召喚術師「安価で修業する」

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80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/08(月) 02:26:55.60 ID:6m/G7hYJo
異文化交流
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/08(月) 03:56:44.13 ID:XmP5Aj2eO


ドリアード「霊的な存在のようね。私と同じように何かを依代に――」

術師「ドリアード」

ドリアード「何?」

術師「ハーフィの所に行け。気が変わった 一人でやる」

ドリアード「………………なによ もう スープあげないから」べー

術師「それだけは残念だ すまんな」

ドリアード「またね」ガチャ バタンッ


術師「さてと……」draw circle…

座敷童「あのぉ……お兄さん? こ、こんにちは?」

術師「こんにちは 会えて嬉しい」ガリガリガリガリ

座敷童「えっ。ありがとう、私も。……えーとそれで、ここ、どこなんだ? 光ったと思ったら突然景色が変わって……」

術師「ああ」ガリガリガリガリ

座敷童「お兄さんは、どう見てもうちの国の人じゃないな……。長いこと人んち渡ってきてるけど海の向こうの人は初めて見た。不気味だなんて言ってたが、なかなかかっこいいじゃないか?」

術師「ああ ありがとう光栄だ」ガリガリガリ

座敷童「妖術はまあ、いいや。わざわざ呼んだのは、私に何か用があったからなんだろ?」

術師「ああ まあな」ガリガリ

座敷童「聞こう。けど、お願いを叶えたら、ちゃんと元の場所に戻してくれよ。いいな?」

術師「ああ……」ガリ

座敷童「……なあ、さっきから生返事じゃ――」

術師「できた。転移陣」circle active

座敷童「はっ? 床に書いた字が、また光ってっ……」

術師「ここじゃなんだから、私の自宅で始めさせてもらう 腹は空いていないか?」

座敷童「まあ……空いてる。供え物あんまなくて」

術師「そうか。私もだ」ジュル

座敷童「……っ?」ゾクッ


82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/08(月) 03:57:53.21 ID:XmP5Aj2eO


「放せ、放せッ! 何するんだ!? これを外してくれ! こんなもの無くても話くらい聞いてやる――」

「――なん、なんで刃物なんて……やめ……やめろっ! 来るな! ……来……こ、来ないで!! いやああっ!!」

「着物が……初めからそういうつもりだったのか、お前の隣にいたあの子も襲うつもりでいるんだろうッ この下衆!!!」

「………………待て……包丁はもういらないだろ? なあ」

「やめろ…………やめろ……やめろ……やめろやめろ!! い、嫌だ! ここで死んだらまた徳の積み直し……やめてくれ、分かった、何をしてもいい。殺すのはやめろ」

「大方、私が厄介になってる家の商売敵か何かだろ? いいよ、そっちに移ってやる。だから殺すな。あの家の人間に手を出すのも、やめろ。金のために人を殺すなんて馬鹿げているだろ!」

「やムグッ」

「分かった」

「ン……ンンンン! ンー! ンーンンーンーー!! ンーーーーー! ンっ」ブシッ

「ッッ………………―――――――〜〜〜〜ッッッッッッ!!!!!!!」


Life-support circle active


83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/08(月) 04:00:34.19 ID:XmP5Aj2eO


術師「ドリアード。昨日はすまなかったな」

ドリアード「気が変わったんでしょう 仕方がないわ」スベスベスベスベ
髪蛇「シェァ……」

半鳥「ドリアードちゃんその話ばっかりだったんだよ昨日。今度はちゃんとやらせてあげてよね!」

ドリアード「あら じゃあ助手を代わってくれるのね?」

半鳥「それは駄目!」

術師「なあ 話変わるんだがドリアード、香草に造詣はあるか? 美味そうな肉が手に入ったんだが、臭みが強いやつでな」

ドリアード「唐突に。研究者ってみんなそうなの ……肉料理ねえ なんの肉?」

術師「鳥 に近い」ジロ

半鳥「おいこらてめぇ」

術師「魔獣的な感じ」

ドリアード「何の肉か分からなきゃコレが一番とは言えないけど……。基本的なところは共通してるでしょうから、後でメモにでも書いといてあげるわ」

術師「助かる」

半鳥「教授料理するんだね」

術師「美味くできたらお裾分けしてやる」

ガチャ

J「やあ友よ。何の話だ?」

術師「資料なら部屋に直接送ったぞ お前のとこの助手と入れ違いだな」

半鳥「教授が料理に目覚めたって」

J「料理? それはまた。何料理だ?」

ドリアード「肉料理」

J「………………………………」

術師「………………………………」

半鳥「え どーしたの?」

J「…………まあ……前回の二の舞は踏むなよ 臭みが酷くて吐いたろ」

術師「大丈夫だ 今回は絞め方も血抜きも完璧だ 鮮度も抜群」

J「……なんとまあ……。味も酷くて…………うぇ、思い出したら気分悪くなってきた。あの癖が無ければ……じゃあな」ガチャ

ドリアード「結局なんの肉なのよ……」

術師「嘘は言ってない……」

半鳥「こっち見ながら言うな!」



次は↓
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/08(月) 04:35:41.52 ID:xA/ydwpAo
マンドラゴラ
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/08(月) 13:33:39.92 ID:7SQQ1wjR0
座敷童ちゃん大学のどっかにブルブル引きこもってて半鳥がたまたま見つけてビックリみたいな事ありそう
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/12(金) 15:33:07.19 ID:+eBPeOjlO



術師「捕獲、と……」

マンドラゴラ「」パクパク

半鳥「おはよう教授。おはよー蛇猫。何か呼んでたの? ……ってうわマンドラゴラじゃん」

術師「ああ。こっちの触媒は終わりと……」レ

半鳥「終わり?」like SUGISITA

術師「……ブラウンのやつに頼まれてまた探してるんだ マンドラゴラ」

半鳥「探しに行った方がいいんじゃないの直接。はい」つ紅茶

術師「そっちはブラウンがやってる、人を雇って滅茶苦茶なフィールドワークさせんのが生き甲斐の女だからな。 当人は研究室に籠りっぱなしの筈だ」ツ

術師「お前わざとやってんだろ ……美味いな……」

半鳥「そういう流れかなぁと」

術師「そういうわけでいいところに来た。手伝え」

半鳥「いいよ。それで、今回はなんで召喚?」

術師「今回はその亜種を狙ってる。見た目は殆ど違わないんだそうだが、細かな毒の成分が違うとかでな…… 別の使い道を探すとかで、今回は数が欲しいらしい」

半鳥「ドリアードちゃんは?」

術師「フィールドワーク組だ 可哀想にな」

半鳥「イライラしながらやってんだろうな……」draw circle

半鳥「できた。じゃぼちぼち始めて――」がつっ

ポロッ

半鳥「なんか今肘にぶつけ……あれ、除草剤が陣に」

術師「何やってる それじゃ同じやつしか来ないだろ多分」

半鳥「はいはい……ていうかなんでここにあんのこれ、ちゃんと片付けてよねー…… あ 召喚始まっちゃった」

バリバリバリバリバリバリバリバリ

術師「……陣用チョークを無駄遣いするな」

半鳥「気を付けます」

バリバリバリバリバリバリバリバリ


歩行植物「キシェアアアアア」


術師「」
半鳥「」

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/12(金) 15:37:00.12 ID:FzvGpaD1O


半鳥「なっ にこいつ? なにコイツ! 何コイツ!?」RDY GUN

術師「よせアホ 草野郎じゃ貫通するだろーが 奥の酒棚が見えんのか」summon SEAWATER PUDDLE

ドボッ

歩行植物「ギシャッ……」バシャ

術師「根を足にして歩いてやがるな 上下のお口で養分摂取って魂胆か? 海水浴は時季だぜ」

歩行植物「ギ……ギェ……」バチャバチャ

術師「ハーフィ」
半鳥「送還!」バチッ

歩行植物「ギェシェアァァ……」

バリバリバリバリバリバリバリバリ


術師「ふむ。触媒を使った送り迎えの手際は上々だな」

半鳥「基本はもうオッケーって感じでしょ!」

術師「ああ、見込んだ通り素晴らしい才能だ 普通の奴なら一ヶ月はかかる所を小二週間でモノにした」

術師「故に危なっかしい 違う触媒をうっかりなんてのは手引書片手に始めたガキでもまずやらんミスだ 本当に気を付けろ」

半鳥「……はーい」

術師「伸ばすな」

半鳥「ハイハイ」

術師「繰り返すな 子供か……。出来てきてるからこそお前は改めて基礎を重点的にだな あとすぐ撃とうとすんな」

半鳥「うへぇー。召喚陣のレパートリー増やすんじゃなかったんですか……」

術師「まただな 今のままじゃそのうち抜け落ちた羽でもう一匹自分を呼びそうだ」

半鳥「面白そーねそれ」プチ

術師「おい ブラウンに毒されたか?」


ジリリリリリリン


術師「召喚魔法研究室 ……J? どうした そんなに慌てて」カチャ

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/12(金) 15:40:01.39 ID:FzvGpaD1O


J「ブラウンが今帝都に向かって来ている お前が相変わらず引きこもってて助かった友よ」

術師『やっとデスクワーク同好会に入る気になったか。さあ、そうと決まれば今すぐ功績と研究室と予算をこっちに渡して、お前はなけなしの金で湖畔の別荘とキャットフードを買うんだ』

J「ああ君がデスワーク同好会に入ったらな。緊急なんだ いいか――」
J「ファイアボール! ファイアボール! ファイアボール! ファイアボールファイアボールファイアボールファイアボール!!」ボゴォォォ

術師『どうしたんだ』

J「よし、電線は切れてない……。街に出ろ! 今朝方から突然、根っこで歩く植物の魔物が現れたんだ! それも大量に!」

術師『根っこで歩く植物の魔物だと……?』エッ ドーシタノキョージュー

J「原因は今のところ不明だが、街路樹やら花壇やら、人の手が入った土壌から涌いて出てきているように思える。実際ちょっと前まで緑の少ない区画に居たんだが、そのせいで私は気付けなかった」

J「そんなに強くはないが捕まると養分を吸い取って来やがる、銃弾も効果が薄い、警邏の銃器では手に余る。とにかく人手が足りないのだ、急いで来て欲しい! 頼むぞ!」ガチャ

歩行植物「ギャシェェェ」
歩行植物「ギャギャギャギャ……」

J「チッ 水分が邪魔でよく燃えないな……。凍らせてみるか?」ピキピキピキピキ

警官「プロフェッサー・J! もうよろしいでしょうか!?」つ電話と電話線

J「ありがとう。私は外で数を減らすから君達は避難誘導を。拳銃は殺すのではなく足止めに。動きは速くない、まずは市民を安全な場所へ集め、そこで応援を待って欲しい。この近くなら高校がいいな、バリケードも簡単だ」

警官「分かりました、ご協力感謝します!」ダッ

J「さてどう料理してやろうか。しかし、一体こいつら何で……」

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/12(金) 15:40:30.02 ID:FzvGpaD1O




半鳥「除草剤だよね」

術師「………………」

半鳥「除草剤でしょ! これで呼べたし! 作ってバカ売れしてからあっちゃこっちゃで使われてたじゃん! マンドラゴラが進化したってこと!? どーすんの教授!?」

術師「どーするもこーするもねえだろ なんとかするさ 事がこれ以上大きくならないうちに始末をつける、最悪回収騒ぎで住めばいいが――」

術師「返金だけは絶ッッッッ対にゴメンだ!!!!!!」summon



サモン↓
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 15:42:50.99 ID:RgB01OsGO
スキュラ召喚
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/13(土) 10:49:30.50 ID:JNf4fyQoO


術師「来い! 触媒はさっき出した余りの毒草風海水スープでどうだ?」

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ

ズズズズズ……

スキュラ「……」


半鳥「わ 美人な人――」

術師「どうかな」


ズアアアアァァァァ

スキュラ「……ありがとう、鳥の子。早とちりでも嬉しいわ」


半鳥「い、犬がお腹からたくさん生えて……で下半身は……蛇? 竜? 魚……?」

術師「見たことはないが、マーメイドか? あんた」

スキュラ「とりあえず人ではないわね」

術師「違いない、だが見た目と違って淑女のようだ かなり格のある存在とお見受けするが、召喚に応じてくれたからには手を貸してくれるのか」

スキュラ「フ 気に入らなければいつでも返せる、手綱はそっちにあるのではなくて? 白々しい聞き方をする」

術師「話が早くて助かる 来てくれ」

半鳥「教授、窓見て! 中庭もヤバいよ!」

術師「ドリアードには最初の三割増しでもっぺんヤキ入れて貰わなきゃな。マーメイド、雑草の駆除を手伝って欲しい」

スキュラ「毒草ね。しかも動く。ヘドが出るわ。窓を開けて、掴まって」グイッ ガララ

半鳥「やらせる前に自分で犬の首伸ばしてやってるじゃん! あ、いや、私は飛べるから別に!」ガシッ

術師「大胆だな」ガシッ

スキュラ「とっとと終わらせましょう」jump


92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/13(土) 10:50:17.22 ID:JNf4fyQoO



スキュラ「この――」ブチブチブチブチ
歩行植物「」
腹犬「ウッメ!コレメッチャウッメ!」モッチャモッチャ

スキュラ「雑草――」グシャグシャグシャグシャ
歩行植物「」
歩行植物「」
腹犬「ジアワゼエエエェェェェェ」モッチャモッチャ

スキュラ「共が! 一片も残してやらない」グチャグチャグチャグチャ
歩行植物「」
歩行植物「」
歩行植物「」
腹犬「ユゲエエエェコレドクハイッデルウゥウウウ」モッチャモッチャ


半鳥「うっわ凄いね……千切っちゃ投げ千切っちゃ投げ マンドラゴラも再生するけど全然追い付いてない、つーかサラダになってる お腹の犬の」throw Molotov Cocktail

術師「どうも毒物がお気に召さないようだな あっ、お前今投げた火炎ビンのラベル見えたぞ! 酒棚のやつで作ったのかお前それ!? 馬鹿なのかこの馬鹿! バーカ!!」

半鳥「度が高かったから……今のが当たりなだけで後は普通のだよ 大丈夫大丈夫」ポーイ

術師「次やったらお前をメインに晩飯へ招くぞ」

半鳥「? え? ありがとう?」

スキュラ「片付いたわ。もういいかしら」

術師「スマートな仕事だ しかし自分をただの庭掃除に大袈裟だと思わないんならやはり大した貞淑さだな」

スキュラ「聞いただけ 分かっているわ」

スキュラ「でも、ただ縊り殺すだけでは終わらないと思う 再生が速過ぎる こればかりは私にもどうにも出来ない」

術師「元を絶てと言うんだろう 今考えてるさ 私がじゃないが」

半鳥「ブラウン教授ならなんとかしてくれると思うけど、同時にすごく不安だよね……」

術師「薬効の部分は奴がこさえた 私は今回の件に無関係と言えるのでは? 証拠固めからだな」

半鳥「やめなよ 本当に政敵になっちゃうってば」


93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/13(土) 10:50:48.13 ID:JNf4fyQoO



歩行植物「ギャシャアアアア」
市民「うわあああ助けてくれええええ!」

ドグシャア

スキュラ「怪我はない?」one-one-O

市民「ありが……ががっががががが」ガクガク

術師「もう大丈夫 心配ない 私が召喚した海の神だ」

市民「あ、あんたはプロフェッサー・"ザ・スキャンダル"サモナー! ヒッキーでマッドサイエンティストで金の亡者で人の命なんぞ何とも思わねー拝金クズド外道のあんたまでもが生物兵器を作って出張るなんて、やっぱりこれはとんでもない事態なのか!?」

術師「そういうこった」summon SEAWATER POOL

市民「うわっ足元に水溜まっ……深い溺れる゛う゛う゛う゛ガボゴボ」

半鳥「ちょ」

術師「塩水が弱点だ、吸われずに済むぞ よく漬かったら出てこいよー」

スキュラ「……」

術師「騒がしいのは向こうの方だな。急ぐぞマーメイド、なるべく英雄的に助けろ」

スキュラ「あなたの努力次第としか言えないわ……」



94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/13(土) 10:51:17.24 ID:JNf4fyQoO



ドリアード「ったく、何をどーしたらそんなびっくり肥料にできるのよアレを!? 貴女一体マンドラゴラをどう加工したの?」

茶「しっ! ドリアードちゃん今ちょっと電話してるから静かにしてて頂戴!!」

J『うがぁ、君の声が一番うるさい!』キーン

茶「J、向かってるけど私はまだ飛行船よ、多分間に合わないわ。でも考えがあるの。植物のモンスターとは何度もやりあってるから!」

茶「塩水よ! 歩けて狩りをするタイプは所謂代謝が凄まじくて、根の部分に、人間大程度の大きさならコップ一杯分でもお見舞いすればすぐに効き目が現れるはず!」

J『本当に効くのか?』

茶「大丈夫、塩性植物は使っ……いえ。とにかく保証するわ。その代わりかける水はうんと塩っ辛くしてね!」

J『分かった。恩に着る!』ブツン

ドリアード「……恩に着るですって。とんだ悪党ね 貴女」

茶「ドリアードちゃんだって楽しんで作ってたじゃない! 特に枯らした後の養分増幅作用を考えたのは……いいえ、やめましょう。ええ、このままじゃ悪党ね このままじゃね」

茶「さあ、急いで船長! 帝都と大学とドリアードちゃんの未来はあなたの舵輪捌きにかかってるわ!!!」

ドリアード「なんで私!」

茶「あら除草剤の売り場見なかったの? 私とサモナーの共同制作だけど、開発経緯欄に森林美少女主導の下りと顔写真を入れるよう徹底させたが故の売上なのよ!! 変なファンクラブもできちゃってたりして!!」

ドリアード「てめえええええええ!」ゴォォォオオオオ




95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/13(土) 10:52:37.55 ID:JNf4fyQoO



J「……」
茶「……」ボロッ
術師「……」

マスター「先生方、お代わりはどうで? 今日は奢りやすよ」

J「ありがとうマスター。アレを三つ頼む」

マスター「へい」

J「結果から言うか。まあ、被害は殆ど出なかった。死人も無し。捕まって吸われても最悪ヘナヘナになるくらいでな、叫び声が無くてよかった」

術師「消防士に掛け合ったのは上手い手だったな、J おかげで私は消防署でタンクに給水しまくる羽目になったが アンプル代持って貰うからなブラウン」

茶「ええ……。致し方ないわ……」グテェ

術師「ブラウンがヘタってやがる」

茶「あなたもご機嫌ななめなドリアードちゃんと話せば分かるわよ……よく借りてる身で言うのもなんだけど、気難しい子よね……」

J「(気難しいっつーか……)」
術師「(気難しいっつーか……)」

J「あの召喚獣は大丈夫だったのか?」

術師「奴らにとっての毒水……塩水で一網打尽にするっつったら不機嫌になってな。ハーフィに付き合う男は選べって言い捨てて自分で帰ってったよ」

J「なんだそりゃ だが呼ばれた身で自分で帰ったのか、ちょくちょくとんでもないのを呼ぶよな君は……」

マスター「お待たせしやした。どーぞ」コト

J「お 来たぞ。一先ず、何はともあれお疲れ様。明日も忙しくなるだろうから、これで精をつけろ」

術師「……なんだこいつは」

茶「うえ、生卵……?」

J「プレーリー・オイスターだ。私の大好物さ」




次は↓
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/13(土) 10:59:57.15 ID:qvCY8P+70
濃縮還元ダークプチスライム
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/14(日) 12:32:16.99 ID:UCAurZdR0
コールタールのおばけ もしくは チョコレートのおばけ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/14(日) 21:16:34.69 ID:o5sJYBac0
たまに見るよな、おばけのホーリーのレス。とっても懐かしい……
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 13:44:24.45 ID:aNuxoHN/0
濃縮は良いが還元してどうする。ジュースかと
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 21:31:33.76 ID:Whrk9AOQ0
ブラックラビ
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/17(水) 22:44:38.52 ID:oEVSCVW7O



『――分かったな、明明後日だ! 明明後日にスポンサーの査察が来る 何も魔導史をひっくり返せとは言わん』

『本懐を悟らせずに奴らを納得させる結果を出すのだ! いいな!』ブチッ


研究員「待って下さい所…… くそっ、無茶苦茶言ってくれるな! 予算が着服との折半じゃ何も進まないってんだよッ……」

研究員「ああもう……ああ……ええい器具だけ見てても仕方がない まずはコーヒーでも入れよう…… あっ」

グラッ ガチャーン

研究員「うわ、物質の試験管に……くそっ……くそっ、クソッ! ああもう、もうどうでもいい! ふざけんな! なんだってあんなハゲ妄想着服野郎のケツなんて拭かなきゃならないんだ! 俺はもう知らん!!」バタンッ


チャプ… ゴポ ゴポ

ズボボボボボボボボボボボボボボ

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/17(水) 22:45:48.86 ID:oEVSCVW7O


 
「おい、見付かったか!」

「見付けた側から捕獲していってる。すぐ施設内魔力検知に引っ掛かってくれたおかげで封鎖が効いたからな、しらみ潰しにやれば収まるはずだ」

「外部……クソ所長には知られずに済みそうだな しかし何故?」

「スライム由来の素材も使っていた、そこから形を取ったんだろう」

「違う それは分かる 何故突然、ある種の成功となったのかだ」

「それが分からなかったから苦労していたんだろ」
「だがそれも今日までだ。こいつらを分析すれば間違いなく足掛かりになる筈だ!」

「怪我の功名ってヤツだな……」



「……」


103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/17(水) 22:47:08.85 ID:oEVSCVW7O



ズリ… ズリ…

DPS「(施設を脱した)」

DPS「(排水溝を通ったおかげで生き残れた しかし只でさえ黒くて小さな体はゴミの塊のようになった)」

DPS「(試験管の中でずっと聞かされていた話によれば、あの魔導車に乗れば帝都とやらに着くという)」

ズリ… ズリ…


DPS「(仲間は皆捕まった と思う 生きて会うことは最早無いだろう)」

DPS「(こんな風に逃げ延びてどうする? 分からない)」

DPS「(知識も知恵も体格も何も無い あるのはコーヒーで覚醒した自意識と、生き物めいて脈動する核だけだ)」

DPS「(生き延びれたとしてどうする?)」

DPS「(戻るには遅い、荷台は振動した 今は隅でゴミの振りをしていなければ)」

ブロロロロロ……

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/17(水) 22:48:41.76 ID:oEVSCVW7O


「……え!……ねえ……」


DPS「(…………)」


「ねえ、ちょっと。起きなよ。死んでないのは分かるよ、起きて!」


DPS「(揺さぶられている)」

DPS「(帝都の路地裏に転がっていた あれからオレは行き倒れたのだ)」

DPS「(亜人がしゃがみこんでいた)」


半鳥「街中にいたからびっくりしたよ。誰かが召喚したって感じもしないし」

半鳥「言葉分かる? 私、研究室が二日間お休みで暇なんだ。困ってんならちょっとだけ助けてあげられるよ あ、動いた」

半鳥「どこから来たの 傷だらけに汚れだらけ……」


DPS「(敵意はない と思うが どうするのがいいのだろう)」




どうすんの スライム↓
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 22:50:42.57 ID:8Znk/welO
もちろん食べる
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga ]:2016/08/17(水) 23:05:33.63 ID:LH0skJL00
なんと、彼にそんな無駄に重い生い立ちが用意されてしまうとはwww
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 23:19:16.91 ID:Whrk9AOQ0
その弱弱しい状態でも懸命に助けを求める
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/18(木) 00:49:06.68 ID:6e2CxLpzO



DPS「(手を差し出してきた)」

半鳥「大丈夫だよー怖くない怖くない、怖くn」ヌロ
半鳥「……いッた!」バシッ

DPS「(投げ捨てられた そうしてオレはコーヒー以外の味覚を覚えた)」

半鳥「手ぇ全部溶かされるところだった、あッぶな……!」

DPS「(咀嚼 咀嚼 溶かし削った皮膚と血を咀嚼)」ヌロヌロ

半鳥「やっぱ、魔物は魔物なんだね。この子はいい子なのに」summon HAIRSNAKE

髪蛇「シィエァァァァ」シュルルル

DPS「(そうしてオレは 補給した水分で酸を作れることを覚えた)」

髪蛇「シィッ……ギシェアッ……」

半鳥「いいよ戻って 追い払えただけで十分。……いきなり速くなった」

半鳥「スライムなんて田舎のうちの村でも見かけるし、でっかいナメクジみたいなもんな筈なんだけど」

半鳥「買い物中止かな これは……」



DPS「(……美味かった)」
DPS「(美味かった)」
DPS「(美味かった!)」

DPS「(視界が鮮明に。知覚が鋭敏に。あれしき程でこんなにも。核が踊り活力が沸いてくる、這いずってなんてられない、壁を蹴跳ねて行った方が何倍も速く動ける!)」

DPS「(いや、建物の屋上を跳んで行こう! 居るぞ、たくさん居る、美味しいのがたくさんいる! 何よりも背の低いオレよりも、下! その下に!)」


DPS「(生きよう。生きねば。食べて生き、生きて食べるんだ! もっとたくさん!!)」lick lips…


109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/18(木) 00:49:50.19 ID:6e2CxLpzO




研究員「お忙しいところをすみません、Mr.サモナー……」

術師『緊急の用件だと総長がせっついて来やがるもんでな そうでなけりゃ出張先から電話などするものかよ――』

『おい、妖術師! 新しい肉が入ったぞ!』ギャアアアアヤメテエエエエ

術師『失礼。……出所はちゃんと確かめたのか? まさかお前がハマって手伝う羽目になるとは思わんかったが、新鮮かつ影響の無いやつだろうな?』

『当然だ抜かりはない! 月一の楽しみだからなっ!』タスケテエエエエエエエ

研究員「………………えーと」

術師『ああ気にしなくていい、セレブ向けお忍び召喚術ダイエット〜ハードコース〜の講習に来ててな 内緒だぞ?』

研究員「それで肉がどうのと。なるほど」

術師『で 私の大事な仕事に重ねようというそちらの大事な仕事とは……?』

研究員「召喚していただきたい生物がおりまして。極めて内密に」

術師『内密に』

研究員「触媒はこちらで用意を 特急で郵送させます、報酬も……如何せん相場が分かりませんが、一般的な研究室予算の一月分程はお支払できるかと」

術師『……触媒は貴重な物か?』

研究員「それなりには。一つきりかという意味でしたら、いいえ」

術師『サンプルを送って欲しい 見てから具体的な交渉に入ると言うのはどうだろう』

研究員「……お言葉ですが、本当に急いでおりまして……」

術師『本当か? それは大変だ 時間が勿体無いと思わないか』

研究員「…………では、郵送先を ……ええ……はい……」


110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/18(木) 00:50:26.31 ID:6e2CxLpzO


研究員『それでは、何卒宜しくお願い致します……。二日程で届くかと思いますので』

術師「楽しみにしてる 楽しみにしててくれ」カチャ

「どうしたんだー? 早く手伝ってくれよ!」ギコギコギコギコ

術師「済まないが、下拵えは任せていいか? 少し用事が出来てな、すぐ地下室に行くから」

「骨が……。体は子供なんだぞ! 急げよ!」ギコギコギコボギン

術師「恩に着る」ジーコジーコ ガチャ

術師「もしもし。夜分遅くにすみませんお母さん、娘さんは……お願いします」

半鳥『……もしもし、教授ー? 休日だから湖畔の別荘に行くって言ってなかった?』

術師「単に嬉しいお知らせだ、休日を一日伸ばす。な? 電話線引いといて良かったろ」

半鳥『えっホント? なんで?』

術師「まあ……出張だな こっちでやる用事ができてしまった」

ボギンッ バキボキボキアギャアアァァァァァ
チッ マダイキガアル

半鳥『………………えーと』

術師『ああ気にしなくていい、セレブ向けお忍び召喚術ダイエット〜ゴアグラインドコース〜の講習に来ててな 内緒だぞ?』

半鳥『ゴア……? あー うん まーいいや』
半鳥『でもちゃんと帰って来てよ! じゃないとランダム召喚私がやるよ』

術師「まだできねーだろ」

半鳥『それはどうかな くくくく』カチャ

術師「何ぃ? 生意気な……」

111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/18(木) 00:51:09.02 ID:6e2CxLpzO


バタンッ

座敷童「遅いっ! 手が疲れた!」

術師「すまんすまん 優秀なハウスキーパーを持つと苦労しなくて済む 悪いな」

座敷童「誰がハウスキーパーか、ちゃんと奉れよ!」

術師「供え物あるだろ」

座敷童「うん」

術師「キープちゃんとな」

座敷童「分かった!」

術師「(脳はやめときゃ良かったな 治し方悪かったか)」


術師「それじゃ 食べるか、」




112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/18(木) 00:52:04.10 ID:6e2CxLpzO




DPS「(人間を。)」


子供「うわあああああお母さああああん! 痛いい痛いよぉおおおおおおおお」melt leg

DPS「(踏んづけようとしたのか? 蹴飛ばそうとしたのか? このオレを)」ChompChompChomp

DPS「(最初から大物を襲うのは厳しい あの亜人と蛇はオレに準備することを教えてくれた)」ChompChomp

DPS「(オレは段階を踏むことにした まず水を飲んで酸の生産量を増やし、鼠を食ってカルシウムその他を得た 今は最終調整中だ)」Chomp

DPS「(濃度を学んだ酸と一時的に生やした歯は――準備中だが、それでも――至福の時を齎してくれた……)」ゲフッ

死骸「」

DPS「あ あ おか おかあ」
DPS「おかあああさああん おかさあああん おかあさあん おかあさん お母さん ンンッ」


DPS「お母さああああああああああああん!!!」ペタン ペタン

DPS「助けてえええええ嫌だよおおおおおお痛いいいいいいい」ペタン ペタン

DPS「誰かあああああああああ助けてよおおおおおおおおおおぉぉぉおおおおお」


DPS「(しまった あれはオレに喰われている間ずっと叫んでいたが、誰も助けに来なかったではないか)」

DPS「(折角作り方を覚えた声が枯れてしまう 場所を大幅に変えねば……)」


「おいっ! おーいっ! 子供か? 誰かいるのかッ!?」


DPS「(そうしてオレは 笑みを覚えた)」


113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/18(木) 00:53:18.93 ID:6e2CxLpzO


バサッ

『"一夜にして変死体数十人 連続殺人か"』
『"溶解連続殺人 魔物の浸入? 人の仕業?"』
『"初等部生徒、帰り道に 助けに飛び込んだと見られる男性も"』
『"市民団体が歩行植物との関連性を指摘 ブラウン教授が調査に"』

半鳥「…………」

マンチカン「ナァー」すり
髪蛇「シィ……」

半鳥「ありがとう猫ちゃん。蛇子、大丈夫? 私たち思いっきり食らったもんね。ゆっくり休んでて。急に呼んじゃってごめんね」

半鳥「……そう 食らったけど、ちょっと焼けるだけで済んだ……昨日は。間違いなくこれはあいつがやったの。しかも、多分だけど、成長してってる……」カキカキ

J「悪い予感が当たってしまったなハーフィ、こんなことなら昨日の内に研究を切り上げて来るんだったよ」

半鳥「ううん、未熟者が危なそうな奴を見かけたってだけの話なのに聞いてくれてありがとうございました」カキカキ

J「謙遜に意味はない 鍛えられた直観は強力なツールさ なあ?」

ドリアード「そうよハーフィ。自信と あと慎重さを持って 割と真面目に」

半鳥「自信なくすわ」カキカキ

ドリアード「……冗談よ…… それでどうするの ドブ浚いに行くんでしょう? どこから?」

ドリアード「というか それは札に何を書いているの」

半鳥「いざという時のためにね。使わない方がいいけど」

J「(……)」

半鳥「で、どこから探すかだけど……」


どこを探す↓
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/18(木) 06:56:21.25 ID:LOH5fTKW0
まずは最初に出会った場所

しかし恐ろしい魔性の存在になってしまったものだ
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/21(日) 15:41:18.06 ID:wD/LQx2C0
何だ?犯人は戻ってくる系のアレですか?
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/22(月) 03:49:03.70 ID:0jI7GfTcO


ドリアード「大通りから大分外れてるわね 入って行くのを見かけたとか」

半鳥「ううん、単に近道してただけ 大学から市場まで一直線なのここ 」

ドリアード「ああ 確かに ……地図で見なきゃ分からないけど」

ドリアード「プロフェッサー・Jが帝都警察の方に行ってる間、私達はここで何を探せばいいの」

半鳥「ここ って限った話じゃないけど……」バサ

ドリアード「地図 あ 本当に一直線」

半鳥「聞きに行って貰ってる訳だからまだ確かじゃないけど 新聞に書いてあった見た人の証言とかの時間だと、事は私がここで見つけた後に起こってる 今のとこは」

半鳥「ハッキリとは言えないけどあんな化物が前触れもなくいきなり街に沸いてくるなんてのもちょっと信じらんない」

ドリアード「…………」

半鳥「あっ ち、違うよ? そーゆーつもりじゃあ……」

ドリアード「いいのよ気にしてないから ウォーキングドラゴラは全部ブラウンのせいよ ぜーんぶ」

半鳥「あはは……」

ドリアード「つまりどこかから来たんじゃないかって言いたいのね」

半鳥「私はそっちから当たってみるってだけだけどね」

ドリアード「……いいえ いい線行ってると思うわ そんなスライムは寡聞にして聞いたことがない 外来種か突然変異か……」

117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/22(月) 03:50:03.33 ID:0jI7GfTcO


半鳥「……」

ドリアード「それで?」

半鳥「見つけた時はかなり弱ってたし汚れてた、這いずるのにも苦労してそうなくらい 入ってきたなら足の手がかりはこの辺にある筈」

半鳥「はいこれ、地図二枚持ってきたから 何でもいいからこの辺りで帝都の外と連絡できる手段を探して。ドリアードちゃんは上ね、私は下探す」

ドリアード「下?」

半鳥「共同溝」

ドリアード「……ドブ浚いの下りも含めて冗談のつもりだったんだけれど……」

半鳥「教授の部屋に配管図あってよかったよ、ヘドロの触媒とか探すのに使ってたんじゃない」

ドリアード「そういえば サモナーには?」

半鳥「連絡付かなかった 帰ったらまたかけてみる」

半鳥「それじゃ一時間後に」


ドリアード「……大した行動力ね」

ドリアード「さて、じゃあ付き合ってあげましょうか ああ そうだわ途中で……」


118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/22(月) 03:50:55.32 ID:0jI7GfTcO



警官1「まったく……おっかない事件ばっかだな 最近」

警官2「ああ こう言っちゃなんだが人相手の方がまだやり易い」

警官2「魔物の相手が嫌だから軍隊とか国境警備隊とかじゃなく警官になったんだがなぁ…… くそ、どーせまた今回も魔法大学のインテリ共がやらかしたんじゃねーのか」

警官1「だったら火消しも簡単だろマンドラゴラん時みてーに 今回はガチなんじゃないかと思うね 俺は」

警官2「んだよインテリの味方か? 眼鏡かけてっからそーなんだよお前」

警官1「違ぇしお前 これは小さい頃から寝る前にかかさずマス掻いてた成果であってだな……」

警官2「夜中にエロ本ってか」

警官1「いや官能小説……」

警官2「なんだそれすっげーインテリ」

ダッ

ホームレス「おっ……おっ、お巡りさァァん! 助けてくれえ!」

警官1「あー? どうしたんです、ホームレス狩り?」

ホームレス「違う! 信じられんかも知れんが、仲間が魔物に襲われたんだ!」

警官1「なんだとっ……」
警官2「どこですか?」

ホームレス「寝床にしてるところだ! マンホールを通った先の下水道……!」

警官2「共同溝か! 入り組んでっからな、化物にはピッタリってか」

警官1「俺が行ってくる、応援を呼んで来い! あっちですね?」

ホームレス「……き、来てくれ……」


119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:51:51.64 ID:0jI7GfTcO


警官1「川縁か、ひっでー臭いだな…… この格子の?」

ホームレス「咄嗟に閉じたんだ、意味があるか知らんが……。早く!」

警官1「分かってます……ここで待っていて下さい」

ホームレス「い、いや……そういう訳にはいかない 仲間が……」

警官1「?」

ホームレス「ランタンがあっても、道分からないだろ? 急いでるんだ 先導するよ」

警官1「……分かりました ただ出てきたら下がって いいですね」

ホームレス「勿論だ……」

ガゴン カツ カツ カツ

ニチャ

警官1「(うっ、今踏んだこの粘液は……報告にあったやつだ……マジで出やがったのか、クソ……)」

警官1「(ジョーダンじゃねぇ お袋の屁みてーな体臭した浮浪者なんかと心中してたまっかよ……さっさと助けてズラかるぜ)」

ツカ ツカ ツカ ツカ…

警官1「……えーと、ここですか?」

ホームレス「……」ガクガクガクガク

警官1「ちょっと?」

ホームレス「すまん……本当にすまん……!」ブルブル

警官1「何を――うわあっ!」ズルゥッ

ヌロロロロロロロ

警官1「なんだこりゃッ……いつの間に俺の足にッ!?」


120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:52:37.24 ID:0jI7GfTcO


「いつの間に? 呆けたことを抜かす」

「散々踏んづけてってくれてたじゃあないか 入口から」


警官1「ふざけんなこのゲロカスタール野郎ッ!」BANGBANGBANG

「銃! そう銃だよ そいつが欲しかったんだ!」ズプン ズプン

警官1「銃が効かなっ……ぎゃああああああああ!」melt

ジュゥゥゥウウウウ

ホームレス「ひぃぃィっ……」ヘタ

DPS「ChompChompChompChompChomp あんたも食うか? 踊り食いは美味いぜ 腐らないし ははは」アシガアアアアアアアアアァァァ

ホームレス「い、い、言われた通りにしたぞ化物! 仲間を返せ!!」

DPS「無理だね」split body

ホームレス「なん……なんだとっ、なんだと! 警官を誘い込めば返してくれるって約束じゃ……!」

DPS「なるほど 帝都にはこれだけたくさん家があるのに塒にあぶれた人間がいるというのは不思議だったが、得心がいったよ あんたバカだからだな」

ホームレス「嫌だッ……嫌だあー!」ダッ

複製DPS「おっと 残念……」ガブゥ

ホームレス「ううあ!」ガクッ

DPS「大丈夫だ オレは食った物をそっくり真似できる」

DPS「お前達下等な単純生物は消化し糞にするしかないが オレは本当の意味で取り込んだ物をオレの血肉とできるんだ 余さず活用できるんだ」

DPS「あんたもオレになれ」


BANG!


ホームレス「……!?」

DPS「ぬが ぐゥッ……!?」ビチャッ

警官1「い゛け にげろ……ッ」

ホームレス「……!!」ダッ

複製DPS「逃がすか ゴミ虫」

BANG BANG BANG BANG

警官1「うるせぇぇ てめぇの 相手は俺だ ボケッ……」

DPS「……そうだな これが踊り食いの面白さか」ズルルルルル

警官1「く くそ…… がぁ うぎゃあああああああああああ」MeltMeltMeltMelt


121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:53:21.30 ID:0jI7GfTcO


半鳥「(ドリアードちゃんに嘘ついた 私は入ってきた方法なんか探してない)」

半鳥「(前 私の村でまだ狩人をやってる人から聞いたことがある どんな生き物にも狩場と塒があるって)」

半鳥「(現場はある程度散ってる 狩場の広さは逃げ際に見せたあのスピードがさらに速くなったからだとして 一暴れしたあいつが身を潜めるとしたら? 塒は?)」

半鳥「(直勘で下水道 共同溝だと思った 埃じゃない地のプルプルも黒かったし……コーヒーみたいに)」


半鳥「なにか、痕があるはず…… 出入りしてるならあのネバネバが残ってたっておかしくない、そこがあいつの玄関…… お 噂をすればマンホール」

半鳥「入るのは危ないからなぁ、地道に上を歩き回らなきゃ――」

ガタンッ

半鳥「うぇあっ!?」ビックゥ

ホームレス「はあ、はあ、はあ、で、出られたぁ……」

半鳥「(うゥーわきったねーオッサン……)」

ホームレス「そ、そこの亜人のお嬢ちゃん! ちょっと助けてくれないか! いづづ……!」

半鳥「ごめんなさい急いでますんでー」open wing

ホームレス「頼むよ助けてくれ! 俺の、俺のせいで警官が魔物に喰われたんだ!」

半鳥「魔物……? あっ、その黒いドロドロ……!」

ホームレス「下水道にとんでもない化物の黒いスライムがいるんだ! 俺は足をかじられただけで済んだが、俺の仲間と警官は……くそ、なんてことを……」

半鳥「どこ!? これでいうどこの辺か分かる!?」バサ

ホームレス「こ、この辺だと思う…… おい待て お嬢ちゃん行く気なのか!? 警察を呼んだ方がいい、いや軍隊かも、一端の魔導士でもありゃ無理だ!」

半鳥「おじさんが呼んで! 覚えたから、それはあげるから説明したげてっ!」

ホームレス「よせ お嬢ちゃん!!」


122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:53:57.20 ID:0jI7GfTcO


半鳥「よッ……」

ズザッ ベシャ

半鳥「うわ 滑っちゃった」ヌロ
半鳥「(……ヌロ?)」

ズルルルルルルルル

半鳥「出たな」つMolotov Cocktail MADE WITH SUMMONER's CORRECTION

DPS「誰かと思えば…… 昨日の。その節は世話になった」

半鳥「……喋れたんだ 人喰いヘドロだって知ってたら潰したのに プチっと」

DPS「今からでも遅くないぞ」ズルゥッ

半鳥「言われなくてもッ 喰らえ時価帝都成人男性平均月収ちょい上の炎!!」throw

パリン ボゴォォォオオオオオオ

DPS「ぐあぁあああああああ……」メラメラメラメラ

半鳥「YES!!」

DPS「ぁぁぁぁああ……ぉおおおぉ……くくくく」メラメラ

半鳥「? 焼けてるのにっ……」

DPS「そうだ焼けてる……ああぁあ死ぬほど熱いぃい……苦しいぞ……クソぉお……ががががぐ」メラメラ
DPS「ぐぐぐグぐググぐぐぐ」ChompChomp

半鳥「……火を 食べてんの……!?」

DPS「うまい……美味い 美味い! 熱い! 美味い! げがはは」ChompChomp

DPS「……全部は……食いきれないか……ああ溶ける……ふぐクク……ヒヒ……」メラメラ

半鳥「ちっ……」RDY GUN

DPS「!」ズロ…

半鳥「待てよッ! 溶け死ぬならここで死ねば!?」ズギューン ズギューン

DPS「そう゛はいかない 学んだことを゛持ち帰らな゛ければ "こっち"には今銃が無い゛……」チュンッチュィンッ

半鳥「くそぅ鳥目め、逃がすかコラ…… う ゲホッゲホッ」

DPS「また会お゛う 恩師よ……」スゥゥゥゥウウ

半鳥「息を…… まさか」

DPS「……焼鳥になってオレの゛腹の中でなぁッ!」FLAME BLEATH

半鳥「ふッざけ――」open wing


ズゴォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:54:36.77 ID:0jI7GfTcO


ボゴオオオオオオォォォォオオン


ドリアード「!?」


「うおっ、なんだあれ! 爆発!?」
「ママこわいよー!!」
「そんなに遠くないぞ どこだ」
「マンホールが飛んでる! え ウンコのガスが引火したとか?」
「誰か一緒に吹っ飛んでるぞ!」

ドリアード「吹っ飛んでるって……あれは…… あの子!」pray wind



半鳥「あっづ……マズい、翼が焼けて風掴めないッ……」フラ

ゴォォオオオ ガシッ

ドリアード「ハーフィ 一体どういうこと!」

半鳥「おお…… 白馬のお姫様だぁ……」ガク

ドリアード「馬鹿なこと言ってないで…… ちょっとハーフィ? ハーフィ! 起きて 起きなさい! ……気を失ってるだけね……」

ドリアード「…………サモナー ブラウン 貴方達ブッ飛び方までこの子に手解く気なの? 明らかに悪影響が出てるわよ……」

半鳥「ぅぅん……さ……酒で……家が、買える……だと……」

ドリアード「……ほんとに悪影響ね う、重い……」


124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:55:23.93 ID:0jI7GfTcO



DPS「ぐぐぐ ぐぐぐぐ 愉快だ 実に……」

警官1「…………ぁ……が……」

ズロ……

DPS「……?」

複製DPS「戻っだぞ……吸収しろ゛」メラメラ

DPS「何があった? あちっ」absorption

DPS「……おお これは……鳥の彼女に会えるとは思わなかった! しかも、また授けてくれるとは! おお 暖かい……これが火」ボッ

DPS「ぐぐぐぐ……一夜にして全てが変わったな 知識 力 食べ物には困らないし 広い寝床も玩具も出来た」

DPS「オレのスピードに加え銃のメカニズムを応用した酸弾を使えば警官とだって戦える ぐぐぐぐ」

DPS「なあ玩具よ あとは何が足りないと思うね」ズル

警官1「……ぃ…………ぉ゛……」ピク

DPS「首から上だけでもスッキリしたものだろ? 大丈夫だ生命維持はこちらでやれている オレの核は特別製のようだからな」

DPS「……だから……堪えてくれよ あんたが銃弾を掠らせてくれなければこんな風にゆっくり、人間のように臓器擬きを作ったりして核の回復を待つ必要はなかったんだ」

DPS「治ったらあんたを取り込んでやろうか 食わずに」

警官1「な…………ぅ……で…………」

DPS「一人で楽しむんじゃつまらないだろ 特等席で見せてやろうかというんだ 帝都がコーヒー色の粘液で染まる様を」

DPS「手始めに お試し期間からいくか?」split…

split split split split…

DPS「もうじき核が治る」

split split split split…

DPS「……欲しいものがあるんだ…… そも存在がそうだと言われてしまえばそれまでなんだが」

split…

DPS「魔法が使いたい」


125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:55:54.38 ID:0jI7GfTcO


split split split split split split split split split split split split split split split split split split split
split split split split split split split split split split split split split split split split split split split
split split split split split split split split split split split split split split split split split split split
split split split split split split split split split split split split split split split split split split split
split split split split split split split split split split split split split split split split split split split


126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:56:28.93 ID:0jI7GfTcO


ゴソ…

半鳥「うーん……た、棚のお酒売ってもちょっとくらいなら……」

ドリアード「! ハーフィ……」ぎゅ

半鳥「……あれ、ドリアードちゃん……う、西日が眩しい…… スライムはっ?」

ドリアード「そのことだけど……」

「起きたか」

ガチャ

刑事「目ェ覚めたかい 召喚術師のお弟子様」

半鳥「ここは……あなたは?」

刑事「刑事だ 強面でシルクハットでかっちりスーツ着て分厚いコート、結構見たまんまだと思うんだけど」

半鳥「確かに。暑くないんですか?」

刑事「ぶっちゃけ暑い が お弟子様の置かれた状況に比べりゃ涼しいもんさ」

半鳥「へ?」

ドリアード「……ここ 警察の病院なの」

半鳥「警察? なんで? ああ、説明なら勿論。あのスライム本当にヤバくて……」

刑事「協力的で助かる その調子なら君の方には情状酌量の余地は十分にあるな」

半鳥「……情状、酌量」

刑事「率直に言おう 君には大規模魔導テロ実行犯としての容疑がかかってる 手先だってな」

半鳥「………………は?」

ドリアード「違うって言ってるんだけど…… 駄目ね この人達それで通すつもりのようよ」

127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:57:16.70 ID:0jI7GfTcO


刑事「さあ起きたぜ美少女薬学者様 起きるまで手を出さないという約束は守った 今度はそっちの番だ」

刑事「身柄を渡しな」

ドリアード「……帝都では銃口で囲んで一方的に命令するのを約束というのかしら 上品ね」

刑事「抵抗するなよ 病室の外は警官で固まっちまってる 仲間がやられてるんだ、女子供だろうが容赦しねェぜ」

半鳥「仲間? ホームレスのオッサンが言ってたお巡りさんのこと? 私じゃないよ!」

刑事「なるほどな 後でゆっくり聞かせてくれ」

半鳥「ちょっと待って! 今何時? こんなことしてる場合じゃないんだっつーの、あいつ帝都の共同溝を寝床にしてるの! 攻撃しても食われてやり返されるしッ……」

刑事「そーゆー風に作ったのか 驚きの生物兵器だ」グイ

半鳥「いっ……」
ドリアード「貴方 放しなさい……!」pray…

刑事「ったく いいから黙ってついてこい!」

半鳥「やだ!! 放せバカ! 口から共同溝の臭いがすんだよッ!」ジタバタ
ドリアード「ええ 口の中で台風を起こせば少しはマシになるでしょう!」

刑事「なんだと!? 毎朝ミント食ってんだよんな訳ねーだろボケ!!」

バタンッ

警官s「どうされました!」
警官2「抵抗したんスね! 魔法使いなら全身凶器だ言い訳効かねーぜ、地獄に送ってやる」ジャキッ

刑事「ああもう面倒臭ェことに…… 待て待て問題ない大丈夫だ下がっててくれ、護送は俺一人じゃない、外の魔導車で連れが待ってる」
刑事「あと俺も魔法使いだからな やめてくれ」

警官2「……」スチャ

刑事「来るんだ 分かっただろ? 蜂の巣にされてからじゃ止めらんねーぞ……」

ドリアード「く……」
半鳥「(……)」

半鳥「行こ ドリアードちゃん」

ドリアード「本気?」

半鳥「大丈夫、口臭いけどこの人馬鹿じゃないよ多分 口臭いけど」

刑事「黙ってついてこい 黙って」


128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:57:52.46 ID:0jI7GfTcO


半鳥「(うひぃ、すれ違う間突き刺さる視線の鋭さよ……)」

刑事「乗れ」

半鳥「はあ、やっと一息つける……」

ドリアード「厳めしい護送車じゃなければ完璧なんだけれどね」

バタム

半鳥「ん? えっ!」

J「やあハーフィ、大活躍だったそうじゃないか」

ドリアード「プロフェッサー・J! 貴方も捕らえられたの?」

J「そうだ 正義は死んだ 私の奥義も惜しまず使った壮絶な抵抗の果てに――」

刑事「おい! バカ言ってんじゃねーよ、あんたがマジで抵抗したら俺らなんかでどうにかできる訳がねェだろが」

J「にゃふふ」

刑事「頼むぜ オイ……」

ドリアード「どういうこと?」

J「君の情報で辿り着いたのだが、ゴタゴタで君には連絡が遅れてしまったなドリアード…… サモナーと連絡を取ったのだ」

半鳥「出たんですね」

J「どうも大学からの電話は繋がらないよう魔法的な細工をしてたらしい」

ドリアード「……まあ 気持ちは分からないでもないわ」

J「それでも総長は連絡を取れた辺りこれまた魔法的な下らん読み合い差し合いをやってるようだが、あれは二人とも楽しんでるな多分……まあそれはいい」

129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:58:38.70 ID:0jI7GfTcO




J「……という事件が起こっていてな なんとか戻って来れないか」

術師『距離的に無理だな どこでもドアは付呪一ヶ月と私の給料半年分とそれなりの出力の魔力がいるし……』

J「魔力? まさかハーフィのあれは大学の魔導インフラをバイパスして開けてたのか?」

術師『作ってやろうか』

J「ハハハ、別にいい黙っててやる 地図を持って行ったところを見るに、ハーフィは件のスライムとやらを警察に先んじて見付ける気らしい」

術師『あのアホ…… 大人しくするよう言い含めておくべきだった』

J「駆り出されたドリアードから途中経過が知らされて来てな ドリアードはそのスライムの発生原因を調べさせられたようなんだが、電話したのはそれだ」

術師『発生原因だと? 事の最中にもう終わった後の段取りとは末恐ろしい 私を一度撃ち殺しただけある』

J「もしそいつが自然発生ではなく外部から齎されたものだとしたら……という体で、ドリアードは外からの帝都との連絡手段を一定の範囲内で探っていたんだ その辺りで止まる車とかだな」

J「パン屋、洗濯屋、範囲ギリギリに印刷所、乗合の停留所…… その辺りは自家用車を持てるような家がないから、業務用だけで良かったとごちていた」

術師『一見空振りに聞こえる』

J「そう、空振りじゃなかったのさ 私は停留所の乗合会社に連絡を入れて路線を聞いたんだ すると週明けと週末、つまり昨日に送迎の貸切を契約してる研究所の名前を見付けてな……」

術師『ほう?』

J「表向きは違うが、確かちょっと前に人造生命体への造詣がある魔導研究員を集めていたことで噂の立ったところだ 関係ないかも知れんが、職場としては研究員を酷使することでも有名だ」

術師『いいじゃないか 我が大学の就職斡旋先に加えよう 名前は?』

J「名前? ああ――」

術師『…………なんだと?』




130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 03:59:53.32 ID:0jI7GfTcO


パカラッ パカラッ パカラッ パカラッ


術師「という訳だ! あークソ腰痛くなるな乗馬に早駆けは」

座敷童「いやさっぱり分かんねーよ、秘密の仕事を頼んできた研究所で働く人達の送り迎えってだけじゃねーか!」

術師「軟弱な クールー病か? だから連中がバイオハザードの火消しに回ったってことだろうが!」

術師「Jの奴が言ってた上と下のギャップがマジなら、郵送した触媒ってのは名も無きマッドサイエンティスト最後の良心ってとこか それか単に上に知られる前に揉み消す気だったかのどっちかだ 多分後者」

座敷童「それは分かる! だがそれがどうして私達が早馬を飛ばさなきゃならない理由になるんだ?」

術師「騒ぎが起きた! それらしき生物の痕跡もある! "事の次第を話せば今なら減給だけで勘弁してやる警察沙汰はナシ" 隠し通せると思うか?」

座敷童「無理だな でも触媒まで話すか? 背信行為だろ」

術師「話す 義憤と正義は誰もが持て囃すが、地に足が着いてねーからな」

術師「ていうか分かってんじゃねーか だから荷物がインターセプトされる前に早受け取りしようってんだよ」

座敷童「そこじゃない! お前なんで魔導車持ってねーんだ!」

術師「免許の点数がすぐに無くなるんでな!!」


131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 04:00:49.95 ID:0jI7GfTcO


ドリアード「それじゃあ この有り様は何?」

刑事「署に圧力がかかったんだ 事故は杜撰だがバックには大物がいるようだぜ」

J「ま この頃世間を騒がせてるという大学の評判も響いているのだろうがね」

半鳥「擦り付けられたと…… あー、私が出てったのも効果テキメンだよねそれじゃ」

J「サモナーも大人しくさせとけばよかったと言ってたよ」

半鳥「はは……。はぁ、刑事さんが正義の人で良かった」

刑事「はっ そうだな」

J「こらこら そういう勘違いは君の悪い癖だ」

ドリアード「……手柄?」

刑事「尻尾降って貰える小銭だけで満足してる連中は知らんが ワタクシの目は曇ってませんよと上手くアピールするいい機会だと踏ませてもらった」

刑事「頼むぜ先生方 嘘ならタダの護送で済むからいいんだけどな」

半鳥「おおう……」

J「張り切らなきゃな ハーフィ?」pray BARRIER

132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 04:01:44.72 ID:0jI7GfTcO


DPS「まだだもう少し…………まだ……」

DPS「まだ…………」

DPS「まだ……」

DPS「今だ!」FRAME BLEATH


ゴバァァァアアアアアアアアァアアアッ

ドガシャァーン


DPS「……どうだ……真下から急襲、車ごと挽き肉じゃないか? 美味しくいただかせてもらうぞ、名も無き魔法使い……」

バギ ガゴン

J「名も無き魔法使いだって? 私が? おのぼりさん、君のくにの挨拶は随分とこう……前衛芸術的なんだな 肥溜めの臭いがする」

DPS「おお 上質な魔力が匂い立つぞ」ジュルリ

J「どうやって死ぬ? 焼けないんだったよな 凍るか? 痺れるか? 風の使い手もいるぞ、選り取り見取りだ」

DPS「いや……」


「「「「「「「「「「死ぬのはお前だ」」」」」」」」」」


J「!」

刑事「いでで おい、何が起こっ……ってなんだオイ!? そこら中に黒スラが!」ジャキッ

ドリアード「襲ってきたの? ……こいつらが」

半鳥「うぅっ、胃がでんぐり返った……」オェ

J「マズい、隠れろ3人とも!!」pray BARRIER

DPS「酸弾斉射!!!」


BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM
BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM
BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM


ジュウウウウゥゥウウウウウ……


J「………ぐ、はっ………」ゴボッ


半鳥「なっ……J教授!!」

刑事「狙われてないこっちにまで盾を回したのが仇になったんだ! 訳分かんねェ、スライムが分身して酸を塊にして撃ちやがった……!」

133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/22(月) 04:02:37.74 ID:0jI7GfTcO


DPS「……そっちの付録は? いつまで隠れてるつもりだ なあ!」SHOTSHOTSHOT

ドリアード「くっ……」pray TORNADO

DPS「竜巻 美味そうだ……」

ドリアード「時間を稼ぐ ハーフィ、プロフェッサーを!」

刑事「俺が行こう」

半鳥「うん お願いします」

ドリアード「…………ハーフィ?」

半鳥「準備しといて良かったよ……」バラッ

J「………………それは…………」


刑事「召喚札か? そんなインスタント札で呼べる奴であんな化物が……」

半鳥「大丈夫、何枚も書いてきたから 教授のお株を奪うみたいだけどね」


半鳥「なんかこいッ!」random summon




サモン↓ &↓2
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 04:06:24.69 ID:IcWQz0ts0
リヴァイアサン
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 04:07:12.15 ID:n1miLL91O
バハムート
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/22(月) 06:57:42.42 ID:WQbJeVCd0
これは……街の一部ごとオーバーキルすかね
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/23(火) 03:22:30.20 ID:gz9UbvDX0
大物だけどそいつら食用なんじゃ…
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:20:41.10 ID:PkuW0VstO

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ


半鳥「あぐっ……! 魔力、吸われッ……」


DPS's「喚ばせると思うか? 亜人!」ズロッ

刑事「こいつァ…… 何を喚んだ!?」ドギュゥーンドギュゥーン
DPS's「フン お前から喰って――」

ゴオオオオオォオォォォオオオオオオ

ドリアード「ほら お望み通りビュッフェスタイルよ」TORNADO RUSH

DPS's「邪魔だッ! 何匹吹っ飛ばそうと千切れた欠片が小さな体となるだけ、食い付くして店終いだな!」ガパッ

ドリアード「バカね。タダでくれてやるなんて誰が言ったの」and stop and pray and…

DPS's「「なっ――ぐわあああぁぁぁぁ…………」」

DPS「(食い付かれる側から竜巻を消しているのか 撃って吹き飛ばし 集られたら消してまた撃つ…… 時々針葉混じりの切り刻むタイプも混ぜ混んで)」

DPS「(器用な真似をする 魔法への食欲が増す!)」

DPS's「だが物量で勝負するのか? このオレと……」split split split split

ドリアード「(分身から分身が分身して分身と分身が分身と重なって…… キリがない これじゃ本体はここにいないわね)」
ドリアード「(……頼るわよハーフィ)」

ドギュゥーン ドギュゥーン

DPS's「げぶっ……ぐぐぐぐぐぐ」laugh
DPS's「げぶ」ベシャッ

刑事「ちィッ 効いてんのと効いてねーのと分からん」

ドギュゥーン ドギュゥーン カシッ

DPS's「ピギャッ……」ベチャ
DPS's「ぐぐぐぐ 聞こえたぞ "かしっ"!」グチャ

刑事「クソッたれ! おいまだなのか!」reload

半鳥「…………ダメっ……」バリバリバリバリバリバリバリバリ

刑事「ダメっておm」ヌロ

DPS's「つゥ」「かァ」「まァ」「えェ」

DPS's「たぁああぁああはははばばはははへへは」ChompChompChompChompChompChompChompChompChomp

139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:21:38.59 ID:PkuW0VstO


刑事「ぐあッ……ざけんなてめェコラァァッ」pray HEAL

DPS's「美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い美味い こりゃいい暫くそうやって治り続けててくれ! じゃあお前は最後にしよう」ChompChompChompChompChomp

DPS's「前座は終わりだ サラダ菜!」ズロロロロロロロ

ドリアード「しまっ ッぅあぁぁああああぁ!!」melt leg

DPS's「これが太股か? 細過ぎる」ガブゥ
DPS's「不味い 死ね」ベッ

ドリアード「ハーフィぃい!!!」


半鳥「…………だ、ダメだ……」

半鳥「……喚べない…………」

ドリアード「っ……!」


半鳥「全部は…………っ」

140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:22:10.02 ID:PkuW0VstO


summon SEAWATER WAVE


DPS's「何っ……」バシャアッ

刑事「や 奴が剥がれ……うごばぼ」ゴボゴボ

ドリアード「くっ……」pray wind
半鳥「ぁ……頭が…………痺……」グイッ

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザ

DPS's「くそ、札から水……海水か? 強い 流されッ……」

ザザザザザザザザザザザザザザザザザザ

ドリアード「しっかり、しなさい……っ 貴女が喚んだの……」ハァ ハァ

半鳥「……しょう…………しょうかん……全部……眠……」ボー…

ドリアード「……しゃんとなさいッ! 私なんか今片足無いのよ!? 頭二つ背違うのにお姫様抱っこして風で空飛んでるのよ! 鳥の癖に重いのよ!!」ユサユサユサユサ


ズズズズズズズズズズズズズズズズズズズズ


半鳥「あぁ……ぅう…………」クラ

ドリアード「頭の方だけとはいえあんなもの喚んでっ……意識と一緒に制御まで飛んだら貴女 全身にウルシと蜂蜜塗って私の木に逆さ吊りにしてやるから! 起きなさいこの鳥頭!!」

ドリアード「そこの屋上にマジカルパイルドライバーするわよ!?」standby reverse

半鳥「…………そ……それは 死ねる……」

ドリアード「……起きたわね……っ」landing rooftop

半鳥「痛い!」ゴチン

ドリアード「ああ…… ごめんなさい…… 頭、上に直す余裕なくて……」スゥ…

半鳥「ううん今ので目ぇ覚めた…… ってドリアードちゃん、体が透けてッ……」

ドリアード「……ちょっと、無茶したからね…… ……気にしなくていいわ 貴女はあれの手綱を握ることだけ、集中……してなさい……」

ドリアード「少し寝れば治るわ…………しっかり……」スゥゥ…

半鳥「……き、消えちゃった……そんな……!」


ザザザザザザザザザザザザザザザザザザ


半鳥「そうだ、喚んだやつっ……何が来たの?」


141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:22:39.34 ID:PkuW0VstO


ザバァァァッ


リヴァイアサン「……私を喚んだのは 誰?」

半鳥「うわぁ……わ、ワームっスか……また長いのかよ……」

リヴァイアサン「アナタが? ……あら 本当みたいね、貧弱な魔力のせいで1割も力が出せてないけど」

半鳥「面目ないです…… え 1割で一帯水浸しに?」

リヴァイアサン「魔法使いとしては四流もいいとこ、なのに召喚陣は一級品 どこからでも何でも喚べて、自分がまずくなったら言うことを聞かせられる程度にまでセーブするように組んでいるのね」

リヴァイアサン「チグハグ過ぎるわ おまけにこの場所の埃っぽいことときたら…… 」

半鳥「すいません……ホントすいません……」

リヴァイアサン「いいわよ それでご用は何?」

半鳥「あの、実は今、 私達の街大変なことになってまして……」

リヴァイアサン「……!!」

半鳥「?」

リヴァイアサン「ギシェェアアアアアァアアァアッッッ!!」ゾババババ

半鳥「ひィッ」

142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:23:11.31 ID:PkuW0VstO


DPS's「「まさか海竜を喚ぶとはな ハーピィの亜人!」」ガブゥガブゥ

半鳥「うわっ、下の方にビッシリ……!」

リヴァイアサン「穢らわしい下等生物が 誰に断って私の体に触れている」TIDAL WAVE

ザバババババババババババババババババ

DPS's「ぐぅおおぉぉぉぉぉおおッ……」melt

リヴァイアサン「溶けて消えろ」

半鳥「やった、ざまーみろヘドロ野郎!」

ゴボボボボボボボ……

半鳥「マンホールに流されてく…… げっマンホール!?」

リヴァイアサン「アレの住処?」

半鳥「そう! なんとか出来ない!?」

リヴァイアサン「正直しんどい 魔力足りないから」

半鳥「そっ、そこをなんとかー!」

リヴァイアサン「なんてね」manipulate water


ズボボボボボボボボボボボボボボボボ


143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:24:10.34 ID:PkuW0VstO


半鳥「水が……飴みたいに飛び出して……操ってるの?」

リヴァイアサン「そうよ なんたって海の大悪魔だもの」

DPS『どういうことだ、これは……』ズヌルルルル…

リヴァイアサン「数頼みじゃどうにもならないから一つに集合したのね おかげで詰まっちゃって引っ張り出すの面倒だったわ」

半鳥「うわ でか……普通の一軒家くらい嵩がある」

リヴァイアサン「色んな気配がする ……気持ち悪いわねコイツ 命が不自然」

DPS『大分喰ったからな。年寄りとあの精霊の娘が一番不味かった 一番美味かったのは勿論お袋の味というやつだ 亜人 お前が食べたい とても お前をくれ くれ お前が欲しい くれ くれ くれ』ウゾ

半鳥「……一体 何人殺したの そんなプールで煮凝ったコーヒーみたいな体作るために」

DPS『お前は今までに食べたパンの枚数を覚えているのか?』

半鳥「あんたッ……」

DPS『覚えてない? 覚えていないのか! なんと!』

DPS『オレは覚えてる 鼠が24匹、猫が6匹、犬が13匹、虫が大小合わせて104匹、植物が349つ、炎1つ、拳銃1個、銃弾19発、そして人間が32匹だ!』

DPS『逆に聞くぞ亜人 鼠のように増え 猫より気紛れで 犬より気位がなく 虫より鬱陶しい 下らん種族のためにお前らは今までに一体何をどれだけ食い散らかしてきたんだ? 覚えてないだろうそんなこと』

半鳥「何言って……」

DPS『分かる 分かるぞ それは傲慢でもなんでもない 上の存在の慣れだ オレが喰ったモノを忘れず感謝できるのもこれが一両日の献立だったからに過ぎない』

DPS『……ありがとうと言いたいんだ亜人! ハーフィと呼んでも?』

半鳥「何 何なの 意味分かんない 頭おかしいんじゃないの」

DPS『手を差し伸べてくれてありがとうハーフィ それとコーヒー お前達の焙煎と羽と皮膚と僅かな血の味がオレの世界を広げてくれた』

DPS『本当にありがとう……』

リヴァイアサン「ハイになってるところ悪いけど」
リヴァイアサン「まるでまだまだ生きれる気満々って風に聞こえるわ」

DPS『ああそうだ早速忘れてしまっていた 不味いな 先達に倣ってか ぐぐぐ』

DPS『美味しかったよリヴァイアサン お前のウロコ』ゴボボボボボボボボ

リヴァイアサン「……!」


144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:24:50.02 ID:PkuW0VstO


半鳥「食べた……ってことは……そんなまさか……」


粘海竜「ギェェアッハハハハハハハハハハハ!!!」


リヴァイアサン「汚ならしい……私の姿を貶めるな!」TIDAL WAVE

粘海竜「お前を貶めてるのはオレじゃない そこの小娘だろうが!!」TIDAL WAVE !!

ザバァァァァァアアアアアッ

リヴァイアサン「……く……お のれ……ッ!」

半鳥「津波が、押し負けてる……」

粘海竜「喰ってるのが弱い海蛇だから当然このオレの蛇も弱いものになる だがオレにはそいつに足りない、喰い溜めた分の魔力がある!」BITE

リヴァイアサン「ぐあぁああッ……貴様!!」BITE

粘海竜「無駄だ 食事でオレに敵うものか!」CrunchCrunchCrunchCrunch

バキバキバキバリバリベキベキベキベキ

リヴァイアサン「……がァグ……ごォ……」

半鳥「海竜ッ!」

リヴァイアサン「逃げ なさい…………小さな召喚術師……」バキベキボキボキ

半鳥「あ……ああ、あ……ああぁぁ……!」ヘタ


ゴキゴキバキゴキ
CrunchCrunchCrunch
ChompChompChompChomp


粘海竜「……ふう いい海鮮だった」ゴボボボ

DPS「ようやくメインということでいいのかな これは」

半鳥「…………」ガタガタガタガタ

DPS「そうか」ジュルリ

半鳥「…………い……」ヌロ


145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/25(木) 03:25:28.01 ID:PkuW0VstO


ズギューン


半鳥「…………」ガクガク

DPS「……が、ごっ……」ゲボッ

半鳥「い……いい加減に……しろよ」RDY GUN

DPS「お 前……お前ぇ、何故核を……」ブヂュロロロ

半鳥「……避けてた……銃を……それに"使ってた"」ポイ ベシャ

半鳥「まだ上手く扱えないから大昔の戦い方でカバーしてまで慣れようとしてた ……銃の強みを知ってる」

半鳥「効くからでしょ ……効く弱点が……あるから」

DPS「…………ぐ」
DPS「ぐぐ……ぐぐぐぐ」

DPS「やはりお前は素晴らしい ハーフィ だが……」ゲボゲボ


複製DPS「少し自惚れが過ぎたようだな」ドロォ…


半鳥「……!!! 偽物にもッ……」

DPS「いや それは一番最初に作った分身なんだ」ズルルルル

半鳥「後ろ……あぁあああッ!」grip leg

DPS「単純な兵隊でいい雑魚と違い ほぼ本体のオレと同じ作りをしてる 複雑な思考が出来る分作り出す効率は悪いが……」

DPS「言い残すことはあるか?」ズギューンズギューンズギューンズギューンズギューンカシッカシッ
DPS「そうか」Leviathan Scale

半鳥「……ッうわあああああぁあああッッ!」ブンッグチョ ブンッグチャ

DPS「報われるといいな」

DPS「ではその腕からいただくことにするよ」ヌロ…


146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/25(木) 23:30:07.45 ID:A0PU17r30
そうはいかんざき!
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 11:22:42.64 ID:0RAZWQLA0
神話級の半端召喚で事態を悪化させてりゃ世話ねーな。個龍的な復讐の為に勝手に来るとかあれば話は別だろうが
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 11:29:37.76 ID:ruu170K90
まぁ、調子に乗っていられるのも、流石にここまでなんじゃないのかなー?
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 12:13:09.91 ID:RPVmrrctO
絶対的な一撃必殺以外だとパワーアップとかとんだチートだな
拘束系だと何の要因で強化されるから分からんから怖い
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 17:00:11.66 ID:udygNx/L0
何とかする方法は二通りくらい思い付きはするが……
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/26(金) 18:20:01.38 ID:y/jTeg8EO

summon DARK PETIT SLIME

152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/26(金) 18:20:47.38 ID:y/jTeg8EO


バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ


座敷童「喚べた!」

術師「……なんだ ということはJの野郎しくじりやがったのか」

術師「いや 本気出すとどっちが駆除対象になるか分からんし自重した? そっちが濃厚かな あいつは人のいい二足歩行猫だ」

術師「だが私は違うぞ 命なんぞ砂粒より軽い 吹けば飛ぶしいくらでも代えが効く」summon HOLY LANCE


DPS「……ここは……ここは? 街ではない 広い どこかの街道……?」

術師「そこの企業戦士から紹介されたよ 始めまして失敗作君 私はしがない召喚術師、まんまサモナーなんて渾名があるから呼ぶならそっちでもいい」

郵便横取マン「」stun

座敷童「そして私は あ(高音) 日ィ出る国より喚ばれたるゥゥ〜――」
術師「また今度な」ズシュ グリッ

座敷童「ちょま゛ッ」ドサッ

DPS「……夕陽は赤いが辺りは暗い 時間も経ってる お前オレに何をした……」

術師「喚んだんだよ これでな」

試験管「ピ ピギ ピギィ」カタカタ

DPS「それは……」

術師「捕獲したのから採取した"核"の暗黒物質だそうだ お前の兄弟なんだって?」

術師「何でも取り込む性質を活かせねーもんかと研究を重ねてたそうだが、濃縮と人造生物への応用を早足でやったのが拙速に繋がったってとこだろーな」

153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/26(金) 18:21:28.11 ID:y/jTeg8EO

術師「拙速といえばそうだ 私の弟子はどうだった? 美味かったか」

DPS「弟子だと…… ああ 弟子! 鳥の召喚術師か? ああ勿論だ」

DPS「オレの最初のご馳走だった」

術師「………………そうか」

術師「惜しかったな いいとこまで行ってたし あと十年も待てば良さそうだったんだが」

DPS「まったくだ だが彼女にはとても感謝している こうして――」ssssssssspppppppppllllllllllliiiiiiiiiitttttttttttt

DPS's「「望みの……それも極上の食事へ導いてくれたんだ 感謝してもしきれない」」ゴボボボボボボボボボボボボボボボボ

群粘海竜「「「お前にもだ! あれの師なら本物だろう お前のようなのを喰い続けて行く行くは星をも喰らって見せる!!」」」ギシェェアアアアアアアアアアア

術師「馬鹿が 私の命は星より重い ……ふむ 増殖するというのは聞いてたがここまでか」

術師「役不足にはならなそうで良かった」

粘海竜「……役不足だと……?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/26(金) 18:22:03.73 ID:y/jTeg8EO


粘海竜「上空………… なんだアレは!?」

術師「まさか槍一本で相手すると思ったのか? 違う こいつは触媒さ」

術師「どこかの神様に縁のある……鉄屑を槍に仕立て直した品なんだが、その神様がこれまたあれと縁があるとかでな……今空から落ちてきてるあれと」

粘海竜「巨大な……何なんだ、巨大過ぎる! 巨大過ぎて姿形が分からない程のッ…………あんなものが落ちてきたら」

術師「一応 あれは魚だそうだ」

粘海竜「あんな大きな魚がいるものか……ッ!」

術師「幻かどうかは着地すれば分かることだろう そう焦るなよ」

粘海竜「……貴様ァ……心中でもしようというのか……!」

術師「思いっきり上に向かって喚んだからな…… 逃げても止めないが 今からじゃ多分衝撃波に煽られるまでもなくどっち道潰されるぞ」

粘海竜「貴様 貴様 貴様 貴様!!」グォォォォォッッ

術師「ははは 来いよ」stub self

術師「食い意地の張ってることだな おあがり ははははは」Crunch

粘海竜「ふざけるな! オレはやっと外に出れたんだ! 何でも食べるし何にでもなれる!!」CrunchCrunchCrunchCrunch


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/26(金) 18:22:51.66 ID:y/jTeg8EO

粘海竜「お前なんか噛み砕いてやる! 腹の中で人間だったかどうかすら分からない骨と肉のミンチになるんだよ!!」ChompChompChompChompChompChomp


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


粘海竜「ゴクッ…… ざまあみろ ざまあみろ ざまあみろ はははははは!!」

粘海竜「はははははは……ハァ……ハァ……!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


粘海竜「ふざ ふざけるなァァーッ!」FRAME BLEATH

粘海竜「まだっ……まだ3日も経っていないんだぞッ! 嫌だ! 外に出ただけじゃないか!!」WATER CUTTER

粘海竜「死ね 死ね魚 来るな!!」BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM……


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ゴボボボボボ

DPS「魔力 魔力が切れた くそ クソ 届かない」

DPS「何かないか 何か手は…… !!!」

鳥「ピ……ィ……」ジタバタ

DPS「ああああああああああ!!」グチャボリバキゴクン
DPS「よし よし」ゴボボボボボ


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


粘鳥「早く……早く……早く……早く遠くへ…… ダメだ間に合わない」

粘鳥「どうする どうするどうするどうする」

粘鳥「…………そうだ!」


156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/26(金) 18:23:35.82 ID:y/jTeg8EO


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


粘術師「なんという凄まじい知識量だ……! やれる こいつならやれる!!」

粘術師「リヴァイアサンやあいつを喚んだ魔法は? これか! ……こうか!?」random summon

バリバリバリバリバリバリバリバリ

粘術師「来い! 来い! 何が来る? ハーピィか? ゴーレムか? メドゥーサ? 英雄? マンドラゴラ? 海竜か神か?」

「いいや そのどれでもねぇよ」

粘術師「来たっ――」


BANG


粘術師「ぐはっ……」ドサッ ドロドロ

警官1「ただの人間だ てめぇの大好きな銃持ったな」チャキ

DPS「なんだと……何故……お前は……」

警官1「生かしといてくれたじゃねぇかあのクッセェ下水道でよ なんで頭から下がまた生えてんのかは知らねえが ……ヘッ、向こうのお袋にいい土産話が出来たぜ」reload

警官1「死ね 死ね 死ね 死ね 死ね 死ね!!」BANGBANGBANGBANGBANGBANG

DPS「ぐぁああああッ か 帰れクズが!」release

警官1「はははは バーカ! 先にあの世で待ってるぜ、お前は地獄行きだがな! バーカバーカ!」バリバリバリバリ

DPS「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…… はッ!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/26(金) 18:24:05.53 ID:y/jTeg8EO

DPS「たすけ



ズ  ン


158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/26(金) 22:36:06.52 ID:Fk4o4VX20
アレ程のバケモノではあったが、ああも大きいモノと比べれば地上のシミの一つ程度だった……という事か
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/27(土) 00:38:31.81 ID:1sw/w21Q0
んでどーすんだろな
サルベージとかできるんだろか
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/28(日) 07:44:43.62 ID:YIdqnAkBO
かきためぜんぶきえた
くろーむしねしねしねしねしねしねしね
しんでからかきなおす
くろーむしね
しね じかんかえせ しね
しねしねしねしねしねしね
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/28(日) 08:25:44.71 ID:YIdqnAkBO
書き直す
見苦しい文を申し訳ない
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/28(日) 10:17:15.22 ID:34UeaEgq0
その虚しさ、創造する者にしか分かり得ない苦痛でしょう。それを表に出してしまうのも、人間として自然な反応だと思えます。ですのでまぁ、それ程気にする事ではないでしょう
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/08/28(日) 11:25:47.17 ID:PyGoi/ce0
急に落ちても大概の入力欄が消えない火狐ちゃんサイッキョ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/28(日) 14:33:28.63 ID:fpijZFkF0
取り合えず半鳥ちゃん復活かDPS出る前まで夢落ちで戻れないかなぁ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 05:42:21.64 ID:MXa5cexz0
楽しみにしてるよ
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:34:07.85 ID:ryenLA/GO


ボコッ

座敷童「……ぷはぁ! あー 慣れないな 二度目だけど」

座敷童「おお 辺り一面地均しされて綺麗になったじゃないか。もう起きたのか家主 動く死体みたいに? どこだー」

「まだだ」

座敷童「ん? ああ? 誰だお前は」

バハムート「バハムート 先刻お前達を圧殺したものだ」

座敷童「デカい魚じゃなかったのか 羽の生えた蜥蜴のお化けなんて知らないぞ」

バハムート「せめてドラゴンと…… こういう姿も取れるというだけだが」

座敷童「ふーん」

ボコ……

座敷童「お、やっとか どーやら早起き競争は私の勝ちみたい――」


DPS「……………………」


座敷童「だな――って あれで生きてたのか!? 死に損!?」

バハムート「違う よく見ろ」

DPS「………………ゲブロォッ」ベシャア

術師「……ああ…… コーヒー臭い 三度目か」

167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:35:36.01 ID:ryenLA/GO


座敷童「家主! そいつ生きてるのか」

術師「無論だ なあ?」ゲシッ

DPS「…………ぉ……の……れ……」
DPS「出る…………時に……核を……」

術師「そうだ ちょっと拝借させて貰った」ヌチャア

座敷童「汚ないな」

術師「聖槍直刺しの私とハウスキーパーに次いで、襲われる直前にでもチクッとやるつもりだったんだが まさか丸ごと喰われるとは思わなんだ」

術師「魚の骨を上手く飲み込めた場合を懸念しつつ死んだんだが どうやら結果オーライだ」

座敷童「刺さったから蘇生したと…… 心臓に悪い 前もって教えろ!」

術師「お前の仕事は郵便局員と触媒狙いをカニシバリで気絶させたところで終わってたからな」

座敷童「カニ? 金縛りな 結局一緒に潰れるのになんで……」

術師「証拠固めだ」


168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:37:08.42 ID:ryenLA/GO


バハムート「……知ったのが喚ばれたらしい 同じような魔法で」

バハムート「私は陸の そいつは海の覇者として双璧を成す怪物なのだが 全力は出せなかったのだろう それにやられたようだ」

座敷童「陸ぅ?」

バハムート「呼び名 見方 扱われ方で有り様は移ろう 分からんか」

座敷童「……いや」

バハムート「もういいか?」

術師「ああ ご苦労だったな」

バハムート「あっちの姿を求められるのは珍しい 長く生きているがあんな使われ方をしたのは初めてのことだ」

バハムート「まだ腰が痛い…… 次喚ぶときはこっちの姿にしてくれ いいな」バリバリバリバリ


術師「まーた自分で帰ったか」

座敷童「あいつ腰って言ったぞ腰 どこにあるんだ」

術師「腰はくねらせるもんだ あれは全身腰だろ」

座敷童「マジか」

術師「知らん」

座敷童「……」


術師「さて というわけでこのままなんの処置もしなければお前はじき死ぬ 間違いない そこでだ」

術師「助けてやろうか?」

DPS「………………何を…………」


169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:38:34.42 ID:ryenLA/GO




連絡員「なんというザマだ、これ程の施設を与えられておきながら…… サーカスのように猛獣を射殺で済ませられる問題ではないのだぞ」

所長「しょ、初動対応によって被害は抑えられております……」

連絡員「そうだな。一匹逃がし数十人で済んだ。素晴らしい手腕だ 豚が」

所長「…………」

連絡員「まあ 起こってしまったことは仕方がない 筋書きは既に出来ている」

連絡員「ここで行われていた人造生物研究は 着服が高じ 横流す軍用生物兵器に手を出すに至った研究所の暴走によるものだった」

連絡員「秘密裏に情報を入手した召喚術師は兵器を簒奪 掌握 操作、人造生命体の危険性を世に知らしめるため今回の凶行に――」

所長「ま ま 待ってください! それではまるで私が」

連絡員「私が 何だ まさか把握していないとでも?」

所長「いいえ 私は決して!」

連絡員「放任は下への鞭捌きに一定の評価があり、そこから差し引いて尚貴様で利鞘があると判断してのこと そこを責めているのではない勘違いするなよ」

連絡員「現にこうして辻褄を合わせることが出来た やはり君は実に有能な――いいか勘違いするな誉め言葉だぞ――そう有能な 豚だ 実に」

連絡員「よく肥えてくれた ベーコンになって帝国の食卓に並んで欲しい」

所長「…………あ ああぁ……」ガク

コンコン

連絡員「どうした」

研究員「しょ、所長にお客様です……」

連絡員「所長? 呼んでいるよ応えてあげなさい まだ所長は君だ 」

所長「…………入れ……」


170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:41:59.73 ID:ryenLA/GO



ガチャ

術師「よう どうも」

術師「帝都で面白い噂が流れていると聞いてな 急ぎ戻った」

所長「!!」

連絡員「……これはこれは…… Mr.サモナー お早いお帰りで」

術師「フン そこの所長にパイプさせようかと考えていたが 話が早そうな展開だ」

術師「これが分かるな?」つ試験管

連絡員「触媒かね どうだ」

所長「…………いいえ これは…… 核です」

連絡員「核? 奴の?」

所長「は、はい…… 蠢いているでしょう 殺しきれなかったか生かしたか、一見する限り大分変質していますが……」

術師「何人も食ったと聞く 喚んでからそこまで削ぎ落とすのに大分苦労したぞ」

連絡員「……成る程 貴方が律儀に仕事をしてくれたおかげでそちらの方はスムーズに進みそうだ」

術師「律儀? ……スムーズだと?」チッ

連絡員「ええ」

術師「……糞野郎が…… ご託はいい このふざけた状況をとっとと元に戻せッ!」

術師「私は貴様らに言われた通りやっただけだ! これは一体どういう了見だッ!?」

連絡員「落ち着いて頂きたい Mr.サモナー…… 大変申し訳ないがこれはもう決定事項なのだ」

術師「ふざけるなァッ!!」バキッ

連絡員「……暴行も加えておくか? 話は最後まで聞け」ペッ

連絡員「早とちりをした落ち度は承知している 故に貴方にとって悪くない形で事を収める算段もついている これ以上荒立てたくないだろう?」

連絡員「皆が皆貴方のように強かでないんだ 色々な意味でな 貴方の周りだって例外はない そうだろう……」

術師「…………」

連絡員「ご苦労だった 帰りたまえ」

術師「……覚えていろよ……」バタン


171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:43:02.75 ID:ryenLA/GO


連絡員「……フ 成り上がった召喚魔法のエキスパート、もう少しクレバーな男かと思っていたのだが」

連絡員「底が知れた 所詮は学者畑か」

所長「…………飼うおつもりですか」

連絡員「互いに益がある こめかみに銃を突き付けられているとはいえ嫌とは言うまいよ 枠も一つ空くことだしな……」

所長「……」

連絡員「……もう外も暗い 今日は送ってやろう、上物の座席の感触を尻に覚えさせておくんだな」



「……」


172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:44:40.57 ID:ryenLA/GO



半鳥「はっ はっ はっ……」タタタタ

バッターン!

半鳥「すいませんJ教授の部屋はどこですかっ!?」

受付「病院ですよ 静かに」

半鳥「あ ごめんなさい……それで……」

ドリアード「はぁ、追い付いたっ……! 何の鳥なのよ 飛べる貧乳の癖にダチョウ? 少し落ち着いたらどうなのハーフィ」

半鳥「オイ今なんつった 飛べる何?」

受付「大学関係者の方? ひょっとして召喚魔法の……」

ドリアード「そうよ こっちが」どうどう

半鳥「それで どこですか?」ガルルル

受付「J教授なら二階よ 容態も安定してます、応急措置が良かったから」

半鳥「ありがとうございました!」ダッ

ドリアード「もう まだ走るの……?」


173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:45:52.93 ID:ryenLA/GO



J「……まさか治癒魔法が使えたとは おかげで助かったよ」

刑事「礼ならお弟子様に言いな クソのヘドロが剥がれたからそっちに手ェ回せたんだ」

刑事「正直あんたからの出世話以外は眉唾もんばっかだと思ってたんだが そうでもなくて感心したよ」

J「んー……?」

刑事「大学は帝立だろ 差っ引かれる税金への溜飲がちょびっとだけ」

J「それは光栄だ……ちゃんと上司への報告に入れておいてくれよ」

刑事「嫌だね」シュボ スパー

J「こら ……しかし腑に落ちない」

刑事「何だって刑事になんかって?」

J「そうとも あれ程の使い手なら引く手数多だ 即応性に特化した魔導医療は適性も希……」

J「出世も楽だぞ…… どこかへ口を利こうか……」

刑事「いらん 出世ならこれからする」

J「……そうか」

刑事「そうさ」

J「……何にせよ今回のことは恩に着る このJに出来ることがあればいつでも頼ってくれ 友よ」

刑事「あん? 誰が友だ、あんたと仲良しした覚えはねェ 出世に響くだろうが」

J「では出世に響かない程度に仲良ししようじゃないか なあ……」

刑事「……俺はもう行くからな 馴れ馴れしい猫だぜ――」ガチャ


174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:48:20.81 ID:ryenLA/GO


バッターン!


刑事「ぐぇぶ」ドゴォ

半鳥「J教授っ!」

J「……おお……どうしたんだい血相変えて……」

半鳥「よ……よかったあ、生きてたんですね……よかった……!」

刑事「……よくねェ……」ボタ

半鳥「刑事さん? どこ?」

ドリアード「はぁ、はぁ、はぁ、……ハーフィ ちょっと待ってってば……」

半鳥「ドリアードちゃん飛べるけど足遅い ってゆーか微妙に虚弱入ってるよね……」

ドリアード「……うるさいわね 魔力で作ってる体だから色々生身とは違うのよ……あーもう息が……ドアの裏にいるのは誰?」

刑事「俺だ クソ鼻血出てきやがった……ここは病院だぞ」プカァ

半鳥「そこにいたの? あ 病院で煙草吸ってる!」

刑事「こいつァご褒美だからいいんだよ 水浸しにするだけして後始末ほっぽり投げくさったどっかの羽亜人の尻拭いした分な!」

半鳥「だってドリアードちゃんがッ――」


看護婦's「オイコラウルッセーゾコラー! ナンオラー!? チェラッコラー!」
看護婦's「ここ病院だっつってんオラー! ドグサレッガー!」
看護婦's「患者さん他にもいるっつってんコラー! ウルルァッカラー!」

患者さん「アイエエエ……ミザリー……バブルヘッド……ウッアタマガ」Nurse Reality Shock

半鳥「アッハイ」
刑事「アッハイ」

ドリアード「ごめんなさい本当うるさくして……」


175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:49:39.55 ID:ryenLA/GO



ドリアード「大体 大丈夫って言ったじゃない どうして真っ先に大学へ来たのよ」

半鳥「ちゃんと助けと応援呼んでから行ったよ あんな風に消えられて平気なわけないじゃん!」

半鳥「だから即効で予備触媒の枝を取りに行ったの そしたら本当にピンピンしてんだもん……」

ドリアード「非常時にこそ落ち着かないでどうするの……その辺はプロフェッサー達を見習いなさい」

半鳥「何だよー 人が心配してたってのに小言ばーっか」

J「……分かってあげてもいいだろう と言うのは野暮かな」

刑事「知るかよ 木なんだろ? 気ィ難しいってか」

ドリアード「フン 貴方の用事は? 済んだのならさっさと行ったらどうなの 仕事はまだあるんでしょう」

刑事「可愛くねェな 造形も美少女じゃなくてしわくちゃのバァさんにしとけや」

コンコン

J「客の多い病室だ どうぞ」

ガチャ

看護婦「J教授! あ 皆さんもお揃いね 良かった!」

刑事「……俺は含まれてないよな」

看護婦「関係者なら好都合よ 大変なの!」


看護婦「今ラジオで流れたんだけど、またスライムが出たって!」

半鳥「……!!」



176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:52:26.70 ID:ryenLA/GO




「なんだ 何が起こった!?」
「昼間の魔物だ! こっちの方にまで逃げてきたんだ!」
「大通りにマンホールなんかねーぞ……」
「車が爆発したのよ、中から出てきたの!」
「白衣着たおっさんが倒れてる 誰か警察と救急と消防!」



DPS「ぐぐぐぐぐ 求められているのは迫真さ……」ズロロロロ

DPS「リアリティは何物にも優先されると 必要な犠牲だ そうだろ外道……」ChompChompChomp

通行人「うわあああやめr」グヂャ

DPS「逃げ回るなディナー共 体が大きいと小回りが利かないんだ」


DPS『ああ 外道というのはお前のことじゃあない ほら口を開けろ』

連絡員「グ――」ガボ

DPS『飲み込まなくていいぞ 勝手に進む』

連絡員「……ぐ ゲホッ ぅぶ…………しかも 口を利いただと……っ……体 が ……」ズルルルル

DPS『感覚がない? 痛みは? 痛みも? 良かった なら成功だ』

連絡員「一体 何故っ……封じられていたのではなかったのか――」

ゴグン ゾルルル

肉片「」now melting
連絡員「――!!!」

DPS『落ち着いて話せるかと思ったんだが、腹の中なんてクチャラーどころの話じゃあなかったな』

DPS『でも吐き気も臭いも痛みも何も無いだろう? オレの器用さに感謝しろよ』

連絡員「何 故 …… ……目的を……」

DPS『あれは オレの食事だ 返せ』

DPS『下らない共食いなんぞに貶める気だろう、断じて違う 捕食者の世代交代が来たんだよ』

連絡員「化物風情が一端に革命気取りか…… ぅうッ!」ズギン

DPS『どうした? やっぱり痛むか?』

連絡員「な…………ぅ……かっ……」ズギン ズギン

177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:54:49.08 ID:ryenLA/GO

DPS『……だが だからこそ無闇に食い散らかすのはもうやめることにしたんだ』

連絡員「い…………ぅ……ぐぎ ィ ぁ……」ズギン ズギン

DPS『今後は量より質を重視して…… おいちゃんと聞いているのか おかしいな……』

連絡員「胸が……ッ ……心臓が……裂け……」

DPS『ああそれか。難航している なんていうか リズム? がよく掴めなくて……』

連絡員「何を言 って……」

DPS『多分じき馴れると思うからもう少しの辛抱だ 暗黒物質の核はいいぞ……』

DPS『心臓は血液しか運べないけどこいつは違う ……あれ 血栓がいくつか出来てるかな……』

連絡員「ぐっぉあ……ッふざけるな化物! 私のカらダニ何をした!? ぅぐぁ」ゾルルル

DPS『心臓を喰って代わりを立てた』

DPS『訂正する、手術は順調だ 今の次点でちゃんと もう既に血液を巡らすだけじゃ生きられない体になってる』

連絡員「や――やめ やめろ! やめろッ!!」

DPS『目的と言ったな。至極単純だ 我が食友 主 召喚術師の手配を疾く取り下げろ』

連絡員「ある ジだと…… やはりッ……」

DPS『断じて違うと今言ったァ』ズロロロルルロロロ

連絡員「……っッぁあがッッ」ズギィッ

DPS『繊細な作業なんだ迂闊な返事で気を散らすな あと一回だけ喋っていいぞ』

連絡員「ごォ…… どわ る ッ……」
DPS『ぐぐぐぐぐ!』laugh

DPS『……ならずっとこのままだ 生命維持は得意なんだ ゆっくり喰ってやる』

DPS『減ったら外で喰った肉を付け足して喰い続けてやる 鼠でもゴキブリでもタンパク質からなら即作れる』

DPS『オレが生きる限りの余生を 腸壁にこびりついた糞にもなれない生きた食べ滓として過ごさせてやるぞ』

連絡員「………… ……………… ……」

DPS『……あ いや そうしよう それがいい! 手配なんかどうでもいいや』

連絡員「…………なん……」

DPS『これが非常食という概念なんだな? いいじゃないか! そうと決まればとっとと……』

連絡員「…………ま……待て……」

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:56:13.58 ID:ryenLA/GO


DPS『どうした 備蓄腸内菌? いや勘違いしないでくれ 誉め言葉だ』

連絡員「分かった…………分かった 取り下げる ぅグ 手配を取り下げる! ぐぅぉ」

DPS『……は? なんだと?』

連絡員「ッ……取り下げると言っている! 今すぐこれをやめろぉぉ!! あぁアあ゛ッかっ」

DPS『何故だ? いい案だろう 考え直せ』

連絡員「ふざけるなぁぁあああッ!!!」

DPS『ふざけてなど……オレは大真面目にッ――』


ゴォォォォォアアアアアアアアアアアアアッッ


DPS『くッ いいところで……』

連絡員「!? ぎィああああ!! 熱い! 熱いィぃ!!」link

DPS『今体を焼かれた 喰われて血肉にならんとする以上お前はオレになる、オレの得はお前の得になるんだ!』

DPS『いいか終わるまでに考え直せよ まだ希望はある』

連絡員「やめろ! やめろ! やめろぉおお出せええええぇぇぇぇぇぇええ」

179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/30(金) 11:59:09.05 ID:ryenLA/GO


ダセエエエエエエエエエコココラダセエエエエエェエエエサモナアアアアアアアアアアアア


術師「はいはい聞こえてるよ 面白い腹の虫だな? お前」

DPS「腸内虫だ 求めに応じて食料となる 無限に」

術師「カタツムリにしては殻が見当たらねーが」

DPS「カルシウムが足りないんだよ 分かるだろう お前のを寄越せ」lick lips

術師「ほざけ カラスに啄まれる前に消毒してやるよ」

術師「私の召喚獣がな」


WPS「………………」


「召喚魔法の教授だ! あの小さいのはなんだ?」

「白いスライム……小さいな 勝てるのか」


術師「勝てるさ なあ? ギャラリーが不安がってる 気を利かせてやれ 何か芸でも」

WPS「……ミルクでも噴けと? 色々飲まされ過ぎてもたれてるんだよ 取引と言うから何かと思えば」

WPS「下らん 実に下らん茶番だ」

術師「じゃーやめるか お前を野に返して私が自分でやっても一向に構わん そしてお前は用済みになる」

WPS「あの送還先のどこが野だ 火口だろうが 火山の……」

術師「さっさとやれ」

WPS「条件 忘れるなよ」SplitSplitSplit

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