【ガルパンss】まほ「Eシリーズを倒すぞ!」みほ「え?」

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529 :amano [saga]:2016/09/01(木) 00:45:10.39 ID:9adZNSS20

愛里寿「右コンマ3」

センチュリオン操縦手「(うへぇ、ほぼ同時かぁ!)なら……っ」グリンッ

センチュリオン操縦手「回れぇぇぇっ!!」ギャリギヤリギャリッ


───ヒュンヒュンッ

ガキィィィンッッヒュンッ───


愛里寿「う……っ」グラグラ

センチュリオン操縦手「よしっ……1発被弾しましたが継戦に問題ありません!」

愛里寿「うん、ナイスだ」グッ


第2小隊副隊長「なっ……なにあの回転はっ……!3回転したわよ!?」

副隊長車操縦手「正確には3.1回転ですね」

第2小隊副隊長「細かいわねぇあんたはっ」
530 :amano [saga]:2016/09/01(木) 00:46:59.67 ID:9adZNSS20

愛里寿「よし、ローズヒップさんっ」

ローズヒップ「お任せあれぇっ!!」ブゥゥンッ


───ブゥゥンッッ


副隊長車砲手「……ん?」チラッ


ブゥゥンッッブルブルブブブゥゥゥンッッ!!(暴走族並の走り)


クロムウェル1号車「やられたくなかったらもっと速度を出しなさいっ!」ギャラギャラッ

クルセイダー3号車「はいっ!」ブゥゥンッ


副隊長車砲手「!!っ、副隊長っ、聖グロの車両が次々に背後を……っ!」

第2小隊副隊長「!?、あっしまった……っ!!センチュリオンは囮だったのかっ!!」

第2小隊副隊長「砲手っ、砲撃準備───」

副隊長車装填手「駄目ですっ、彼女達の速度が装填時間を上回っていますっ!」ガチャガチャ

第2小隊副隊長「……っ」

第2小隊副隊長「……ふぅ、なるほど……」

第2小隊副隊長(隊長車であるセンチュリオンがわざわざ我々を引き付けるような行動を取った理由は、聖グロの車両が我々の隙を突いて背後に回り込む為……)

第2小隊副隊長(よくよく考えると絵に描いたような囮作戦だけど───)

第2小隊副隊長「……はぁぁ、やっぱりシンプルイズベストって訳ねぇ」

副隊長車砲手「どうします車長っ、背後に回り込まれてしまいましたが……っ」

副隊長車操縦手「流石に挟撃は不味いですよっ!!」

第2小隊副隊長「落ち着いてっ!まずは残った車両を集めて防陣を作って───」
531 :amano [saga]:2016/09/01(木) 00:49:14.48 ID:9adZNSS20

ギャラギャラギャラッ


四号車<ぎゃああ後ろに聖グロがぁぁ

副隊長<……って、なんかセンチュリオンもいつの間にかいないしっ

五号車<クルセイダーってあんなに速いのっ!?

六号車<くぅ、近寄られると照準出来ない……


センチュリオン砲手「隊長、あちこちから同時に聖グロの快速戦車が突っ込んだおかげで敵は大混乱に陥っています!作戦は成功です!」

センチュリオン操縦手「コメット達の速度の甲斐もあってか、被撃破車両もありません!」

愛里寿「よしいいぞ、後は聖グロと我々で挟み込んでボコボコにする。全車E75の正面以外を狙って」

右翼パーシング一同「「「はいっ!!」」」
532 :amano [saga]:2016/09/01(木) 00:50:45.52 ID:9adZNSS20

ギャラギャラギャラッ


ローズヒップ「皆さん無事ですのっ?」

クロムウェル1号車「E75に睨まれましたがなんとか……」ヘトヘト

クロムウェル2号車「私なんてE75と少し衝突しました……」ヒヤアセ

ローズヒップ「んもう、まだ撃ち合ってもいない時からそんなに疲れてたら持ちませんわよ!ほらほら行きますわよぉ!」ブゥゥンッ

クロムウェル1号車「あぁローズヒップさん待ってぇ!!」ギャラギャラ

クロムウェル2号車「あの底無しの元気はどこから……」ギャラギャラ

クロムウェル1号車「ダージリン様が『制御不能』と仰っていた理由が分かったような……」
533 :amano [saga]:2016/09/01(木) 00:51:31.80 ID:9adZNSS20


次回更新は未定。恐らくかなり遅くなります


ではでは

534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/01(木) 01:13:15.78 ID:WuC4Lf5Ro
乙です
更新楽しみに待ってます
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/03(土) 08:28:01.45 ID:jRcv1ID/o
乙!
更新待ってます
536 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:28:41.97 ID:oU6O/bdn0

ヒュンヒュンッ、ヒュンッ


第2小隊E75四号車「ひゃあっ、至るところから砲弾がっ」ヨケテーッ

第2小隊E75五号車「これって四面楚歌じゃないですか!?」

第2小隊E75六号車「違うわよっ、八方塞がりよ!」

第2小隊E75四号車「どっちも一緒よっ!!」

第2小隊副隊長「慌てないで!全車私のいるところまで集結しなさいっ!」

第2小隊E75四〜六号車「「はっ!」」ギャラギャラッ

第2小隊副隊長(センチュリオンがいる状況で散り散りは不味いっ、先ずは合流を目指さないと───)


───ヒュンッ

ガァァンッッ


第2小隊副隊長「うひぃぃっ!」グラグラ


ギャラギャラ───


愛里寿「私がまざまざと合流なんてさせると思う?」ニコッ

第2小隊副隊長「……あはは、そりゃそうですよね……」(苦笑い)
537 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:29:52.32 ID:oU6O/bdn0

〜〜〜〜〜



ローズヒップ「よぉし先ずはあの車両をいただきますわよぉっ!」ギャラギャラッ

クロムウェル1号車「私達の火力で大丈夫なんですかね?」

ローズヒップ「駄目だったら突っ込めばよろしくてよっ!私がチャーフィーを葬った時のように!」

クロムウェル2号車「いやーあれは真似しようとして出来ることでは───」

ローズヒップ「それぇぇぇっ!」ギャラギャラッ

クロムウェル2号車「って聞いてないっ」

クロムウェル1号車「私達も行くわよっ」オイテカレチャウ

クロムウェル2号車「え、えぇっ」グゥゥンッ


第2小隊E75四号車「……来たわね……っ、迎撃態勢を取りなさいっ」ウィィン


クロムウェル2号車「うっ、やはりあの砲を向けられると寒気が……」

クロムウェル1号車「当たらなければいいのよ当たらなければ!」
538 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:30:50.70 ID:oU6O/bdn0

ローズヒップ「……」チラッ(戦況確認)

ローズヒップ「……ふむふむなるほど……」

ローズヒップ「……よし決めましたわ!クロムウェル1号車はそのまま私に追従っ、クロムウェル2号車とクルセイダー達は北西の敵2両へ向かいなさい!」

クロムウェル2号車「了解ですっ」

クロムウェル1号車「了解っ……あの、センチュリオンの援護はよろしいので?」

クロムウェル2号車「確かに……どうやら1vs1で戦っているようですがっ」ギャラギャラ

ローズヒップ「え?愛里寿さんには私共の援護なんて必要ないでしょ?」

クロムウェル1号車「えっ、どうしてですか?」

ローズヒップ「え?」

クロムウェル2号車「見たところ互角には戦っていますが、私達の援護があれば有利に戦えるのでは───」

ローズヒップ「んん?互角……貴女達ちゃんと見てますの?」ギャラギャラ

クロムウェル1号車「え、何をですか?」

ローズヒップ「何をって、愛里寿さんのことですわ!」モウッ

ローズヒップ「あれはどこからどう見ても、愛里寿さんが100%優勢でしょう?───」
539 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:31:46.52 ID:oU6O/bdn0

〜〜〜〜〜



ヒュンッヒュンヒュンッ

ガキィィィンッッ


第2小隊副隊長「ぐぅっ……っ!!」グラグラ

副隊長車操縦手「右駆動系に損傷っ!!」ガチャガチャ

副隊長車砲手「度重なる砲撃で照準もずれてきていますっ、どこか安全な場所で修正しないと……」アタフタ

第2小隊副隊長(ちょっ───)

第2小隊副隊長(ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってっ、こんなに強いなんて聞いてないわよっ!!!)

第2小隊副隊長(まるで動きを掴めないっ、一瞬見失うだけでどこにいるのか把握出来なくなるっ)

第2小隊副隊長(島田流家元の子だから最大限に警戒してたのに……こんな一方的な防戦になるなんて……っ)グラグラ


───ガシャァァンッッ!!


副隊長車砲手「きゃぁぁぁっ!!」
540 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:32:40.68 ID:oU6O/bdn0

第2小隊副隊長「……どうすればこの現状を打破できる……っ、考えろ私っ!」グヌヌ…

第2小隊副隊長「……!っ、あそこなら……」チラッ

第2小隊副隊長「……操縦手っ」

副隊長車操縦手「はっ」

第2小隊副隊長「あの細道に逃げ込むわ!隙を見て退いてっ!」

副隊長車操縦手「細道……えっ、あの道ですかっ!?」ホッソッ

第2小隊副隊長「そうよあの道よ!仲間との連携が分断された今、センチュリオンから出来るだけ早く離れないと───」


───ヒュンッ、ギィィンッ!!


副隊長車通信手「あばばばっ」グラグラ

第2小隊副隊長「───白旗をはためかせる事になるわよ」ウッ

副隊長車操縦手「普通の自動車が通れるか通れないかの細さに見えるんですけど……」ギャラギャラ
541 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:33:35.18 ID:oU6O/bdn0

〜〜〜〜〜



ズババァァンッ


愛里寿「大学選抜最高峰の人材を集めたセンチュリオンと、単騎でここまで渡り合うなんて……」ヒュンッ

センチュリオン操縦手「きっと自衛隊でも名のある方達なんでしょうねっ」ギャラギャラッ

センチュリオン砲手「でも私達は負けないっ、負けられないっ!」バァンッ

愛里寿「うん……隙が出来たら履帯切断を狙うから、そのつもりで」

センチュリオン砲手「了解ですっ」


ピピッ、ピピッ───


愛里寿「ん、通信……西さんからか」ギリリリンッ


ピピッ
542 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:34:27.31 ID:oU6O/bdn0

西『愛里寿殿っ』

愛里寿「西さん……やっぱりそちらの戦況は芳しくなさそう?」キィィンッ?

西『はいっ!お恥ずかしながら……っ、これよりそちらに合流させて頂こうかと思いまして、こうして連絡を差し上げている次第ですっ』ギィィンッ?

愛里寿「分かった……でも私達と合流するには富士見大橋を渡らないといけないはず」?

西『えぇーっとそう……ですね!地図で確認出来る限りでは!」』

愛里寿「その富士見大橋なんだけど、今敵車両が橋を監視しているらしい。渡ろうとしたパーシングが既に1両撃破されてしまっている」バァァンッ?

西『その点は心配ご無用ですっ!我がオイが盾となりそちらへと渡りますのでっ!』?

愛里寿「(オイってそんなに硬いんだ……)了解、ただこちらも敵と交戦中だから、窮地に立たされていることには変わりないことは理解していてくれ」?

西『心得ましたっ!』?

愛里寿「それじゃあ」


ピッ
543 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:35:21.08 ID:oU6O/bdn0

センチュリオン通信手「西さんはなんと?」

愛里寿「えっと、かなり劣勢に立たされているらしくて、こちらに合流するらしい」

センチュリオン通信手「そうですか……やはり一筋縄ではいきませんね、Eシリーズは」

愛里寿「うん、こんなのが戦車道の公式戦にいたら、社会人チームでも相手するのは厳しいんじゃないかな……」ヒュンッ

センチュリオン操縦手「むぅぅ、ちょこまかと動き回りおってぇ〜っ」

センチュリオン操縦手「……っ、あっ、隊長っ!敵があのほっっっそい道に……」

愛里寿「うん、追いかけて」

センチュリオン操縦手「え、あのほっっっそい道に入るんですかっ?もの凄く細いですけどっ」

センチュリオン砲手「どんだけ細いことを強調したいのよ……」

愛里寿「うん。どうせあの車両が通ったあとだから広いと思う」

センチュリオン操縦手「あぁ確かに!それでは!」ギャラギャラ


───ギャラギャラギャラッ、ボカッゴカゴカッ(壊れたレンガ壁を踏み砕く音)
544 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:36:32.35 ID:oU6O/bdn0

センチュリオン砲手「……後退したってことは、あの車両の搭乗員は西住流ではないか……」ウーン

センチュリオン操縦手「いきなり何言ってるのよ」ギャラギャラ

センチュリオン通信手「いやいや西住流だってたまには後退ぐらいするでしょ」

センチュリオン装填手「あぁ、でも相手の流派なんて考えたこともなかったかも……」

センチュリオン砲手「隊長は、今戦った相手は何流だと思いますか?」

愛里寿「えっ?……うーん……」

愛里寿「……見た感じだけだと……なんとなく西住流に見えた……かな」

センチュリオン砲手「え、西住流ですか!?」

愛里寿「いや、本当になんとなく……でも、さっきの戦いの中でこちらに何度も肉薄しようとしてきたから、少なくとも島田流ではないと思う」ギャラギャラ

センチュリオン装填手「島田流はどちらかと言えば、少し距離を取って戦いますもんね」

センチュリオン通信手「それじゃあグテーリアン流とか?」

センチュリオン操縦手「なんで外国の流派なのよ……」ギャラギャラ

センチュリオン操縦手「……とか言ってたらもう細道を抜けますね」ギャラギャラ

愛里寿「よし、敵の待ち伏せも有り得るから慎重に」

センチュリオン操縦手「了解っ」
545 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:37:23.77 ID:oU6O/bdn0

〜〜〜〜〜



ガコガコガコバキバキバキ(レンガ壁を破壊しまくる音)


第2小隊副隊長「あぁぁ家の人ごめんなさい〜っ」

副隊長車操縦手「後で国から補助金が出るから大丈夫ですよ」ギャラギャラ

第2小隊副隊長「この試合非公式だけど……」

副隊長車操縦手「……」

副隊長車操縦手「……大丈夫ですよ」(冷や汗)

第2小隊副隊長「そんなに綺麗な『あ、そうだった』みたいな顔初めて見たわよ!!」

第2小隊副隊長「うぅっ、大丈夫かなぁレンガ壁……」ムムム…

副隊長車砲手「……」

副隊長車砲手(んんん、もっと他に心配するべきことがあるような……外した砲弾の行方とか履帯でバキバキにした道とか……)


※非公式ですが戦車道連盟が動いているので補助金や補修費は問題ありません
546 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:38:19.69 ID:oU6O/bdn0

副隊長車操縦手「よし、道抜けますっ」

第2小隊副隊長「えぇっ」

第2小隊副隊長「……そう言えばどこに出るんだろう」

副隊長車操縦手「……え?それって……」

第2小隊副隊長「咄嗟に細道に入ったから、道がどこに繋がってるのか全く確認してない……あはは……」テヘッ

副隊長車操縦手「あっ、あんたって人は……っ」ギャラギャラ

第2小隊副隊長「どうか味方がいますようにっ!道を出たら敵車両群のど真ん中とか漫画みたいな展開になりませんようにっ!」ナムアミダブ…

副隊長車通信手「車長死亡フラグ立ってますっ!」

第2小隊副隊長「え、フラグ?まだやられてないでしょ?」キョトン

副隊長車通信手「あぁ駄目だ車長アナログに生きてるんだったっ」


ギャラギャラギャラ───ブゥゥンッ


第2小隊副隊長「どうだっ」チラッ

第2小隊副隊長「……」

第2小隊副隊長「……あぁ、神様……」フルフル

副隊長車操縦手「……車長……」

第2小隊副隊長「……あぁ、これはやられたな───」
547 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:39:39.66 ID:oU6O/bdn0





















第2小隊副隊長「───センチュリオンが、な」


カパッ(キューポラ)


千代「ん?あらどうしたの副隊長、忘れ物でもした?」
548 :amano [saga]:2016/09/10(土) 20:40:36.73 ID:oU6O/bdn0


今回はここまで



数値で強さ比較

センチュリオン:850
E75(第2小隊副隊長車):820
E75(千代車):1000



次回更新「9/12 23:00」

549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/10(土) 21:10:41.32 ID:GZ9N0SRT0
これ殲滅戦なんだよなぁ…
つまり全部撃破しないといけないわけだ
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/11(日) 07:41:43.88 ID:DtULxhwPo
乙です
551 :amano [saga]:2016/09/12(月) 23:07:09.78 ID:y5R3g2jo0

第2小隊副隊長「いえっ、センチュリオンから一時的に逃れる為に適当な道に入ったらここへ……」

千代「そう……ん?それって───」

千代「───副隊長、センチュリオンは貴女を追ってきてるの?」

第2小隊副隊長「はい恐らくっ、こちらに向かっているものと思われますっ」

千代「本当っ?本当なのねっ?」ガバッ

第2小隊副隊長「えぇ!?ほ、本当だと思われますっ」ヒエッ

千代「……」

千代「……むふふ」

第2小隊副隊長「し、島田殿……?」ムフフ…?

千代「……副隊長」

第2小隊副隊長「はっ」

千代「貴女は今すぐ戦線右翼のサポートに行きなさい」
552 :amano [saga]:2016/09/12(月) 23:08:08.15 ID:y5R3g2jo0

第2小隊副隊長「え……ですが島田殿、私と島田殿とでセンチュリオンを相手した方が───」

千代「いえ大丈夫よ、センチュリオンは私が相手しておくから、貴女はすぐに右翼へ。……これは命令よ」ニコッ

第2小隊副隊長(あっ……これは逆らったら駄目なやつだ)(超速理解)

第2小隊副隊長「はい、そういう事でしたら……では御武運をっ」ギャラギャラ

千代「貴女もね〜」

千代「……」

千代「……ふふ、遂に愛里寿とサシの勝負が……」フフフ

千代車砲手(師範が怖い……)


───ギャラギャラギャラッ


千代「っ、来たわねっ」


ギャラギャラ───グワァァンッ!!(センチュリオン登場)
553 :amano [saga]:2016/09/12(月) 23:08:59.98 ID:y5R3g2jo0

愛里寿「付近を警戒、敵車両は?」

センチュリオン操縦手「……っ!車長あそこに!」

愛里寿「よしっ、このまま距離を詰め……て……?」ン?

センチュリオン砲手「……どうかなされましたか?」

愛里寿「……」

愛里寿「……ん?んん……待って、止まって」

センチュリオン操縦手「え、あ、はいっ」ギギギッ

愛里寿「……不味い」ダラダラ

センチュリオン操縦手「え、何が不味いんですか?」

センチュリオン砲手「先程も我々が圧倒してましたし、このまま戦っても勝てると思いますけど……」

愛里寿「……いや、よく見て」

愛里寿「あの車両───」

愛里寿「───第2小隊の……隊長車だ」ダラダラ
554 :amano [saga]:2016/09/12(月) 23:09:44.49 ID:y5R3g2jo0


次回更新「9/15 23:00」

555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/12(月) 23:34:15.26 ID:5LTuZ5Mro
親子対決きたー!
乙です
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/13(火) 12:27:59.53 ID:y9BJgBMLo
ここで勝たんと後はないわなあ
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/13(火) 22:36:44.63 ID:0dpzf2lro
次どうなるかな
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/14(水) 01:21:18.12 ID:UeF6KgAg0
この勢い、嫌いじゃないわ!むしろ愛してるわ!
559 :amano [saga]:2016/09/15(木) 22:59:25.51 ID:mXdZv1Hh0


今回の更新はかなりの量なので、時間がある時にお読み下さい

560 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:00:18.63 ID:mXdZv1Hh0

センチュリオン砲手「……え、それって確か……」

センチュリオン操縦手「隊長が先程怯えていた……」

愛里寿「うん……あれと単騎で戦うのは避けないと……」フルフル

センチュリオン操縦手(隊長がここまで怯えるなんて……昔千代師範と戦車道の模擬戦をした時以来では……)



〜〜〜〜〜



千代「……よしっ、センチュリオンっ」グッ(ガッツポーズ)

千代車砲手「師範のテンションが振り切れてるっ」

千代「まさか後方で待機してたらセンチュリオンの方から来てくれるなんてっ、なんの因果なのかしら!」

千代「こんなチャンスはまたと無いわっ、早速攻撃開始よっ!Hurry up!」

千代車操縦手「は、はいっ」ギャラギャラギャラッ


ギャラギャラギャラッ


センチュリオン操縦手「隊長車っ、こちらへ向かってきますっ!!」

愛里寿「くっ、なんとかこの場から離れないと───」
561 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:01:13.56 ID:mXdZv1Hh0

───ヒュンッ

ズガァァンッ!!


愛里寿「くっ!?」ビリビリ

千代「っ!」


ウィィンッ、ガチャンッ


偵察小隊隊長「各自島田殿に当てないよう十分注意しながら援護射撃を敢行せよっ」

偵察小隊副隊長「ここで隊長格の一角を落とせば後の戦況がかなり有利になるぞっ、撃て撃てぇっ!」バァァンッ

偵察小隊E10三〜五号車「「はっ!」」ズババァァンッ


愛里寿「高架からも……っ!?」ヒュンヒュンッ

センチュリオン砲手「いやいや流石に不味いですってぇっ!」ウヒャー

愛里寿「くっ、最早これまでか……っ、だけど私は諦めない……っ」グッ(握り拳)

愛里寿「高架の相手をしている暇はないっ、先ずは射線を切るために建物の陰を縫うように移動っ」

センチュリオン操縦手「了解っ!」ギャラギャラ

愛里寿「出来れば隙を見て撤退するが、いかなる状況になろうと最善を尽くせっ」

センチュリオン搭乗員「「了解っ!!」」
562 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:02:13.87 ID:mXdZv1Hh0

ピピッ


千代「ちょっと待ちなさい偵察小隊、センチュリオンの相手は私が"1人で"するから、貴女達は前線の支援に回りなさい?ね?」(必死)

千代車装填手(どうしてもサシで戦いたいのね……)ヤレヤレ

偵察小隊隊長『え?しかしお一人でセンチュリオンの相手をするのは───』

千代「心配してくれるのはとても嬉しいわ。でも私も久し振りに娘と2人きりで戦いたいなぁ〜なんて思うこともあるわけでね?」ギャラギャラ、ガシャァァンッ

偵察小隊隊長「お気持ちはお察ししますが……我々にとっては早めに隊長格を倒せた方が有利と言うか───」

千代(予想以上に食い下がってくるっ)

千代「大丈夫だからっ、私の娘だからっ!」バァァンッ、ズバァァンッ

偵察小隊隊長「え、えぇ……しかし島田殿の支援を行えとの西住隊長からの命令で……」

千代(しぽりんっ)クワッ

千代「……分かったわ、私がしぽr……西住隊長の命令に上書き命令するわ。偵察小隊はセンチュリオン以外の敵戦力に対しての支援攻撃をしなさいっ、命令は厳守よ!」ガシャァァンッ

偵察小隊隊長「はっ、はいっ!」

千代「しぽr……しぽりんには私から言っておくから!」ガシャァァンッ

千代車通信手(訂正出来てませんっ)イワナイケドッ

偵察小隊隊長「分かりましたっ!では御武運をっ!」ギャラギャラ
563 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:03:14.98 ID:mXdZv1Hh0

千代「ふぅ……よしっ、これで誰にも邪魔されずに愛里寿と戦え───」

千代車操縦手「うわぁぁっ!!」キキィィィッ

千代「!?」


グラグラ……ガシャァァンッ!!

バチッ、バチチッ(電線)


千代「っ、何事っ!」

千代車操縦手「師範っ、どうやらセンチュリオンは是が非でも我々と戦うことを避けようとしているようで、追いかけていたところ、たった今電柱を倒され……っ」

千代「くっ……」

千代(やはり私の危険性には気づいているようね……確かに単独で応戦しようとは考えないか……)

千代「このまま逃げられれば応援を呼ばれてしまうっ、そうなったらサシの勝負じゃなくなってしまうっ」クワッ

千代「電柱を壊して追いかけるわよ!」

千代車操縦手「そっ、それが電線が引っ掛かり……」ブルルルンッ

千代「えっ?それくらい戦車の馬力で引きちぎって───」

千代車操縦手「なんとか頑張ってはいるのですがっ、なんか弾力が凄くてっ」ブブブゥゥンッ

千代(どこよ電線作った企業はっ)クワッ

千代「くっ……通信手っ、第2小隊全車に回線を繋いでっ!」

千代車通信手「はっ」ピピッピピッ

千代「よしっ」ピッ
564 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:03:59.79 ID:mXdZv1Hh0

千代「第2小隊全車っ、ただちに中州C-eエリアに集まりなさい!センチュリオンの味方との合流を食い止めるのよっ!」

第2小隊副隊長『えっ!?しかしそうしてしまうと前線を放棄することに───』

千代「構わないわっ、センチュリオンが再び仲間と合流するほうがよっぽど危険よ!」

第2小隊副隊長『りょ、了解しましたっ!すぐに退きますっ』

千代「えぇ!……あと、センチュリオンと会敵しても包囲に留めなさい、撃破は私がするわっ」

第2小隊副隊長『えっ……あっ、はいっ!出来る限りそうしますっ、では!』


ピッ


千代「よしっ」

千代車操縦手(まさかサシの勝負の為だけに部隊を動かすとは……)ゴクリッ

千代「私達もうかうかしてられないわっ、すぐに道を探して追うわよっ!」

千代車操縦手「はっ!」ギャラギャラッ
565 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:05:06.22 ID:mXdZv1Hh0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラッ


愛里寿「よしっ、なんとか逃げられた……」

センチュリオン操縦手「高架の車両が急にいなくなったのはなんなんでしょうか?」

センチュリオン砲手「私達にとっては好都合でしたが、敵にとってはセンチュリオンと言う戦力を倒すチャンスだったのに……」

愛里寿「んん……まぁ今考えてもしょうがない、今は味方との合流が先決だ」


ピピッピピッ


愛里寿「ん……」ピッ

愛里寿「ダージリンさん」

ダージリン『愛里寿さん、1両でどこかへ向かわれたと聞きましたけれど、大丈夫なの?』

愛里寿「うん、一応大丈夫」

ダージリン『一応……とは?』

愛里寿「えっと、敵を深追いし過ぎて運悪く敵の隊長車と鉢合わせちゃって、今逃げてるところ」ギャラギャラ

ダージリン『貴女が逃げるなんて……やはりそれほどの戦力なのね。CV33二桁狩りの隊長車は』

愛里寿「うん、私1両で勝てる見込みはほぼない。少なくともセンチュリオンとブラックプリンスの2両で挑むべきだと思う」

ダージリン『なるほど……分かりましたわ。こちらでお相手させて頂いている方々が恥ずかしがり屋のようで少々退屈していたことですし、私がそちらへ救援へ向かいますわ』

愛里寿「大丈夫なの?」

ダージリン『えぇ、既に知波単を受け入れる準備も整ってますわ』
566 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:06:13.64 ID:mXdZv1Hh0

愛里寿「流石だね。それなら助けて貰おうかな───」

ダージリン『……っ、少しお待ちになって』

愛里寿「どうした?」

ダージリン『……急に敵が撤退を始めたわ』

愛里寿「撤退……戦況が不利になったから仕切り直すつもりか、それとも……」

ダージリン『どうやらそんな雰囲気ではないわね……あれは……』ウーン

ダージリン『……貴女、今どこにいるの?』

愛里寿「今は……」パサッ(公式地図)

愛里寿「……C-c地点かな……」

ダージリン『……愛里寿さん、撤退していく方向から察するに、恐らく敵はC-e地点に集まるわ』

愛里寿「C-e……って、それって……っ!」

ダージリン『えぇ。敵は撤退しているのではなく、愛里寿さん───引いてはセンチュリオンを倒そうとしているわ。……第2小隊全車でね』

愛里寿「それは不味い……ちょっと待って」ピピッ

愛里寿「11号車、右翼の戦況は?」ギャラギャラ

パーシング11号車『はっ、聖グロリアーナの高機動車両との連携で1両は撃破しましたがっ、こちらもクルセイダー3両とパーシング16号車を失ってしまいましたっ』

愛里寿「了解(やはり囲んでも強いな…)、敵に撤退の素振りは?」

パーシング11号車『撤退……あぁそう言えば、先程から南に戦線が下がってるような───』
567 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:07:16.95 ID:mXdZv1Hh0

ローズヒップ『退きますわよぉぉっ!!』ギャラギャラッ

パーシング11号車『うひゃぁ!?ど、どうしましたっ!?』

ローズヒップ『えっ!?あ、回線が開いてましたわねっ、ごめんあそばせっ!』

ローズヒップ『急にかの者達が私共の方へ向かって来たのでっ、急ぎこの場から離れますわっ!』ギャラギャラッ

愛里寿「……ローズヒップさん、貴女は今どこに?」

ローズヒップ『私でごさいますかっ!?私は……C-nポイントですわ!』

愛里寿(C-n……やはり右翼の敵も私に……)

愛里寿「ありがとう、恐らく敵は1ヶ所に集まるから、包囲する準備をっ、左翼にも伝えておいて」

パーシング11号車『了解しましたっ』ギャラギャラ

ダージリン『……私も急がないと、貴女がサンドイッチのパテにされてしまうわね』

愛里寿「鉄の味がしそうだね」

ダージリン『なんなら私が味見してあげましょうか?』

愛里寿「生憎貴女は調理を阻止する側の人間だからそれは叶わないかな、残念だ」

ダージリン『ふふっ、そうだったわ……それじゃあしばらくは第2小隊と1両で戦ってもらうことになると思うけど……貴女なら大丈夫ね』フフッ

愛里寿「そう私の実力を買い被らないで欲しいな……それじゃあ待ってる」ニコッ

ダージリン『えぇ』


ピッ
568 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:08:20.58 ID:mXdZv1Hh0

愛里寿「……」フンスッ

愛里寿「ここが、私達の正念場になるかな……」

センチュリオン砲手「車長ぅぅ……」

愛里寿「大丈夫、鉄壁のブラックプリンスがくるまでの辛抱だ 」

センチュリオン砲手「頑張りますぅぅ……」

愛里寿「……早速来たね」


ギャラギャラギャラ───(第2小隊副隊長)


第2小隊副隊長(センチュリオンがこちらに来ると言うことは、島田殿から逃げてきたのか?実力を見破ったのなら相当な観察眼だが───それにしても……)

第2小隊副隊長「……あのセンチュリオンを倒さずに囲むだけなんて出来るのか……?」ウーン

副隊長車通信手「古来から生け捕りが一番難しいと言われていますもんね……」

第2小隊副隊長「うむ、早く島田殿がセンチュリオンの相手をしてくれないと、我々はセンチュリオンと他車両との挟み撃ちに……っ」

第2小隊副隊長「……とか言ってる内に目標確認っ、8、9、10号車は私と共に奴を囲めっ!」

第2小隊E75八〜十号車「「はっ!」」


ギャラギャラギャラッ


愛里寿「前方のE75へ砲撃を開始っ、ある程度の距離を保ちながらの中距離射撃に留めるっ」

センチュリオン砲手「了解っ」ガチャ
569 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:09:25.10 ID:mXdZv1Hh0

ズバァァンッ

ヒュンッ───ドゴォォンッガラガラ


センチュリオン砲手「避けられましたっ」

愛里寿(あの車両、さっき逃げた……)

愛里寿「……避けられても構わないっ、とにかく時間を稼ぐっ、援軍が来るまでの辛抱だっ」


ズバァァンッ、ギィィンッ

ガシャァァンッ!!ギャラギャラギャラッ


センチュリオン操縦手「っ!右側面に敵っ!!」

愛里寿「そこの道を左折っ」

センチュリオン操縦手「はいっ」ヒュンッ


ギャリリリッ


第2小隊副隊長「ちぃっ、すばしっこいっ!八号車は隣の道を並走しなさいっ」

第2小隊E75八号車「はっ」ギャラギャラ


愛里寿(……隣の道に……)

愛里寿「……砲塔を右へ90°っ、次の道で発砲っ」

センチュリオン砲手「了解っ」ウィィンッ

センチュリオン砲手「……」

センチュリオン砲手「……っ」カチッ


ズバァァンッ


第2小隊E75八号車「うっ!?」


───ヒュンッ

ガシャァァンッ!!(シュパッ)


第2小隊E75八号車「うわぁっ、やられてしまいましたっ」

第2小隊副隊長「ぐぅっ、なんて精度よっ!」
570 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:10:03.84 ID:mXdZv1Hh0

愛里寿「よしっ、やはりE75と言えども側面はある程度弱いっ」

センチュリオン砲手「この調子で全車倒せればいいんですけどねぇっ」

センチュリオン操縦手「寝言言ってないでさっさと撃つっ!」ギャラギャラ

センチュリオン砲手「すみませぇん!」バァァンッ

愛里寿「……っ」

愛里寿(敵車両の気配……このまま真っ直ぐ行くと不味いっ)

愛里寿「そこの角を左折っ」

センチュリオン操縦手「了解っ」


ギャラギャラギャラッ


愛里寿「……」チラッ(後方確認)


───ゴゴゴゴゴッ

ドガァァンッ(E75)


愛里寿(やっぱり来てたかっ)アブナイアブナイ
571 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:11:16.33 ID:mXdZv1Hh0

第2小隊E75五号車「副隊長っ、只今到着致しました!」

第2小隊E75六号車「同じくっ」

第2小隊副隊長「よし、お前達も来てくれればセンチュリオンの包囲も容易いっ!北側から圧力を掛けろっ」ギャラギャラ

第2小隊E75五&六号車「「はっ」」



〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラッ


センチュリオン操縦手「くっ、このままじゃどんどん西側に追いやられて……っ」

センチュリオン砲手「センチュリオン1両にE75五両なんてどんないじめよぉ!!」

愛里寿「……」

愛里寿「……1対5……遊園地……知波単……うっ、頭が……」ウゥ…

愛里寿「これは……知波単の呪いなのか……」

センチュリオン操縦手「え、知波単ですか?」

愛里寿「うん……私、みほ達と戦ったあの試合で、遊園地で知波単学園達の車両5両を瞬殺しちゃったから、その報いが今───」

センチュリオン操縦手「いやいや、死ぬほど関係ないと思いますが……確かに1対5ではありますけど……」

愛里寿「そうかな……あっ」ビクッ

センチュリオン操縦手「どうしましたっ?」

愛里寿「……追い付かれた」

センチュリオン操縦手「……あっ」(絶望)
572 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:12:13.62 ID:mXdZv1Hh0

ギャラギャラギャラッ


千代「よしっ、副隊長よくやったわっ!」グッジョブッ

第2小隊副隊長「はっ、後は島田殿にお任せしても……」

千代「えぇ任せときなさいっ!私がこの手でしっかり可愛がるからっ」

第2小隊副隊長「(怖っ)はっ、はいっ!では我々は偵察小隊と共に反撃を───」


───ガラガラ──ガラッ───


第2小隊副隊長「───ん、この音は……?」

副隊長車砲手「え?……あっ、本当、何か聞こえますね」


──ガラッ──ガラガラ──ガラッガラッ───


第2小隊副隊長「……なんか、段々近付いてきてるような……」ゾゾゾ

副隊長車通信手「……車長、このレンガ壁の向こうから何か来てますっ」

第2小隊副隊長「何っ!?」バッ


ガラガラッガラガラガラッ!

ガシャァァンッ!!ギャラギャラギャラッ


第2小隊副隊長「うわぁぁぁぁぁぁっ」(ムンク並感)

第2小隊E75九号車「こっ、この車両はっ……」

第2小隊E75十号車「聖グロリアーナの隊長車両……」

千代「……」

千代「……ブラックプリンス……中々厄介なのが来たわね」ムゥ…
573 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:13:17.86 ID:mXdZv1Hh0

ギャラギャラギャラッ


第2小隊副隊長「うっ……撃て撃てっ」バァァンッ


バァァンッドカァァンッ

キィンッ、ギィィンッ


第2小隊副隊長「!?全弾弾かれたっ!?」カタッ!

第2小隊E75六号車「なんて硬いの……っ」バァァンッ


ダージリン「お怪我はない?愛里寿さん」

愛里寿「もう少し遅かったらスナフキン中隊の指揮権が貴女に移るところだったよ」

ダージリン「あら、それは嬉しいわね」ウフフ

オレンジペコ「ダージリン様……」フザケスギデス

ダージリン「……ン,コホンッ……まぁ貴女が無事で良かったわ。我が聖グロリアーナが誇る最硬の戦車が来たからには、貴女がむざむざやられることはないから安心しなさい」

愛里寿「うん、頼りにしてるよ」

センチュリオン砲手「はぁぁ、助かったぁぁ」

センチュリオン操縦手「よくE75六両に囲まれた中その台詞を言えるわね……」

センチュリオン砲手「1対6と2対6じゃ雲泥の差よ!これで勝てる!」

センチュリオン操縦手「その自信はどこから湧いてくるのよ……」

ダージリン「……そう言えば愛里寿さん、攻撃されていることをまほさんには伝えたの?」

愛里寿「え?……あっ」

ダージリン「その反応は……忘れていたわね」

愛里寿「う、うん……どうして分かったの?」

ダージリン「それは……なんとなく、ね?」(みほさんに似てるからなんて言えないわ)

愛里寿「と、とにかくありがとう、それじゃあ今すぐ連絡を……」ピピッピピッ
574 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:14:21.26 ID:mXdZv1Hh0

千代「……」

千代(……さて、このままでは愛里寿とのサシの勝負は出来ないわね……)

千代「……副隊長」

第2小隊副隊長「はっ」

千代「貴女達でブラックプリンスだけを倒せたりは出来る?」

千代車操縦手(どんだけサシの勝負にこだわってるのっ!?)

第2小隊副隊長「えぇ!?えぇっと……少々難しいかと……」

千代「ふむ、やはりそうよね……」ムー

千代「……分かったわ、流石にこれ以上わがままは言ってられないわね。少し……と言うかかなり残念だけど……」

千代「……これより第2小隊は、敵隊長級車両のブラックプリンス並びにセンチュリオンの撃破を敢行するっ!一斉に───」


ギャラギャラギャラッ


第2小隊副隊長「……っ!、島田殿っ、敵車両がこちらへ接近中っ!」

千代(!っ、そうだったわね……)

千代「……作戦変更っ、副隊長以下の車両は後方からの敵へ攻撃っ、密集陣形をとり偵察小隊との連携で敵を蹴散らしなさいっ」

第2小隊一同「「はっ!!」」ギャラギャラ

千代「私は───」チラッ

千代「───ブラックプリンスとセンチュリオンを同時に相手取るわっ」
575 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:15:22.99 ID:mXdZv1Hh0

〜〜〜〜〜



ズバァァンッ

ガシャァァンッ


第2小隊E75九号車「128mm砲を舐めるなー!」

第2小隊E75五号車「舐めるなー!」ズバァァンッ

パーシング13号車「うひぃっ!?」ヒュンッ

パーシング23号車「あんなのが当たったら即死───あぶなっ」ヒュンッ

偵察小隊E10三号車「ふっ、中州の中央部は比較的開けてるっ、高架の上からだと狙い放題なのよっ!」バァァンッ

T28車長「上からも撃ってくるっ、皆気を付けてっ!」ヒュンッ、ギィィンッ

M24チャーフィー1号車「あんたは硬くていいわよねっ!私なんてクルセイダーにすら貫通されるのよっ!」ムカーッ

T28車長「硬い代わりに狙われたら100%被弾するけど乗る?」オソイノヨー

アズミ「乗り比べは試合が終わってからにしなさいっ」バァァンッ


ズババァァンッ、ドガァァンッ

ピピッピピッ───


愛里寿「くっ、まだ繋がらないっ……」ピピッ

ダージリン「後方ではもう戦いが始まったわね。目の前の車両がいつ攻勢に出るかも分からない……気を引き締めておきなさい」

オレンジペコ「はいっ」

アッサム「はっ」
576 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:16:08.14 ID:mXdZv1Hh0

愛里寿「くっ……」ピピッ


ピピッ?


愛里寿「やっと繋がったっ」ズドォォンッ

まほ『愛里寿かっ……おい、まさかお前達も───』ソノオト…

愛里寿「っ、お前達もってことは───」

まほ『あぁ───我々ムーミン中隊は現在、敵の奇襲を受けている。確認出来た敵の小隊番号は『三』と『四』だ。……そちらは?」』

愛里寿「ふっ、大隊長の言った通り、もっと警戒しておくべきだったよ……」ズバァァン

まほ『……?どう言うことだ』

愛里寿「CV33を単騎で2桁倒したと言う例の戦車が率いる部隊───」

まほ『!っ、第2小隊か……っ』

愛里寿「あぁ、今聖グロリアーナと共になんとか攻勢を防いではいるが……正直かなり厳しい…なっ」ズバァァン


M24チャーフィー3号車「ぎゃぁぁっ」(シュパッ)


まほ『同時多発的に各所を狙われた訳か……っ、ならば知波単には飯泉橋を死守するよう伝えて───』
577 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:16:54.69 ID:mXdZv1Hh0

愛里寿「……まほ、その知波単なんだがっ」ガガガンッ

まほ『どうした』

愛里寿「───私達スナフキン中隊で、最初に攻撃を受けたのが知波単なんだ……」

まほ『!!っ……飯泉橋は……』

愛里寿「残念だが、敵部隊の突破を許してしまっている……っ」ガァァンッ

まほ『……そうか……』

愛里寿「それと聞きたくないだろうが、もう1つ言わなきゃならないことがあるっ」ガシャン

まほ『なんだ』

愛里寿「西隊長からの連絡によると……既に部隊の半数近くがやられているらしい……」

まほ『……もう被害報告で驚かなくなってきたよ』

愛里寿「それでいいんじゃないか?冷静でいられるじゃないか」バァァンッ

まほ『そうかもしれないな……分かった、可及的速やかにそちらに援軍を送るっ、なんとか持ちこたえてくれっ』

愛里寿「あぁ、頼むぞ……もう……囲まれそうだ……っ」バババババァン


ピッ
578 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:17:41.35 ID:mXdZv1Hh0

愛里寿「……ふっ」

ダージリン「愛里寿さん、増援は期待できそう?」ギィィン

愛里寿「分からない、向こうも敵と交戦中らしい」

ダージリン「なるほど……なら私達だけで、あのおぞましい程の気配を持つ車両を倒さないといけない訳ね……」

愛里寿「そう言うことだ」


ギャラギャラギャラ───(第2小隊隊長車)


愛里寿(……あの車両の動き、改めて見るとどこか見覚えがあるような気がしないでもないが───)

愛里寿(───まぁ、今はそんなことを気にしている場合ではないなっ)ブルルルルンッ…

ダージリン「この状況……あの車両とだけ戦え、と言わんばかりね」

愛里寿「そうだね……はぁ、あの車両、さっきからどうも私とだけ戦おうとしてるような気がするんだけど、余程の戦闘狂なのか、それとも───」


カチャ(ハッチ)


愛里寿「───何か私に因縁があるのか……」ヒュォォォ…
579 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:18:38.01 ID:mXdZv1Hh0

千代「……っ」

千代(あぁ、愛里寿がハッチから顔を……)

千代「やっと……やっと会えたわね……♪……長かった、本当にここまでくるまで長かったわ!」

千代「……サシの勝負じゃないのが気に入らないけどね!」フンッ

千代車通信手「いやフンッと言われましても……」

千代「まぁやっと愛里寿も観念してくれたようだし、ブラックプリンスは履帯でも壊して行動出来なくしておけば問題ないわね」フゥ

千代車砲手「さらっと難題言わないでくださいっ」(履帯狙うの骨が折れるのにぃ…)

千代「貴女の実力なら余裕余裕!」ポンポン

千代車砲手「もー外しても怒らないで下さいよっ?」

千代「え?怒るけど?」ニコッ

千代車砲手(ここに鬼がいらっしゃるっ)

千代「よし!それじゃあ早速……」

千代「……攻撃開始よ!」ブルルルンッ


愛里寿「来たかっ」

ダージリン「どうするの?」

愛里寿「まずは相手の出方を見る。ブラックプリンスが前、私が後ろで攻勢をかけるっ」ギャラギャラ

ダージリン「分かりましたわ」ギャラギャラ
580 :amano [saga]:2016/09/15(木) 23:26:20.55 ID:mXdZv1Hh0


以前更新した通信の内容と時系列の整合性をとろうとしたらとんでもない文量に…
それと、2両のみの親子対決は後に実現します。何度も焦らしてすみません



《愛里寿周辺の戦況》

@センチュリオン&ブラックプリンス vs E75(千代)

A大学選抜&マチルダ隊以外の聖グロリアーナ vs E75五両&偵察小隊5両

Bマチルダ隊

C知波単学園逃走組 vs 第5小隊&偵察小隊2両



次回更新「9/19 24:00」

581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 12:03:54.27 ID:PMGhUaxEo
それブラックプリンスが…ってことじゃないんですかあ!
582 :amano [sage]:2016/09/16(金) 13:52:28.20 ID:TCPiE1io0

<<581

1つだけ言えるとすれば……千代の台詞に注目です
583 :amano [sage]:2016/09/16(金) 14:00:33.77 ID:TCPiE1io0

<<581

>>581

……
584 :amano [sage]:2016/09/16(金) 14:01:14.12 ID:TCPiE1io0

orz
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 17:56:44.47 ID:aTemX5p0o
乙!
586 :amano [saga]:2016/09/19(月) 18:07:34.52 ID:u4Wl93cI0

ウィィンッ、ガシャンッ


ダージリン「……っ!」

ダージリン「超信地旋回っ」


───ヒュンッ

ギャラギャラッギィィィンッッ


千代「ほぅ、履帯が狙われたことを察するとは……」

ダージリン「淑女の歩みを止めてもいいのは警官といい男だけなのよ」

オレンジペコ「何言ってるんですか……」

愛里寿「よしっ、今なら……」ギャラギャラッ

愛里寿「撃てっ」


ズバァンッ


千代「甘いわっ」ギャリリリッ


ギュピイィィィンッ


愛里寿「くっ、弾かれたか……」

センチュリオン操縦手「……なんの音?」ギャラギャラ

愛里寿「ダージリンさん、距離を詰めるべきかなっ?」

ダージリン「そうねぇ……」ズズッ…

愛里寿(……車内で紅茶飲んでるの本当なんだ……)オトガ…

ダージリン「……私もそうすべきだと思うわ。中遠距離ではE75の装甲を貫けないし、そもそも狙いを定めることが出来ない」

愛里寿「分かった、それじゃあ少しずつ詰めていこう」ズバァァンッ

ダージリン「えぇ、しっかり私の後ろに付くのよ」

愛里寿「うんっ」ギャラギャラ
587 :amano [saga]:2016/09/19(月) 18:10:33.01 ID:u4Wl93cI0

ギャリギャリギャリッ


千代「……流石に隊長格2両と同時戦闘はきついわねっ」バァァンッ

千代車砲手「片方は硬いわ片方は素早いわで大変ですねっ」バァァンッ

千代「本当よもうっ、センチュリオンはまだいいとして、ブラックプリンスなんかどうやって倒せばいいのよっ、試算じゃどこも貫通出来ないのよっ!」ムーッ

千代車操縦手「やはり履帯を壊して行動不能にするしか……」ギィィンッ

千代車砲手「でもそれもさっき防がれたし、先にセンチュリオンを倒すか何かしないと我が車はどんどん不利な状況に置かれ───」

千代「ん〜、それはちょっと違うわねぇ」

千代車砲手「えっ」ズバァァンッ

千代「私達は時間が経てば経つほど有利になっていくのよ。早く方を付けないといけないのは寧ろ───」フフッ

千代車砲手「───高校連合、ですか」ドゴォンッ

千代「そう。我が車は大変だけど、全体的な戦況はどんどん我々に傾いていくわ」

千代「───まっ、私達に戦況が傾くのは時間の問題。その後に仲間を寄越してもらってブラックプリンスとセンチュリオンをなんとか引き剥がして、今度こそサシの勝負を───」


ズガァァンッ!!


千代「……実現させたいわね……」クラクラ

千代車通信手「……取り敢えずそれまでうっかりやられないように頑張りましょう」ピーガー
588 :amano [saga]:2016/09/19(月) 18:12:09.72 ID:u4Wl93cI0

〜〜〜〜〜



愛里寿「っ、何度撃っても絶妙な角度でいなされる……」ギャラギャラ

ダージリン「私共の砲弾など無視されていますわ」

オレンジペコ「威力がないんですねぇ……」ガチャコン

アッサム「少し悲しいです……」バァァンッ

愛里寿「……」

愛里寿(センチュリオンとブラックプリンスでやっと互角とは……そんな化け物が日本にいたなんて……まだまだ日本は広い……)

愛里寿(……それにしても……)

愛里寿「……このまま戦いが長引くと不味い。数はまだしも、敵側1両1両の質が高過ぎる……っ」ズバァァンッ

ダージリン「それは言えるわね。既に後方の戦況は相手方に傾きつつある。それに知波単が撤退してくると言うことは、知波単を攻撃していた敵もこちらに来る可能性があると言うこと」

愛里寿「すぐにでも助けに行きたいけどっ……」ガチャァァンッ

ダージリン「それは叶わないわね……隊長車を倒さない限り」キュィィンッ

愛里寿「不味い、な……このまま助けも来なかったら私達は、『西の第2小隊』『東の第5小隊』『南の偵察小隊』『北の戦闘区域線』に囲まれて───」

ダージリン「ゲームオーバー、ですわ」バァァンッ

愛里寿「くっ、なにがなんでも隊長車を倒さないと……っ」ギャラギャラ


ピピッピピッ


愛里寿(通信っ……)

愛里寿「ごめん通信手、代わりにっ」ギャンッ

センチュリオン通信手「あっ、はっはいっ!」ピピッ
589 :amano [saga]:2016/09/19(月) 18:13:08.73 ID:u4Wl93cI0

センチュリオン通信手「こちら隊長に代わり通信手が応答しますっ」

ルクリリ『あっ分かりましたっ!こちらルクリリ、たった今知波単学園の生存車両が3両到着しましたっ』

センチュリオン通信手「了解っ、敵の追手等は来ていませんか?」

ルクリリ『はいっ、知波単学園を追ってきたと見られる敵車両が複数確認できますっ、今富士見大橋の上で立ち往生しているようで、すぐには危険と言うわけではなさそうですっ』

センチュリオン通信手「分かりましたっ、えぇ〜っと……少々お待ちをっ」

ルクリリ『は、はい!』

センチュリオン通信手「隊長っ、知波単学園がこちらに到着したようで、現時点で追手の危機はないそうですっ」

愛里寿「うん分かった、追手がないならC-eポイントに合流してと知波単に伝えて」ギャラギャラ

センチュリオン通信手「了解っ」

センチュリオン通信手「こちらセンチュリオン通信手、知波単学園の生存車両はC-eポイントでの戦闘に合流せよとのことですっ」

ルクリリ『分かりました、すぐに伝えて───』
590 :amano [saga]:2016/09/19(月) 18:13:59.77 ID:u4Wl93cI0

……ギャリギャリギャリ……ググググッ……


ルクリリ『……えっ?』

センチュリオン通信手「……ん?」ナンノオト?

ルクリリ『……えっえ、そんなっ』アタフタ

ルクリリ『ま……不味いっ!全車撃ち方始めっ!』バァァンッ

センチュリオン通信手「どっ、どうしましたっ?ルクリリさんっ」

ルクリリ『えっあ、ちょっと待って下さい───あっ撤退っ、撤退しますっ!全車砲撃しながら撤退っ』ギャラギャラバァァンッ

センチュリオン通信手「大丈夫ですか!?そちらで何が───」

ルクリリ『てっ、敵が橋を無理矢理通って来てますっ、こちらの攻撃は一切通じずっ、すぐに撤退戦に───あっ、8号車そっちは駄目───っ』キュィィンッバァァンッ

ルクリリ『あっ、あ、高架からも……あぁ囲まれ……すみません1度切りますっ』

センチュリオン通信手「あっ、ちょっ───」


ピッ


センチュリオン通信手「……」

センチュリオン通信手「……」

センチュリオン通信手「…ヤバい」(確信)
591 :amano [saga]:2016/09/19(月) 18:15:05.35 ID:u4Wl93cI0


予定時間より早めの更新

次回更新「9/22 22:00」

592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/20(火) 07:17:14.35 ID:DHIEAEAbo
乙!
593 :amano [saga]:2016/09/22(木) 22:21:46.13 ID:pQ3beKbN0

センチュリオン通信手「たっ……隊長っ!富士見大橋から敵の侵攻を受けているようですっ!通信の内容からしてかなり分が悪いものかとっ」

愛里寿「(遂に来たか…)分かった、出来るだけゆっくりと後退するよう言って」

センチュリオン通信手「……それが、今相手方から一方的に切られ接続不能で……」

愛里寿「……そうか……」

愛里寿「……それなら後は、彼女達を信じるしかないね」ズドォォンッ

センチュリオン通信手「……はい……っ」


ギャラギャラギャラッ


パーシング11号車「12、16号車は右にっ、17、22号車は左に展開っ!、あのE75を挟み撃ちに───」

パーシング17号車「駄目っもうそこに別のE75がっキャアァァ!!」ズバァァンッ(シュパッ)

パーシング11号車「17号車!?」

パーシング22号車「うわぁっ!?こっ、来ないで来ないで来ないっガッッビビッ…きゃっガシャンッあっ…ガガッ…」(シュパッ)

パーシング11号車「22号車っ!……くっ、さっきまでの優勢が嘘みたいに…っ!」ズバァァンッ

T28車長「皆私の後ろに回ってっ!真正面からE75とやりあうのは危険よっ!」ドォォンッ

パーシング8号車「なんか1両滅茶苦茶強いE75がいるんだけどーっ!」

パーシング9号車「さっきまで右翼にいた奴だっ、そいつには近付かずに───」


第2小隊副隊長「おらおらおらぁ!!」ギャラギャラ


パーシング9号車「きっ…来たぁぁぁっ!!?」ワァァ
594 :amano [saga]:2016/09/22(木) 22:22:58.94 ID:pQ3beKbN0

ヒュンッヒュンッ


アズミ「くっ、さっきまで高架からの攻撃なんてほとんどなかったのにぃ!」ギャリギャリ

パーシング20号車「急に攻勢に出てきましたねっ」バァァンッ

アズミ「まるで獲物が弱るのを待っていたかのよう…っ、いやらしいわね!」ギャンッ


ブブブゥゥンッ!!ギャラギャラギャラッ!!


ローズヒップ「ごめんあそばせぇぇ」ギャラギャラ


ズバァンッ

ギィィンッ


第2小隊E75六号車「さっきから鬱陶しいわよっ!快速戦車っ!」ズバァァンッ

ローズヒップ「ひぃぃっ!?」ヒュンッ──

ローズヒップ「駄目ですわっ、私達の火力だけでは……っ」

クロムウェル1号車「相手は5両で丁度真横に並んでいますっ、出し抜く隙間はありませんっ!」

クロムウェル2号車「1度大学選抜の方々の背後に戻りましょう!ここにいては邪魔にしか──うわぁっ!?」ヒュンッ

ローズヒップ「そっそうですわね……」クッ

ローズヒップ「……全車退きますわよっ!私に続きなさいっ」ギャラギャラ──
595 :amano [saga]:2016/09/22(木) 22:24:33.91 ID:pQ3beKbN0

〜〜〜〜〜



小田原球場観客席、中継モニター前



優花里「あぁっ、富士見大橋が突破されてしまいますぅっ!!そこが突破されたらもう……っ!」クッ

華「……マチルダの砲では貫通不可のE50の猛攻……このあとはもう……」

麻子「一方的な蹂躙ってやつだな、私達がMAUSと初めて遭遇した時のような、な」

優花里「いえ、もっと酷いものです……マチルダから見れば、時速50kmで走り回るMAUSが7両いると考えることが出来ますぅ……」

麻子「そ…そんなのお化けより怖いぞ……」ブルブル

みほ「……」

沙織「……みぽりん……」

みほ「……」コクッ

みほ「中州地区の戦況の大勢が決まった……これで、高校連合はかなりの劣勢に立たされたことになる……」

みほ「スナフキン中隊は強大な戦力に周りを包囲され、いつ戦線が瓦解してもおかしくない……」

みほ「ムーミン中隊も、侵攻ルートが制限されている中その全箇所において侵攻を阻まれ、せっかくの大軍が遊兵に───」

みほ「そしてミー中隊……最初の大打撃から持ち直してなんとかペパロニさん等が偵察行動を始めているものの、戦況を変える程の影響力はない……残っている部隊もE25に押さえ込まれている……これは───」

優花里「───完全に、相手のペースですね……」
596 :amano [saga]:2016/09/22(木) 22:26:43.62 ID:pQ3beKbN0

みほ「更に言えば、まだお母さんが率いる第1小隊は動いてさえない……」

みほ「ここから逆転するのは、大洗だけで大学選抜を倒すくらい難しいことだと思う……」

優花里「うぅ、Eシリーズ……こんなに強いだなんて思ってもみませんでした……まさか4倍近い戦力差の高校連合を、ここまで手玉に取るとは……」

沙織「……あぁ、愛里寿ちゃんがお母さんと戦ってる……車体の傷がどんどん増えてる……あぁ……」フルフル

麻子「ダージリンさんの守りがあってやっとのようだな、どれだけ強いんだ島田流家元は」

華「伊達に家元はやっていない、ということですね……」

みほ「……」グッ

みほ(このままの戦況がじりじり続けば、まず間違いなくスナフキン中隊は全滅……その後西、北からムーミン中隊が半包囲され、圧倒的不利な状況に持ち込まれる……)

みほ「……」

みほ(───お姉ちゃんが、私にとってどれほど恐ろしい勝利報酬を準備してるのかは分からないし、知りたくもないけど……やっぱり妹として、お姉ちゃんには勝って欲しいな)

みほ(私はここから応援することしか出来ないけど……数々の死線を潜り抜けてきたお姉ちゃんなら、きっと───)グッ(両手を膝の上で握る)

優花里「──ん?」チラッ

優花里「……っ!あっあれはっ……!」ガバッ

優花里「み……皆さん見てくださいっ!」

麻子「ん?」ムク

みほ「どうしたの?優花里さん」

優花里「いえっ、あ、あのモニターです!」シュバッ

優花里「いままで進撃を阻止されてから動きを見せていなかったムーミン中隊っ、その内のプラウダ高校が───」

優花里「───急に全車両っ、一気に北上し始めたんですぅっ!!」
597 :amano [saga]:2016/09/22(木) 22:29:50.67 ID:pQ3beKbN0


次回、物語の大きな転換点


※しばらく更新出来ません、どれくらいの期間になるかは分かりません


ではでは

598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/22(木) 23:23:28.93 ID:SDOsPBppo
乙です
待ってます
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/25(日) 12:27:32.72 ID:84DeqNv4o
乙!最終章あるらしいし楽しみ
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 21:46:19.79 ID:ZsppTyZKo
乙!
待ってます
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 05:52:55.82 ID:WVSIyP/oo
待ってます
602 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:21:28.41 ID:gOhn1f1z0

〜〜〜〜〜



酒匂川河口付近、ムーミン中隊カチューシャ視点



ヒュンヒュンッ、ギィィンッ


カチューシャ「よしっ、T-34/76全車っ、右のあいつに一斉砲撃を浴びせてやるわよ!!」

カチューシャ「ステンバーイステンバーイ───撃てぇぇっ!」ズドォォンッ


ズドドドドドォォォンッッ!!!


T-34/76一号車「うひゃぁっ!凄い音っ!」グラグラ

T-34/76二号車「30両での一斉砲撃なんて、ちょっと敵に同情しちゃうよ……」アハハ…


ドガガガガァァンッ!!ガラガラガラッ──


ノンナ「……」

ノンナ(着弾の衝撃で周りの建造物にも被害が出ている……あの車両は無事では済まないでしょう)

カチューシャ「ふっふっふっ、プラウダの波状攻撃をまともに喰らったわね!これで流石のE75と言えども───」


サァァァァ───(舞い上がっていた土煙が晴れていく)


カチューシャ「───っ、な……っ!?」

ノンナ「っ……まさか、あれほどとは……」ゴクリ


ウィィンッ、ガチャコンッ


第3小隊E75一号車「戦いは数じゃない……質なのよっ!」
603 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:24:35.32 ID:gOhn1f1z0

ズドォォォンッ!!


T-34/76三十号車「ひっ!?」


ガシャァァンッ!!(シュパッ)


ノンナ「っ!(なんて精度……)」

カチューシャ「ぐぅぅ……今のでも倒せないんじゃどうしようもないんじゃないの!?なんなのあの化け物はっ!!」ムキーッ

ノンナ「車両性能もそうですが、WACの練度も計り知れませんね……」

カチューシャ「このままじゃ橋も渡れずじり貧よっ!!ケイっなんとかしなさいよっ!!」

ケイ『What's!?私に言われても困るわ!貴女は良いとして、私なんて橋の上に取り残されてるのよ!』ギィィンッ

カチューシャ「あんたのT29なら撃破された車両を押し退けてE75とやりあえるでしょっ、アメリカの意地を見せなさいよ!」

ケイ『さっきE75に真正面から砲撃を喰らわせたけど、元気に撃ち返してきたわっ!T29単独じゃ倒せないっ!』ヒュンッ

カチューシャ「っ、高校連合最強車両の一角の砲撃が効かないなんて……」

ノンナ「同志カチューシャ、戦車に詳しい隊員によると、我が方でE75を真正面から撃破出来る可能性のある車両はヤークトティーガーにT28、強化改修済みのtigerU、MAUS、そしてIS-3くらいだそうです」

カチューシャ「少なっ」

ノンナ「そしてそれらの車両も、正確にE75の車体下部やその他弱点を撃ち抜かないと撃破には至らないそうです」

カチューシャ「う、うわぁ……」
604 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:26:33.81 ID:gOhn1f1z0

ピピッ


まほ『聞こえるかカチューシャ』

カチューシャ「ん、マホーシャ、どうかしたの?」

まほ『少し話がある……そちらの戦況は大丈夫か?』

カチューシャ「戦況?」チラッ


T-34/76一号車「徹甲弾は効かないっ、みんな榴弾に切り替えてっ!」ガチャガチャ

T-34/76二十二号車「榴弾?それこそ効かない気が───」

T-34/76一号車「爆発と音であいつらの頭をクラクラさせてやるのよ!」ガチャガチャ

T-34/76二十二号車「あ〜なるほど〜……ってそれただの嫌がらせっ!」ビシッ


カチューシャ「……ん〜まぁお互いに攻め込んだりはしてないから、どっこいどっこいってとこね。相手は私達に橋を渡らせようとさせないだけで、こちらから手出ししなければそれほど攻撃してこないもの」

まほ『なるほど、なら大丈夫だな。……カチューシャ、1つ頼みたいことがある』

カチューシャ「ん?」

まほ『お前に、スナフキン中隊の救援に向かってほしい』

カチューシャ「……えっ、私っ?っていうか何、救援っ!?」

まほ『まぁ落ち着いて聞いてくれ───』
605 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:28:52.10 ID:gOhn1f1z0

〜〜〜〜〜



カチューシャ「───要するに、私達プラウダでスナフキン中隊の窮地を救えって訳ね?」

まほ『あぁ。先程愛里寿から連絡があってな、通信した限り、かなり危険な状況にあるようだ』

カチューシャ「……と言うか、いつのまにピンチになってるのよスナフキン中隊は……」


ズーン…ドドォン,ズズーン──


カチューシャ「……確かに北西の方からやけに砲撃音が聞こえるわね」

まほ『既に敵は飯泉橋を突破、知波単学園はその半数を失い、愛里寿達との合流を図っているらしい』

まほ『更に敵の第2小隊等が愛里寿達を襲撃、劣勢に立たされている』

まほ『……地図は持っているか?』

カチューシャ「地図……」ゴソゴソ

カチューシャ「……」

カチューシャ「……ノンナーッ」

ノンナ「ここに」サッ(地図)

カチューシャ「流石ノンナね!マホーシャいいわよ!」

まほ『うむ。それじゃあこれよりお前達プラウダが侵攻するルートを伝える。よく聞いてくれ』
606 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:31:24.76 ID:gOhn1f1z0

まほ『まずスナフキン中隊は、現在中州に閉じ込められている形になっている。北には戦闘区域線、それ以外には敵と言ったまさに四面楚歌状態だ。早急に現状を打破できなければ、スナフキン中隊の壊滅は避けられない』

まほ『そこでお前達プラウダには2手に分かれてもらい、西と東から敵戦力を攻撃し、中のスナフキン中隊と共に敵を逆包囲してもらいたいと思っている』

カチューシャ「なるほどねぇ、西と東から───ん?東からはいいとして、どうやって西から攻撃するのよ?」

まほ『あぁ、それもこれから話す』

まほ『まぁ東からの侵攻ルートは分かるだろう。富士見大橋を渡ればいい。で、もう1つのルートだが……こちらのルートは出来るだけ快速車両でないと厳しいかもしれない』

カチューシャ「うん?───あぁなるほど、もうこのルートって見当はついたけど……」ウーン

まほ『察しがいいな』

カチューシャ「これくらい当然よ!……でもこのルートって、うっかり敵と鉢合わせしたりしそうなもんなんだけど?」

まほ『確証は取れないが取り敢えずその心配はいらないだろう。これまでに出現した敵の数と残りのおおよその台数を比較したが、そのルート上に敵がいる確率はかなり低いと考える』

カチューシャ「……貴女がそう言うなら、信じるしかないわね」カサカサ(地図を畳む)

カチューシャ「分かったわ、この私が必ずスナフキン中隊を助け出して見せるわ!大船に乗った気持ちで待ってるといいわ!」フフンッ

まほ『頼んだぞ』
607 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:33:47.36 ID:gOhn1f1z0

カチューシャ「……んん?でも、このまま私達が移動したら何か不味いような気が───」

まほ『ん……あぁ、お前達が抜けた後はサンダースの余っている部隊を小田原大橋に差し向けるから心配しなくていい』

カチューシャ「あぁなら大丈夫ね!……と言う訳で聞いてたわね貴女達っ、これから私達はスナフキン中隊の救援に行くわよ!出撃準備を整えなさいっ」

プラウダ一同「「「ナンカキュウダベー、コッカラホンカクテキナタタカイダナー、ワイワイガヤガヤ」」」

カチューシャ「返事っ!!」バンッ

プラウダ一同「「「はっはいぃっ!!」」」ビクゥ

ノンナ「同志カチューシャ、西からの侵攻ルートは───」

カチューシャ「あぁそれはあとで話すわ!」

ノンナ「分かりました」

カチューシャ「あっ、そうそう忘れてたわ……」ピピッ

カチューシャ「橋の上に取り残されてる車両はとにかく生き残ることに全力を注ぎなさいっ、戦況が動くまで、破壊された車両の後ろに隠れ続けること!いいわね!」

橋の上に取り残された4両「「はいっ!」」

カチューシャ「作戦概要は時間がないから走りながら話すわ!私に続きなさいっ」ギャラギャラッ

プラウダ一同「「「はいっっ!!」」」
608 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:35:55.60 ID:gOhn1f1z0

ピピッ


ケイ『どうやら戦いの転換点が来たようね、カチューシャ』ズドォォンッ

カチューシャ「ケイ……えぇそうね。私はこの作戦、なんとしてでも成功させなきゃいけないっ」

ケイ『フフーフン♪その意気よカチューシャっ、ポジティブでいるだけで出来ることは格段に増える!自分の力を信じて駆け抜けなさいっ』

カチューシャ「なんかお母さんみたいな言い種ね……でも激励の言葉としては上出来ね、感謝するわっ!」

カチューシャ「この場は貴女とマホーシャに任せるから、貴女達もあいつらが攻めて来たら絶対に勝ちなさいよ!」

ケイ『言われなくても!』

カチューシャ「それじゃあ!ダストレーチッ」
609 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:38:32.21 ID:gOhn1f1z0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラ……


ピピッ


カチューシャ「皆聞こえてる?これよりスナフキン中隊救援任務について伝えるわっ、1語1句聞き逃すんじゃないわよ!」

カチューシャ「私達プラウダはこれより2手に分かれるわ!まずノンナ!」

ノンナ「はっ」

カチューシャ「ノンナはかーべーたんとT-34/76の一号車から十号車を率いて富士見大橋に向かいなさいっ」

カチューシャ「富士見大橋に着いたら一旦待機し、私の指示を待つことっ、いいわね!」ギャラギャラッ

ノンナチーム「「了解っ」」

カチューシャ「それ以外は私と共にまず飯泉橋を突破っ、そのままの勢いで狩川橋まで向かうっ!そして途中でクラーラ達も拾うっ!まぁ敵はいないらしいけど敵地であることに変わりないっ、油断は厳禁よっ」ギャラギャラッ

カチューシャチーム「「了解っ!」」

ノンナ「同志カチューシャ、クラーラ達と合流を図るとクラーラ達を襲ってる敵も一緒に合流してくると思うのですが」

カチューシャ「……」ギャラギャラッ

カチューシャ「……貴女達っ、気合いを見せてやりなさいっ!!」

カチューシャチーム「「了解っ!!」」ウォォォッ

ノンナ(完全にクラーラ達が戦闘中であることを忘れていましたね同志カチューシャ)ソンナカチューシャモチョウゼツカワイイデスガ

カチューシャ「で、私の攻撃開始の指示後は自由戦闘を許可するっ、とにかく暴れてスナフキン中隊を助け出し、敵をめったんめったんに粉砕しなさいっ!いいわねっ!!」

プラウダ一同「「「はいっっ!!」」」
610 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:41:16.28 ID:gOhn1f1z0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラ……


カチューシャ「───と言う訳だから、クラーラ達は今すぐ北に向かってくれないかしら?」ギャラギャラ

クラーラ『それは嬉しい申し出ですが、同時にそちらに敵も引き付けてしまうことに……』ズドガガガァァン、ヒュンッ,ズドォォンッ

カチューシャ「(さっきから凄い戦闘音ね…)それは大丈夫よっ、貴女達の代わりにT-34/76の大部隊をぶつけるわ、敵も退かざるを得ないはずよ!」

クラーラ『分かりましたわっ───でもそれほど御心配ならさずとも大丈夫ですよ同志カチューシャ。既に飯泉橋の近くまで来ておりますし、敵車両を5両ほど頂戴しています』キュィィンッ

カチューシャ「それは良かったわっ…………5両!?」キョトン

ノンナ「!?」

クラーラ『あ、あとサンダースの車両も1両合流しますがよろしいでしょうか』ガキィィンッ

カチューシャ「えっ、えぇ大丈夫よ!兎に角無事に私達が来るまで持ちこたえなさいっ、後数分だからっ」ギャラギャラッ

クラーラ『了解です同志カチューシャ、それではっ』ズバァァンッ


ピッ
611 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:43:21.04 ID:gOhn1f1z0

カチューシャ(……今確かに私は5両って聞いたわよね?E50を5両?ホントに?あんな化け物みたいなのを?)ウーン──

ノンナ(流石は私が認めた好敵手クラーラ、あのEシリーズと対等以上に渡り合っているようですね……と言うか5両頂戴したとは……クラーラが凄いのかT-44が凄いのか……)

カチューシャ「(……まあ今は考えても仕方ないわね)……」フゥ

カチューシャ「……これはバグラチオン並の激しい戦いになるわね……」(敵第2小隊の戦力を見ながら)

ノンナ「人類史上最大の死傷者を出した戦いですか」

カチューシャ「そうよ。……出来れば、最小限の犠牲で第2小隊を潰しておきたいわね」

ノンナ「私もそれを望みます───まだ敵の最高戦力はその姿すら見せていません、ここで戦力を損耗する訳には……」

カチューシャ「それは言えるわね……」チラッ


ポツッポツッ(雨)


ノンナ「……雨が、降ってきましたね」

カチューシャ「全く、こんな大事な時に降らないで欲しいわよ……そろそろ2手に分かれる道よ」

ノンナ「えぇ。……同志カチューシャ、御武運を」

カチューシャ「ふっ、貴女もね、ノンナ!」

カチューシャ「……全車最高速度で敵領域を突破するっ、行くわよっ!!」ギャラギャラッ

ノンナ「我が部隊は小田原東ICの下を通り富士見大橋へ向かうっ、全車KV-2に合わせ第2巡航速度っ」ギャラギャラッ


ギャラギャラギャラッ
612 :amano [saga]:2016/10/31(月) 20:47:39.62 ID:gOhn1f1z0


今回はここまで


非常にお待たせしてしまい申し訳ありません。遅れた理由ですが、まとまった時間が取れなかったのと、スランプです←

次回更新「11/5 25:00」

それでは

613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 21:53:05.62 ID:fpLZiTcyo
乙!
久しぶりです
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 07:52:26.33 ID:5hXmdKqi0
乙です
プラウダと雨の組み合わせって何か不吉
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/05(土) 22:34:50.86 ID:wSz2Gyh/o
乙!
616 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:08:36.77 ID:4NFb1BHr0

《ノンナチーム視点》
マクドナルド飯泉店付近



ノンナ「KV-2、もっと速度は出ないのですか?」ギャラギャラッ

アリーナ「ごめんなさぁいっ、最大速度ですぅ〜っ!」ウムムムッ

ニーナ「張り切ってこんなに弾積まなきゃよかったべ……」セマイィ

ノンナ「……」

ノンナ(KV-2の絶大な火力は重宝するものの、高機動戦闘になるとやはり運用に難がありますね……流石はギガントだとかドレットノートだとか言われた車両です)

ノンナ「……そろそろ小田原東IC付近に着きます。いつ敵が出て来てもいいように各自注意を───」

ノンナ「───っ」(第6感)

ノンナ「……砲手、前方に2両の敵車両を確認。行進間射撃で撃破」

IS-2砲手「えっ───」チラッ


小田原東IC上に陣取る2両のE10。ノンナ等には気付かず


IS-2砲手「あっあんな所に居る……って行進間射撃なのっ!?」

ノンナ「速度を落としている暇はありません。パパっとやっちゃって下さい」

IS-2砲手「そんなぁ!」ウワァン

ノンナ「通信手、全車に注意喚起と徹甲弾装填を指示」

IS-2通信手「了解っ、ピピッピッこちらIS-2───」ガチャガチャ

IS-2砲手「うぅ……そんな簡単に行進間射撃出来たら誰も苦労しないってぇ……」ヨイショ

IS-2砲手(……車体は揺れてるし雨で視界は悪いし……えぇいどうにでもなれぇっ!!)カチッ
617 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:09:40.79 ID:4NFb1BHr0

ズバァァンッ

───ヒュンッ

ギャリィィンッ(履帯)


偵察小隊E10七号車「うわぁっ!?なになにっ!?」

偵察小隊E10六号車「っ、ちょっ、履帯が外されてるわよ!?さっき直したばかりなのにっ……」チラッ


ギャラギャラギャラッ(こちらに向かってくるプラウダの車両群)


偵察小隊E10六号車「うっ、あの薄緑の車体はプラウダ……っ、七号車っ1度退きましょうっ」ギャラギャラッ

偵察小隊E10七号車「いや履帯外されてるから私っ」

偵察小隊E10六号車「あぁぁそうだったぁぁっ」ドウスルドウスル!?
618 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:11:15.25 ID:4NFb1BHr0

IS-2砲手「ぎゃぁぁ外したぁぁっ」ヤバイヤバイッ

ノンナ「履帯は外したのでぎりぎり許します、すぐに次弾を───」

IS-2砲手「ごっ、ごめんノンナ代わって代わってっ!」

ノンナ「またですか?そんなことだからいつまで経っても実戦経験値が貯まらないんですよ?」

IS-2砲手「私は止まってる時専門なの!行進間射撃は守備範囲外なの!」

ノンナ「はぁ、仕方ないですね、ここで敵を逃がしても面白くないですし……」ヨイショ

IS-2砲手「いやぁやっぱり頼りになるぅ姉御っ!」

ノンナ「その呼び方は止めて下さい……貴女もその極度の緊張癖さえ無ければ、私に匹敵する優秀な砲手なんですけどね」

IS-2砲手(臨時車長)「流石にノンナに匹敵はないとは思うけど、確かに手汗はなんとかならないかなぁ」ハァ…

IS-2砲手(臨時車長)「……あっそうだ!折角だから行進間射撃についてちょっと教えてよ!」

ノンナ「えぇいいですよ。それじゃあ見てて下さい、貴女に"ノンナ流行進間射撃の極意in実戦"をお教えします」

IS-2砲手(臨時車長)「おぉありがとノンナ!」ヨイショ

ノンナ「フフッ、それではいいですか……」
619 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:13:00.75 ID:4NFb1BHr0

ノンナ「まずは風景の流れを読み取ります。照準の中の景色がどこからどこへ流れているのか、景色はどの程度揺れているか、頭に刷り込みます」

ノンナ「次に敵の位置から風景を逆算し、照準の中心に敵が入ってくるように照準を動かします。この際敵が動いていたりしたら難易度は跳ね上がりますが───」



偵察小隊E10六号車「私が敵をよいしょするからパパっとリペアして!(要約:出来るだけ私が敵を引き付けるからその間に履帯を直しちゃって!)」ギャラギャラッ

偵察小隊E10七号車「なになに意味分からないっ」



ノンナ「───今回は動いていないので楽勝ですね」

IS-2砲手(臨時車長)「ら、楽勝……?」

ノンナ「勿論自車の動きも一定でないことがほとんどですが、そこは操縦手とのチームワークですね。何秒後になにをしてくれとか、あの目印付近から何秒直線移動してくれとか……そこは阿吽の呼吸的な感性も必要ですね」

IS-2砲手(臨時車長)「なるほど……」チラッ

IS-2操縦手「ニコッ」ビシィ(グットマーク)

IS-2砲手(臨時車長)「ニコッ」ビシィ

ノンナ「後は乗っている戦車に積まれている弾の弾速まで考慮出来れば言うことなしですね」

ノンナ「それでは───」

ノンナ「───」カチッ


ズバァァンッ

───ヒュンッ

ガッシャァァァンッッ(シュパッ)


偵察小隊E10七号車「ぎゃぁぁぁっ」

偵察小隊E10六号車「えぇ!?」チラッ
620 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:14:52.54 ID:4NFb1BHr0

IS-2砲手(臨時車長)「……今息をするように敵を屠ったような……」スゴスギ…

ノンナ「動いていない目標など朝飯前です。……見てください、隣にいた車両が左へ移動していきます」

ノンナ「この場合は自車も敵も動いている、まあまあ難しい状況であると言えます」

IS-2砲手(臨時車長)「私にとってはさっきので超級難度なんですけど」(真顔)

ノンナ「静止射撃訓練時には私よりいい点数を取るくせによく言います……この時も先程の考え方でだいたい大丈夫です。動きが1つ増えただけです」

IS-2砲手(臨時車長)「その1つ増えた動きが数多の砲手を奈落に突き落として来たんですよぉ!」

ノンナ「それは奈落に見える段差です。ちょっと努力すればなんとかなりますから這い上がって来て下さい」

ノンナ「それではいきますよ。この距離だとだいたいこの位置に照準を置いておけば大丈夫ですから覚えて下さい」

IS-2砲手(臨時車長)「やはり戦車道も勉強あるのみなのか……」クッ

ノンナ「人生は常に勉学です。……ではそろそろ逃げられてしまいそうなので……」カチッ


ズバァァンッ

───ヒュンッ


偵察小隊E10六号車「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」(サリー並感)


ズガァァンガッシャァァンッ……プシュー(シュパッ)


ノンナ「いかがでしたか。行進間射撃くらい出来ないと後輩に笑われますよ」ヨイショット(車長席へ)

IS-2砲手「先輩にすら出来る人がいないんですけど……」

ニーナ「天下のノンナさんに狙われた日にゃ地球の裏側まで狙撃されんべ」ナムナム

アリーナ「舗装された道路とはいえ、ポンポン当てられるものじゃないよね……」

ノンナ「他にも敵がいる可能性があります、各自常に警戒を怠らないように」

ノンナチーム一同「「了解っ」」
621 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:16:10.69 ID:4NFb1BHr0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラギャラ───


ノンナ「……」


至るところにある撃破された知波単の車両。ときたまEシリーズの残骸も。


ノンナ(……どれほど激しい戦いだったのでしょうか。どの車両も酷い破損状況……)

ノンナ(……さて、この小田原東IC下を通ればもう少しで───)

ノンナ「───っ」

池田「……」

池田「……」ビシッ(敬礼)

ノンナ「……」

ノンナ「……」──スッ

ノンナ「……」ビシッ

ノンナ(───貴女の名前は確か……池田さんでしたか)

ノンナ(貴女の車両の傷を見れば、貴女がこの場でどれほど激しい戦いに身を投じていたのかが容易に想像できます)

ノンナ(……後は私達に任せて下さい。貴女達の無念、勝利の2文字をもって晴らします)
622 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:17:09.55 ID:4NFb1BHr0

〜〜〜〜〜



ギャラギャラ───


池田「……行ったか……」

池田車砲手「……良かったのでしょうか?撃破されている我々が敬礼なんてして」

池田「相手の情報を教えた訳でもあるまいし、恐らく大丈夫だろう」

池田車砲手「恐らく……ですか」フフッ

池田「───今回は他の学校の者と共に戦うことは叶わなかったからな。少しくらい、共に戦った気になってもばちは当たらんさ……」
623 :amano [saga]:2016/11/06(日) 00:18:28.08 ID:4NFb1BHr0


以上、ノンナさんの行進間射撃講座でした(爆)


次回更新「11/12 25:00」(早まる可能性あり)

624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 03:29:15.74 ID:GlzzesQKo
乙!
625 :amano [saga]:2016/11/13(日) 00:23:57.51 ID:m/DR8v6F0

〜〜〜〜〜



《カチューシャチーム視点》
飯泉橋を渡り終えた直後



ギャラギャラギャラッ


カチューシャ「ここからは敵の支配領域よっ、いつ撃たれても対処できるよう各自で注意しときなさいっ!」ギャラギャラッ

カチューシャチーム一同「「「了解っ!!」」」


ピピッ


カチューシャ「クラーラっ、合流予定ポイントにちゃんといるっ?」

クラーラ『はい、味方を3両失いましたが、大丈夫です』ギィィンッ

カチューシャ「あんたよく生き残ってるわね……」

カチューシャ「───っ、見つけたっ、クラーラ!貴女を見つけたわっ!」

クラーラ『はいっ……同志カチューシャ、背後のE50をお願いしてもよろしいですか?』ギャラギャラッ

カチューシャ「あったり前じゃない!早く私達の方へっ」

カチューシャ「……ん?……あぁ、あの車両が1両だけ残ったサンダースの───」
626 :amano [saga]:2016/11/13(日) 00:25:17.92 ID:m/DR8v6F0

アリサ「ギャァァァ助けてぇぇぇケイたいちょぉぉぉ!!!」イヤァー

カチューシャ「えぇぇっ!?よりによってアリサぁ!?」

アリサ「ぎゃぁぁ……ってうわ!?何この数のT-34!?」トウブセンセン!?

カチューシャ「ちょっとあんたっ、何サンダース偵察隊の中であんただけ助かってんのよ!」

アリサ「んぇ!?……うわっ誰かと思えばシベリアの小皇帝!?」

カチューシャ「何よそのあだ名っ」

アリサ「ふふんっ、私はサンダースでフラッグ車を任されてるんですよ?その意味が分かりますか?」

カチューシャ「……なるほどね、逃げ足だけは速いわけね」ナットクナットク

アリサ「だけって言うなだけって!……まぁ兎に角助かったわ!それは感謝するわっ」

カチューシャ「感謝するならクラーラにしなさいっ……それじゃあ下がってて!敵が来るっ」ギャラギャラッ
627 :amano [saga]:2016/11/13(日) 00:26:09.95 ID:m/DR8v6F0

ギャラギャラギャラッ


第3小隊E50三号車「なんなのあのT-44っ、強すぎでしょ……っ」ギャラギャラッ

第4小隊E50四号車「遊撃部隊である私達が逆に翻弄されるなんて……」

第4小隊E50一号車「資料ではクラーラって子が車長らしいけど……コードネーム?」

第3小隊E50二号車「他にもカチューシャとかノンナとか……もしかしてロシア人───」

第3小隊E50一号車「その二人は日本人よっ……ってかなんの話してるのよっ!5両もやられてることを自覚しなさい!」

第3小隊E50一号車「あのT-44……ひいてはクラーラって子は脅威っ、ここで倒しておかないと後々面倒なこと…………に……?」


ギャラギャラギャラッ


カチューシャ「私達の邪魔をする敵は私が直々に蹴散らしてやるわっ、かかってきなさいっ!!」ギャラギャラッ



第3小隊E50一号車「っ!!あれはっ───IS-3……!!?」ゴクリッ

第3小隊E50二号車「後ろにもとんでもない数のT-34がいますっ!!」30リョウクライイル!?

第4小隊E50一号車「いやいやいやT-44達3両に翻弄されたのにIS-3なんて無理よっ!撤退を進言するわっ」ギャラギャラッ

第3小隊E50一号車「そ、そうね……よしっ全車転進!隊長達の所まで戻るわっ」

遊撃部隊一同「「了解っ」」ギャラギャラ…
628 :amano [saga]:2016/11/13(日) 00:27:31.02 ID:m/DR8v6F0

クラーラ『……退いていきますね』

カチューシャ「ふん、このカチューシャに恐れをなすとはまだまだね!」フフン

クラーラ『(ここで攻撃して来たらそれはそれで命知らずですが……)ところで、サンダースの車両は如何なさいますか?』

カチューシャ「んー?それは一緒に来てもらうしかないわねぇ」

アリサ「……ん?」

クラーラ『そうですか。戦闘には参加させるのですか?』

カチューシャ「まぁ、成り行き的にそうなるわよね」

アリサ「……え、え?これから酒匂川に退くんじゃないんですか?」チラッ

カチューシャ「なーに言ってるのよ、私達プラウダは今敵の主力部隊の包囲・殲滅に向かってるのよ」ギャラギャラッ

アリサ「えぇ!?そんなの聞いてないですよ!?私達を助けに来てくれたんじゃないんですかぁ!?」

カチューシャ「はぁ?私達は元々敵を攻撃しに行く途中で、クラーラ達を拾ったら貴女も付いてきたってだけよ」

アリサ「うそぉ!」(驚愕)

クラーラ『せっかく助けてあげたのです。少しは私達の役に立って貰いますよ』フフッ

アリサ「うぅ、分かりましたよ……それで、敵はどこの部隊なんです?」

カチューシャ「主に第2小隊よ」

アリサ「第2小隊……なんか化け物みたいな強さらしいけど───」チラッ


ギャラギャラギャラッ(大量のT-34/76)


アリサ「───これだけいれば、最悪物量で押し潰すことも可能ね……」
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