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【このすば】カズマ「この素晴らしい世界で喧嘩だ喧嘩ァッ!!」
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131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/19(金) 16:40:45.04 ID:IJpT55QOO
>>123
これ好きだ
おつ
132 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:49:03.73 ID:/vUbh5r1o
このすクライド
133 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:49:59.77 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
〜街から離れた森の道〜
めぐみん「ありがとうございますカズマ。付き合ってもらって」
カズマ「馬小屋で寝ててもアイツにうだうだ言われるだけだからな。散歩してる方が気楽でいい」
めぐみん「うーむ、この辺なら爆裂魔法を放っても問題ありませんね」
カズマ「街でやるとなにか問題があるのか?」
めぐみん「以前街でやったら爆風と爆音で苦情が出て怒られちゃったんです……」
134 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:50:31.17 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「あ! あの古城なんかよさげじゃないですか?」
カズマ「アレにぶちかますのか?」
めぐみん「はい! あれなら爆裂させがいがあります。新調したこの杖の新しいタマで……!」キッ
フォオオオオオオ……
めぐみん「【信じあうこと、愛すること、それが人の道という……キレイゴト、アコガレ、ナニ? 誰かが笑った。流される日常の渦に置き去りにした夢の数々。待つだけじゃ、何も埋められない……乾いた胸満たせ、 So desire!】」
めぐみん「エクスプロージョン!!!!」カッ
135 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:50:59.64 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「うはっ」ドサッ
カズマ「相変わらずビリビリ来やがるな……」
めぐみん「燃え尽きろ…………はぁっ、最高デース」
カズマ「それで、俺の仕事はお前をおぶって帰ることかよ」
めぐみん「ご名答。よろしくお願いします」
カズマ「そうか、じゃあな」
めぐみん「ああああ待って! 待ってください! お願いします、連れて帰ってぇぇ!!」
デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!
奪え! すべて! この手で!
136 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:51:40.17 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
カズマ「(あのワケの分からねぇキャベツから数日、やることのない俺はこうしてめぐみんのお守をしている)」
カズマ「(あの後なんか金がメチャクチャ入っているであろう袋を渡されたが、飲み食いできりゃ他に使い道もねぇしアクアに渡したら土下座して泣きながら抱きついてきた)」
カズマ「(ダクネスは服を新調すると鍛えるとかなんとかでどこかに行っちまったし)」
カズマ「(……このままで本当にロストグラウンドに帰れるのか?)」
めぐみん「あの、カズマ」
カズマ「なんだ」
めぐみん「もしスキルポイントの使い道がなければ、爆裂魔法を覚えたらどうでしょう。損させませんよ」
カズマ「あーいつかな」
めぐみん「絶対ですよ!」
137 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:52:06.98 ID:/vUbh5r1o
カズマ「(そんで、俺とめぐみんは毎日毎日、街から離れた古城に爆裂魔法を撃ちに行ってる)」
めぐみん「エクスプロージョン!!」
カズマ「(雨が降ろうが風が吹こうが雪が舞おうが毎日だ。正直、慣れてきた)」
めぐみん「ロージョン!!」
カズマ「(慣れ過ぎてその日の爆裂魔法とやらの出来もなんとなく分かるようになってきた)」
めぐみん「ジョン!!」
カズマ「(そして、この日課を始めて何日経ったか忘れた頃だ)」
めぐみん「ン!!」
138 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:52:39.92 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
〜ギルド〜
アクア「ちょっとなによこれ! 高難易度のクエストしか貼られてないじゃない!」
ダクネス「おお……! これにしよう! ブラックファング討伐…………絶対一撃が重くて気持ちいいぞ!」
めぐみん「いや、流石にちょっと……雑魚モンスターを一掃するクエストとか無いんですか?」
ルナ「申し訳ありません……近頃街の近くに魔王軍の幹部らしき者が住み着いたらしく、弱いモンスターは皆隠れちゃったみたいなんです」
カズマ「魔王軍だって? どこだ! とっととブチのめす!」
ルナ「あ、いえ正確な居場所は分からないんです。それで、この事態に対応できる腕利きの冒険者が王都から派遣されてくるまでは冒険者の方々にも大人しくしてもらうしか……」
アクア「なんでよ! 私今金欠なのよ!!」
ダクネス「あれ、アクアはこの前カズマから100万くらいポンと貰ってなかったか?」
アクア「ウッ……じ、実は調子に乗って使いすぎちゃって……あははーいざ使ってみると100万ってはした金よね〜」
めぐみん「うわぁ……」
139 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:53:06.43 ID:/vUbh5r1o
「ルナさん、ちょっと……」
ルナ「はい?」
「ここじゃ……とにかく、来てください」
ルナ「はい。分かりました」
めぐみん「なんか今の人、すごく汗かいてましたね」
ダクネス「ああ。ただならぬ雰囲気だったが」
アクア「もしかして、私が女神だってバレてギルドが私に対するおもてなしを考えてるとか!?」
めぐみん「アクアはまだその設定を守ってるんですか」
アクア「設定じゃないわよ!!」
ダクネス「まぁ回復魔法についてはエキスパートであるから、見方によっては女神だろうな」
アクア「見方によらず女神よ!」
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 16:53:30.98 ID:DvjXSwIaO
うひ
141 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:53:33.83 ID:/vUbh5r1o
ルナ「き、緊急! 緊急クエストです!!」ゼェゼェ
アクア「なによクエストー?」
ルナ「街の全冒険者は、ただちに武装し戦闘態勢をとって正門まで集合してください!!」
カズマ「なんだよ、またキャベツか?」
ダクネス「いいや…………これはただ事ではないぞ」
めぐみん「とにかく行ってみましょう!」
142 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:54:03.71 ID:/vUbh5r1o
・・・・・・
〜正門前〜
「なぁ、アレ……」
「ああ……」
「ヤバそうじゃね?」
多くの冒険者の視線の先!
それは、首の無い黒馬に乗った、首の無い騎士!!
アクア「誰よアイツ」
ダクネス「あれは、デュラハンか……!」
「……俺は最近、この街の近くに越してきた魔王軍の幹部の1人、デュラハンのベルディアだ」
騎士が手に持った自分の首が喋る!
143 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:54:38.80 ID:/vUbh5r1o
アクア「越してきたんですって。お蕎麦茹でてあげましょうよ」
ダクネス「どういう風習だそれ……」
ベルディア「…………ぐ、ぐごごご……!!」ゴゴゴゴ
「見ろ、何か言おうとしてるぞ!」
「凄く怒ってる……魔王軍の幹部ってのが本当だったら、怖いわー!」
ベルディア「おっ、お、おおお俺の住んでる城に、毎日毎日毎日毎日毎日毎日! ばっ、爆裂魔法を撃ちこんでくる頭のイカれた大馬鹿は、誰だぁぁぁぁぁぁぁーーーーッ!!」
騎士は非常にお怒りだ!!
怒りが天に届いているのか、黒雲がたちこめ、雷も荒ぶる!!
ベルディア「どうせ雑魚しかいない街だと思って観光気分で来たらさぁ! 毎日毎日ポンポンポンポンポンポン!! 古城が廃城になったんだぞ!!」
ベルディア「ねぇ、どうしてそんな陰湿な真似するのぉ!? 言いたいことがあったら直接言いに来いよ!! ついに俺がここに来ちゃったよ!!」
144 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:55:05.79 ID:/vUbh5r1o
アクア「ば、爆裂魔法!?」
ダクネス「おいおい……」チラッ
めぐみん「」
「爆裂魔法っていや……」
「この街で使えるのは……」
めぐみん「ひっ……!」
「アイツだけだよな」
「ああ、あの子か……かわいそうに、死んだな」
めぐみん「…………」ガタガタガタガタ
145 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:55:36.39 ID:/vUbh5r1o
カズマ「………………へっ」ポンポン
めぐみん「え?」
カズマ、めぐみんの肩を軽く叩くと自ら前に出る!!
アクア「ちょ、カズマ!?」
ダクネス「おい!」
カズマ「…………」ニィッ
146 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:56:19.20 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「貴様は?」
カズマ「おう、お前のねぐらに毎日撃ちこんでやったのは俺だよ」
ベルディア「ほう……!」ピキピキ
カズマ「適当に撃ってたつもりだったが、お前みてぇなよさげな野郎が釣れてなによりってやつだぜ。ここに来てからすっかり牙が抜けそうだったんでなぁ……研いでくれよ」
ベルディア「貴様…………喧嘩を売っているのか!?」
カズマ「ああそうだ、おうともよ!! 喧嘩だ喧嘩ッ! 俺が売った、テメェが買った!! だから派手な喧嘩と行こうぜ!!」シュウウウ
ベルディア「ッ、なんだその魔法は……見慣れないな」
カズマ「ああ、初めてだろうが。だからここで刻め! 衝撃のぉ、ファーストブリットォォ!!」
ベルディア「ッ!?」
カズマがベルディアに飛びかかる!
147 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:57:33.55 ID:/vUbh5r1o
カズマ「ガラ空きだぜ、オッサン!!」
ベルディア「ぐおおおっ!?」
不意を突いた形だろうか、ベルディアは持っていた大剣でカズマの拳を防ぐも馬ごと大きく後退させられた!
「お、おお! 魔王軍の幹部に攻撃したぞアイツ!」
「てかアイツ爆裂魔法仕えたのか」
ベルディア「貴様……! 俺は魔に身を堕としたとはいえ、元は騎士だった……貴様には相手を尊重したり正々堂々といった姿勢がまったく見受けられん。騎士道精神という言葉は無いのか!」
カズマ「関係ないね! 喧嘩によーいドンが必要なのかい?」
ベルディア「そうか、そういう奴か…………ならばいいだろう! 命知らずの駆け出し冒険者よ、ここで露に消えろ!」バッ
148 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:58:04.05 ID:/vUbh5r1o
カズマ「馬を降りたから強さが変わるのか?」
ベルディア「そうだな。変わる」
カズマ「なら見せてみろよ! 撃滅のセカンド――」
ベルディア「遅い!!」
カズマが拳を繰り出そうとしたその瞬間!
重いハズの大剣をいともかんたんに振り回すベルディアが距離を詰めた!
カズマ「なッ!?」
ベルディア「オオオオオ!!」ブォン!
ベルディアの大剣をまともに喰らったカズマ、吹き飛ばされる!!
149 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:58:33.70 ID:/vUbh5r1o
カズマ「が、はっ――!」
アクア「げっ、か、カズマ!」
ダクネス「羨ましい……」
めぐみん「カズマ!」
カズマ「ぐ、くっ……!」
一撃がゴッソリ持って行く大剣の一撃はカズマといえど無事では済んでないぞ!!
アクア「ちょ、カズマやばいじゃん! もうやめようよ!」
カズマ「黙ってろ!!」
ベルディア「ぶわぁぁぁかめぇぇ!! 俺の太くてかったーいビッグブレイドに、拳なんかが通用するわけねぇだろうが!」
カズマ「て、テメェ……!」
150 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:59:04.57 ID:/vUbh5r1o
再びベルディアの攻撃のターンだ!
ベルディア「太いんだよぉ!」ブォン!
カズマ「ぐっ……!」ガキィン
ベルディア「硬いんだよぉ!」ブォン!
カズマ「ぐあっ!」
ベルディア「暴れっぱなしなんだよぉ!!」ヴァッ!
カズマ「う、ぐああぁぁぁっ!」
151 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:59:31.64 ID:/vUbh5r1o
ついにカズマの右腕を覆っていた装甲版のような部分が砕け散り、腕部分がむき出しになる!!
めぐみん「カズマ!!」
カズマ「(なんだってんだ……クソッ、右腕に力が思うように……!)」
ベルディア「フン、所詮駆け出しの冒険者などこんなものだ。だが俺には慈悲の心がある。貴様が謝ってこれからは爆裂魔法は撃ちませんと土下座すれば許してやらんこともないぞ」
カズマ「あん?」ピキ
ベルディア「さぁ、とっとと頭を下げろ」
めぐみん「………………っ!」ダッ
アクア「めぐみん!?」
めぐみんが意を決したようにカズマとベルディアの間に駆ける!
ベルディア「なんだ小娘」
めぐみん「………………っ! 我が名はめぐみん! アークウィザードにしてこの街随一の魔法の使い手! 紅魔族きっての私以外に、爆裂魔法を使える者など他におらず!!」
カズマ「お前……!」
152 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 16:59:57.59 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「……めぐみんってなんだ! バカにしてるのか!」
めぐみん「ち、違うわい!」
アクア「うわわわ、私しーらない」
ダクネス「な、なんと……なんと羨ましい! アイツの攻撃を受けるチャンスを取られた!」
めぐみん「この男はただの出しゃばりな魔法なんかこれっぽっちも使えない奴! 真に爆裂魔法を貴様の城に撃ちこんでここまでおびき寄せたのはこの私、めぐみんである!!」
ベルディア「ほう……なるほど、仲間を庇おうと?」
めぐみん「そ、そうではない!」
ベルディア「フン、どちらにせよ、謝って今後爆裂魔法は使いませんと誓えば許してやる。2人まとめて謝れ!!」
めぐみん「それはできません」
ベルディア「へ?」
めぐみん「紅魔族は1日に1度爆裂魔法を使わないと死んでしまうので、爆裂魔法を撃つことはやめません」
ベルディア「ちょ、ちょちょちょお前! せっかく丸く収まりそうな雰囲気作ってやったのにぶち壊すなよ!! 嘘だって一発で分かるぞ!」
153 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:00:24.22 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「貴様……どうしても爆裂魔法を撃つのはやめないと」
めぐみん「はい」
ベルディア「…………ならば、仕方ない。ここで始末してやろう」
めぐみん「っ、き、来なさーい!」プルプル
カズマ「ッ!」ダッ
めぐみん「え!?」
ベルディア「ムッ!?」
カズマ「テメェ……さっきから聞いてりゃ散々見下してくれやがって!」
カズマの最後の羽が砕ける!
カズマ「俺との喧嘩がまだ終わってねぇだろうがぁぁぁッ!! 抹殺のッ、ラストブリットォォッ!!」
154 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:01:03.29 ID:/vUbh5r1o
ベルディア「クッ、貴様これほどの力をまだ!」
カズマ「うおおおおおおッッ!!」
砕けた!!
カズマの拳が!! ベルディアの大剣が!!
両者共に!!
ベルディア「なにっ!」
カズマ「くっ……!」ズキ
ベルディア「貴様…………なるほど、大口を叩くだけはある。だが」
ダクネス「なっ、奴の剣が再生した!?」
ベルディア「俺は魔王軍の幹部だぞ。剣を砕いたくらいで勝った気になるな!」
カズマ「なら何度でも砕いてやるよ!」
ベルディア「フッ、無理をするな。その拳では今度こそ戦えまい」
カズマ「それを決めんのはお前じゃねぇ、俺だぁぁッ!!」バッ
155 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:01:29.41 ID:/vUbh5r1o
カズマ「っ、アルターが……出ねぇ! なんでだ!?」
ベルディア「なにか知らんが、魔力切れでも起こしたか」
アクア「うっそでしょ……カズマの唯一と言っていい取り柄が!」
ベルディア「ふ、今ここで倒してしまってもいいが、貴様ら冒険者にはもっと苦しんで死んでもらう!」ズオッ
ベルディアの右手に漆黒のオーラが漂う!
めぐみん「ッ! あれは!」
ベルディア「男よ。【汝に、死の宣告を!】」
カズマ「…………っ!」
156 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:02:00.15 ID:/vUbh5r1o
死の宣告!
カズマの命を奪わんと迫る!! が!!
ダクネス「ッ!」バッ
ベルディア「なに?」
ダクネス「ぐああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
死の宣告がダクネスに直撃!
ダクネス「う…………」ガクッ
ベルディア「ふん、仲間を庇ったか……どうやら騎士のようだが、見上げたものだな」
めぐみん「ダクネスー!」タッタッタッ
ベルディア「1週間だ。その死の宣告は貴様の体を蝕み、1週間後に命を奪う」
ダクネス「ッ!」
ベルディア「貴様らは、自らの行動から仲間の命を1人失ったのだ。それをよく見ながら苦しむんだな!」
157 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:03:46.35 ID:/vUbh5r1o
ダクネス「ど、どうしよう……」
ベルディア「フハハハ! 今更嘆いてももう遅――」
ダクネス「あの男は、きっと呪いを解いて欲しくば俺の言うことを聞け、と! そう言っている!!」
ベルディア「――ふぁ?」
ダクネス「あの目を見ろ! 私が逆らえないのを良いことに、その欲望を私にぶつけ、とんでもない変態ハードコアドエロチックプレイを要求してくる! 変質者の目だ!!」ハァハァ
ベルディア「お、おおいおいおい!!?」
「ま、マジ……?」
「魔王軍の幹部サイテー……」
ベルディア「ちょ、言いがかりだ!
ダクネス「行きたくはない……行きたくはないが、命が奪われそうなんだ……仕方ない! ちょっと行ってくりゅうううう!!」ダッ
ベルディア「ぎゃああああ来るな来るなぁぁ!!」
ダクネス「あ、おい行くな! 戻ってきてくれぇぇ!! 私を忘れているぞおおお!!」
ベルディアは悲鳴を上げるとそそくさと退散した!!
158 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:04:24.71 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「こ、これは……撃退、したのでしょうか…………でも、ダクネスが……」
ダクネス「………………そんな、何故…………薄い本みたいな展開にならない……」ズーン
カズマ「ッ!」ガッ
ダクネス「うわっ!?」
めぐみん「ちょ、カズマ!? 何故ダクネスの胸倉を掴むのです!?」
カズマ「テメェ……何故邪魔した!」
ダクネス「邪魔……?」
カズマ「俺の喧嘩の邪魔だ!! なんで邪魔した!!」
ダクネス「ま、待てカズマ……皆が見てる……いや、見られながら私を痛めつけるのが趣味ならそれはそれで」
めぐみん「やめてくださいカズマ!」
159 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:04:52.83 ID:/vUbh5r1o
カズマ「なんだよ……テメェも俺の喧嘩を邪魔しやがって」
めぐみん「っ……もとはと言えば、これは私の喧嘩だったハズです!!」
カズマ「ッ」
めぐみん「なのにカズマが出しゃばって……カズマこそ、私の喧嘩の邪魔をしないでくださいよ!!」
カズマ「………………」
めぐみん「……!」
カズマ「……チッ」パッ
ダクネス「うわっ」ドサッ
160 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:05:20.47 ID:/vUbh5r1o
めぐみん「ちょっとカズマ、どこへ?」
カズマ「あの野郎をボコる。徹底的にな」
めぐみん「私も行きます」
カズマ「来るんじゃねぇ。これは俺のケジメだろうが」
めぐみん「いいえ、私のケジメでもあります! いや……これは2人のケジメです!」
カズマ「2人の……?」
めぐみん「元々は私が爆裂魔法を撃ったのが原因……そしてその火に油を注いだのはカズマ。ダクネスの死の宣告は……私達2人のせいです」
めぐみん「だから、私も行って、2人でアイツをボコボコにして、ダクネスの呪いを解いてもらいましょう」
カズマ「………………ヘッ、分かったよ。足手まといになるなら捨てていくからな」
めぐみん「カズマこそ、私の足を引っ張らないでくださいね」
2人、歩き出す!
決意を胸に、想いを胸に!
少女と男が、歩き出す!!
161 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:06:18.62 ID:/vUbh5r1o
アクア「【セイグリット・ブレイクスペル!】」ピカーン
ダクネス「え? うわあああああああああ!?」パァァァァァ
アクア「よしよし、解呪成功」
カズマ・めぐみん「え?」
アクア「あ、カズマの右腕も回復させちゃうからさっさと差し出して」ピカーン
カズマ「」パァァァァァ
アクア「回復完了! やっぱアークプリーストたる私がいないとこのパーティー駄目駄目ねぇ〜!」ケラケラ
めぐみん「」
カズマ「」
162 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:07:04.44 ID:/vUbh5r1o
「「「「「おおおおおおお!!」」」」」
「あんたらすげえよ! 魔王軍の幹部を追っ払っちまうなんて!」
「あなたのような騎士になりたい!」
「その回復魔法、教えてください!」
アクア「あはははは、参っちゃうわね〜! 私達人気者じゃない!」
ダクネス「て、照れるな」
カズマ・めぐみん「………………」
カズマ「こういう時、俺はどうしたらいいんだ……」
めぐみん「……………………私にも、分かりません……」
テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!
い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
163 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/08/22(月) 17:10:20.02 ID:/vUbh5r1o
デレレレレレレレレ
次 回
暴力、罵倒、放置――
全てを有して思い悩む少女、一人
マゾヒズムしか知らぬ者は、愚者たり得るのか
それとも尊ぶべき存在なのか
ダクネスが、今、歩きだす
花は踏みにじられてこそ、美しい
第 5 話
ダクネス
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 17:47:54.86 ID:DvjXSwIaO
スキル振ればまだ強くなれるんか?
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 17:59:30.75 ID:8QwCY1ywO
カズマがちょっと溶け込んでてワロタ
漫画、というか初期のカズマってかんじか
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 20:18:57.80 ID:H1wZ8sxTO
バースト無駄打ちのせいかしら
初期から調子悪いみたいなこと言ってるけど
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/22(月) 20:36:49.76 ID:B2h0m2MyO
乙
5話か 誰の大切な玉が出てくるのかな
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/08/24(水) 23:03:49.31 ID:CTU59Baq0
歌詞はやめといた方がいい。Jの字のゼニゲバが来る可能性がある
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/25(木) 01:24:28.56 ID:l4YRJbQ8o
使えないセカンド設定がいかされて泣ける
おつ
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/25(木) 14:26:15.89 ID:siCPgacIO
そういえばセカンドブリットは絶影くらいにしかまともに仕事してなかったなww
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/08/27(土) 01:19:04.73 ID:A+3ujGsho
本気でバースト打ってたら当たったところから炎柱上がって偉いことになりそう
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/01(木) 20:03:05.90 ID:fPq4WQ4qO
このSS、素晴らしいなあ…なんて文化的なんだ〜!
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 08:22:02.34 ID:nSzIe4O6o
面白い。そろそろ来る?
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 22:59:47.59 ID:gtMyHDKvo
シェルブリットは初期状態で固定なのかな?
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/02(金) 23:01:16.78 ID:5qCqu+nEO
>>118
でバースト使ってたぞ
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/03(土) 23:12:13.36 ID:fp4QbW0ao
>>175
お、マジだ
じゃあ自慢の拳までいけるんだな
177 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 01:58:59.09 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜火山地帯〜
エンシェントドラゴン!
伝説に記されるという、数々の冒険者を葬ってきた龍である!!
ドラゴンの住処の近くに住む人々は、奴を倒す冒険者を待つか、死を待つかであった!!
「…………」ザッザッ
178 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 01:59:27.28 ID:zzcmBjnCo
しかし、火を吐くドラゴンに近付く人影、一人!!
ドラゴンの咆哮もなんのその、ソイツは歩みを止めない!
「…………」ザッザッ
たった1人で向かい風に逆らうのは、クールでいなせな、あの男!
「絶影」
アルター使いの、あの男!!
デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!
奪え! すべて! この手で!
179 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:00:13.86 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜ギルド〜
アクア「お金が無いのよおおおおおぉぉぉぉ!!」
めぐみん「…………」
ダクネス「…………」
アクア「ねぇカズマぁぁぁぁまたお金ちょーだい!」
カズマ「あ? キャベツの時にやっただろうが」
アクア「尽きてんのよ! しかもこの前のデュラハン追っ払った報奨金は大して出なかったし、もうお金が無いのよ!!」
カズマ「じゃあいつもみたいに店番でもすりゃいいだろ」
アクア「嫌よ! コロッケが売れ残ると店長怒るし、なにより女神が店番ってもうこれアクシズ教徒が見たら卒倒モンなの!」
めぐみん「追い払ったとはいえ、デュラハンの人はまだ健在ですからね。雑魚モンスターのクエストが無い状態です」
ダクネス「わ、私は強いモンスター相手でも全然……いや、むしろそれにしてくれ」
180 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:00:58.50 ID:zzcmBjnCo
アクア「………………分かったわよ……受けりゃいいんでしょクエスト」
カズマ「この唐揚げうめぇな!」モグモグ
アクア「聞きなさいよ! このあたしがやる気になってるのよ!?」
カズマ「なら適当に受けりゃいいだろ。俺は行かねぇからな」
アクア「なんで!? あんた強い相手となら戦いたい戦闘狂でしょ!?」
カズマ「喧嘩の相手くらい選ぶわ!!」
めぐみん「まぁまぁ……私も一緒に選びますから、掲示板に行きましょう」
アクア「うう…………うん」スタスタ
181 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:01:27.95 ID:zzcmBjnCo
ダクネス「なぁカズマ」
カズマ「なんだ?」モグモグ
ダクネス「カズマとアクアはどういう関係なんだ? なんでも馬小屋で寝食を共にしていると聞いているが…………まさか、人に聞かれているかもしれないという背徳的な状況でコトに及ぶ関係とか!?」
カズマ「アイツは勝手についてきた。それだけだ」
ダクネス「ついてきた? どう出会ったんだ?」
カズマ「あ? んーー…………よく分かんねぇ」
ダクネス「分からないのか!?」
カズマ「ああ……色々あったんだが、どう説明していいか分かんねぇな……」
ダクネス「そ、そうか……まぁしつこく聞くようなことでもないし、分からないのならそれでいいか」
182 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:02:05.98 ID:zzcmBjnCo
アクア「カズマー! これなんかどう!? 水質汚染された湖の浄化ですって!」
カズマ「それでいいんじゃねぇのか」
アクア「へへへへ、水の女神たるこのあたしにかかれば、半日くらい浸かってればどんな汚いドブでも綺麗な水にしてやるわ!」
ダクネス「まだ女神と言い張るのか。そのメンタルは見習いたいな」
めぐみん「ですね。かわいそうなアクアです」
アクア「ねぇちょっと、2人とも私が女神アクアだって信じてない感じ?」
めぐみん・ダクネス「まったく」
アクア「………………」ブワッ
183 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:02:42.66 ID:zzcmBjnCo
アクア「あ! 今回は私1人で受けるから報酬は渡さないからね!」
めぐみん「それはいいですけど……でもどうするのですか? 湖にはモンスターが生息してしまっていて、浄化しようにも襲ってくるからどうしようもないというのが現状らしいですが」
アクア「そうなのよねぇ……私だってワニに噛まれたら死ぬし」
ダクネス「…………そうだ! 私にいい考えがある!」
アクア「さっすがダクネス! 持つべきものはクルセイダーね!」
ダクネス「ああ待っててくれ、家から最高の物を取って来る!」
184 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:04:14.13 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜湖〜
アクア「…………で、なんで私は檻の中で水に浸かっているの……」
ダクネス「これならモンスターに襲われてもその檻が守ってくれるだろう。それにアクアは水に浸かってさえいればいいのだろう?」
アクア「ああまあそうだけど……」
めぐみん「考えましたね! アクアを檻ごと湖に放り込むとは」
カズマ「ふわぁぁ…………俺ぁ寝るぜ」
めぐみん「あ、ワニモンスターが!」
ワニ「ガウッ!」ガブッ
アクア「ひいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!? こ、こわっ! この檻壊れないわよね!?」
ダクネス「その檻は中央にさえいればワニの牙は届かない、届かないが、届くかもしれないという恐怖心を味わえる……! ああっ、できることなら私が入りたかった!!」
アクア「やっぱりあんたの言うこと聞かなきゃよかったああああああぁぁぁぁ!!」
185 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:04:43.31 ID:zzcmBjnCo
ワニ「ガウッ!」
ワニ「ガウッ!」
アクア「なんかいっぱいきたぁぁぁぁぁ!!?」
ダクネス「ああ……羨ましい…………私もあの中でとんでもない責め苦を受けてみたい…………」ハァハァ
めぐみん「うわぁ……アクアー、やっぱり手伝いましょうかー?」
アクア「駄目よ! これは私の受けたクエストなんだからー! ビタ一文譲らないからねー!!」ジタバタ
めぐみん「だけどピンチですよ!」
アクア「うわーん助けてー! 私のスーパーピンチクラッシャー!!」ジタバタ
ダクネス「訳の分からないことを叫びながら湖に浄化魔法を撃ちまくっているな」
めぐみん「あ、なんか心なしか湖が綺麗になってきたような……」
アクア「はやく! 早く綺麗になれえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ワニ「ガウッ!」
アクア「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」
186 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:05:13.85 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜数時間後〜
アクア「……」
めぐみん「おおおお…………湖が、飲めるくらい綺麗に……!」
ダクネス「水質が改善されて魔物もいなくなったな」
カズマ「ん……終わったのか?」ムクッ
めぐみん「あ、カズマ! もしかしてずっと寝ていたのですか?」
カズマ「あまりに退屈でな。終わったんならさっさと帰ろうぜ」
アクア「……」
ダクネス「アクア、帰るぞ。檻から出てくるんだ」
アクア「……嫌」
ダクネス「え?」
アクア「外の世界は怖いから……このまま、この檻の中で暮らす……」
187 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:05:42.58 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜街中〜
「ねぇあの人……」
「知ってる! 最近活躍してるっていう……」
「この前なんか、伝説のエンシェントドラゴンを1人で倒したらしいわよ!」
「すごーい! イケメンだし……私アタックしてみようかな」
劉鳳「…………」ザッザッ
劉鳳「(まったく……本当に……どうしてこうなったんだ)」
劉鳳「(本土からのアルター軍団を全滅させた後、俺は突如開いた向こう側のゲートに吸い込まれた)」
劉鳳「(そして気付いたら、謎の空間……そしてよくわからない少女)」
劉鳳「(元の世界に戻るには、この世界の魔王とやらを倒して願いを叶えてもらうのが一番手っ取り早いと聞いた。だからこの世界に来たのはいいが……)」
劉鳳「どうやったら魔王とやらにたどり着くのか……」ハァ
188 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:06:31.68 ID:zzcmBjnCo
劉鳳「確かこの街は……アクセルだったか。初めて来た街だ。今日は適当に宿をとるか」
「ウラレテーユクヨー……メガミガー…………」
劉鳳「ん? なんだ……? 童歌か?」
「おいアクア、そろそろその歌をやめてくれ……」
「そうですよ……カズマからもなんとか言ってください。周りの目が……」
「歌わせときゃいいだろ」
「そんなー!?」
劉鳳「ッッッッ!!?」ダッ
189 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:06:58.49 ID:zzcmBjnCo
劉鳳「(今の声は……いや、まさか…………!)」
劉鳳「(声のした方向は、こっちか……!)」
走る劉鳳!
声のした場所は大通りだった! そして!! 奴がいた!!
劉鳳「ッ!!」
劉鳳「カズマ!!」
190 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:07:26.02 ID:zzcmBjnCo
ダクネス「おいアクア、そろそろその歌をやめてくれ……」
アクア「イヤ」
めぐみん「そうですよ……カズマからもなんとか言ってください。周りの目が……」
カズマ「歌わせときゃいいだろ」
めぐみん「そんなー!?」
カズマ「はぁ……」
カズマ「(この世界に来て……あの黒い奴との戦い以外に、燃えることが無ぇ……)」
カズマ「(こうも平和だと、シェルブリットのカズマも、丸くなっちまうのか……)」
溜息をつくカズマ! 燃えるものが欲しい!
そしてその欲求はすぐに満たされる! あの声、あの男によって!!
「カズマ!!」
191 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:07:53.67 ID:zzcmBjnCo
カズマ「ッッッッ!!?」
ダクネス「ん?」
めぐみん「知り合いですか?」
カズマ「その声は…………そのいけすかねぇ声は……!」クルッ
劉鳳「…………!!」
カズマ「…………!!」
互いの男の目に映る、自分!!
上がる口角!!
192 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:08:21.02 ID:zzcmBjnCo
カズマ「クッ、クククク………………そうだよなぁ、俺が来たんだ……あんたが来ねぇワケねぇよなぁ!!」
劉鳳「フッ、フフフフ………………そうだ、貴様が居ないわけがない……俺のいる世界にな!!」
同時に駆けだす2人!
向かう先は真正面、拳を握りしめる!!
カズマ「劉鳳ーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
劉鳳「カズマァァァーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
拳が、ぶつかった!!
193 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:08:56.15 ID:zzcmBjnCo
カズマ「ヘッ、やっと会えたんだ……なぁ劉鳳、ちょっとした用事を済ませようぜ」
劉鳳「フッ、いいだろう。俺もお前にちょっとした用事があった」
めぐみん「わわわわ!? い、一体なにが!?」
ダクネス「なんだか知らんが……こんなところで喧嘩か!?」
アクア「チョウチョ……」
カズマ「ああそうだ、喧嘩だ喧嘩ァッ! あんたが居て俺が居たら、喧嘩だろうがぁッ!」シュゥウウ
劉鳳「のぞむところだ! 俺も貴様とは決着をつけたかったところだ!」シュゥウウ
周りの地面が抉れる!!
カズマの右腕が変化し、劉鳳の隣に影が出来る!!
カズマ「行くぜぇぇぇ!!」
劉鳳「絶影ッッ!!」
194 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:09:30.37 ID:zzcmBjnCo
ダクネス「ちょ、本当にシャレにならなくなってきたぞ!?」
めぐみん「あんなカズマ初めて見ました!」
アクア「オリノナカ、アンゼン」
シェルブリットと列迅の衝撃が周りに飛ぶ!
一般人は何事かと逃げ回った!!
カズマ「どうした劉鳳、そんなんじゃハエも落とせねーぞ!」
劉鳳「貴様こそ、自慢の右腕が鈍っているじゃないか!」
カズマ「なにをぉぉ!」
劉鳳「来いカズマァッ!!」
柔らかなる拳・列迅をすんでのところで回避するカズマ!
しかし列迅の向かう先には、アクアの檻が!!
195 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:10:03.55 ID:zzcmBjnCo
アクア「エ?」
スパン!!
列迅に斬られ、音を立てて檻が崩壊!!
アクア「オ、オリガ……」
ダクネス「に、逃げろアクア! このままでは死ぬぞ!?」
めぐみん「そうですよ! 死んだら今回の報酬は誰が受け取ればいいんですか!」
アクア「ホウシュウ…………ッッ!!」パッ
アクア「そうよ、報酬よ! 金よ金!!」
ダクネス「(ワニに襲われたショックで心を閉ざしていたアクアが、金欲しさに正気に戻った!!)」
196 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:11:14.29 ID:zzcmBjnCo
アクア「あーそうだったそうだった。ったく、早く行くわよカズマ…………って、カズマ? 誰それ」
カズマ「行きたきゃとっとと行けよ。俺はコイツとの決着があるんだ」
めぐみん「ああもう! 駄目ですよカズマ! 見てください、この周りの惨状を!!」
カズマ「テメェ、邪魔すんじゃねぇ!」
めぐみん「いつもなら邪魔しませんが、ここじゃ駄目なのですー!!」
カズマ「うっ、お、おい服を引っ張るな!」
ダクネス「そこの御仁も、ここは矛を収めてくれないか。ここは街中……周りに被害が出るようなことはご法度だ」
劉鳳「…………」スッ
カズマ「劉鳳、逃げるのか!?」
劉鳳「頭に血が上っていたようだ。壊した建物などの片付けを手伝ってくる」
カズマ「…………チッ、わぁーったよ。俺も手伝う」
劉鳳「お前に声をかけ、喧嘩を売ったのは俺だ。俺1人でいい」
カズマ「カッコつけんなよ優男が。喧嘩を売ったのは同時だろうが」
197 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:12:10.31 ID:zzcmBjnCo
めぐみん「ほ、本当になんだったのでしょうか……」
ダクネス「ああ…………ハッ、アクアは!?」
めぐみん「とっとと行けと言われたので先にギルドに行ってる、だそうです」
ダクネス「のんきか……!?」
「あ、あんたら本当になんなんだい?」
劉鳳「失礼しました。お騒がせを」
「いいけど……」
劉鳳「片付け、手伝います」
198 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:12:37.87 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜夜・ギルド〜
アクア「あ、カズマおっそーい! …………って、そこの人は?」
めぐみん「劉鳳さんです。なにやらカズマの古い友人だそうで」
カズマ「友人なんかじゃねぇ!」
劉鳳「ああ。断じて友人ではない」
ダクネス「じゃあなんなんだ……」
アクア「そんなことより今日は私が奢るからさぁ〜! パーッとシュワシュワ祭りとしましょう!」
めぐみん「おお! 流石アクアです! 金欠を恐れぬその向こう見ずな感じは好きですよ!」
ダクネス「奢りなら遠慮せずにいただこうか」
アクア「そこのお兄さんも座って座って!」
劉鳳「あ、ああ」
カズマ「ケッ」
199 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:13:38.70 ID:zzcmBjnCo
アクア「ングッ、ングッ、プッハァァァ〜〜!! 一仕事終えた後のシュワシュワは格別ねぇ〜」
めぐみん「そうだアクア、檻壊しちゃったけどいいんですか?」
アクア「だいじょーぶだいじょーぶ! あれダクネスが壊してもいいってことで家から持って来たんでしょ?」
ダクネス「ああ。そうだ……」チラッ
カズマ「…………」
劉鳳「…………」
ダクネス「(こちらはこちらで随分な空気だ)」
200 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:14:21.43 ID:zzcmBjnCo
カズマ「なぁ劉鳳……あんたも」
劉鳳「お前と同じだろうな。向こう側の世界へのゲートに吸い込まれたかと思ったら、謎の空間。そして少女」
カズマ「ああ。なんか好きな物持ってけって言われたからあそこの青髪にお前が行けって言ったらよ、俺までここに来ちまった」
劉鳳「そうか……俺はこれだ」
カズマ「なんだそれ?」
劉鳳「使っても無くならない金の入った財布だ」
カズマ「はぁぁ!? じゃあなにか、金に困らねぇのか!?」
劉鳳「まぁな」フッ
カズマ「チッ、どうせこんな所に送られるなら俺ももうちょっとマシな物を頼めばよかったぜ」
劉鳳「俺は説明を聞き、どうすれば手っ取り早くロストグラウンドに帰れるのかを考え、最善の行動をとった。お前と違ってな」
カズマ「テメェ……喧嘩売ってんなら買うぜ。さっきのじゃ足りねぇよ」
劉鳳「フッ、カズマ」
カズマ「あん?」
201 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:14:59.64 ID:zzcmBjnCo
劉鳳「お前はこの世界に来てから、アルター能力に違和感があるとは思わないか?」
カズマ「…………」
劉鳳「その顔は当たりか」
カズマ「人の考え読むんじゃねぇ」
劉鳳「考えを読んだわけではない。俺も、ロストグラウンドに居た頃ほど全力を出せないでいる」
カズマ「っ、お前もか?」
劉鳳「ああ。能力に制限があると言った方がいいのか……いつもより短時間で解けたりとか、解けたら再構成できないとか、な」
カズマ「…………」
劉鳳「俺はこれを、この世界に飛ばされたせいではないかと思っている」
カズマ「この世界に?」
202 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:18:52.82 ID:zzcmBjnCo
劉鳳「この世界は俺達の居た世界や向こう側の世界から遠く離れた世界だとしたら、いつもよりアルターが使えないのは当たり前だ」
カズマ「……?」
劉鳳「俺達は向こう側の世界のゲートから俺達はあの謎の空間に出た。その時点でロストグラウンドとも遠かったんだ。それに加えてロストグラウンドとも向こう側の世界とも遠いこの世界に来たのなら……向こう側の世界の力を源とした俺達のアルターは、必然的に弱くなる」
カズマ「アルターに不自由…………か。考えたことも無かったな」
劉鳳「ああ。ロストグラウンドは向こう側の世界と紙一重だったからこそ、俺達は全力でアルターが使えた。それに俺達の顔や体にあった線のようなあざ……それが無くなり、なおかつアルターを使っても体に負担が無いのはアルターが弱くなったおかげだろう]
カズマ「なるほどな……」
劉鳳「どうした。アルターに制約がかかったと知った途端怖気づいたか?」
カズマ「誰が! 俺はアルターが無くても戦うさ」
劉鳳「フッ、それでこそだ」
カズマ「どこ行くんだ?」
劉鳳「まだ宿をとっていない。それに、お前の顔を見ているとまた殴りたくなるからな」
カズマ「お互い様だな」
203 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:19:30.52 ID:zzcmBjnCo
めぐみん「あれ、帰っちゃうんですか?」
劉鳳「馳走になった。ありがとう」
アクア「いいのよいいのよ!」ガハハ
ダクネス「それじゃあお休み」
劉鳳「ああ…………ところで、3人はカズマの……」
めぐみん「パーティーメンバーです!」
ダクネス「募集していたところをな」
劉鳳「そうか……フッ」
カズマ「なんだよ」
劉鳳「いいや。ただ、かなみが泣くぞとな」
カズマ「っ、かなみは関係無ぇだろ! とっとと消えろ!」
204 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:20:01.50 ID:zzcmBjnCo
めぐみん「カズマカズマ、かなみって誰ですか?」
カズマ「お前には関係無ぇ」
めぐみん「ええぇー!? 気になりますよ!」
アクア「どーせカズマの昔の女でしょ!」
ダクネス「なんと、あの御仁はカズマのすべてを知っているのか!?」
カズマ「んなわけあるか!! 俺は帰る!!」
めぐみん「あ、待ってくださいよカズマー!」
アクア「んああカズマー、あたしも後で帰るからね〜」
205 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:20:28.20 ID:zzcmBjnCo
・・・・・・
〜翌日・ギルド〜
ルナ「き、緊急! 緊急! 冒険者各員は装備を整え戦闘態勢で正門前へ集合!!」
アクア「朝から騒がしいわね〜」
めぐみん「おはようございます」
アクア「あれ、ダクネスは?」
めぐみん「宿の部屋を訪ねたんですけど寝ていました」
アクア「昨日飲みすぎちゃったもんねー」
206 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:21:01.49 ID:zzcmBjnCo
ルナ「あ、カズマ様達!」
カズマ「なんだよ。キャベツか?」
ルナ「違います! この前のデュラハンが、また街の前に現れたんです!」
アクア「デュラハン? ……あ」
カズマ「…………あ」
めぐみん「あ」
カズマ・アクア・めぐみん「忘れてた」
テッテン!ジャンジャンジャンジャンテレレレ〜テンッ!
い〜ますぐ捨てたい 偽り〜の
207 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/09/04(日) 02:21:41.56 ID:zzcmBjnCo
デレレレレレレレレ
次 回
不良、荒くれ、どぐされ、駄女神、頭のおかしい、ドM――
やいのやいのと噂され、雇われ稼業の冒険者ども
絶対悪に反逆する、カズマのシェルブリッド、劉鳳の絶影
謀略渦巻く闘いに、ほくそ笑むのはベルディアか
ここが、所謂『正念場』!
第 6 話
ベルディア
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/04(日) 02:33:20.61 ID:TdBiMa7Co
猫耳野郎も来るとは嬉しいな
おつ
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/04(日) 06:46:47.87 ID:0TuSprJ5o
今回も乙
刻ませてもらったぜ
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/04(日) 13:45:41.79 ID:Ljb4co1mo
今回も面白かった。乙
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/04(日) 20:11:59.19 ID:AAuVR7vHo
カズマも変態達もブレてないのがすばらしい
かなみのアバンタイトルがないのが惜しいけど異世界までアルター飛ばすのはさすがに無理があるか
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/11(日) 23:35:26.71 ID:4IEFf0Izo
期待
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/14(水) 01:08:36.18 ID:qwXf8THcO
次回予告(今回の担当は小町!)
いぇーい!小町だよ!
お兄ちゃんの復讐が段々はげしくなってるねぇ〜。でも、小町はお兄ちゃんを応援するのです!あ、今の小町的にポイントたかーい!
そんな事より次回予告!
お兄ちゃんの噂を聞きつけ、ついに動こうとした結衣さん!
彼女の口から出たのは謝罪では無く糾弾だった!
お兄ちゃんはそれに対して声を荒らげる!
次回!『断罪するバハムート』
お兄ちゃん、きっとお兄ちゃんを理解してくれる人は現れるよ!あ、いまの小町的にポイントたかーい!
あとがき
遂に文化祭実行委員会からのヘイトが霧散し始めました。そして、葉山を停学にしたのは、ご都合主義ということで理解してください。
あと、R-18にはしません。
書けないし。
ということで今回も読んでくださりありがとうございました!
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/09/16(金) 14:32:59.15 ID:9UqEJrg3O
アンチヘイトこそ世界No.1
史上最強のスパルヴィエロ大公を生み出した
頂点であり揺るぎなきネ申
異論は一切通用しない
http://touch.pixiv.net/novel/show.php?id=7254974&uarea=tag&p=1
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/19(月) 11:29:00.75 ID:qvKvjU6SO
DESU00 (´・ω・`)みんな(笑)葉山の醜い(本性=屑)な姿で地獄送ってやれ。続き待とう
2016-09-19 11:19
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/21(水) 00:24:34.46 ID:5kPAmjLgO
待機
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/09/24(土) 00:48:12.50 ID:9b4mTwLUo
まさか
218 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:33:36.44 ID:4JxqyjXjo
このすクライド
219 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:34:26.29 ID:4JxqyjXjo
・・・・・・
〜正門前〜
ベルディア「………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
アクア「うっわぁホントに居るし……」
カズマ「…………」
めぐみん「しつこい人ですね。絶対モテないですよあの人」
ベルディア「聞こえとるわぃ!!」
ベルディア「俺は、どうしても許せないことがあってまたここに来た!!」
「なんだ? 許せないことって」
「難癖かしら、難癖よ」
「怖いわ〜言いがかりよ〜」
ベルディア「聞こえとると言っておろうが!!」
220 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:36:08.67 ID:4JxqyjXjo
ベルディア「ゴホン! 俺は魔に身を落としたものの、元々は騎士だった! だからこの前見たあの女騎士……騎士の鑑のような奴を見て、まだまだ人間も捨てたものではないと、ほんの少しでも思えていたというのに!!」
ベルディア「なのに、なのに何故貴様らは俺のもとに来ない!? お前ら仲間が死んでるんだぞ!! それなのに誰も彼も涼しい顔をして!! 仲間の死に報いようという気は、貴様らには無いのかぁぁぁぁぁぁぁん!?」
カズマ「………………」
アクア「………………」
めぐみん「………………」
ベルディア「え、なんで黙るの?」
ダクネス「おーい! 遅れてすまない! うっかり昨日飲みすぎて寝坊――………………ん? なんだこの空気」
ベルディア「………………………………ふぁっ?」
ダクネス「あ、どうも…………ん?」
ベルディア「………………」
ダクネス「………………………………あ、あー……はは、あの、まぁ、なんか……私について色々言ってた空気っぽいなこれ……」
デレッデッンデッデンテテテレレレ ジャン!テレレッテッテッテレレン!
奪え! すべて! この手で!
221 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:36:52.56 ID:4JxqyjXjo
ベルディア「……………………」
アクア「…………プッ、クックククク……!」プルプル
めぐみん「アクア、ここは笑ってあげないのが一番なんですよ!」
アクア「だ、だってぇ……! アイツ今までダクネスが死んだと思ってたんでしょ!? 帰った後ソッコー解呪されたと知らずに! 普通に生きてたと知らずにィィィブッハハハハハ!!」
ベルディア「…………」ワナワナ
ベルディア「う、ううううううるさーーーーーーーーーーい!!」ドォォォォォ
めぐみん「ひっ! この威圧感……!! ほらーやっぱり怒らせたー!!」
アクア「だいじょーぶよあんな奴、私の魔法で瞬時にあの世に――」
カズマ「いや、俺がケリをつける」
めぐみん「カズマ?」
222 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:37:47.84 ID:4JxqyjXjo
ベルディア「ほう、いつぞやの貴様か。腕は治ったと見えるが……」
カズマ「ヘッ、ご心配どうも! その見下すような目つきァ変わらねぇな」スッ
ベルディア「悪いがこの前の術なら俺には効かんぞ。既に見切っているのだからな」
カズマ「そうかい!!」シュゥウウウ
カズマの腕、背中、顔の右側がアルターに覆われていく!
シェルブリット発動!!
カズマ「だがよォ、こっから先は初めてだろうがぁぁぁッッ!!」バッ
ベルディア「……ッ!」
カズマ「遅ぇぇぇッ!!」
シェルブリットの拳が咄嗟にガードの体勢に入ったベルディア!
だが、カズマの狙いはハナから違う!!
223 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:38:21.48 ID:4JxqyjXjo
カズマ「オラァッ!!」
ベルディア「なッ、馬を……!」
首無し馬がシェルブリットのダメージで倒れこむ!!
カズマ「そんで次! まだまだ終わらねぇぞ!!」
ベルディア「舐めるな!!」ブォン
カズマ「甘ぇ!!」バッ
ベルディア「避けた……だと!?」
めぐみん「すごいですカズマ! あのデュラハンに負けていません!!」
ダクネス「アクア、あの馬にターンアンデッドを!」
アクア「え、なんか横取りみたいでアレじゃない?」
ダクネス「既に奴は倒している。また復活されるよりもいっそ逝かせてやってくれ」
アクア「分かったわ。【ターンアンデッド】!!」
224 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:39:49.88 ID:4JxqyjXjo
ベルディア「ムッ、我が相棒が逝ったか…………まさか、こんな辺境でこの俺がここまで追い詰められるとは思わなかったぞ」
カズマ「ああ。俺もこんな世界でまた思い切り戦えるたぁ思わなかったぜ」
ベルディア「何の話だ? まぁいいが……フンッ!!」シュウウ
ベルディアが発動した魔法陣から、次々と骸のような兵士が現れる!
その数、とどまるところを知らない!!
カズマ「おいおい今更雑魚を呼び出すのかよ」
ベルディア「思えばいきなり自分で戦ってやるというのは、ボス戦のボスがやることではないと思ってな。強化アンデッド集団!!」バァァン
アクア「うえっ、なにあの数……」
ベルディア「この1000体の武装アンデッドに対して貴様はどうする? 物理が大して効かない相手にどうする? 1000体全員が貴様に殺到するとしたらどうする? どうする、どうする、どうする? 貴様ならどうする?」
カズマ「…………決まってんだろ――」
225 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:41:32.59 ID:4JxqyjXjo
劉鳳「戦うだけだッッ!!」
ベルディア「ッ!?」
めぐみん「上から人が!?」
カズマ「劉鳳か!」
劉鳳「絶影ッッ!!」
柔らかなる拳「列迅」がカズマの目の前に居たアンデッド集団を蹴散らす!!
が、吹っ飛ばされてもなお何体かのアンデッドは立ち上がり、カズマと劉鳳を倒さんと剣を構えていた!!
劉鳳「ほう、なかなかしぶといじゃないか」
カズマ「ブツリ? が効かねぇんだとよ」
劉鳳「フッ……それは手強い」
ベルディア「貴様何者だ? その人形……魔法で動かしているのか?」
劉鳳「貴様には関係の無いことだ。これから倒される貴様にはな」
226 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:42:04.31 ID:4JxqyjXjo
カズマ「オイオイ、俺の喧嘩を横取りする気か?」
劉鳳「いや、奴を倒すのはお前だ」
カズマ「……?」
劉鳳「俺はこの鬱陶しい連中を片付ける。俺の気が変わらない内に奴を倒すんだな」
カズマ「ヘッ、華を持たせてくれるってか? アンタらしくもねぇ」
劉鳳「勘違いするな。俺も久々に暴れたいだけだ……絶影ッッ!」
劉鳳の声と共に絶影がその姿を変えていく!
拘束服のようなものを解き放ち、より攻撃的な姿になる絶影第2形態!
227 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:42:40.17 ID:4JxqyjXjo
劉鳳「剛なる右拳、伏竜!!」
絶影のミサイルのような拳が飛んでいき、アンデッド達が吹っ飛ぶ!
だがそれも動けなくなるだけで完全に倒し切れてはいない!
アクア「【ターンアンデッド】!!」パァァァァ
ダクネス「我らも加勢する! 邪魔にはならんさ!」
めぐみん「ちょっと爆裂魔法撃てるいい感じのタイミング探してます」
劉鳳「? ……フッ」
劉鳳が倒し、ダクネスが外し、めぐみんがチラチラ確認し、アクアがトドメを刺す!
即席のコンビネーションが意外と上手くいっているのは劉鳳の技量かはたまた相性か!?
228 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:43:41.38 ID:4JxqyjXjo
「お、俺達も戦うぞ!」
「ええ、街を守るのよ!」
「雑魚モンスター程度なら俺達だってなんとかなるかも!」
ベルディア「クソッ、貴様ら様式美というものを知らんのか!?」
カズマ「関係ないね! 喧嘩に様式美もクソもあるかよぉッ!!」
カズマの拳がベルディアの大剣を押し切り、ついにその鎧へと届く!!
ベルディア「グオオオオオッ!!?」
カズマ「吹き飛びやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッ!!」
229 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:44:07.23 ID:4JxqyjXjo
めぐみん「むむむ、ああダクネス邪魔です!」
ダクネス「クソッ、当たれ! 当たれ!」
アクア「あー疲れてきた……しんど……めぐみーんもういいから吹き飛ばしてよー」
めぐみん「ならどいてください! そこのお兄さんもー!」
劉鳳「剛なる左拳、臥竜!!」
めぐみん「って聞いてない!?」
ダクネス「彼もカズマと同類ということか……」
230 :
◆wQQcI0pNtAGr
[saga]:2016/10/03(月) 23:45:32.97 ID:4JxqyjXjo
ベルディア「グ、オオ……ガ、クソォッ……! なんなのだ、貴様は!」
カズマ「俺はただのカズマだ。オラ立て! 意地を見せてみろ!」
ベルディア「フ、フハハハハハハ……! いいだろう!! 俺の意地を見せてやる!!」バッ
カズマ「(頭を上に投げた?)」
ベルディア「これが、俺の本気だ!!」
空中に投げられたベルディアの頭部を中心に、ロードオブザリングのような目が地上を見る!
その瞬間、大剣を両手で持ったベルディアは一瞬で接近し、カズマのシェルブリット目がけて思い切り振り下ろした!!
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