダッ!!!
魔法部顧問「シンプルかつ強力な術式と素早い発動……やはり今年の魔少女さんなら全国大会出場間違いなし!!」
アッツゥゥゥウウッ!!!
「あ、当たった」
「花火くらいの威力だから大丈夫よ。多分」
男被弾。魔少女魔力切れの為、共に帰宅
308 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 22:02:51.94 ID:wTsCWmra0
家
魔少女「先輩……コレ、ウチの火傷用の塗り薬です」
男「サンキュー。ってお前の魔法で火傷したんだから礼を言うのもなんか違うな」
魔少女「ごめんなさい……でも先輩もデリカシーないです」ヌリヌリ
男「…………すまん」
母「……オホホッ☆」ニヤリ
6日目終了。
309 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 22:03:45.16 ID:wTsCWmra0
家
魔少女「先輩……コレ、ウチの火傷用の塗り薬です」
男「サンキュー。ってお前の魔法で火傷したんだから礼を言うのもなんか違うな」
魔少女「ごめんなさい……でも先輩もデリカシーないです」ヌリヌリ
男「…………すまん」
母「……オホホッ☆」ニヤリ
6日目終了。
310 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/09/26(月) 22:04:52.12 ID:wTsCWmra0
投下終了です。ではまた。
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/26(月) 22:24:24.49 ID:M0ls6Lt+o
乙
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/09/29(木) 07:00:59.25 ID:fVHCytSbO
乙
日常パートは苦手とみた。でもダンジョンがいいわー
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/08(土) 20:39:01.88 ID:j42Y2cRxO
ちらっ
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/08(土) 22:30:09.58 ID:j42Y2cRxO
h
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/08(土) 22:39:36.10 ID:vhXOQa08O
マダー?(・∀・)
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/13(木) 17:56:27.84 ID:+/yx4xV90
保守
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/19(水) 00:29:14.20 ID:nRajE1o70
続きマダー?
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/25(火) 16:37:33.59 ID:MwQuScEl0
ほ
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/10/29(土) 08:42:12.19 ID:VmqYCxuG0
続き待ってる
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/07(月) 08:22:29.92 ID:Ak/+9Pbt0
ほ
321 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 13:14:53.97 ID:cgoAXrnv0
こんにちわ、1です。久しぶりに投下していきます。
322 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 13:16:40.30 ID:cgoAXrnv0
ダンジョン生活7日目
魔法部大会当日
男「お、もう火傷のとこ痛くない。魔少女んとこの薬はやっぱ効くなー」
母「アンタ今日魔少女ちゃんの応援に行くんでしょ?早く行かなくていいの?」
男「あ、もうこんな時間か。んじゃ行ってくる!!」
…………
大会会場
県立総合体育館隣 ダンジョン『鏡世界の体育館』
ワイワイガヤガヤ
男「流石に県内の魔法部が集う大会、めっちゃ人多いなー」
県の中心市街にある大きな体育館。その隣にある、現実の建築物とリンクした固定ダンジョン。
このダンジョンは現実と鏡合わせの世界のような仕組みになっており、範囲は大きな体育館から半径1kmほど。
ダンジョンの中の物は石ころ1つ一切壊せない。というより壊れても10秒ほどで元に戻るが、現実で何か物が壊れればダンジョンの中の物も壊れる仕組みだ。
よって思いっきり力を解放する事が出来るため、普段はダンジョン探索者や魔法使い、その他魔力を扱う者達のトレーニングダンジョンとして県によって解放されている。
ちなみに使用料は18歳以上は2時間1000円、中学生高校生は半額である。
魔法使いという者は総じて火力が高い。
その為、普通のダンジョンでは地形が変わってしまう事も多々あり、こういった壊す事のできないダンジョンなどで競技などは行われる。
323 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 13:20:34.01 ID:cgoAXrnv0
魔少女「あ……先輩こっちです」フリフリ
魔少女がこちらに手を振っている。どうやら開会式などは全て終わったようだ。
男「流石にクールぶってるお前も緊張してきたんじゃねーのか?」
魔少女「ぶってるってなんですか……緊張はしてますけど同時に楽しみでもあります。自分の力を見せる場でもあり色んな人の魔法が観れる場でもありますから」
男「あわよくば便利そうな魔法があったらパクっちゃおうと?」
魔少女「もちろん……ダンジョンで使えそうな魔法があればいいですね」
男「ホント勉強熱心なこって……で、お前はいつ出番あんの?」
全国高校魔法大会では、様々な部門に分かれて競技・審査が行われている。体操や陸上競技みたいなモノだ。
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 13:23:03.34 ID:VPSMoht90
待ってた
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 13:31:35.33 ID:4nGWrgqgO
やったぜ。
326 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 13:56:25.46 ID:cgoAXrnv0
魔少女「私は……去年と同じくフリースタイルと課題魔法です」
フリースタイルは、一対一でとにかく自分の出来る限りの魔法を披露し、審査する競技。
魔法大会の華であり、いわゆるショー形式である。
課題魔法は事前に発表された課題の魔法をどれだけ完成形に近づけるかという競技である。
男「去年はフリーで8位入賞まで行ったんだっけ?」
魔少女「えぇ……でも全国行きが4位からですので」
男「ま、お前なら今年は行けるだろ。ちゃっちゃと優勝してこいよ」
魔少女「……はい」ニコッ
327 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 13:58:07.51 ID:EKZj533VO
…………
男「とまぁ、あっという間に去年と同じ準々決勝進出と」
魔少女「去年……負けた相手に勝てたのは嬉しかったです。同じ学年でしたし」
男「相手ポカンとしてたよなー。自慢気に2種複合とか使ってきたけど、こっちは普通に3種複合って。レベルが全然違ったって感じで」
魔少女「去年から……毎日一生懸命、勉強と練習をしてましたから」
男「最近はダンジョンでも色々やったしな。ま、あと一勝だ。気楽にやってこいよ」
魔少女「ですが……次の試合、去年の2位の人で優勝候補なんですよね……ほら、あそこでインタビュー受けてます」
パシャパシャ!!パシャパシャ!!
「あと一勝で全国への切符が手に入りますが、意気込みを聞かせてください」
テンプレ「ここまでこれたのは部員の皆や先生。そして支えてくれた両親のおかげです!皆の為に、あと一勝ではなくこのまま優勝まで頑張りたいと思います」
『キャーーーー!!!テンプレくーーーん!!!』
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 14:07:32.30 ID:TUuxjS8Do
乙
待ってたよ
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 14:48:38.38 ID:NvByhwneo
乙
テンプレくんワロタ
330 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 14:55:43.30 ID:Dg9IcOxGO
男「おーおー、テンプレ通りの綺麗な受け答えだこと。顔もテンプレみたいなイケメン寄りだしテンプレな黄色い声援飛んでるし何か気に食わねぇーなー」イライラ
魔少女「あの人は……魔力自体に特殊な特性『ドレイン』を持つ特異魔法使いです。その為、あの人にしか出来ない魔法も存在します」
男「特性?何それ?」
魔少女「そうですね……例えば水の属性の魔法を使ったとすると、普通は空気中の水分を集めたりして何も無いところから水が放たれたりします。
ですが……『ドレイン』の特性を持つ彼が使うと、物体から逆に水分を吸収するということです。このように魔力自体に特殊な性質を込める事の出来る魔法使いの事を特異魔法使いといいます。まぁ……魔法使いに限らず魔力を使う人に現れる体質のようなものですね」
男「へぇ……じゃあ植物とかに水の魔法を使うと枯れるとか?」
魔少女「枯れますね……人に使っても枯れます」
男「怖っ!物騒な魔法使いだなー」
魔少女「普通の魔法使いでも……やろうと思えば出来る事ですが、術式がかなり複雑になります。故に……特異持ちは最初から特定の複合魔法が使えるといったところですね」
男「へぇー何かズルイなそれ。ちなみに魔少女は?」
魔少女「特異持ちは多くはないので……ただ、20歳までに環境や訓練で後天的に現れるケースも珍しくないので私も先輩も可能性はあります」
男「俺は魔法使いにはなれないだろうけどあったら面白そうだな」
331 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 14:56:53.47 ID:cgoAXrnv0
キャー!!キャー!!!
男「……しっかしモテてるなーアイツ。何かこう……胸の奥からイライラが」
魔少女「結構遊んでるって有名ですけど関係ないんでしょうね周りの女の子達には……でもあの人の相手ってことは、次の試合凄く注目されるんですよね……何か緊張してきました……」
男「ふーん……でもゴーレムとやった時とどっちが緊張する?」
魔少女「断然……ゴーレムですね。何か楽になってきました」
男「だろ?お前はあんなエセイケメンには到底出来ねぇ事やってきたんだからさ。自信持てよ。いつものドヤ顔でよ」
魔少女「……はい!」
332 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:10:21.37 ID:cgoAXrnv0
…………
テンプレ「君!君が準々決勝の相手の子だよね。よろしくね」ニコッ
魔少女「……よろしくお願いします」
テンプレ「あれ?君近くで見たら結構可愛いねぇ。よかったらメールかRINE教えてよ?大会終わったら遊ぼ?」
魔少女「いえ……」イラ……
テンプレ「ん?もしかして彼氏いんの?」
魔少女「いないですけど……」イライラ……
『ピッ』
テンプレ「だったらいいじゃーん。じゃあこの試合俺が勝ったら教えてよ。俺の事知ってんでしょ?なんせ全国選手よ?自慢できるよー」
魔少女「てことは……私が勝てば教えなくていいんですね?」イライライラ
テンプレ「え?もしかして勝つつもり?俺に?アハハー凄い自信だねー。そんなに自信があるならさぁ……やっぱ俺が勝ったら今日大会が終わったらヤラせてよ」
プチッ
魔少女「……わかりました……じゃあ私が勝ったら、私が貴方に対して行う事に文句を言わないでくださいね?」
テンプレ「いーよいーよー何でもしてちょーだい。じゃあ頑張ってねー」
魔少女「……ありがとうございます……」
『ピピッ』
魔少女「……約束しましたからね……」
333 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:12:19.39 ID:cgoAXrnv0
…………
テンプレ「火!風!2種複合『ヒートブレス』!」ゴォォオオッ!!
テンプレの掌からドライヤーを至近距離で当てたくらいの熱風が、5mほど先まで吹き荒れる。
審査員1「テンプレくんは掌に魔力を溜めて放出するタイプですね。このタイプは射程が短いですが出が速い」
審査員2「滑らかな術式ですねぇ。発動までの無駄が少ない」
テンプレ「水!地!ドレイン!!2種特異複合『クラップ』!」ドゴォオッ!!
テンプレが掌を地面に当てると、数m先の地面の水分が急激に枯渇し、直径5mほど地面が陥没した。
審査員1「彼の特性が出ましたね。様々な属性を吸収する力、中々珍しい特性です」
審査員3「様々な属性をなんなく組み合わせられる……大した技術ですよ」
テンプレ「地!水!風!ドレイン!!特異3種複合……」グググッ……
テンプレ「『デッドスペース』」
テンプレが掌を前にかざすと、直径3mほどの魔力の球体が現れる。
その球体の中は全ての空気が取り除かれ、完全な真空状態を作り出していた。
審査員1「これは凄い!実質4種複合の魔法……今すぐプロに転向しても通用しますよ彼は」
審査員2「単純にダンジョン活動だけでなく、完全な真空状態は様々なジャンルで研究に活用されますからね。いや大したものだ」
テンプレの魔法実演は、様々な観点から審査員に高評価を得ていた。
魔法の活用法とはダンジョンでの魔物との戦闘だけではない。未だ科学で簡単には再現出来ない事象を作り出すことで、技術の進歩に貢献する役割もあるのだ。
テンプレ「ふぅ……最終的には無重力状態を作り出すのが目標だけど、今はこれが限界かな。
ちょっと大人気なく本気出しちゃったけど、これで今日はあの子と……ん?」
自身の持てる全ての魔法を発揮し、勝利を確信したテンプレはふと魔少女の方を見る。
334 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:13:42.64 ID:cgoAXrnv0
魔少女「……………………」ブツブツブツ
魔少女の周囲には、火・水・地・風・雷の基本5種属性の魔力球が浮かんでいた。
審査員1「あの生徒は一体何をしようとしてるんでしょうか?」
審査員2「基本属性の魔力球を5つ……いや、まさか……」
審査員3「こんな無名の高校生が極大魔法を成功させられるわけが……」
5つの魔法球は、順番に混ざり合い1つになっていく。
そして
魔少女「極大魔法……『プチアルテマ』」ググググッ……
完成させた魔法球を、魔少女が数十mほど離れた場所に撃ち、それが地面に着弾した瞬間
ドォォォオオオオオオンッ!!!!!
テンプレ「え……な……」
審査員1「これは……まさかあんな無名の高校生が極大魔法を成功させるとは……」
着弾地点から半径15mほどに爆風が広がり、爆心地には何も存在しなかった。
極めて基本的な魔法による5種複合魔法だが、その難易度は並の3種4種複合よりもかなり高く、成功させるだけでその名は少なくとも県内トップレベルには轟く事となる。
それを有名な魔法使いでもないこの少女がやったのだから会場内は驚きに満ち溢れていた。
魔少女「えっと……以上です」
335 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:15:16.08 ID:cgoAXrnv0
…………
男「全国大会進出おめでとさーん」パチパチパチパチ
魔少女「ありがとうございます……疲れました……」グデー
男「結局あのまま優勝までいっちまったな。緊張が解けたんだろ」
魔少女「それはいいんですが……その後の取材の人達にインタビューされ続けたのが……」
男「無名の生徒がいきなり優勝だもんな。なんなら決勝は負ければよかったのに」
魔少女「それはそれで不自然ですから……」
男「ま、とりあえずお疲れさん。この後部の奴等と打ち上げだろ?俺は先に帰るわ」
魔少女「はい……応援に来てくれてありがとうございました」ペコッ
男「……俺も頑張らねぇと魔少女にドンドン置いてかれそうだな」ハァッ……
336 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:16:15.65 ID:cgoAXrnv0
…………
テンプレ「やぁ……待ってたよ……」
魔少女「あなたは……準決勝ではお疲れさまでした」
テンプレ「……何がお疲れさまでしただ!!」バンッ!!
テンプレは、魔少女を脅すように自分の拳を思いっきり壁に叩きつける。
テンプレ「このクソブスがぁ……どーせ何かイカサマでもしてやがんだろうが!!俺にあんな恥をかかせやがって!!」
魔少女「イカサマとは?……私は自分に出来ることを堂々と披露しただけですけど」
テンプレ「しらばっくれてんじゃねぇ!!ボコボコにして審査員の前に突き出してやる!!」
テンプレが魔少女の制服に掴みかかろうとした瞬間
ピッ
337 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:17:27.18 ID:cgoAXrnv0
テンプレ『だったらいいじゃーん。じゃあこの試合俺が勝ったら教えてよ。俺の事知ってんでしょ?なんせ全国選手よ?自慢できるよー』
魔少女の携帯から、準決勝前に2人が交わした会話が流れ出した。
テンプレ『え?もしかして勝つつもり?俺に?アハハー凄い自信だねー。そんなに自信があるならさぁ……やっぱ俺が勝ったら今日大会が終わったらヤラせてよ』
テンプレ「な……これは……」
魔少女「念のため……バッチリ録音しておきました。ついでにコレをネット上に拡散させる用意もできています」
テンプレ「この……消せよこのドブスがぁっ!!!」
魔少女「私に触れた瞬間……これの拡散を行います。元々貴方には黒い噂がついてましたから、すぐに広まるでしょうね」
テンプレ「く……この……」
魔少女「そういえば勝った方が言うことを聞くといってましたよね?……では金輪際私の目の前に現れないでください。守れなければ、これを拡散します。では……」
テンプレを冷たい視線で見下しながら、魔少女はその場を後にする。
338 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:19:26.68 ID:cgoAXrnv0
テンプレ「ハハッ……もう終わりだ……大学の魔法特待も推薦も周りの期待も全部パァッ……何にも残っちゃいない……周りの馬鹿達と同じような底辺の将来……あははははは……」
完全に弱みを握られた。
今となっては立場は魔少女の方が上。その上あんな会話を録られていては手も出せない。
そして魔少女の気まぐれで、いつアレが世に出回るかもわからない。
これから一生、あの女に、あの弱みに怯えて暮らしていかなければならないのだ。
「だったらいっそ全部壊さないかい?」
失意に沈むテンプレへと、何者かが声をかける。
テンプレ「……誰だよ……アンタ……」
「君と同じ、力があるのにこの世界では存分に振るえない人間だよ……ならいっそこんな世界変えてしまった方がいいと思わないかい?君のような力のある人間が、こんな事で落ちぶれてしまうなんて勿体無いと思わないかい?」
テンプレ「……その通りだよ……何で僕のようなエリート魔法使いがこんな目に……」
「我々は君のような人間こそ次の世界を担う者だと信じている。どうだい?そんな世界を作ってみたくないかい?」
テンプレ「……一体何者なんだよアンタらは……」
「我々は『リバース』。世界の理を逆転させる者達さ。混沌渦巻く弱肉強食の世界へとね」ニィッ……
339 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/13(日) 15:24:54.90 ID:cgoAXrnv0
投下終了です。全てがテンプレ小物通りのテンプレくんでした。
ついでに敵対組織登場です。まぁテロリストです。もしかしたら、賛同しちゃう人が多いかもしれない目的があります。
ではまた。
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 15:42:19.64 ID:iHAO18yW0
乙
テンプレ君はそのまま消えれば被害はないものを
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/13(日) 18:35:50.03 ID:VPSMoht90
テンプレ君名前ヒドすぎワロタwwwwwwwwwwww
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/14(月) 02:32:02.14 ID:sO6pqdHxo
本当に何から何までテンプレだな
勝利宣言からの負けて悪落ち展開までとは恐れ入った
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/16(水) 00:19:25.11 ID:JSyKS/iE0
テンプレ君が死ぬところまで見えた
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/16(水) 00:55:01.67 ID:l95VKxRK0
テンプレ君の恐ろしいところはその後の展開から主要キャラの反応まで全てテンプレ通りにしてしまうところだな
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/11/16(水) 07:06:13.77 ID:bSLW8yctO
私はテンプレ君は実験体として生け贄にされるまでが見えた
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/16(水) 20:33:07.53 ID:aAcX1O8Io
つまりテンプレ君が出てきた時点でハッピーエンドは確定している…?
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/16(水) 21:31:26.82 ID:q1P6fXy3o
なんだテンプレっていいやつじゃん!
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/16(水) 21:39:15.79 ID:phF7prLYo
ここまでテンプレ
349 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 19:07:15.57 ID:UgOrhTYk0
こんばんわ、1です。
まさかテンプレくんでここまで盛り上がるとは思いませんでしたwそれでは軽めに投下します
350 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 19:09:19.52 ID:UgOrhTYk0
ダンジョン生活8日目
魔少女宅
薬屋『ラストエリクサー』
魔少女母「あら、○○くんこんにちは。久しぶりね」
男「あ、どうも。お久しぶりです……あのー魔少女います?」
魔少女母「えぇ、いるわよ。ただ昨日の大会で疲れたのかまだ起きてこないのよね。どうせだから○○くん起こしてきてくれない?」
男「え?僕がっすか?……魔少女に怒られたりしないすかね……」
魔少女母「気にすることないわよー、ご近所だし昔は一緒にお風呂もお昼寝もしてたもの。懐かしいわね、すっかり私もおばちゃんになっちゃって」
男「おばちゃん……?……じ、じゃあとりあえず、起こしてきますね」
魔少女母「えぇ、お願いねー」
男「…………おばちゃんって…………どう見ても見た目精々中学生なんだがな……魔少女のおかんって一体……」
魔少女の母は見た目がとてつもなく若かった。そして可愛かった。
その為、この店の魔法薬などに美容とアンチエイジングの効果があると睨んだおば様達が、毎週のようにこの店の薬を買い漁りにくるのだ。
351 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 19:16:25.35 ID:UgOrhTYk0
トントン
男「おーい魔少女ー、もう昼前だぞー起きろー」トントン
ノックもせずにラッキースケベなぞゴメンだと言わんばかりに、男は魔少女の部屋の前で声を上げる。
が、何の反応もない。まだ寝ているのだろうか。少なくとも着替えの最中とかではなさそうだ。
男「んー……しゃあない、入って起こすか。魔少女ー」ガチャ
男は仕方なく魔少女の部屋の中へと入る。
男「うぉ……本ばっかしだなー……流石知識欲の塊」
魔少女の部屋は女の子らしい部屋とはお世辞にも言えず、一面本棚で埋められていた。
この知識こそが今の魔少女の強さでもあるのだろう。
男「お、でもベッドの周りは結構かわいい感じに……うわぁ……」
ふと男はベッドの方に目を向ける。
352 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 19:47:13.16 ID:UgOrhTYk0
男「……コイツ寝相悪過ぎだろ……」
そこにはベッドから上半身がずり落ち、布団代わりのタオルケットが顔を覆い、下半身はパンツどころか半ケツ丸出し状態の魔少女の姿があった。
正直エロいというよりちょっと引く光景である。
男「……ここにいたらコイツに殺される気がするな……見なかった事にしよう……」スッ……
バタンッ!!
魔少女「……………………ふぇ?」
…………
ファミレス
魔少女「先輩……朝ウチに来られてたんですね」
男「え?あ、あぁ、お前寝てたみたいだからすぐ帰ったけどな」
魔少女「そうですか……すいません、やはり疲れが出てたみたいですので」
魔少女母には口止めをしておいた。
あんな寝相を見られていたと知ったら、魔少女は恐らく烈火の如く荒れ狂うだろう。
353 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 19:57:35.88 ID:UgOrhTYk0
男「まぁ当然だろ。今日くらいお前もゆっくりしてたらどうよ」
魔少女「そういうわけにはいきません……あのオートマタの子を引き取る日まであと1週間しかないんですから」
男「まぁなー、あと1週間で最低でも1000ゴールドは一端の高校生にはちとキツイよな」
魔少女「ダンジョンに毎日入るというのも……あまりいい手段とは言えません。蓄積された疲れが大ケガに繋がる恐れもありますから」
男「となると、やっぱ今1番いい手段は……」
魔少女「そうですね……やはりカウボーイさんのギルドを頼るの1番かと」
先日男が気付いた、カウボーイのギルドで仕事を受けるという案。
ギルドには大小様々な依頼が寄せられる。その中でも手軽な依頼をクリアし、なおかつダンジョンのアイテムを換金するという手段である。
男「とりあえず、まずは名刺を使ってあのおっさんのギルドに行ってみるか」
魔少女「そうですね……では市役所近くのダンジョンに行きましょう」
354 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 20:11:25.91 ID:UgOrhTYk0
『一(はじめ)市 市役所前ダンジョン』
男「ダンジョンの中で名刺に魔力を込めればいいんだよな?」
魔少女「はい……それでギルドのあるダンジョンへのゲートが開くハズです」
男「んじゃ早速……」ググッ
カッ!!
男がカウボーイからもらった名刺に魔力を込めると、たちまち目の前の空間が歪み、別ダンジョンへの穴が開く。
男「うぉ、本当に道が出来た……なんかちょっと怖いな入るの」
魔少女「ゲートは安定しています……男の子なんですから腹をくくってください」
男「こういう時は女の方が度胸あるよなー……うし、行くか」
魔少女「はい」ニコッ
355 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 20:13:11.04 ID:UgOrhTYk0
東京
ダンジョン『株式会社【RPG】中央エリア』
男「ここが……」
魔少女「ダンジョン内に作られたとはいえ……想像を遥かに超えるスケールですね。まるで一つの都市のようです」
ゲートを抜けるとそこは大都市でした。
思わずそう言いたくなるような光景が、男達の目の前に現れた。
そこら中にそびえ立つビル。
道路などがきちんと整備され、ダンジョンの外と変わらないように行き交う人々や車。
本当にダンジョンの中なのかと疑うほど、一つの完成された都市がそこにはあった。
男「さて……とりあえずどうしようか」
魔少女「まずは……カウボーイさんのところに向かいましょう。ほら、あそこに案内所があります」
356 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 20:20:42.50 ID:UgOrhTYk0
受付嬢「いらっしゃいませ。こちらは株式会社RPG、中央エリア総合案内所でございます」
男「あ、ども。すいません、僕たちカウボーイさんって方にこの名刺をいただいてここに来たんですけど……」
受付嬢「名刺ですね、ご確認いたします。……ッ!?し、少々お待ちください!!」バタバタッ
案内所の受付おねーさんは、名刺を見るやいなや驚いた表情で奥へと姿を消した。
男「……どうしたんだろうな?」
魔少女「あの人は社長と言ってましたし……恐らくギルド部門のトップの方でしょうからね。アポイントもとってませんしもしかしたら会えないかもしれません」
男「そうなると困るよなー。最悪俺たちでギルドで仕事もらえるようにどうにかしないと」
受付嬢「お、お待たせいたしました!!会長は現在ギルドエリアにあるこちらの建物にいらっしゃいます。こちらの携帯ナビゲーターをお渡しいたしますので、指示に従ってお進みください」
男「お、よかったよかった。何とか会えそうだな」
魔少女「あれ?……今会長って……まぁ気にしなくてもいいですかね。行きましょう」
…………
受付嬢「な……何であんな高校生の子達に会長が……私だって初めて電話を繋いだのに……」
357 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:12:33.41 ID:UgOrhTYk0
ギルドエリア
総合依頼案内所
『ギルド【RPG】伝説の秘宝からお子様のお使いまで、あらゆる依頼を受け付けます』
男「うおー、めちゃくちゃデカイビルだなー」
魔少女「ここに……世界中からあらゆる依頼が集まってくるんですね」
男「こんなデカイところにいるとは……流石社長っていうだけあるなーあのおっちゃん」
ナビゲーター『目的地までこの道をあと1kmです』
男「え?ここじゃねーの?」
魔少女「この先に……もっと凄いところがあるんでしょうか」
358 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:14:57.96 ID:UgOrhTYk0
ギルドエリア端
寂れたビル内 事務所
カウボーイ「ウィッチちゃーんコーヒーちょーだい」
ウィッチ「あぁ!?こっちは忙しいんだよ!テメェで淹れやがれ!!」カチカチカチカチ
カウボーイ「ダメダメー、ウィッチちゃんのコーヒーじゃないと僕やる気でないんだよー……仕方ない、プリースト頼む」
プリースト「却下だ」ズズッ……
比較的新しい建物が並ぶ街通りの中、一つポツンと浮いたように建てられた寂れた小さなビルの中。
その中に、カウボーイ達の集まる事務所はあった。
パッと見る限り、先日会ったカウボーイとパソコンとにらめっこしているウィッチの他に、短髪の金髪で神父のような格好の、両腰にロングソードを携えた男がコーヒーを啜っている。
359 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:18:59.36 ID:UgOrhTYk0
男「…………あれ?社長じゃなかったのこの人」
魔少女「いえ……さっき携帯で私も調べましたが、社長どころかこの【RPG】グループの会長だそうです……写真でも確認しました。権力としては1番上の方のハズですが……」
男「じゃあ何でこんな寂れた建物でダラダラしてんだよ……」
プリースト「む……客だぞ」
カウボーイ「おー、よく来たね2人ともーほらほら入って入って」
「「は……はぁ……」」
カウボーイがこちらに気づき、2人はボロボロのソファーへと案内された。
360 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:32:48.69 ID:UgOrhTYk0
カウボーイ「よーこそ当ギルド【RPG】へ。歓迎するよー2人ともー。あ、ウィッチちゃんお茶ちょーだい」
ウィッチ「だから今手が離せねーって言ってんだろーがクソオヤジ!!申し訳ございませんお客様!!」
プリースト「俺が淹れよう」スッ……
カウボーイ「え!?僕には淹れてくれなかったのに!?」
男「なんか……想像とはかけ離れてんな……ギルドって……」
魔少女「あの……どうしてあんな立派な建物のギルドがあるのに皆さんこんなところにいらっしゃるんですか?」
カウボーイ「だって面倒くさそーじゃない」
プリースト「性に合わん」スッ……つお茶
ウィッチ「人が多すぎて緊張いたします」カチカチカチカチ
魔少女「納得しました……」
男「何で社長なんてウソついたんだ?社長どころか会長だなんて」
カウボーイ「え?社長だよ?この汚いギルド事務所【RPG】の」
プリースト「【RPG】グループの社長は我々の仲間が担当し実際にグループを動かしている。この男はただの創業者という事で名目上グループの会長となっているだけだ」
ウィッチ「この人がまともに企業のトップとしての仕事をするとお思いにますか?かといってここまで成長したグループを完全に放り出すのも勿体無いのでこういった方法を使っております」
男「……納得……」
361 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:37:45.36 ID:UgOrhTYk0
カウボーイ「とりあえず紹介しとこうか。これが僕たちのギルド【RPG】だよ。メンバーは他にもいるけど、とりあえず今日はこないだ会ったウィッチちゃんと、この無愛想な神父っぽいヤツがプリースト。
ちなみにコイツ本物の神父ね。武器はロングソードの二刀流で神父というよりエクソシストみたいなヤツ」
プリースト「よろしく」
男「あ、ども。『男』です。……ていうかこれがギルドって事はあの大きな建物のギルドは……」
カウボーイ「あぁ、アレ?アレはアレでちゃんとしたギルドだよ。何て言ったらいいかなー……コッチのメンバーは本物の精鋭揃いで、アッチのメンバーは大衆的というか何というか……まぁよくて上の下くらいの冒険者達ってとこかな」
プリースト「基本的には彼らが。手に負えない大きな仕事は我々が遂行している」
男「なるほど……モ○ハンでいうG級冒険者ってヤツっすね」
カウボーイ「お、君もやってる?モ○ハン」
プリースト「で。何の様で来た?」
魔少女「あ……はい。実は、こちらのギルドで何かお仕事を紹介していただけないかと思いまして」
362 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:40:21.73 ID:UgOrhTYk0
…………
プリースト「成る程。オートマタ修理の為か」
魔少女「はい……どうでしょうか。よろしければこちらのギルドに登録させていただきたいのですが」
カウボーイ「ウィッチちゃん」指パチンッ
ウィッチ「登録完了です」カチカチカチカチ
男「早っ!!え!?いいの!?そんな一瞬で決めてッ!!何か色々審査とかあるって聞いてたんだけど」
カウボーイ「審査ならやったじゃないのー、こないだ滝のダンジョンでさ」
男と魔少女がゴーレムと激闘を繰り広げていた時、カウボーイは一部始終それを観察していた。
結果、2人の将来性・人格共に問題なしという判断を出していた。
カウボーイ「というか実は、既に手続きやら何やらほとんどやっちゃってたんだよねー。後は本人達の了承のみってだけだったから」
363 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:42:15.86 ID:UgOrhTYk0
魔少女「ということは……既にこのギルドに来ると予想していたと」
カウボーイ「そりゃあダンジョンでお金を稼ぎたいんならギルドの依頼受けた方が実入りはいいからねぇ。名刺も渡してたし近いうちに来るとは思ってたよ」
男「んじゃあ、もう俺たちはギルドの依頼を受けられるって事?」
カウボーイ「そうだよー。ほら、コレが少年のギルド所属証明書。チームの時は代表者1人が持ってりゃいいから。魔少女ちゃんも欲しいならあげておこうか?」
魔少女「そうですね……念の為、いただきます。先輩無くしそうですし」
男「否定はしない」
カウボーイ「まぁ後はギルドの受付嬢にでも丁度いい依頼を見繕ってもらってよ。期待してるよ2人共」ニィッ
364 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/17(木) 21:45:17.27 ID:UgOrhTYk0
投下終了です。
次元の違う最強格3人目、プリーストさん登場です。
次回は初クエストとなります。ではまた。
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/17(木) 22:25:06.07 ID:aRHOJ72go
乙
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/11/17(木) 22:25:57.89 ID:7SPP79Ib0
乙
クエスト:オートマタの性格を決めよう
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/17(木) 23:41:02.03 ID:R6AWNder0
乙!
368 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/11/18(金) 09:57:24.04 ID:grBZcGuRO
オートマータ…コンロビーヌを思い出した救われた物語を藤田さん書いてくれないかなぁ
369 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/18(金) 13:39:16.32 ID:z0wegGY0O
あの頃のサンデーは輝いていた…
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/18(金) 19:19:41.18 ID:L92isVjTO
乙
黒賀村編だけは絶対許さない
371 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:15:42.64 ID:H6cV/QLo0
おはようございます、1です。軽めに投下していきます。
>>365
>>366
>>367
>>368
>>369
>>370
ありがとうございます。引き続き暇な時にどーぞ。
372 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:20:14.39 ID:H6cV/QLo0
ギルドエリア 総合依頼案内所
男「さて。早速こっちまで戻ってきたわけだけど」
魔少女「このエリア全体で……依頼や情報などを集積しているようですね。まずは初心者用の簡単な依頼から……あのー」
オペレーター「はい。どうされましたか?」ニコッ
魔少女は1人の受付の女性らしき人に声をかける。
笑顔に思わず同じ女である魔少女さえトキメキそうな、大人な純和風の女性である。
魔少女「えっと……今回初めてこちらで依頼を受けようと思うのですが……やり方がわからなくて」
オペレーター「かしこまりました。では、ギルド所属証明書をご提示いただけますか?」
魔少女「ほら……先輩、さっき貰ったアレです」
男「ん?あぁ、俺が出すのか……お願いします」スッ……
373 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:31:43.55 ID:H6cV/QLo0
オペレーター「はい。……あら。貴方達があの人の言っていた新人さんかしら?」
男「あの人?カウボーイのおっちゃんっすか?」
オペレーター「えぇ。私もあの小さな事務所のメンバーの1人だから。情報収集や依頼などの情報処理が主な仕事よ。よろしくね、お二方」ニコッ
魔少女「情報収集……ですか」
オペレーター「えぇ。紹介代わりに少し見せましょうか」カチッ
オペレーターがキーボードに手を添えると、一瞬で画面に魔少女の情報が現れる。
オペレーター「フムフム……ほぉほぉ……○○県の魔法部の大会で優勝と……流石あの人のお気に入りだけあって並ではないのね」
魔少女「え?……私の……まだ名前すら言ってないのに」
オペレーター「フフ、どうやったかは秘密ね。次にそっちの男の子はと…………あれ?特に目立った功績はないのかしら?」
男「まぁ、いわゆるちょっと動けるだけの普通の男子高校生ですんで」
オペレーター「じゃあこれからの活躍に期待ね。……あら……お兄さんがプロの探索者なのね。しかもこの3年間で若手トップクラスの功績を挙げてるわ」
男「いやー、アレは血ぃ繋がってんのか?って疑うレベルに優秀な兄貴ですからねー」
オペレーター「そう自分を卑下にしないの。じゃあ早速お仕事の説明をしましょうか」
374 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:33:31.29 ID:H6cV/QLo0
ギルドの依頼とは!!
世界中に多数散らばるギルドには、未知のダンジョン探索から晩ご飯の材料に悩む主婦までありとあらゆる依頼が発注されている。
その依頼にギルドが達成難度を決めて、冒険者、探索者は自分の実力にあった依頼を受注するのだ。
主に目安となるのは、そのダンジョンの危険度ランクなどである。
オペレーター「貴方達はランク2までのダンジョンにしか入らないから受注範囲は非常に狭くなるけど……それでも数は膨大よ。さて、本日はどのような依頼をお探しかしら?」
375 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:41:47.55 ID:H6cV/QLo0
男「んー、あり過ぎて悩むどころじゃないなこの数は」
ざっと検索してみたところ、ダンジョンランク2までという制限にも関わらず、依頼件数は万を軽く超えていた。これも世界各地の大都市からだけでなく、地方の中小ギルドとの連携が強い大手ギルドならではの光景である。
魔少女「まずは……私達の住む地域を中心として検索しましょう。そこから検索半径を徐々に広げ……早速いいのがヒットしましたね」
魔少女が一件の依頼に注目する。
『協力者求む。ダンジョン探索に同行してくれる方募集』
条件
明日の13時、仁市駅前集合→ダンジョンクリアまで同行出来る方
潜入予定ダンジョン
仁市第二運動公園ダンジョン(危険度ランク2)
報酬
100ゴールド
互いにダンジョンで得た金品の5割
376 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:45:35.00 ID:H6cV/QLo0
男「仁市って、俺らの街の隣じゃん」
魔少女「確定報酬100ゴールド……更にダンジョンで稼いだお金の半分が入ります。
危険度2のダンジョンで私達と依頼者の合わせて3人で探索を行えば300から400ゴールドは固いかと。取り分はその半分ですから報酬と合わせて合計250ゴールドから300ゴールドほどの見込みがありますね」
オペレーター「依頼者は貴方達と同じ高校生のようね。実力も同程度、欲しい素材が最近このダンジョンに大量に出る傾向があるので、安全策として共に探索する人材が欲しいと。……これにする?」
魔少女「悪くないと思います……個人的に親しくなれば、私達の目的に協力してくれて、後日探索を手伝ってくれるかもしれませんから」
男「年が近い同業者の知り合いが出来るかもってのはメリットデカイな。これにするか」
「「じゃあこれで!!」」
オペレーター「フフ、了解。では依頼内容などを明記したメールを貴方達の携帯に送っておくわね。初仕事頑張って、怪我しないようにね」
377 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:49:23.13 ID:H6cV/QLo0
男「ありがとうございまーす。うっし、んじゃ折角東京に来たんだし遊んで帰るか」
魔少女「却下です……先輩には、先日新しく手に入れた『鉄の剣』と魔力の練習をやってもらいます。ついでに武器の鑑定も。明日の仕事で使いモノにならないと困りますので」グイッ
男「嘘ーん!折角ここまできたのにー」ズルズルズル
魔少女「名刺があれば……またいつでも来れるじゃないですか。ほら、さっさと帰りますよ」ズルズルズル
オペレーター「フフ……若いっていいわね……本当に……」
8日目成果
ギルド【RPG】への登録を完了した
初めての依頼を受注した
カウボーイより譲り受けた『鉄の剣』を鑑定した
市役所横ダンジョンでの修行ついでに、40ゴールド獲得した
所持金55ゴールド
オートマタ引き取り代金 残り945ゴールド
378 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:50:41.09 ID:H6cV/QLo0
ー同時刻ー
379 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:51:48.36 ID:H6cV/QLo0
…………
南米 ペルー
マチュピチュ遺跡
ダンジョン『浮遊都市マチュピチュ』危険度ランク54
リバース幹部「くっ!!何なんだこの剣士は!!めちゃくちゃ強いじゃねぇか!!」
兄「さぁ、吐いてもらおうか。お前ら『リバース』がこのダンジョンで何をしていたのか」チャキッ
1人の日本人剣士が、いかにも悪そうな男に剣を向け尋問している。
その周りには、男の部下が数人、それらが従えていたモンスターなどが、剣士に斬られ倒れていた。
リバース幹部「り、リバース?はは、俺には何のことやら」ザクッ!!
グァァアアアッ!!!
兄「調べはついてるんだ。余計な手間を取らせるなら足のつま先からコイツを刺してくぞ?」
剣士はナイフを男の右足の甲に突き刺し、尋問を行う。
いや、既に拷問の域であろう。
380 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:54:43.74 ID:H6cV/QLo0
リバース幹部「ぅぅ……た、ただこのダンジョンで入手出来る素材を採りに来ただけだ。貴重なモノだから市場には出回っていない……ただの探索だ!正当な手続きもした!!それの何が悪い!!」
兄「貴重な素材ねぇ……このダンジョンで、市場に出回らないレベルのごく少数しかとれないと言われている貴重な素材といえば、別次元へのワームホールを作る為に必須なレアクリスタルの一つ『浮遊結晶』だが……そんなモノを何故お前らが欲しがるんだ?」
リバース幹部「〜〜〜〜〜ッ!?……ク……クククッ……ハハハハハッ……」
兄「ん?」
リバース幹部「知りたければ教えてやろう!!この世界を『裏返す』のさ!!強者のみが生き残る混沌の世界へとなぁ!!」
兄「それは何回も聞いた。お前のお仲間にな」
リバース幹部「弱者は穴にでも閉じこもればいい!!我々にこの世界は狭く、生温い!!ならば全てを反転させればよいのだ!!」
兄「それも聞いた。お前ら皆、同じ事しか喋らないのか?ゲームのキャラクターかよ」
リバース幹部「ゲーム?……ハハハッ……そう!これはゲームだよ!!我々が創り出す、これ以上にない壮大な世界を舞台にしたRPG(ロールプレイングゲーム)だ!!」カッ!!
突如、男の身体が光りだす。
兄「げ!?」
381 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:56:20.02 ID:H6cV/QLo0
リバース幹部「『リバース』の創り出す世界に栄光あれぇぇぇえええッ!!!!」
ドォォォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!
そして、男の叫びと共に、周囲に爆炎が広がっていく。
爆炎は剣士どころかまだ息のある男の仲間をも飲み込んでいった。
382 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 09:59:14.92 ID:H6cV/QLo0
ォォォォォオオオッ…………
兄「余計な事しなくても良かったのに。これやられると酔うんだよ」ゲホッ
爆炎が収まると、剣士は何事もなかったかの様に姿を現した。あれだけの熱量かつ広範囲の爆炎にも関わらず、気分は悪そうだが全くの無傷である。
魔術師「またそんな事言ってッ!ボクが君を『フェーズシフト』で別空間に飛ばさなかったら、君は今頃焼き焦げた匂いの、魔物のエサになってたところなんだから!!」フヨフヨフヨ
どこからか、フワフワと箒に乗った赤毛の少女が剣士の前に現れる。
見た所日本人の剣士とは違い、外国人。魔術の本場、イギリス出身の魔法使い19歳である。
383 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 10:02:10.05 ID:H6cV/QLo0
兄「はいはい、サポート助かったよ魔術師。とりあえず敵の現在の目的も把握出来たし、今回は上出来だろ?」
魔術師「うん、わかればよし!ホラ、ジャパンのことわざにもあるでしょう?『おかしい仲にも礼儀あり』ってさ」
兄「『親しき』な。まぁ俺とお前ならおかしいである意味あってるけど」
魔術師「oh……ジャパンのことわざ難しいよ……それで?これからどうするの?ボスから奴等の次の情報が入るまでは自由だってさ」
兄「そうだなぁ……去年の正月ぶりに家に帰ろうかな。お袋や弟の顔を見にでも」
魔術師「ッ!?YEAH〜〜ッ!!!賛成賛成!!ボクジャパニーズフード大好きだもん!!スキヤキシャブシャブスシナンプラ〜〜♪」
兄「ナンプラー?あぁ、天ぷらか。てかお前も来るのか?」
魔術師「そりゃあ行くよ!ていうか連れてってよ!パートナーでしょ!?」
兄「はぁ……しょうがないなー」
384 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2016/11/20(日) 10:08:33.59 ID:H6cV/QLo0
投下終了です。
兄貴アンド魔術師登場でした。正統派主人公とその相方みたいな感じです。ちなみに2人の見た目は普通の動きやすい服装です。
カウボーイ達みたいにコスプレっぽくはなってません。プリーストさんは本物の神父なのでコスプレとは思ってません。
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/20(日) 11:22:57.72 ID:o1k1/riSO
乙乙
お兄ちゃんが外国人の嫁連れて帰って来るのか…次の更新も楽しみに待ってる
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/20(日) 11:45:09.66 ID:FIuj+cT+o
乙
兄登場かどうなるかね
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/20(日) 20:22:04.78 ID:ZTCOaKXD0
乙
兄はひっそり死んでいると思ってた
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/11/29(火) 21:27:59.47 ID:chTdoxuq0
保守
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/09(金) 23:32:20.10 ID:Hg4UED8/0
ほ
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/18(日) 01:08:53.72 ID:Rj/mYV/0O
支援&期待の☆
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/26(月) 19:32:33.17 ID:vAQfgsni0
ほしゅ
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/12/28(水) 14:21:49.54 ID:Uz/nUayFo
昨日見つけてそのまま勢いでここまで読んでしまった
面白い
リバースが裏返すのって通常空間とダンジョンをか?
そういや大概のRPGって世界の大半に魔物が跋扈しててぽつぽつ存在する町や村が安全地帯だもんなぁ
そういうRPGみたいな世界にしたいのか?というかRPGのマッチポンプじゃないだろうな
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/06(金) 00:25:19.45 ID:7reAscXs0
保守
394 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2017/01/09(月) 17:04:27.61 ID:MrLSsepx0
あけましておめでとうございます、1です。
遅くなりましたが夜辺りに投下します。ヒマな時にどうぞ
395 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/09(月) 17:58:37.80 ID:qfZiYnG/0
期待してます!
396 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2017/01/09(月) 20:03:41.12 ID:MrLSsepx0
ダンジョン生活9日目 午後12時
男「ほんじゃ、初仕事行ってくるか」
魔少女「えぇ……行きましょう」ニコッ
母「車に気をつけるのよー☆」
男「もっと気をつけなきゃいけないもんが、いっぱいあるけどな」
仁市駅前
12時40分
男「結構早めに着いちゃったな。どっかで軽く何か食うか」
魔少女「でしたら……駅の近くに美味しいシュークリームを売っている店があるらしいです」グイッ、グイッ!!
男「腕引っ張んなって!俺的にはもうちょいガッツリ食いたいんだけどなー」
魔少女「コンビニで……ついでに何か買ってください。あ、あの店ですね」トテトテトテ
「シュークリームあと1セットでーす、次回販売は3時間後となっておりまーす」
「「すいませーん、シュークリームください」」
魔少女「ッ!?」バッ!!
「ッ!?」バッ!!
397 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2017/01/09(月) 20:05:05.39 ID:MrLSsepx0
駅前にそびえる小さな店舗。
そこで売られている最後のシュークリームを求め、今見知らぬ金髪の少年と少女の2人が同時に注文を行なった。
金髪「なんやアンタ……ワシの方が早かったと思うんやがなぁ……」ピキッ……
魔少女「いいえ……私の方がコンマ3秒ほど早かったです。順番は守っていただかないと」ピキピキッ……
金髪「せやなぁ……順番は守らんとなぁ……まぁどうしてもというなら」ビキビキッ!!
魔少女「えぇ……どうしてもというなら……」ビキビキビキッ!!!
「「最初はグー!!ジャンッ!ケンッ!!」」
398 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2017/01/09(月) 20:15:25.93 ID:MrLSsepx0
……………………
「ありがとうございましたー」
魔少女「正義は必ず勝つのです……」ドヤッ!!
金髪「あぁ……何でワシはグーを出してもうたんや……」
戦いの結果、魔少女が最後のシュークリームの入った袋をゲットしたようだ。
激闘を繰り広げた短髪の金髪な少年は酷く落ち込んでいる。
魔少女「よかったら……1個どうぞ。一袋に結構入ってるみたいですので」
金髪「おぉ……天使や。ココに天使がおる……あんがとうなぁ!!んーうまッ!!」モグモグ
男「3時間後に新しく焼いて販売されんだから待てばいいのに」
金髪「あかん。3時間後やったらワシは近くのダンジョンの中や。その前に、ここのシュークリームで景気付けときたかったからな」
男「へぇー、アンタもダンジョンに入るんだ。俺たちもこれから近くのダンジョンに入るんだよ」
金髪「おーお前らも探索者か!一緒のとこかもなー、ほな向こうで会ったらよろしくな。ワシは待ち合わせがあるから駅前で待たなあかんのよ」
男「おう、よろしく。俺達も駅前で待ち合わせだからそれまで情報交換でもしとくか」
魔少女「……………………」モグモグ
399 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2017/01/09(月) 20:24:23.03 ID:MrLSsepx0
13:00 待ち合わせ場所
金髪「なんや、まだ来てないんか?プロなのに時間に疎いとは感心せんなー」
男「こっちもまだ来てないのかな?折角指定時間に来たのに」
魔少女「あのー……お二方もしかしてワザとですか?」
「「へ?」」
…………
金髪「なんやー、アンタらがワシの頼んだギルドの人らやったんかいなー」
男「アンタが依頼人だったのか!いやー、こういう事もあるんだなー」
魔少女「まるでコントを見てるようでした……改めまして、ギルド【RPG】から参りました、魔少女と申します」
男「俺は『男』だ。初仕事でダンジョン経験も浅いけど、給料分の働きが出来るよう頑張るからよろしくな」
金髪「ワシは『金髪』や!まぁワシも経験浅いし、最悪目的の素材がキッチリ手に入れば問題ないからよろしく頼むわ!」
魔少女「では……腹ごしらえも済んだ事ですし、行きましょうか。ダンジョンへ」
400 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2017/01/09(月) 20:34:49.57 ID:MrLSsepx0
仁市第二運動公園ダンジョン
空間変異型ダンジョン 鉱山 全4層
出現時期 15年前
危険度2
主な魔物 ゴブリン ???
401 :
◆A.DGm5tRfU
[saga]:2017/01/09(月) 20:36:34.89 ID:MrLSsepx0
ダンジョン 第二層
『薄明かりの坑道』
男「ここは……鉱山のダンジョンなのか」
冒険前の準備を整える為の第一層を素通りし、そのまま本格的に探索が始まる第二層へと降りた男達は、周囲が岩に覆われ、ランプの灯りに灯された坑道のような通路に降り立った。
魔少女「そのようですね……このダンジョンは全4層の空間変異型。つまり決まった地図などは存在しません。私達は、この迷路のような坑道を探索しなければいけないというわけですね」
金髪「まぁ、通路はかなり広いし魔物と戦闘になっても問題ないやろ。まずは次の階層への出口を見つけよか」
男「ん?素材やアイテムを探さなくていいのか?」
金髪「それは二の次や。まずはワシら自身の安全の確保。先に出口見つけてそこを中心に探索すれば迷いにくくもなるやろ」
男「おー、それもそうだな。てかそういえば、お前が集めたい素材って何なんだ?わざわざギルドに依頼するくらいだし」
金髪「ん?あぁ、『火薬』や」
男「火薬ぅ〜?」
金髪「ワシは探索者として武器を使うなら、やっぱ男気溢れた武器を使いたい!って昔から思うとってなぁー。まぁいわゆる『漢の浪漫』ってヤツやな。
んで色々候補はあったんやけど、まずはコレ!って武器を見つけたんや。せやけど、この武器の最大の魅力を使うにはアホみたいに火薬が必要になって、武器屋のオヤジが最初の何発か分はサービスしたるから、あとは自分で材料を用意しろ。そしたらまた作ったるって話でな。
そんで、このダンジョンに低品質やけど火薬を精製出来る鉱石が大量に出るって聞いてな?こうして人を呼んでいっぱい持って帰ったろってワケや」
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/01/09(月) 20:54:08.82 ID:JYfsRM0to
つまりどういうことだってばよ
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