【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】

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563 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 10:03:24.17 ID:dMnWbs8A0
【オータムアイランド・歩道】

土橋「あっ、政城」

赤穂「ジェニーは?」

土橋「今半次とメメが調べてる。モーテルには何かあった?」

赤穂「……あったと言えばあったな」

あの手紙に同封されていたものはモーテルにはなかった……

もしかしたらまだジェニーが持っているのかもしれないと思って来てみたけど。

赤穂「土橋、ジェニーから何かあったとか聞いてないか?」

土橋「えっ?そうだね……やっぱり暗闇が怖いってぐらいかな。後はみんなを笑顔にしたいって」

赤穂「そうか……」

手紙についてジェニーは黙っていたみたいだな……
564 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 10:13:25.61 ID:dMnWbs8A0
佐場木「……」

赤穂「佐場木、遠見」

遠見「赤穂殿、捜査の進展は?」

赤穂「色々調べてはいる。ところでジェニーは何か持ってなかったか?」

佐場木「何か?具体的にはなんだ」

赤穂「実はジェニーのモーテルにこんなものがあったんだよ」

佐場木「……遠見」

遠見「おそらくはあれの事ではないかと」

赤穂「あれ?」

佐場木「こんなものが発電所の金網に引っかけるようにしてあるのが見つかった」

佐場木が見せたのはビニール袋に入った設計図らしきものと鍵、それに懐中電灯だった。

遠見「発電所の内部地図と制御室の鍵であります」

赤穂「そんなものが!?」

佐場木「クラヴィッツはおそらくこれを受け取ったんだろう」

赤穂「……」

そうか、疑問だったあれは……

コトダマ【地図と鍵】を手に入れました。
〔発電所の金網に引っかけるようにしてあった内部地図と制御室の鍵〕

コトダマ【鞍馬の発見者】を手に入れました。
〔鞍馬は赤穂と遠見が見つけた段階で死体発見アナウンスが鳴った〕
565 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 11:30:11.32 ID:dMnWbs8A0
【発電所】

道掛「鞍馬……」

如月「……」

鞍馬の遺体を前に道掛は膝をついて肩を落としている……あんなに仲良くしようとしていたんだもんな。

道掛「はああ、結局鞍馬と仲良くなれなかったな……」

如月「道掛さんの思いはきっと通じていたと思いますよ」

道掛「んっ、サンキュー」

赤穂「道掛、ちょっといいか?」

道掛「おう、赤穂。どうした?」

赤穂「道掛は俺がジェニーを見つけた時こっちに自転車で来ただろう。それはどうしてなんだ?」

道掛「ああ、それか。俺今日なんか寝付けなくて起きてたんだよ。そしたら急に電気がついてさ」

道掛「その後目を光に慣らして……2、3分ぐらいか?誰かが飛び出していったみたいでよ。俺も外に出たけど誰もいなかったから慌てて自転車で追っかけたんだ」

赤穂「誰かが飛び出していった?」

道掛「おう、ドアの音がしたからな。今思えばあれがジェニーちゃんだったのかね……」

赤穂「……」

コトダマ【道掛の証言】を手に入れました。
〔電気が復旧した2、3分後にドアの音がしたため、誰かが飛び出していったと思い自転車で後を追いかけた〕
566 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 11:57:32.77 ID:dMnWbs8A0
赤穂「……」

如月「何か考え事ですか?」

赤穂「如月さん」

今頭の中に浮かんでいるこれを確かめるためには如月さんの協力が不可欠だ。

だったら、やってもらうしかないか。

赤穂「如月さん、少しいいですか?」

如月「はい、なんですか?」

赤穂「ちょっと協力してほしい事が……」

※※※※

如月「では行ってきます」

赤穂「お願いします」

如月さんが走って消えていく。

一方の俺は現状何もする事がなく牡丹から借りたストップウォッチを持って立っていた。

赤穂「…………」

如月「今戻りました」

赤穂「はい」

如月「どうでしたか」

ストップウォッチの指し示す時間は4分……つまり片道2分。

赤穂「ありがとうございました。ちなみに……これ、他の人間にも出来ると思います?」

如月「無理でしょうね。それなりに速度は出しましたから……鞍馬さんなら可能でしょうが」

赤穂「……」

コトダマ【赤穂の実験】を手に入れました。
〔発電所からモーテルに向かうまでの時間を調べたもの。
片道2分だったがそれは如月か鞍馬にしか不可能なようだ〕
567 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 13:26:09.85 ID:dMnWbs8A0
【鞍馬のコテージ】

六山「あっ」

赤穂「六山、いないと思ったらここにいたのか」

六山「現場周辺はみんなが調べてるからね。赤穂くんも捜査に?」

赤穂「ああ、まあな」

整理整頓が出来ていると言うよりまるで生活感がないコテージか……

六山「そういえばこれが机の上にあったよ」

赤穂「……」

【身体強化薬(試作)
元超高校級の薬剤師忌村静子の調合した薬品。
一粒飲めば24時間効果が持続する。
複数飲めば効果は増すが、その分効果時間は減少する】

コトダマ【鞍馬のコテージ】を手に入れました。
〔鞍馬のコテージ。
綺麗ではあるが整理整頓を通り越して生活感がない〕

コトダマ【身体強化薬(試作)】を手に入れました。
〔鞍馬のコテージにあった薬品。
【元超高校級の薬剤師忌村静子の調合した薬品。
一粒飲めば24時間効果が持続する。
複数飲めば効果は増すが、その分効果時間は減少する】という説明書きがある〕

キーンコーン、カーンコーン…
568 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 16:29:16.78 ID:dMnWbs8A0
モノクマ「うぷぷ、タイムアップー!」

モノクマ「ここからは楽しい楽しい学級裁判の時間だよ!」

モノクマ「オマエラ、中央の島にお集まりくださーい!」

鞍馬のコテージを出た瞬間、捜査終了のアナウンスが鳴り響く。

赤穂「時間か……」

後は、学級裁判で話し合うしかないな……

【中央の島】

佐場木「来たか」

遠見「これで全員揃ったでありますね……」

遠見の言葉に応えるように建物の鍵が開く音が鳴る。

如月「行きましょうか」

如月さんの後に続くように全員が建物の中に入っていく。

そして俺が入るのと同時に、扉は閉まった。

エスカレーターを降りながら俺は思う。

今回の犯人……それは例のアンノウンなのか?

アンノウン、静音や四方院さん……いいや、薄井やグレゴリーの死にさえ関わっていた存在。

いったいなんでこんな事をしたんだ。

いったいなんのために、ここまでしたんだ。

それがわかる事はないまま……俺達はそこにたどり着く。
569 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 17:18:18.96 ID:dMnWbs8A0
【学級裁判場】

モノクマ「うぷぷ、ようこそオマエラ!」

モノクマ「久々の明かりをこの学級裁判場で堪能してね!」

モノクマ「これから絶望という闇がオマエラを待っているんだからさ!」

モノクマに促される前に自分の席に向かう。

鞍馬類。

結局打ち解ける事も、才能を明かす事もなく死んでいった。

あのまま過ごしていけば打ち解ける未来もあったのか?

それはもう永遠にわからない。

六山「……」カチカチ

道掛「鞍馬!これはお前の弔い合戦だ!」

遠見「アンノウン、今回こそ正体を……」

ジェニー・クラヴィッツ。

明るい彼女はみんなを笑顔にしたいという願いを持っていた。

それが叶っても彼女はもうそれを見る事は出来ない。

佐場木「もう逃がさんぞ犯罪者が……!」

津浦「ワタシは死ぬわけにはいきません!」

土橋「ジェニーの仇……必ず……!」

御影「2人も殺すなんてどうして……」

2人は殺された。

兵頭「今回の犯人は……」

苗木「何とかして、頑張らないと……」

如月「……僕にはまだやるべき事があります」

その犯人を探し出す学級裁判。

もう3分の1も人が死んだ……

赤穂「アンノウン……」

だけどまだ終わらない。

この絶望の舞台は。
570 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 17:42:37.84 ID:dMnWbs8A0
訂正

【身体強化薬(試作)】
〔鞍馬のコテージにあった薬品。
【元超高校級の薬剤師忌村静子の調合した薬品。
一粒飲めば24時間効果が持続する。
複数飲めば効果は増すが、その分効果時間は減少する】という説明書きがある〕



【身体強化薬(試作)】
〔鞍馬のコテージにあった赤白の錠剤型の薬品。
【元超高校級の薬剤師忌村静子の調合した薬品。
一粒飲めば24時間効果が持続する。
複数飲めば効果は増すが、その分効果時間は減少する】という説明書きがある〕
571 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 17:46:20.20 ID:dMnWbs8A0
・コトダマ一覧表

【モノクマファイル3】>>547

【鞍馬の才能】>>548

【鞍馬の遺体】>>550

【鞍馬の裁縫セット】>>551

【ヒーローのバッジ】>>552

【謎の欠片】>>553

【ジェニーの遺体】
【ナイフ】>>556

【口の血】>>557

【モーテルのメンバー】>>558

【電気がついたタイミング】>>559

【鞍馬のモーテル】
【赤白の錠剤】>>560

【脅迫状】>>561

【手紙】>>562

【地図と鍵】
【鞍馬の発見者】>>564

【道掛の証言】>>565

【赤穂の実験】>>566

【鞍馬のコテージ】>>567

【身体強化薬(試作)】訂正版>>570

3度起こった惨劇の被害者鞍馬とジェニー。
殺害不可能と思われた鞍馬の死は学級裁判に何をもたらすのか。
果たしてクロはアンノウンなのか……闇深き学級裁判が始まる。


     【学級裁判開廷!】
572 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 17:50:30.86 ID:dMnWbs8A0
モノクマ「はいはい、それでは学級裁判の説明をしまーす!」

モノクマ「学級裁判ではオマエラに誰が犯人かを議論してもらいます!」

モノクマ「その結果は投票によって決定され、正しいクロを指摘できればクロがおしおき」

モノクマ「ただし間違えたら……クロ以外の全員がおしおきされ、クロは自由の身となるのです!」

兵頭「今回の事件は被害者が2人ですか……どこから話を進めましょう」

佐場木「最初は同一犯かどうかを議論するぞ」

津浦「犯人が1人か2人かでは大きな違いですからね……」

赤穂「よし、まずはそこからいこう」

今回の犯人……間違いなく同一犯のはずだ。

それは状況が証明している!
573 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 18:00:27.35 ID:dMnWbs8A0
【議論開始!】

コトダマ>>671
【鞍馬の遺体】
【鞍馬の発見者】
【モノクマファイル3】

六山「同一犯か話し合うって言っても……」

道掛「どうすりゃわかるんだそんなの?」

苗木「〔鞍馬クンとジェニーさんを殺した凶器が同じ〕とか?」

御影「もしくは〔同一犯を示す証拠があった〕んじゃないの」

遠見「〔状況的に同一犯しかない〕でありますよ!」

そもそもなんでジェニーが殺されたか……

それを突き詰めれば同一犯かはわかる!
574 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 18:14:04.24 ID:dMnWbs8A0
〔状況的に同一犯しかない〕←【鞍馬の発見者】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「ああ、状況的に今回は同一犯のはずだ」

兵頭「状況的に……それはなぜでしょう」

赤穂「俺が鞍馬とジェニーを見つけた後、道掛にはみんなを呼びにモーテルに、遠見には発電所に来てもらったんだ」

遠見「そこで自分が鞍馬殿を発見、死体発見アナウンスが鳴ったのであります!」

佐場木「なるほど、発見人数か」

津浦「前回Mr.グレゴリーがトリックに使ったアレですね」

土橋「琴羽……」

津浦「大丈夫です。彼の罪は……受け止めていますから」

道掛「えっと、ジェニーちゃんを見つけたのが俺と赤穂とメメちゃんで……」

御影「鞍馬を見つけたのが兄さんと遠見、そしてジェニーってわけだね」

赤穂「ああ、ジェニーはおそらく鞍馬殺しの現場を目撃してしまったんだ」

土橋「ジェニーは口封じで殺されたって事!?」

赤穂「ああ、だからこの事件は……」


兵頭「その推理は無効票です」反論!


兵頭「おっと赤穂さん、可能性は他にもありますよ」

赤穂「可能性?」

兵頭「ふふっ、もちろん……」

兵頭「鞍馬さん殺しのクロがジェニーさんという可能性ですよ!」
575 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 18:40:13.19 ID:dMnWbs8A0
【反論ショーダウン開始!】

コトノハ>>571
【鞍馬の遺体】
【ジェニーの遺体】
【ヒーローのバッジ】

兵頭「今回の事件は4パターンの可能性があります」

兵頭「鞍馬さんとジェニーさんを同一人物が殺した」

兵頭「鞍馬さんとジェニーさんを別々の人物が殺した」

兵頭「鞍馬さんがジェニーさんを殺した後に殺された」

兵頭「ジェニーさんが鞍馬さんを殺した後に殺された」

赤穂「確かに可能性ならある……」

赤穂「だけど今回は同一犯なんだ!」

兵頭「それは赤穂さんがジェニーさんが人を殺すはずがないと信じたいだけでは?」

兵頭「ジェニーさんなら鞍馬さんも油断したかもしれませんし……」

兵頭「【鞍馬さんを殺害し、モーテルに戻る前に殺害された】」

兵頭「この可能性は否定出来ません!」
576 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 18:50:11.07 ID:dMnWbs8A0
【鞍馬さんを殺害し、モーテルに戻る前に殺害された】←【鞍馬の遺体】

赤穂「その反論に正義はない!」


赤穂「いいや、ジェニーに鞍馬を殺すのは不可能だ!」

兵頭「言い切りますね……」

赤穂「ああ、なぜなら鞍馬は頭頂部を刺されて殺されてるからな!」

苗木「そっか、頭頂部を刺されたなら身長差からジェニーさんに鞍馬クンを殺すのは難しいよね」

六山「というか、出来る人いるのかな?」

兵頭「待ってください。ジェニーさんになら逆に可能なのでは?」

土橋「どういう意味!?」

兵頭「自己紹介の時を思い出してください」

※※※※

「自己紹介ですねー?」

次に自己紹介する人を捜していたら上から声がした。

見てみたらオレンジとピンクのメッシュが入ったセミロングの金髪に、赤い水玉模様の上着と黄色いダボダボのズボンを着た女の子が【天井の飾りにぶら下がっていた】。

赤穂「うわっ!」

天井から降りてきたその子は器用に受け身を取ると会釈をする。

※※※※

兵頭「ジェニーさんの身体能力、【超高校級の道化師】としての才能……」

兵頭「それを活用すれば鞍馬さんの殺害は可能です」

577 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 18:53:04.01 ID:dMnWbs8A0
一時中断します。
578 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/04(火) 21:31:48.89 ID:dMnWbs8A0
佐場木「つまり兵頭、貴様はクラヴィッツが天井に潜み鞍馬を襲撃したと考えているわけか」

兵頭「えぇ」

土橋「そんな!ジェニーがそんな事……!」

赤穂「……確かに、ジェニーにならやろうと思えば出来たかもしれない」

御影「兄さん!?」

赤穂「だけど兵頭、1つ忘れている事があるぞ!」

兵頭「忘れている事ですか?」

赤穂「ああ」

確かに普段のジェニーなら出来たかもしれない……

だけどあの時は普段とは違っていたんだ!

【事件時普段と違っていた事とは?】

・ジェニーは怪我をしていた
・現場は真っ暗だった
・鞍馬は死んでいた
579 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 19:13:58.33 ID:sjLWUuQA0
・現場は真っ暗だった

赤穂「こいつだ!」


赤穂「鞍馬が殺された時現場は真っ暗だった……その状態で天井から飛び降りて鞍馬の頭頂部を刺すなんて出来るのか?」

如月「懐中電灯を使えば……確実に気付かれるはずです」

遠見「抵抗の跡もないため一撃で鞍馬殿を殺害したはずでありますよ」

土橋「そもそもジェニーは暗闇を怖がってたんだよ!」

六山「あれは演技には見えなかったよね」

苗木「うーん、ジェニーさんにはやっぱり難しいんじゃないかな……」

兵頭「そのようですね」

道掛「軽っ!?」

兵頭「私は可能性を潰しておきたかっただけなので」

御影「ちょっと兵頭、あんまり悪者になろうとしないでよ」

兵頭「ふふっ、何の事でしょう」

赤穂「とにかく今回の事件は同一犯という線で話を進めよう」

佐場木「ふん、ならば次の議論に移るぞ」

津浦「あの……1つよろしいでしょうか?」

赤穂「どうした津浦」

津浦「Ms.ジェニーが暗闇を怖がっていたのなら……彼女はなぜ外にいたのでしょう?」

ジェニーが外にいた理由か……
580 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 19:20:01.70 ID:sjLWUuQA0
【議論開始!】

コトダマ>>571
【手紙】
【地図と鍵】
【ナイフ】

津浦「Ms.ジェニーは……」

津浦「なぜ外にいたのでしょう?」

土橋「確かに変なんだよね……【ジェニーは暗闇を怖がってたし】」

苗木「目撃された口封じなら【犯人が呼び出したわけじゃない】よね」

道掛「【散歩】にしては暗いよな……」

六山「うーん……【病院に行こうとしてた】とかかな?」

御影「もしくは【他の施設に用があった】か……」

兵頭「謎ですね……ゆえに疑った面もあるのですが」

ジェニーが外にいた理由……それはきっと。
581 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 19:30:37.28 ID:sjLWUuQA0
【犯人が呼び出したわけじゃない】←【手紙】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「ジェニーは犯人に発電所に行くよう、行動を誘導されていた可能性が高い」

苗木「えっ?でもジェニーさんは口封じって話じゃ……」

赤穂「確かに殺害現場を発見された口封じだったのも事実だろう」

赤穂「だけどこんな手紙があった以上、それだけとは限らないはずだ!」

兵頭「手紙……」

道掛「だけどグレゴリーと奏ちゃんの事があったばっかなんだぜ!手紙なんかで発電所来んのか?」

赤穂「この手紙、発電所に来いとは書いてないんだ」

御影「どういう事?」

赤穂「この手紙には【同封したものはこの暗闇を何とかする鍵です】とだけ書かれていたんだよ」

如月「暗闇を何とかする鍵……それはいったい」

俺はもうその答えを知っているはずだ……!
582 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 19:46:07.80 ID:sjLWUuQA0
【地図と鍵】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「佐場木と遠見が発電所で地図と鍵を見つけたらしいんだ」

佐場木「金網に引っかけるようにしてな」

遠見「おそらく引っかける事でポイ捨てと判断されるのを阻止したのでありましょう」

道掛「地図と鍵っていったいどこのだよ?」

兵頭「ジェニーさんが発電所に行ったのであれば当然そこの地図と鍵では?」

赤穂「ああ、発電所の内部地図と制御室の鍵……」

六山「犯人はそんなものまで持ってたんだね……」

苗木「つまりジェニーさんは……暗闇を何とかするために発電所に行って、殺されちゃったんだね」

如月「行動を誘導したならおそらく手紙を渡したタイミングは事件が起きる少し前……犯人はジェニーさんを狙っていたという事になりそうですね」

土橋「なんで!?なんでジェニーが狙われないといけないの!?」

遠見「ジェニー殿は小柄……それが影響したのかもしれないであります」

道掛「マジかよ……!」

ジェニーも命を狙われていた……その事実が重く俺達にのし掛かる。

そんな事を考えていた犯人がこの中にいるんだからな……
583 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 19:53:44.75 ID:sjLWUuQA0
【議論開始!】

コトダマ>>571
【脅迫状】
【ジェニーの遺体】
【謎の欠片】

道掛「……あれ?ちょっと待てよ」

苗木「どうしたの道掛クン?」

道掛「【ジェニーちゃんが狙われてた】ってのはわかったけどよ……」

道掛「じゃあ鞍馬はどうなんだ?」

遠見「もちろん、鞍馬殿も狙われていたのでありましょう」

御影「でもあの鞍馬だよ?」

如月「【犯行を阻止される】可能性の方が高いですね」

佐場木「そもそも【複数殺すメリットがない】」

道掛「じゃあもしかしてよ……」

道掛「【鞍馬の方が予定外】だったんじゃねえのか!?」

津浦「Mr.鞍馬は犯人にとってイレギュラーだったと……」

鞍馬がイレギュラー……いや、それはない!
584 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:03:12.18 ID:sjLWUuQA0
【鞍馬の方が予定外】←【脅迫状】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いいや、犯人は鞍馬も殺すつもりだったんだ」

赤穂「だって鞍馬の方も呼び出されてたんだからな!」

道掛「だ、だけどあの鞍馬が呼び出しに応じるか?」

兵頭「応じざるを得なかったんですよ……なぜなら鞍馬さんのもらったものはジェニーさんとはまるで違うもの」

兵頭「脅迫状だったんですから」

御影「脅迫状!?」

赤穂「兵頭が鞍馬のモーテルで見つけたんだ……この脅迫状をな」

【鞍馬類、お前の秘密は握った。
例の物を返してほしければ深夜の2時半頃に発電所に来い】

佐場木「この脅迫に応じて鞍馬は発電所に向かったのか」

津浦「しかし例の物とはなんなんでしょう?Mr.鞍馬にそこまで執着していた物があるとは……」

赤穂「……」

鞍馬が奪われていた物……それはおそらく現場にあったあれだ。
585 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:12:11.64 ID:sjLWUuQA0
【謎の欠片】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「鞍馬の遺体の下と指に変な欠片があったんだ」

兵頭「欠片?」

遠見「赤と白の細かい欠片だったでありますが……」

六山「……赤と白?」

苗木「何の欠片なんだろう……」

赤穂「……」

この欠片の意味……今の俺ならわかるはずだ。
586 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:18:38.96 ID:sjLWUuQA0
【ショットガンコネクト開始!】

現場にあった赤白の欠片……あれは。

コトダマ>>571
【鞍馬のモーテル】
【赤白の錠剤】
【ヒーローのバッジ】

・課題
【鞍馬類に関わる物は?】
【鞍馬類の知らない物は?】
【鞍馬類が奪った物は?】
587 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:22:27.82 ID:sjLWUuQA0
鞍馬のモーテルにあった赤白の錠剤……

そしてもう1つ組み合わせれば……答えは見える。

【赤白の錠剤】―【鞍馬類に関わる物は?】

コトダマ>>571
【身体強化薬(試作)】
【鞍馬のコテージ】
【脅迫状】
588 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:25:08.76 ID:sjLWUuQA0
赤穂「……」

鞍馬のコテージにあった赤白の錠剤……

身体強化薬……これが示す答えは!

【赤白の錠剤】―【鞍馬類に関わる物は?】―【身体強化薬(試作)】


・結論
【鞍馬は身体強化薬を奪われていた】
【鞍馬は身体強化薬を服用していた】
【鞍馬は超高校級の薬剤師だった】
589 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:33:30.08 ID:sjLWUuQA0
【鞍馬は身体強化薬を奪われていた】

赤穂「真実をこれで繋ぐ……!」


赤穂「鞍馬のモーテルには赤白の錠剤があった」

赤穂「そしてコテージにも同じ赤白の錠剤があった」

赤穂「その錠剤は身体強化薬……」

赤穂「鞍馬が奪われていた例の物はこれだったんだよ!」

道掛「し、身体強化薬!?」

如月「鞍馬さんがそんなものを……」

御影「ちょ、ちょっと待ってよ兄さん!身体強化薬なんてなくても鞍馬はあんなに……」

赤穂「いいや、違うんだよ牡丹」

兵頭「まさか」

佐場木「……そういう事か」

苗木「えっ、えっ?どうしたの?」

六山「逆転の発想ってやつだよ」

土橋「逆転?」

津浦「【Mr.鞍馬に身体強化薬なんて必要ないはず】……ではなく」

遠見「【身体強化薬がなぜ鞍馬殿に必要なのか】……」

赤穂「それを示す答えは1つしかない」
590 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:34:35.90 ID:sjLWUuQA0






赤穂「鞍馬の力は、薬によって後付けされたものだったんだ!」






591 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:39:23.26 ID:sjLWUuQA0
道掛「あ、後付けぇ!?」

如月「なるほど……脳のリミッターを外している僕と渡り合えた理由はそれですか」

土橋「えっ、さりげなくとんでもない事言ってない?」

佐場木「ますますキナ臭くなってきたな……」

遠見「あの力が後付けならば、鞍馬殿の才能はそれに関わるものだったのでありますか?」

兵頭「本人が亡くなっている以上、答えは謎ですね……」

赤穂「……」

鞍馬の才能……俺は知っているはずだ。

他でもない……アイツからの情報でな!
592 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:51:15.20 ID:sjLWUuQA0
【鞍馬の才能】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「……みんな、このファイルを見てみてくれ」

佐場木「なんだそれは」

赤穂「モノクマからの情報だ。俺達が知っていたはずの情報らしい」

兵頭「私達が知っていたはずの情報ですか」

みんなにファイルが回されていく。

そして読んだ人間は例外なく驚きの反応を示した。

道掛「く、鞍馬に才能がない……?」

御影「嘘……」

佐場木「語らないのではなく、そもそもなかったというわけか」

六山「でもモノクマからの情報でしょ?信用出来るのかな」

モノクマ「ボクは嘘はついてませーん!」

兵頭「もしかして最初の事件前に言っていたのは……」

※※※※

モノクマ「オマエラの中に裏切者がいまーす!」

赤穂「……は?」

モノクマ「オマエラってほとんどが第八十期……未来機関第一期生なわけだけどさ」

モノクマ「実はなに食わぬ顔して紛れ込んでる大嘘つきがいるんだよ!」

※※※※

モノクマ「その通り!才能なしの凡人なのに謎多き男のふりをしていた厨二病患者!」

モノクマ「それこそ鞍馬類クンの正体だったのでーす!」

赤穂「鞍馬に才能がないのは事実でも、そこまで言われるいわれはないだろう!」

モノクマ「うひゃあ、怖い怖い!」

赤穂「……とにかく、鞍馬が呼び出された理由はこれで」



道掛「パンクしてんぞその推理!」反論!
593 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 20:58:04.57 ID:sjLWUuQA0
【反論ショーダウン開始!】

コトダマ>>571
【鞍馬の裁縫セット】
【鞍馬のモーテル】
【鞍馬のコテージ】


道掛「やっぱ信じらんねえよ!」

道掛「あの鞍馬が薬で作られたなんて!」

道掛「あいつはそんな、ドーピングとかするやつじゃねえって!」

赤穂「鞍馬が身体強化薬を持っていたのは事実だ」

赤穂「それで脅迫に応じたのもな」

道掛「いや、だからといって飲んでたとは限らねえって!」

道掛「鞍馬はただ持ってただけかもしんねえじゃんか!」

道掛「【鞍馬が薬飲んでた証明なんて出来ねえだろ!?】」
594 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:04:57.27 ID:sjLWUuQA0
【鞍馬が薬飲んでた証明なんて出来ねえだろ!?】←【鞍馬の裁縫セット】

赤穂「その反論に正義はない!」


赤穂「鞍馬はいつも裁縫セットを持ってたよな?」

道掛「それがなんだよ!」

赤穂「裁縫セットの中には……ピルケースがあったんだ」

御影「ピルケース……何か薬は飲んでたってわけだね」

道掛「か、風邪薬……」

赤穂「わざわざ裁縫セットにピルケースを作ってまでか?」

苗木「風邪薬なら堂々と飲めばいいもんね」

道掛「うっ、くっ……!」

如月「道掛さん、残念ながら……鞍馬さんが薬を服用していたのは間違いないかと」

道掛「……なんでだよ!なんでドーピングなんて!」

兵頭「道掛さんにはわからないのでは?運動系の超高校級の才能を持つあなたにはね」

道掛「っ!」

兵頭にキツい一撃を受けた道掛はそのまま項垂れてしまった。

友達だって言ってた鞍馬の事をわかってなかった……その事実に打ちのめされたんだろう。
595 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:08:05.48 ID:sjLWUuQA0
佐場木「……鞍馬が身体強化薬を服用していたのはわかった」

佐場木「しかしあえて言おう……それがなんだ?」

佐場木「鞍馬に才能がなくともあの身体能力は脅威だ」

遠見「犯人の特定には至らないでありますね……」

六山「うーん、そもそもさ」

六山「本当に鞍馬くんにとってその薬って大事だったのかな?」
596 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:16:41.92 ID:sjLWUuQA0
【議論開始!】

コトダマ>>571
【鞍馬のモーテル】
【鞍馬のコテージ】
【身体強化薬(詩作)】


六山「【鞍馬くんにとって大切なものだ】ーって前提になってるけど……」

六山「この薬コテージには机にポンッて置かれてたんだよ?」

如月「……それは脅迫状に応じるほど大切なら不自然ですね」

御影「だったら【鞍馬にとって薬はどうでもよかった】?」

苗木「前提が変わっちゃうね……」

土橋「うーん、でも他に何かある?」

津浦「【Mr.鞍馬にとって大切な他の何か】……思い付きませんね」

鞍馬を脅迫したタネはあの薬で間違いない……!
597 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:21:57.85 ID:sjLWUuQA0
【鞍馬にとって薬はどうでもよかった】←【鞍馬のモーテル】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いや、鞍馬にとってあの薬は大切なものだったはずだ」

赤穂「それは鞍馬のいたモーテルが証明になる!」

六山「モーテルが?」

兵頭「そういえばあのモーテル……相当荒れていましたね」

遠見「荒れていたとはどれぐらいでありますか?」

赤穂「ベッドはぐちゃぐちゃ、棚の中や机の上の物は床に投げ出されてたな」

土橋「確かにそれは酷いね……」

道掛「鞍馬が普段からだらしなかったんじゃねえのか」

赤穂「いや、それはないんだ」
598 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:30:05.39 ID:sjLWUuQA0
【鞍馬のコテージ】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「鞍馬のコテージはきちんと整理整頓されてたんだ。生活感がないレベルでな」

道掛「そっかよ……」

土橋「とにかく類にとってそれが大切なものだっていうのは間違いないみたいだね」

苗木「でもやっぱり犯人には繋がらないよね……」

遠見「せめて凶器のナイフの出所さえ掴めれば……!」

佐場木「マーケットや水族館のものとも違うあのナイフか……クラヴィッツを刺した物と同一だろうが」

道掛「……ナイフ?」

兵頭「どうしました?何か心当たりでも?」

道掛「……い、いや、ねえよ!」

六山「それ嘘だね?わたしにもわかるよ」

道掛「うっ!」

御影「道掛、何か知ってるの?」

道掛「うぐっ……!」

佐場木「答えろ道掛。あのナイフの出所を知っているならな」

道掛「…………」

苗木「道掛クン……?」

道掛「……が」

津浦「えっ?」
599 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:31:01.64 ID:sjLWUuQA0






道掛「ナイフなら、鞍馬が、持ってたぜ……」






600 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:39:29.73 ID:sjLWUuQA0
赤穂「鞍馬が!?」

如月「間違いないんですか?」

道掛「間違いねえよ!前に話してた時、あいつがナイフ持ってたの俺見たんだ!」

道掛「でも鞍馬が何かするわけねえって……俺信じてたんだよ!」

道掛「だけど今思い出したんだ!ジェニーちゃんに刺さってたナイフ、鞍馬が持ってたやつだって!」

道掛「それで、ジェニーちゃん殺したの鞍馬なんじゃねえかって思ったら……!」

道掛「なあ、違うよな?鞍馬はクロなんかじゃねえよな!?」

道掛「もう、俺にはわかんねえんだよ……」
601 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:42:45.76 ID:sjLWUuQA0
赤穂「道掛……」

鞍馬がジェニーを殺したクロかどうか……どうにかしてはっきりさせられないか?

道掛「ちくしょう、ちくしょう……!」

それが今苦しんでる道掛のためにもなるはずだ……!
602 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 21:50:44.09 ID:sjLWUuQA0
【議論開始!】

コトダマ>>571
【電気がついたタイミング】
【モノクマファイル3】
【赤穂の実験】


兵頭「鞍馬さんがジェニーさんを殺した可能性ですか……」

苗木「さっき兵頭さんがあげた可能性の1つだったよね」

佐場木「何にせよはっきりさせるべき事柄ではあった」

遠見「ふむ、しかし【凶器は鞍馬殿の物】でありますよね……」

六山「閉じ込められてから薬は減ってただろうし……それが【動機になりそう】」

御影「【モーテルが荒れてた】のってそういう理由だったんだ……」

如月「せめて〔鞍馬さんが殺害された時間〕がはっきりすれば……」

……!

そうか、これならもしかして……!
603 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 22:01:24.56 ID:sjLWUuQA0
〔鞍馬さんが殺害された時間〕←【電気がついたタイミング】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「もしかしたら証明出来るかもしれない……鞍馬の無実を!」

道掛「っ!?」

御影「えっ、いったいどうやって?」

赤穂「電気がついたタイミングだよ。津浦、確かあれは」

津浦「2時52分ですね……」

土橋「2時52分……」

赤穂「モノクマは教えなかったけど、これは事件の起きたタイミングのはずだ」

遠見「鞍馬殿が殺された、もしくはそれをモノクマが確認したタイミングでありましょうな」

兵頭「それがどうやって無実の立証に?」

佐場木「考えてみろ。鞍馬がクロならば奴はクラヴィッツを刺した後に殺害された」

佐場木「つまりクラヴィッツは先に刺されたわけだ」

如月「……なるほど、二重の矛盾ですね」

苗木「どういう事かよくわかんないんだけど……」

簡単な事だったんだ……

鞍馬がクロではあり得ない証拠は2つある!
604 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 22:17:44.29 ID:sjLWUuQA0
【ジェニーの遺体】
【ナイフ】

赤穂「こいつだ!」


赤穂「まずジェニーの遺体……ジェニーは刺された後にナイフでお腹を抉られてるんだ」

土橋「っ……」

御影「エグいね……」

赤穂「だからジェニーは血が止まらない状態だったんだ」

佐場木「鞍馬が殺害された時間が2時52分として、クラヴィッツは刺されてから数分しかもたなかっただろう」

遠見「先に刺されてから、鞍馬殿が殺害された場合……赤穂殿が遺言を聞けるはずがないのであります」

赤穂「それにそもそも鞍馬が後に殺害されたなら……ジェニーのお腹にナイフが刺さってたのはおかしいんだ!」

六山「あっ、それはそうだね……またジェニーさんのお腹にナイフ刺した事になっちゃうよ」

道掛「じゃあ……」

赤穂「ああ、鞍馬はクロじゃない!」

道掛「……そうか、そうか!」

道掛の目に光が戻る。

はっきりと鞍馬の無実は証明されたからな……
605 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 22:43:15.91 ID:sjLWUuQA0
遠見「……しかし、これはマズイ事になったでありますよ」

津浦「マズイ事、ですか?」

佐場木「鞍馬がナイフを持っていた以上クロは鞍馬からナイフを奪い殺害した事になる」

六山「……えっ、出来るの?」

御影「モーテルに、薬はあったんだよね?」

赤穂「ああ、だから鞍馬は……身体強化された状態だったはずだ」

土橋「じゃあやっぱり類を殺すなんて無理なんじゃ……」

苗木「いや……1人だけ、いるよね」

道掛「えっ、誰だよ!」

兵頭「そんな、まさか……」

赤穂「……」

確かに、1人だけいる。

鞍馬を殺せる人間……

だけど、それは……!
606 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 22:49:35.50 ID:sjLWUuQA0
【如月怜輝】

赤穂「そんな嘘だろ……!」


赤穂「如月さん」

如月「……」

赤穂「あなたなら、鞍馬を殺せますよね?」

如月「……」

土橋「答えてよ怜輝!今回の事件を起こしたのは、ジェニーを殺したのは怜輝なの!?」

如月「……」

如月さんは答えない……だけど状況を考えたら……!
607 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 22:55:43.08 ID:sjLWUuQA0
【ショットガンコネクト開始!】

赤穂「……」

ジェニーを殺した後犯人は……

コトダマ>>571
【道掛の証言】
【ヒーローのバッジ】
【モノクマファイル3】

・課題
【犯人の行動を示すのは?】
【被害者の行動を示すのは?】
【黒幕の行動を示すのは?】
608 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 22:58:31.33 ID:sjLWUuQA0
赤穂「……」

道掛の言っていた事、あれは……

もしかしたら……

【道掛の証言】―【犯人の行動を示すのは?】

コトダマ>>571
【モーテルのメンバー】
【赤穂の実験】
【口の血】
609 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 22:59:53.80 ID:sjLWUuQA0
赤穂「……」

道掛の言っていた事、そしてモーテルにいたメンバー……

そうか、犯人は……

【道掛の証言】―【犯人の行動を示すのは?】―【モーテルのメンバー】


・結論
【犯人は病院に逃げた】
【犯人はモーテルの部屋に戻った】
【犯人は発電所に隠れた】
610 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:14:43.10 ID:sjLWUuQA0
【犯人はモーテルの部屋に戻った】

赤穂「これが、真実なのか……!」


赤穂「道掛、確か電気がついた後にドアの音がしたんだよな?」

道掛「お、おう。だから誰か出たんだと思って自転車で追っかけたんだよ」

赤穂「だけど俺がジェニーを見つけた時、道掛以外には誰も会ってない」

兵頭「私達病院組は赤穂さんに会ってから一緒でした」

苗木「じゃあ道掛クンが聞いた音って……」

赤穂「出た音じゃない、戻る音だったんだよ」

御影「じゃあ……」

赤穂「犯人は犯行を行った後にモーテルの自分の部屋に」




如月「それは違いますよ……」反論!
611 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:22:11.08 ID:sjLWUuQA0
【反論ショーダウン開始!】

コトノハ>>571
【赤穂の実験】


如月「なるほど、モーテルに戻ったというのはあり得る話でしょう」

如月「しかし僕は犯人ではありません」

如月「僕が殺人をしないのは宣言してあったはずですよ」

赤穂「誰が殺すかなんて何も言えません」

赤穂「薄井やグレゴリーだって、人を殺す人間ではなかったはずなんですから」

如月「それを言われると痛いですね……」

如月「しかし否定するしか僕にはないんです」

如月「【鞍馬さんを殺せるというだけならば僕を犯人とする根拠には程遠い】」
612 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:29:51.52 ID:sjLWUuQA0
【鞍馬さんを殺せるというだけならば僕を犯人とする根拠には程遠い】←【赤穂の実験】

赤穂「……!」


赤穂「それだけじゃないでしょう」

如月「……」

赤穂「鞍馬とジェニーを殺してからモーテルに戻る……そのための時間は道掛がドアの音を聞くまでの2、3分」

赤穂「実験をした時如月さんは確かに言った!」

赤穂「2分でモーテルに戻るのは自分か鞍馬にしか出来ないって!」

如月「……」

道掛「んな馬鹿な……」

遠見「確かに、状況では如月殿こそクロとしか」

苗木「そ、そんな」

六山「まさかの展開だね……」

土橋「っ、答えてよ……!」

兵頭「如月さん、嘘ですよね?まさかあなたがそんな……」

津浦「Mr.如月が……」

御影「兄さん……」

如月「……」

赤穂「どうなんですか如月さん!」

如月「……あくまで状況でしかない」

如月「認めるつもりはありませんよ」
613 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:33:04.90 ID:sjLWUuQA0
【マシンガントークバトル開始!】

如月「僕は犯人ではありません」

如月「赤穂さんの主張は状況証拠以外ない」

如月「僕は悪しか裁きません」

如月「正義の名の下に潔白を主張します」

如月「……」

如月「僕は、違います」

如月【物的証拠はないんですから】
614 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:37:36.46 ID:sjLWUuQA0
【物的証拠はないんですから】←【ヒーローのバッジ】

赤穂「……」


赤穂「じゃあ……教えてください」

如月「なんでしょう?」

赤穂「如月さんの妹さんのバッジがなんで発電所にあったんですか」

如月「……!」

御影「妹の、バッジ?」

赤穂「ここに妹さんがいるって言うんですか?もしかしてあのバッジは……あなたが持っていたんじゃないですか?」

如月「…………」

赤穂「他に理由があるなら、言ってみてください」

赤穂「如月さん!!」

如月「…………どうやら」

赤穂「……!」



如月「ここまで、みたいですね」

それは聞きたくなかった言葉。

憧れのヒーローの……敗北宣言だった。
615 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:53:50.03 ID:sjLWUuQA0
【クライマックス推理開始!】

ACT.1
今回の犯人は2人の人間を殺そうとしていた。
被害者である鞍馬とジェニーだ。
そのために犯人は……人を殺さないという宣言を翻したんだよ。

ACT.2
まず犯人は鞍馬のモーテルから彼が使っていた身体強化薬を盗み出した。
鞍馬にとってそれはとても大切な物だったからな……
次にジェニーと鞍馬に手紙を送り……2人が発電所に来るよう誘導した。

ACT.3
そして犯人は計画を実行に移す。
まず鞍馬からナイフを奪い取ると……それを頭に突き刺して殺害。
犯人は身体強化された鞍馬と渡り合えていたから、問題ない作業だったはずだ。

ACT.4
そして誘導されるがままやって来たジェニー……彼女は鞍馬が殺害される瞬間を見たのか、そのまま逃げ出した。
しかし犯人からは逃げ切れず……腹部を刺されて口封じされてしまったんだ。

ACT.5
2人を殺した犯人は全速力でモーテルに戻った。
その時の音を聞いていた道掛は出たんだと思って追いかけたけど……実際はモーテルに入った音だったんだよ。
そしてその後アナウンスが鳴るのに合わせて外に出た……あたかもモーテルにいたと思わせるために。

鞍馬を殺し、なおかつモーテルに戻れた人間……

赤穂「両方の条件はあなたにしか満たせない……如月怜輝!」

如月「…………」

COMPLETE!
616 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:58:10.36 ID:sjLWUuQA0
赤穂「どうして!どうしてなんですか如月さん!」

如月「……」

モノクマ「おっとその前にやるべき事を済ませましょう!」

モノクマ「議論の結論が出たみたいだね!」

モノクマ「それでは投票タイムとまいりましょうか!」

モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票をお願いします!」

モノクマ「オマエラの答えが正解?それとも不正解?」

モノクマ「運命はどっちだー!!」

         VOTE

      

       


     【学級裁判閉……】
617 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/05(水) 23:59:01.86 ID:sjLWUuQA0






佐場木「その判決を棄却する!」反論!






618 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 00:11:31.93 ID:mFIepzIA0
赤穂「!?」

佐場木「ふざけるなよ殺人鬼……何がここまでだ」

佐場木「その諦めが憎むべき犯罪者を逃がし!無実の者達の死を招く!」

佐場木「正義だなんだとほざいておきながら結局はただの戯れ言か!」

佐場木「答えてみろ如月怜輝!」

如月「佐場木、さん」

佐場木「貴様も貴様だ赤穂!」

赤穂「な、何を」

佐場木「確かに薄井やグレゴリーを追い詰めたのは貴様だ。その手腕は評価に値する」

佐場木「だがしかし!この学級裁判は俺達全員の命を懸けたやり取りだ!」

佐場木「貴様だけで勝手に進めるのはやめてもらおうか!」

赤穂「だけど!他に結論はないだろう!」

赤穂「犯行が可能なのは如月さんしか……」

佐場木「それが正しいかは全て終わった後にわかることだ」

モノクマ「あのー……」

佐場木「審理は続行だ!!貴様は黙っていろ!!」

佐場木「遠見!苗木!道掛!土橋!御影!兵頭!六山!津浦!」

佐場木「貴様らもそれでいいな!」

佐場木の言葉に否定する人間はいない。

それだけのものが、今の佐場木にはあった。

佐場木「さあ、議論の再開だ……絶対に逃がさんぞ、犯罪者!!」


     【学級裁判中断!】
619 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 00:13:02.18 ID:mFIepzIA0
今回はここまで。
次回三章終了です。
620 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 19:18:56.80 ID:mFIepzIA0






     【学級裁判再開!】






621 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 19:26:47.08 ID:mFIepzIA0
遠見「佐場木殿……議論の再開とは言うものの何を語ればいいのでありますか?」

佐場木「今回如月がクロとなっている理由は主に2つだ」

佐場木「1つ、身体強化された鞍馬を殺せるから」

佐場木「2つ、殺害後モーテルに戻る事が出来るから」

佐場木「そうだな?」

土橋「ま、まあそうだけど……」

佐場木「ならば他にこの条件を満たす手段はなかったか……それを議論すればいい」

苗木「手段って……本当にそんなのあるの?」

六山「それを話し合えって事じゃないかな」

赤穂「……」

鞍馬を殺す条件を満たす手段……本当に如月さんがクロだって事以外にあるのか?
622 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 19:39:18.55 ID:mFIepzIA0
【議論開始!】

コトダマ>>571
【鞍馬の裁縫セット】
【赤白の錠剤】
【脅迫状】

道掛「他の可能性つったってよ……」

津浦「〔鞍馬さんと渡り合えるのを隠していた〕人物がいたのでしょうか」

兵頭「もしくは〔鞍馬さんがそれほどではなかった〕……」

御影「いや、それほどではあったでしょ……」

六山「あっ、もしかして……」

六山「〔クロも身体強化されてた〕とか」

苗木「薬が2つあったって事!?」

土橋「それはいくらなんでも……」

六山「むー……」

赤穂「……」

もしかして……そういう事なのか?
623 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 20:59:16.27 ID:mFIepzIA0
〔クロも身体強化されてた〕←【脅迫状】

赤穂「それに賛成するぞ!」


赤穂「そうか……クロも身体強化されてたんだよ!」

六山「えっ、もしかして当たり?」

遠見「同じような薬がもう1つあったとは考えにくいのでは?」

赤穂「いや、薬が2つあったわけじゃない」

赤穂「この鞍馬を呼び出した脅迫状をもう一度見てくれ」

【鞍馬類、お前の秘密は握った。
例の物を返してほしければ深夜の2時半頃に発電所に来い】

御影「……そっか!クロは鞍馬から薬を盗んで持ってたんだ!」

佐場木「現場に残された欠片のせいで混乱を招いたが……鞍馬を相手にするなら飲んでおかない方が不自然」

道掛「強化されてたってなら、鞍馬を殺すのもモーテルに戻るのも出来たって事だな!」

如月「……もしかしたら」

兵頭「如月さん?」

如月「コテージの机の上に置きっぱなしだったのも……クロが盗んでいたからでは?」

津浦「確かに鞍馬さんがそれを出しっぱなしにするのも不自然な話でしたね」

土橋「じゃあ犯人は、暗くなる前から類を殺すつもりだったんだ……」

苗木「そう、なるね」
624 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 21:16:32.81 ID:mFIepzIA0
遠見「……わかったであります!」

赤穂「わかったって……何がだ?」

遠見「鞍馬殿の頭頂部を刺した方法でありますよ!」

佐場木「ほう、言ってみろ遠見」

遠見「頭頂部を一撃で殺害したのは犯人もまた身体強化されていたから……しかしどうやって頭頂部を刺したのかは不明でありました」

御影「そういえば……」

遠見「しかし犯人がもしもコテージからも鞍馬殿の薬を盗んでいたのならば……こう考えられるのでは?」

遠見「犯人は鞍馬殿の目の前で、薬をばらまいたのであります!」

道掛「薬をばらまいたぁ!?」

赤穂「そうか……鞍馬が薬を拾おうとしてかがんだ所に……ナイフを突き刺したのか!」

津浦「犯人は薬と一緒にナイフも盗んでいたんでしょうね」

六山「きっと薬とナイフを盗まれて動揺したからモーテルを荒らしたんだよ」

土橋「薬を拾おうとしてたなら例えば懐中電灯を向けられてても気は逸れるよね……」

苗木「それなら鞍馬クンを殺すのは容易……むしろ失敗する方が難しいかもしれない」

1つの綻びがほどければ、次々に可能性が見えてくる。

今俺達は確実に真相に近付いてるんだ……!

赤穂「……如月さん」

如月「謝罪は不要ですよ赤穂さん」

赤穂「……!」

如月「僕達は真犯人を追い詰めている……それでいいじゃないですか」

赤穂「ありがとう、ございます」

如月さんには、かなわないな……
625 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 21:24:09.95 ID:mFIepzIA0
【議論開始!】

コトダマ>>571
【口の血】
【ジェニーの遺体】
【ナイフ】

兵頭「手口はわかりましたが……肝心の犯人はまだ不明ですね」

佐場木「【鞍馬のコテージやモーテルから薬とナイフを盗み】……」

土橋「【ジェニーに発電所関係の物を送りつけた】んだよね?」

道掛「【薬を飲んで強化してやがったんだよな】!」

遠見「【残った薬をばらまき鞍馬殿の隙を作り出して殺害】したのでありますな」

御影「そして【鉢合わせたジェニーも追いかけて殺した】」

苗木「だけど【もう手がかりがない】よ……」

津浦「ここまでわかっているのに……!」

赤穂「……」

そういえば……まだ謎だった事があるはずだ。
626 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 21:35:33.41 ID:mFIepzIA0
【もう手がかりがない】←【口の血】

赤穂「それは違ってるぞ!」


赤穂「いや、まだ手がかりはある!」

苗木「えっ、手がかりって何なの?」

赤穂「ジェニーの口についていた血だ」

兵頭「あれは刺された時に吐いたものでは?」

赤穂「俺も最初はそう思った。だけどジェニーの口の中は歯にしか血がなかったんだよ」

遠見「刺された場合の吐血なら口の中は血だらけになっているはず……」

佐場木「外部から付着した血痕の可能性が高いな」

道掛「すげえ血だったし、飛んだのがついたんじゃねえ?」

御影「でもジェニーの顔、血ついてなかったよね?」

六山「ねぇ……それってもしかしたら噛んだんじゃない?」

津浦「噛んだ?何をですか?」

六山「疑問だったんだよね。ジェニーさんが刺されたのが鞍馬くんが殺された後ならなんでジェニーさん、助けを呼ばなかったのかなって」

土橋「確かに、走也とか琴羽は起きてたみたいだし……それでなくても助けを呼ぶよね」

如月「口を塞がれて刺された……六山さんはそう言いたいのですか?」

六山「可能性はあるんじゃないかな?」
627 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 21:45:44.54 ID:mFIepzIA0
赤穂「口を塞がれて刺されたジェニーは……その時クロの手を噛んだ?」

苗木「でも怪我してる人はいっぱいいるし……」

佐場木「……いいや、これはクラヴィッツの遺した重要な証拠だ」

遠見「佐場木殿、では!」

佐場木「怪我をしている人間は当該箇所を言ってみろ」

赤穂「俺は、腹部の銃創だな」

御影「私は頭の怪我ぐらいだけど」

兵頭「私も御影さんと同じです」

津浦「ワタシも頭部を負傷しています」

道掛「美姫ちゃん止めてた時に振り払われて全身擦り傷だらけってぐらいか?」

苗木「うん、ボクも道掛クンと同じだよ」

如月「……以上の方々が怪我をしている人物ですか」

六山「うーん、噛まれた傷はないね……」

土橋「正直に言うはずもないだろうけど……」

赤穂「……」

あれ?

ちょっと、待てよ?

あいつ……おかしくないか?

……まさか。

お前なのか?

お前が、クロなのか!?
628 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 21:59:51.21 ID:mFIepzIA0
【苗木誠】

赤穂「お前が、犯人なのか?」


赤穂「……苗木」

苗木「どうしたの赤穂クン……そんな怖い顔して」

赤穂「お前、その擦り傷どこでつけた」

苗木「どこでって……もちろん土橋さんを止めた時に」

赤穂「本当か?」

苗木「ど、どうしちゃったの?ボクは本当に……」

赤穂「俺がジェニーの所に来た時……」

※※※※

赤穂「土橋は、ずっと?」

御影「うん……苗木が頑張って抑えてるから大きな事にはなってないけど、道掛とか何回も振り払われてたよ」

赤穂「そう、か」

※※※※

赤穂「牡丹からそう聞いた……そうだよな牡丹」

御影「えっ、あっ、うん。苗木はずっと土橋を抑えて……あれ?」

津浦「ワタシもその場にいましたが、確かにMr.苗木はMr.道掛のように振り払われては……えっ?」

道掛「お、おい苗木……なんでお前、俺みたいな傷あんだよ?お前が美姫ちゃん抑えてて、すげえって俺思ってたの覚えてるぞ!?」

土橋「ア、アタシもずっと誰かが抑えてたのは覚えてるよ……」

苗木「…………」

佐場木「苗木、これはどういう事だ」

遠見「苗木殿、まさか苗木殿が……アンノウンなのでありますか!?」
629 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 22:09:46.70 ID:mFIepzIA0
苗木「……は、ははっ、酷いなぁみんな」

苗木「ボクだって必死だったんだよ?土橋さんを止めなきゃってそればっかり頭にあってさ……」

苗木「まさかそれで疑われるなんて、思わなかったよ……」

六山「それはいいからさ、いつその傷がついたか答えてよ」

苗木「覚えてないよ」

兵頭「覚えてない?」

苗木「言ったでしょ?必死だったって」

苗木「その状態でいつついた傷かなんて覚えてるわけないじゃないか」

苗木「道掛クンと同じような傷だから自分のもそうだって勘違いしちゃったのかな?」

赤穂「そんな言い訳……!」

苗木「事実なんだからしょうがないよ……それとも赤穂クンはボクが犯人だって言うつもり?」

苗木「さっきまで如月クンしか犯人いないって主張だったのに随分簡単に主張変えるんだね」

赤穂「っ……!」

なんだ、なんなんだ?

目の前にいるのは本当にあの苗木なのか?

まるで違う、今までのあいつとは雰囲気が……!
630 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 22:28:17.71 ID:mFIepzIA0
※※※※

御影「……」

兄さん、黙っちゃった……

苗木「全く酷い言いがかりだよ……これが噛まれた傷じゃないなんて見ればわかるのに」

手を振りながら苗木は兄さんを睨み付けている……

その視線ははっきり言ってすごく怖い。

だけど、だけど……!

御影「苗木、犯人はあんただよ!」

私は、兄さんを信じる……

だってたった2人の兄妹だから!

私だけは、赤穂政城の味方でいるんだ……!

苗木「何か言った?」

御影「っ」

苗木の視線がこちらに向けられる……その無機質と狂気の間の目はあの私を滅茶苦茶にしたあいつを思い出して……

御影「あんたが……犯人だって、言ったの」

だけど負けない。

負けて、たまるもんか……!
631 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 22:41:26.11 ID:mFIepzIA0
【議論開始!】

コトダマ>>571
【モノクマファイル3】

苗木「はぁ……」

苗木「赤穂クンが黙ったと思ったら今度は御影さんか」

苗木「【兄妹】揃って酷い人だね」

御影「そんなの関係ない!あんたが怪しいのは事実でしょ!」

兵頭「【怪しい点がある】のは確かにそうです」

苗木「勘弁してよ……ボクが何をしたっていうんだ」

佐場木「なら申し開きはあるのか」

苗木「申し開きも何も勝手な言いがかりにどうしろっていうのさ」

苗木「御影さんは【色々病気抱えて】大変かもしれないけど」

苗木「それに付き合うほどボクはお人好しじゃないよ」

赤穂「牡丹……」
632 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 23:05:10.19 ID:mFIepzIA0
【色々病気抱えて】←【怪しい点がある】

御影「それは違ってるよ!」


御影「……なんで」

苗木「何?」

御影「なんで知ってるの?私の才能」

苗木「……!」

道掛「は?どういう事だ、牡丹ちゃんの才能……?」

土橋「それに病気って」

御影「……私の才能は【超高校級の被験体】」

御影「今、私の身体には普通なら死ぬ病気がたくさん巣を張ってるんだ」

御影「だけど私は死なない、死ねない……そんな体質なの」

如月「っ!?」

兵頭「御影さんがそんな……」

御影「今は私の才能はどうでもいいよ。重要なのは」

御影「兄さんと鞍馬しか知らない事をなんであんたが知ってるかだよ苗木!」

苗木「っ!」

御影「鞍馬とその事で話したすぐ後に私と兵頭は襲われた!兄さんと話した時には私は聞かれないようにしてた!」

御影「あんたなんでしょ苗木!兄さんを撃ったのも、私や兵頭を襲ったのも……鞍馬やジェニーを殺したのも!」

苗木「……どこまでも」

苗木「言いがかりをつけてくるねキミ達は!」
633 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 23:11:50.40 ID:mFIepzIA0
【パニックトークアクション開始!】

苗木「ボクは犯人じゃないんだよ」

苗木「さっきからそっちが言ってるのは状況証拠ばかりだ」

苗木「ボクに罪を着せたいのかな?」

苗木「本当に兄妹揃って……」

苗木【ボクを犯人にしたいなら決定的証拠を見せなよ!】



     土橋

なぜ        抑えられた?

     を

634 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/06(木) 23:20:03.18 ID:mFIepzIA0
【なぜ土橋を抑えられた?】


御影「これで終わりだよ!」


御影「じゃあ聞くけど……なんで土橋を抑えられたの」

苗木「は……?」

御影「運動系の才能の道掛は何度も振り払われて、あんたが振り払われてないのはどうして?」

苗木「それ、は……」

御影「それは身体強化してたから……じゃないの」

苗木「そんな事……!」

如月「……」

遠見「如月殿!?」

赤穂「っ!?」

それは一瞬の出来事だった。

如月が苗木に向かって放った拳は……

苗木「……やって、くれたね」

苗木に、受け止められていた。

如月「もはやこれしかなかったので」

苗木「……ああ、本当に」

苗木「最悪の気分だよ」

苗木は笑いながら、如月の腕を振り払う。

それは……苗木の身体強化を示す決定的証拠だった。
635 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 19:56:37.90 ID:zZqHgncA0
【クライマックス推理開始!】

ACT.1
大部分は兄さんの推理だと同じだと思う……今回の犯人は2人の人間を殺そうとしていたとかそれが鞍馬とジェニーだって事も。
だけど1つ違うのは……この犯人はかなり前から人を殺そうとしていたって事だよ。

ACT.2
犯人はあらかじめ鞍馬のコテージからあいつが使っていた身体強化薬を盗んでいた。
さらにモーテルから残りの薬とナイフも盗んで……閉じ込められて取りに行けなかった鞍馬にとっては気が気じゃなかったと思う。
そして犯人はジェニーと鞍馬に手紙を送って……2人が発電所に来るよう誘導したんだよ。

ACT.3
犯人は発電所で鞍馬に会うと持っていた薬をばらまいた。
それを拾うためにかがんだ鞍馬の頭に、盗んでおいたナイフを突き刺したんだよ。
薬をばらまかれた事に加えて犯人も薬を飲んで身体強化されてたから、鞍馬に抵抗なんて無理だったろうね。

ACT.4
そして次はジェニー……鞍馬が殺害される瞬間を見て逃げたジェニーを犯人は追いかけて。
道で捕まったジェニーは口を塞がれてお腹を刺された。
でもこの時ジェニーが犯人の手を噛んだ事が……犯人を追い詰める鍵になったんだ。

ACT.5
2人を殺した犯人は強化された身体を使って全速力でモーテルに戻った。
その後アナウンスが鳴るのに合わせて外に出た時に……噛まれた部分に新しく擦り傷を作ったんじゃないかな。
そして土橋を止める事で擦り傷を作っても不自然じゃないようにしたんだ。

ここ最近の一連の事件、その犯人は……

御影「あんただよ、苗木誠……!」

苗木「……あーあ」

COMPLETE!
636 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:00:28.13 ID:zZqHgncA0
モノクマ「うぷぷ、今度こそ終わりかな?」

苗木「……」

苗木はもう反論しない……どうやら、ここまでみたいだな。

赤穂「ああ、終わりだ」

モノクマ「それでは投票タイムとまいりましょうか!」

モノクマ「オマエラ、お手元のスイッチで投票をお願いします!」

モノクマ「オマエラの答えが正解?それとも不正解?」

モノクマ「運命はどっちだー!!」

         VOTE

      苗木 苗木 苗木

       チャッチャッチャー!


     【学級裁判閉廷!】
637 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:11:59.82 ID:zZqHgncA0
モノクマ「大正解ー!」

モノクマ「今回鞍馬類クンとジェニー・クラヴィッツさんを殺したクロは……」

モノクマ「苗木誠クンでしたー!」

道掛「な、なんでだよ!?なんで苗木が鞍馬とジェニーちゃんを……」

佐場木「この男がした事はそれだけではない」

遠見「赤穂殿を撃ち、死体を出さない方法で御影殿と兵頭殿を殺そうとしたアンノウン……」

兵頭「それが、苗木さんだとは……さすがに予想外でしたね」

如月「……混乱を防ぐために詳細は伏せますが、彼には他にも余罪があります」

苗木「……」

薄井とグレコリーの件だな……

津浦「Mr.苗木……何がアナタをそこまで」

土橋「誠がジェニーを殺したなんて、追い求めてた答えなのに信じられない……」

六山「ゲーム好きに悪い人はいないと思いたかったんだけどな……」

確かに苗木がここまでやるなんて、普段の姿を見ていたら想像出来ない。

赤穂「苗木……いったい何があったんだ?」

苗木「……」

御影「何か言いなよ。まさかこのまま黙りで……」

苗木「……………………」
638 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:13:56.48 ID:zZqHgncA0






苗木「あはっ……!」






639 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:21:56.64 ID:zZqHgncA0
苗木「あははははははははははははははははははははははっ!!」

苗木「ああ、もう駄目だ、我慢出来ない……!」

佐場木「貴様、何がおかしい」

苗木「だ、だって笑えるでしょ?」

苗木「こんなにあっさりと死んでいくんだよ……本当にボクの思うがままに殺しあってさ!」

苗木「所詮才能を持つ者もその程度の存在って事だ!これがおかしくなくて何を笑えばいいのさ!」

道掛「な、苗木!お前何を……!」

苗木「あれ、わからない?ボクがやったからだよ」

苗木「静音さんにサプライズの提案してそれを薄井クンが聞くように仕向けたのも」

苗木「四方院さんに静音さんの名前で手紙と雑誌送ってグレゴリークンを水族館に呼び出したのも」

津浦「なっ……!」

苗木「土橋さんを撃って赤穂クンに怪我させたのも、兵頭さんと御影さんを襲ったのも、鞍馬クンから薬とナイフを盗んで脅迫状を送りつけたのも」

苗木「今回鞍馬クンとジェニーさんを殺したのも!」

苗木「そして!」
640 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:23:21.63 ID:zZqHgncA0






苗木「今回このコロシアイを計画したのも!」

苗木「全部ボクの仕業なんだ」






641 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:35:20.94 ID:zZqHgncA0
赤穂「なっ……」

苗木が、黒幕?

このコロシアイを計画したのがこいつなのか!?

苗木「あはは、驚いた?まさか黒幕直々に殺人だなんて思いもしなかったでしょ?」

兵頭「……いくらなんでも予想外過ぎでは?」

苗木「まあ、我慢出来なかったんだ。ボクとしてはここにいる全員早く皆殺しにしたかったしさ」

津浦「な、なぜそんな……」

苗木による黒幕宣言。

それは少なからず俺達に混乱と衝撃を与えていた。

如月「……なぜ、こんなコロシアイを?」

それはおそらく、如月さんも例外じゃなかっただろう……

その証拠に、手は震えて、顔も少し青ざめていた。

あの【超高校級のヒーロー】であり【ジャスティスジャッジ】の如月さんがだ。

苗木「簡単に言えば希望のためかな?」

だけどそれとは対照的に苗木は事も無げに語る。

苗木「ねぇ、君たちは未来の希望だなんて言われて持ち上げられてるけどさ……」

まるで罪悪感など微塵も感じていないと言わんばかりに。

苗木は、語る。
642 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:36:38.22 ID:zZqHgncA0






苗木「自分達の存在がどれだけ周りを絶望させてるか、考えた事ある?」

このコロシアイがなぜ行われたのかを。






643 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:49:47.44 ID:zZqHgncA0
遠見「何を、言っているのでありますか……?」

苗木「……ああ、ごめん。やっぱり難しかったか」

苗木「君達みたいな自分1人で偉くなったつもりの屑にわかるわけないもんね」

佐場木「ここまで歪みきっていたのか……!」

苗木「選ばれた才能を持つ【超高校級】の生徒達。世間に希望だなんだと崇められてさぞかし気分がいいだろうね」

苗木「だけど君達の存在によってどれだけ本来評価されてしかるべき人が比較され、貶められ、絶望していってるか」

苗木「おかしいよね?少しだけの差なら切磋琢磨するライバルにだってなれる、次はって希望を持てる」

苗木「だけど【超高校級】というラベルはそれを全てぶち壊す」

苗木「希望ヶ峰学園が設立していた予備学科ってあるでしょ。確かにあそこは【超高校級】のラベルが欲しいだけの人間もいたよ」

苗木「だけど一番多かったのは……No.2として見向きもされなかった凡人なんだよ」

苗木「ああ、この世界は素晴らしいね!本当に狂ってるとしか思えない!」

苗木「そしてその象徴が君達なんだよ!」
644 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 20:56:07.99 ID:zZqHgncA0
苗木「そのくせ君達ときたらまるで自分1人で今の地位になれたって勘違いしてる」

苗木「芸能関係はファン、スポーツ関係はチームメイトやマネージャー、芸術関係は評価する人……」

苗木「そして何より敗者がいてこそ君達は輝ける!」

苗木「例えばやってるのがたった1人しかいない競技でトップに立ってもそんなの【超高校級】とは言えないもんね?」

苗木「君達が【超高校級】でいられるのは大多数の凡人達がいてくれるからなんだ」

苗木「なのに君達はそれを理解しようともしない」

苗木「挙げ句のはてに世界を滅茶苦茶にしたのも、その世界を管理者気取りで牛耳ってるのもどいつもこいつも才能のある奴らばかり!」

苗木「【超高校級】なんているから絶望が広まる……君達は異物なんだ、凡人達の希望を食らって世界に巣食う寄生虫なんだよ」

苗木「だからさ……」

苗木「早く死んでよ」

苗木「この世界を本当に支える大多数の凡人達が、希望を持って生きるために!」

苗木「さっさと絶滅しろよこの寄生虫!」

苗木「お前達は明確に害する絶望なんかよりはるかにたちが悪いんだからさぁ!」
645 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 21:08:35.80 ID:zZqHgncA0
苗木の言葉はどんどん熱を帯びていく。

その狂った考え方は……俺にはどうしても理解出来ない。

如月「……とんだ食わせものだったわけですか」

苗木「君と似たようなものだよ如月クン。君が犯罪者を殺して平和な世界を作りたいように、ボクは寄生虫を殺して平和な世界を作りたいんだ」

赤穂「……」

こいつは、狂ってる。

こんな狂った考えでみんなは殺されたっていうのか。

モノクマ「うぷぷ……いいねぇ!ボクが言うのもなんだけど実にイカれてるよ苗木クン!」

苗木「酷いなモノクマ。こんなに寄生虫達を消せたんだから褒めてくれたっていいのに」

御影「狂ってる……狂ってるよあんた……!」

苗木「んっ?」

御影「みんなが、いったい何したって……」

苗木「あはは、死ぬ病気大量に抱えて生きてる化け物に狂ってるとか言われたくないよ」

御影「っ……!」

赤穂「お前っ!!」

道掛「苗木、てめえ!!」

牡丹に対する暴言、俺はそれを許せなくて苗木に掴みかかろうとする。

だけどその前に。

土橋「うああああああっ!」

土橋が苗木の胸ぐらを掴んで地面に叩きつけた。
646 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 21:21:03.46 ID:zZqHgncA0
苗木「いてて……どうしたの土橋さん」

土橋「許さないっ!」

赤穂「っ、土橋!」

津浦「ひっ!」

苗木の頬に土橋の拳が入る。

その衝撃で飛んできた歯が、床に転がった。

佐場木「おい、やめろ!」

遠見「土橋殿!」

佐場木や遠見が止めに入るけど、土橋はさっきの比じゃないぐらいに暴れている。

まずい!このままだと土橋は苗木を……!

土橋「アンタはっ……」

道掛「お、おい美姫ちゃん!?」

兵頭「土橋さん、それ以上は!」

土橋「殺してやる、アンタなんか殺してやる……ナワキィィィィィィィィィィッ!!!!」

御影「っ!」

土橋の咆哮が響き渡る。

それは憎悪という言葉でも生温い感情の爆発で。

情けない事に、俺はそれに当てられて脚が震えてしまう。

だけど、これほどの言葉や拳を受けても……


苗木「いいよ?」


苗木は涼しげに、笑っていた。
647 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 22:11:28.00 ID:zZqHgncA0
土橋「……は?」

苗木「いやだから殺していいよ土橋さん」

笑う。

笑う。

笑っている。

苗木「ボクを殺せばキミは処刑される!あはっ!つまり寄生虫がさらに1人減るって事だ!」

自分自身の命さえ、こいつには俺達を殺すための道具でしかない。

苗木「ほらどうしたの殺しなよ!殺してみなよ!ジェニーさんの仇だよ?ほらほら!」

土橋「うっ、あっ」

土橋の手を掴んで、自分の首に持っていく苗木。

力を込めればきっと首が絞まって苗木は死ぬ。

苗木「出来ないの?」

土橋「あっ、あっ……」


苗木「じゃあボクがやるよ」


赤穂「っ、土橋!離れろ!」

苗木の笑みに寒気を覚えた俺の言葉もむなしく。

土橋「あっ」

苗木は土橋の腕を掴むと……息をするように、骨を折った。

土橋「ーーーーーーっ!!?」

腹に響くような嫌な音の後、声にならない悲鳴をあげて土橋が床を転げ回る。

遠見「土橋殿!っ、今治療を!」

苗木「あはは、ボクが薬飲んでたの忘れるなんて頭悪いなぁ」

止まらない、止められない。

この悪意に満ちた男はどうしたら止められるんだ。

そんな絶望にも似た心は……

モノクマ「じゃあそろそろ始めようか!」

よりによって、こいつに救い上げられた。
648 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 22:22:07.97 ID:zZqHgncA0
苗木「あっ、もう?」

モノクマ「このまま任せてたらただの虐殺映像になっちゃうからね!キミも満足したでしょ?」

苗木「仕方ないな……まあ、こんな世界にも嫌気が差してたしそろそろ退場しようかな」

津浦「み、Mr.苗木……?アナタも処刑されるんですか?」

苗木「えっ?当たり前だよ。ボクは裁判で負けたからね」

佐場木「貴様……」

苗木「あはは、それじゃあモノクマ!寄生虫の顔も見飽きたし始めてよ!」

モノクマ「それでは今回は、黒幕である苗木誠クンにふさわしいスペシャルなおしおきを用意いたしました!」

苗木「じゃあね寄生虫!せいぜい早く死ぬ事を願ってるよ!」

モノクマ「それでは張り切って参りましょう!」

苗木「あははははははははははははははははっ!!」

モノクマ「おしおきターイム!!」

苗木「あっ、そうだ」
649 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 22:22:57.87 ID:zZqHgncA0






苗木「君達の中に黒幕もう1人いるから」






650 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 22:26:47.74 ID:zZqHgncA0






     CONGRATULATION!!

  ナワキクンがクロにきまりました。

    おしおきをかいしします。






651 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 22:41:02.46 ID:zZqHgncA0
最後の最後にとんでもない爆弾を残して……苗木は処刑部屋へと消えていった。

※※※※

苗木クンがいるのはベルトコンベアーで流れる机の上。

それはかの希望と絶望へのおしおきを思い起こさせるようなそんな光景。

【既習】

【コロシアイ研修旅行黒幕苗木誠処刑執行】

モノクマの授業を聞きながら苗木クンは退屈そうにあくびをします。

その後ろでは彼を潰さんとプレスが大きな音をたてていて。

ゆっくりと迫り来る死の気配……しかし苗木クンはどうでもいいのか眉1つ動かそうとしません。

そしていよいよ苗木クンの座る机がプレスの下に……入ると同時に穴が開き、苗木クンは穴の中に落ちていきます。

それはあの希望の再現なのか……モノクマが穴を覗くと大きな音をたてて下から何かが上がってきます。

そして。

槍だらけの鉄板に串刺しにされた苗木クンが。

そのまま止まっていたプレスと上がる鉄板に押し潰されました。
652 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 22:53:28.70 ID:zZqHgncA0
モノクマ「エクストリィィィィィィィムッ!!」

モノクマ「苗木クンもお疲れ様だったね!これからはボクが改めてコロシアイを盛り上げていくよ!」

如月「モノクマ……苗木さんの言葉は本当なんですか」

モノクマ「うぷぷ、黒幕がもう1人って話ならボクがその証明でしょ?」

兵頭「それでは本当に……」

津浦「黒幕が、ワタシ達の中に……?」

モノクマ「うぷぷ、まあそこのところはノーコメントって事で!」

土橋「……」

遠見「っ、土橋殿を治療したいのでありますが」

モノクマ「うん、もう戻っていいよ!うぷぷ、これからもっともっとコロシアイは絶望的になるから楽しみにしててね!」

モノクマが消えて、土橋を連れた遠見もいなくなって……

佐場木「もう1人、か」

如月「……まだ終わらないんですね」

道掛「もうわけわかんねえよ……」

六山「……ゲームする相手、いなくなっちゃった」

そしてどんどん人が減って……

赤穂「……」

御影「……」

俺と牡丹だけが、残された。
653 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 23:04:36.47 ID:zZqHgncA0
御影「……兄さん」

赤穂「……ありがとうな牡丹。代わりに苗木を、追い詰めてくれて」

御影「……兄さんは二回もあんな事してたんだね」

赤穂「……ああ」

御影「重い、ね。投票もだけど……直接追い詰めるのはもっと」

赤穂「……」

御影「ごめん、やらないといけなかったのはわかってるんだけどっ……」

牡丹はもう言葉にならないのか涙を流す。

それは緊張から解き放たれた安堵か、人を1人処刑へと誘った後悔か……

赤穂「……」

御影「あっ」

赤穂「俺の前で泣くのを我慢しなくていい」

だけど俺のやる事は変わりはしない。

御影「うっ、うううっ」

赤穂「……」

妹の涙を受け止めるのは……兄としての役目だからな。


そして絶望的な夜は明ける。




だけど俺はまだ理解してなかった。

絶望はまだこれからだという事に。
654 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 23:09:29.02 ID:zZqHgncA0






CHAPT.3【悪意のアンノウンは高らかに唄う】 END

生き残りメンバー11→10人

To be continued...






655 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 23:13:25.91 ID:zZqHgncA0






【作りかけのウサミ人形】を手に入れました!

【スマイルクラウン(未完成)】を手に入れました!

【幸運の千円】を手に入れました!






656 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/07(金) 23:29:46.90 ID:zZqHgncA0
CHAPT.3終了です。

色々あって筆を折っていましたが、ようやく再開する気力が戻りました。

なお今回のクロに関しては如月時代からの設定です。

希望厨絶望厨がいるならいわゆる凡人厨がいてもいいのではないかと思って産まれたキャラでした。

それではまた。
657 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/11(火) 22:11:48.08 ID:UHtObsmA0
【????】

「そうか、苗木が死んだか」

「……」

「あいつの作る世界には興味もあったんだけどな。真に凡人のみで構成された世界……」

「……」

「こっちの様子?ああ、薄井が動いた。弟がもう既に処刑されてたなんて知らずにな」

「……」

「もし地獄があるなら今頃再会してるんじゃないか?」

「……」

「で?お前はこれからどうするんだ」

「……」

「ふーん、コロシアイは続行……まあ好きにすればいいさ。協力といっても俺達がしてるのは情報交換ぐらいだからな」

「……」

「そろそろ戻る?ああ、わかったよ」
658 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/11(火) 22:13:55.32 ID:UHtObsmA0






佐木原「――じゃあな」

佐木原「お前の作るものが俺にとって興味深いものである事を祈ってるよ」






659 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/11(火) 22:14:51.94 ID:UHtObsmA0






CHAPT.4【そして希望は捨てられた】(非)日常編






660 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/11(火) 22:26:46.52 ID:UHtObsmA0
【赤穂のコテージ】

赤穂「……」

久々に戻ってきたコテージ。

そのベッドに座りながら俺は苗木に思いを巡らせていた。

このコロシアイの黒幕であり、何よりも才能を憎み滅ぼそうとしていた狂人。

赤穂「あいつが最期に言っていた事……」

黒幕がもう1人、俺達の中にいる。

モノクマはノーコメントと言ってはいたけど、それは肯定してるようなものだ。

赤穂「いったい誰が……」

考えても答えは出ない。

ここまで過ごしてきた相手だ、信じたい気持ちだって当然ある。

だけど苗木がああだった以上、もう誰が裏の顔を持つかなんてわからない。

そうしてグルグルと答えの出ない思考を繰り返す。

そんな無駄な時間を今俺は過ごしていた。
661 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/12(水) 21:11:46.18 ID:fSwyz+vA0
コンコン

「兄さん、私だけど」

赤穂「牡丹?」

ガチャッ

赤穂「どうしたんだ牡丹」

御影「新しい島に行けるようになったって」

赤穂「そうか……みんなも調査に?」

御影「うん、病院にいる土橋と遠見以外は行くみたい」

赤穂「……」

土橋……苗木に撃たれかけたり骨折られたならあいつは黒幕じゃないよな。

でもそう思わせる演技の可能性も……

御影「それと佐場木ともう1人のヒーローから伝言」

赤穂「伝言?」

御影「疑うのはこっちの仕事、だってさ」

赤穂「!」

御影「兄さん、どうせ苗木の言葉気にしてるんでしょ?」

赤穂「そりゃ、まあな」

御影「でも私も兄さんにはそういうの似合わないと思う」

赤穂「似合わないって」

御影「というか、ここには疑う専門が多いから……信じる専門がいてもいいんじゃない?」

赤穂「……」

信じる専門か……

赤穂「確かに、こうしてても何も好転しないしな……わかったよ」

御影「じゃあ早速新しい島に行こうよ。苗木がいなくなったとはいっても私1人はあんまり……」

赤穂「わかったわかった。俺も牡丹を単独行動はさせたくない」

御影「危ないから?」

赤穂「大切な妹だからだよ」

こうして俺と牡丹は新しい島に向かう事になった……
662 : ◆DXWxLR/SkYo1 [saga]:2019/06/12(水) 21:24:33.01 ID:fSwyz+vA0
【第4の島・ウインターアイランド】

ビュオオ……

赤穂「……」

御影「……」

わかってはいた。

第2の島は夏、第3の島は秋……ならこの第4の島は冬だろうとは。

赤穂「……」

だけどいくらなんでも寒すぎるだろう!

なんだよ、この吹雪は!

モノクマ「」カチーン

御影「に、兄さん、凍ったモノクマの幻覚が見えるよ……」

赤穂「あれは現実だ牡丹……」

凍ったモノクマの持っている温度計はマイナス20度を下回っている……気温の差が激しすぎてコロシアイなくても死ぬぞこれ。

御影「くしゅん!」

赤穂「風邪引くぞ牡丹。とりあえず俺の上着着とけ」

御影「兄さんは?」

赤穂「まあ、なんとかなるだろ……」

いきなり出鼻をくじかれた気はするけど、俺達は改めてこの第4の島の調査に入る事にした……
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