どうやら穂乃果がRPGの世界に入り込んだようです 2

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158 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/02(金) 23:07:58.79 ID:OmPPBvNE0
お待たせしました!!
やっと落ち着いたよ!!!!


#36【再始動と急停止】


世界樹の根元の石碑の前に光に包まれた9人が現れる。


穂乃果「ふぅ…この移動、なんだか変な感じ」


帰ってきたμ'sを、石碑の前にいた一人の男性が迎える。
石碑の前では、村の若者が交代制で待機していて、μ'sの帰りを待っていた。


男性「よく帰ってきてくれました!では、すぐに村長の部屋へ!」


海未「もう夜ですね…」


ことり「ほら、行こう!」


μ'sが村長の部屋に入ると、村長はμ'sにお礼をした。


村長「世界樹を守る結界が復活しました。本当にありがとう」


穂乃果「いえいえ!」


村長「それで、明日に宴を開こうと思っているのですが…」


絵里「あ…」


穂乃果「村長さんごめんなさい…私たち、先を急いでいて…明日の朝にはジーズを出ようと思っているんです」


村長「仕方がないですね…宿を手配してあります。そちらへ」


穂乃果「ありがとうございます!」


にこ「今日はぐっすり寝れそうね…」


海未「その前に、買い出しをしておきましょうか。まだ店が出ているみたいですので」


にこ「もっとぐっすり寝れそうね…」


村長「そういえば、次の目的地はどこですか?」


凛「イムタージュだにゃ!」


村長「それなら、イムタージュへの行き方を説明しておきますね」


翌日


希「出発する前に、村長のもとへ行きたいんやけど…」


希がそう言うと、村長がやってくる。


村長「私のところへ来るというのは『運命の腕輪』についてでしょう?」

159 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/02(金) 23:23:53.76 ID:OmPPBvNE0
希「そうです。この腕輪はこの旅に必要なものです…。なので、すべてが終わればこれを返しに来ます…」


村長「その必要はないですよ。その腕輪は、あなたたちのもとにあることが最善です。なので返しに来なくていいです」


希「…わかりました。ありがとうございます」


村長「信じていますよ。あなたたちの勝利を」


穂乃果「はい!ありがとうございます!」


ジーズの人たちはμ'sを力強く見送った。


すがすがしい晴天。穂乃果はピクニックしたいなと思いながら歩いていた。


絵里「村長から昨晩貰った情報を確認するわね」


絵里「これから目指すイムタージュは、ゴールゴストの西にある街。ゴールゴストは城と城下町の周りに広大な敷地を円状に所持していて、その敷地は巨大な外壁に囲まれているから、その外壁を目指して歩く」


希は地図を開いて「ここやな」と指差す。


穂乃果「えっ…?地図、あったの…?」


希「えっ?うん」


穂乃果「知らなかった…」


海未「いつもガンガン先頭を進んでいましたからね…」


穂乃果「見せて見せて!!」


穂乃果が地図を覗く。


穂乃果「……読めない」


ことり「あれ?でも、穂乃果ちゃんって今まで字を読めてた気が…」


穂乃果「これは…げ、げーぜ?」


ことり「なるほど…アルファベット表記だから…」


絵里「確認を続けるわよ。イムタージュは世界的に医療に優れていて、大病院もある」


花陽「確か、治癒魔法だけじゃなくて、魔法を使えない人でも傷や病気を癒すことができるんですよね」


凛「カガクってやつだにゃ」


絵里「そして大事なこと…」


絵里「遠い」


海未「急いでも3日はかかるでしょうね…」


にこ「やわらかいベッドでまた寝れるまで3日…」


穂乃果「よしみんな、急いでなおかつ疲れないように行こう!」


ことり「難しい要求だね…」
160 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/02(金) 23:54:51.03 ID:OmPPBvNE0
道中、平原で現れる魔物を難なく倒した直後…


にこ「んーっ!サクサクと魔物を倒せるってイイ!!」


絵里「あ、そういえば。穂乃果」


穂乃果「ん?なに絵里ちゃん」


絵里「ネックレスの力のホノカと戦った時、穂乃果が使ったことがないような技を使ってきたの」


穂乃果「穂乃果が?」


絵里「名前は『アークウェーブオレンジ』よ」


穂乃果「アークウェーブオレンジ…」


絵里「横に振りぬいた剣の軌道に合わせて、広範囲に魔力が炸裂する技よ」


穂乃果「そんな技、覚えがないなぁ…」


絵里「うーん…もしかしたらネックレスのホノカが最後までロックをかけていた技なのかもね…」


穂乃果「うーん…」


穂乃果は一度背中に閉まった剣をもう一度抜いて、自分の愛剣「フェアリー・サンシャイン」を見つめる。


穂乃果「…やってみよっか」


そう呟いて、自分の愛剣を強く握り水平に構える。


穂乃果「ふぅーっ…」


穂乃果はその剣に魔力を込める。
それを見ている数人も「おぉ〜」と言う。

そして穂乃果は一歩踏み出して剣を振りぬいた。


穂乃果「アークウェーブオレンジ!」


穂乃果の剣から放たれる魔力の斬撃は美しく鋭い。
普通の人間なら剣の軌道は見えず、オレンジの輝きが目に映るだけかもしれない。
素晴らしい斬撃なのだが…


絵里「それは…」


穂乃果「……オレンジスプラッシュが出た」


絵里「そうでしょうね」


穂乃果はしょんぼりする。


穂乃果「これからは、自分で技を覚えないと…。そうだ、みんなはどうやって技を覚えてるの?」


しかし、全員答えない。


穂乃果「えっ!?みんななんで答えてくれないの!?もしかして、今の穂乃果の剣技に圧倒されて…」


恥ずかしいから言えないだけだった。
161 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/02(金) 23:55:22.57 ID:OmPPBvNE0
今日はここまで
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/03(土) 19:06:07.40 ID:YxrMK53B0
更新来たか
163 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/10(土) 21:52:44.44 ID:EyYUW4Hv0
移動して3日。
ついに大きな壁が現れる。
その壁は地面に沿って建っており、その壁の終点は見えない。


希「この中の土地すべてがゴールゴスト…」


絵里「この壁沿いに歩いていけば迷うことはないわね」


にこ「えっ?絵里、まさか方向を間違えたの?」


絵里「間違えてないわよもう」


壁沿いに歩き続けると、目の前に大きな門とそこに出入りする多数の馬車や人を見かける。


海未「この中に入ればゴールゴストですね…」


ことり「あ、穂乃果ちゃん凛ちゃん。少しだけ入ろうとしてもだめだよ」


穂乃果「はははは入ろうとしてないよ」


凛「そうだにゃ!大きな門があるからワクワクしてるとかそんなんじゃないにゃ!」


花陽「凛ちゃん…そこまで聞いてないよ…」


凛「にゃ!?」


にこ「絵里、さっさと移動を再開しましょう」


絵里「そうね」


さらにそこから移動を続けて、1日。
野宿を終えて移動を再開したμ's。


穂乃果「あーっ!!!」


穂乃果が指をさす先には、周りを森に囲まれた大きな街があった。


穂乃果「あれでしょ!?」


絵里「そうだとおもうわ。あれがイムタージュ」


にこ「やっと…ベッド…」


凛「走るにゃーっ!」


穂乃果「あ!まってよ!!」


μ'sが続々と走っていく中、真姫だけはうかれていなかった。


花陽「…真姫ちゃん」


花陽が真姫に声をかけようとすると、にこに腕を掴まれて止められる。


にこ「やめておきなさい花陽」


花陽「だって…ジーズを出てから真姫ちゃんずっと…」

164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 00:50:39.10 ID:/bdeaN4SO
まきちゃん
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 23:22:01.35 ID:UmJRj2HA0
乙です!
真姫……。
大丈夫か?
166 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/15(木) 20:58:07.20 ID:3b8YFe/W0
μ'sの全員はイムタージュの街に入った。
イムタージュの街はかなり繁栄しており、人通りも多い。
家もたくさんあり、全箇所をまわるにはかなり時間が必要みたいだ。
そして、街の奥には大きな建物が見える。
まず全員で宿屋に行き、宿泊の手続きをして荷物を置かせてもらい、宿屋の外に出る。


絵里「んー、この街広そうだし手分けしましょうか。夕方にこの宿屋に集合しましょう」


海未「買い物はあとで行うことにしますので、全員で使う道具の購入はしなくていいですよ」


絵里「うん、それじゃあ解散にしましょう」


全員が違う方向に散っていく。


穂乃果「うーん…どこに行こうかな…」


穂乃果は街の奥を見つめて決める。


穂乃果「まずは、あそこだ!」


穂乃果はとりあえず、街で一番大きな建物に向かって歩いていく。
歩く途中でおいしそうな香りにつられそうになるが、穂乃果にはお小遣いを渡されていなく買えないので我慢して歩き続ける。


穂乃果「ついた…」


穂乃果が目指していた建物は、広い公園のような敷地を持っており、その敷地の中心にある。
敷地の入り口から少し歩けば建物の玄関に到着する。
人通りもあるので、敷地にはいって歩き出した。
敷地は花壇があったり木が生えていたりしている中、馬車や人が十分に通れる石畳の道も伸びている。
建物は見たところ8階建てで、横幅も音ノ木坂高校よりも大きいな。と穂乃果は感じる。
玄関は広く、せわしなく出入りしている人たちの格好からしてまるで……
と思ったところで、玄関から少し離れたところに何かが書いてある綺麗な石を見つける。


穂乃果「『ウッドプレーン』…?この建物の名前?」


穂乃果「最初は学校かなと思いもしたけど、やっぱりここが…」


真姫「そう、病院よ」


穂乃果「真姫ちゃん!?いつから後ろに?」


真姫「今。ここに来たら穂乃果が前を歩いてて。つけてきたわけじゃないわよ」


穂乃果「そっかぁ………。真姫ちゃん、ここ最近ずっと浮かれない顔してるけど…」


穂乃果がそう言う最中も、真姫はぼんやりと病院を見つめていた。


穂乃果「…真姫ちゃん、この病院と何かあるの?」


真姫「…」


穂乃果「真姫ちゃん?」


真姫「あ、えっ?ごめんもう一回言って」


穂乃果「あ、ううん。なんでもない」


真姫「さ、こんなところにいないで『つながりの羽』の情報を集めましょう」


真姫はサッと振り返って歩き出す。
167 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/15(木) 21:29:00.14 ID:3b8YFe/W0
穂乃果「あっ、まって真姫ちゃん!穂乃果も行くよ!」


穂乃果と真姫は病院の敷地から出ると別行動をとる。
穂乃果はフラフラ歩きながら話を聞く人を探すが、さっきの真姫の態度がどうも気になり情報を引き出せなく居た。


穂乃果「うう…誰にも聞けずもう日が暮れそう…」


すると穂乃果の鼻をつつむいい香りが…


穂乃果「…!これは!!」


穂乃果はお腹が空いていることもあり、その香りのほうへ一目散に歩いていく。


穂乃果「ここは!!パン屋!!」


お金がないことも忘れ、ふらふらと入っていく。


穂乃果「んん〜っ…いい香り…」


おばさん「いらっしゃい!どれにするんだい?」


穂乃果「お金…ないんだった…」


ギュルルルルルルル


穂乃果のお腹が鳴る。


おばさん「あらあらお金がないのに入ってきたのかい?」


穂乃果「あまりにいい香りで…」


おばさん「あら、ありがとう!それじゃあ何か好きパン一つ、サービスしちゃおうかしら!」


穂乃果「ほんとですか!?ありがとうございます!」


穂乃果はカウンターの前に並んであるパンの中からチョココロネを選び、貰う。


穂乃果「久しぶりにパンがうまい!」


おばさん「お嬢ちゃん、どこに住んでいるんだい?この街じゃ見ないけれど」


穂乃果「住んでる…うーんと…」


穂乃果(オリジナルっていう世界から、なんて言えないから…)


穂乃果「旅をしてるんです」


おばさん「すごいねその年で!何の旅だい?」


穂乃果「魔王を倒すために旅をしてるんです。『μ's』という名前のグループなんですけど…」


おばさん「μ's!聞いたことあるよ!お嬢ちゃん、μ'sなのかい!」


穂乃果「お恥ずかしながら…」


おばさん「私たちのために旅してくれてるんだろう?」
168 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/15(木) 22:01:43.43 ID:3b8YFe/W0
おばさん「ほら、これ持っていきな!確か9人だろう?」


そう言って、おばさんは紙袋に9つのパンを入れて穂乃果に渡す。


穂乃果「いいんですか!?ありがとうございます!」


おばさん「いいのよ!」


おばさん「それで、μ'sはどうしてイムタージュに?」


穂乃果「えっと、つながりの羽っていうものを探していて…」


おばさん「つながりの羽!?その羽はやめておきな」


穂乃果「えっ!?どうして!?」


おばさん「あの羽は、イムタージュの北にある洞窟にあるんだけれどね?その羽を求めて様々な冒険者やトレジャーハンターが向かっていったのよ」


おばさん「でも、帰ってきた人はいない。そのせいで、街の人たちは「死へ繋がる羽」だと恐れ、この情報を極力広めないようにしてた」


おばさん「けれど、一度広がった話は止めれない。その後も羽を求める人は後を絶たなかった。だから、この街で一番権力の高い病院長が洞窟へ行くのを禁止したの。洞窟への道は険しくて一本の道でしか行けないから、洞窟への道を整備して封鎖して通れなくした。あの病院の敷地が広いのは、病院の後ろにある「洞窟へ続く道」のせいでもあるのよ」


穂乃果「行ったら帰ってこれない……。でも私たち、どうしてもつながりの羽が必要なんです!」


おばさん「でもねぇ…」


穂乃果「この世界を魔王から救うために、その羽がどうしても必要なんです!」


おばさん「うーん…そこまで言うなら、病院長に話をしてみればなんとかなるかもねぇ」


穂乃果「病院長…わかりました!ありがとうございます!おいしかったです!!」


おばさん「はいよ!つながりの羽を取ってきて、もう一回店に来てね!」






穂乃果「あ!おーいみんなー!」


にこ「穂乃果、遅いわよ」


穂乃果「えっ!?遅刻!?」


海未「もう、にこもからかうのをやめてください」


穂乃果「そうだ!パン屋さんのおばさんからパンを貰ったよ!」


海未「買い物をしたんですか!?」


穂乃果「ち、違うよ!もらったの!!」


絵里「少し小腹がすいていたのよね。みんな食べましょう」


宿屋の前のベンチに座ってみんなでチョココロネを食べる。


ことり「うん!おいしい!」

169 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/15(木) 22:35:30.43 ID:3b8YFe/W0
希「食べ終わったら買い物いこか?」


凛「よーし!味わって食べるにゃ!!」


穂乃果「穂乃果も!満喫しながら食べる!」


にこ「にこだって!大事にゆっくり食べるわ!」


花陽「3人とも…買い物で歩きたくないのが見え見えだよ…」


海未「ほら3人とも、十分に味わって満喫しつつ感謝の気持ちを込めて大事に、そして素早く食べてくださいね」


凛「無理難題だにゃ!」


穂乃果「そんな器用じゃないよ!」


にこ「せっかく貰ったんだから思い出に残しておきたいでしょ!?」


海未「3人ならできますよ…だって、3人はμ'sなんですから!」


凛「μ'sは早食い選手じゃないにゃ!」


穂乃果「そうだよ!そういう海未ちゃんだっ…て…?」


海未「私はもう食べ終わっていますが?」


にこ「凛、穂乃果!海未の言葉に惑わされちゃだめよ!」


にこ「見なさい!花陽だって食べてるとちゅ…う…?」


花陽「にこちゃん…もうにこちゃんたち3人以外はみんな食べ終わってるよ…」


海未「そういうことです」


にこ「ぬゎんでよ!」


絵里「ほら、早くいくわよ」


結局3人は一気に口に押し込んで、先に行ってしまった6人を追いかけた。




絵里「ポーションと…エーテルも買わないとね」


希「毒消しも数個買っておく?」


穂乃果「ポーションとエーテルってすごいよねぇ…。飲むだけで傷がふさがるし、魔力がこみ上げてくるし!」


ことり「でも、使いすぎもよくないんだよ?」


穂乃果「そうなの?」


花陽「どちらも薬だからね…飲みすぎると体調がなくなるんだ」


穂乃果「確かに、一人5つくらいしか持ってないもんね…」
170 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/15(木) 23:11:08.10 ID:3b8YFe/W0
ことり「その点、回復魔法は便利なんだよ!いくら回復しても体調が悪くならないの!えっへん!」


にこ「でも、魔力が尽きたらことりが体調悪くなるわよね」


ことり「ぎくっ…」


海未「買い物が終わりましたよ」


絵里「それじゃあ帰り道で情報を共有しましょうか」


穂乃果「レッツてくてく!」


希「なんやそれ?」


穂乃果「バラエティボックス的な…?」


希「??」


穂乃果「ご、ごめんこっちの話…」

171 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/15(木) 23:11:39.40 ID:3b8YFe/W0
今日はここまでです。
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/16(金) 00:10:45.03 ID:tQqJEtWSO
ほのかわいい

まきちゃん
173 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/27(火) 22:29:12.87 ID:xQrjDwa90
年末にかけて多忙でしたがやっとゆっくりかける時間ができました!


凛「結局みんなで情報を共有したけど、出てきた言葉は『死へ繋がる羽』のことかぁ…」


花陽「うーん…行かないといけないよねぇ…」


絵里「…明日、病院長に直接話をしに行きましょう」


真姫「それじゃあ私はその時買い出しに…」


にこ「ちょっと真姫!!」


真姫「な、なに?」


にこ「あんた、何隠してるの?いい加減にしなさい!」


真姫「…ごめんにこちゃん」


凛「に、にこちゃん…」


にこ「いいのよ凛。真姫!私たち仲間でしょ?一人で抱えんじゃないわよ!」


真姫「っ…。ごめんなさい」


真姫「でも、何があったのかは明日分かるわ」


にこ「…そう。ならいいの」


穂乃果(…あっ!!もと居た世界の真姫ちゃんはそういえば)


翌日…


穂乃果「それじゃあ病院に行こう!」


真姫「ごめんなさいみんな、でももう少しだけ待って」


μ'sは大病院「ウッドプレーン」に向かう。


絵里「昨日ちらりと寄ったけれどすごい敷地ね…」


希「とりあえず玄関からはいろ?」





穂乃果「うわぁ…結構混んでるね」


海未「受付に行きましょう」


受付「おはようございます。どうなさいました?」


海未「ええと…病院長に用があるのですが…」


受付「申し訳ございません…ただ今病院長は手が離せない状態でして…」


絵里「そこをなんとか、なりませんか?大切な用なんです」


受付「事前に連絡などは入れていますか?」
174 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/27(火) 22:39:58.34 ID:xQrjDwa90
絵里「入れていませんが…」


受付「でしたら申し訳ありません…これから取り次ぐということはできないので…」


穂乃果「そんな…」


真姫「みんな、まかせて」


それまで9人の一番後ろにいた真姫が、受付カウンターの前にまで行く。


真姫「西木野真姫が戻った、と言えば通してもらえるかしら」


受付「ま…!?お嬢様!?お帰りなさい!!」


真姫「ええ、久しぶり」


受付「お嬢様のご帰宅となれば話は違ってきます。とり急いで院長との面会の手配をします」


真姫「私だけじゃなくて、この人たちも通してほしいの」


受付「わかりました。少々お待ちください」


凛「真姫ちゃんすごいにゃ…」


にこ「やっぱりそういうことね…」


受付「手配できました。院長室へご案内しますか?」


真姫「いえ、いいわ。この時間帯は忙しいでしょう?自分で行けるわ」


受付「わかりました」


真姫は8人を連れて廊下を歩いていく。
かなり広い建物だが、真姫はその中の一つの部屋を目指して歩く。


凛「真姫ちゃん何者!?」


真姫「病院はお静かに」


しばらく歩くと、少し大きなドアの前までくる。


ことり「院長室…」


真姫「入るわよ?」


真姫はそう言って深く深呼吸をし、ノックする。


中の男の人「入りなさい」


ガチャ


真姫「失礼します」


8人も真姫に続く。


最後尾だった穂乃果が入りドアを閉める。
そのまま振り向いて全員が向いている方を向くと、そこにはメガネをかけた男性が立っていた。
175 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/27(火) 23:02:50.18 ID:xQrjDwa90
穂乃果「っ…」


にこ「ほら穂乃果、あいさつ」


にこに小声でささやかれ、穂乃果はハッとしてから一歩前に出る。


穂乃果「急にごめんなさい。私たちはμ'sです」


男性「君たちの噂は聞いているよ」


そう言って少し黙ってから、男性は真姫の方を向いて口を開く。


男性「帰ってくるなら手紙くらいは送りなさい。急ではあったが部屋を用意してあるから、そこをこれからの仕事場にしなさい」


真姫「…ごめんなさい、まだ帰れません。μ'sとして世界を救う役目があるの。そのためにつながりの羽が必要だから…私たちを洞窟に行かせて」


男性「だめだ」


男性は、考えていないかのようなスピードで否定する。


男性「真姫が自分のペースで勉強したいと言ったからあの国へ出したんだ。あの時は、お前をたくましくするために送ったんだぞ。なのに、まだ帰ってこれずに世界を救うだと?許可できない。仕方ないから、今すぐ荷物を部屋に置いてきなさい。父である私が直々に、これからみっちり勉強を教えてやる」


凛(やっぱり親子だったにゃ!!)


真姫「本当にごめんなさい。でも、私はμ'sとして役割を与えられたの。パパ、お願い!世界を救うまで…魔王を倒すまで、待っていて!」


しかし真姫パパも退かない。


真姫パパ「真姫が世界を救わなくても、そこの人たちに任せていいのではないのか?真姫は、この病院で彼女たちを応援している。そういう形ではダメなのか?」


真姫「私は…みんなと行かなくちゃいけない。パパとママには悪いと思ってる。でも、二人には待っていてほしい…」


真姫パパは「仕方ない」と言って真姫を連れて部屋から出る。
「すぐに戻るからそこで待っていなさい」とμ'sに告げていく。
μ'sは一応部屋の外で待つことにする。
ほんの少しすると真姫が戻ってきたが、浮かれない顔をしていた。
真姫パパに連れられてまた部屋に入ると、真姫が8人の前に立つ。


真姫「…ごめんみんな。行けなくなったの」


花陽「ど、どうして?」


真姫「実は、ママが先週からずっと寝たきりの状態みたいで…。今会ってきたけれど、かなりやつれてた。体調もかなり不安定らしくて…。魔力は出ていなかったから病気だと思う」


真姫「旅をしている途中で倒れたみたいで、それで私も知らなかった」


真姫「…ママを放っておけない。だから、そばにいてあげたい」


真姫は強く言い放つ。


真姫「その代り、つながりの羽への洞窟へは行ってもいいと言われたわ。8人で、っていう条件付きだけれど…」


真姫「だから…ごめん…」


真姫は涙を流す。


絵里「真姫…」

176 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/27(火) 23:11:47.08 ID:xQrjDwa90
穂乃果「…わかったよ真姫ちゃん。泣かないで」


真姫は穂乃果をじっと見つめる。
他のメンバーは涙を目に浮かべながらもグッとこらえ、2人を見つめる。


穂乃果「μ'sは9人。離れていても、心は一つだよ」


真姫「うん…うん…。ありがとう…穂乃果…」


穂乃果は振り向いて7人に向けて口を開く。


穂乃果「まずは、私たち8人で羽を取りに行こう!今すぐに」


7人はうなずく。


真姫パパ「話はまとまったようだね。ついてきなさい。裏口からしか行けないようになっている」


8人は装備を整えて、先に部屋から出て行った真姫パパを追う。


希「行ってくるね、真姫ちゃん」


凛「グスッ…絶対取ってくるにゃ!」


花陽「つながりの羽はまかせて!」


ことり「心配しなくていいからね」


海未「応援していてくださいね」


絵里「みんなのことはまかせなさい」


穂乃果「絶対みんな無事に帰ってくるから!」


つぎつぎと部屋から出ていくのを、真姫はうなずきながら見送る。
そして最後の一人のにこの番。


にこ「……」


真姫「…?」


にこ「泣くんじゃないわよ。もう、情けないわね!」


にこはハンカチを取り出し真姫に渡す。


にこ「それで涙吹きなさい。それで、笑顔で出迎えて頂戴」


真姫「っ…」


にこ「いい?」


真姫「…。わかったわ」


真姫は涙を拭いて強く言い切る。


にこ「それでいいのよ。泣いてる顔なんて、全然似合わないんだから!」


そう言ってにこは部屋を出ていく。
177 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/27(火) 23:18:01.50 ID:xQrjDwa90
穂乃果「にこちゃん…」


にこ「ごめんなさい、今追いついたわ」


全員は足早に歩く。


穂乃果「絶対に…取ってこよう!そのあとのことは、無事に帰ってきてからだよ!」


真姫を覗いたμ's8人は、固い決意を胸につながりの羽を取りに行く。


真姫「必ず、帰ってくるのよ…」


#36【再始動と急停止】end...








次回のラブライブ!


#37【8人】
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/28(水) 04:30:44.18 ID:QLopwi1A0
乙です!

つながりの羽を手に入れる事ができるのか!?
179 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/28(水) 21:37:49.30 ID:n5SGINS70
#37【8人】


8人はで洞窟への道を進む。
病院の裏口の大きな柵の扉を開けてもらい、そこから険しい道を進み続ける。
道中で魔物は出てこないが、なにせ険しい。
洞窟の前にたどり着くころには、空は薄い黒に包まれていた。もう完全に夜だ。


穂乃果「ここでいいよね?」


にこ「ええ、疲れたけれど時間が惜しいわ。行きましょう」


洞窟の入り口はボロボロだが、妙に近寄りがたい。
μ'sはゆっくりと入っていく。
花陽が炎魔法を小さく灯して明りにし、一本道を進んでいく。


ことり「魔物は出てこないね…?」


にこ「気を付けていくわよ」


カチッ


凛「にゃ?足元で音がしたにゃ」


凛が足元を覗くと石のスイッチがあった。


カチカチカチカチ…


穂乃果「凛ちゃん危ない!」


穂乃果が凛に向かって飛び込み、凛と共に倒れこむ。
倒れ込むのとほとんど同じタイミングで、凛の上半身があった場所に一本の矢が凄まじい速度で通った。


ドサッ!!


凛「にゃっ!!」


穂乃果「危なかった…」


凛「あ、ありがとうにゃ…」


海未「これは…かなり注意しながら歩かないといけませんね…」


にこ「そうね…注意しましょう…」


そう言って、にこは壁に手をつく。
すると、その壁もカチッという音を立ててへこむ。


にこ「カチ…?」


希「にこっち下
180 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/28(水) 22:14:46.88 ID:n5SGINS70
ミスで投稿してしまった…


希「にこっち下!」


にこ「下?」


にこが下を向くと、さっきまで石の床だったはずがいつの間にか小さな穴が複数空いている。


にこ「やばっ…」


にこはすぐにその場から離れる。
すると、その穴から細長い棘が飛び出てくる。
にこはびっくりして倒れ込む。


にこ「ありがとう希…行ってくれなかったら確実にやられてた…」


ことり「ど、どうしよう…進みたくなくなってきたよう…」


絵里「こういう時に真姫がいてくれれば…観察眼で罠を見極めたり罠がありそうなところを考察してくれるのに…」


全員は黙り込む。


穂乃果「行こう。止まれない!」


絵里「そうね。進むしかないわ!」


μ'sは罠に引っかかりつつも、致命傷はうけずに進んでいく。
進むと少し広い場所に着く。


希「…不自然に広いね」


海未「注意しましょう」


そういって黙っていると、急に足元の床が開く。


凛「落とし穴!?」


穴は4つあり、その穴の上にいた者たちは落ちていく。


穂乃果「わぁぁぁぁぁぁっ!?」


穂乃果は凛と一緒に落ちていく。


凛「穂乃果ちゃん!下見て!下!!」


穂乃果が落ちていく先を見ると、そこには大きな棘がたくさんと、棘の間には骨が複数。
距離はそこまでないため、すぐにでも棘に刺さってしまう!
穴の大きさは5m程度で壁は石だ。


凛「どうしようどうしよう!!」


穂乃果と凛はほとんど同じスピードで落下しているが、凛のほうが軽装のため少し下にいる。
もう一度穂乃果が下を覗くと、穴は棘の少し上で終わっていて、棘がある空間は少なくとも穴より広い空間のようだ。

穂乃果は背中の剣を取り出し「ごめん」と一言つぶやいてから壁に突き刺す!


ガリッ!!


凛「穂乃果ちゃん!?」
181 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/28(水) 22:59:05.60 ID:n5SGINS70
突き刺すと同時に、剣を持っていない左手を凛に向けて伸ばす。
凛も伸ばすが届かない。
さらに、落下の中で剣が石から抜けてしまう!


穂乃果「わっ!?」


凛「このままだと串刺しになるにゃ!」


さっきまでは小さかった棘が今ではかなり大きく見える。
あと少しすれば二人は串刺しになるだろう。


穂乃果「凛ちゃんもう一回!!」


穂乃果はまた剣に「ごめんね」と言ってから、切先を石に浅く突きさす。
さらに背中に携えていた鞘の、肩から伸びていたベルトを掴んで肩からおろし、鞘の先を掴んで凛に向けて伸ばす。

凛は鞘を右手で強くつかむ。


穂乃果「凛ちゃんよろしく!!」


凛「なんとなくOKだにゃ!!」


穂乃果と凛はそのまま落ちていく。
剣を刺しても落下速度は落ちない。
ぐんぐん棘に近づき、穴から飛び出ようとする。棘はもうすぐそこだ。


穂乃果「いくよ!!」


穂乃果は右手に力を入れて剣の差し込みを少し深くする。
自分たちが落下している穴から飛び出る瞬間を見越し、それと同時に左手で持つ鞘を思いっきり下へ振り下ろし、振りぬく。
凛は鞘に全体重をゆだねていたため、鞘と共に振りぬかれていく。
穂乃果は、振り下ろした鞘と凛が穴から飛び出ると同時に突き刺していた剣を引き抜く。

穂乃果のスイングにより穴から広い空間に飛び出た凛は、斜め方向に飛んでいくので穴の下にのみ広がっていた棘たちは避けられる。
しかしそのままでは垂直落下する穂乃果は避けられない。
そこで凛は鞘を思いっきり引っ張った。
鞘を引っ張る力に体を預けていた穂乃果は、凛のいる方向に引っ張られていき、凛を振りぬいた穂乃果の力と凛が引っ張る力が合わさって棘の上を飛んでいく。
そのまま二人は棘の山のすぐ横に倒れ込む。


凛「にゃっ!」


穂乃果「いてっ!!」


二人は少し転がって上を向く。


穂乃果「…なんか、なんとかなったね」


凛「絶対終わったと思ったにゃ」


穂乃果は飛び上がり、自分たちが落ちてきた穴を見つめる。
落ちた空間には、壁の松明に灯がともっており、真っ暗ではない。


穂乃果「みんな…」


凛「凛たちで大丈夫だったんだし、他のみんなも大丈夫にゃ」


穂乃果「他のみんなはバラバラに…?」


凛「確か、希ちゃんとにこちゃん。かよちんとことりちゃん。海未ちゃんと絵里ちゃんっていうペアだった気が…」


穂乃果「よく見えてたね…」


凛「絶対にみんななら大丈夫!」
182 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/28(水) 23:47:41.66 ID:n5SGINS70
※上記で、落下する中で凛が下にいると書きましたが、穂乃果が下の間違いです。




凛「もし落ちた先のトラップが凛たちと同じなら…希ちゃんとにこちゃんなら、希ちゃんはサモンコネクトできるし落下速度を落とす魔法も使える。にこちゃんだってエアスライドがあるから希ちゃんにサポートしてもらえれば無事だよ」


穂乃果「希ちゃんが落下速度を落とす魔法を使えるってことは、同じ魔法を使える花陽ちゃんならことりちゃんをサポートできるしなんとかなると思う!」


凛「心配なのは絵里ちゃんと海未ちゃん…」


穂乃果「同じ罠なら、海未ちゃんが全力のラブアローストライクを撃つ反動を利用して回避できるんじゃない?」


凛「確かに、凛ならそうするかも」


穂乃果「……きっと、みんな大丈夫。私たちは進もう!」


穂乃果と凛は装備を整え、周りを見るとこの部屋から続く道がある。


穂乃果「行くしかない」


凛「行くにゃ!」


二人はそのまま進んでいく。
道中にはトラップは無く、二人は注意しながらも進んでいく。
するとまた広い空間に出る。


穂乃果「奥にまだ道があるよ」


凛「進むにゃ」


2人が歩いていくと、奥にある道の前に魔力の結界が張られる。


穂乃果「何!?」


そしてさらに2人の前に、魔力でできた2m程度の大きさの魔物が現れる。
魔物は4足歩行で、大きなトラのような姿をしている。


穂乃果「この魔物を倒さないと…先に進めないみたいだね。
183 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/29(木) 23:38:27.08 ID:eS0ZQ15H0
魔物「グルルルル…」


足の下から頭のてっぺんまでで2mあり、全長は5mはあるかもしれない魔物がうなり声をあげている。
穂乃果は剣を抜き、両手で持って構える。
凛も拳に少し力を入れて構える。


凛「穂乃果ちゃん、盾は?」


穂乃果「トラ?みたいな感じだし、盾で攻撃を防ぐよりは回避に専念しようと思って」


凛「なるほど…あ、敵が向かってきそう」


魔力でできた魔物は体が魔力でできていて半透明で、輪郭線が不安定に揺れている。
その魔物からにじみ出る魔力が急に大きくなり、穂乃果と凛に向かって飛び込んでくる。


穂乃果「来るよ!」


魔物は右前脚のかぎ爪を鋭くして凛を切り裂こうとする。
凛は魔物の攻撃を完全に見切って、バックステップで回避する。
かぎ爪は空を裂き、魔物は着地してからまた凛に飛びつこうとする。


穂乃果「こっち!!」


しかしその魔物に向かって穂乃果が接近し、左前脚を深く切り裂く。
魔物はその攻撃でぐらついてしまうが、咄嗟に後ろへジャンプして2人と距離を取る。


凛「ふぅ…あぶなかったにゃ」


穂乃果「凛ちゃんが後ろに避けてくれたから、穂乃果も攻撃できたよ。ありがとう」


凛「初速は速いかと思ったけど、もしかしたらそこまででもないかもしれないね」


穂乃果「みんなもこうやって魔物と戦ってるのかな?」


凛「かもね…。のんびり戦う暇はないかもね」


穂乃果「だね。あの魔物の攻撃もびっくりするほど速いわけじゃないし、最初から全力で行こう」


穂乃果は右手にフェアリー・サンシャインを持ち、左手に魔力を集中させる。
左手に持ちなれた感触が浮かび上がり、目をちらりと向けると、光魔力で形成されたフェアリー・エフェクトがあった。


凛「凛も全開!」


凛が深く構えると、2つの拳から雷魔力がバチバチと音を立ててはじける。
魔力の魔物はまた飛び込んでくる!
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 01:09:19.95 ID:0e8ero8V0
マメ2、告白、乙女式、ソルゲか
真姫ちゃん…
185 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2016/12/30(金) 22:41:03.55 ID:Z24Fe42j0
穂乃果は凛の前に飛び出しつつ、凛をちらりと見る。
凛は軽くうなずいて、拳の魔力を強める。

穂乃果は自分から魔物に向かっていき、右手に持つ剣にオレンジの魔力を纏わせ突っ込む。


穂乃果「スパイラル・オレンジ!!」


そう叫んで右手に持つ剣を突き出すと、穂乃果は加速して魔物に急接近!
加速する穂乃果に驚き、魔物は咄嗟に左かぎ爪で切り裂く!
しかし、穂乃果は体勢を低くしてそのかぎ爪を躱し、魔物の下から剣を突き上げる!
穂乃果は切先に魔力を集中させて、貫通せずに相手を突きで弾き飛ばすようにする!
魔物は、下からの衝撃とオレンジの魔力による切り裂きで上体を上に弾かれる。


凛「Ring a spark!!」


魔物の胸や腹があらわになり、凛はそこに向けて拳を突き出す。
突き出された拳から雷の魔力が放たれ、合計2発の電撃は魔物の胸部に直撃し、完全に体勢を崩す。

そして、魔物の下に穂乃果が入り込む。


穂乃果「くらえ!」


穂乃果は、2本の腕を胸の前でクロスして腰のよこに携えて魔力を込める。


穂乃果「オレンジクロス!」


一気に剣を振りぬき、2本の剣で魔力のXを描いて魔物の腹を切り裂く。
Xを描かれたオレンジの魔力は炸裂して魔物を吹き飛ばす。
吹き飛ばされて、空中で完全にひっくり返った魔物は背を下にして落下する。

その上から凛が飛び込んでくる。


凛「とどめにゃ!Ring a signal!!」


右手に込めた強烈な魔力を、拳の突きと共に炸裂させる。
上から腹部にクリーンヒットし、電撃は炸裂して部屋を駆け回る。


穂乃果「いつみてもすごい威力だなぁ…」


消滅していく魔物の上から降りた凛は、こぶしをにぎにぎしてから穂乃果の方を向く。


凛「この大きさの魔物をのけぞらせたり吹き飛ばす穂乃果ちゃんも不思議だにゃ」


穂乃果は魔力の剣を消滅させ、右手に持っていた愛剣を鞘に納める。


穂乃果「私は武器のおかげだよ。まぁ、行こうか!」


穂乃果と凛は進むのを再開する。
しばらく歩いていくと、かなり広い空間に出る。


凛「広いところだにゃぁ…」


穂乃果「あれ…?奥に何かが…?」


凛「穂乃果ちゃん!こっち見て!」


穂乃果「えっ?」


穂乃果が振り向くと、自分たちが出てきた道の近くに同じような道があり、そこから他のメンバーが出てくる。


穂乃果「みんな!」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/31(土) 10:59:29.94 ID:C/EpovASO
>>184
ソルゲというかStormだよな
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/04(水) 00:53:35.08 ID:2PM2M0dpo
面白い
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/08(日) 19:46:00.27 ID:PKeNMuPA0
乙です!
あの魔物達はなんだったんだろうか?
189 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/08(日) 22:19:05.39 ID:pASkxsK30
絵里「穂乃果!凛!無事だったのね!」


海未「目立った傷もありませんね」


ことり「合流できたよ花陽ちゃん!」


花陽「本当だ!そろってるね」


凛「そろってる?」


希「ウチらも合流したよ〜」


にこ「げ…最後かぁ…」


穂乃果「みんな無事でよかった…」


海未「この場所は?」


穂乃果「私たちも今来たからよくわかんない」


にこ「奥に大きな台座があるわね」


にこが指差した方向には階段があり、その上には台座がある。
台座まで行くには階段を使うしかなく、周りからよじ登ろうにも台座がある高台の周りは穴になっており登れない。


希「…それに、階段の前の床に大きな円が書いてあるね」


絵里「その円の真ん中に、人が一人立てそうな魔法陣…」


全員がいる空間は正方形のような空間で、周りは土ではなく石でできていて柱も見える。
台座がある高台の前にある大きな円はちょうど正方形の空間の中心に描かれており、大きな円の周りにも多少の空間があるので、大きな円が壁ぎりぎりまで広がっているわけではない。


穂乃果「とりあえず、この円を避けて台座まで登ってくる!」


穂乃果は7人に「ここにいて」と言ってから、階段へ向かう。
階段はそこまでの高さではないので、一段飛ばしで登っていく。
すると階段を上りきったところで見えない壁にぶつかる。


穂乃果「いでっ!?」


穂乃果はそのまま階段から転げ落ちそうになるが、グッとこらえる。


穂乃果「壁…?」


穂乃果はそーっと手を伸ばす。
すると指先に固い感触がある。
一応、他の場所も触ってみるが触った感じだと壁が一面に張られている。


穂乃果「やっぱり見えない壁がある…。それなら!」


階段を2段くらい下がって、右手で背中の剣を抜く。
剣を横に構え、オレンジの魔力を込める。


穂乃果「壁を壊す!」


穂乃果「スパイラル・オレンジ!」


穂乃果は一気に剣を突き出して、壁を貫こうとする。
しかし、魔力がこもった剣が壁に接触した瞬間に剣にこもっていた魔力が見えない壁に吸い取られて跳ね返ってくる。
190 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/08(日) 22:44:43.58 ID:pASkxsK30
穂乃果「えっ!?」


その魔力で大きく吹き飛ばされ、階段の上から地面に背中から落下する。


ドサッ!!


穂乃果「いでっ!!」


海未「穂乃果ーっ!大丈夫ですかーっ?」


海未が離れたところから声をかける。


穂乃果「いてて…」


左手で背中をさすりながら、大丈夫だと伝えるために剣をかかがて振る。


海未「大丈夫みたいですね」


にこ「見た感じ、見えない壁があるみたいね」


絵里「何かをして突破しないといけないのかしら?全力で攻撃して無理やり通る?」


希「だめやでえりち。今穂乃果ちゃんが壁に向かって攻撃したら魔力が跳ね返ってきた。あの壁は魔力を弾くんだと思うで」


絵里「じゃあ魔力を込めないで攻撃すれば…?」


花陽「穂乃果ちゃんがまた攻撃しに行かないし、壁も堅かったんだと思うよ」


絵里「うーん…じゃあ召喚獣は?」


希「召喚獣は魔力で呼んでるから、召喚獣の攻撃には自然とその幻獣の魔力がこもってるんよ。だから突破できないと思う」


凛「プラムに、飛んで取りに行ってもらうのも無理だとおもうにゃ〜」


ことり「そうだね。階段の前だけに壁を張るっていうのは守りが薄いもんね」


穂乃果は剣を持ったま少し考え、全員に提案をする。


穂乃果「この魔法陣が関係してるんじゃないかな?」


8人は魔法陣の周りに集まる。


にこ「やっぱりそうよね…」


穂乃果「ためしに穂乃果が乗ってみる」


穂乃果はそう言って魔法陣の上に立つ。
しかし何も起きない。


ことり「何も起きないね?」


海未「他にも何かしないといけないのでしょうか?」


凛「周りの円も関係してるのかにゃぁ?」


希「それじゃあ、穂乃果ちゃんは魔法陣の上に立って他のみんなは大きな円からも出よう」

191 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/08(日) 23:41:59.78 ID:pASkxsK30
7人は大きな円から固まって出る。
大きな円の中に穂乃果しかいなくなると、途端に大きな円の枠から薄い黄色の魔力が噴き出してドーム状の結界が張られる。
ドームの頂点は高い位置にいある天井に届いており、魔力でできた巨大なドームが完成した。


穂乃果「足元の魔法陣も光ってる!!」


するとドーム状の結界の壁から、音を立てて小さな炎の魔法弾が放たれる。
魔法弾は魔法陣の上の穂乃果めがけて飛んでいく。


穂乃果「わっ!?」


穂乃果がびっくりして魔法陣の上から出ると、出た瞬間にドーム状の結界も小さな炎魔法弾も音を立てて消滅する。


穂乃果「…あれ?」


ことり「ど、どうなってるの?」


にこ「今、魔法陣から穂乃果が出たからすべて消えたわよね?」


絵里「…完全に予測だけど、魔法陣の上で火炎魔法をさせ続ければいいんじゃない?」


凛「そういう感じかもしれないにゃ…」


穂乃果「よし!穂乃果やってみる!」


花陽「これが始まるのは、魔法陣の上に一人が立っていて大きな円から他のみんなが出たらってことだよね?」


穂乃果「そうだと思う!それじゃあやってみるね!」


穂乃果(火炎魔法はそこまで速くなかった…落ち着けば避けれる!)


魔法陣の上に立って構える。


穂乃果(魔法陣は小さいから動き回れない…。この場で避けないと!)


ドーム状の結界が張られ、壁から火炎魔法が放たれる!
穂乃果の顔めがけて飛んでくるが、穂乃果は軽く屈んで回避。
すると、後ろからボウッ!!という音がする。
穂乃果がちらりと見ると、後ろのドームの壁から火炎魔法が放たれる。


穂乃果「っ!!」


火炎魔法は穂乃果の足元めがけて飛んできているので、穂乃果は足をずらして火炎魔法を何とか回避。
魔法は水平に放たれているので、そのまま穂乃果の横を駆け抜けていく。

さらにいろんな方向から火炎魔法が放たれ、穂乃果を狙い飛んでいく。


穂乃果「結構ポンポン出てくるね…」


穂乃果はなんとか躱していくが、6発目を避けきれずに横っ腹に直撃。


穂乃果「いたっ!?」


穂乃果はその衝撃で吹き飛ばされて魔法陣から飛び出る。
倒れ込んだ穂乃果は魔法弾が直撃した箇所を確認する。


穂乃果「あれ?焼けてない…」


穂乃果「火炎魔法だけど、燃えないのかな?」
192 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/09(月) 00:29:32.48 ID:Gc7aLKvK0
にこ「見た感じ、あんまり痛そうじゃないわね」


ことり「でも、これはハードだよ…」


絵里「魔法弾の発射感覚も短いし、なにせあの場所から横に動けないのがつらいわねぇ…」


希「これはどうしようかなぁ…。真姫ちゃんがおれば、舞いながらかるーく受け流しちゃうんやろうなぁ…」


希「でも、ウチらでやるしかない!みんなで挑戦してみよ」


穂乃果「そうだね…」


穂乃果がとぼとぼ歩いてくる。


凛「次は凛だにゃ!」


穂乃果「結構速いよ!」


凛「まかせるにゃ!!」


シュイーン!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ボウッ!!ドスッ!!ニャァッ!?


凛がとぼとぼ歩いてくる。


凛「結構大変だにゃ…」


その後着々と挑戦するが、近接戦闘組は5,6発目で撃沈し遠距離組はかなり早い段階で撃沈する。
そして最後の一人のにこが挑戦する。


にこ「にこが決めてやるわ!」


意気揚々と挑戦するが、残念ながら6発目で失敗。


にこ「痛っ!?や、やるわね!!」


穂乃果「にこちゃんも失敗かぁ…毎回放たれる場所もランダムだから暗記ってわけにもいかないし…」


すると、大きな円の外側に魔力でできた魔物が出現する!


絵里「えっ!?魔物!?」


凛「これ、ここに来るときに戦った魔物と同じく魔力でできてる!」


希「ウチらも魔力でできた魔物と戦ったで!その時に戦った魔物よりは小さいし、人型やね」


花陽「でも盾と剣みたいなシルエットの魔力を持ってるね」


海未「結構出現してますよ?」


穂乃果「このまま放っておいたら大きな円の中に入り込まれて、魔法陣が起動しなくなっちゃう!」


ことり「食い止めよう!」


海未「固まって出現していないから、全員で大きな円を囲まないといけないですね!」


穂乃果「そうだね!散ろう!」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/09(月) 01:49:36.82 ID:MGebOfTP0
きたか
194 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/12(木) 21:40:47.04 ID:3G46PJnU0
穂乃果「にこちゃんは挑戦してほしい!」


にこ「にこが?」


穂乃果「にこちゃんが一番躱せると思う!」


にこ「…わかったわ!みんなやられるんじゃないわよ!!」


7人「了解!」


にこ以外の7人はほとんど等間隔で大きな円の外側に移動し、向かってくる魔力の魔物を食い止めていく。


穂乃果「ていっ!!この魔力の魔物たち…さっきも同じような魔物と戦った。この魔物たちは、なんとしてでも私たちに『つながりの羽』を渡したくないんだね!」


7人は、向かってくる複数の魔物をなぎ倒していく。


にこ「さてと…それじゃあにこも始めるわよ!」


にこが魔法陣を起動させて挑戦していくが、躱せる回数は増えて行ってもどうしても途中で攻撃を受けてしまう。
続ければ続けるほど火炎魔法弾の発射間隔が短くなっていく。
なので回避するにも無理が出てきてしまう。エアスライドを使ったりして躱したり、時には蹴りで弾くがどうしても追いつかなくなる。

しかし、にこも得た情報はある。
火炎魔法弾は完全に同じタイミングで魔法陣の上にいる人間に接触しない。
さらに発射されるときには大きな音が出るのでそれを頼りに見えなくても感知できる。
そして、魔法陣から体が完全に出たらアウト。逆に考えれば、少しでも体が入っていれば魔法陣は停止しない。ちなみに空中で魔法陣から出てもアウト。

ちなみに放たれた火炎魔法弾は、結界の壁にもう一度当たるとそこで消滅するため周りの7人に当たることはない。


にこ「くっ…何度やっても躱しきれない…」


周りのみんなも魔物を食い止め続けてはいるが…


穂乃果「ハァ…ハァ…。単体だと強くないのに、倒しても倒しても現れてくる…」


穂乃果は向かってくる魔物を斬り倒すが、倒すと同時に奥の方で新たな魔力の魔物が出現する。


海未「矢も尽きてきてます…」


海未は矢を節約して、隠していた刀で相手をしている。
他のみんなも思い思いに戦うが、体力の限界が近づいてくる。
それはにこも同じだった。


にこ「はぁ…はぁ…炎魔法を受けすぎて体が重くなってきた…」


にこ「みんなが頑張ってくれてるのに!!あと少しだと思うんだけど…どんどん連射速度が上がっていくのが大変…」


にこ「うまく躱したりいなす方法………あっ!!」


にこは周りを見渡し、穂乃果とことりを見つける。


穂乃果「にこちゃんも体力の限界が来てるんだ…」


にこ「穂乃果!ことり!」


穂乃果「にこちゃん?」


ことり「どうしたの?」


にこ「お願い!ことりのロッドと穂乃果の盾を貸して!」
195 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/12(木) 22:07:45.71 ID:3G46PJnU0
穂乃果「穂乃果はいいけどことりちゃんのロッドがなくなったら…」


希「ウチにまかしとき!」


プラムとサモンコネクトしている希が叫び、タロットを複数投げる。
するとそのタロットが広がって魔法陣を描き、その中からアルファングが召喚される。


希「ことりちゃんのかわりに戦って!」


アルファング「ガルルッ!!」


ことり「ありがとう希ちゃん!にこちゃん受け取って!」


ことりはにこに向けてロッドを投げる。
続いて穂乃果も風守の盾を投げる。

にこはロッド右手で、盾を左手で受け取る。


にこ「ロッドはなかなかの重量があるけれど、盾は軽いのね。風守の盾っていうのは伊達じゃないんだ」


にこ「さてと…」


にこは二つの道具を持って魔法陣の真ん中に立つ。
すると今まで通り、大きな円を枠にしてドーム状の結界が張られる。
すると左手の盾を足元に置く。


にこ「穂乃果!少し乱暴に使っちゃうかもしれないけどいい?」


穂乃果「うん!」


大きな音を立てて炎魔法弾が放たれる。


にこ「アクロバットに行くわよ!」


向かってくる炎魔法弾を、ロッドを使って薙ぎ払う。
器用にくるくる回して炎魔法弾を振り払い続けていく。


にこ「この連射速度ならまだいける…」


すると、徐々に連射速度が増してくる。
それを感じ取ると、すべて薙ぎ払わずに回避も入れていく。
そうしていくとどんどん連射速度が増えていく。


にこ「…っ!!」


回避したりロッドを使って薙ぎ払うのが無理だと判断すると、火炎弾を回避しつつ右足で地面の盾の持ち手をひっかける。
右足を振り上げて、火炎弾を盾で薙ぎ払う。そして足からすっぽ抜けた盾を右手でつかむ。

それを横目で見ていた穂乃果は「おぉ…」と感心する。
そのまま動きを止めずにロッドで薙ぎ払ったり、右手の盾で弾いたりして防ぐ。
しかし連射速度はまだまだ上がっていく。


にこ「こっからは自力じゃあ避けられなくなってくる速度…」


連射速度は、放たれた弾と次発の間の時間が1秒もなくなる。


にこ「こうなったら…」


にこは急にロッドを魔法陣の端に向けて振り下ろす。


にこ「ことりごめん!!」
196 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/12(木) 22:27:55.60 ID:3G46PJnU0
にこが全力で振り下ろしたロッドは、石である床にしっかりと突き刺さる。


ことり「それ丈夫だよ!」


にこ「よかった」


にこはロッドから手を離して、盾を使って薙ぎ払いつつ避ける。
しかしその場では避けれないような方向から火炎弾が飛んでくる。


にこ「一か八かよ!」


火炎弾を避けるとともに、にこは魔法陣の外へ飛び出す。


穂乃果「えっ!?それだと自爆…!?」


しかしにこはロッドを掴んで、ロッドを中心にして円を描くように回り魔法陣の中に戻る。
ロッドは魔法陣の中にあり、ロッドを掴んでいるにこの手は魔法陣の中にあるため魔法陣が停止しない。
魔法陣の中に戻ったにこはまた火炎弾を避け、厳しくなると魔法陣から出てロッドを使って戻ってくる。
そうやって回避し続けた。
しかし、またロッドを使って回るために外に出ると、回って向かう先から火炎弾が飛んでくる。


にこ(このままだと回ってる途中で火炎弾の攻撃を受ける!)


にこ「けど、空中はにこのお庭よ!」


右足を前に突き出して魔力を込める。
にこはエアスライドをして、回る方向を逆にすることで火炎弾を回避。
そうして魔法陣の中に戻ると、急に火炎弾の連射が止まる。


にこ「何?もう来ないの?」


すると、7人が相手をしていた魔力の魔物が急に消滅する。
同時に大きなドームも消滅し、高台の方からガラスが砕けるような音がする。
静寂に包まれる。


にこ「終わったのかしら…?」


穂乃果「やったよにこちゃん!!」


絵里「にこ、お疲れ様!」


にこ「な、なんとかなるわね!!」


そう言いつつ地面に座り込む。


ことり「かっこよかったよ!」


にこ「ありがとう…」


海未「さっきの音は高台の方からしましたね」


穂乃果「にこちゃん、見に行ける?」


にこ「ええ、大丈夫」


穂乃果は盾を拾ってから向かう。
にこはロッドを地面から抜き取り、深々と頭を下げてことりに渡す。


ことり「えっ!?頭を上げてよ!?」
197 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/12(木) 22:39:06.76 ID:3G46PJnU0
見えない壁は完全に消えていた。
全員が高台に上がると、台座の上に光り輝く何かが浮いている。


穂乃果「ごくり…。取るね」


穂乃果が手を伸ばして光り輝く者を掴むと、光は拡散する。
その中から、真っ白な羽が出てくる。
その羽はほんの少し光を帯びている。


穂乃果「つながりの羽…」


にこ「綺麗ね」


海未「手に入りましたね。真姫にも顔向けできます」


絵里「感動するのもいいけれど、すぐに帰りましょう?」


花陽「そうだね。この洞窟に入ってからかなりの時間が経ってるし、早く戻った方がいいかも」


凛「でも体が重いにゃ…」


ことり「それじゃあ、ここで少し回復してから戻ろう?」


穂乃果「あっ…帰り道がないよ?」


凛「そういえば…」


希「ウチらが通ってきた道の途中に梯子があって、その上から月明かりが差してたからそこから出れると思うで」


絵里「よかったわ…。それじゃあ少し休みましょう」


休んで体力を回復し、順番に梯子を上っていく。
梯子を上りきると、洞窟の入り口の近くに出る。


穂乃果「こんなところに穴があったんだ…」


海未「背が高い草に囲まれていますし、普通は見つけられませんよ」


凛「完全に夜だにゃ」


にこ「これは確実に真夜中ね」


絵里「急いで帰りましょう。帰りは近道とかないわよ?」


穂乃果は持っているつながりの羽を眺める。


穂乃果「私たち、手に入れたよ。真姫ちゃん」


全員が喜びながら足早に帰る。
8人が洞窟に入ってからかなりの時間が経っているのは確かだ。
そしてこの「かなりの時間」の間で、イムタージュでは大事件が起きていた。


#37【8人】end...
198 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/12(木) 22:39:45.75 ID:3G46PJnU0
次回のラブライブ!


#38【離れていても私は】
199 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/12(木) 22:41:07.49 ID:3G46PJnU0
今日はここまでです。
次の#38では少し時間が戻ります。
投稿ペースが遅くてごめんなさい…
頑張って投稿していくので待っていてくださいね!
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/13(金) 23:33:22.11 ID:VrqFLT9i0
面白い内容でした。
次回が読みたいです。
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/20(金) 19:09:05.25 ID:BlR7Ak7m0
気長に待ってる
202 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/20(金) 21:28:51.93 ID:2xvXOmyd0
#38【離れていても私たちは】


真姫「行っちゃった…」


つながりの羽を取りに行く8人を真姫はしっかりと見送る。
8人が見えなくなると、真姫は足早に病院に戻って仕事を行う。

自分の部屋で仕事用の服に着替えて、子供のころの間隔を思い出しながらせっせと働く。
オトノキザカで自分で勉強していた知識も活かされ、自分の成長を感じる。


真姫「ふぅ…」


真姫が事務仕事をしていると、若い事務員の女性から話しかけられる。


事務員「真姫お嬢様、よろしいですか?」


真姫「もう、そんなにかしこまらないで」


事務員「す、すみません!えっと、真姫お嬢様は踊り子としても活動していたんですよね?どうしてかと思いまして…。格好も、完全に踊り子のものでしたし…」


真姫「私がオトノキザカで勉強している時に、食べていくための仕事を探していたの。私が得意だったのは作曲と歌。だからそれを活かせる踊り子の仕事に就いたのよ。舞も結構すぐに習得できたし、どうしてか人気になれたから稼げたの」


事務員「真姫お嬢様はかわいいですし、スタイルもいいです!踊っていたらみんなメロメロですよ!!」


真姫「そ、そうかしら…?」


事務員「照れてるところもかわいいです!!」


真姫「もう!そんなにおちょくらないでよ!ほら、仕事して」


事務員「は、はい…」


真姫「…でも、ありがとう」


事務員(かわいい!!!!!)


真姫は職場に慣れていき、周りの職員も認めるほどの働きをしている。
そのまま夜まで働き、夜の御飯が職場から提供される。
真姫も事務室でみんなと食べる。


事務員「真姫お嬢様!今度はμ'sについて教えてください!!」


真姫「もう…しょうがないわね」


真姫はイムタージュまでのいきさつを簡単に説明する。


真姫「ーーーそして、イムタージュについて私たちは…」


真姫「別れたの」


胸が苦しくなり、真姫は険しい顔をする。


事務員「ご、ごめんなさい!そんなつもりはなくて…」


真姫「いいの。私が選んだ道だもの。ここでめげていられないわ」


そのまま仕事が終わり、仕事の空き時間があれば寄っていた母の病室へ行く。


203 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/20(金) 21:55:10.62 ID:2xvXOmyd0
ガチャ


母の病室の扉を開けると、そこには父が立っていた。


真姫パパ「真姫か。ちょうどいい、私は仕事に戻る」


真姫「う、うん」


真姫パパは部屋から出ていく。
時刻は深夜前。
真姫は自分の部屋で普通の部屋着に着替えており、制服はもう着ていない。

険しい顔で眠っている母を看病する。


真姫「ママ…」


ひと段落つくと、真姫は部屋の窓を開ける。
真姫の母の部屋は玄関側の4回に位置しており、窓からは正面玄関の前に広がる病院の敷地と街並み、森が見渡せる。


真姫「いったい、何の病気にかかっているの…?」


真姫ママの胸部に手をかざし、集中する。


真姫(一度確認はしたけれど、あの時は急いでいたし魔力を読み切れなかったのかも…)


魔力を読み取ろうとしばらく挑戦する。
するとほんの少しではあるが、確実に母のものではない魔力を感じる。


真姫「!?」


真姫がハッとすると、母のものではないと思われる声が、母の胸元から発せられる。


???「気づかれたか。だがもう遅いぜ」


真姫「な!?」


すると、真姫の母が苦痛の叫びをあげる。
その中で、母の胸元から大量の闇の魔力が飛び出し、窓から外に出ていく。


真姫「なに!?」


真姫が窓から顔を出すと、大量の闇魔力は病室の敷地の真ん中にこぼれ落ちて小さな池のように広がる。


真姫「ママ!!」


真姫が母の容態を確認すると、かなり汗をかいていて息も荒いが叫んではいない。
すぐに廊下に出て、ちょうど近くを歩いていたナース2人を呼びつける。


真姫「お願い、そっちのあなたは病院長を呼んできて!もう一人のあなたはここでママを見ていて頂戴」


ナース「わ、わかりました!」


真姫「今起きたことを簡潔に説明するわ!」

204 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/20(金) 22:52:52.89 ID:2xvXOmyd0
ナース「そんなことが…わかりました!すぐに院長を呼んできます!」


真姫「お願い!」


真姫はそういって、もう一度真姫ママの部屋の窓から外を見る。
さっき広がっていた闇の魔力による池から複数の魔物が出現している。


真姫「まだ進行してないけど…ゆっくりではあるけど数が増えてる…」


真姫パパ「どうした!!」


病院長が走って入ってくる。


真姫「みんなの避難をお願い!!」


真姫パパ「待て真姫!何があった!」


真姫「このままだとこの病院にいるみんなが犠牲になるの!私が止めに行く。だからこの病院にいる人たちを、この敷地内の安全なところへ移動させて!」


真姫パパ「な…!?」


そう言って、真姫は部屋から出て行こうとする。
そうすると真姫の母が真姫の名を呼ぶ。


真姫「ママ!?」


真姫の母はしっかりと目を開け、真姫を見つめる。


真姫ママ「私の中に入っていたものは、恐ろしく強大よ…」


真姫ママ「気を付けて…」


真姫ママはそう言ってまた気を失う。
拳をしっかりと握って、真姫は頷く。
「今日くらいは許してね」と言って、真姫は廊下を全速力で走る。
向かう先は自分の部屋。

同じく4階の自分の部屋に着くと、今自分が持っている回復道具をありったけかき集める。
ポーションx2、ハイポーションx1、エーテルx2

そして愛用の扇である「紅蓮の扇」を掴む。
さらに、にこから受け取ったハンカチを取って玄関へ向かう。


玄関へ向かう途中で、避難は素早く行われていた。


真姫「パパ…ありがとう!」


ホールへ着くと、剣を持った筋肉質のゴブリンが侵入してきていた。
まだ逃げ切れてない人もいて、ゴブリンに襲われかけている。
ゴブリンは3体。侵入してきたばかりで、玄関の近くにいる。


職員「嫌!!来ないで!!」


ゴブリン「くたばれ!!」


ゴブリンは剣を振り上げ、女性職員を斬り飛ばそうとする。


真姫「灼熱飛翔扇!」


真姫が魔力を込めて投げつけた扇は、炎をまといながらゴブリンの手元めがけて飛んでいく。
ゴブリンが剣を持つ方の手を薙ぎ払った扇はブーメランのように真姫の手元に戻ってくる。
攻撃されたゴブリンの手元から剣が吹き飛ぶ。
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/25(水) 04:50:05.30 ID:qphxFnFA0
乙です!

つながりの羽を手に入れたけど、真姫達の方は大変な事に……。
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/25(水) 19:16:42.25 ID:5QhkWv1b0
更新乙です!街の救出ににこちゃん達は間に合うのか…?
207 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/29(日) 20:28:59.87 ID:B8hfcVV30
ゴブリンA「なんだ!?」


真姫「悪いんだけれど、この時間帯は診察していないの。帰ってくれる?」


ゴブリンB「うるせぇ!消えろ!」


ゴブリンBがそう言う前に、真姫は走り出していた。


真姫「灼熱飛翔扇」


もう一度扇に魔力を込めて投げつけると、その扇はゴブリンBの足を薙ぎ払う。


ゴブリンB「うおっ!?」


また扇は自分のもとに帰ってきて掴む。
さらに接近していくが、ゴブリンBは剣を握りしめて真姫を迎え撃とうとする。


真姫「届かないのよ」


ゴブリンBが振りぬいた剣を真姫は軽くいなす。
舞うかのように動くだけで、ゴブリンBの剣の軌道だけがずれる。


真姫「火炎扇爪」


扇に炎魔力が付加され、爪のように鋭くなる。
その炎の爪でゴブリンBの腹をえぐると、ゴブリンBはたまらず消滅する。


真姫「みんな逃げて!」


真姫にそう言われると、腰を抜かしていた職員たちも立ち上がり逃げていく。
ホールには真姫とゴブリン2体しかいない状態になる。


真姫「この病院は大切なものなの。出て行って」


ほんの少しすると、玄関から敷地にかけてゴブリン2体が吹き飛んでくる。
魔物たちは驚くが、そんな暇もなくゴブリン達は空中で消滅する。


魔物たち「なんだ!?何が起きているんだ!?」


魔物たちが、薄暗い病院の玄関を見つめていると中から小さな影が出てくる。


真姫「よくやってくれたわね」


闇の魔力の上に立っている魔物たちは真姫を見つめている。


真姫「あなたたちのリーダーは誰?」


細い魔物「私だ」


魔物たちの真ん中に立っていた、細い男性のような魔物が返事をする。
人型ではあるがしっぽもあり皮膚も黒い。


細い魔物「お前の母の体に入り込んでからみごとにばれなかったものだ」


真姫「どうしてママに…」


細い魔物「この病院を奇襲する方法として、あの方から提案されたものだ」


真姫「まさか…レディアフト…?」
208 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/29(日) 20:52:27.20 ID:B8hfcVV30
細い魔物「我らがマスターであるグロノム様だ」


真姫「グロノム…?」


細い魔物「魔王軍幹部であり、魔物錬金術の師だ」


真姫「魔物錬金術…?魔物をくっつけたりするってこと?」


細い魔物「そうだ。それにより生み出されたものが我だ」


細い魔物「もうおしゃべりは終わりだ。勝負だ西木野真姫。たった一人でどこまで耐えれるか?」


真姫「っ…」


細い魔物が指示をすると、闇魔力の池の上に立っていたさまざまな魔物が10体程度真姫に向かっていく。


真姫「パッと見は今まで戦ってきた雑魚と変わらない…。10体程度なら、いける!」


真姫はその場でくるくると舞う。
そして数秒の舞を終えてから10体の魔物に向けて扇を振るう。すると扇から魔力の鎖が5本飛び出す。
走って来ていた魔物たちのうち5体は、飛んできた魔力の鎖によって動きを止められる。
それに驚いて魔物が少し止まると、鎖に縛られていた魔物5体に向かって5発の上級炎魔法がその魔物の頭部をえぐる。
4足歩行の獣だったり、二足歩行の獣人のような魔物だったり、さまざまな種類の魔物がいるが、そのうち5体がこの攻撃で消滅する。


真姫「鎖錠の舞と爆熱演舞よ。さ、次」


残り5体の魔物が奇声を上げて真姫へ突っ込んでくる。
真姫は軽く走り出し、扇を振るう、


真姫「風よ…」


真姫の足元から風が吹き出し、真姫の体は宙に浮く。
そのまま魔物たちの真上にまで飛んだ真姫は、扇に風のような炎魔法をまとわりつける。
そして一気に、真下にいる魔物たちにむけて扇を振り下ろした。
扇から放たれた炎の風は魔物たちの間を抜けて地面に接触すると、地面を這うように炎風が広がる。
炎風にやかれた魔物たちはたまらず消滅する。


真姫「これは情熱の炎風」


真姫は着地してから扇をくるくる回して説明する。


細い男性「ほう、踊り子もそこまで甘くないか」


真姫「今の私は踊り子じゃなくて上級職であるスーパースターなのよ?」


細い男性「ならば、これならどうだ?」


細い男性がまた手を振るうと、闇魔力の池からかなり筋肉質で高さだけで2m程度あるだろう巨漢な魔物が3体登場する。


細い男性「力でひねりつぶそう」


巨漢3体はうなり声を上げながら真姫に突進していく。


真姫「どう来ても受け流すのみよ」


先頭を走ってきた巨漢Aが右の拳を振り下ろす。
しかしその拳の軌道はほんの少しそらされ、対象に当たることはなかった。
真姫が舞を応用した動きで、扇で拳の動くルートをなぞり軌道をずらしつつ回避したのだ。


真姫「攻撃だってするわよ!」
209 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/01/29(日) 21:15:38.02 ID:B8hfcVV30
回避しながら扇に魔力を込めて、巨漢Aの脇腹を炎のかぎ爪で切り裂く。
巨漢Aの脇腹はしっかりと斬りつけられ、多数の血液が飛び出す。


真姫「攻撃の手は止めないわ!」


攻撃した後の体の向きから、舞うことでもう一度扇で切り裂く体勢に移る。
しかし、視界の端から巨漢が2体突っ込んでくる。


真姫「くっ…」


巨漢Bと巨漢Cは同時に到着して、巨漢Cは真姫の後ろに回り込む。
巨漢Bは、Cが回り込んでいる間に右の拳を突き出す。
真姫がステップを踏んでその拳を後ろに避けるが、避けた先には巨漢Cがいる。
巨漢Cは待ってたと言わんばかりに右足を浮かせて振りぬく。
なんとかして受け流そうとする真姫だが、扇に当てることはできても受け流しきれずに蹴りを右脇腹に受ける。

真姫は吹っ飛ばされるが、そのすぐ先に巨漢Aが居て真姫が向かってくるのに合わせて拳を振りぬく。
右肩を大きな拳に殴られた真姫はまたふっとばされて地面を転がる。


真姫「くっ…」


細い魔物「やはり…あの巨漢に殴られても骨すら折れていないようだな。丈夫なものだ」


真姫が起き上がると、すでに巨漢AとCが向かってきていた。
立ち上がりつつ舞を踊り、真姫が扇を振るうとそこから上級炎魔法が放たれる。


真姫「爆熱演舞!」


巨漢AとCに直撃するが、体勢は崩れない。
そんな2体の間から巨漢Bが飛び出してくる。
Bは拳を連続で振り下ろす。
真姫は避けつづける。


真姫(スピードはそこまでじゃない!)


Bがまた拳を大振りした後に、扇を巨漢Bの腹部に付ける。


真姫「零距離からの、爆熱演舞!!」


扇から連続で放たれる強力な炎魔法は巨漢Bに大きなダメージを与える。


巨漢B「グオオオオオ!!」


巨漢Bは倒れ行く中で右足を振り上げる。
その足が真姫の扇に直撃して、扇だけ吹き飛ばされる。


真姫「っ!!」


巨漢Bは消滅していくが、AとCが同時に突っ込んでくる。
同時に2体が大きな拳を突き出してくる。


真姫「扇が…」


扇はまだ宙を舞っている。


真姫「なんて、うまくいかないわよ!」


真姫「炎鎖の舞!」


宙を舞っている扇に向けて右手を突き出すと、扇から真姫の手に向かって炎の鎖が伸びてきて真姫は掴み取る。


210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/02(木) 18:55:57.14 ID:6G7e3U1T0
更新乙です〜次も期待してます(*´?`*)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/03(金) 13:27:23.05 ID:v6ZGI/iR0
乙です。面白い
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/05(日) 14:19:17.86 ID:eUDSUGTA0
乙です!
おお、真姫一人でも強い!
これは勝てる……か?
213 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/06(月) 20:39:47.33 ID:Ets8NNVq0
申し訳ないです!
風邪をこじらせてしまってまだ投下できそうにないです…
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/11(土) 06:03:17.61 ID:t4x/35o10
いつまでも待ってますよ〜(´∀`*)
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/11(土) 10:19:28.89 ID:2aKG+TkCo
一人が自演しててワロタ
そんなに応援してんなら安価とってやれや
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/11(土) 15:58:57.90 ID:JkzQ8nrI0
誤爆?
217 : ◆G2i9TD/uc6FP [sage]:2017/02/14(火) 01:18:46.35 ID:SS7tUiQy0
かなり日が!!!!!!
ごめんなさいみなさん……
生きていますので、ゆっくりできる時間を早く見つけたいと思います
218 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/14(火) 21:17:38.84 ID:SS7tUiQy0
真姫「掴んだ!」


炎の鎖を引き寄せ、鞭のようにふるう。
扇は炎をまとって巨漢AとCの腹部を打ち付ける。


巨漢A「グオォォッ」


真姫「まだまだ!」


鞭のように薙ぎ払い続ける真姫、大きくふるって巨漢Aの脇腹を攻撃する!


巨漢A「ゴァッ…」


真姫につけられた傷に攻撃が直撃して大きく傷口をえぐられる。
体力が付き、巨漢Aは消滅する。

巨漢Cは、Aがやられている隙に真姫に詰め寄る!
そのまま炎の鎖を振るっても、距離を詰めたCには扇は直撃させられない。


真姫「っ!」


炎の鎖を強く握って魔力を込める。
すると炎の鎖はきらめき、急に収束していく。
扇は真姫の右手に向かって急速に戻ってくる。
巨漢Cが真姫に向かって攻撃をしようとするときに扇を掴みとる。


真姫「くらいなさい!」


ゆらりと舞いながら巨漢Cに急に詰め寄り、虚を突いてCの腕に扇を接触させる。


真姫「灼熱乱舞!」


扇から放たれた複数の炎はゼロ距離で巨漢Cの腕を燃やす。
さらに炎は強くなっていき、やがて体は焼き尽くされる。


真姫「はぁぁぁぁぁっ!!!」


魔力をどんどん注ぎ炎を絶やさない。
巨漢Cはついに消滅する。


真姫「はぁ…はぁ…」


離れた場所でこちらを見ている細い魔物が攻撃してこないのを瞬時に確認し、懐からポーションとエーテルを取り出す。
先にポーションのふたを開けて、一気に飲み干す。


真姫(骨は折れていないけど、今のうちに傷を回復した方がいい…)


飲み干してからすぐにエーテルも飲む。


真姫(魔力だって尽きていない。けど、こまめに回復しておかないと…一人なんだし回復する暇なんてそうないわよね)


細い魔物「さて、次は私が相手だ」


真姫(パッと見はさっきの巨漢の方が強そうだけれど、魔物を従えているし油断できない…)


細い魔物「さて、君は気づいていたかい?さっきまでは居た他の魔物たちが今はもういなくなっていることを」


真姫「!?」


細い魔物「どこへ、行ったと思う?」
219 : ◆gV7VzHZkCdFJ [saga]:2017/02/14(火) 22:19:33.89 ID:SS7tUiQy0
真姫(確か、最初からいたのは狼の魔物と空を飛んでいたコウモリのような魔物で……空を…飛ぶ…?)


ハッとして上を向くと、小さな黒い影がこちらに向かってきていた。


真姫「あの魔物、巨漢と戦ってる間に空へ!?」


コウモリのような魔物は中型犬程度の大きさで、5匹確認できる。


真姫「撃ち落とすしかない!」


その場でくるくると舞って扇を真上に振るう。


真姫「灼熱乱舞!」


真上にむけて放たれた炎はコウモリを焼き尽くしていくが、5発で5匹を仕留めることはできず、何発も連続で放っていく。
最後に残った1匹は真姫に向かって体当たりする!
後ろにステップを踏んで回避し、扇に炎の爪をまとわせて魔物を切り裂く。


真姫「片付いた!」


細い魔物「まだ気づいていない点が一つあるだろ?」


真姫(狼のような魔物!)


背後から地面を蹴る音が聞こえる。
ちらりと後ろを向くと、狼のような魔物が飛び込んできていた。
かなり動きが素早く扇を振るったとしても体勢を変えているうちに攻撃されてしまう。

が、真姫は扇を振るおうとせずに左足を軸にして後ろ向きに回る。
右足で狼のような魔物の顔を回し蹴りで薙ぎ払う。
魔物は軽く吹き飛び地面を転がる。
しかし残り2匹の狼のような魔物が飛び込んでくる。

先に飛び込んでくる狼のような魔物に対しては火炎扇爪で薙ぎ払えたが、次に飛び込んできた魔物のかみつき攻撃は回避しきれずに左脇腹を切り裂かれる。
軽く血が吹き出しよろめくが、駆け抜けた狼の魔物に対して炎を纏わせた扇を投げつけて魔物を弾け飛ばす。


真姫「灼熱飛翔扇!」


扇は魔物に当たると、跳ね返って最初に蹴りで薙ぎ払った魔物に向かって飛んでいき脳天を砕く。
跳ね返ってきた扇を掴んで、消えていく魔物を見ながら左脇腹を抑える。


真姫「ちょっと深いけど、たいしたことじゃない…」


細い魔物「ふむふむなるほど」


真姫「なに?」


細い魔物「さて、では次は私が相手になろう」


真姫「やっとそこから動くのね」


細い魔物「軽く見ていると痛い目に見るぞ?」


そう言って細い魔物は高く飛び上がる。


真姫「っ!!」


落下していく中で魔力を溜める細い魔物。
右手に闇魔力を込めて、地面にいる真姫に振り下ろすと手から闇魔力がはじけ飛び、複数の弾になって真姫を襲う。


真姫「速い!?」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/14(火) 22:31:48.57 ID:9M4dHGxQ0
待ってたよ
221 : ◆gV7VzHZkCdFJ [saga]:2017/02/15(水) 16:45:08.45 ID:+PlwEtjw0
軽やかに体を動かして回避や受け流しを繰り返すことで魔法弾を弾く。


真姫「一撃一撃は軽いから跳ね返せる!」


真姫(体の運び方も、さっきの回し蹴りも…全部にこちゃんから教えてもらったスキル!)


地面に降り立った細い魔物は、足に魔力を纏わせて真姫に蹴りを放つ。
右から左から、横蹴りや蹴り上げが連続で放たれていく。


真姫「くっ…速いわね本当に!」


しかし真姫は魔力の蹴りを喰らうことはなく回避や受け流しをしていく。


細い魔物「その舞うような動きがポイントのようだな」


真姫「踊り子出身よ」


細い魔物「速さだけではだめか」


そう言うと、細い魔物は一歩下がって腰を低く構える。


真姫「?」


細い魔物「獣拳!」


自分で創世した闇魔力を右の拳でつかんで、一歩ステップを踏む。
素早い攻撃を弾こうとしていた真姫は、その動きを見て急きょ構えを変える。

細い魔物の拳は、速さは蹴りほどないものの威力が段違い。
受け流せないと判断した真姫は体を大きく横に振って回避。
そのまま扇を魔物に向けて振るう。


真姫「爆熱演舞!」


扇から派手に放たれた上位炎魔法は細い魔物を焼き尽くすかと思われたが、細い魔物は少し高くジャンプして回避する。
上位炎魔法は爆発するように放たれたため射程は短く、範囲も真姫の正面に限られていたため回避できたのだ。


真姫「すばしっこい!」


上空から連続で蹴りを入れていく魔物。
それを受け流したり回避していく真姫。
魔物は地面に落ちることなく連続で蹴りを入れていくが、真姫も負けじと防ぎつつ反撃の隙を見極めていた。
魔物が真姫に何度目かの蹴りを入れ、真姫は受け流す!
すると真姫の視界に黒いものがちらつく。
それは魔物の腕から放たれた闇魔法弾で、真姫の顔めがけて超近距離から放たれる。


真姫(足に魔力がついてなかったのはこのため!?)


顔をなんとかそらして直撃を避けるが頬をかする。
そんな真姫の左肩を踏みつけるように蹴りが入る。
真姫は背中から倒れ込み、まだ空中にいた魔物はその蹴りを利用して少し高いジャンプ。


真姫(ここだ!)


宙にいる魔物に向けて、倒れ込む真姫は扇を投げつける。
扇は炎を纏って飛んでいき、魔物の脇腹を斬りつける。


細い魔物「チッ!」


しかしその攻撃は浅く、扇は跳ね返りもせずにそのまま飛んでいく。
闇魔力を腕に絡めた魔物は、空中から狙いを定めて真姫に向けて手を突き出す。
細い魔物の手に闇魔力が凝縮していき、闇魔法弾が放たれようとしていた。
222 : ◆gV7VzHZkCdFJ [saga]:2017/02/15(水) 17:11:41.13 ID:+PlwEtjw0
真姫「鎖よ!」


背中から倒れるときに受け身を取りつつ、飛んでいく扇に向けて右手を突き出す真姫。
すると扇から炎の鎖が放たれ、空中にいる細い魔物の脇腹の横を通って真姫の手へ届く。
闇魔法弾が放たれる直前に、真姫は体を大きく左に転がして同時に右手を大きく左へ引き寄せ、炎の鎖をきらめかせて右手に収束させる。
炎の鎖は空中の細い魔物の腹に直撃。
真姫の手に吸い込まれて短くなっている魔力の鎖により扇も引き寄せられているので、扇の重みと左へと引かれる鎖の力でちょうどよく細い魔物の腹に巻かれる!


細い魔物「なんだと!?」


そのまま細い魔物は引き寄せられて、地面にたたきつけられる。
真姫は転がってから立ち上がって、一度炎の鎖を消滅させてからすぐさまもう一度炎の鎖を扇から出現させる。
真姫の右手に向かって伸びていく炎の鎖を掴みとり、扇を自分の手に引き寄せる。
それにより、魔物に絡まっていた鎖のせいで引き寄せられなかった扇を手元に戻せたのだ。


真姫「ふぅ…」


細い魔物「やりますね、まさかこうやって来るとは…」


真姫「まだ元気みたいね、結構強めに打ちつけたと思ったんだけれど」


細い魔物「フフ、ならばギアを上げていきましょうか」


手から闇魔法弾を連続で放ちつつ突っ込んでくる細い魔物。
真姫は闇魔法弾を弾き続け、その中で舞うことで扇に炎の魔力を込める。。
少し離れたところから低めの飛び蹴りを放ってきたが、少ない動きで攻撃を避けてから扇を振るう。
扇の刃は細い魔物の右肩を斬りつけるが、魔物は地面に着地してから連続で素早い蹴りを入れる。
回避せずになるべく受け流していく真姫、反撃をしようと扇を振るう!

しかし魔物は蹴りからパンチに攻撃を変え、扇を避けながら拳を突き出す。


真姫「威力の高い攻撃!?」


咄嗟に右手で攻撃を受け止めるが、その衝撃で少し後ずさりする。
細い魔物はそこからパンチを力強く撃ち続ける。
真姫は躱していくが、受け流すことはできない。

魔物の拳をうまく躱せたときに、扇を強くふるう。
しかし魔物は拳を突き出した勢いに乗ってタックル!
扇が魔物に当たる前に真姫は吹き飛ばされる。


真姫「きゃっ!」


なんとか立ち上がるが、魔物の蹴りの追撃が腹にクリーンヒットする。


真姫「うっ!?」


さらに逆の足で真姫の頬を蹴りつけ、その足のかかとで逆の頬を蹴りつける。
素早い攻撃の連続を防ごうとした真姫だったが、それを読んでいたかのように蹴りをやめて低くグッと構える。


真姫(まずい!!)


魔物の拳は地面をえぐるかのように強烈で、地面すれすれのところから上昇し真姫の腹部を突く。


真姫(アッパー!?)


細い魔物「ふんっ!!」


振りぬかれた拳によって腹部に強烈な一撃を受け吹き飛ばされた真姫は、6m程度飛んでから病院の敷地に立っていた石像に直撃して崩れ落ちる石像と共に地面に倒れ込む。


真姫「ガハッ…ゲホッ…」


口から血を吐いて、腹部を左手で押さえながら険しい顔で細い魔物を見つめる真姫。
223 : ◆gV7VzHZkCdFJ [saga]:2017/02/15(水) 17:39:55.55 ID:+PlwEtjw0
細い魔物「今のは聞いただろう?……ん?」


細い魔物は、真姫が扇を持っていないことに気付く。


真姫「気づいた…のね…?」


ゆっくりと右手を挙げて、細い魔物の足元を指差す真姫。
魔物が右足を確認すると、そこには魔翌力によって絡み付いていた扇があった。


真姫「炎爆の…舞っ!!!!」


指差していた右手をグッと握ると、扇から炎の魔翌力が爆裂し大きな爆発を起こす。
細い魔物は完全に爆発に呑み込まれる。


真姫「ハァ…ハァ…。ずっと魔翌力を扇に注いでいたのに、気づいてなかったのかしら?」


炎鎖の舞で扇を引き寄せて、ハイポーションとエーテルを飲み干す。


真姫「ふぅ…あとポーションだけか…」


真姫「炎爆の舞は魔翌力をたくさん使うのが難点よね…花陽にでも相談してみようかしーー


真姫「…嫌ね、みんなのもとに戻ることをまだあきらめてないなんて」


爆発による煙がやっと晴れると、中からボロボロの魔物が出てくる。


細い魔物「油断したよ…これが、きみの最強の攻撃ってことでいいのかな?」


真姫「もうボロボロじゃない、もう勝ち目はないわよ!」


細い魔物「……キミは、私が名乗っていないことを不思議に思っていなかったのかい?」


真姫「えっ…?」


細い魔物「マスターの名は言うのに、私が名乗らないことだ。君たちが今まで戦っていた魔王軍の相手は名乗ってこなかっただろうか?」


真姫「確かに…みんな名乗ったけれど…」


細い魔物「私が名乗らなかったのには理由があってね、知らない方が正体がばれないからだ」


真姫「どういう…?」


細い魔物「もうひとつ教えると、君がいままでここで戦ってきた相手は1体なんだ」


真姫「ちょっと、よくわからないんだけれど?」


細い魔物「そのままの意味だよ。ゴブリンも、巨漢も、バットも、狼の魔物も…すべて私だ」


真姫「!?」


細い魔物がそう言うと、魔物の足元に闇魔翌力による池が出現する。
そこから消滅させたはずの魔物たちの体が出現し、細い魔物に合体していく。


細い魔物「わが名は『キマイラ』。魔物錬金術師グロノムにより作られた合体魔獣!!」


消滅させたはずの魔物の体が合体しきると、闇魔翌力による池もなくなる。
そこに立っていたのはさっきまでの細い体の魔物ではなく、巨漢の魔物のような巨体で、翼が生えており、牙もあってしっぽもあってそして右手に大きな剣を握っている怪物だった。
224 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/15(水) 17:40:54.79 ID:+PlwEtjw0
とりあえずここまでです。
合体魔獣キマイラと真姫の一騎打ちが本格化していく。
225 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/16(木) 21:39:36.38 ID:Dgng7PYn0
真姫(どうする…?大きさはさっきの巨漢くらいだけれど、雰囲気が確実に別格!ディアボロスの時に感じた強い闇魔力も…)


キマイラ「ふぅ…久しぶりに本当の姿になったが…」


キマイラ「ウォームアップでくたばるなよ?」


真姫「姿だけじゃなくて口調も変わってる…」


キマイラは地面を強く蹴って走り出す。
足を踏み出したところは地面がえぐれていた。
走るスピードも狼のように速く、一歩一歩が巨漢のように力強い。

どの攻撃が来ても対応できるように体の力を抜いて構える真姫。

キマイラは右手に持っている剣を素早く振りかぶって縦に思いっきり振り下ろす。
真姫は素早く左に体をそらして剣を避ける。
剣は地面を打ち砕く。
しかしキマイラはすぐに左足の蹴りに攻撃を変更して、左に避けた真姫を蹴り飛ばす。
右の横っ腹を蹴り飛ばされた真姫は地面を軽く一回バウンドして小さな木に激突する。


真姫「速いし力強い…」


真姫が顔を上げると、空中から追撃しようとしているキマイラを発見する。
キマイラの蹴りは地面に激突し、真姫は右に大きく飛んで回避。
素早く起き上がって舞いながら振り向くと、正面から闇魔力の矢が飛んできていた。
火炎扇爪の舞に急遽変更し、闇魔力の矢を撃ち落とす。


真姫「重っ…」


キマイラはまた突っ込んできている。


真姫「爆熱演舞!」


扇から放たれる激しい炎をキマイラは剣で薙ぎ払う。


真姫「離れてると撃ち落とされるか…」


剣を振りかぶったキマイラは、剣は振り下ろさず左手を突き出した。
フェイントをある程度予測していた真姫は、最小限の動きで拳を避ける。
そのまま炎の爪で腕を斬りつけてからキマイラの腹部に爪を突き刺す。

キマイラは一瞬ひるむが、炎の爪は深く刺さっていない。
さらに剣の持ち手で真姫の背中を強打しようと振り下ろす。
何かしらのカウンターを読んでいた真姫は、キマイラの左脇の下をすり抜けて回避する。


真姫「ここで離れちゃだめね!」


キマイラの後ろに出た真姫は、扇に炎の魔力を纏わせて投げつける。


真姫「灼熱飛翔扇!」


背中に直撃した扇は真姫の手元に戻ってくる。
するとキマイラは真上にジャンプし、そのまま前方向に回転。
前宙しながら剣を真姫の腹部から上にえぐるように振るう。


真姫「くっ…」


なんとか上半身を後ろに逸らして攻撃を避けた真姫。
しかしキマイラは頭を下にした状態でホバリングし、左手から闇魔力の矢を撃ち放つ。
その矢は真姫の腹部のふとももをかすめて地面に突き刺さる。


キマイラ「ホバリングするとうまく狙えないか」


地面に着地したキマイラは急激に詰め寄って剣を振るう。
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/17(金) 06:03:41.43 ID:7gf9w1XA0
更新乙です〜(*・ω・)ノ時々敵キャラの口調が安定してないのにちょっと違和感を感じるw
227 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/17(金) 16:40:11.93 ID:biPSzdsL0
剣は真姫の腹部をかすめるが、バックステップでの回避に成功した真姫はさらに距離を取る。


真姫「ッ…」


真姫(ダメージが入ってる気配が全然ない…。これは負けずに攻撃し続けるしかないか…)


真姫「素早いし力も強い、さらにタフ……。穂乃果や絵里ならもっと善戦できてるわよね…」


真姫「でも、私が勝たないと!」


真姫(私ができることは観察と考察。ウォームアップって言ってたからまだ強さが上がる…?小回りが利かないかと思ったけれど、あの翼のせいで空中でも好きに体勢を変えれるからその手の攻撃はあまり効果がない…)


真姫「残りの道具もポーション1つか…。長期決戦は確実に不利ね」


キマイラは体を伸ばしたりしてほぐしている。


真姫「もう夜だし、


そう言ってその場で舞い始める。


キマイラ「ほう?」


真姫「鎖錠の舞!」


真姫の扇から複数の魔力の鎖が放たれる。
キマイラの体に絡めつき、締め上げる。
動きが止まったキマイラに突っ込んでいく。


キマイラ「この程度で縛れると思うな!」


全身に力を込めて、闇魔力も炸裂させて魔力の鎖を引きちぎる。


真姫「やっぱり止めれないわよね…」


突っ込むのはやめて急停止し、キマイラの頭部めがけて炎を放つ!


真姫「爆熱演舞!」


大きな火炎魔法はキマイラの顔めがけて飛んでいくが、キマイラはそれを剣で防ぐ。
そのまま剣を真姫に向けて投げつける。


真姫「剣を?!」


当たる寸前で右へ飛び込んで避けるが、その剣は背中をかすめる。
血が少し飛び散り、剣は真姫の後ろに刺さる。
体勢が崩れている真姫にむかってキマイラは接近し、左の拳を振り下ろす。
体をひねって立ち上がりつつ攻撃を避けるが、キマイラは次は右の拳を振り下ろす。
拳は真姫の左肩に直撃し、真姫の体は激しくひねられて地面にたたきつけられる。


キマイラ「もう一撃だ!」


地面に打ち付けられた真姫を、さらに右足で蹴り飛ばす。


真姫「っ…風よ!!」


蹴られる直前に風の舞で風を起こし、自分の体を少しキマイラから引き離すことで直撃を避けた。
しかし威力は凄まじく、かなりの距離を飛ばされて病院の壁に激突し崩れ落ちる。


真姫「痛い…」
228 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/17(金) 17:24:52.18 ID:biPSzdsL0
真姫「…やるしかないわね」


立ち上がりながら扇に炎の魔力を集中する。
そして扇を頭上に掲げ、両手で持って全力で振り下ろす。
扇から炎魔力が離れ、真姫の体の周りにふわりとまとわりつく。
全身を包むわけではなく、体を軽く包むように薄い炎が浮いているような姿だ。


キマイラ「…それはなんだ?」


すると、真姫の体から炎の魔力が溢れ出る。
その魔力は足や腕を包み、常に手と足に炎を纏っている状態になる。
溢れ出ている炎は真姫の体から離れるとうっすらと消えていく。


真姫「…『舞姫の炎欒(まいひめのえんらん)』という技よ」


キマイラ「体から炎魔力が常に…」


真姫「服装が踊り子の服なら、もっと華麗に見えるんだけれどね。この格好じゃあそこまで様になってないかしら」


真姫「実戦で使うのは初めてなの」


そう言って真姫は扇を振るう。
するとそこから上位炎魔法がはじけ飛びキマイラを襲う。
キマイラは剣を抜き取って炎を薙ぎ払う。
すると真姫は風の舞で上空に舞っており、炎魔力を扇に集めて一振り。
扇から炎の風が飛び、キマイラの足元に落ちる。


真姫「情熱の炎風」


炎風は地面を張って広がる。
キマイラの足を覆い、ダメージを与える。
自分の足元に注目していたキマイラが顔を上げると正面から炎をまとった扇が飛んできている。
咄嗟に左手で防ぐが扇は左手をえぐって跳ね返り、空中から地面に降り立った真姫の手元に戻る。


キマイラ「奴の攻撃は舞が必要なはず…。だがこんなさまざまな種類の技を舞わずに放っている。どういうことだ?」


真姫は走って詰め寄っていく。


キマイラ「だが、調子に乗るなよ!?」


キマイラは剣を掲げて詰め寄り振り下ろす。
真姫は扇で滑らかに受け流し、剣は軌道を少しそらされて地面に振り下ろされる。
キマイラの正面へ詰め寄った真姫は扇をそのまま振るう。
扇についている刃を避けるために少し体を後ろにそらすキマイラだが、真姫は咄嗟に扇に炎の爪を纏わせる。
爪によりリーチが伸びたので、キマイラの腹部は炎の爪で切り裂かれる。

さらに真姫は扇に炎を纏わせて真上に投げつける。
扇はキマイラの顎を下から薙ぎ払う。


真姫「炎鎖!」


扇を投げるために振り上げた右手に力を入れると扇から炎の鎖が伸びていき、真姫はそれを掴む。
鎖を収束させつつ少し真上にジャンプして空中で扇を掴んでから、扇を前に突き出して火炎魔法をほとんど零距離で炸裂させる。


真姫「灼熱乱舞!」


連続で放たれる火炎魔法はキマイラにどんどん直撃。
たまらずキマイラは飛んで距離を取る。


真姫(炎をまとった今の状態…私は『炎舞姫(えんぶひめ)』と呼んでいるけれど、炎舞姫の状態なら魔力の消費が大きくない技なら舞わなくても放つことができる。)


真姫(キマイラもさすがに気付いていると思うけれど…)


真姫「…けどその分、何もしなくても魔力が放出されるから減りが大きいのよね」
229 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/17(金) 18:05:52.90 ID:biPSzdsL0
キマイラ「舞わずとも舞の技を使える状態ということか…」


キマイラ「だとしても、やることは変わらないな」


剣を肩に担いでそこに闇魔力を纏わせる。


真姫「闇…。ってことは、ウォームアップはもう終わり?」


キマイラは真姫に向かって駆け出すが、スピードに乗ってくると翼を羽ばたかせて低空飛行する。
飛行の方がスピードは速い。
連続で左手から闇の矢を放って、真姫の足元に突き刺さる。
そのまま接近しきり、闇をまとった剣を振り下ろすが真姫はそれを避けて扇から炎を放つ。
キマイラの左肩に直撃するが、ひるまないでもう一度剣を振るう。


真姫「闇魔力のせいで威力がまた増している…」


キマイラは左足で蹴りを放つが、真姫はその蹴りを受け流し接近する。


キマイラ(炎を纏っていることで受け流しの力も増しているな)


扇から上位炎魔法を腹部にめがけて放つ!
しかし空中で体をひねるので直撃はしない。
ひねった勢いで剣を振るい、真姫の左腕を切り裂く。


真姫「ここでひるむわけにはいかない!」


傷はそこまで深くないので、傷の痛みに耐えて炎の扇を投げる。
その扇はキマイラの横をすり抜けていき、翼に直撃する。
真姫は横に飛んで距離を取り、扇は手元に跳ね返ってくる。
しかしキマイラはその真姫をすぐに追い、剣で突く。
真姫も負けじと体をそらすが、避けきれずに右脇腹を軽く切り裂く。
だがひるまずに接近して、攻撃すると見せかけてキマイラの横をすり抜けるように飛び込む。
飛び込んだ中でキマイラの翼に向かって炎を放つ。


真姫「爆熱演舞!!」


上位炎魔法は翼に直撃するが、無茶な体勢で撃ったため真姫もしっかり着地できなかった。
キマイラは地面に降り立って振り向きながら剣を振るう。


真姫「風の舞!」


炎舞姫の状態のため、扇を振るうだけで真姫の足元から風が起きる。
その風に流されて剣の直撃を回避するが、剣から闇魔力が放たれて真姫を襲う。
さすがにそれは避けることはできず、真姫の腹部を襲う。
切り裂く効果はないが、闇魔力は炸裂して真姫を吹き飛ばす。


真姫「きゃっ!!」


真姫は地面を転がるが、すぐに立ち上がる。
しかし口からは血が少し流れる。


真姫「そんなことまで……。でも、目的は達成したわ」


キマイラ「チッ…翼が…」


キマイラの右の翼は真姫の炎のダメージで使えなくなった。


真姫「ハァ…ハァ…。やっぱりこの状態は魔力と共にスタミナも削れてくわね…」


キマイラ「闇を、開放する」


深く構えると体から闇魔力の気配が増す。
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/22(水) 03:15:44.68 ID:R/irFSGA0
乙です!
キマイラが本気を出すのか!?
231 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 15:45:57.32 ID:4C6XO/FX0
急接近して真姫に向けて闇魔法弾を連続で放っていく。
舞いながら撃ち落とすが、重さはさらに増している。
キマイラは剣を振るって真姫を薙ぎ払おうとするが、真姫は何とか回避。


キマイラ「魔獣連斬!!」


しかしキマイラはさらに闇魔力を剣にまとわせ、剣を振るうスピードが増していく。


真姫(速く、さらに重く!?これじゃ受け流せない!)


剣はどんどん真姫の体をかすめていく。
キマイラが剣を振りぬいて真姫の左肩を少し切り裂くと、真姫は咄嗟に接近する。


真姫(タイミング完璧!)


キマイラ「何!?」


ジャンプをしてキマイラの顔に接近し、扇に炎の爪を纏わせて突く!
キマイラは左手で真姫を掴み、そして体を逸らして回避しようとする!


真姫「風よ、お願い!」


真姫の体を風が動かす。


キマイラ(炎の爪を出しつつ風も引き起こせるのか!?)


左手を伸ばしてキマイラの右肩を掴み、体を引き寄せてそのままキマイラの顔に向けて扇を突く!
キマイラも顔をなんとかそらすが、左目を爪でえぐられる。


キマイラ「ぐっ!?」


しかしキマイラの左手は確かに真姫の足を掴み、そのまま左手を下に振りぬくことで真姫は地面にたたきつけられる。


真姫「うぁっ!?」


さらにすぐさま足を振りぬいて真姫を蹴り飛ばす!
真姫も空中で風を引き起こして立ち上がるが、キマイラも追ってきており剣を振るう。


真姫(避けきれないっ!)


真姫(なら、今できる最高の攻撃を!!)


自分の体から流れ出る魔力を扇に集中していた真姫。
剣が自分の体に直撃する前に、近距離に迫って来ていたキマイラめがけて扇を放る。
扇は、2人のスピード感とは全く違うところにいるようにゆらりゆらりと宙を舞う。


真姫「炎爆の舞!!」


キマイラ「くっ!!!」


キマイラは扇を確認して、回避できないことを察してから剣により力を込める。
剣を振りぬくのと扇が凄まじい爆発を起こすのがほとんど同時。
爆発の中から真姫が飛び出て、病院の壁に激突する。
腹には斬られた傷があり、その傷は魔力のよってさらに広がっている。


真姫「あの爆発があっても剣の勢いはそこまで止まらなかった…。でも爆発の衝撃で私自身の体が動いたから致命傷にはならなかったけれど…」


全身に大きな火傷もなく、少しの傷しかない。炎舞姫の状態だと炎によるダメージは自動的に軽減する。
自分の魔力ならなおさら、体から垂れ流されている魔力によってダメージは抑えられる。


真姫「かなり吹き飛んだわね…。体中が痛いし視界も安定しない…。早めにポーションを飲むべきね」
232 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 16:34:12.79 ID:4C6XO/FX0
体全身に激しい痛みを感じながら、ポーションを取り出して飲んでいく。


真姫(飲むことですら体が痛い…)


炎爆の舞で使用した扇は、ちょうど自分の近くに落ちている。
まだ土煙が待っていて、中の様子は見えない。


キマイラ「ウガァァァァァァァァァァ!!!!」


土煙が振り払われ、中から闇魔力に包まれたキマイラが出てくる。
全身にひどい火傷があるが真姫が想像していたダメージよりは少ない。


真姫「まだ…倒れないの…?」


ポーションを最後まで飲み干して足元に空瓶を置く。
そしてそこで自分の体について気が付く。
体から炎の魔力が流れ出ていない。
炎舞姫の状態が終わっていたのだ。


真姫「体に力も入らない…この脱力感は……魔力切れ…」


真姫の魔力は底をついている。
魔力がなくなると全身に力が入らなくなってしまう。


真姫「回復道具もない…。どうする…?」


キマイラ「ウガァァァァ…」


真姫「あの感じ、ディアボロスの時と同じ…?」


キマイラ「ディアボロス……。あんなものと一緒にするな。我はグロノム様により生み出された最強の魔物であるぞ…」


キマイラ「あんな闇に呑み込まれた幻獣と、一緒にするな!!!」


真姫「ディアボロスをあんなもの呼ばわり…」


宙を漂う魔力が闇魔力を纏うキマイラのもとへと集まってより一層強い闇魔力を体から垂れ流す。


真姫(口調がより一層悪くなってる。もしかしたら魔物の本性が出てきてるかもしれないわね…。たくさんの魔物の合体した存在らしいし…)


真姫「けれど…どうする……?」


ふらふらと真姫は立ち上がって、扇のもとへ歩み寄り扇を拾う。


真姫(とにかく攻撃を避けないと…。反撃方法はその中で見つけるしかない)


キマイラ「くたばれ!!!」


闇魔力をまとった黒いキマイラは真姫に向かって走っていく。


真姫(速い…いえ、戦いの中で消耗していたのがこの変化で戻ったってかんじね)


魔力をまとった剣を振るうが、真姫は大きく飛び込んで攻撃を避ける。


真姫「その速さなら避けられる!」


真姫(魔力は本当に少ししかない…。一体どう反撃を…)


真姫が顔を上げると、目の前にはキマイラの足があった。
233 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 17:01:19.18 ID:4C6XO/FX0
足は振りぬかれて真姫は蹴り飛ばされる。
右腕を蹴られた真姫は体の左側から病院の2階の壁に激突。壁はへこみ、そこに真姫がめり込んでいる。


真姫「さっきの剣のスピードはブラフ…?今の蹴り、凄まじく速かった…」


キマイラはジャンプして真姫に突っ込む。
真姫はそれを見て地面に向かって飛び降りる。
闇をまとった剣は壁を打ちこわし、その部屋には大きな穴が開いた。


真姫「病院が…」


着地した真姫はひとまず病院から距離を取るために走り出す。


真姫「魔力がないから頭がぼーっとするし、さっきの蹴りも効いてる…」


その瞬間、後ろから邪気を感じて振り向くと、闇魔法による斬撃波が真姫を襲おうとしていた。


真姫(すぐに地面に降り立って斬撃波を放ったの!?)


斬撃波は地面を削りながら進んできていたが、大きく動いてその斬撃波をスルー。
しかしキマイラも走り寄って来ていて、剣を縦に振り下ろす。
その剣も横に動いて避けるが、キマイラはその剣を振り下ろしたまま横にふるう。
刃の向きを変える動作がなかったため、真姫は予測できずに刀身の腹で横に薙ぎ払われる。
打撃攻撃だったが威力は高い。


真姫「くっ…」


すぐに接近したキマイラは左の拳で真姫の腹を殴り飛ばす。
2.5m程度の魔獣に吹っ飛ばされた真姫は病院に向かって飛んでいく。
病院にかなり近いところで落下して転がる。


真姫「…今ので、骨が…」


左手で右わき腹を抑えている真姫がゆっくりと顔を上げると、もうすぐそこにはキマイラが居た。


真姫(速すぎる…)


剣を振り上げて真姫の腹部から上に切り裂こうとしたが、真姫も伊達にずっと戦ってきていない。
反射的に頭を後ろに引いて上半身を動かし直撃を回避。
切先はへその横あたりをかすめて、顔のすぐ前を上に駆け抜けていった。
しかしキマイラも攻撃を止めずに左足を大きくふるう。
だが真姫もそれを読んでいて、左に体を逸らして足を受け流すかのように回避する。


真姫(次は拳!)


拳で来ると予測していた真姫はすぐにキマイラの方を向くが、キマイラは左の手のひらを開いて突き出した。
その手のひらは真姫には届いていないが、真姫はすぐに察する。


真姫(魔法弾!!)


魔法弾を避けようと前もって体を揺らす。
しかしキマイラの左手から放たれたのは闇魔法による『衝撃波』だった。
左手から強烈なノックバックが発生する風のようなものだった。
ダメージは0だが、真姫をのけぞらせることができた。


真姫「そんな隠し玉を!?」


キマイラはにやりと笑って、地面を駆け抜けるように剣を振り上げる。


真姫(まずい…)


扇でその剣を受け止めようとするが、受け止めることなどできない。
扇を持っていた右手はその剣を減速させることすらできなかった。
234 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 17:23:04.40 ID:4C6XO/FX0
闇魔力をまとった剣は左脇腹から右肩にかけて大きく、さらに深く切り裂く。
その攻撃で吹き飛ばされた真姫は、空中に真っ赤なアーチを描いて病院の玄関の前に崩れ落ちる。
吹き飛ばされた扇も真姫の横に落ちる。


真姫「っ……!!…っ!!」


真姫(うまく息ができない…。傷口には今まで感じたことのない痛み。近距離で戦っていたみんなは、こんな痛みを感じていたのね)


致命傷とでもいうべきな傷口からはどぷどぷと血が流れる。


真姫(でも、即死級の攻撃ではなかった。正しくは即死級の攻撃だったけれど、あの闇の衝撃波でキマイラの体も少し後ろにのけぞったから完全位切断されなかった)


真姫(まだ、体はつながっている!!)


キマイラは満足げに遠くの真姫を見つめる。
肩で息をしていて、じっとその場から動かない。
キマイラの周りを闇魔力が漂っている。


キマイラ「もう、終わりだな?」


真姫(終わり…。そう、普通に考えたらこんな傷……いいえ、あんな化け物に私一人で挑む時点で無謀)


真姫(けれど、今頭の中を駆け巡っているのは勝つためにはどうするかということ。思いつかないけれど、頭は負けを考えないで勝つことを考えている)


真姫(まずは傷を止めないと…。病院の中を探せばまだ回復薬がある…?いえ、確かないはず…。回復薬は街でも帰るし、この病院は医師による治療を行っているから…)


指先を動かすことができる。
視界もぼーっとするが、今度は足先を動かすことができた。
徐々に体を動かせるようになってきている。


真姫(魔力さえあれば、油断している今の奴になら…)


キマイラ「ふぅ…闇魔力を落ち着かせないと俺の体が壊れちまう…」


キマイラはじっと動かずに闇魔力を穏やかにしていく。

すると、真姫の横に特殊な便が落ちる音がする。
その方向を向くとそこにはエーテルが落ちていた。


真姫「エーテル…?」


真姫パパ「真姫!!!」


声の方を見ると、3階の窓から真姫パパが身を乗り出してこちらを見ている。


真姫「パパ…?」


ゆっくりと真姫は体を上げて真姫パパを見る。


真姫パパ「くまなく病院内を探したがそれしか見つけられなかった!」


真姫はエーテルを拾い上げて見つめる。


キマイラ「なんだ?」


真姫パパ「ここからだぞ真姫!!」


キマイラ「うるせえな!!!」


235 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 17:43:35.86 ID:4C6XO/FX0
キマイラは左手から闇魔法弾を放って真姫パパがいる部屋に直撃する。
しかし真姫パパもうまく隠れて回避。
すぐに顔を出して真姫を見る。


真姫パパ「真姫!お前は一人で戦っているわけじゃーー


キマイラ「うるせえ!!!!!」


もう一度闇魔法弾を放って真姫パパの近くに直撃。


真姫「パパ!すぐに戻って!!もう大丈夫!!!」


エーテルをすぐに飲み干し、体中から魔力がこみ上げてくるのを感じる。


真姫「魔力全快じゃないけれど…でも、これなら…!」


まだ全然痛い体をゆっくりと上げて、扇を拾い立ち上がる。


キマイラ「っ……」


キマイラはそれを見て走り出す。


真姫「ここが正念場よ、西木野真姫!!」」


真姫も力を振り絞って走り出す。


真姫「チャンスは拳。そのために剣と蹴りを避けないといけない…。この傷でも、避けきってみせる!」


傷口からは今も血がにじみ出ている。手足の先の感覚もはっきりとしていない。
だが今の真姫には、力がこみ上げてきていた。

キマイラは接近しきって剣を振るう。
真姫も大胆に体を逸らして剣を避ける。
そのあとに素早く放たれる蹴りも、左腕には直撃したが体には当たっていない。回避成功だ。

そして次にはなられたのは闇魔法衝撃波ではなく左の拳の振り上げ。


真姫「!!」


真姫はその攻撃を正面から受け止める。
拳は真姫の体を撃ちあげて、真姫は空中に高く舞う。
剣による傷口からはもっと血が噴き出るが、真姫の意識は途切れていない!


真姫「風の舞っ!!」


空中でふわりと体を動かして風を発生させる。
その風により体勢を立て直して、空中に立つような体勢になりつつ、風によって落下スピードも大きく減少している。


真姫(今の闇に包まれたキマイラの斬撃波は『地面を伝う』。だから空中にいる私を撃ち落とせないし、拳の攻撃を放った直後に闇魔法弾を放てない。)


真姫「やるなら、今ここよ!!」


キマイラ「風!?ということはさっきのはエーテルか!?」


扇をグッと引きよせ手元で回転させる。魔力により素早く回転していく扇には炎魔力が集まっていく。


真姫「私は孤独に戦っていたわけじゃない」


扇に集まる炎魔力はどんどん増幅していく。


真姫「どこにいてもみんなと心は繋がってる!離れていても私は…私たちはμ's!!」
236 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 17:57:37.57 ID:4C6XO/FX0
キマイラは左手に闇魔力を集め、すぐさま闇魔法弾を放つ!
空中にいる真姫は風の発生を止め、その魔力も扇に込める。
強力な炎の渦の中心で回転している扇。
真姫はその扇を下に向けて、地面から闇魔法弾を放っているキマイラに向けて突き出した!!


真姫「炎牙激突の舞!!!!!」


扇から密度の高い炎魔法が巨大な鋭利な牙のように放たれる。
炎は闇魔法弾をかき消し、凄まじい速度でキマイラの胸を大きく貫く。
そのまま地面を大きくえぐって消滅した。


キマイラ「な……馬鹿な…?」


キマイラ「μ's…」


キマイラは背中から崩れ落ち、闇魔力と共に消滅した。
空中で大技を放った真姫は自分の魔力の反動で体に傷を負った。
そのまま地面に落下する。


真姫「ハァ…ハァ…」


炎牙激突の舞の反動で負った傷のせいで、剣による傷口はさらに開いた。
血が止まらず出ている。
仰向けで倒れ込んだ真姫は左手でポケットを探る。
ポケットに入っていたモノを取り出し、夜空に向けて掲げる。


真姫「みんな……頑張って…」


掲げたにこのハンカチに向けてそう呟くと、剣による傷口からさらに血が吹き出し、燃え尽きたかのように左手は崩れ落ちる。
ボロボロになった敷地、病院の壁。
その中心でどこかで同じ夜空を見上げているかもしれない8人を思い浮かべて、真姫の意識は完全に途絶えた。



#38【離れていても私たちは】end...
237 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 17:58:06.91 ID:4C6XO/FX0
次回のラブライブ!


#39【イムタージュ制圧】
238 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/02/24(金) 18:19:39.32 ID:4C6XO/FX0
>>198で「私は」と書いてしまいました。
次の>>202では「私たちは」となっていますが、正しいのは後者です。申し訳ない。


西木野真姫vsキマイラ終わりました!
多くの新技が出てきた話でした。

【炎鎖の舞】
  →扇から真姫の手に向かって炎の鎖が放たれる技。鞭のように戦ったりできる。
  舞がかなり短いので使いやすいが、炎の鎖を保ち続けていると大きく魔力が減少する。
【舞姫の炎欒(まいひめのえんらん)】
  →自身強化技。真姫はこの状態のことを『炎舞姫(えんぶひめ)』と呼んでいる。
   体から炎の魔力が溢れ出て、腕や足に常に炎魔力を纏っている状態になれる。
   この状態魔力の消費は激しいが、魔力の消費が大きくない技なら舞わずに放てるという大きな利点を持つ。
   その姿はかなりきれいなもので、動くたびに炎がきらめく。
【炎牙激突の舞(えんがげきとつ)】
  →真姫の必殺技。かなり多くの魔力を込めて放つ大技。
   扇を回転させて突き出すと、扇から密度の高い炎魔法が大きな牙のように放たれて相手を貫く。
   魅力は技の威力に対して舞が少ないところ。魔力を溜める時間は必要だが、そこで舞う必要はない。
   難点は、本当に多くの魔力を使うことと制御が難しい点。傷だらけの状態や、不安定な場所で放つと魔力が爆発して自身の体を傷つける。

この3つですね。
自身強化技は、サモンコネクトをカウントすると2つ目でしょうか。
魔王軍にもグロノムという新しい名前が出現しましたね。
現在の魔王軍幹部は5体を予定しています。
もう存在が分かっているのは…
ジョカル神殿で穂乃果に敗れた『ゴッザス』
サクラコを操っていた魔族と魔王軍の中で最強の魔物使い『アズィーザ』
キマイラを錬金で作った魔物錬金術師『グロノム』
の3体ですね。
現在の魔王軍幹部の残り2体とは……。追々明かしていきますね。

#39からはつながりの羽を取りに行っていた8人も戻ってくるので、久しぶりに真姫以外のμ'sメンバーが動きます。
いろんな感想を見ると士気が上がります!ありがとうございます!

では今日はここまでです。
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/24(金) 19:27:31.99 ID:XsTG5Cn00
更新乙です!口調が安定していないのはちゃんとした理由があったのか…
というかこのままだと真姫ちゃんがμ'sから離脱してしまう!?
一体どうなるんだ…
240 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/03/09(木) 21:33:36.01 ID:7sH+z/ek0
#39【イムタージュ制圧】


μ'sがウッドプレーンの裏口についたころには夜空は消え、朝焼け色の空が広がっていた。
裏口から入って正面口まで向かう。
しかしそこにはボロボロの敷地と、ところどころが崩れている病院があった。


穂乃果「ど、どういうこと!?」


絵里「この荒れ具合は確実に争った跡ね…」


しかし人も数人がチラホラと行き来している。


希「まだ朝方なのに人がたくさん出入りしている…。とりあえずウチラも入ろう!」


μ'sが病院内に入ると、院内を人がせわしなく働いている。
その中には病院の職員だけではなく商店街の人たちもちらほらと見受けられる。


凛「これは…?」


真姫パパ「やっと来たか君たち!」


ことり「真姫ちゃんのお父さん?」


真姫パパ「すぐに全員来てくれたまえ」


真姫パパは速足で歩き、μ'sも後を追う。
動き続ける多くの人々の間を抜けながら歩いていく。


海未「いったいこれはどういうことなのですか?」


真姫パパ「実際に見た方が速いから、といあえず今はついてきてくれ」


海未「わかりました…」


花陽「そういえば真姫ちゃんはどこにいるんだろう?」


絵里「いないわね…。どこかで働いているのかしら…?」


にこ「……」


3階の突き当りの病室に入ろうとすると、その病室から女の人が出てくる。


穂乃果「あっ!真姫ちゃんの…」


真姫パパ「容態はどうだ」


女性は首を横に振る。


真姫パパ「そうか…」


女性「あら?あなたたちがμ'sね?」


ことり「はい、そうです」


女性「私は真姫の母です。真姫がお世話になりました」


凛「真姫ちゃんママだにゃ!?具合よくなったんだにゃ!」

241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/10(金) 02:59:49.64 ID:NLQCrwkQ0
まきちゃん
242 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/03/12(日) 21:13:53.13 ID:S4VjOwqi0
真姫ママ「ええ、おかげさまで元気よ。みなさんはつながりの羽を取りに行っていたんでしょう?」


穂乃果「はい!無事に取ってこれました!」


そう言って穂乃果は自分の小さなカバンからつながりの羽を取り出す。


真姫ママ「本当によかったわ。それを、あの子に見せてあげてね」


真姫パパ「疲れているところすまないね」


真姫ママ「いいのよ。それじゃあ」


真姫ママはそう告げて廊下の奥へ歩いていく。


真姫パパ「それじゃあ、中へ入ってくれ」


μ'sが全員中へ入ると、窓際のベッドに見慣れた少女が目を閉じて寝ていた。


花陽「真姫…ちゃん…?」


頭に包帯が巻かれ、点滴を打たれている。
枕元にはボロボロになった紅蓮の扇が置かれていた。
右腕は包帯でぐるぐる巻きにされており、おそらく病衣の中にも治療が施されているのであろう。


凛「これは一体どういうことだにゃ!?」


真姫パパ「真姫はーー


真姫パパは昨晩に起きた大事件と真姫の戦いを離す。


絵里「魔物が…」


海未「病院の中に商店街の人たちがいたのは復興の手伝いをしていたということですね…」


真姫パパ「昨晩意識が途絶えてから一度も目を開けていない。治療で処置はしたが、なにせ傷が多い。かなり不安定な状況だ」


希「そんな…」


ことり「私が治します!」


真姫パパ「ありがたいが、今すぐにはだめだ。いくら不安定といえどもすぐに大変な状態になるというわけではない。君たちは寝ていないだろう。2階の仮眠室で休息を取りなさい」


ことり「けど!」


真姫パパ「これはこの病院長である私の命令だ」


穂乃果「命令って…」


真姫パパ「それだけ君たちを大切にしたいんだ。真姫が最後の最後まで心の支えとしていた君たちを。見たところかなり消耗しているだろう?」


確かに全員が夜中ずっと移動していたので疲労は既に限界を超えている。


絵里「穂乃果、ここは休ませてもらいましょう。私たちも万全の状態で真姫の看病と病院復興の手伝いをしましょう?」


穂乃果「…わかった」


真姫パパ「ありがとう。すまないね」
243 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/03/15(水) 21:55:03.27 ID:R2AkFSlg0
仮眠室で休息を取って昼になった。
食事もとってある程度は睡眠もとれたμ'sは、道具をひとまず仮眠室に置いて行動を開始していた。
ことりは真姫の治療を、他のみんなは病院復興の手伝いをしていた。


そんな中、イムタージュを囲む森。
その森の中にある道を数多くの軍勢がゆっくりと進行していた。


手伝いを開始してから3時間は経過しただろうか。
ことり以外の7人は玄関で物を運んでいた。すると街の方から男性が玄関に飛び込んでくる。


男性「大変なんだ!!院長はいるか!?」


職員「どうしたんですか?」


男性「いいから!!早く院長を呼んでくれ!!」


穂乃果「院長さんならついさっき見たので呼んできます!」


穂乃果がすぐに真姫パパを呼んでくる。


真姫パパ「どうしました?」


男性「昨晩魔物が街の内側から攻めてきましたよね?なので街の周りを警戒していたんです!」


男性「そしたら森の奥の方に動く者が多数ちらついていたんです!!望遠鏡で確認すると、多数の魔物がゆっくりと向かってきてたんです!!」


男性「ここらで見たことのない魔物でした!」


真姫パパ「魔物が外から…。わかりました、街の人たちをすぐにこの病院の敷地にまで避難させてください」


真姫パパ「私はすぐにゴールゴストに緊急要請をします!」


そう言って真姫パパは事務室に駆け込み、男性もすぐに街へ戻る。
少ししてから真姫パパは焦ったように出てくる。


穂乃果「何か問題があったんですか?」


真姫パパ「今ゴールゴストは式典の最中らしいんだ。だから兵を向かわせるのに少し時間がかかると…」


穂乃果「し、式典!?そんなものより街の平和が大事なんじゃ!?」


真姫パパ「私もそう思うが私たちは守られている存在…。これ以上催促できない」


希「ゴールゴストからイムタージュまでって歩いたら1日はかかる距離やん?間に合うんやろか…」


真姫パパ「ゴールゴストは、ゴールガンのそれぞれの街に多人数を転送させることができるクリスタルを所持しているんだ。だから素早く向かうことができる」


真姫パパ「だが、そのクリスタルを使うには多くの魔力が必要らしくすぐに向かうことはできないんだ」


にこ「じゃあそうこうしている間に魔物にやられてしまうかもしれないじゃない!!!」


真姫パパ「…」


穂乃果「じゃあ、私たちの出番ですね!」


真姫パパ「!?」


凛「穂乃果ちゃんがそれ言うのずっと待ってたにゃ!」
244 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/03/15(水) 22:19:07.47 ID:R2AkFSlg0
穂乃果「ゴールゴストの兵士さんたちが来るまでその魔物の大群を私たちが迎え撃ちます。来るまで食い止めるか、倒します!」


職員「ちょ、ちょっと待ってください!確かにμ'sは今や世界的に注目されているグループです!でも、この広さの街を魔物の軍勢から守りきるなんて…」


そう言われるμ'sだが、全員の強い目は全く揺らがない。
真姫パパの脳裏には真姫の勇士が強く思い出される。


真姫パパ「…μ's、よろしく頼む」


そう言って深く頭を下げる。


穂乃果「はい!」


穂乃果「よーしみんな!すぐに準備だよ!」


μ's「おーっ!」


ことりのもとに行って少し離席してもらい、8人で仮眠室に集まる。
武器や道具を整理しながら作戦を練る。


絵里「とりあえず、目的は「魔物の軍勢を病院にたどり着かせない」ということね」


花陽「このタイミングで襲いに来て、街の人が見たことのない魔物ということは魔王軍である可能性が大きいですね」


にこ「また来たか魔王軍…」


凛「もう勘弁してほしいにゃ…」


海未「二人ともふざけないでください…」


にこと凛が海未に向かって叫んでいる中、他の面々は淡々と作戦を考えていく。


希「さっき職員さんからこの街の詳しい立地状態を聞いてきたんやけれど…」


希「街の周りには森がかなり広がっていて、街の周りには結構高い塀もある。だから正面口から向かってくるとウチは思うんや」


絵里「きっとその考えは当たってると思うわ。私たちがこの街に来たときにも正面口以外から行くのは森が深すぎて不可能そうだと思ったし」


ことり「ってことは、そこを私たちが叩くってことかな?」


絵里「この街の入り口にあたるエリアはそこまで広くないわ。道も3つ直線に並んでいるだけだしね?だからそこに私たちが並んで壁になるの」


希「遠距離班は道の間の建物の屋根の上に立って臨機応変に攻撃、近接班はとりあえず数を倒して魔物を後ろに通さないって感じやね」


穂乃果「それなら、それぞれの道に立つ近接班の最前列が通されても後ろに控えているもう一人が止めるって形でいいんじゃない?」


絵里「そうね、そうしましょうか」


海未「道にはバリケードなどを用意して魔物が通れる空間を狭くしては?」


にこ「いいわね!」


凛「でも、もし万が一魔物が近接班を抜けたらだれが病院を守るにゃ?」


絵里「そうねぇ…。3つ道があるうち、真ん中の道は遠距離班が両サイドから狙えるからそこには近接班の誰かを1人だけ配置っていう形でいいんじゃないかしら?」


穂乃果「だいたい固まってきたね!」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/22(水) 04:05:12.30 ID:zQdnbs+A0
乙です!
久しぶりに登場した、穂乃果達の活躍を期待しています!
246 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/03/27(月) 22:09:39.11 ID:wb5P1fJA0
ことり「私たちがやられたらイムタージュは制圧されたのと同じ…」


絵里「でも、それでも私たちは勝たないとね?」


にこ「真姫ちゃんが全身全霊を込めて守ったこの街の人たちを、絶対に傷つけさせたりしないわよ!!」


μ's「おーっ!!!!」


ことりはぎりぎりまで真姫の治療にをするというので一度離れ、他のメンバーは街の人に協力してもらってバリケードを制作する。
回復道具も受け取ったので、準備万端という状況になる。


魔物の軍勢はついにイムタージュにたどり着いた。
正面口からしか入り込めそうにないので、そこに向かって進行してきていた。
軍勢は150はあるだろうか。
その前衛のいびつな形をした魔物たち数十匹が進行していき、ついにイムタージュの門をくぐる。
だがしかし、街には誰も人がいないのだ。
迎え撃ってくるであろう人間の姿も見当たらない。
前衛の魔物が不思議に思い固まって慎重に進んでいく。
すると急に空から大量の風の刃が魔物たちを襲う。
風は魔物たちと共に地面に強い衝撃を与え、15体の魔物はその風にやられて消滅する。
攻撃を受けなかった、後ろにいた魔物たちがざわつくと建物の間から少女が一人飛び出す。
少女の手にはカードが握られており、カードを覆うように強い雷の魔力が携えられている。
飛び込んできた少女はカードを魔物たちに向けて投げつける!
カードは上位雷魔法を凌ぐ威力で魔物たちをみな包み炸裂する。

この2回の攻撃で最初に侵入してきた魔物たちすべてを倒した。



最後に攻撃した希は最初に風魔法で攻撃した花陽にグッドサインを送り、自分の持ち場に着く。

魔物たちはひるみつつも突っ込んでいく。
するとバリケードの裏から少女たちが飛び出して武器を構える。
魔物たちは3つの道に分かれていくが、少女たちは魔物を迎え撃つ。

魔物たちから見て
中央の道:絵里、後ろにことり
右の道:穂乃果、後ろに希
左の道:凛、後ろにアルファング
中央と右の間:海未
中央と左の間:花陽
そして病院の前でにこが控えている。


μ'sはみごとに余すことなく魔物を倒していく。
全員の心の中には真姫に対する強い思いがあった。

病院にいるにこは魔物が向かってきていないことに少しも驚いていない。
にこからの連絡を、病院で待機している人たちに伝える役の男性がにこに聞く。


男性「きみ、かなり落ち着いているけど…」


にこ「信じて待っているから大丈夫よ。みんなも私を信じてくれてる」


にこ「それにみんなの心には真姫ちゃんのこの街に対する思いがある。大丈夫だから」
247 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/03/28(火) 22:28:10.72 ID:Q9Abj4nb0
魔物はどんどん倒されていく。
屋根の上から的確にあふれた魔物を倒し、近接班は可能な限りすべてを倒していく。
魔物自体は固くないため簡単に倒すことができる。

魔物たちはまったく侵入できないことにいらだちを隠せていない。


穂乃果「みんな!ここから!!」


穂乃果の鼓舞に応え、全員の攻撃のペースが上がる。
魔物の勢いが弱まっていくと、魔物の軍勢の奥に控えていたドラゴンが急に中央の道に突っ込んでくる。


絵里「何!?」


ドラゴンはトラックくらいの大きさで大きな翼があるが屈強な足で突進してきた。
ドラゴンの上には鎧を着た皮膚が灰色の男性が乗っている。腕には槍が携えられている。
絵里の前でドラゴンは停止し、ギラリと睨む。


ドラゴン「わが名は、ドラギュラス!」


ドラギュラス「我の背に乗っているのは、騎士ラインガイス!」


ドラギュラス「よくぞこの錬金魔獣たちの進行を止めているな少女たちよ」


絵里は突っ込んでくる魔物たちを冷静に倒しつつ、ドラギュラスに注目する。


ことり「絵里ちゃん大丈夫!?」


絵里「まだ攻めては来てないわ!」


ラインガイス「ドラギュラス、そろそろ行ってもいいんじゃないか?」


ドラギュラス「そうだな」


魔物たちをばったばったと斬っている絵里に向かってドラギュラスは急接近。
どしどしと突っ込んでいき、絵里を薙ぎ払うようにしっぽを振るう。
周りの魔物たちも吹き飛ばされていき、絵里は盾をしっかり構えて受け止める。

ドスッ!!

しかししっぽの薙ぎ払いはかなりの威力で、絵里をそのまま吹っ飛ばす。
吹き飛ばされた絵里はそのまま建物に突っ込んでいき、壁に激突する。


絵里「がっ…」


絵里は地面に崩れ落ち、魔物たちが進行を進める。
海未と花陽とことりがカバーして魔物は進みきることができなかった。
絵里がよろよろと立ち上がると、ドラギュラスはまたしっぽを振るって絵里を薙ぎ払う。


絵里「くっ!」


上手く屈んでしっぽをやり過ごす。
しっぽの先は建物を少しえぐり、瓦礫が絵里の背中にかかる。


絵里「あのしっぽを受けきるのは無理ね」


低姿勢でその場を離れて、ドラギュラスに突っ込んでいく。


絵里「とりあえず戦ってみる!!」


足に魔力を纏わせて移動速度を上昇させ、ドラギュラスの足に向かって剣を水平に振るう。
248 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/04/04(火) 21:03:06.85 ID:VB1dq4/W0
穂乃果「この音なに!?」


右の道で戦っている穂乃果は中央の道から聞こえた大きな音に戸惑う。


海未「魔物の軍勢を率いているであろう魔物が中央の道に攻めてきて絵里と戦っているんです!」


穂乃果「大変!!」


海未「普通の魔物の勢いも弱まってきています。私たちはこの魔物を確実に倒しましょう!」


穂乃果「っ…。わかった!!」


中央の道ではまた絵里が吹き飛ばされており、地面に倒れ込む。


絵里「剣が食い込んだと思ったら足に蹴り飛ばされた…」


絵里「この2回の攻撃だけなのにかなり重い…」


絵里が膝をついてドラギュラスを見つめていると、自分を優しい魔力が包む。


絵里「この魔法はことりの回復魔法ね!?」


後ろを振り向くと絵里に向けてロッドを伸ばしていることりがいた。
絵里の体の痛みは少しずつ引いていく。


ことり「普通の魔物もかなり少なくなってるよ!」


絵里「わかったわ!」


絵里は剣を強く握りしめ、ドラギュラスをもう一度睨む。


絵里「行くわよ!」


立ち上がってドラギュラスの正面から突っ込んでいく。
ドラギュラスは右手のかぎ爪で絵里を薙ぎ払おうとする。
絵里は立ち止まってから盾でかぎ爪の攻撃を受け止め、足と剣に魔力を込めて突っ込む。


絵里「フローズンブースト!」


足元と剣に氷の魔力が現れ、ドラギュラスは顔を斬られそうになるが顔を大きく上げて剣を避ける。
剣は振りぬかれて空中に氷が現れる。
絵里はすぐに横に飛び込んで距離を取る。
しかし絵里に向かって翼を大きくふるう。
翼から闇魔力が弧を描くように飛び出し絵里を襲う。


絵里「そんな攻撃まで?!」


咄嗟に盾を構えて闇魔法を防ぐ。
闇魔法は絵里の盾で弾けて散り、絵里の後ろの壁に衝突して壁を崩す。


絵里「攻撃も重い!」


ドラギュラスは絵里に向かって突っ込み、頭を大きく上げて絵里に向かって真上から振り下ろす。
横に飛び込んで避けた絵里だが、頭が振り下ろされたところを見ると顎が完全に地面に埋まっている。
ドラギュラスもすぐに顎を引き抜いて頭を横にふるった。
絵里は盾で攻撃を受け止めるが体勢がしっかりしていなかったため完全に薙ぎ払われ、大きく吹き飛んでいく。
比較的近くに作っていたバリケードに背中から直撃し、地面に膝から落ちる。
ドラギュラスは攻撃の手を休めずに絵里に接近していき、足で強く踏ん張ってしっぽを振るう。


絵里「避けれないっ…」

249 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/04/15(土) 17:55:43.05 ID:5x7R6KRW0
剣を持った手を盾に携えてしっぽを受ける。
防ぎきることなど到底できず、体は一気に後ろに飛ばされていく。
バリケードに背中から当たるがしっぽはそのまま振られており、バリケードを突き破って絵里は薙ぎ払われる。
宙を大きく舞って中央の道と右の道の間に並ぶ建物の壁にぶつかり、弾むように地面に落ちる。


絵里「うっ…」


絵里にはかなり大きなダメージが入っており、倒れたまま立ち上がれない。


花陽「メガウィンド!!」


それを見た花陽はドラギュラスに向かって上位風魔法を放つ。
風魔法はドラギュラスめがけてキリキリと空を切って飛んでいく。
しかし風魔法はドラギュラスの大きな翼により防がれてしまう。


海未「花陽が攻撃を…。ということは、凛とアルファングはうまくやっているということでしょうね」


海未「…ですが、それはこちらも!」


そう言って海未は矢を魔物の脳天にぶち込む。


穂乃果「とりゃあ!!」


最後の魔物を穂乃果が斬り倒し、右の道に進んでくる魔物は完全にいなくなった。


海未「登ってきてください穂乃果!」


穂乃果「わかった!」


ひょいひょいと壁の凹凸やバリケードの残骸を足場にして屋根に登る。


穂乃果「あのドラゴンが…」


海未「ええ、絵里がピンチのようです。ことりも回復魔法を唱えようとしています!穂乃果はあのドラゴンを抑えてください!」


穂乃果「了解!」


海未「絵里がちゃんとした一撃を入れれないで一方的にやられるほどの相手です!気を付けて!」


穂乃果「一撃も…。わかった!」



ことり「絵里ちゃん、まったく立てそうにない!」


ことり「エンジェリックヒール!!」


ロッドの先から放たれた白く優しい魔法が絵里に向かって飛んでいく。
魔法が絵里を包むと絵里の体の傷はどんどん癒えていく。


絵里「ことり…」


花陽も魔法を放ち続けるがドラギュラスは翼で魔法を防ぎ続ける。


花陽「はぁ…はぁ…」


ラインガイス「雑魚たちはほとんど消滅したようだな」


ドラギュラス「…そのようだ」
250 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/04/15(土) 18:40:57.38 ID:5x7R6KRW0
花陽「ドラゴンの背中に乗っている騎士、何もしてこなくて不気味…」


ラインガイス「あの魔法使いが邪魔だな。俺が行こう」


ドラギュラスの背中に携えていた大きな槍を右手で掴み、背中の上で立ち上がってからドラギュラスのしっぽに飛び乗る。


ドラギュラス「行くぞ!」


そう言われてラインガイスは体勢を低くし左手でしっぽをつかむ。
それを確認してドラギュラスはしっぽを大きくふるい、その勢いでラインガイスは花陽の方に向かって跳躍!凄まじいスピードで花陽に接近していく!


花陽「なっ!?」


急に起きたことで花陽は回避行動に移るのが遅れてしまい、ラインガイスはそれを見逃さずに槍を構えて花陽を貫く準備をする。
空中でも体勢を一切崩さない強靭な体幹を持っており、2m程度で人型だが鎧をつけているため速度が速い。
それを地面で見ていた絵里はなんとか立ち上がるが、ジャンプしても一度の跳躍では屋根の上へ届かないのでどうすることもできない。


絵里「花陽!!」


ラインガイスと花陽の距離は3m程度のタイミングで槍を突き出した!槍自体がラインガイスの身長よりも長いため突けばこの距離でも簡単に串刺しにできる。
花陽は咄嗟にリフレクトを唱えて自分の前に防御壁を張るが薄い壁だ。誰がどう見ても貫かれてしまう。
ことりは、攻撃を受けた花陽に放つ回復魔法を前もって詠唱している。


ドラギュラス(無駄だプリースト!その突きを喰らえば確実に絶命する!!)


ドラギュラスはラインガイスを投げ飛ばしてすぐに、気を取られている絵里に向かって突進しようと身構えた。
誰もがあの魔法使いを助けようとするから、その時に一瞬の隙ができると考えたのだ。
しかしその作戦は成功しなかった。
突進しようとしたドラギュラスめがけて強力な一筋の魔力の塊が飛んできたのだ。
それは弓使いの園田海未によるラブアローシュートだった。
ドラギュラスは瞬時に頭を動かして頭部への直撃は避けたが顔の横をかすめて体に突き刺さる。


ドラギュラス(弓使い!?)


海未は、ラインガイスがドラギュラスにより投げられた瞬間に魔力を矢に込めてドラギュラスを狙おうと決めたのだ。


ドラギュラス(なぜラインガイスを狙わない…!?)


ラインガイスが投げられてからあっという間に小泉花陽に接近した。こっちに向けて矢を放つのだとしたら、ラインガイスは最初から狙っていないということになる。ラインガイスを狙おうとしてからこっちを狙った場合、こんなに早く矢が直撃しない。
ドラギュラスはそう瞬時に考えてから、園田海未の前を通って屋根から飛び出す人影が視界に入る。


ドラギュラス「ラインガイス!!!」


屋根から飛び出した人影は、高坂穂乃果。
穂乃果はドラギュラスのもとに向かおうとしたが、ドラギュラスが不思議な動きをしているのを確認し足を止めていた。
ラインガイスが投げ出された瞬間に花陽の危機を予測し、瞬時にバックして助走する距離を開ける。
ドラギュラスに向けて弓を引いていた海未を横目で確認。海未も穂乃果がバックした瞬間に矢を放つ。
自分の前を青い光が通り過ぎるのを合図に、穂乃果は屋根の上を駆けて向こう側にいる花陽に向かってジャンプする。
空中でシャイニーブレイドを発動し、左手に剣を持つ。
右に持つフェアリー・サンシャインを水平に持ち魔力を込める。


穂乃果「スパイラル・オレンジ!!」


宙で右手の剣を突き出した穂乃果はその勢いで加速。
ラインガイスの槍を右の突きで弾くことで槍は花陽に当たらず空を裂く。
いきなり突きの軌道が変わって驚いたラインガイスは穂乃果の方を向く。


ラインガイス「!?」


左手の魔力の剣にも魔力を込めてラインガイスの背中に剣を振り下ろす。
スパイラル・オレンジで加速していたため瞬時に追撃を行えたのだ。
鎧に直撃したためガキン!という音が鳴り、ラインガイスは屋根にたたきつけられて花陽の横をすり抜けて向こう側の道に落ちる。


花陽「穂乃果ちゃん!!」
251 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/04/15(土) 18:59:46.29 ID:5x7R6KRW0
穂乃果は屋根の上に着地する。


穂乃果「よかった間に合った!」


花陽「ありがとう助かったよ!」


穂乃果「花陽ちゃんは今落ちた人よろしく!あのドラゴンはこっちで引き受けるよ!」


花陽「わかった!!…あ、そういえば希ちゃんは?」


穂乃果「多分もうすぐ!」


花陽「…!」


穂乃果が視線を上に向けていたので花陽もふと上を見る。
すると空からドラギュラスに向かって降下している希がいた。


穂乃果「希ちゃんは一足先に空で準備してたんだ!」


希はプラムとサモンコネクトして空に舞い上がっており、降下するときにヒュベリガルとコネクトして右手に持つタロットに雷の魔力を集中させていた。


海未「喰らいなさい!」


ドラギュラス「小賢しい!」


海未の魔力を込めた攻撃は、ラブアローシュートほどの威力は無いが確実にダメージが入る。
矢は胴体を攻撃していて、ドラギュラスにあたると出血している。


絵里「さっき私が足を攻撃した時に肉質が固かったことを見逃してなかったのね!」


ドラギュラス「だがこの程度!」


海未に向かって突っ込むために体勢を低くして突進しようとするドラギュラス。


海未「いいタイミングです」


そんなドラギュラスの頭部に強い衝撃が走り地面に強く打ち付けられる。
その衝撃は雷を纏っていてさらに地面にめり込む。


希「ヒュベリサンダー、やで♪」


降下した希はドラギュラスの頭にヒュベリガル並みの一撃を放つ。
ちょうど体勢を低くしたため地面と頭が近くなりより高いダメージを期待できたのだ。
252 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/04/15(土) 19:00:22.22 ID:5x7R6KRW0
今日はここまで
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/19(水) 03:45:57.13 ID:B5rc1//A0
>>252
乙です!
敵は結構手強いですね……
254 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/04/29(土) 21:03:00.79 ID:u7es2GMu0
ラインガイス「く…。油断してしまったか」


凛「こっちが片付いたから行こうと思ったら、その必要はなくなったみたいだにゃ」


ラインガイスはゆっくりと立ち上がり凛を睨む。
凛は腕をぶんぶん回して戦闘態勢を取る。
花陽も屋根の上からラインガイスを狙っており、凛の後ろでアルファングが体勢を低くしている。


ラインガイス「2人と1匹で、私の相手をする気か?」


花陽「気を付けて!何をしてくるかわからないよ!」


凛「了解だにゃっ!!」


そう返事をしてすぐに凛は突っ込む。
ラインガイスは槍を振るって凛を薙ぎ払おうとするが、凛は体勢を低くして槍を避け、そのまま突っ込んでラインガイスの腹部にパンチを入れる。


凛「喰らうにゃッ!」


しかしラインガイスは槍を持ってない左手で凛の拳をしっかり受け止めていた。


凛「!?」


ラインガイス「俺たちはグロノム3皇だぞ?なめるな」


膝で凛の腹部に蹴りを入れると、後ろから花陽が炎魔法を放ってくる。
255 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/05/11(木) 18:42:13.64 ID:gFsmyp3N0
現在リアルが忙しいので投稿できていません…
申し訳ない!
256 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/05/16(火) 20:36:36.68 ID:x/GxTrZMO
もう少し待っていてください!
257 : ◆G2i9TD/uc6FP [saga]:2017/05/17(水) 21:51:01.37 ID:nsKok0Qe0
花陽「グロノム3皇…?」


ラインガイスは炎を軽く避けて、凛を投げ飛ばす。
凛は建物の壁に激突し地面に倒れ込む。
アルファングが体勢を低くして突っ込んでくる。


ラインガイス「幻獣か…。ディアボロスも幻獣だったな」


槍の先端に闇魔力をまとわせ、ぐるぐると回し槍を突き出す。
闇魔力が凄まじい速度で放たれてアルファングの前脚に直撃し転倒させる。


凛「アルファングっ!!」


ラインガイス「我らはグロノム3皇。グロノム様が錬金した魔王軍でトップクラスの実力を持つ魔物3体につけられる称号だ」


花陽「いったい、なにを…?」


ラインガイス「この街にキマイラが潜入していたのだがな。奴は人間に憑りつくことができる魔物だからうまくやっていると思ったんだが」


ラインガイス「やつの反応が消えて、我らが軍を率いてこの街に来たわけだ」


凛「かよちん!もしかしてそのキマイラって魔物って…」


花陽「もしかして、昨晩真姫ちゃんが倒した魔物のこと…!?」


ラインガイス「やはりμ'sがやったのか。さすがだな、奴を倒してしまうとは」


凛「倒したのは凛たちじゃないにゃ!真姫ちゃん一人でやったんだにゃ!!」


ラインガイス「一人?にわかには信じがたいが…まぁいい。μ'sが居てちょうどよかったのだから」


凛「グロノムって…もしかして魔王軍か何かかにゃ…?」


ラインガイス「その通り、魔王軍幹部『グロノム』様だ」


ラインガイス「我らは錬金されて複数の魔物の長所を掛け合わせた存在。最強の…兵器だ!!」


中央の道でドラギュラスと戦闘を行っていた穂乃果たちもおなじ内容をドラギュラスから聞いていた。


穂乃果「魔王軍幹部…」



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