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【ガルパンss】まほ「Eシリーズを倒すぞ!」みほ「え?」
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212 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/08(水) 19:14:55.91 ID:MiqNqzvR0
ギャラギャラギャラギャラッ───
ッグワァァァンッ!!
第5小隊隊長「今逃げたCV33はこの稜線を越えて逃げたぞっ!全車私に続けっ!!」
第5小隊副隊長「ふっふっふっ、豆戦車1両で偵察しようだなんていい度…胸………」(いきなり目の前に総勢50両のミー中隊)
アンチョビ「……」(いきなり目の前にE50が沢山)
ミッコ「……あれって確か……E50……だよね?」
アキ「うん……とっても強そうだね」(小並)
ミカ「……」ポロローン
アンチョビ「……」
アンチョビ「……勘弁してくれぇ……」(絶望)
第5小隊副隊長「たっ、隊長───」
第5小隊隊長「……うっ、撃って撃って撃ちまくれぇぇっ!!」
バァァンッ!!ドォォンッ!!
213 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/08(水) 19:16:07.65 ID:MiqNqzvR0
アンチョビ「あぁぁ……」(放心)
ペパロニ「姐さんっ、気絶してる場合じゃないっすよ、姐さんっ!」
アンチョビ「はっ……みっ、ミー中隊全車、敵を迎撃しろぉぉっ!!!」ドォォンッ
カルパッチョ「ちょっと、いきなり過ぎですよぉ!!」
アキ「戦車道ってこんな唐突に戦闘になるものだっけ!?」バァァンッ
ミカ「人生何が起こるか分からない様に、戦車道も何が起こるか分からないものなのさ」ポロローン
アンチョビ「ぐっ、まさか我々の偵察を待ち伏せしていたのかっ……!?……ともかく他の部隊に通信をしないとっ……」ピピッ
214 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/08(水) 19:17:20.60 ID:MiqNqzvR0
アンチョビ「おっ、おい聞こえるかっ!?ちょっと……いやかなり不味いっ!!いきなり敵と鉢合わせにっ───うわぁっ!」ズガァァンッ
カチューシャ『ちょ!?どズズッし──?よくビィィィンい───』
アンチョビ(くっ、通信が───)
アンチョビ「撤退しないと全滅するかもビビッっああ通じんっすまんっ1回切るぞっ」ブツンッ
アンチョビ(うぅ、テンパっちゃったのと激しすぎる砲撃の揺れで無線が───)
ドカァァンズガァァンッ
アンチョビ「うわっ、あぁもうっ無線くらい静かにさせてくれぇぇぇ!!」
215 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/08(水) 19:20:06.37 ID:MiqNqzvR0
第5小隊副隊長「たっ、隊長っ、西住師範の言った通り、諏訪神社付近に敵部隊が来ましたねっ!突然対峙したときは流石に焦りましたが……っ」
第5小隊隊長「あぁ、私も最初はこんな所に来るのか?と思っていたが……やはり自分の娘さんの考えることは分かるのだろうか」
第5小隊副隊長「と言うか、この広い小田原でこんなピンポイントにお互いがぶつかるなんてあり得るんですかっ?」バァァンッ
第5小隊隊長「今ここで有り得てるんだがら有り得るんだろうなっ」ズバァァンッ
第5小隊副隊長「なるほど、逆説的発想ですねっ!」
第5小隊隊長「いいから周りをうろちょろしてる豆戦車を倒せっ!」カンカンカンッ
第5小隊副隊長「先にセモヴェンテとかを倒した方がいいんじゃないですかっ?」
第5小隊隊長「機銃で撃たれるとカンカンカンッて五月蝿いんだよ!!」カンカンカンカンカンッッ
第5小隊副隊長「りょっ、了解っ」(何か間違ってる様な……まぁいいか!)
216 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/08(水) 19:20:45.92 ID:MiqNqzvR0
今回はここまで
余談ですがキャラの口調や性格は『ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です!』に準拠しているつもりです。つまりギャグ補正がかかっています。
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/08(水) 19:21:38.92 ID:1ArfthEco
乙です
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/09(木) 08:44:43.10 ID:0ddwqhrVo
乙!
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/10(金) 00:53:48.77 ID:qMAkci4po
乙です
220 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:17:18.39 ID:eAd3b1Fx0
ズバァァンッ、ズガァァンッ───
アンチョビ「あぁぁこの状況は不味いっ!撤退しようにも辺りはなだらかな丘陵地帯だし、このままだと敵と入り乱れての乱戦に───」アセアセ
ペパロニ「姐さんっ、ここは潔く敵の一団に突っ込んだ方が敵の動揺を誘えますよっ!!たぶんっ!!」(適当)
アンチョビ「そっ、そうか?……よしっ、ミー中隊全員で敵に突っ込むぞっ!!」(錯乱)
カルパッチョ「ドゥーチェッ、本気ですかっ!?」
アンチョビ「どっちにしろあんな硬そうで精度が良さそうで速そうな戦車に遠距離戦なんて挑んでも負けるっ」
カルパッチョ「敵のことを褒め過ぎですっ!」
アンチョビ「ここはノリと勢いに任せて突っ込むっ!!いくぞぉぉっ!!」
ミッコ「えぇ!?あんな化け物達に突っ込むなんて自殺行為じゃ───」
ミカ「戦車道は楽しんだ者勝ちなんだよ」ポロローン
アキ「死に急ぐ行為は別に楽しくないっ!」
ミカ「それにミー中隊はほとんどの車両が高い機動性を有している。敵を攪乱するにはうってつけの戦法だと思うよ、突撃は」ポロローン
ミッコ「はぁぁ、選抜戦の時のカール戦を思い出すよ……」
221 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:18:34.58 ID:eAd3b1Fx0
ギャラギャラギャラギャラッ
第5小隊副隊長「たっ、隊長っ!敵の本体がこちらに突っ込んで来ますっ!!避けられませんっ!!」
第5小隊隊長「安心しろっ、こちらも全車突っ込むっ!!」
第5小隊副隊長「なに考えてるんですかぁっ!!」ウワァァン(泣)
第5小隊隊長「E50は硬いからきっと大丈夫だ!」
第5小隊副隊長「なんですか『きっと』って!希望的観測で一大決心しないで下さいぃ!!」
222 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:20:46.73 ID:eAd3b1Fx0
ギャラギャラギャラッ
アンチョビ「おいっ、敵も突っ込んでくるぞっ!?」
ペパロニ「へへっ、ノリと勢いだけは誰にも負けないアンツィオに突撃とはいい度胸っ!その心意気だけは買ったぁっ!!」
カルパッチョ「あぁっ、ペパロニが興奮し過ぎて下町の魚屋みたいな口調にっ」ナンテコトッ
アンチョビ「よぉし……おいっ、すれ違いざまにあのE50に砲撃するぞっ」
P40砲手「任せて下さい!!」
アンチョビ「よし……今だっ!」
P40砲手「おりゃっ」ズバァァンッ
グワァァァンッ、ガシャァァンッ!!
アンチョビ「うわぁ!!相手も同じ事を考えてたかっ!!」イツツッ
P40砲手「うっ……、こちらの砲撃は敵戦車の砲塔をかすめただけですが、相手の砲撃はこちらの車体にきっちり当たっていますっ、凄い練度ですっ……!!」
アンチョビ「くっ、だがまだやられてはいないな、良かった……」
アンチョビ「そう言えば、E50全ての砲塔に大きく『五』って書いてあるが、あれは……」
P40装填手「たぶん第5の部隊って意味かとっ!」
アンチョビ「はぁ?こんなに強い奴等が少なくとも5部隊もいるのかぁ!?」
アンチョビ「くそぅ……はっ、他の皆は大丈夫かっ!───」チラッ
223 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:22:06.09 ID:eAd3b1Fx0
ズバァァンッ(シュパッ)
ひびき『BT-5、走行不能っ』
BT-5車長「あぁ、まだなにもしてないのにぃぃぃ!!」
BT-2車長「くっ、よくもBT-5を!!」ギュイィン
BT-7車長「折角BT3兄弟でジェットストリームアタックしようと思ってたのにぃっ!!」
パパパパパッ
キンッキンキンキンッ
ズバァァンッ(シュパッ)
ひびき『CV33 13号車、走行不能っ』
CV33 13号車「あぁっ、ちくしょぉ!!」
ペパロニ「くっ、やっぱ機銃じゃ歯が立たないぞっ!?」
第5小隊E50六号車「ふんっ、豆鉄砲でE50に挑むとはねっ!砲手っ、あの車両を狙って───」
ガシャァァンッ
第5小隊E50六号車「うわぁっ、なに!?今の衝撃はっ!?」
CV33 24号車「すいませぇんぶつかっちゃいましたぁ!!逃げろぉぉ!!」ブゥゥゥンッ
第5小隊E50六号車「こらぁ当て逃げすんなぁぁ!!」
224 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:24:55.35 ID:eAd3b1Fx0
アキ「こんなにお互い入り乱れて戦うなんて……戦術もなにもあったもんじゃないわっ!」バァンッ
ミッコ「くっ、大量のCV33が邪魔で上手く運転出来ない……」キュルキュル
ミカ「いいかいアキ、ミッコ。戦場では理性を失った者から消えていくんだよ」ポロローン
アキ「それは分かってるけどぉ!!きゃあっ!」ズバァァンッ
ミッコ「前後左右から敵味方の砲弾が飛んでくるんじゃ、落ち着いて運転すら出来ないって!」ズババババッ
ミカ「確かにこの状況に意味があるとは思えないね。私達だけの火力では心許ない」
ミカ「……しかし、やるべきことが何もない訳じゃない。とにかく今は生き残ることが大切さ」ポロローン
ミッコ「ごもっともっ」キキィィィッ(ドリフト)
225 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:28:09.45 ID:eAd3b1Fx0
アンチョビ「あぁもうっ、なんだあのE50って戦車はっ!?どこを撃ってもびくともしないぞぉ!?」
カルパッチョ「弱点がない訳ではないのでしょうけど……。恐らくKV-1やセモヴェンテ級の火力で背面を撃てば通じるとは思いますが、そう言った火力がある戦車に対しては背面を見せようとしませんっ、相手はかなりの観察眼と操縦技術ですっ!」
アンチョビ「うぐぐっ……ともかくこのままでは埒が明かないっ、CV33だけでも西側へ侵入させるか──」
ペパロニ「おっし、姐さんの言葉が聞こえたかCV33達っ!!」
CV33 7号車「バッチリ聞こえてますよっペパロニ姐さんっ!」
CV33 39号車「この快速を活かして敵陣に突っ込めばいいんすよね!?」
CV33 14号車「突撃突撃ぃ!!」
カルパッチョ(会話内容が知波単みたいになってるっ)
226 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:32:23.07 ID:eAd3b1Fx0
アンチョビ「おっおい、ペパロニ!?」
ペパロニ「任せて下さい姐さんっ、私がCV33を率いて敵陣の奥に突っ込んで来ますっ!姐さん達にはここのE50をこの場に押さえ込んでいて欲しいっすっ!!」
アンチョビ「えぇ!?……しかしっ、CV33だけでは敵と出会ってしまった時に───」
ペパロニ「大丈夫っすよ姐さんっ!CV33に砲弾を当てることが出来るのなんて、大洗のバレー部くらいしかいませんって!!」
アンチョビ「そっ、それはそうだが……」
アンチョビ(……んん、でもそうか、CV33だけだと火力は期待できないが、あくまで我々の任務は敵情観察……超高機動のCV33のみで行かせたほうが偵察効率はあがるか……?)
ペパロニ「姐さんっ!」
アンチョビ「……よし分かった!CV33は私の合図で一斉に南に全速力で進めっ!!」
ペパロニ「了解っ!!」
カルパッチョ「ドゥーチェ、私達は……」
アンチョビ「アンツィオの残りと継続はこの場でE50を出来るだけ損耗させるっ、CV33が1両でも多く西側に潜り込めれば我々の任務は成功だっ!!」
カルパッチョ「了解ですっ!」
アンチョビ「それじゃあカウントォッ!チンクエッ(5)、クワットロッ(4)、トレッ(3)、ドゥーエッ(2)、ウーノッ(1)───」
アンチョビ「行けぇぇ!!」
ペパロニ「よっしゃっ、行くぞお前達!!アンツィオはなにも食べ物だけが取り柄ではないことを教えてやれぇっ!!」
CV33軍団「「「うおおおおっ、わぁぁぁぁっっ!!」」」ギャラギャラギャラギャラッ
227 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/11(土) 16:34:02.43 ID:eAd3b1Fx0
次回更新「6/12 23:00」
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/11(土) 16:56:25.40 ID:dbsS+sr5o
乙です
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/11(土) 18:27:27.16 ID:rwAXC9YjO
なんかすごい
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 20:25:28.42 ID:sbX2+YwCo
乙!
231 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/12(日) 22:54:19.43 ID:D118AfLK0
バァァンッ!ギィィィンッ
第5小隊E50三号車「くっ、あの車両、なんであんなにっ……」ギィンッ,グワァンッ
───ヒュンッ
スカッ
第5小隊E50三号車「あぁ、また避けられたっ───」ナンデッ!?
───ヒュンッ
ズガンッ!ズガガンッ!
第5小隊E50三号車「あぁっ、偏差射撃上手すぎでしょあの車両っ!!」グラグラッ
第5小隊E50八号車「……すっ凄い、あのBT-42……私達が撃った砲弾は全部避けて、彼女らが撃った砲弾は全て私達に当たってる……」バケモノ…
第5小隊E50九号車「っ……確かあの車両には、西住師範が『白銀の魔女』と評した、継続高校のミカが搭乗していますっ!」
第5小隊E50八号車「あのミカがっ!?そりゃあ強い訳だよっ……」
232 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/12(日) 22:55:30.14 ID:D118AfLK0
ギャラギャラギャラッ
ペパロニ「そぉれそれそれぇーっ!!」ギャラギャラギャラッ
CV33 18号車「あれ、その掛け声どこかで聞いたことがあるような……まあいいか!」ギャラギャラッ
第5小隊E50四号車「ぬぅぅっ!……えっ?おい豆戦車っ、どこに行くっ!!」
ペパロニ「ちょっと小田原を観光してくるっすっ!あと豆戦車って言うのやめろっ!!」ウガーッ
第5小隊E50四号車「くっ、ここは通さないわっ!操縦手っ、体当たりしてでもCV33を止めるわよっ!」ギャラギャラギャラッ
CV33 22号車「えっ?ちょっ、E50さんっ!?……うわぁ!!」ガシャァンッ(シュパッ)
CV33 4号車「嘘っ、体当たりだけでCV33が……」ゾワッ
ペパロニ「っ、ヤベェ!全車急げぇ!!」ギャラギャラギャラッ
233 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/12(日) 23:01:57.66 ID:D118AfLK0
第5小隊副隊長「……え、あっ、豆戦車がどんどん背後に抜けていっちゃってる!?不味いんじゃないですか!?」
第5小隊隊長「大丈夫だっ、こう言う事態も考慮して、既に第2小隊に対応して頂く手筈だっ!」ギュルルルルッ
第5小隊副隊長「第2小隊っ……ふっ、豆戦車達には悪いけど、第2小隊が相手じゃただでは済みませんねっ」
第5小隊隊長「うむっ、それにこれで入り乱れた混戦は終わりだ。稜線に布陣を敷いての狙撃に移行するっ!」
第5小隊隊長「全車車体を傾けながら背後の稜線まで後退っ、次の指示があるまで目前の敵に集中するぞっ」
第5小隊副隊長「了解っ!!」ズガァァンッ
カルパッチョ「……ドゥーチェ、ペパロニ達のほとんどが南東方面に抜けることに成功した模様ですっ」
アンチョビ「よぉし、いいぞ!我々はこのままE50と継戦するっ!やられるなよぉ!!」
一同「「「おぉぉぉ!!」」」
アンチョビ「……と言うか、BT-42───ミカ達、強過ぎないか?車体にほとんど傷がないぞ……」アセアセ
カルパッチョ「それに、なんか気付かない内に、E50を1両倒してますよ……?」
ミカ「運が私達に微笑んでくれたのさ」ポロローン
アンチョビ「それ運の一言で片付けられないからっ!」クワッ
234 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/12(日) 23:03:39.88 ID:D118AfLK0
〜〜〜〜〜
スッ(双眼鏡)
第2小隊副隊長「……島田殿、CV33がこちらに向かって移動し始めたようです」
千代「えぇ、報告ご苦労」
千代「……ふふふっ、久し振りねぇ。戦場に漂う刺すような雰囲気、独特の空気感───」
千代「この戦いに誘ってくれたしぽりんにはしっかり感謝しないとね」
第2小隊副隊長(しぽ……もしかして、西住師範のことっ!?)ナカイインダ…
千代「さて、副隊長さん?」
第2小隊副隊長「はっ」
千代「しぽりんには悪いけど、この第2小隊は島田流でいかせて貰うわ。貴女達は西住流の門下生らしいけど……貴女達ほどの実力なら、すぐに島田流も身に付くでしょう」
235 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/12(日) 23:04:37.61 ID:D118AfLK0
第2小隊副隊長「はっ、問題ありませんっ!島田流の教えを受けてもよいと、西住師範から許可を得ております!」
千代「あらあら、しぽりんに私の考えは筒抜けでしたか……」フフッ
千代「……それでは今日に限り貴女達は島田流の門下生。臨機応変に戦場を闊歩し、西住まほ率いる西住流を叩きのめす鉄槌になりなさいっ」
第2小隊一同「「「はいっっ!!」」」
千代「よしっ、元気でよろしい!」ニコッ
千代「……さて、それじゃあまずは───」チラッ
キャラキャラキャラッ───(大量のCV33)
千代「───丘を転がってくる沢山の豆を拾い集めましょうか」ニコッ
236 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/12(日) 23:05:28.40 ID:D118AfLK0
次回更新「6/15 22:00」
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 23:06:04.67 ID:sbX2+YwCo
乙です
238 :
◆e36QHfACtY
[saga]:2016/06/12(日) 23:07:11.02 ID:D118AfLK0
敵の情報が分かりにくいと思うので、ここに記しておきます(まほ達は知りません)。
見たくない方は(視界に入っちゃうとは思いますが)なんとか読み飛ばして下さい。
《Eシリーズ軍団》
第1小隊
E100 ×1(しほ)
E75 ×2(元10式操縦手、元10式砲手)
E50 ×8
第2小隊
E75 ×10(1号車が千代)
第3小隊
E75 ×2
E50 ×6
第4小隊
E75 ×2
E50 ×6
第5小隊
E50 ×10
???
? ×10
???
? ×6
???
? ×1(蝶野)
E50 ×4
総計68両
?部分は物語が進むにつれて分かっていきます。
第1〜第5小隊に限っては、数字が小さくなるほど搭乗員の練度が上がっていきます。
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/12(日) 23:11:00.56 ID:ap3agUPmo
乙です
継続すげーな
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 17:57:59.25 ID:M/MGW8BxO
乙
ありがたいけど、次回更新が時間まで書いてあることに笑っちゃう
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 19:09:38.47 ID:WKIsez0uo
乙!
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/06/14(火) 00:52:18.22 ID:NU/oRn4hO
Eシリーズって時速何キロくらいなんだ?
243 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:00:43.03 ID:7fCAgBDp0
>>242
現実だとE10、E25が60〜70km/hほど、E50、E75、E100が30〜40km/hほどなのだそうです。
ちなみにこのss内のEシリーズはガルパン補正がかかっているので、E100を除いた他の車両は70〜80km/hくらい出るのではないでしょうか(適当)
244 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:04:11.03 ID:7fCAgBDp0
〜〜〜〜〜
久野小学校付近
ギャラギャラギャラッ───
ペパロニ「はぁ、はぁ、……なんとか逃げ切ったか?」チラッ
CV33 2号車「はいっ、ドゥーチェ達が引き付けてくれているので、追ってくる気配はありません!」
ペパロニ「よしっ!やっぱりドゥーチェに任せておけばなんでも大丈夫だなっ!」
CV33 2号車「そーですね!」
ペパロニ「……あぁそうだ、突破するときに何両やられちまったっ?」
CV33 2号車「えぇっと……5号車、9号車、13号車、22号車……計4両やられましたっ!」
ペパロニ「んん、それじゃあ残りは36両か……ってめっちゃ残ってるじゃねぇかっ!!」(驚愕)
CV33 2号車「これだけいれば、相手の戦力配置なんて洗いざらい知ることが出来ますよっ!」
CV33 3号車「やっぱり40両もCV33を用意したドゥーチェは偉大っすねっ!!」
ペパロニ「そうだなぁ!……あれ?そういやなんでCV33は40両もいるんだ?」ウゥン?
CV33 3号車「やだなぁペパロニ姐さんっ、私らがアンツィオで戦車道を始めた時から40両いたじゃないですかぁ!」(アホ)
ペパロニ「そうだったか?……う〜ん、そういやそうだった気もするなっ!」(ドアホ)
ペパロニ「……っと、そろそろ作戦を始めないとな」
ペパロニ「……いいか、私達はこのまま適当に市街地に突っ込んで、そこから適当にバラバラになって適当に偵察を始めるぞっ!分かったか!」
CV33一同「「「はいっ!!」」」
CV33 2号車(少し適当過ぎるような───まぁいいか!)(適当)
245 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:06:35.71 ID:7fCAgBDp0
〜〜〜〜〜
ギャラギャラギャラギャラッ
第2小隊副隊長「……CV33群との接触まで、約2分っ!」
千代「……宜しい。それでは先程話した作戦をおさらいするわ」
千代「4〜10号車は久野川にかかる橋を塞ぐように待機。敵を南側に抜けさせない様にしなさい」
4〜10号車「「「はっ!」」」
千代「3号車は4〜10号車の背後に待機、援護が必要な車両のバックアップに就きなさい」
第2小隊副隊長「はっ」
千代「2号車と私は、貴女達が北側に追いたてたCV33を摘み取っていくわ。私が指示したら3〜10号車にも殲滅戦に移行してもらうから、その点は覚えておきなさい」
第2小隊一同「「「はっ」」」
千代「あとは、そうねぇ……」
千代「……それじゃあ少し、話をさせて貰おうかしら」
千代「……貴女達が一番よく分かっていることだと思うけど、まだ貴女達は島田流に十分に慣れていない。だから慣れ親しんだ西住流で戦いたいと思う人が、戦闘中に出てくるかもしれない……」
千代「逆に、西住流よりも島田流の方がいいと思ってくれる人もこの中から出てくるかもしれないわね」
千代「……そう考えるのはごく自然なこと。人には向き不向きがあり、好き嫌いがあるもの。……でもそこで、『片方の流派の方が優秀』と思うか『両流派に良いところがある』と思うか……」
千代「たったそれだけの違いで、貴女達がこの戦いで得るものは大きく変わると思うわ。どちらが戦車道にとって必要な意識か……考えてみてほしい」
第2小隊一同「「「はっ」」」
千代「……あ、でも、その事ばかり考えて作戦行動に支障が出てしまっては元も子もないわ。くれぐれも程々に、今私が言ったことを思い返してほしい。……分かったかしら?」
第2小隊一同「「「はっ!!」」」
千代「いい返事ね……」フフッ
千代「それでは各車、作戦行動に移りなさい」
246 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:08:04.00 ID:7fCAgBDp0
〜〜〜〜〜
ペパロニ「……うっし、そろそろ南に方向転換するか……小田原市中心部まであとどれくらいだ?」キャラキャラッ──
CV33 2号車「久野川を渡ればすぐそこですっ!」
ペパロニ「よしっ、これでやっと敵情偵察に移れるな!」
CV33 2号車「いやぁ、一時はどうなることかと思いましたが、無事に任務を遂行出来そうですね!」
ペパロニ「そうだなぁ!……あぁそうそうっ!私が1両でE50の部隊と最初に鉢合わせた時、偶然だけど敵の通信が少し聞こえたんだよっ!」
CV33 2号車「えぇっ!?どうやって聞いたんですかっ!?」
ペパロニ「いやぁ、なんか分かんねぇけど……敵の横を思い切り走り抜けた時かなぁ」
CV33 2号車「姐さん、よく生還出来ましたね……それで、何が聞こえたんです?」
247 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:09:08.72 ID:7fCAgBDp0
ペパロニ「えぇーっと、一瞬だったからほとんど聞き取れなかったが……確か『おだわらあつ……』とか、『いいじゅ…』とか言ってた様な───」
CV33 2号車「おだわらあつ……たぶん『おだわら』は地名の『小田原』なんでしょうけど……『あつ』……?それに『いいじゅ』?」キョトン
ペパロニ「いやぁ……サッパリだなっ!!」バーン
CV33 2号車「そうっすねっ!……あっ、ドゥーチェには報告しました?」
ペパロニ「あぁっ、忘れてたっ!」
CV33 2号車「ドゥーチェなら頭が凄くいいですから、この謎の暗号を解読してくれるかもしれません!」
ペパロニ「確かにっ!やっぱりドゥーチェは頼りになるなぁ!!それじゃあ早速───」
248 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:11:52.82 ID:7fCAgBDp0
───ヒュンッ
ズバァァンッ(シュパッ)
CV33 25号車「ぎゃあ!」ガシャァン
ペパロニ「なっ、なんだ!?」ビクッ
CV33 2号車「ペパロニ姐さんっ、あそこ……!」
ペパロニ「んっ!?」チラッ
(E75)ヤッホー
ペパロニ「うわっ、なんだあのE50より強そうな車両っ!?お前ら全速で逃げるぞっ!」ブゥゥゥンッ
CV33 2号車「はいっ!!……あれ、でもあの橋の上から動く気配がありませんね……?」
ペパロニ「うん?……あっ本当だな……んまぁとにかくあの道からは南に行けそうにないから、次を探すぞっ!」
CV33 2号車「そうですね───うわっぶね!!」──ヒュンッ
ペパロニ「おい大丈夫か!?……くっ、今度はどこから───」チラッ
(E75)ヤァ
ペパロニ「うわぁ!次の橋も塞いでやがるっ!……って、次の次の橋もじゃねーかっ!!」チクショォ
CV33 3号車「敵さんの対応めっちゃ早いですね……」
249 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:15:11.38 ID:7fCAgBDp0
CV33 2号車「このまま南に行けずに敵の状況が把握できないと、ムーミン中隊やスナフキン中隊は動くに動けませんし……結構不味い状況ですよね……」
ペパロニ「そうだよなぁ、時間がないよなぁ……なんとかあいつらの懐を突破出来たりはしないか?」
CV33 2号車「たぶん無理ですね……あいつより軽そうなE50にさえ、体当たりして傷1つつけることが出来ないんですから……」(E50と衝突済み)
ペパロニ「っ、不味いなぁ……」
ペパロニ「……そういや、南に続く道を探させに先行させていた車両からの報告はっ?」
CV33 2号車「そ、それが───」
CV33 36号車「うわぁぁ!」(シュパッ)
CV33 12号車「早く後退し──ぎゃあぁ!」(シュパッ)
CV33 29号車「あばばばば」(シュパッ)
CV33 2号車「───橋の上に何かいるという報告と、フラッグが勢いよく立つ音を最後に、通信が途切れています……」
ペパロニ「なっ……ってことは、南に通じる橋全部塞がれて───」ヤベェ──
250 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:17:36.27 ID:7fCAgBDp0
CV33 2号車「その可能性はありますね……あいつらを倒さないと市街地に進めない……ってことですかね……」(絶望)
ペパロニ「おいおい勘弁してくれよ……」
CV33 2号車「……っ!、姐さんっ、私達の進行方向にもやつがっ!」
ペパロニ「マジかっ!!」
CV33 3号車「あっ、北にも1両いますっ!」
ペパロニ「……えっ?、えっと、それじゃあまさか私達……」ゴクリッ…
CV33 2号車「……敵に包囲されちゃいました……?」キャラキャラッ
ペパロニ「……」(……オゥフッ)
ペパロニ「……いっ、いや、まだ引き返せばなんとか───」
ピピッ
最後尾のCV33「ぺっ、ペパロニ姐さんっ!、後方からなんかめっちゃ強そうな戦車が2両───うわぁぁっ!!」ガシャァン(シュパッ)
CV33 2号車「……」
ペパロニ「……」
ペパロニ「───ならないな」ヤレヤレ
CV33 2号車「そりゃないっすよぉ……」ガックリ
ペパロニ「まっ、戦う前から諦めたりはしねぇ!このペパロニ様が全力であいつらから逃げ仰せて見せるぜっ!!」
CV33 2号車「……それある意味戦う前から諦めてますよね……」
ペパロニ「お前、あのごっついやつにこのCV33で勝てると思うか?」
CV33 2号車「アンツィオの生徒が自主的におやつの時間を無くそうとするくらい有り得ないですね」
ペパロニ「そうさっ、だから今回は逃げるが勝ちってやつだ!生き残りさえすれば後はどうとでもなるっ、行くぞぉっ!!」ギュルルルンッ
251 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:19:07.66 ID:7fCAgBDp0
〜〜〜〜〜
ギャラギャラギャラッ───
第2小隊E75九号車「こちら九号車、後方配置完了しました」
第2小隊E75十号車「十号車も同じく。ついでに1両撃破しました」
千代「了解、次の指示を待ちなさい」
九号車&十号車「「了解」」
第2小隊副隊長「……それにしても、綺麗に包囲にはまってくれましたね」
千代「そうね……彼女達の気風から想像して、山間部をゆっくりと進むよりは、直線に近い道路───つまり足柄街道を突っ走ってきそう、と思っての待ち伏せだったけど……」
第2小隊副隊長「まさか全車両こちらに来るとは……」
千代「お陰で、念のために山間部に配置しておいた狙撃小隊の出番はなし───」
千代「───いや、まだあるわね」
第2小隊副隊長「?」
千代「狙撃小隊には別の仕事を用意することにするわ。……とにかく今は、すぐそこまで迫っているCV33を殲滅しないとね」
千代「……スゥゥ──」
千代「──ハァァァ……」(深呼吸)
千代「……さて、貴女達のノリと勢いがどこまで私達に通用するのか、確かめさせて貰うわよ」ギャラギャラギャラッ
252 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:22:54.38 ID:7fCAgBDp0
どうしても文章量が無駄に多くなったり、なんか堅苦しくなったりしてしまいます。申し訳ありません
次回更新「6/18 22:00〜23:00」
253 :
amano
[saga]:2016/06/15(水) 22:24:44.05 ID:7fCAgBDp0
携帯のバグで名前が見えちゃってますね、すみません
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 22:33:03.75 ID:uQ1xa7ITo
乙です
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/15(水) 22:33:17.26 ID:PYZFqKnOo
乙!
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/16(木) 10:44:44.06 ID:gqqHl9+EO
乙!
257 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:08:33.99 ID:5hjCPpN60
〜〜〜〜〜
ペパロニ「さぁて、威勢よく檄を飛ばしたまではいいが、どうしたもんか……」チラッ
ギャラギャラギャラッ(北上してくる6両のE75)
ペパロニ「んん……」チラッ
(正面で静観しているE75)
ペパロニ「……っへ、南に行けない様に道を塞いだことは評価するが、私らの突き進む真正面に1両しか用意してないってのは甘過ぎるぜっ!」
CV33 2号車「敵さん、私達のノリと勢いを舐めてますねっ姐さんっ!」
ペパロニ「その通りだっ!さっき囲まれてると言ったが、よくよく考えてみたら敵は10両程度っ!決して脱出出来ない訳じゃないっ!!」
ペパロニ「このまま真っ直ぐ突き進んで、奴をCV33の波で溺れさせるぞぉ!!」
CV33一同「「「うぉりゃぁぁぁ!!」」」ギャラギャラギャラッ
258 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:11:08.14 ID:5hjCPpN60
千代「フンフンフンフン───」(鼻歌)
第2小隊副隊長「ちっ、千代殿っ!CV33が全車そちらにっ……!」
千代「えぇ、分かっているわ」
第2小隊副隊長「すぐに援護に───」
千代「いえ、その必要はないわ。貴女達はそのまま、この場からCV33を逃がさないことに全力を尽くしなさい」
第2小隊副隊長「しかし、お一人では……」
千代「ふふ、まあ見てなさい……」
千代「───撃て」スッ
ズバァァンッ
CV33 34号車「ひっ…!?」
ガシャァァンッ(シュパッ)
千代「……相変わらずいい腕ね」
千代車砲手「いえいえっ、私なんてまだまだですよっ!まだ静止射撃ですしっ!」
千代「あらあら、そう謙遜しなくてもいいのに……」フフッ
259 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:12:50.26 ID:5hjCPpN60
千代「コホンッ……私の乗るこの車両の搭乗員は、自衛隊員の中でも島田流上がりの者のみで構成されている。……今から貴女達に、島田流とはなんたるかをお見せするわ」
千代車操縦手「いやぁ、久々の戦車道は腕が鳴りますねぇ!」ウキウキ
千代車装填手「貴女いつも90式で10式相手にタイマン張ってるじゃない……」シカモカツシ
千代車通信手「何故10式の乗組員にならないのか」ギモン
千代車操縦手「そりゃあ90式の方がゴツゴツしてて不格好と言うか……なんかそこがいいんだよなぁ!」
第2小隊副隊長「島田流家元自らが、島田流のなんたるかを……」ゴクリッ
千代「よしっ、いくわよ貴女達、この私に突っ込んでくる身の程知らずの高校生に、本物の強者の実力を思い知らせてあげなさいっ」
千代車一同「「「了解っ!!」」」
260 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:16:00.64 ID:5hjCPpN60
〜〜〜〜〜
ギャラギャラギャラッ
CV33 2号車「正面の戦車の射撃により、34号車がやられましたっ!」
ペパロニ「ッチ、なんて精度だ!だが怯むんじゃねぇ!一気に行けばなんとかなるっ!!」
CV33一同「「「うおぉぉぉぉ!!」」」ギャラギャラギャラッ
千代「……」
千代「……射撃オーダー順序、L6°、R7°、R4°、L15°、R11°」
千代車砲手「了解っ!」
千代「行動オーダー、車角L30°のち5m後退、のち指示あるまで待機」
千代車操縦手「了解っ」
ズバァァンッ
ズバァァンッズババァァンッ
───ヒュンヒュンッ
───ガシャァンッ(シュパッ)
CV33 24号車「ぐっ、やられたぁ!」
ヒュンヒュンッズババァァンッ(シュパパッ)
CV33 17号車「うわぁ!」(シュパッ)
CV33 8号車「ぎゃぁぁ」(シュパッ)
ペパロニ「なっ───」
CV33 2号車「一気に5両もっ……!?」
261 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:17:08.72 ID:5hjCPpN60
ギャラギャラギャラッ
CV33 30号車「よしっ、今なら奴の懐をっ……」キャラキャラッ
千代「……砲角そのままで車角L40°」
ギャラギャラギャラッ
CV33 30号車「───えっ」
千代「───最高速で前進」
ギャラギャラギャラッガシャァンッ
CV33 30号車「うわぁぁ!!」(シュパッ)
CV33 3号車「たっ体当たりっ……!?」ギャラギャラ──
262 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:18:17.80 ID:5hjCPpN60
CV33 6号車「くっ、2両同時にならっ……!」
CV33 7号車「カルロベローチェの速度を舐めるなぁ!!」
ギャラギャラギャラッ
千代車操縦手「CV33二両、当車の左右を同時に突っ切る算段かと」
千代「相手に対し車体を垂直に。砲塔は車体を軸にL70°」
ギャラギャラギャラッ
CV33 6号車「ん?なにあの砲塔の向きは……」
CV33 7号車「大丈夫だっ、このまま───」
千代「……全速で右バック」
千代車操縦手「はっ」ガチャッ
ギュルルルルッ
CV33 6号車「えっ?うひゃぁっ!!」
ドンガラガッシャァンッ(シュパッ)
CV33 7号車「!?、6号車が奴と壁に挟まれ───あっ」
(砲塔)ニガサナイヨ
千代「撃て」
ズバァァンッガシャァンッ(シュパッ)
263 :
◇amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:19:42.22 ID:5hjCPpN60
CV33 2号車「あっ、あの動きは何っ……!?あんな動き見たことないっ……」キャラキャラ──
ペパロニ「……っ」
ペパロニ(……ヤベェ、私の本能がガンガン危険を訴えてきやがるっ……あいつに近付くのは───)
ペパロニ(───自殺行為だっ!!)
ペパロニ「……ぜっ、全車北に進路を変更っ!!別ルートからこの戦域を離脱するぞっ!!」
CV33 2号車「えっ!?それだと小田原中心部から遠ざかって───」
ペパロニ「今はそれどころじゃねぇ!このまま突っ込めば全滅しちまうっ!!」ギュルルルンッ
ペパロニ「……あと、2、3号車は私についてこいっ!!」
ギャラギャラギャラッ───
千代車操縦手「敵車両全車、北へと進路変更」
千代「ふぅ、まだあまり島田流らしさを見せれていないけれど、しょうがないわね……第2小隊全車、殲滅戦に移行しなさい」
第2小隊一同「「「はっ!!」」」
第2小隊副隊長「……」
第2小隊副隊長(すっ、凄過ぎる……なんだあの強さは───)アリエナイ…
264 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:21:34.30 ID:5hjCPpN60
千代「さて……」
千代「……2号車、9号車、10号車は北へ移動、北上中の敵の動きを出来るだけ留めなさい」
千代「現在、別勢力と交戦中の第5小隊をこちらに引き戻している。戻ってきた第5小隊を北側に配置し、CV33群を北と南から一気に叩くわ」
第2小隊副隊長「第5小隊を……しかし、第5小隊と現在交戦中の敵がフリーに───」
千代「そう思うでしょう?そこで先程話した狙撃小隊の出番よ」ニコッ
第2小隊副隊長「なっ、なるほど……」(この人の頭の中では、どこまで作戦が出来上がっているのだろう……)
千代車操縦手「……島田師範、CV33が3両こちらに向かってきます。恐らく他を逃がすための囮かと……」
千代「囮……」
千代「面白いわね……実に面白い……」フフッ
千代車操縦手「いかがなされますか?」
千代「そうね……」
千代「……あの3両は1号車───私が相手をするわ。2〜10号車は殲滅戦を継続しなさい」
2〜10号車「「「了解っ」」」
千代(あのCV33達が恐らく部隊の中心車両、そう簡単には撃破出来ない筈───楽しい戦いになりそうね)
265 :
amano
[saga]:2016/06/18(土) 22:23:34.74 ID:5hjCPpN60
次回、千代無双
次回更新は文章量が多いので「6/25 23:00」
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/19(日) 01:06:50.51 ID:bVWm8p/qo
乙です
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/19(日) 08:32:07.59 ID:oJRLFzc0o
乙!
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/23(木) 21:21:12.76 ID:s0VRRIMxo
乙です
269 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 22:55:11.50 ID:ervrZhoE0
このss内における千代さんは、
良く言えば戦車道をとても愛しています。
悪く言えば戦闘狂です。
あと、《※》←この印があるレスは同時に事が起こっていると言うことを表しています。
レスA←時間軸1
レスB《※》←時間軸2
レスC《※》←時間軸2
レスD←時間軸3
270 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 22:56:50.14 ID:ervrZhoE0
〜〜〜〜〜
ギャラギャラギャラッ───
CV33 2号車「ペパロニ姐さんっ、私達だけで一体なにを───」
ペパロニ「そりゃあ決まってんだろっ、あいつを出来るだけ足止めすんだよ!」
CV33 2号車「えっ?……ペパロニ姐さん、まさかあいつって───」
ペパロニ「あぁ、あの隊長車だっ!」キャラキャラッ
CV33 2号車「えぇ!?一瞬で8両も倒したような奴ですよ!?」アセアセ
CV33 3号車「あいつ相手に足止めなんて、いくらCV33選手権ベスト3の私達でも───」オドオド
ペパロニ「おいおいお前ら、いつもなら何も考えてないような感じで私についてくるのに、一体どうしたんだ?」ニヤァ
CV33 2号車「ちょっ、何も考えてないって、姐さんそりゃあんまりですよぉ!」プンプン
CV33 3号車「あたし達だって、いつもは色々考えてたりしてるんっすよぉっ?今回のあいつは別格なだけで!」モー!
ペパロニ「へっ、どうだかな!ノリと勢いに身を任せてりゃぁ、減らず口なんて叩く暇なんかないと思うけどな!」
ペパロニ「……それにそんな弱気じゃ、アンチョビ姐さんに笑われちまうぜっ?」ヘヘッ
CV33 3号車(!)
CV33 2号車(わ、私ったら、何時にもなく気弱なことを───)
ペパロニ「アンツィオ戦車道のモットーは『考える為に立ち止まるくらいなら動け』だろ?何をすればいいか分からなくなるより、パッと思い付いたことをやった方が戦車道は楽しいぞっ!」
ペパロニ「それに、何もせずに全員やられるより、私達が戦って他が助かる方がいい!……と私は思うっ!」ニカッ
CV33 2号車「……ぺっ、ペパロニ姐さんっ……」
271 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 22:58:01.85 ID:ervrZhoE0
ペパロニ「心配すんな、私達がいなくなるくらいでノリと勢いがなくなるアンツィオじゃない!まだアンチョビ姐さんやカルパッチョもいるしな!」
CV33 3号車「……っ!そ、そうっすね!アンツィオは永久に不滅っすよね!」
CV33 2号車「アンツィオは切り替えの早さだけはどこにも負けませんからねっ!」
ペパロニ「おぉ〜っしその意気だお前らっ!相手がどんなに強力な砲を持っててもなぁっ、当たらなければいい話だっ!!」
CV33 2号車「そうだそうだ!」
CV33 3号車「流石ペパロニ姐さんは考えることが違うっす!!」
ペパロニ「へっ、それじゃあ奴に、この日の為に3人で考えてきたあの技をお見舞いするかっ!!」
CV33 3号車「いよっ、待ってましたぁ!!」
CV33 2号車「カルロベローチェだからって舐めてる連中に一泡吹かせてやりましょう!!」
ペパロニ「よぉしいくぞぉっ!!ストラッチアタックだぁぁぁ!!」ギャラギャラギャラ───
272 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 22:59:16.39 ID:ervrZhoE0
ギャラギャラギャラッ
千代車操縦手「CV33 3両接近っ、やはり我々が目標のようですっ」
千代「……」
千代(……私達の力を目の当たりにしてなお、そんな貧弱な車両で私達に立ち向かってくるその勇気……)
千代「……嫌いじゃないわ」
千代車操縦手「……え?」
千代「……」
千代(……久し振り、本当に久し振りだわ。こんなに気分が高揚するのは何時以来かしら……)
千代(戦車道を指導する立場になってからと言うもの、今目の前に迫っている彼女等のように、戦場を躍動する機会はほとんど失われてしまった)
千代(私は愛里寿が戦場を縦横無尽に駆け巡るのを見届けながら、心のどこかでそれを羨ましく思っていた───)
千代(───でもっ)
千代(今っ、私の周りにはそれがある!私を打ち倒さんとする意志がすぐそこまで迫っている!)
千代(私はその意志と戦い、はねつけ、抗うことが出来るっ!なんて素晴らしいことなんでしょう!)
千代「……あぁ、本当に───」
千代車操縦手「っ!、CV33っ、三方向に散りましたっ!」
千代車砲手「右、左、正面から来ますっ!」
千代「───幸せだわっ」ギャラララランッ
273 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:00:29.12 ID:ervrZhoE0
〜〜〜〜〜
ペパロニ「いいかっ、履帯ならCV33の機銃でも壊せる可能性があるっ!左右から狙えっ!私が真正面から向かって奴の注意を引き付けるっ!」
CV33 2号車「はいっ」
CV33 3号車「りょーかいっ!」
ギャラギャラギャラッ
千代「凄い連携ね、高校生とは思えない程に……」
千代「……よし、左から迫ってくるCV33に最高速で突進っ、同時に右の敵に砲撃!」
千代車砲手「はっ!」
千代車操縦手「はっ」
ギャラギャラギャラッ
CV33 3号車「うわっ、車体がこっち向いたっ!?」キャラキャラッ
CV33 2号車「待って待って!砲塔がこっち向いてきてる!!」ヤバイィ
ペパロニ「ちっ、私は無視かっ……お前らやられるなよっ!!」キャラキャラッ
274 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:02:03.53 ID:ervrZhoE0
《※》
3号車車長「こっちに真っ直ぐ突っ込んでくるっ!避けねぇとっ……」
3号車操縦手「ってか、なんであの車両CV33並の速度なんですかっ!?おかしいでしょ!?」
3号車車長「今は考えても無駄だっ、兎に角避けることに全力を尽くせっ!!」
3号車操縦手「はっ、はいぃ!!……で、どうやって避けるんですっ!?」
3号車車長「えぇっと……あれだっあの……前ペパロニ姐さんから教えて貰った……」
3号車操縦手「あれってどれっすか!?」
3号車車長「あれだよっ!あの……きゅっとなってきゅ〜っとなるの!」
3号車操縦手「きゅ……あぁあれっすね!!分かりました!」
3号車車長「おうっ、たぶんそれだっ!頼んだぞ!」
3号車操縦手「それじゃあいきますよぉぉ〜───それっ」カチッ
ガッ(左駆動停止)
グワァンッ
千代車操縦手(ふっ、片輪を止めて一気に右に避ける算段ねっ!そんなの想定済み───)
3号車操縦手「からのぉぉ〜それっ!!」カチッカチッ
ガタンッガッ(左駆動復活と同時に右駆動停止)
グワァァァァンッ
千代車操縦手「っ!!?なっ───」
千代車操縦手(右に行くと見せかけて左へ一気に進路を───まさかっ、フェイントっ───)
3号車操縦手「ぐぬぅぅぅっ!」カチッ(右駆動復活)
ギャラギャラギャラッ!!
ブゥゥゥゥンッッ、スカッ
千代車操縦手「あぁっ、体当たりが外れたっ───」
3号車車長「ひゅぅぅぅっ!!よくやったぞ!!」
3号車操縦手「いやぁ、一発本番でもなんとかなりますねっ!」キャラキャラッ
275 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:03:24.41 ID:ervrZhoE0
《※》
2号車車長「なんで私達を狙うかなぁっ」(憤慨)
2号車操縦手「あいつに狙われたら避けられる気がしないんですけどもっ!」
2号車車長「いぃや大丈夫っ!CV33選手権2位の実力を遺憾なく発揮すればきっと大丈夫!」
2号車操縦手「本当に大丈夫なんすね!?」
2号車車長「私の指示を信じてくれたらなんとかなるっ!よしっ、それじゃあ奴の砲身の先端が黒点になった瞬間急制動を───」
2号車操縦手「もう黒点になってますっ!!」アバババ
2号車車長「はぁ!?なっなななならはよ急制動はよっ!!」
2号車操縦手「ああぁぁ〜っ!」キキィィィィッ
千代車砲手(ふん、相手が砲を向けた瞬間速度を緩めて避ける算段ねっ、その手は今までに何度も見て来てるわ!!)
千代(私はそのことも念頭に入れて砲撃位置を調整して───)
2号車車長「っし、一気に加速してぇぇ!!」
2号車操縦手「ええぇぇえぇえっっ!!?」ガコッギュウウウウンッ
ブゥゥゥゥンッ!
千代車砲手「───っえっ」カチッバァァンッ
───ヒュンッ
2号車車長「あっっっぶなかったぁぁ!!」
2号車操縦手「すっ凄いっ!相手の考えを読んでたんですかっ!?」
2号車車長「ふっ、長年の勘ってやつよ!」ドヤァ
2号車操縦手「(まだ戦車道始めて2年強で長年と言っていいのか分からないですけど)すげぇっす!!」
千代車砲手「きゅっ、急制動の直後に急発進するなんて───」
276 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:05:02.25 ID:ervrZhoE0
《※》
ギャラギャラギャラッ
ペパロニ「よしっ、なら私達は今の内に相手の死角に入り込むぞっ!」
ペパロニ車操縦手「どっ、どうやって!?」
ペパロニ「えぇっと───奴の車体後部のマジでギリギリをかすめるように突撃しろっ!」
ペパロニ車操縦手「はっ、はいっ!」
ペパロニ「いいか、奴の砲塔は左を向いてるから、マジでギリギリを通らないと私達が奴の裏を取ろうとしてることがバレるからなっ!」
ペパロニ「はいぃ!!」ギャラギャラッ
ペパロニ「よしっ、いっけぇぇぇ!!」
グワァァンッ
ペパロニ「……どうだっ!?」チラッ
千代(さて……左右は任せておけば大丈夫だとして、真ん中から突っ込んでくるのは───)
千代(───え、いない……?)
ギャラギャラギャラッ
ペパロニ「……よしっ、気付かれてないっぽいぞ!」
ペパロニ車操縦手「やりましたね姐さんっ!」
ペパロニ「よぉし、それじゃあ奴が私達のことを見失ってる内に、奴の一番弱そうな車体後部に機銃をかますぞっ!」
ペパロニ車操縦手「やっちゃって下さい姐さんっ!!」
ペパロニ「任せとけっ!!…………」
ペパロニ「……」
ペパロニ「…………あれ、あの、操縦……」
ペパロニ車操縦手「えっ?……あぁ忘れてましたっ!この戦車砲塔ないんでしたねっ!」
ペパロニ「お前そこ忘れるかぁっ!」ズコッ
ペパロニ車操縦手「すみませんっ、すぐ向けます!」グリンッ
ペパロニ「よぉし、それじゃあ気を取り直してぇぇっ───」カチッ
ペパロニ「おりゃぁぁ!!」バババババッ
カンカンカンカンッ
千代「っ!!」(いつの間に後ろに───)
ギャラギャラギャラッ
ペパロニ「か〜っ!!やっぱぜんぜん効かねぇ!」
ペパロニ車操縦手「ねっ姐さんっ!バレたから早く退避しないと───」
277 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:06:14.47 ID:ervrZhoE0
千代「操縦手っ、全速で後退っ」
千代車操縦手「えっ?あ、了解っ!!」グッ
ギャラギャラッ───
ペパロニ「うわつ、後退がはえぇっ!このままじゃっ……!」
ペパロニ車操縦手「ふっ、踏み潰されっ───」
ギャラギャラギャラッ
ガシャァァンッ
ペパロニ「ぬわぁっ!?」
ペパロニ車操縦手「うわぁぁぁ!?なんっ───」
千代「っ!!」
千代車操縦手「あっ、あんな避け方ありなのぉ!?」
CV33 2号車「大丈夫ですか姐さんっ!?」
ペパロニ「なっ、えっ?」
CV33 2号車「すんませんっ!姐さんを助ける方法で咄嗟に思い付いたのが今のだけだったんで!!」
ペパロニ車操縦手(わ、私達の車両にぶつかって、私達をはね飛ばした……!?)
ペパロニ「とっ、兎に角あの路地に逃げ込むぞ!急げぇっ!!」
ギャラギャラギャラッ───
278 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:07:22.39 ID:ervrZhoE0
〜〜〜〜〜
ペパロニ「……いやぁ、だいぶん荒かったがさっきのがなかったら私達はひき倒されてたっ、サンキューなっ!」
CV33 3号車「あれは絶対アンチョビ姐さんには見せられないっすね!」(苦笑)
ペパロニ「あぁ、姐さんは本当に私達のことを気遣ってくれるからなぁ、こんな無茶したのがバレたら───」
CV33 3号車「おやつ抜きになるかもしれませんね!」
ペパロニ「うわぁ、折角の武勇伝なのに姐さんに言えねぇじゃねぇか!!」ウガーッ
CV33 2号車「まぁこれは私達の心の中だけに留めるってことで……」ハハッ
ペパロニ「むぅ、ちょっと口惜しいがそうするか!……よし、そろそろ他のCV33が全部逃げれた頃じゃないか?」
CV33 2号車「2分ぐらいは稼ぎましたもんね!」
CV33 3号車「そうっすね、他の車両に連絡を取ってみるっす!」ピピッ
279 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:08:20.45 ID:ervrZhoE0
〜〜〜〜〜
千代車操縦手「……」
千代車砲手「……あっあの……」
千代「……」
千代車砲手(っ……流石にCV33に翻弄なんてされたから、島田師範怒ってるよなぁ……)ウゥ…
千代「……」
千代「……───しい」ボソッ
千代車砲手「……えっ?今なんと───」
千代「……素晴らしいっ!実に素晴らしい!」
千代車砲手「えっ、す、すばっ……?」
千代「私の想像をはるかに越える内容だわ!高校生の戦車道がここまで成熟していたなんて!」
千代「道理で愛里寿と同等以上に戦うことが出来る訳だわ。私は完全に、高校生を見誤っていたわ……」
千代車砲手(し、島田師範が───)ゴクリッ
千代車操縦手(こんなにも楽しそうな島田師範は初めて見るかも……)
280 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:09:28.17 ID:ervrZhoE0
ピピッ
千代「副隊長、そちらの首尾はどうかしら?」
第2小隊副隊長『はっ、こちらはジワジワ相手の数を減らしつつ、徐々に南に追い戻していますっ』
千代「なるほど、逃がした車両は?」
第2小隊副隊長『今のところ1両も逃がしておりませんっ』
千代「分かったわ(期待以上の成果ね)」
千代「そろそろ第5小隊の戦線離脱が終了するから、それまでそのまま持ちこたえなさい」
第2小隊副隊長『了解ですっ』
ピッ
千代(……さてと……)チラッ
千代「……操縦手、あの3両が逃げ込んだ路地に入り、彼女等を路地から追い立てなさい。彼女等と他のCV33を1ヶ所に集めるわ」
千代車操縦手「了解っ」
千代「……」
千代(もっと彼女達との戦いを楽しみたいけど、私達にも次の作戦行動がある───次の戦闘が最後になりそうね)
千代(やはり最後は本気で彼女達と相まみえたいわね……)
千代「……」
千代「……歌いたくなってきちゃった……」フフッ
281 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:10:49.42 ID:ervrZhoE0
〜〜〜〜〜
ペパロニ「なにぃっ!?まだ誰も逃げ切れてないのか!?」ガバッ
CV33 3号車「いや、私も信じられなかったんですけどっ、敵の強さが予想以上らしくっ……!」
ペパロニ「っ、マジかぁー……!どうするっ!?」
CV33 2号車「……私達も逃走部隊に合流して、私達が主導で逃走経路を切り開く……とか?」
ペパロニ「うぅぅ〜ん……はぁ、結局時間稼ぎは意味無かったかぁ」ムー
CV33 3号車「ストラッチアタックの実戦練習が出来ただけだったっすね……」
ペパロニ「うむ……まぁそれだけでも儲けもんか───」
ギャラギャラギャラッ
ペパロニ「……んぁ!?あいつ、こっちにっ!」
CV33 2号車「にっ、逃げましょう姐さんっ」
ペパロニ「あぁ!!」
ギャラギャラギャラッ
千代車操縦手「件の3両、包囲網の中心部に向かっています」
千代「よしよし……」
千代「……第2小隊全車へ。これより包囲網を徐々に縮め、私が包囲網の中で敵車両を殲滅する。準備を始めなさい」
第2小隊一同「「「はっ」」」
282 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:11:54.41 ID:ervrZhoE0
キャラキャラキャラッ───
CV33 11号車「くぅぅ……あっ、姐さんっ!!うわぁっ!?」ヒュンッ
ペパロニ「おいお前らっ、そんなに敵の包囲は固いのかっ!?」
CV33 11号車「は、はいっ、路地を使って逃げようとしても、何故か先回りされて……!」
ペパロニ「っ……」
ペパロニ(なんだ?何故だ?確かに奴等も速いが、CV33の方が速度は速いはずなのに───)
───ヒュンッ
ペパロニ「うぅぅおぉぉ!?あっぶねぇ!!」ヒュンッ
CV33 3号車「姐さんっ、敵の隊長車が追い付いてきましたっ!!」バケモノッ
CV33 2号車「包囲もだんだん狭くなっていますっ!」
ペパロニ「へっ、そろそろ私達を一気に始末する仕上げってことかっ……」クッ
CV33 2号車「姐さんっ、どうしますっ!?」キャラキャラッ
ペパロニ「むぐぐぐぐ───」
283 :
amano
[saga]:2016/06/25(土) 23:13:57.67 ID:ervrZhoE0
長過ぎて一日では更新出来ないので、明日の23:00に続きを投稿します。
それと次回でやっとミー中隊の場面が一段落します。他の中隊を待っている方々、もうしばらくお待ち下さい。
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 00:12:42.63 ID:FMNvlAtuo
乙です
CV33のtop3すげーな
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 02:34:53.72 ID:iLiHKRYHO
乙躍動感がすごい
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/26(日) 06:33:25.07 ID:yymC8I26o
乙です
287 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:04:48.94 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
ピピッ
第2小隊副隊長「島田殿、ここら一帯のある程度の包囲が完了しました」
千代「よろしい」
千代「……操縦手」
千代車操縦手「はっ」
千代「これから私達は、私達以外の車両がCV33を1ヶ所に集めてくれている広場に突っ込み、近距離から殲滅する」
千代「───包囲網に入った後、私はハッチを開けて久し振りの戦場を感じたいから、貴女は自由に動いてくれて構わないわよ」
千代車操縦手「はっ!」(島田師範、私に任せるってことは完全にノリノリになってるな……)
千代「それと砲手」
千代車砲手「はっ」
千代「貴女も自由に発砲して構わないわ。心置きなく撃ちなさい」
千代車砲手「はっ!」
千代「……それじゃあ行きましょうか。……第2小隊全車、道を塞ぐ場所にて待機。今度こそ、島田流の真髄を見せてあげるわ」
288 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:06:09.92 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
ギャラギャラギャラ───ピタッ
CV33 2号車「───えっ?」キャラキャラ──
CV33 3号車「……なんだ?奴等の動きが───」
ペパロニ「───止まった……?」
───ギャラギャラギャラッ(千代車)
CV33 2号車「……!……ね、姐さん……」ゴクリッ
ペパロニ「あぁ───おい、全車止まれっ!」
ギャラギャラ───ピタッ
ペパロニ「……」
ペパロニ「へっ、あいつ自ら私達の死地をお膳立てしてくれるって訳か……」
CV33 3号車「今度ばかりは、マジで助からないかもしれないっすね……」
ギャラギャラギャラッ
ペパロニ「ふんっ……まぁ、精一杯足掻いてみせるさっ!私はまた姐さんのそばに戻らなきゃならないからなっ!」
ギャラギャラギャラッ
ペパロニ「───それに、私はこの試合でまだ何の役にも立ててねぇ、このままやられちまったら───」
千代車操縦手「……行きますっ」グッ
ギャラギャラギャラッ!!!
ペパロニ「───自分自身を許せねぇ!!」ギャララララッ
289 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:07:46.22 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
ペパロニ「全車散れっ!!出来るだけ奴に近付くなっ!!」
CV33一同「「「はいっ!!」」」
キャララララッ
千代車操縦手「ふん、この私から逃げられるとでも思ってるのかしらっ!」グワァァンッ
CV33 28号車「ひゃあっ!?なにあの旋回───きゃあっ!!」バァァンッ(シュパッ)
千代車砲手「おい、もっと滑らかに運転できないのかっ!当て辛いだろ!」
千代車操縦手「あんたの腕が悪いだけじゃないの?」ニヤッ
千代車砲手「私は東富士演習場主催のスナイパー大会で2位の常連なんだぞっ!そんな訳あるかい!」プンスカ
千代車操縦手「なんで1位じゃないのよっ!そこは1位じゃないと説得力半減よ!」グィィンッ
千代車砲手「1位……は無理だ、あの人がいる限りなっ」ガコッズバァァンッ
千代車操縦手「えっ、誰よ1位の人?貴女がそこまで言うなんて珍しいわね……」ギャラギャラッ
千代車砲手「今はそんなことどうでもいいだろっ!運転に集中しろ集中っ!」ドゴォォンッ(シュパッ)
千代車操縦手「はいはい分かりましたよスナイパー(2位)さん」ギャララララッ
千代車砲手「いちいち鼻につく言い方をするなっ」バァァンッ
CV33 37号車「うわぁぁぁっ」(シュパッ)
CV33 3号車「っ、やっぱあいつ化け物っすよっ!!あんな重そうな戦車であんな動き出来るわけないですって!!」
ペパロニ「確かに、愛里寿のセンチュリオンみたいな動きだな……あの車両の乗組員の顔を拝んでみたいぜっ……」
CV33 18号車「ペパロニ姐さんっ、このままじゃ全車あいつにやられてしまいますっ!!」ヒィィィ
ペパロニ「2、3号車以外はあいつを中心に大回りに走って、どうにかして包囲を突破してくれっ!あいつと戦うよりかは外周のやつらと戦う方がマシだっ!」
CV33一同「「「はぃっ!!」」」(必死)
290 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:09:30.42 ID:p1z9qmh+0
千代「……」
千代「」ガチャ(ハッチ)
ブワァァァ───(なびく髪)
千代(……ふふっ、やはり戦場は刺激的だわ……)
千代「……」チラッ
第2小隊副隊長「外周に近づくCV33には容赦するなっ!島田殿の方に追い返せっ!」ズバァァンッ
千代「……」チラッ
第2小隊E75六号車「うわぁぁもうっ、機銃が鬱陶しいっ」カンカンカンカンッ
CV33 39号車「さっさとそこどかねぇと機銃ノックし続けるぞっ!」
第2小隊E75六号車「地味な嫌がらせ止めてっ!あんたちっちゃいから狙えないのよっ」
千代「……」チラッ
CV33 2号車「姐さんっ、また奴にストラッチアタックかましますかっ?」
ペパロニ「いやっ、周りに他のCV33がいるから無理だっ!事故るぞっ!」ギャラギャラ
CV33 3号車「じゃあ分度器作戦でもっ───」
ペパロニ「私その作戦しらねぇんだっ!」
CV33 3号車「えっ!?」シラナイッ!?
千代「……」フゥ
千代(……やはり戦車道は素晴らしい。か弱い乙女が無骨な戦車に乗り込んで、仲間と共に覇道を目指す───そんな光景が今、目の前にある)
千代(───私は今歓喜に包まれている。戦車道の発展に尽力してきた者として。……そして、彼女達と同じように、勝利の先に一体何があるのか確かめようとした者として───)
千代「……ッスー───」
291 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:10:52.89 ID:p1z9qmh+0
千代「───O Freunde, nicht diese T?ne───」
第2小隊E75十号車「……えっ?」カンカンカンッ
第2小隊E75九号車「何っ?命令ですかっ!?」ヨクキコエナイッ…
第2小隊副隊長「しっ、島田殿……?」ギャラギャラ…
千代「Sondern la?t uns───」
第2小隊E75三号車「……歌を……歌っているの?……」ズバァァンッ
千代「angenehmere anstimmen und───」
第2小隊E75四号車「……この歌は確か、ヴェートーベンの……」ガシャンッ
千代「───freudenvollere.」
───
CV33 2号車「姐さんっ、敵の動きが鈍くなりましたよっ!なんででしょうっ?」
ペパロニ「う〜ん知らんっ!だがこの機会を逃す手はねぇ!!今の内になんとしてでも包囲を突破するぞっ!!」ギャラギャラギャラギャラ
───
第2小隊副隊長「……島田殿、今のは───」
千代「───……おお友よ、このような音ではない。我々はもっと心地よい、もっと歓喜に満ち溢れる歌を、歌おうではないか───」
第2小隊副隊長「……?」
千代「……貴女は知ってるかしら?私の愛娘である愛里寿はね、本気で敵と戦う前や気分が高揚した時には必ず『おいらボコだぜ』を歌っているの───」カチッ
ドォォンッ
ズバァァンッ!!
CV33 14号車「うわぁっ!」(シュパッ)
千代「───つまりは、そう言うことよ」ニヤッ
第2小隊副隊長「っ!!」ゾワッ
第2小隊副隊長(……な、なんだ……今のは?……ただ島田殿の声を聞いただけなのに、恐怖が魂底から沸き起こってくるような……これが、『日本戦車道ここにあり』と言わしめた島田流を率いる者のオーラ……っ)
千代「フンフンフンフンフーンフフーン───」
千代「……さぁ、共に歌いましょう───」
千代「───歓喜の歌をっ!」
292 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:12:05.75 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
───ギャラギャラギャラッ
CV33 16号車「…っ!姐さん、敵の動きがまた活発に───うわぁ!!」ガシャァンッ(シュパッ)
ペパロニ「んっ?なんだどうしたっ!?活発にってどう言うことだ!?」
CV33 19号車「きゅっ、急に敵の動きが変わってっ……防戦一辺倒だったのに攻勢にっ……くぅっあっぶねぇ!」スパァン──ヒュンッ
ペパロニ「動きが……っ?……だが敵がその場から動いたのなら好都合だぞっ!退路を見つけられるかも───」
ピピッ
アンチョビ『おっおいペパロニっ!!緊急事態だっ!!』
ペパロニ「うぇ!?姐さんどうしたんっすかそんなに慌ててっ?」
アンチョビ『今まで私達と交戦してたE50がいきなりそっちに向かったっ!!挟み撃ちにされるぞっ!!』
ペパロニ「まじっすかっ!?」(驚愕)
アンチョビ『私達はE50を追撃しようと試みたんだがっ、どこかからの阻止射撃を食らってここに押し留められてるっ!だから早く逃げろっ!!』
ペパロニ「りょっ、了解っす!!」
ピッ
ペパロニ「……うへぇ、こりゃ流石の私も絶体絶命かっ……」クゥゥッ
293 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:17:34.66 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
ズドォォンッドゴォォンッ
千代「フンフンフンフン───」ズバァァンッ
CV33 35号車「うわぁぁぁ!」(ドゴォンッ)
ペパロニ「えぇいっ、こいつらだけの包囲網からも逃げられてないっつうのに、さっきのE50まで来やがったらっ……」チッ
CV33 2号車「ほ、報告っ!西側に新たな敵影を確認っ!!」
ペパロニ「うぉいもう来たのかっ!?」ハエェヨッ
ギャラギャラギャラッ
第5小隊隊長「島田殿っ、第5小隊只今増援に駆けつけましたっ」
第5小隊副隊長(……あれ、見た感じ第2小隊だけでも十分なくらい蹂躙してるような……)ウーン…
千代「戦闘を中断させてすまないわね。早速だけど北側に戦力を集中させてくれないかしら?敵の逃げ道を出来るだけ減らし、私が包囲網の内部で敵を一気に叩くわ」ギャラギャラッ
第5小隊隊長「はっ!」
第5小隊副隊長「はっ……島田殿の車両のみで敵を……?」
千代「えぇ。第2小隊の他の車両や第5小隊には悪いけど、少し私のわがままに付き合って欲しいの」ニコッ
第5小隊副隊長「はっ、はいっ!」(逆らったらヤバイやつだなこれは……)
千代「それじゃあ北側道路の封鎖はお願いね?」
第5小隊隊長「はっ!」
第5小隊副隊長「はっ!」
千代「……」チラッ
ペパロニ「くっそぉっ、更に包囲が頑強にっ……」キャラキャラッ
CV33 2号車「流石の私達もここまでかもぉっ!」
CV33 3号車「諦めんなっ!!……って叫びたいけど、八方塞がり&四面楚歌だもんなぁ……」キャラキャラッ
ペパロニ「兎に角動き回れっ、敵の砲撃を掻い潜りながら隙を探すんだっ!」パパパパパッ
千代(……頑張っているわね……)
294 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:18:27.53 ID:p1z9qmh+0
千代「……さぁ、そろそろクライマックスと洒落込みましょうか!」
千代車操縦手「……いかがなさいますか?」
千代「貴女が思ったままに車両を動かしなさい、貴女なら命令がなくとも素晴らしい動きをしてくれると分かってるわ」ニコッ
千代車操縦手「はっ!」
千代「あなたもよ、砲手」
千代車砲手「はっ」
千代「貴方は島田流門下生の中でもピカイチの狙撃能力を持っている……この場で存分に振るいなさい」
千代車砲手「はっ!」
千代「……」
千代(アンツィオの若き乙女達、貴女達は本当によく頑張った……でも、貴女達は知らなければならない。この世界には、絶対に越えられない存在があると言うことを───)
295 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:19:46.43 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
CV33 31号車「ぐわぁぁっ!」(シュパッ)
CV33 38号車「ぐふぅっ」(シュパッ)
ペパロニ「ちぃ、もう敵の方が車両数勝ってるんじゃないのか!?」
CV33 2号車「確かにっ、すれ違う戦車が敵の方が多くなってきましたねっ!」ヒュンッ
CV33 3号車「もぅ無理っすよぉペパロニ姐さぁぁぁぁん!!」ウワァァンッ
ペパロニ「まだだ、まだ諦めるなぁ!!」ギャララララッ
ズバァァンッシュバァァンッ
千代車操縦手「おりゃおりゃおりゃぁぁぁ!!」ギャララララッ
千代車砲手「次───ドオンッ、次───ドオンッ、次───」ドゴンズバァンドガァン
千代「……」
千代(……本当に、あの3両は強いわね。私の自慢の門下生の攻勢を、危なげながらも避け続けている……)
千代「……」
千代(───これだから戦車道は面白い!)ガバッ
千代(単純な力の優劣ではないっ、天才的な戦術や戦車の性能でもないっ)
千代(もっと潜在的な何かが戦車道の根底には存在している!)
千代(私はそれを知りたい───いや、恐らくその答えは出ている)
千代(私は……私の心は、その答えが正しいのかどうかを知りたがっているんだわ)
千代(……)
千代(……今日、その答えが分かる気がする。しほが自衛隊戦を境に何かが変わったように、私も───)
千代「───ランランランラン───」スゥゥゥ
296 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:20:59.55 ID:p1z9qmh+0
千代「Freude, sch?ner G?tterfunken, Tochter aus Elysium(歓びよ、美しい神々の火花よ、エリジオン(楽園)の娘よ)」ヒュンッ,ヒュヒュンッ
ズバァァンッ(シュパッ)
ペパロニ「なっ、なんだ!?更に動きがっ───」ギャラギャラギャラッ
千代「wir betreten feuertrunken,?Himmlische, dein Heiligtum!(われらは熱き感動に酔いしれて
、天上の、御身の聖殿に踏み入ろう!)」ズババァンッ
ガシャァンッ、ズガァンッ!!
CV33 2号車「どっ……どうしてあのE75は……あんなに美しく戦えるの……?」
CV33 3号車「まるで……舞っているような……」ゴクリッ
千代「Deine Zauber binden wieder,?was die Mode streng geteilt?(この世の慣わしが厳しく分け隔てた者たちを、あなたの神秘なる力はふたたび結び合わせる)」カンカンッカンカンカンッ──ガシャンッ
ガシャァンッ!(シュパッ)
ズバァァンッ!!(シュパッ)
ペパロニ「くそぅっ、なんで高機動のCV33に、あんな平然とっ……!!」ギュルルルンッ
CV33 2号車「ペパロニ姐さんっ、このままではっ……!」ヒュンッ
ペパロニ「あぁ、もしかしなくても全滅かもなっ!!」バババババッ
CV33 2号車「不味いっすよっ──おわっ!」ヒュンッ──
千代「alle Menschen werden Br?der,?wo dein sanfter Fl?gel weilt.(御身の優しい翼の憩うところ、すべての人が兄弟となる)」──ヒュンッ
ガシャァァンッ!(シュパパパッ)
ペパロニ「くっ……今生き残ってるのは!?」
CV33 2号車「私達を含めて5両ですっ!」
CV33 3号車「5両っ!?40両もいたのに───」
ペパロニ「へっ、5両もいりゃあ十分だっ!おいっ、全車私に付いてこいっ!!」ギャララララッ
CV33 2号車「ペパロニ姐さんっ、なにをっ……?」
ペパロニ「決まってんだろっ!南に突っ込むんだ!こんままうだうだあいつとジャレてても何も変わんねぇ!!覚悟を決めろぉぉっ!!」ギャラランッ
297 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:22:25.54 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
第2小隊E75四号車「す……凄い……」ゴクリッ
第2小隊E75三号車「せっ、戦車に、あんな動きが可能なんですか……」ボウゼン
第2小隊副隊長「お前達もよく見ておくといい。島田殿のあのようなお姿は、もう2度とお目にかかれないだろうからな……」
ブゥゥゥゥンッ───
ペパロニ「どけどけぇ!!」ブンブンブーンッ
第2小隊副隊長「……なっ!?奴等逃げるつもりかっ!三号車っ」グワァァ
第2小隊E75三号車「はっ!」グワァァ
CV33 2号車「姐さんっ、E75が壁にっ───」
ペパロニ「くっそ……」(間に合わないか……っ)
298 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:23:39.29 ID:p1z9qmh+0
ギャラギャラギャラッ!!
CV33 20号車「うおぉぉぉぉっ!!」ブゥゥゥンッ
CV33 21号車「おうりゃぁぁっ!!」ブゥゥゥンッ
ペパロニ「えっ!?お前らちょっ───」
ガシャシャァンッ!!
第2小隊E75三号車車長「えっ!?こっ、こら豆戦車っ、そこをどきなさいっ!!」ギリギリギリッ──
第2小隊E75三号車操縦手「車長っ、豆戦車が履帯に挟まって動けませぇん!!」
第2小隊E75三号車車長「なにぃ!?」
CV33 20号車「だぁれがどけって言われてどくかぁっ!!」ムゥゥッ!!
CV33 21号車「姐さん達っ!私達が押さえてる内に早くっ!」ウガァッ
ペパロニ「お前らっ───」クッ
ペパロニ「───お前らのことっ、一生忘れないからなぁぁぁっ!!」グワァァンッ
ブゥゥゥゥンッ───
ズバァァンッ(シュパパッ)
CV33 20号車「へっ、アンツィオの意地を見たかっ!」ヘッヘッヘッ
CV33 21号車「これで私らの作戦は成功だなっ!」ハッハッハッ
千代「……まさかEシリーズ19両の包囲網から脱出するとはね……」パチパチパチ(拍手)
299 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:24:42.90 ID:p1z9qmh+0
第2小隊副隊長「あぁっ、南に……っ!、早く追わなければっ───」ギャラギャラギャラッ
千代「その必要はないわ。放っておきなさい」キャラキャラッ…
第2小隊副隊長「えっ?……しっ、しかし……」
千代「あの3両の技量は中々のもの……包囲の外で彼女らを仕留めるのは難しいわ」
第2小隊副隊長「それでは、CV33は放っておくので───」
千代「いえ、奥に潜り込んだCV33の始末は"あの部隊"に任せるわ。いくらこの場から逃げ仰せることの出来た彼女達でも、流石に次はないでしょう」
千代「……それよりも私達はすぐに、次の作戦の基点となる橋───狩川橋と飯泉橋を押さえに行かないと……ね?」
第2小隊副隊長「は、はいっ」
千代「……その作戦は言わば、高校連合側に致命的な楔を打ち込む為の布石。成功すれば、最早取り返しがつかないほど戦況が私達に傾くでしょうね」
第2小隊副隊長「……」ゴクリッ
千代「……さて、久し振りに戦ったからかしら、少し興奮してしまったわ」
第2小隊副隊長「……ん、少し……?」
千代「なにか?」
第2小隊副隊長「なにも御座いません」(即答)
千代「宜しい。……まぁCV33を取り逃した責任は私にもあるわ。貴女は次の作戦を失敗させないように全力を尽くしなさい」
第2小隊副隊長「はっ、はいっ!!」
300 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:26:19.88 ID:p1z9qmh+0
ピピッ
しほ『ちよきち、首尾は───と聞くまでもないわね。貴女少し暴れ過ぎよ?』
千代「そんなことないわしぽりん。まだまだ暴れ足りないわ」ウフフッ
しほ『CV33を貴女の車両だけで20両も倒してて良く言うわね……本当に島田流は親子共々血気盛んなのね……』
千代「西住流にだけは言われたくないわね」
しほ『はいはい……それで、これからどうするの?』
千代「そうねぇ……引き続き第2小隊は自由に動かしても構わないのかしら?」
しほ『えぇ。……狩川橋と飯泉橋のことさえ忘れなければね』
千代「忘れるわけないじゃない!───タブン」ボソッ
しほ『……最後の一言は聞かない方が良かったかしら?』
千代「あら、なんのこと?」シレッ
しほ『……まぁいいわ。貴女ほどの人が戦車道において出し抜かれる様なことはないでしょうし、好きにしなさい』
千代「感謝するわ。……それと、いつまでも戦地後方に引きこもってる貴女にお仕事をお願いしたいのだけど……」
しほ『人聞きの悪い言い方をしないで。後方指揮よ。後・方・指・揮』マッタク…
千代「ふっ、そう言うことにしておくわ。……そちらに子鼠が3匹潜り込んだわ。貴女の部隊で対処をお願いね?」
しほ『勝手に仕事を増やさないでくれないかしら』イラッ
千代「頼れるものは友達って言うじゃない?頼むわしぽりん!」
しほ『そんな猫なで声で言われても……分かったわ、なんとかする』
千代「恩に着るわ!」ウフフッ
しほ『はぁ……それじゃあ切るわよ。また何かあったら連絡しなさい。ちよきち』
千代「分かってるわよしぽりん。それじゃあ」
ピッ
千代「……さて、愛里寿はどこにいるのかしら……」エーット…
千代「……ふむ」(偵察小隊からの報告文書)
千代「……富士見大橋ね、それならあの作戦に便乗して愛里寿とも戦えるかしら……」タノシミネ…
301 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:27:39.98 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
ペパロニ「よしっ!、なんとか南に辿り着いたっ……!」
CV33 2号車「多大な犠牲は払いましたが、やりましたね!」グスッ
ペパロニ「あぁ!それじゃあアンチョビ姐さんに報告するかっ!」
ピッ
ペパロニ「もしもし姐さんっ?ペパロニっす!」
アンチョビ『おぉペパロニかっ!大丈夫か!?』
ペパロニ「はいっ!なんとか3両だけ南に潜り込むことが出来たっすっ!!」
アンチョビ『おぉぉ、よくやったぞ!これで他の部隊の作戦も動き出す───え、3両?』
ペパロニ「はいっ、3両っす!!」
アンチョビ『他の車両はどうした?』
ペパロニ「えぇっと、1、2、3号車以外は全部やられちゃいましたっ!」テヘッ
アンチョビ『……ぜ、ぜぜ全部っ!?あんだけいたCV33が37両もやられたのかっ!?』
ペパロニ「いやぁ〜参っちゃいますよねぇ!!なんかクソ強いやつが敵に1両いたんすよ!」
アンチョビ『そ、そうか……って、それじゃあミー中隊は、試合始まって早々4/5を失ったのか……?』ホエェ
ペパロニ「そうなりますかね?まぁ兎に角作戦目標は達成出来ましたし!あれっすよあれ、終わりよければ全て良しってやつですよ!」
アンチョビ『まっ……まだ何も終わってなぁぁぁいっっ!!』(魂の叫び)
カルパッチョ(むしろやっと始まったって感じですもんね……)
302 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:28:27.82 ID:p1z9qmh+0
〜〜〜〜〜
小田原球場観客席、中継モニター前
ザワザワザワ……
みほ「……」(絶句)
優花里「うわぁ……」
沙織「いやいやいやいや、あり得ないでしょぉぉ!!」
華「あの車両、島田千代さんが乗っていらっしゃるのですね……道理で……」
麻子「攻撃力皆無のCV33と、島田流家元の駆るE75が正面からぶつかったら、そりゃああなる」
カタカタカタカタっ───(モニターの音)
麻子「お、モニターに途中経過が発表されるぞ」
カタカタっ───カシャンッ!
303 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:29:17.61 ID:p1z9qmh+0
《第一次遭遇戦》
◇Eシリーズ側損失
第5小隊E50十号車 ×1
計1両
◇高校連合側損失
BT-5
セモヴェンテ三号車
セモヴェンテ四号車
CV33 4号車
CV33 5号車
CV33 6号車, etc.───
───CV33 39号車
CV33 40号車
計40両
304 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:30:06.97 ID:p1z9qmh+0
麻子「……悲惨だな」シミジミ
優花里「いやぁ、もう笑うしかないですねぇ……」アハハ……ハァ…
沙織「キルレシオ1:40って、何がどうなったらそんな数字になるの……」
華「あのような状況下でも生き残ったペパロニさんはやはり、素晴らしい操縦技術をお持ちなんですねぇ」
沙織「本当だよ〜、3両だけでも南に抜けられて本当に良かった……」ホッ
みほ「……」ジーッ(モニター)
みほ(高校連合・Eシリーズ軍団共に、他の部隊に目立った動きはなし……ムーミン中隊は橋を渡る準備をしてるみたいだけど、ミー中隊の偵察結果を待ってるのかな?)
みほ(……今の戦闘を見た限り、Eシリーズ軍団は全車お姉ちゃん級の戦力だと考えていい。普通に考えれば勝てるわけがないけど───)チラッ
みほ「───えっ?」
みほ「」(目を)ゴシゴシッ
みほ「───えっ?」(2回目)
優花里「……ん?どうかしましたか?」
みほ「いや、Eシリーズ軍団を写してるモニターのあの戦車───」サァー(蒼白)
優花里「ん?どれどれ〜……」チラッ
優花里「……へっ?……あっ、あああの車両は……!?」サァー(蒼白)
305 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:31:02.67 ID:p1z9qmh+0
優花里「あ、あんなのを持ってこられたらっ、MAUSすら正面からっ……!」ガクガク
みほ「お母さん……いくら非公式だからって設計図があるかないか分からない車両を持ち出すのは……」(諦め)
優花里「あっはは、いやぁ、流石西住流はなんでもありですねっ!見ていて楽しいですっ!」(思考停止)
みほ「機動性もまあまああるし、もしかしたらカールより危険かも───」
優花里「大丈夫ですよ西住殿っ!また会長達が飛んで倒してくれますよっ!」
みほ「優花里さん、大洗は参加してないんだ」(真顔)
優花里「あぁそうでしたね、不肖秋山、うっかりしてました!」
みほ「もう、秋山さんったらうっかりさんなんだから!」
みほ&優花里「は、はははっ───」
みほ&優花里「───はぁぁ……」ズーン
沙織「……なんか2人してモニターを見ながら笑ったり落ち込んだりしてるんだけど……」コワッ
麻子「放っておけ」
売り子「はぁい!熱いファイトを見ながら食べるあっつあつの焼きそばはいかがですかぁ!」
華「14パック下さいな」
売り子「まいどー」
306 :
amano
[saga]:2016/06/26(日) 23:31:44.32 ID:p1z9qmh+0
お待たせ致しました、次回やっと別の部隊に場面が移ります。
次回更新「不明(しばらく間を置いてから、3日に1回投稿を再度始めたいと思います)」
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 02:15:39.92 ID:RapbAZjLo
まぁこのくらいの戦力差はあるよな
みほはこれ戦えなくて残念がってるのかな?
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 14:28:31.03 ID:wBuFPy4Ao
乙!
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/27(月) 14:29:32.97 ID:LH2PXYBho
CV33すげえな
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/29(水) 15:37:13.01 ID:wqzOWwZEo
乙です
311 :
amano
[saga]:2016/07/11(月) 12:51:07.54 ID:wsldor890
お待たせ致しました。ようやく物語の大筋の微修正が完了したので、出来るだけ早め早めの投稿を始めていきたいと思います。
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