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モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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525 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/20(火) 04:20:28.00 ID:RuS2Oh8G0
「おうち・・・? どういうこと?」
「凛さん、チカちゃんがカースだっていうことは知ってますよね?」
「? そうだけど・・・」
「そして、カースはさっき見たコラプテットビークルみたいに、カースは物に取りつくこともあるようですっ」
「・・・なるほど。
そして、この棚が家だったっていうことを考えると・・・チカちゃんは元は人形だったんだ」
「そういうことですっ
そして、私が手紙を届けるときには、ほとんどの場合で家にお届けしますっ」
私はバッグから手紙を取り出し、チカちゃんに差し出す。
「はいっ、お手紙ですっ!」
チカちゃんは手紙を受け取ると、早速封を切って読み出しました。
526 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:22:10.99 ID:RuS2Oh8G0
しまった・・・・・・
>>524
、
>>525
は僕です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――ラブリーチカちゃんへ
初めまして。
君は私のことを全く知らないかもしれないけれど、私は君のことをよく知っている。
だって、私はテレビでラブリーチカちゃんの活躍をよく見ていたから。
初めて君の姿を見たのは、私が小さい頃だった。
当時、学校でいじめられていた私は、ある日の朝のテレビで君の姿を見た。
君の体よりも何倍にも大きい敵に対して、勇敢に戦っていた姿は、私に勇気をくれた。
そのあと、いじめっ子のリーダーに歯向かって、まあ、結果的には返り討ちに会ったけども、それ以来いじめられることはなくなった。
それから毎週、テレビで君の姿を見るたびに、私はテレビの前で応援し続けた。
時にやられそうになりながらも、友達のために、地球のために戦う姿は、大人になったときであっても、印象強く覚えている。
だけど、そんなラブリーチカちゃんに対して、1つだけ可哀そうに思ったことがある。
それは、一緒に戦ってくれる仲間がいなかったことであった。
君の体よりも何倍にも大きい敵に対して、勇敢に戦っていた時も、
一度は負けて、厳しい修行をした時も、
最後の敵に対して、満身創痍になりながらも打ち勝った時も、
そばで応援してくれたり、手助けしてくれる仲間はいても、戦っているのはラブリーチカちゃん1人だけだった。
今も君は1人で戦っているのだろうか?
この世界には、君みたいに強大な敵に対して勇敢に戦うヒーローがたくさんいる。
そしてきっと、君と一緒に戦ってくれる仲間もいるはずだ。
そんな仲間を探してほしい。
そのほうが―――きっと、寂しくないから。
この世界に生まれ落ちた君に、幸あらんことを。
ラブリーチカのファンの1人より―――
527 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:23:28.39 ID:RuS2Oh8G0
「・・・・・・うん、きっと仲間を作るよ。
そしたら、みんなと一緒に会いに行くからね・・・・・・!」
手紙を読んだチカちゃんは、目に涙を浮かべていました。
「・・・ラブリーチカって、架空のキャラクターだよね?
それなのになんでこの人はいると思って書いているんだろう・・・?」
「病室で治療を受けていた時、憤怒の街でさまよっているチカちゃんの夢を見たんだそうです。
それで、ラブリーチカちゃんがいると思ったんだそうで・・・」
「そんな理由で・・・? 変だよ、それ・・・。」
そう言った凛さんに、私は微笑みで返すと、チカちゃんに目線を合わせるためにしゃがみました。
「チカちゃん、手紙を読んでどうでしたか?」
「・・・あたし、ずっと1人ボッチだと思ってた。
でも、私は知らないけど、ちゃんと私を応援してくれている人がいて、それに気づかせてくれた人がいて・・・グスッ、
あ、あたし、1人ボッチじゃないんだなって・・・!」
そしてチカちゃんはわんわんと、泣き出してしまいました。
凛さんと私は、泣き止むまでずっと見守りました。
528 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:32:29.41 ID:RuS2Oh8G0
「あなた達ですね? 勝手に憤怒の街に入った兵士っていうのは」
ヘリから降りてきた少女3人に、心達は銃を突きつけられていた。
「おいおい、待ちなって♪
いきなり銃を突きつけられても、はぁと、困っちゃうぞ、おい☆」
「とぼけたって無駄ですからね!
あなた達を探すために、憤怒の街を端から端まで探したんですからね!」
「そりゃあ、ご苦労さん♪
その途中であちらの方に森が出来てたのを見かけなかったか?」
銃を突きつけた少女達は顔を見合わせる。
そして、ヘリに乗っていた男に視線を向ける。
「・・・そんなもの見たことがないな。この一帯は草木一本も生えない廃墟になったと聞いている」
「そうですよ!第一そんな平和そうな所、あったらここからでも分かりますよ!」
「でまかせを言って、こちらの気を紛らわせようたって、そうは行きませんからね!」
「あんまり変な事を言ってると、撃ちますよ!」
そうして銃を構え直す3人。
「・・・そっか。あんた達は部外者ってことか」
心の後ろにいるポストマンとケイトが身構える。黒い人型のカースは腕を組んで相手を見据えていた。
「いや、いい。はぁとがやる。」
その彼らを、心は手で制し、前に出る。
「というより、こいつらははぁとが相手をしてやらないといけないようだしな☆」
「・・・どういうことだ?」
ヘリに乗っていた男が訝しそうに訊ね返した。
「強化兵計画」
「!?」
その一言に反応した4人。
しかし、心は話を続ける。
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/11/20(火) 04:35:39.57 ID:RuS2Oh8G0
「GDFによる、兵士の強化計画。来るべきカース、能力者との戦いに備え、様々な面からの強化を加え、最強の強化兵士軍団を作るための計画。それだけでなく、大罪の悪魔や未知の勢力、更にはアイドルヒーロー達や天使とかいう奴等も想定に入れていると聞いた事がある。」
心は話を続ける。
「そしてその方策には様々なアプローチが考えられた。単純に既存の兵器を強化する。特殊なアーマーを作り、それ専用の兵装を開発する。搭乗できるロボットを作る計画もあったか?あれはあんまり芳しくは無かったようだけどな♪
だが、その計画は制限が無くてな。わざわざGDFとは無関係の組織を作って、人体改造もやってたし、挙げ句の果てには人体にカースの結晶を埋め込んだりした。」
「お前・・・何を知っている?」
「まあ、慌てるなよ♪ せっかちさんは嫌われるぞ☆」
尚も心は話を続ける。
「恐らくあんた達はその計画の1つ、『シンデレラ計画』で生まれた強化兵士。一般の兵士では運用の難しい兵器群を扱うために、強化の容易な子供、それも少女を人体改造し、その兵器を運用していく。基本的には4人1組の部隊として運用され、世界各地の対カースの前線に投入される予定だったが、素体を少女に限っていた事や身寄りの無く、死にかけの者に限定していた事が仇になり、非人道的な計画でもあった事で、3人目が作られた時点で廃止になった。」
と、ひとしきり言い切ったところで、心はニッと笑う。
「とまあ、これだけ話すと恐ろしく感じるけど・・・・・結構、可愛いじゃんよ☆」
530 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:38:20.43 ID:RuS2Oh8G0
>>529
は私です・・・またやってしまった・・・
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おいおいシュガーハート、そんな事言ってる場合かよ」
「デモ、確かにあの子達はキュートネ。1人はパッションってカンジだケド。」
「パッション?何の話だ?」
ケイトの発言にポストマンは首をかしげる。
そして、片手にマイクを持ったような仕草をして、
「そんなシンデレラ1にアタックチャーンスっ! 何故GDFはそんな非人道的な事までして、強化兵計画を推し進めたのか?先ずは・・・そこのさっき平和そうな所とか言ってた子から!」
ずびっ!と指を指し、シンデレラ1の1人を指名した。
突然指名されたシンデレラ1の1人、有浦柑奈はテンション高めにーーー
「それはズバリ、ラブアンドピース!!」
「はぁっ!?」
思いもしなかった回答に思わず驚いた心。
「この世界に足りないのは愛と平和!全ての生きる者が愛を知れば、世界は平和になります!」
「いや、そんな事宣う奴が、なんで銃向けて来るんだよ?」
思わずポストマンがツッコむ。
「簡単ですよぅ!世界の平和を乱す悪くて愛の無い奴等を全員ぶっ飛ばせば世界は平和にげふぅっ!?」
隣にいたシンデレラ1の1人、五十嵐響子が柑奈の鳩尾にアッパーブローを食らわせた。
それを食らった柑奈の体は浮き上がり、地面に背中から倒れこむ。
「・・・・・・」
唖然とする、心一行。
531 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:40:12.99 ID:RuS2Oh8G0
「あっ、ごめんなさい。ちょっと不適切な発言が聞こえちゃいましたので。今の話、続けてください。」
殴った右手の握りこぶしそのままに、笑顔で促す響子。こぶしからは煙が出ているような気がした。
「タイム、ターイム。作戦ターイム」
心は急いで戻り、3人と1体で円陣を組む。
「おい、やべーよ☆
シンデレラ1があんなにやべー奴等だとは思わなかったぞ、おい☆」
「うむ、今のアッパーブロー、中々良い筋してたぞ?」
「関心してんじゃねぇよ♪
あいつら、ほんと、やばくね?」
「やばいケド、今の話の続きしないと撃ってくるわヨ?」
「あのー、まだですか? 早くしないと撃ちますよ?」
「ほら呼んでるぞ、シュガーハート。
俺達を制止した以上は、お前が相手しろよ、シュガーハート。」
「うぇぇ・・・少しは労われよ、おい☆」
そう言って、トボトボと戻っていく心。
んんっ!と咳払いをすると、今度はサイドテールの子に指を指した。
「ま、まぁ、さっきのは置いといて、次はそこのサイドテールの子、どうよ?」
532 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:45:10.57 ID:RuS2Oh8G0
「わかりません!!」
「うぇぇっ!?」
きっぱり言われて、今度は違う意味で驚く心。
「いや・・・気にならんの? あんたらができた意味とか?」
「それは気にならないといえば嘘になりますけど・・・私達はそもそもその計画が無ければ死んでいましたし・・・
記憶がないのは不便ですけど、今こうして生きているのはその計画のおかげなんです」
「だからGDFには感謝してるし、その後も良くしてくれてるから、今更何言われたって失望したりなんてしませんよ」
その言葉に、ヘリを操縦していた兵士は「そうか・・・そんな風に思ってくれてたんだな・・・」と呟いた。
「・・・散々、非人道的行為を繰り返した強化兵計画も、負の一面ばかりじゃなかったってわけだな」
「まあ、こいつらにとっては結果オーライってことで、この話もする必要はないんじゃねぇかな☆」
「いや、ちょっと待ってくれ」
心とポストマンが言うのをやめようとしたが、ヘリを操縦していた兵士が待ったをかける。
「その話―――美羽と響子がよければなんだが、聞かせてくれ」
そういって、美羽と響子を見ると、二人はうなずく。
「そっか。じゃあ、聞かせてやるよ♪
・・・そもそも『強化兵計画』っていうのは―――GDFによる、『英雄複製計画』であり、
かつての私や今のケイトのような、”GDFの英雄”を作り出すための計画だ。」
533 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:45:49.26 ID:RuS2Oh8G0
チカちゃんに手紙を渡し、チカちゃんが泣き止むまで待つことにしたユウキ達。
そんな様子を、遠くから望遠鏡で覗いている男が1人。
「おうおう、なんか面白れえ奴がいるな
人間様と仲良くしているカースなんざ、初めてみるぜ」
その様子を見て、ニヤリとした表情を浮かべていた。
「しかし、まあ、なんだ? あんな様子を見てると―――虫唾が走るな
どれ、ちょっと引っ掻き回してやるとしますか」
そう呟いた、男の姿がゆがむ。
「人間とカースは、互いに争いあうのがお似合いなのさ―――」
男の姿が消える。
534 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/20(火) 04:48:49.77 ID:RuS2Oh8G0
というわけで、今日は以上です。
・・・・・・sage忘れ、トリつけ忘れを3回もorz
申し訳ねぇ・・・。
そして、予想以上に長丁場になっちゃってる憤怒の街
総量としては大したことなさそうなんだけど、随分書くのに時間かかっちゃってるなぁ
忙しかったのもあるけど、頑張らないとなぁ
535 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/21(水) 11:06:48.89 ID:CeOgqrnXo
おつおつ
読み応えガあるぶん書くのも大変そうだなと思うこのごろ
536 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2018/11/22(木) 02:42:07.59 ID:sFkY68QV0
あ、すいません
毎度のことですが、リンちゃん、ラブリーチカちゃん、シンデレラ1の方々(柑奈ちゃん、響子ちゃん、美羽ちゃん)お借りしてますー
537 :
◆zvY2y1UzWw
[sage]:2018/11/24(土) 22:32:40.55 ID:vONOS72v0
おつでして
今回もまた不穏な引きですね…!
とりあえずチカ幸せになって…
538 :
◆6J9WcYpFe2
[sage]:2019/05/07(火) 00:12:33.55 ID:UQJLizrn0
投稿しまーす
まだまだ書きたい場面は全部書けてないから、まだ続けますよー
539 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:18:27.63 ID:UQJLizrn0
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「『英雄複製計画』・・・? GDFの英雄・・・?」
突然明かされた計画の名前に驚くヘリのパイロット。
英雄。つまりはヒーローとも言い換えることができる。
そしてヒーローと聞くと、どうしてもアイドルヒーローを連想してしまう。
だが、側にいたシンデレラ1の面々は怪訝そうな顔をした。
「英雄・・・という割には、普通の兵士よりちょっと強そうという感じにしか見えないけど・・・?」
「英雄と言われるほどには、強そうには見えませんね」
確かに・・・とヘリのパイロットは思う。
目の前にいる兵士は、確かに普通の兵士よりは強いだろう。
しかし、英雄とまで言われるほどかと言われると、疑問が残る。
さっきも連想した通り、英雄と聞くとアイドルヒーローを連想する。
しかし、目の前にいるツインテールの女を筆頭とした者達がそれほどの力を持っているようには見えない。
540 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:19:47.36 ID:UQJLizrn0
「じゃあ、これならどうだ?」
すると、目の前のシュガーハートと呼ばれる人物の手が青く光った。
その手の光が左右に広がったかと思うと、青い線のようなのが次々を発生し、それが組み上がっていく。
そしてその骨子が組み上がり、一本の刀の形を為したかと思うと、光が破裂した。
そして、シュガーハートの手には、一振りの鞘付きの刀が握られていた。
「はぁとは物を出し入れ出来る『アイテムボックス』っていうのを持っているぞ♪」
「能力者だったのか・・・!?」
「・・・まあ、そういう事ネ」
「さらにこんな物も出せるぞ、ほれ☆」
シュガーハートは右腕を広げると、広げた右手の先にまた青い線が骨子のように紡がれていき、一つの乗り物となる。
GDFが製造している兵員輸送用のトラックだ。
「乗り物まで出せるのか!?」
「まあ、大きさも量も限りはあるけども、普通に基地一つ分は難なく出し入れできるぞ☆」
基地一つ分の物を出し入れできる能力。驚異的な能力である。
それでもシンデレラ1の一人、矢口美羽は疑問に思っていた。
「物を出し入れする能力・・・? でもそんなので英雄になれるものなの?」
541 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:22:07.84 ID:UQJLizrn0
しかし、もう一人のシンデレラ1ーーー五十嵐響子はその疑問に答えた。
「ううん、美羽ちゃん。これは凄いです。特にGDFにおいては、この能力があるのと無いのとでは作戦遂行能力に差が出ます。」
「そ、そこまでなの、響子さん?」
「例えば、私達って何時も専用の輸送車とかヘリで専用の装備と共に運搬されますよね」
「うん・・・あっ」
「今あの目の前にいる人が居れば、普通の輸送車でも運べますし、弾薬とかの補給物資ももっと多く積むことができます」
つまり、彼女が居れば長時間の作戦遂行が出来る。
それこそ、持っていける量が多ければ多いほど、彼女が戦場で与える影響というものが大きくなる。
それが基地一つ分となれば、任務中において補給の心配は無くなる。
「なるほど。確かに『GDFの英雄』と言われるだけの事はありそうだな」
「・・・まぁな☆」
・・・この能力は確かに、軍であるGDFにとっては英雄たる物で間違いないだろう。
542 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:23:56.99 ID:UQJLizrn0
「待ってください」
でも、この能力を褒めた本人である響子は疑問を口にした。
「確かにこの能力は英雄と言われるのも納得がいきますけど・・・
その能力を元にしたのであれば、私達は補給物資の運搬に特化した形になるはずです。
私達にもそういう装備が無いわけでは無いんですけども、実際にはカースと戦う為の装備もあるし、
色んな任務に対応するための装備もいっぱい計画されていたって聞いてますし・・・
そこの・・・方もそう呼ばれてますから、もしかしたら『GDFの英雄』は他にもいるんじゃないですか?」
「あ、ゴメンネ。ケイトよ。それと他にもいるっていうのは本当ヨ。
ワタシはそこのシュガーハートさん以外とは面識は無いけどネ」
「私はあるぞ? まあ、色んな意味ですげー奴だった・・・ぞ☆」
どんな奴なんだ、それ。
恐らくはその人が戦闘面で凄い活躍をしたのだろうかと、この場にいたシンデレラ1達は納得した。
543 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:25:22.56 ID:UQJLizrn0
だが、ポストマンの意見は違う。
(いや、シュガーハート。
GDFの中でも、いや世界中の中でも、あんた以上に凄い奴を知らねえし、
あんた以上にやばい奴もしらねぇ)
そうしてその会話に対して興味がなさそうな素振りを見せつつ、
手持ち無沙汰そうにポケットからとりだしたライターで、タバコに火をつけて一服する。
(俺はお前が世界征服とか破滅願望とか、そういうもんを持ってなくて良かったと、心の底から思ってるぜ)
544 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:27:35.91 ID:UQJLizrn0
_____________________________________
「ぐすっ・・・ひっぐ・・・」
チカちゃんは余程嬉しいのか、まだ泣き止まないようです。
「チカちゃん、まだ泣いてるね」
「余程嬉しかったみたいですね・・・っ」
何がともあれ、こうした手紙を届けられるのは私としても嬉しいですっ
つい顔がほころんでしまいますっ
ーーーけれど、話はこれで終わらないはずです
「・・・」
急に泣き止んだチカちゃん
「・・・?急に泣き止んだ・・・?どうしたの、チカちゃん?」
凛さんもそれを不思議に思ったのか、声をかけます
「・・・・・・セナイ」
「?」
「ユ・・セナイ・・・ユル・・・セナイ」
「え・・・何・・・?」
泣きまくっていた姿から一変した雰囲気を感じ取り、困惑した凛さん
・・・ついに、お出ましですかね
「ーーー許せない!!」
「!?」
545 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:33:00.73 ID:UQJLizrn0
瞬間、チカちゃんの胸のあたりにあった赤い石が強く光りました。
私は咄嗟に銃を構えます。
「凛さん、下がってくださいっ!」
その言葉を聞くや否や、凛さんは光の眩しさに目が眩みながらもなんとか這うようにして私の後ろに下がりました。
「はあああああ!!」
突然、私達に殴りかかって来ようとするチカちゃん。
「落ち着いてください、『千佳』ちゃんっ!!」
私は持っている銃の引鉄を引く。
すると、銃から光の膜が放出され、膜に当たった相手が弾かれた。
「!?」
弾かれた相手はそのまま床に尻餅をついた。
彼女は一瞬、驚いたような顔をしていましたが、
その表情は次第に変化していき、まるで怒っているかのような表情に戻りました。
「さっきまでと様子が全然違う・・・何があったの、チカちゃん!?
それとユウキちゃん、さっきの光の膜は何!?」
「今は自重してくださいっ!」
私は光の膜―――シールドバレットを維持するため、引鉄を引き絞り続ける。
この銃にはテーザーガンの機能だけでなく、自分の身を守る為のシールドを張る機能だってある。
この機能と相手の力を鑑みるに、破られることはそうそうなさそうだ。
546 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:35:06.23 ID:UQJLizrn0
しかし、相手はそれでも構わず殴りかかろうとして、光の膜に遮られ、弾かれていた。
「落ち着いてください、『千佳』ちゃん! このままじゃ、ボロボロになっちゃいますっ!」
「うるさいっ!お前に何がわかる!!
なんで、あいつだけ幸せになるんだ!!」
相手は力押しでは勝てないと踏んだのか、カースの力を使って違うカースを作りだしましてきました。
見た目はファンシーな感じですが、そこからは強い敵意を感じます。それが5体。
「いけ!オコダーヨ!!」
そして、オコダーヨと呼ばれたカースが私達に襲いかかりました。
「―――! ですがっ!」
突撃してきたオコダーヨですが、しかし、私が張った光の膜を突破出来ずに全て弾かれてしまいました
「・・・一体何があったの、チカちゃん?」
「あれは、『千佳』ちゃんですっ。ラブリーチカちゃんではない、正真正銘の千佳ちゃんですっ! そうですよねっ!?」
「―――!?」
その言葉に動揺したのか、千佳ちゃんとオコダーヨ達の攻撃の手が緩みました。
「なぜ、私が千佳だと・・・?」
「・・・さっきの千佳ちゃんのお父さんの夢の話は聞いてましたかっ?」
547 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:40:56.56 ID:UQJLizrn0
恐る恐ると、頷く千佳ちゃん。
「実はあの話で、ラブリーチカちゃんの夢を見たって聞いたんですけど、それだけじゃないんです。
そのラブリーチカちゃんと、そのラブリーチカちゃんによく似たもう一人の少女―――
―――そう、『千佳』ちゃんが、喧嘩をしていたって言ってました」
話の内容が気になるのか、今度こそ攻撃の手を止めた千佳ちゃん。
それを見て、シールドを解除しつつも私は話を続けます。
「『なんで私は死ななくちゃいけなかったの?』
『なんであんたが私と一緒の体にいるの?』
『なんであんたはお父さんに構ってもらえたの?』
『私なんか、仕事だからって全然構ってもらえなかったのに!!』
―――そんな感じのことをラブリーチカちゃんに言っていたそうでした。
いくら『それは誤解だ』と言っても聞いてもらえないぐらい、怒っていたって言ってましたっ」
「そうだよ!!
私はラブリーチカが許せない!
なんでチカはお父さんと一緒の部屋にいるの!?
私だって一緒に寝たかったのに、何時もあいつはお父さんと一緒の部屋にいて!!
それでなんでチカが表の人格で、私が裏なの!?
カースはあっちなのに、あっちは正義ぶって、私にだけ負の面を押し付けて!
―――今だってそうだよ!
なんでラブリーチカだけなの!?
私はお父さんの娘なのに!!
お父さんは私を嫌いになったの!?」
548 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:42:36.98 ID:UQJLizrn0
そして再び襲いかかる千佳ちゃんとオコダーヨ。
私は銃のモードをテーザーガンに切り替えた
「私の話はーーー」
私は襲いかかってくる中を掻い潜って、千佳ちゃんに一気に近づいた
その間に5回引鉄を引き、5体のオコダーヨに当てる
思念誘導式の雷撃は、対象を正確に狙わずとも、私の演算能力で誘導して当てることができた
「まだーーー」
そして、空いた手で千佳ちゃんを掴み、襲ってきた勢いを利用し
「終わっていませんっ!!」
千佳ちゃんを背中から床に叩きつけた。
「かはっ!?」
背中から叩きつけられた千佳ちゃんですが、上手く加減は加えました。
ただ、片手で叩きつけたので、多少のダメージを与えてしまいましたが。
549 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:46:46.87 ID:UQJLizrn0
「今の・・・狙いも定めていないのに・・・?」
何やら凛さんが呟いてますが、構わず話を続けます
「ラブリーチカちゃんが最初だったのは、表に出ていたのがラブリーチカちゃんだったからですっ!
私は原則、本人にしか手紙を渡しませんっ!もしあの時千佳ちゃんが表に出ていたら、千佳ちゃんに渡していましたっ!」
それにーーー
「千佳ちゃんのお父さんは、決して千佳ちゃんを嫌いになったわけじゃありませんっ!
お父さんはお父さんなりに千佳ちゃんを大事にしていました。
そしてあの時お父さんは千佳ちゃんを探して、自らの危険を顧みずにこの街を探し回っていましたっ!
これは千佳ちゃんを大事に思っていなければ出来ないはずですっ!」
「なら、お父ちゃんに会わせてよ!なんで迎えにきてくれないの!?」
なんでお父ちゃんは迎えにきてくれなかったの!?
なんでここにいないの!?探しているって言うんだったら、連れてきてよ!!」
「無理ですっ!!」
「なんでっ!!」
「千佳ちゃんのお父さんはカースに襲われたんですっ!」
550 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:48:20.40 ID:UQJLizrn0
「えっ!?」
驚く千佳ちゃん。彼女が放っていた怒気が一瞬止まりました。
「先程も言いましたよねっ?千佳ちゃんを探すためにこの街に入ったって。
その時、GDF隊員の制止の声も聞かずに忍び込んだせいでカースに襲われたんですっ」
「お父さんは生きてるの・・・?」
「生きています・・・今は・・・」
「今・・・は?」
「ユウキちゃん・・・それって・・・」
「はい・・・。千佳ちゃんのお父さんはもう助からないって話でした・・・っ」
「そんな・・・!?」
私の口から告げられた言葉に、千佳ちゃんは膝をつきました
その時―――
『ははっ!ちょうどいいや!!
予定とは違うが、ちょっとその体を乗っ取らせていただきますよっと!』
551 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:59:05.98 ID:UQJLizrn0
「!?」
千佳ちゃんの背後から襲い掛かった影。
それが千佳ちゃんの体を覆うと、千佳ちゃんの中に入って行きました。
「千佳ちゃん!?」
そして、倒れこむ千佳ちゃんの体。
そこへ凛さんが駆け寄ります。
「な、なにが起きて―――
いや、それよりもどうしたらいい・・・どうしたら千佳ちゃんを―――」
「大丈夫ですよ、凛さん」
ええ、本当に・・・なんてことをしてくれたのでしょうか・・・っ
「・・・ゆ、ユウキちゃん?」
私がお手紙を届けようとしている相手に・・・こいつは・・・っ!!
「私が何とかして見せますっ それに―――」
私は自身が持つ「ラーニング」能力をフル稼働させる。
552 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 00:59:52.20 ID:UQJLizrn0
千佳ちゃんを襲った影が千佳ちゃんの中に入って行くのを見た。
あの影はどうやって入った?
どうやって千佳ちゃんを乗っ取ろうとする?
乗っ取るのに適したところは?
そう浮かんだ疑問を要素として、様々な結果を私の演算能力でシミュレートする。
そして、その結果を能力としてラーニングし、私の能力<ちから>とするっ!
「千佳ちゃんとの話はまだ終わっていませんからっ!!
―――ポゼッションッッッ!!!」
私は千佳ちゃんの胸の真ん中にある宝石に触れる。
553 :
◆6J9WcYpFe2
[sage saga]:2019/05/07(火) 01:00:36.03 ID:UQJLizrn0
=====================================================
Create Simulated Ability System --- Booted.
Ability[Possession] --- Break Out.
Check Root --- ...OK.
Neuron Connecter --- Online.
Hacking --- Complete.
Depth Feeling Area --- Connect
Entered, Cosmic Sphere.
=====================================================
554 :
◆6J9WcYpFe2
[sage]:2019/05/07(火) 01:02:04.04 ID:UQJLizrn0
以上になります。
借りてきたのは前回と同じです。
まだまだ書いてますよー
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/05/09(木) 07:55:18.79 ID:XErDb8XWo
乙
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/05/17(金) 23:21:36.44 ID:1StV4CJR0
乙です
まだ可動していることに感動している。そして、ラブリーチカの話がもう…つらみ…お父さん…
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/09/02(木) 01:52:45.83 ID:t8JNH5sX0
まだ書き込めるのかテスト
PCとスマホのデータ整理してたら書きかけのSSがいくつも見つかって懐かしくなってまた書きたくなってしまった
スレの動きが無くなって久しい(SS速報自体過疎ってる?)けど、ため込んでたネタを書ききれていない点について、専ブラの一覧からスレを消せない程度には未練があるんだよなあ
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2021/10/03(日) 16:28:51.06 ID:LJLXjZa40
自分も更新無いかなってたまに見に来てる・・・
ネタまだあるし、書きかけもあるから、たまにその場面のことを考えちゃうんだよなぁ
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