【ゼノギアス×艦これ】提督「海上都市タムズに放り出された」

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324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/28(火) 13:40:06.00 ID:OAxNNy+4o
アハツェンをフルボッコに……
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/02(土) 08:17:49.59 ID:lUzgU3e4O
余計なことですみませんが、まとめサイトの方で見れなくなってたりしますか?探しても見つからなかったので
326 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/03(日) 02:08:56.09 ID:5KyS22M3o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
327 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/03(日) 02:10:43.46 ID:5KyS22M3o
提督「……で、その夜の事、気が付いたら俺達はまとめてコンテナに詰め込まれ、海で漂流していた所をタムズに拾ってもらった訳だ」


フェイ「地球……。なんだかとても懐かしい気がする名前だ」


ビリー「まさか、そんな事が本当にあるんでしょうか」


バルト「全くだ。流石に話がぶっ飛びすぎてるぜ。何か今の話の証拠はないのかよ」


シタン「若くん、よく考えてください。彼らにここで嘘をつくメリットはありません」


バルト「先生はこんな話いきなり聞かされて信じるってのかよ?」


シタン「わたしは以前話を聞いていましたので。と言っても、ここまで詳細なものではありませんでしたが」


バルト「なんだそりゃ!おいフェイ、おめーはどうなんだよ?こいつらが別の世界から来たって話、信じられるか?」


フェイ「あ、ああ。先生の言うとおり、こんな嘘をつくようなやつらじゃないだろ」


バルト「そうかも知れねえけどよ」


フェイ「バルトは信じないのか?お前だって何度もユグドラシルを守ってもらった事があっただろ」


バルト「……ちっ、わぁったよ」
328 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/03(日) 02:11:13.24 ID:5KyS22M3o
シタン「それにしても、艦娘かあ!まさか装備のみならず、彼女達そのものが兵器だったとは、いやはや……」


加賀「……」


シタン「ああ!す、すみません。つい余計な事を……」


加賀「……いえ、それはいいのだけれど」


提督「ほら加賀さん、この話する度に鎮守府の事心配してたら身が保たねえぞ」


加賀「……そうね」


マリア「艦娘。戦うための、兵器……。とてもそうは見えません」


ゼファー「ともあれ、話は分かりました。それでは」ドゴォン


フェイ「む……!?なんだ、今の衝撃は……!?」


提督「こいつぁ……」


夕立「爆発っぽい?」


マリア「女王様ッ……!今のは、まさか敵の……!?」


シェバト兵「た、大変ですっ、女王様!!」


ゼファー「何事です?」
329 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/03(日) 02:11:41.20 ID:5KyS22M3o
シェバト兵「はい、それが……何者かがドック・エリアに侵入!障壁発生器が爆破されました……!」


フェイ「なんだって!?」


ゼファー「被害状況は?」


シェバト兵「は、はい!子機が破壊されて……障壁展開率、通常の70%にまで落ちています!
全力で、消火、復旧作業にあたっておりますが……、今しばらく時間がかかりそうです!」


ゼファー「侵入者はどうしました?」


シェバト兵「はい、単独で潜入したと思われるゲブラー兵は、17格納庫方面へ逃れたもようです!」


マリア「17格納庫!?ゼプツェン……!!」ダッ


提督「ゼプツェン?」


マリア「待ちなさい、マリア!あなたひとりでは危険です」


マリア「でも……、ソラリスのスパイを放っては……!」


シェバト兵「女王様、シールド発生機の消火の方も、手一杯です。下手をすると、更に被害が大きくなる可能性も……!」


マリア「だいじょうぶです、わたしひとりで行きます……!!」


ゼファー「ゼプツェンのないおまえに、一体何が出来ると言うのですか、マリア?」


マリア「……!それは……」
330 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/03(日) 02:12:53.20 ID:5KyS22M3o
フェイ「それなら、俺達がマリアと一緒に降りようか?ゲブラーのヤツらだろ?あいつらには、こっちも頭に来てるんだ。
相手になってやるよ」


金剛「テートクゥ、ゲブラーって何ですカ?」


提督「えーと、ソラリスが地上を監視するために作った組織だったかな」


金剛「シーット!まーたソラリスの奴らですカー!」


榛名「タムズに続いてシェバトまでも……!許せません!」


提督「……と、言う事だ。俺達もマリアのお供をさせてくれ。ソラリスの手先じゃないってことも証明したいしな」


フェイ「ああ、俺はかまわないけど」


ゼファー「……お願いできますか、フェイ、提督。マリアを頼みます。どうか、くれぐれもお気をつけて」


提督「よし来た。それじゃ金剛、榛名、夕立は付いて来い。残りは王宮を固めてくれ」


北上「えー!提督、私も行きたいんだけど?」


提督「お前な、ここは空の上だぞ?自慢の魚雷も役に立たんだろうが」


北上「……あー、確かに」


加賀「では、私達は上空の偵察に出るわ。敵が一人だけと言う事はないはずです」


提督「そうだな、頼む」


フェイ「さあ、それじゃ行こうか、マリア」


マリア「それでは、あらためてよろしくお願いします、みなさん」


金剛「任せるネ、マリアー!大船に乗ったつもりでいるといいヨー!」ギュッ


マリア「きゃあ!」


  ***
331 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/03(日) 02:13:19.36 ID:5KyS22M3o
今日はここまで。ではまた来週。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/03(日) 02:48:43.35 ID:xLr0CH4Co


アベルの時代にはもう地球はロストエルサレムとして立入禁止状態になってたんだっけか
そしてシタン先生はやっぱりシタン先生だった
333 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:20:50.95 ID:ep1Fiy3bo
お待たせしました。今週の投稿を開始します。
334 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:21:17.16 ID:ep1Fiy3bo
〜地下ドック行きエレベーター〜


フェイ「なあ提督」


提督「ん?」


フェイ「あんたは戦えるのか?さっきの話を聞く限りじゃ、あんたは指揮官で、直接戦ったことはないんだろ?」


提督「心配すんな、さっき行きがけに銃借りてきたからな。使い方も教わってきたぜ」ジャコッ


夕立「提督さんは銃使ったことあるっぽい?」


提督「士官学校の射撃訓練以来だな。ま、大丈夫だろ」


フェイ(本当に大丈夫なのか?)


マリア「そ、そんなことより、金剛さんを何とかしていただけませんか?」モゾモゾ


金剛「ンー、マリアのヘアーは癒されるネー」モフモフ


提督「お前またやってたのか……大体どうして急に」


 ガコン!
335 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:21:44.23 ID:ep1Fiy3bo
提督「うおっ!」


榛名「きゃあ!何事ですか!?」


フェイ「止まったぞ!」


夕立「……動かないっぽい」


提督「ほれ見ろ、お前がマリアを困らせるからだ」


金剛「ワット!?わ、私のせいデスカー!?」バッ


フェイ「いや、絶対違うと思う」


マリア「ちょっと調べてみますね」


マリア「……ダメだわ。防御シャッターが閉じてしまっている……」


金剛「そんなもの、私の主砲で一撃ネー!」ガシャ


提督「却下だ。こんな閉所で主砲なんぞ撃ったら皆吹き飛んじまう」


フェイ「格納庫に降りるのに、別のルートはないのか?」


マリア「非常用のシャフトを使えば下に降りられると思いますが、ふだん使われていないので……」


フェイ「構わないよ。こんなとこでグズグズしてられないだろ?」


榛名「そうですね。これ以上ソラリスの攻撃を許さないためにも、一刻も早く先に進むべきだと思います」


提督「ま、選択の余地はなさそうだな」


マリア「はい、わかりました。シャフトの入り口はすぐ上の……」ウィーン


マリア「ここです。ここからシャフト内部に入れば、下に降りられるはずです」


フェイ「よし!それじゃ、行こう!」


  ***
336 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:22:10.76 ID:ep1Fiy3bo
提督「よっ、と」スタッ


提督「ここがシャフトか。お前ら足元崩れてるから気をつけろよ」


夕立「そーんなどんくさくないっぽい!」スタッ


金剛「意外と広いデース」


提督「そりゃ非常用とはいえ人が通るように作られてるからな」


榛名「所々崩れているのは、やはり以前の戦争が原因なのでしょうか」


提督「流石に500年前の被害を未だに修理してないってのはないんじゃねえか」


フェイ「いつまでおしゃべりしてるんだ。さっさと行こうぜ」


提督「おっと、そうだった」


夕立「なんか迷路みたいでワクワクしてきたっぽい!」


  ***
337 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:22:44.80 ID:ep1Fiy3bo
提督「で、分かれ道か」


榛名「右と左、どちらが下に続いているのでしょう」


金剛「マリアは何か知りませんカ?」


マリア「確か、左の突き当たりにシャフト下層の地図があったはずですが……」


フェイ「む、両側から何か来るぞ」


ティアーズ×2「シャコシャコ」


提督「……え、何あれ」


夕立「ちょっと趣味悪いっぽい」


マリア「恐らくは侵入者撃退用の装置ではないかと」


提督「撃退どころか殺害する気満々だろ!両腕刃じゃねえか。しかも明らかにこっち狙ってきてるし!」


マリア「異物は全て敵と認識しているのでしょう。恐らく」
338 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:23:23.13 ID:ep1Fiy3bo
フェイ「仕方ない、左を頼む……はあッ!」ダッ


提督「あ、おい!……見かけによらず血の気の多い奴だな」


マリア「わ、私も!えい、えい!」ポコポコ


提督「おお、何か泡が一杯出てきた……じゃなくて!下がってろマリア!」タタンッタタンッ


ティアーズ「シャコシャコ」カンッカンッ


提督「げえ、全然効いてねえ」


マリア「くっ、ゼプツェンさえ呼べれば……!」


金剛「テートクゥ!ここは私達の出番ネー!」ガシャ


提督「ちょっと待てストッ」

金剛「ファイヤー!」ドォン


ティアーズ「シャ」ドゴォォォン


金剛「オォウ……」


榛名「通路が……」


夕立「敵ごとぺしゃんこっぽい」


提督「あっちゃあ……」
339 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:23:50.75 ID:ep1Fiy3bo
フェイ「こっちは終わったぞ。そっちは……なんだ、こりゃ」


提督「見ての通りだ。すまん。地図は諦めるしかないな」


金剛「私としたことが……申し訳ないデース」


提督「まあ、やっちまったもんはしょうがない。とりあえずの所、通路を出るまでは金剛と榛名は砲撃禁止だ。夕立、頼むぞ」


夕立「ふふん、きっちり狙い打ちっぽい!」


マリア「こ、金剛さん、気を落とさないで下さい。下へ続く道は右側ですし、地図がなくても何とかなりますよ」


金剛「うう、マリアは優しい子デース」


  ***
340 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/11(月) 02:24:32.90 ID:ep1Fiy3bo
今週はここまで。それではまた。
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/07/11(月) 18:08:11.52 ID:5wpAYJEOo
閉所で41cm連装砲ブッパすりゃそうなるわな・・・
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/11(月) 20:35:05.55 ID:/zEc6LeFo
おつ

そういやシェバトのフォービドゥンってどうやって対処すればよかったんだろう
対処出来ないから出合ったらすぐ逃げてた
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/12(火) 09:14:34.96 ID:XH3NSyHJO
連殺でぶっころがす
344 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/17(日) 01:00:48.03 ID:dDd0CwY7o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
345 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/17(日) 01:01:50.74 ID:dDd0CwY7o
フェイ「……」


マリア「……」


提督「……」


金剛「……ムム!」


提督「どうした金剛」


金剛「正面通路に感アリネー。何かがこっちに向かって来マース」


フェイ「数は?」


金剛「アー、1、いや3ネー」


フェイ「……よし、任せろ」ダッ


夕立「提督さん!」


提督「よし、夕立も行って来い。なるべくフェイを敵と一対一になるように支援してやれ」


夕立「了解!っぽい!」ダッ
346 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/17(日) 01:02:18.91 ID:dDd0CwY7o
提督「金剛も引き続き索敵を頼む。榛名、後方はどうだ?」


榛名「今のところは何もありません」


提督「わかった。そのまま後方に集中しててくれ。いつの間にか挟み撃ちってのは御免だからな」


榛名「はい、榛名にお任せください!」


マリア「……凄いですね」


提督「ん?」


マリア「目で見えないほど遠くの敵を数まで把握してしまうなんて……」


提督「ま、電探積んでるからな」


マリア「電探?」


提督「レーダーの事だよ。ほら、あの頭に載ってるピコピコ動いてるやつ」


マリア「あれにそんな機能があったんですね」


提督「本来は対水上用なんだけどな。陸でも機能してくれてよかったぜ」
347 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/17(日) 01:02:46.16 ID:dDd0CwY7o
マリア「……やっぱり、そうなんですね」


提督「そうって、何が?」


マリア「さっきの話です。あの人たちは艦娘っていう、兵器として生まれた存在だって……話だけでは信じられませんでしたけど、
一撃で通路を吹き飛ばすような砲撃をしたり、レーダーが付いてたりしているのを見ると……」


提督「普段は人間と全く変わらんからなあ。無理もない。俺も鎮守府に来て最初に電と会った時には……」


マリア「?電というのは?」


提督「あ、い、いや、ははは。それよりマリア、俺もさっきの話で聞きたい事があったんだが」


マリア「はい、なんでしょう」


提督「ゼプツェン、つったっけ。話しぶりから見るにギアか何かなんだろうけど、一体何なんだ?」


マリア「……その通りです。ゼプツェンは私の……ソラリスの研究所で父さんが開発した、世界でたった一つのギアです」


提督「ソラリス?ソラリスって、じゃあ」


マリア「はい。父さんは今もソラリスに捕らわれたまま……バルお爺ちゃんが助けてくれなかったら、私もゼプツェンもここにはいなかったと思います」


提督「……」
348 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/17(日) 01:03:12.26 ID:dDd0CwY7o
マリア「あれから3年も経ってしまいました。お爺ちゃんや女王様に止められてさえいなければ、すぐにでも父さんを助けに行くのに……。
ゼプツェンならソラリスのどんな奴にだって負けはしないのに……。ぜったい……!」


提督「そりゃ女王が正しいぜ。いくらなんでもギア一機で何とかなる訳がない」


マリア「やってみないとわかりません!今こうしている間にも、ソラリスで父さんは……」


提督「……なあ、焦る気持ちは分かるけどな、マリア」ポンポン


マリア「っ子供扱いしないでください!」バシッ


提督「わ、悪い。そんなつもりは無かったんだが」


マリア「どうして?どうして皆わたしを止めるの?父さんのことなんか、もうどうなっても構わないの……?見殺しにするの?
私は許さない、父さんを苦しめた奴を、それを黙って見ていた人も……!」


提督「なんで止めるの、か。そんなの決まってるだろ?マリア」


マリア「……もう、いいです。提督なら分かってくれると思ったのに」タッタッタ


提督「分かるって何を……おいマリア!」


金剛「ワ、ワット!?マリアー!私より先に行ったらノーデース!」


榛名「て、提督、マリアさんと何かあったんですか?」


提督「まあ、ちょっとな。地雷踏んだ」


榛名「じ、地雷?」


  ***
349 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/07/17(日) 01:03:47.19 ID:dDd0CwY7o
今週はここまで。ではまた次週。
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/18(月) 01:41:19.87 ID:ShbbfLt5o
乙でした。
351 : ◆Idq7VgawO2 [sage]:2016/07/28(木) 16:18:58.65 ID:DDk8QBDEo
報告が遅くなりましたが、私生活の方でちょっとしたアクシデントがあったため、次回の投稿はもう少し先になります。遅れてしまい申し訳ないです。
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/30(土) 04:35:59.32 ID:cF0gy2B1o
報告乙です。
353 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:30:05.54 ID:oWzCcvPxo
大変お待たせしました。繁忙期と私用と風邪が重なってえらい忙しさになってましたがなんとかなりました。
354 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:30:35.53 ID:oWzCcvPxo
  ***


〜最下層 ドック・フロア〜


夕立「はー、やっと着いたっぽい」


榛名「ここは……先ほど封鎖されていた隔壁のすぐ下でしょうか」


金剛「想像以上にデンジャーな場所でしたネー」


提督「まさか途中で外に繋がってた上に、足場代わりに外壁に飛び出してるプロペラを飛び移るなんてマネまでさせられるとは思わなかったな。
いや全く、大鳳がいたらどうなってた事か……」

提督「じゃなくて!どこに敵が潜んでるかわからねえんだからまだ安心するんじゃねえ。金剛、周囲の状況」


金剛「もちろんさっきからチェックしてマース!今のところは何かが動いているような反応はナッシンネー」


提督「となると、警戒すべきは何かしらの罠だな。ここは慎重に」


フェイ「マリア、ゼプツェンがある格納庫ってのはあっちだったよな」


マリア「はい、その通りです」


フェイ「分かった」スタスタ
355 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:31:31.44 ID:oWzCcvPxo
提督「ちょちょちょ、どうする気だよ!」


フェイ「ゆっくりしてる暇なんてないだろ。なら、こうするだけさ」タッ


提督「おい!……ったく、意外と思い切った奴だったんだな!」ダッ


金剛「あっ、テートクゥ!」


提督「こうなっちゃ仕方ない。さっさと追うぞ」


金剛「シット!しょうがないデース、マリア、私の後ろからしっかり付いてきて下さいネー!」


マリア「はい、急ぎましょう」


  ***
356 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:32:16.37 ID:oWzCcvPxo
  ***


提督「や、やっと追いついた……」ゼェゼェ


フェイ「……」


提督「こんな所で突っ立って何を……おわ!なんだよこのでっかいギア」


フェイ「こいつがゼプツェン、マリアのギアだ」


提督「こいつがか。つーことは、ここが第17格納庫なのか?」


フェイ「ああ、だが敵は……」


マリア「侵入者はどこ……!?」


榛名「落ち着いてください、マリアさん」


金剛「無事ですカテートクゥ……ワット!?このビッグなギアは何ですカー!?」


提督「こいつがマリアのギアだとさ」


夕立「と言う事は」


提督「ああ、ここのどこかに敵がいる。気をつけろ」


?「ふん、誰かと思えば……またお前か。ご苦労な事だよ」
357 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:33:14.62 ID:oWzCcvPxo
マリア「……!?誰ですか!」


金剛「ビッグなギアの肩デース!」


フェイ「ドミニア!」


提督「ドミニア?」


ドミニア「それに後ろのお前達は……そうか、あの時の。あのまま海賊の一味になった、と。そういうことか」ククク


提督「ん?ちょっと待て、俺はあんたみたいな褐色美人は知らないぞ」


榛名「びっ……」


フェイ「……タムズでユグドラシルが襲われたとき、あんたたちが助けてくれただろ。あいつはあの時の敵ギアのパイロットだ」


提督「あん時のでっかい剣持ったギアか。つーことは、こいつが侵入者か」


金剛「正面から堂々と現れるとはいい度胸デース!」ガシャ

榛名「榛名、容赦しません!絶対に、必ず、確実に、何があろうとも!」ガシャ


提督「ストップ。あの位置じゃマリアのギアにも損傷が出るだろ。つーか榛名はなんでそんなにやる気満々なんだ」


フェイ「お前達に、そいつを渡すわけにはいかないな!」


ドミニア「ふん、ならば力ずくで止めてみな!」
358 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:33:45.67 ID:oWzCcvPxo
マリア「くっ……ゼプツェンは渡しません!」


ドミニア「ん……?そこにいるガキは……おい、お前、ニコラの娘か……?」


マリア「たしかにわたしはニコラの娘、マリア・バルタザールです!それが、どうかしましたか……?」


ドミニア「なるほど、おまえが、ニコラが身を挺して逃がした愛娘ってわけか……」

ドミニア「おい小娘、面白い話を聞かせてやろうか?そうだな……ゼプツェンの呪われた秘密というのはどうだ?」


マリア「……!?それは、どういう意味です?」


ドミニア「さあ、どういう意味かな、話を聞きゃあ、おのずとわかるよ……」


提督(そう言って褐色銀髪の姉ちゃん、ドミニアが語りだした話の内容は、要約するとこんな感じだった)

提督(ソラリスは次世代兵器開発のプランとして、『人と機械を融合』させることを思いついた。レバーで機械を動かすより、
脳みその信号を拾って操縦したほうが素早く正確に動かせるから、って理屈らしい)

提督(とは言っても、そんなものがたやすく実現するはずがなかった。当たり前だよな、鉄と脳みその相性なんて見るからに最悪だし)

提督(ところが、そんなムチャクチャをマリアの父さん、ニコラ・バルタザールは可能にしちまったらしい。その試作機がゼプツェンなんだそうだ)

提督(ついでに、そのサンプルデータの採取の為に、アヴェとキスレブの戦争が泥沼化するようにソラリスが裏で手を引いていたそうだ)

提督(そのデータを元にソラリス本国で人体実験を行った結果、出来上がったのが死霊なのだという話もしてくれた)


榛名「そんな……」


夕立「流石に引くっぽい」
359 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:34:54.02 ID:oWzCcvPxo
マリア「ウソです!!父さんが、そんなひどいことを……!!」


ドミニア「わたしはウソはつかないよ、マリア。こいつは、真実だ。
あんたの立派なお父様は、人と機械の融合に成功し、地上人にとっての地獄の門を開けちまったってわけさ」

ドミニア「そして、ゼプツェンの神経回路には……」


?「そのくらいにしといちゃどうだい、ドミニア?」


ドミニア「だれだ!?」


?「どうして女ってのはこうもお喋りなんだろうなあ?いらねえ事までペラペラとしゃべくりやがって、まったく……」


ドミニア「ジェサイア!?」


提督「ジェシーの親父さん、いつの間に」


夕立「提督さん、お知り合いっぽい?」


提督「知り合いも何も、一緒にユグドラシルに乗ってたぞ。ほとんどずっとガンルームで飲んだくれてたから気づかなかったんじゃないか」


榛名「……確かに、あんな格好のおじさまがずっと飲んでいらした様な……」


金剛「いつもいるから掃除の邪魔だったネー」


ジェシー「全く、こっちの女どもも容赦ねえなあ」
360 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:35:52.98 ID:oWzCcvPxo
ドミニア「貴様、かつては次期ゲブラー総司令官とさえ目されていた貴様が、シェバトで何を!?」


ジェシー「そう熱くなりなさんなって、美容によくないぜ、ドミニア。大人にゃ大人の事情ってもんがあるんだよ。
ガキにゃわからねえだろうが、な」


ジェシー「火遊びはここまで、だ。今日のとこは、このままおとなしく帰んな。ゼプツェンはマリアじゃなきゃ動かせねえぜ。
それくらいのことは、お前さんだって百も承知のはずだ」


ドミニア「ふん、バカ共め!いきがるのも今のうちだ。パーティはこれから、さ」スッ


提督「待てよ、逃がすと思うか?」カチャ


ドミニア「愚かな、きさまのようなエーテルも持たないクズが、いったい何をしようというのだ?
そんなチンケな銃でこのわたしを止められるとでも?」


提督「……くそっ」


ドミニア「それでいい。部外者のきさまはおとなしくしていろ。それじゃ、マリア。今日はこれで失礼する」


マリア「……」


ドミニア「楽しいダンス・パーティーを」ククク


フェイ「待てッ!ドミニア!」


金剛「提督ゥ!追いかけるネー!」


提督「やめとけ、ここの防衛には成功したんだ」
361 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:36:46.58 ID:oWzCcvPxo
マリア「父さん……」


フェイ「なあ、マリア。気にするなよ……あいつの言ったことなんか」


榛名「マリアさん、気をしっかり持ってください。まだ何があるかわかりません」


マリア「……」


 ドォォ……ン


提督「っとと」


フェイ「こいつは……!?」


夕立「今度は上から聞こえたっぽい!」


ジェシー「さあ、お客さんがおいでなさったようだ。上にあがろうぜ」


提督「城壁が破られたら息つく間もなく侵攻か、やれやれだな」


榛名「どうなさいますか、提督」


提督「無論、迎え撃つ。俺達が今後活動していくのにシェバトとの協力関係は必要不可欠だからな」


ジェシー「しかし、どうもイヤな予感がしやがる……」


マリア「ゼプツェン……」


ジェシー「……まさか、な」


  ***
362 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/08/07(日) 00:39:47.17 ID:oWzCcvPxo
とりあえずここまで。
未だ繁忙期真っ只中のため、八月中はこのまま不定期投稿とさせてください。それでは。
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/07(日) 08:49:19.93 ID:uJLlQ576o
>>362


保守は任せろー
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/08/09(火) 07:05:08.59 ID:bcxGL9HmO
我の拳は保守の伊吹!
落ちたるスレをage、続きの種子を紡ぎ出す!

美しき、
    >>1乙のレスの力を!!
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/09(火) 08:41:25.44 ID:7sZm4o0OO
伊吹は帰れ
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/09(火) 09:25:30.89 ID:Y7OQfpP/o
船の方の伊吹だろうさすがに……
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/31(水) 15:17:24.84 ID:OIBoNUYOo
塵。
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/02(金) 10:20:11.20 ID:iSNcz1Qao
  _, ,_  しょおー
( ◎д◎)
  ⊂彡☆))Д´)>>367
369 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/04(日) 19:49:45.92 ID:aR9T7yuko
お久しぶりです。八月中にどこかで一度くらい投稿したかったのですが、全く暇がありませんでした……。九月からはまた毎週更新していきますので、どうかよろしくお願いします。
それでは、今週の投稿を始めます。
370 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/04(日) 19:52:33.22 ID:aR9T7yuko
〜王座〜


提督「ただいま」


大鳳「あ、おかえりなさい、提督。皆さんも。格納庫の方はどうでしたか?」


提督「何とか追っ払ったよ。それよりもこっちの様子はどうだ?さっき妙な振動があったが……」


大鳳「それが、その」


加賀「上空を偵察中に正体不明の大型ギアに遭遇しました。応戦したのですが、敵にダメージが通った様子はなく、こちらの艦載機はほとんどやられてしまいました」


提督「偵察中にって、ここは雲の上だぞ?こんな所まで飛べるギアがあるってのか」


ゼファー「驚くような事ではありません。地上のギアとは違い、我々シェバトやソラリスのギアはその程度の飛行能力を普通に有しています」


提督「へえ、流石にこの世界を牛耳ってるだけのことはあるな」


大鳳「すみません、提督。大鳳はもう戦う事も……」


提督「補給のめども立たない状態がずっと続いてたんだ、仕方ないさ。いつかはこうなってただろうし」


大鳳「提督……」


シタン「そうですね、それに、お陰様で敵の構成もある程度把握できましたし、彼らが上に戻るまでの時間も稼げました。そう悪いことばかりでもありませんよ」


大鳳「シタン先生まで……ありがとうございます」
371 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/04(日) 19:53:15.13 ID:aR9T7yuko
ジェシー「そんなことよりもよ、俺ぁその『正体不明の大型ギア』ってのがさっきから気になってしょうがねえんだが。どうもいやな予感がしやがるからよ」


シタン「そうですね。そのあたりも含めて、今われわれが置かれている状況をまとめてお話しましょう」


フェイ「頼むよ、先生」


シタン「まず、先ほどの話にあった正体不明のギアを含め、ソラリスのギア部隊が急速でシェバトに接近しています。
連中の狙いは、まず4つのゲート・ジェネレーターとみていいでしょう。あれがなければ、シェバトは丸裸になりますからね」


夕立「さっきの人が言ってた『ダンス・パーティ』って言うのはこのことっぽい?」


シタン「恐らくそうでしょう。ドミニアの破壊工作で障壁の出力が弱まっている今、一気にケリをつけてしまうつもりなのかもしれません。
対するこちら側ですが、すでにシェバトの迎撃部隊が緊急発進したそうです。しかし……シェバトの人間はギア戦に慣れていませんからね、はたしてどこまでもつか……」


北上「あれ?この国ってソラリスとずっと戦ってたんじゃないの?」


ゼファー「ええ、しかし数年前に起こったソラリスとの最後の防衛戦の折、わが国の兵力はほとんど壊滅してしまったのです」


ジェシー「そういやそんなこともあったな。なあヒュウガ?」


シタン「え、ええ、そうですね」


フェイ「?」


提督「?」


シタン「そ、その話はともかく、このままいけばソラリス軍がシェバトに取り付くのは時間の問題です」


フェイ「ああ、わかってるよ、先生。俺達が、出る!ここの人たちをみすみす見殺しになんかできない」


ゼファー「フェイ……」
372 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/04(日) 19:53:46.05 ID:aR9T7yuko
バルト「ただ働きはゴメンだが、連中の前で尻尾を巻いて逃げ出すのはもっとゴメンだ!どんなヤツが来るにせよ、俺様のブリガンディアでぶっ飛ばしてやらあ!」


ビリー「ボクたちでこの国の人たちを守りましょう」


リコ「ふん、連中にリコ様を怒らせるとどうなるか、たっぷり教えてやるとするか」


夕立「提督さん、夕立もお手伝いしたいっぽい!」


提督「だな」


金剛「さっきはあまりお役に立てなかったからネー、その分しっかり働きマース!」


ジェシー「おうおう、いいぞ!頑張れ若人!しっかり頼むぜ。なにせ、俺様の命も懸かってるんだ。まだ、こんなとこでくたばりたくねーからな」


ビリー「うるさいな、黙っててくれよ親父は!」


金剛「そうデース!酔っ払いは大人しく……ワワワワット!?」


ジェシー「へいへい、わかりやしたよ」


金剛「……テートクゥ、今、ビリーが親父っテ……」


提督「ああ見えて親子だからな。そりゃそうだろ」


金剛「と言う事は、プリメーラも……」


提督「ん?そりゃビリーの妹なんだから当たり前だろ」


金剛「……あのビーストなフェイスからあんなキュートなボーイとガールが……信じられないデース」


ジェシー「ちぇ、最近のガキゃどいつもこいつも可愛げがねえでやがる」
373 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/04(日) 19:54:23.73 ID:aR9T7yuko
チュチュ「よーし、チュチュも頑張るでチュよぉ!」


北上「うわ、びっくりした!」


フェイ「……?頑張るでチュって……なんでチュチュがここにいるんだ?ユグドラシルに置いて来たはずだろ?」


エリィ「それがどうも、どさくさに紛れて付いてきちゃったみたいなの」


フェイ「まいったな、遊びじゃないんだぞ」

フェイ「危ないからユグドラシルに戻ってろよ。な、チュチュ?いい子だから」


チュチュ「ふっふっふー、チュチュ、いい子しゃんじゃないでチュよ。もう、危ないお年頃なんでチュ」

チュチュ「それにチュチュだって、ちゃんと頑張れるでチュ!みんなと一緒にいるでチュよ。ね?ね?」


フェイ「ちぇ、しょうがないな……。怖い目にあっても知らないぞ」


提督「ほー、いつもは割と脳筋度高いフェイにこんな保護者っぽい一面があるとはな」


フェイ「う、うるさいな、ほっといてくれよ」
374 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/04(日) 19:54:54.18 ID:aR9T7yuko
マリア「あなたもチュチュって言うのね。この街には、あなたの仲間がいっぱい住んでるわよ。後で私と一緒に会いに行きましょう?」クスクス


チュチュ「ほ、ほんとでチュか?みんながここにいるでチュか?」


北上「ん、町の方に一杯いたよー?」


チュチュ「わーい、ついに見つけたでチュ!!チュチュの仲間、ちゃんといたでチュ!!」


榛名「……マリアさん、なんとか元気になったみたいですね」


金剛「ンー、まだわからないネー。無理してるだけかも知れないデース」


大鳳「あの、下で何かあったんですか?」


金剛「ソラリスのエージェントにお父さんのことを色々言われただけネー」


榛名「その前に提督が地雷も踏まれたようですし……」


大鳳「え、エージェント?地雷?」


チュチュ「さあ、気合入れて行くでチュよお。ガンバらなきゃダメでチュからねえ、みなしゃん!」


  ***
375 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/04(日) 19:56:24.38 ID:aR9T7yuko
今回はここまで。ではまた来週。
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/04(日) 21:11:54.82 ID:prnIQC9Y0
ソイレント艦これ
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/09/04(日) 22:20:42.82 ID:prnIQC9Y0
いい話だ
378 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/16(金) 13:24:33.35 ID:9tQpWsOoo
お待たせしました。昼休みの間にささっと投稿しておきます
379 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/16(金) 13:25:11.47 ID:9tQpWsOoo
シタン「さて、それでは、敵のギア部隊についてですが……。先ほど説明したように、4部隊がそれぞれ個別にジェネレーターを目指して接近中です。
これらのギアに関しては、機体のタイプ、性能など、ある程度の事はシェバトの得た情報から分かるのですが……」


提督「問題は加賀さんと大鳳が当たった正体不明のギア、か」


シタン「ええ。どうもこのギアが敵の指揮官のようですね。接近してくる他のギア部隊の後方に控えているようです」


ゼファー「いま、映像を出しましょう」ブゥン


加賀「!!」


大鳳「よくも……!」ギリ


マリア「こ、これは……!?」


夕立「真っ赤っ赤でちょっとおっかないっぽい」


フェイ「こいつは、まさか!」


榛名「色こそ違いますけど、この機体の外見は……」


バルト「なんだあ、この薄っ気味悪いギアは?おまえ、何か知ってるのか、マリア?」


マリア「……アハツェン。父さんの設計したギアの2号機……」

マリア「ゼプツェンの、兄弟機なんです」
380 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/16(金) 13:25:53.79 ID:9tQpWsOoo
バルト「なんだと!?」


リコ「なるほど、通りでゼプツェンとソックリなわけだぜ」


マリア「でもまさか、アハツェンが完成されていたなんて……!ゼプツェンの他にはもう二度とギアは造らないって、
父さんは設計図を燃やしたはず……!それがどうして……!?」


?『聞くがいい!シェバトの人間ども!』


マリア「この声……父さん!?」


提督「あのギアからか!」


ニコラ『おもしろいネズミどもが、そこに逃げ込んだと言う話だな。アハツェンのテストには丁度いい、シェバトもろとも叩き潰してやろう!
さあ、出てくるがいい。薄汚いネズミども、私の可愛いモルモット達よ」


マリア「そんな、父さんが、どうして!?」


ゼファー「落ち着きなさい、マリア!本当にあれにニコラ博士が乗っているとは限りません!」


マリア「でも、でも!父さんの声が!」


ゼファー「しっかりしなさい!あなたは戦う前から敗れるつもりですか!あなた達親子を苦しめたソラリスに?」


金剛「マリア、クイーンの言う通りデース」


加賀「……そうね。あの声の正体が何であれ、今の私たちにできるのはシェバトを守ることだけなのではないかしら」
381 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/16(金) 13:26:30.96 ID:9tQpWsOoo
マリア「……だけど……」


シタン「さあ、いいですか。こちらの打つ手を考えましょう!何としてもギア部隊を迎撃して、ジェネレーターを守らなくてはなりません」

シタン「その為には、こちらも四手に別れ、攻めて来る敵を迎え撃つのが得策でしょう。我々のうちの4人は出撃し、
各自受け持ちのジェネレーターを単独で死守する!その間、残りの者はこちらで待機。これでいきましょう」


ゼファー「マリア、あなたはここで待機していなさい」


シタン「……。お願いします、マリアさん」


マリア「……はい。わかりました」


提督「何もそれぞれ単独で向かうことはないんじゃないか?ここの守りは俺達に任せてくれていいぜ」


シタン「いえ、あなた方にはその間に、下の町に残った市民の避難、及び町の防衛を行って頂きたい」


北上「んー?敵の狙いはじぇねれーたー?って奴ならさ、そっちを全力で守るべきだと思うんだけど」


シタン「それは確かですが、万が一がないとは言い切れませんからね。用心に越したことはありませんよ」


提督「……まあ、そういうことなら。よし、それじゃそっちは引き受けた」
382 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/16(金) 13:27:01.82 ID:9tQpWsOoo
シタン「それでは、市街地での指揮は提督にお任せします。下層部に兵士が詰めているはずですので、そちらと協力してことに当たって下さい」


提督「了解だ」


ゼファー「皆さん、頼みます。シェバトの民をどうか守ってください」


榛名「はい!この榛名、お受けしたからには体を張ってでも守ってみせます!」


大鳳「大鳳も、出来る限りの事をして民衆を守ります!」


北上「私もそろそろいいとこ見せないとねー。ま、任せちゃってよ」


加賀「……決まったのなら、急いで出発しましょう。住民が避難する手間を考えると、あまり時間の余裕は無いでしょうから」


提督「だな。そんじゃ早速行くぞ、皆付いて来い!」ダッ


第一艦隊「おー!」ダダダ


シタン「……行きましたか。こちらも急いで準備を整えましょう。具体的な敵の部隊編成ですが……」


  ***
383 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/16(金) 13:27:32.30 ID:9tQpWsOoo
とりあえずここまで。続きは土日のどちらかに投稿します。それでは。
384 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/19(月) 00:02:12.86 ID:SqTZ10VJo
お待たせしました。投稿を始めます。
385 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/19(月) 00:06:25.41 ID:SqTZ10VJo
〜アウラ・エーペイル〜


加賀「……静かね」


夕立「敵はまだ来てないっぽい?」


提督「そうみたいだな」


北上「それで、今回の作戦は?何か考えてあるの?」


提督「うーん、見ての通りだが、この町は南北の出入り口以外は道すらない、橋の上に造られた様な地形だ。とりあえず出入り口を固めとこう」


金剛「それなら!」


榛名「榛名たちの出番、ですね」


提督「そうだな、金剛は北、榛名は南を頼む。敵が来たら知らせてくれ」


金剛「ラジャ!」


榛名「提督は安心して住民の避難を指揮して下さい!」


提督「よし、残った4人は避難する住民の護衛だ。まずは……」
386 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/19(月) 00:06:51.77 ID:SqTZ10VJo
『おおい、そこのあんた!あんたが提督か?』


提督「な、なんだあ?どっから聞こえてくるんだ?」


大鳳「う、上です!上空にギアが!」


夕立「っ!」ガチャ


加賀「待ちなさい」スッ


夕立「加賀さん邪魔っぽい!」


加賀「敵が提督の名前を呼ぶことはないと思うけれど」


大鳳「このギアはシェバトの制式ギア、でしょうか」


北上「白くて細くて鳥っぽいねえ」


提督「おーい!確かに俺が提督だが、あんたは?」


パイロット『やっぱりか!俺は反ソラリス部隊のモンだ。ゼファー女王直々の命令でな、あんたを手伝うようにってさ』


提督「そりゃ大助かりだ。今からここの住民を王宮に避難させるんだが、その為の人手を集めたくてな。ここに兵士が詰めてるって聞いたんだが」


パイロット『そういう事なら任せときな。俺がひとっ走り呼んできてやるぜ』


  ***
387 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/19(月) 00:07:17.50 ID:SqTZ10VJo
  ガヤガヤ

大鳳「皆さん落ち着いて。まだ時間はあるのでゆっくり進んで下さい」


北上「先頭にうるさいお兄さんがいるからそれに付いて行ってねー」


反ソラリス兵「よおし、皆しっかり付いてこいよ!俺様が責任持って王宮まで送ってやるからな!
なあに、もしソラリスのヤツがやってきても大丈夫だ!この俺様のサイラス・パンチがありゃな!ワハハハハ!」


夕立「ほんとにうるさいっぽい……」


提督「目印としては分かりやすくていいんじゃねえか?」


夕立「あれを歩いてる間中ずっと聞かされるのは敵わないっぽい……」


提督「悪いが我慢してくれ。通信手段と戦闘力の兼ね合いがあるから他の奴に殿を頼むわけにもいかないんだ」


夕立「……しょうがないっぽい。行って来ます」トボトボ


提督「……戻ってきたら褒めてやるか」


パイロット『提督よお、今ので避難民は最後だ。町の住民は全員いなくなったぜ』


提督「本当か?同じことをあと3往復はしなきゃならんと思ってたんだが……ちょっと少なすぎないか?」


パイロット『マジで全員さ。元々こっちに住んでる人間はそこまで多くなかったからな』
388 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/19(月) 00:07:52.51 ID:SqTZ10VJo
提督「わかった、ありがとう。後はそのギアで上空を見回っていてくれ」


パイロット『あいよ!』


提督「聞いての通りだ、お前ら。残るはこの町の防衛のみ!」


北上「とは言ってもねえ、本当に敵来るの?」


金剛『敵の反応なんてずっとナッシンネー』ザザ


提督「さて、そいつは微妙なとこだな」


北上「微妙って……それなら今からでも向こうの助太刀に行った方がいいんじゃないの?」


榛名『私たち、やはり信用されてないのでしょうか』


提督「そいつは違うぞ。信用されてなかったらここの守りなんて任されてないだろうし、例え万が一でも攻撃される可能性があるならここは守らなきゃならん。
ねぐらを守るってのはそれだけ重要な事なんだよ。お前らが出撃したときの気持ちになって考えてみろ」


榛名「……なるほど、そう言われると理解できる気がします」


金剛『鎮守府が攻撃されそうなのに別の所に出撃しろなんて命令、聞けそうにないネー』


提督「そうだろうよ。分かったら金剛と榛名は引き続き警戒。空母2人は偵察機飛ばして上空から偵察。北上は夕立が戻るまで俺と町の中央で待機だ」

提督(後はなるようにしかならない、か。向こうの戦闘が気になるが……マリアは大丈夫かな)


  ***
389 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/19(月) 00:10:05.57 ID:SqTZ10VJo
今週はここまで。ではまた来週。
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/19(月) 05:52:32.81 ID:raGLB76Qo
フェイ達以外の視点があると新鮮だな
391 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/26(月) 04:25:06.42 ID:uvYU7E1wo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
392 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/26(月) 04:26:57.98 ID:uvYU7E1wo
北上「〜♪」


夕立「……」ソワソワ


提督「……」


夕立「金剛さん、敵は来てないっぽい?」


金剛『反応ナッシンネー』


夕立「榛名さん」


榛名『いえ、こちらにもまだ来ていませんよ』


夕立「……加賀さん、大鳳さん」


大鳳『上空にも変化はありません。何かあったら知らせますから、少し落ち着いてください、夕立さん』


夕立「ぶー、つまんないっぽい」


提督「何回目だよそのセリフ。いいから集中しとけよ、いつ敵が来てもおかしくないんだから」


夕立「はーい」
393 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/26(月) 04:27:44.46 ID:uvYU7E1wo
提督「加賀さん、向こうの戦闘がどうなってるか見えるか?」


加賀『……4箇所とも破壊されてはいないわ。こちらが優勢のようね』


提督「よし、なんとかなりそうだな。また向こうで変化があったら知らせてくれ」


加賀『わかりました』


北上「結局、こうやって案山子みたいに立ってるだけで終わりかあ」


提督「それでいいじゃねえか。お前ら忘れてないだろうな、まだあのでっかい赤いギアが残ってるんだぜ」


夕立「もちろん忘れてるわけないっぽい」


榛名『……あのギア、マリアさんのお父様が乗っているかもしれないんですよね』


提督「どうだかな。人型ロボットを飛ばせる世界なんだし、声だけならどうとでもなるんじゃないか」


金剛『ヴォイスはそうかもしれないデース。けど、あのギアがマリアのファザーが設計したギアだって事は本当みたいネー。だとすると……』


北上「それだけでもあの子にはちょっとキツイかもねー」


金剛『ゥー、不憫な話デース。何とかしてあげたいネー』
394 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/26(月) 04:28:10.57 ID:uvYU7E1wo
北上「そんなこと言ってもさ、私たちが出来る事なんてなくない?マリアの家族の問題なんだし」


夕立「簡単っぽい。あのギアを壊してお父さんだけ助け出してあげれば解決っぽい」


北上「そのお父さんが本当にあのギアに乗ってるかわかんないんだってば……」


提督「おいこら、いい加減真面目に警戒してねえと本当に不意打ち食らっちまうぞ」


金剛『ドンウォリィ!もちろんおしゃべりの間もちゃーんと周りをチェックして……』


大鳳『提督』


金剛『っ!?』ビクッ


提督「どうした大鳳」


大鳳『どうやらジェネレーター防衛に成功したようです。ソラリスの部隊が撤退していきます。こちら側に目立った損害は見当たりません』


提督「よしよし、なんとか凌いだな」


加賀『提督、シェバト直上に例の赤い機体が』


提督「何?真上って……」
395 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/26(月) 04:28:38.27 ID:uvYU7E1wo
アハツェン「……」


提督「あそこか。部隊を下げといて今更何を……」


大鳳『て、提督!先ほど支援に来ていたギアが赤いギアに向かっていきます!』


パイロット『おおおおおおっ!』イィィィン


金剛『無茶ネ!スペックもよく分かってないエネミーに!』


榛名『何とかして制止しないと!』


提督「おい!聞こえてるか!おい!……ダメだ、無線が届かねえ」


大鳳『そんな!どうすれば……』


夕立「こっちも高いとこに昇るっぽい!」


榛名『王座の間まで戻りましょう!あそこが一番近いはずです!』


提督「よし、各自全速でエレベーターまで走れ!一応警戒は怠るなよ!」


  ***
396 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/09/26(月) 04:29:03.89 ID:uvYU7E1wo
今回はここまで。ではまた来週。
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 08:52:56.99 ID:QbhwFISg0
乙、良いところで終わると続きが気になってしまうてはないですか…
398 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/09(日) 21:11:58.32 ID:4cJMJssOo
遅れてしまい申し訳ありません。2週分の投稿を始めます。
399 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/09(日) 21:12:51.70 ID:4cJMJssOo
〜王宮〜


バタァン!


提督「くそ、思ったより時間が……あのギアはどうなった!?」


マリア「あ、あ……」


ジェシー「野郎ッ……!ふざけやがって!」


提督(モニターには赤いギアしか映っていない。ってことは)


榛名「あの、先ほどシェバトのギアが……」


ジェシー「やられたよ。あの野郎に、一瞬で消し飛ばされて、な」


加賀「遅かった……」


金剛「シィット!」


マリア「どうして……?どうしてこんな……?」


ニコラ『みずからこのアハツェンの性能実験に付き合ってくれるとは、従順なモルモットもいたものだ』


大鳳「……っ!!」ギリ
400 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/09(日) 21:13:44.24 ID:4cJMJssOo
ニコラ『それでは、次はこいつの実験台になってもらおうか』カッ


ジェシー「むっ!」


マリア「きゃっ!?」


提督「光!?今度は何だ!」


北上「うへえ、なんなのさ今の」


夕立「なんか一瞬気持ち悪い感じがしたっぽい!」


ジェシー「やべえな。今のは、ありゃ……」


ニコラ『アハツェンの新型兵器、対ギア用サイコ・ジャマーだ!』


フェイ『……!?ヴェルトールが動かない!?』


エリィ『ヴィエルジェも反応しないわ!』


バルト『ちっくしょー、なんだってんだ!?』


シタン『これは、ひょっとすると……』


ジェシー「ああ、強力な毒電波でギアの神経回路がおかしくなってるんだ。心配するねぇ、一時的なもんだ」
401 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/09(日) 21:14:13.27 ID:4cJMJssOo
ビリー「だけどこれじゃ……」


ニコラ『それだけの時間があれば、おまえたちをこの地上から消去するには十分だ』


リコ「万事休す、か」


ニコラ『人間とは、なんと不完全で愚かな生命であることか……。最期に見せてやろう!完全なる生命の偉大さを!
人の知恵と、鋼の強さをそなえた、このアハツェンの力を!』


フェイ『このままじゃ、手も足も出ないぞ!黙ってやられるしかないって言うのか!?』


シタン『……そうとも限りません。ひょっとしたら、ゼプツェンなら……』


マリア「……!!」


ジェシー「アハツェンと兄弟機のゼプツェンなら……あのジャマーに対してのシールドがなされていても、ちっともおかしくねえってわけか……」


マリア「それは……」


ゼファー「……お聞きなさい、マリア。他のギアが動かないとなれば、おまえとゼプツェンが頼みの綱です。おまえには酷ですが……。
どうするかは自分自身で決めなさい」


金剛「ちょっと待つネ!あのギアとマリアを戦わせるなんて、そんなこと私は許せないデース!」


提督「金剛……」
402 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/09(日) 21:15:01.09 ID:4cJMJssOo
ジェシー「そいつぁここにいる全員が思ってることだろうよ、嬢ちゃん。だが今は他に方法がねえんだ。全く情けねえことだがよぉ」

ジェシー「それによ、マリア。こんなことは言いたかねえんだが……。あそこにいるのは、もうおまえの親父さんじゃ……」


マリア「やめてっ!!利いた風なこと言わないでください!!」

マリア「たとえそうでも、わたしには、わたしには……」


ジェシー「……そうかい。それも、仕方ねえや。腹をくくるか」


マリア「……ゴメンなさい」


チュチュ「わたしが行くでチュよ」


マリア「な、何言ってるの、チュチュ!?」


チュチュ「だって、このままじゃみんなやられちゃうでチュ」


バルト『バカをいうな、お前一匹でギア相手に何ができるってんだよ!』


チュチュ「へっちゃらでチュよ。ちゃんと守り神しゃんが見てくれてるでチュ」

チュチュ「チュチュ、行くでチュ」コロコロ


提督「あっ、おい!」
403 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/09(日) 21:16:06.33 ID:4cJMJssOo
金剛「シィット!テートクゥ!私もう我慢できないネー!」


北上「まさかこのまま黙って見てるだけなんて言わないよね?」


提督「……わかったよ。俺達も行こう」


シタン『いけません!ここであなたたちがギアとまともに戦えるはずが……』


夕立「それでも、何もしないよりはずっとましっぽい!」


榛名「私たち皆、チュチュさんと気持ちは同じです!」


大鳳「今度は負けません!やられてしまった艦載機の分、残った皆さんを守って見せます!」


加賀「……ここでやられるわけにはいきませんから」


金剛「皆さん、準備はいいですカー!?第一艦隊、チュチュの後に続くネー!」ダダダ


提督「おっと、俺も行かなきゃ」


マリア「提督……」


提督「そんな声出さないでくれ、俺達は俺達の都合だけで動いてるんだからよ、逆に申し訳なくなってきちまう」


マリア「都合……?」


提督「そう。ここで死んだら元の世界に帰れないっていう、分かりやすい事情。それに……」

提督「『親子が殺しあうのを黙って見てました』なんて土産話、鎮守府で留守番してる奴らに持って帰るのは嫌だっていうのもある。
まあ、こっちは俺個人の勝手な事情だけどな」


  ***
404 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/09(日) 21:17:07.68 ID:4cJMJssOo
今回はここまで。2週かけたのにいつもと変わらないペースで申し訳ないです。
ではまた来週。
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/09(日) 22:18:32.82 ID:uDvAO7VwO
乙ツェン
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/10(月) 22:04:38.94 ID:gCo5W+rho
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/11(火) 00:47:40.11 ID:OekxAg7B0
408 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:20:14.11 ID:zL7CrICKo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
409 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:24:30.66 ID:zL7CrICKo
  コロコロコロコロ


ニコラ「なんだ、天文学的なほどに知能レベルの低そうな、この下等生物は?」


チュチュ「下等生物じゃないでチュ。チュチュでチュ」

チュチュ「さあ、ほいじゃあ行くでチュよ、ワル玉しゃん!このチュチュしゃまが、お空の向こうへちゅらりーんとぶっ飛ばしてやるでチュから、
カクゴするでチュよお!!」


  ***


提督「おーおー、ギア相手に凄い度胸だな。これからはあいつの認識を改めてやらないと……とか言ってる場合じゃないな。
ああ、もしあのギアを墜とす事になったとしても、あいつらの事は恨まないでやってくれな。……それじゃ」タッ


マリア「……」


チュチュ『うきゃっ、やったでチュ〜!でかでか変身できまチュた!』


マリア「……っ!」タタ


  ***


ニコラ「……ほう。ただの低級な下等生物かと思ったが……。急激な巨大化に加えてこの戦闘力、なかなかやるな」


チュチュ「下等生物じゃないでチュ。チュチュでチュ。」


ニコラ「バカめ、死ね」ズドン


チュチュ「……痛かったでチュ」パタン


マリア「チュチュッ!!」


ニコラ「成る程。おまえ、この星の巨大原生動物だな……。ランカーの幼体……じゃないな。
学術名:ドテスカチュチュポリン(知能レベル、天文学的に低い)か!まだ絶滅していなかったとはな」


  ***
410 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:25:39.86 ID:zL7CrICKo
マリア「いけない、このままじゃ……」


ミドリ「お姉ちゃん……」


マリア「ミドリちゃん!?ダメよ、こんなところにいちゃ!危ないから中に……」


ミドリ「呼んでる、お父さん……」


マリア「えっ……?」フッ


ミドリ「ううん、ちがう……。あそこにいる……怖いヤツじゃ、ない」


マリア「……!!」バッ

マリア「……ゼプツェン!!」


  ***
411 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:27:05.00 ID:zL7CrICKo
チュチュ「きゅう〜……」


ニコラ「しかし、遺伝子操作で小型軽量化されていたはずだが……。シェバトの賢者共にリミッターを外されでもしたか。
面白い!モルモットとして、非常に価値のある生体だ。色々と実験して……」


ヒュン!

ニコラ「!!」ガィン

ニコラ「ゼプツェン……いや、違う。この状況でまだ動けるギアがあるとは。面白いじゃないか」


ヒュン!

ニコラ「そっちからか」スッ


金剛「今ネ!カガ、タイホー!!」ドォン

榛名「チュチュさんを!」ドンドン

夕立「あのギアはこっちで引き付けるっぽい!」ドドド

北上「ここが残弾の使い所……かねえ!」ドドド


ニコラ「何だ、あの連中は……?今の砲弾はあの女共からか」


加賀「……くっ、動きが」ギャリギャリギャリ


大鳳「チュチュさん!大丈夫ですか!?」ギャギャギャ


金剛「後にするネ!とにかく回収して離脱するデース!」


大鳳「は、はい!」ギャリギャリ
412 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:27:37.56 ID:zL7CrICKo
提督『どうだ、間に合ったか!?』ザザ


夕立「なんとかギリギリセーフっぽい!」


提督『よし、加賀さんと大鳳はチュチュを安全な所まで運んだら待機だ。いつでも攻撃機を出せるようにしといてくれ』


大鳳「そんな!大鳳も戦闘に参加します!」


提督『バカ言うな。お前たちの機動力で前に出ても何も出来ないだろ。金剛たちの機動力でも不安だってのによ。代わりにチュチュはしっかり守ってくれ』


大鳳「……わかりました」ググ


榛名「提督、次の指示は!何とか敵ギアを釘付けにできてはいますが……」ドォン


提督『とりあえずそのまま撃ち続けながら散開しろ。敵に的を絞らせないように動き回りつつ、とにかく時間を稼げ。
対ギア用ジャマーが切れるまでひたすら耐えるんだ』


北上「簡単に言ってくれるねえ」


提督『それしか手がないんだよ。金剛の主砲が直撃したの見ただろ。あのダメージ量じゃ正面からの撃ち合いでは絶対に勝てねえ。とにかく逃げだ』


夕立「要するに、撃ちながら避け続ければいいっぽい!」ドドド


提督『そういうことだ。ただし、ここが陸だってことを絶対に忘れるなよ!スキー板で砂利道を下ってるようなもんだからな。
いつもの40%も動けないと思え!』


榛名「榛名、了解です!」

金剛「オッケーイ!それじゃ皆さん!ムーヴ!」ギャィィィ


ニコラ「まさか、こいつら……エレメンツの報告にあった連中か!本当に実在したとはな……。水上用と聞いていたが、陸上でもこの機動性とは……実に興味深い。
持ち帰って研究材料にするとしよう!」ガシャン
413 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:28:34.10 ID:zL7CrICKo
榛名「!来ます!」

ニコラ「まずは火力の高いお前からだ」ブゥン

金剛「……シィット!」ヒョイ

夕立「思ってたより動きづらいっぽい!」ギャギャギャ


提督『北上、背後を取って撃て!金剛と夕立は回避運動を取りつつ距離を取れ!榛名はその場で牽制!』


北上「いただき!」ドンドン

ニコラ「ほう、中々いい動きをする」ガンッガンッ


北上「あちゃ、背中も抜けないか」ギャィィ


提督『無理にダメージを与えようと思うな!こちらがダメージを受けないことを最優先にしろ!足も使い潰すつもりで行け!』


北上「わかってます……よっと!」ヒョイッ


榛名「回り込みます!」ドォンドォン


夕立「北上さん、今のうちに下がるっぽい!」ドドド


ニコラ「……この統率された動き、どこかに指揮官がいるな」スゥ


夕立「急に動きが大きくなったっぽい!」

提督『無理に追うなよ。弾幕を濃くして対応しろ』

北上「もう、こんなことじゃすぐ弾切れになっちゃうかもよ」ドドドド

金剛「文句は言いっこなしネー!」ドォンドォン


ニコラ「遠距離の対応もできる、か。ならば」ガシャアン

榛名「変形した!?」

提督『回避だ!』
414 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:29:29.64 ID:zL7CrICKo
夕立「突っ込んでくるっぽい!」ギャィィ

北上「うわっ!」ギャリギャリ

榛名「……くっ!」ギャギャ

金剛「また来るネ!」


提督『クソ、こっからじゃ見えねえ。各自で回避しろ!』


夕立「!」バッ


北上「あぶな!」ギャイイン


榛名「は、反撃します!」ジャコッ


金剛「ファイヤー!」ドォン


ニコラ「……回避が遅くなった。砲撃にも乱れがある。指揮官が状況を把握できていないな。つまり……」ヒュンヒュン


夕立「敵が離れたっぽい!」


榛名「今のうちに態勢を!」


ニコラ「指揮官はあの高台か!」ゴォ


北上「……ちっ、建物の裏に逃げ込まれちゃったよ」


金剛「あのビッグなボディでは不意討ちは難しいはずデース。一体何を……まさか!?」

榛名「……提督!!!」


  ***
415 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:29:57.81 ID:zL7CrICKo
提督「くそ、建物が邪魔で敵が見えん。あいつらからも死角になったようだし、移動したほうがいいか?もしくは加賀さんに偵察機を飛ばしてもらうか……」

榛名『提督!!!』


提督「どうしたはる」


ニコラ「そこか!」ブワ


提督「っ!?」


ニコラ「死ね」ドゴォ

提督(足場が……落ち……ッ!)グラ


ガラガラガラ


提督(くそ!死ねない!まだ死ねないぞ!なんかないのかよ!)ヒュゥゥ


ニコラ「なかなか手こずらせてくれたが、これで終わりだな」


夕立『そんな……』

金剛『テートクゥゥゥ!!!』

榛名『いやあああああっ!!!』

大鳳『え、提督がどうしたんです?提督、提督!』


提督(……無理だこれ。結局帰れずじまいか)


ドサッ


提督「いってぇ!くっそ……死ん……でない?どこだここ……!?ギアの手の上!?」


マリア「大丈夫ですか、提督!?」


提督「マリア?一体どこに……」


マリア「上です」
416 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:30:32.01 ID:zL7CrICKo
提督「上って」フッ

提督(ゼプツェンの頭の上で仁王立ちしてる……)

提督「そ、そうか。マリアが助けてくれたのか。ありがとうな」


マリア「そんな、お礼なんて……私がもっと早く来ていれば、皆さんに苦労をかけずに済んだのですから」


提督「……いいのか、マリア?」


マリア「……はい。私が、私とゼプツェンが、ソラリスの敵を倒します!」


提督「……そうか」


金剛『……ートク、テートク、テートクゥゥ!!返事するネ、テートクゥゥゥ!!!』


提督「っと、やべ。……金剛、すまん。まだ生きてるよ」


金剛『!!!テートクゥゥ!!』


提督「その話は後だ。全員チュチュの所まで撤退しろ」


金剛『ワ、ワット?それじゃあのギアは……』


提督「もう大丈夫だ。あとはマリアとゼプツェンがやってくれる。とにかく急いで皆をまとめて撤退しといてくれ。頼んだぞ」


提督「それじゃ悪いけどマリア、このまま向こうの広場まで運んでくれ」


マリア「わかりました。そこで皆さんが待っているんですね」ギュン


  ***
417 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/17(月) 22:33:30.04 ID:zL7CrICKo
今週はここまで。やっとシェバト編も終わりが見えてきました。つまり、物語も序盤が終わりということですね。長い……。
私信になりますが、引越しのどさくさでなくなっていた設定資料集が見つかりました。これで色々と捗る。かも?
それではまた来週。
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 04:37:15.54 ID:MiPWuCMAO


あの設定資料集はすごいよね。今読んでも引き込まれる。
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 05:56:50.17 ID:1KZLI2ljo

この辺りの展開はBGMも相まって色々とこみ上げる
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/18(火) 16:51:02.33 ID:MiPWuCMAO
ゼノギアスは出る時期があと数年遅ければ、PS2で出せてイベントバトルだらけだったら終盤もちゃんとゲームとして楽しめたのかな?

421 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/29(土) 17:44:11.16 ID:Zt+2cNX8o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
422 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/29(土) 17:46:57.13 ID:Zt+2cNX8o
金剛「あっ、来たネ!」ブンブン


マリア「さあ、着きましたよ。提督」


提督「……おっとと。ありがとうな」ペタン


マリア「それでは、行ってきます」


提督「しっかりやれよ。マリア」


マリア「……はい!」


ギューン


提督「……」


金剛「テートクゥーー!!」ガバッ


提督「うぐぅ」


北上「おー、意外とピンピンしてるじゃん。あの高さから落ちたんだしさ、もっとボロボロだと思ってたよ」


榛名「ああ、提督。榛名、もう駄目かと……」


夕立「提督さんは生身なんだから、もっと気をつけないといけないっぽい!」


加賀「そうね。指揮官が真っ先に狙われるようでは、私達も安心して戦う事もできませんから」
423 : ◆Idq7VgawO2 [saga]:2016/10/29(土) 17:50:08.82 ID:Zt+2cNX8o
提督「た、確かに言い訳のしようもないな。心配かけてすまなかった」


大鳳「よかった。本当に良かった……」


提督「……さて、そろそろ離れろ、金剛」


金剛「ノウ!」スリスリ


提督「威勢だけよくっても駄目だ。大体まだ戦闘は終わってないんだぞ」


金剛「ハッ!そ、そうデース!マリアはどうなったネー!」バッ


提督「今まさに戦ってるんだろうよ。やる気満々の目してたしな」


大鳳「すぐに加勢しないと!」


北上「やめといたほうがいいと思うよー」


大鳳「ど、どうしてですか!?」


北上「さっき言ったっしょ?『親子の問題だ』ってさ」


大鳳「そんな悠長な……もしマリアさんが負けたらどうするんですか!」
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