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【ゼノギアス×艦これ】提督「海上都市タムズに放り出された」
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224 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/03(日) 16:41:51.66 ID:QnoRPYnZo
提督「いや、ファミレスならまだわかるがな、こんな渋いバーカウンターじゃ全く合わねえだろ」
金剛「そんなことないネー!お淑やかな私にピッタリの場所だヨー!」
提督「お淑やかの意味を分かっているとはとても思えないんだが」
メイソン「おや、お目覚めですかな、提督」
提督「やあ、おはようございます、メイソン卿。こないだのソラリス戦以来ですね」
メイソン「そうですな、いや、ご息災であったようでなにより」
提督「ありがとうございます。ところで、ウチの金剛が何やら妙な事をしているようで、ご迷惑になっていなければ良いのですが」
メイソン「とんでもない、金剛様は妹君と共にこの爺をよく助けてくださっています。感謝こそすれ、迷惑などでは決してありませぬぞ」
榛名「そうですよ、提督。金剛お姉様は朝からずっと頑張っています。余り悪く言っては可哀想ですよ」
提督「榛名、お前もか」
榛名「はい、やはり何もせずにいるのは気が引けますので、ここにいる間はメイソンさんの内職をお手伝いしようとお姉様と一緒に決めたんです」
提督「ふーん、二人で、ねえ」
225 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/03(日) 16:42:57.98 ID:QnoRPYnZo
榛名「どうでしょう、提督。許可していただけますか?」
提督「もちろんだ。やるからにはしっかりな」
榛名「はい!榛名、頑張ります!」
金剛「ぶー、テートクゥ、私には何も無いんですカー?」
提督「ああ、疑ったりして悪かったよ、金剛。頑張ってくれ」
金剛「イエース!分かってくれればオッケーネー!」
???「ねえ、話はもう終わった?ボクお腹ペコペコだよ」
榛名「ご、ごめんなさいマルーさん。すぐ用意しますから、お二人ともそこの席で待っていてください」
提督「ん?マルー?お嬢さんの名前か?」
マルー「やだなあ、お嬢さんだなんて……ってあれ?自己紹介してなかったっけ?」
提督「まあ、何回かあったタイミングを悉くスルーされたからな」
マルー「あはは、ゴメンゴメン!ボクはマルグレーテって言います。マルーって呼んでね。若の一番の子分なんだ」
提督「よろしく、マルー。俺は……」
マルー「知ってるよ、提督でしょ。これからよろしく!」
榛名「はい、お待たせしました」カチャ
提督「おっ、サンキュー。こりゃうまそうだな」
メイソン「爺と金剛様の合作でございます。どうぞご堪能ください」
マルー「うん、三人ともありがとう。それじゃ早速」
二人「「いただきまーす」」
***
226 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/03(日) 16:45:06.83 ID:QnoRPYnZo
提督「……でまあ、その途中でおかしな無人ギアが襲撃してきてよ、それを金剛と榛名が撃退したんだ。タムズじゃ初めての戦闘だったが、それはまあ見事な物だったよ」
マルー「へえ、話には聞いてたけど、やっぱり提督たちは凄く強いんだね。モンスターだけじゃなくてギアとも戦闘できるなんてさ」カチャカチャ
提督「強いのは俺達じゃなくてあいつらだけどな。まあ正直、あいつらの攻撃力がギアにも通るって分かった時はかなり安心したよ」
マルー「……怖くは、ないのかな」
提督「さあ、どうだろうな。前に俺も同じことを聞いたら『大丈夫だ』としか言われなかったし、俺としてはその言葉を信じるしかないな」
マルー「ふーん、そうなんだ。……いいなあ」
提督「あん?何が?」
マルー「い、いや、何でもない!こっちの話」
提督「ふーん。あ、そういやウチの残りの奴らはどこ行ったんだ?」
マルー「うん、自分が出来そうな事を探すって言ってあちこちに散らばっていったよ。ヘンな格好してるけど、みんないい人たちだね」
提督「格好だけじゃなく中身も色々と難ありだけどな。それじゃ、食い終わったら様子見にいってみるか」
マルー「あ、ボクも付いてくよ。この艦広いから案内役がいたほうがいいでしょ」
提督「そりゃ助かるな。是非お願いするよ」
マルー「任せてよ。ね、その代わりにさ、キミたちの話もっと聞かせて欲しいな」
提督「おう、いいぞ。それじゃさっさと食っちまうか」
マルー「うん、そうだね」
メイソン「どうやら、すっかり打ち解けてしまったようですな」キュッキュッ
金剛「ぐぬぬぬ、私のテートクが……」
榛名「お姉様、流石にそれは見境がなさ過ぎると思います……」
***
227 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/03(日) 16:46:12.43 ID:QnoRPYnZo
今週はここまでです。ではまた来週。
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/04(月) 23:11:22.65 ID:CNmBHg+r0
遅ればせながら乙なのです、
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/05(火) 04:56:52.78 ID:VgVZ9Jc70
乙
230 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/09(土) 19:08:37.34 ID:8dgm6wi0o
こんばんは。駆け足で今週の投稿を済ませます。
231 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/09(土) 19:09:54.24 ID:8dgm6wi0o
提督「さて、まずはどこから連れてってくれるんだ?」
マルー「うーん、どうしようかな」
提督「決めてなかったのかよ」
マルー「うん、確かに案内するとは言ったけど、他の人たちがどこに行ったかは知らないからね。提督の方が心当たりがあるんじゃないの?」
提督「いや全く」
マルー「え、即答?」
提督「ああ、大分長い付き合いになるが、あいつらの考えてることは未だによくわからん。今この瞬間にひょっこり現れても……」
夕立「あ、提督さんとマルーちゃん」
マルー「うわあ!?」
提督「ほらな」
232 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/09(土) 19:10:37.03 ID:8dgm6wi0o
夕立「二人ともどうかしたっぽい?」
提督「なんでもない。夕立は何してるんだ?そんなでかい箱抱えてよ」
夕立「これ?ギアショップのお手伝いで弾薬を運んでるっぽい」ジャラジャラ
マルー「そ、その中身全部弾薬なの?重くない?」
夕立「ちょっと重いっぽい」
マルー(普通ちょっとどころじゃないと思うんだけどなあ)
提督「夕立、他の連中がどこに行ったかわかるか?金剛と榛名以外の」
夕立「えーと、他の人は知らないけど、大鳳さんならギアハンガーにいるっぽい」
提督「大鳳か。よし、そんならまずはギアハンガーだな」
夕立「提督さんも一緒に来るの?」
提督「ああ、みんなの様子を見て回ろうと思ってたからな」
夕立「やった!それじゃ行きましょ、提督さん!マルーちゃんも!」
提督「はいはい、そんなに急がんでもちゃんと行くよ」
マルー「結局、ボクが道案内しなくてもよさそうだね」
提督「なんか悪いな。ギアハンガーから先は頼りにさせてもらうからよ」
マルー「あ、いや、別に怒ってる訳じゃないから謝らなくていいよ!それよりほら、早く行かないと置いてかれちゃうぞ!」グイッ
提督「おわっ!わかったから引っ張るなって!」ズルズル
***
233 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/04/09(土) 19:13:47.24 ID:8dgm6wi0o
今週はここまでです。短いついでですが、来週はお休みになります。元気のGは激務のG状態なので。
代わりにGW中にがっつり書いていく予定です。……気力があれば。
それではおやすみなさい。
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/09(土) 20:34:20.18 ID:hN0z/R9J0
G元気W沸いてきた
になると良いな
乙
235 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 20:44:13.75 ID:172eftkjo
お久しぶりです。とんでもなく遅くなりました。GW中に完全にサボっていたせいです。言い訳のしようも無い……。
今後はまた土曜日に投稿していきますので、よろしければお付き合いください。
では、21時から投稿を始めます。
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/07(土) 21:03:31.23 ID:tru3ff3Io
乙。
237 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 21:10:52.19 ID:172eftkjo
〜ギアショップ〜
夕立「おばちゃん、言われた物持ってきたっぽい」
おばちゃん「ご苦労様、夕立ちゃん。そこの隅に……って夕立ちゃん!?それ手で抱えてきたの!?」
夕立「そうだよ?あ、ここに置けばいいっぽい?」
おばちゃん「え、ええ。凄いわね。男手でも二人がかりでやっとって重さのはずなんだけど……」
夕立「はい、おしまいっぽい。次は何すればいいの?」ガシャン
おばちゃん「そうねえ、それじゃお掃除でも……あら、そこにいるのはマルー様じゃありませんか」
マルー「こんにちわ、おばちゃん。どう、繁盛してる?」
おばちゃん「いつも通りって感じですよ。この所は大きな戦いもありませんでしたし」
マルー「そっか」
238 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 21:18:32.38 ID:172eftkjo
夕立「提督さーん!」ピョーン
提督「おぐえ」ガッ
夕立「さっきの荷物ちゃんと運べたっぽい!ほめてほめて!」グリグリ
提督「よ、よくやったな夕立。次は俺の首をへし折らないようなスキンシップを覚えてくれ」ナデナデ
マルー「……」
おばちゃん「それじゃ、あんたが夕立ちゃんが話してた提督かい」
提督「あ、はい、どうも」
おばちゃん「夕立ちゃんはよくやってくれてるよ。まだしばらく借りる事になるけどいいかい」
提督「ええ、本人もやる気みたいですし」
夕立「夕立がんばるっぽい」
239 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 21:29:21.70 ID:172eftkjo
提督「おう、それじゃしっかりな」
夕立「はーい!おばちゃん!早く次のお仕事が欲しいっぽい!」
おばちゃん「それじゃ棚の整理でも頼もうかね」
夕立「お任せっぽい!」
提督「それじゃ俺達は行くか」
マルー「そうだね。それじゃおばさん、ボク達はこの辺で。頑張ってね夕立ちゃん」
おばちゃん「またいつでも来てくださいね」
夕立「ぽいぽいぽいぽいぽいぽい!」ササササ
***
240 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 21:40:45.08 ID:172eftkjo
提督「よし、次は大鳳だな」
マルー「うん。で、どこにいるか知ってるの?」
提督「……あ、夕立に場所聞くのすっかり忘れてた」
マルー「もー、ダメじゃないか!もう一回戻って聞いてこなきゃ」
提督「いや、それはやめとこう。働いている夕立に横槍入れたくはないからな」
マルー「それじゃあどうするのさ」
提督「ハンガーのどこかにいるってのは分かってるんだ、見物がてら歩いて探そうぜ。せっかく可愛い案内役もいることだし」
マルー「あはは、何それ!急に褒めたって何もしてあげないよ!」
提督「でも案内はしてくれるんだろ?」
マルー「もちろん、約束だからね。じゃあ早速目の前にあるハンガーから説明してあげるよ」
提督「ショップの一番近くにあるハンガーか」
241 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 21:47:06.55 ID:172eftkjo
マルー「ここはいつもフェイのヴェルトールが使っているハンガーだよ。今は先にシェバトに上がっちゃってていないけどね」
提督「あのギアか。何でもどこぞの軍の最新型らしいな」
マルー「うん。キスレブ軍が最先端の技術で建造したらしいよ」
提督「……なあ、前から気になってたんだが、フェイは何だってあんなギアを持ってるんだ?あいつはただの民間人だろ?」
マルー「うん。ヴェルトールは元々フェイのものじゃなくて、キスレブの工場からアヴェ軍の特殊部隊が盗み出したものだったんだ。
その部隊がイグニス大陸の端にある村の近くでキスレブ軍と戦闘になって……」
提督「その村に住んでたフェイが偶然ヴェルトールに乗り込んで村を守った。それ以来ずっとフェイが使っている。って所か」
マルー「よく分かったね」
提督「少し前にその戦闘の事は聞いてたからな。まさかこんな所で当事者と知り合うとは思わなかったが。
で、その村はどうなったんだ?」
マルー「……なくなっちゃったってさ。村の人も大勢死んだって、シタン先生が言ってた」
提督「そうか……。フェイも浮かばれねえな」
マルー「大変だよね。最初はフェイも落ち込んでたらしいんだけど、最近はすっかり元気になったよ」
提督「俺が最初に会ったときも飯をたらふく食ってたからな。あの様子なら大丈夫だろ」
242 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 22:04:39.98 ID:172eftkjo
マルー「さ、そろそろ次に行こうよ」
提督「よし、そうするか」
マルー「それじゃ隣のハンガー。若のブリガンディア専用のハンガーだよ」
提督「おう、いつ見ても見事に真っ赤だな」
マルー「へへっ、かっこいいでしょ!若の為に皆で改造したんだよ!」
提督「へえ、最初からこの形だった訳じゃないのか」
マルー「うん。シタン先生が乗ってたギア、あるでしょ。名前はヘイムダルって言うんだけど、元々ブリガンディアとヘイムダルは同じ場所から発掘された同型機だったんだ」
提督「あ、それで思い出したんだが、何だってこうも砂とか海の中からギアがポンポン出てきて、しかもそれをアヴェとかキスレブとかが奪い合ってるんだ?
そんな事しなくても自分達で造ればいいんじゃねえのか?」
マルー「それができれば戦争なんて起こってないと思うよ、提督」
提督「どういう事だ?」
243 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 22:12:07.13 ID:172eftkjo
提督「どういう事だ?」
マルー「ギア本体はともかく、スレイブジェネレーターの製造方法は誰も知らないんだよ。だから皆大昔の遺跡からの出土品を巡って争っているんだ。
その一番大きなものがアヴェとキスレブの対立なんだけど……提督、もしかして知らなかった?」
提督「初耳だ。タムズでアヴェとキスレブの事を聞いたときにはそんな細かいところは聞かなかったからなあ」
マルー「って事は、それまであんな大きな国の事も知らなかったって事かい?」
提督「あ、あー……まあ、それまではとんでもないド田舎に住んでたからな!ははは!」
マルー「一体どんな所なのさ……」
提督「まあ、ちょいと治安は悪いが、海に面してる賑やかなところだよ。さ、次いこうぜ」
マルー「なんだかものすごく誤魔化された気がする……」
***
244 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 22:14:34.65 ID:172eftkjo
大鳳「……ですから、このトリガーを引けばこの子達が射出される仕組みになっています」ジャキ
整備員A「へえ、こんなちっちゃなモンが自分の意識を持って戦闘するっつーのか」シゲシゲ
大鳳「ええ」
整備員B「んで、こいつの武装は一体どんくれえの威力なんだ?」
大鳳「そうですね。以前襲撃してきた剣を持ったギア、あれくらいの装甲でしたら数発で突破できると思います」
整備員B「たった数発!?そりゃとんでもねえ威力だな」
整備員A「それで、お嬢ちゃんの話ってのは何なんだ?」
大鳳「実は、これまでの戦闘でこの子達をかなりの数失ってしまっていて……その修理をお願いしたいのです」
整備士A「おいおいお嬢ちゃん、こんな見たこともないモンの修理なんざ出来るわけねえだろ。お嬢ちゃんは自分の装備を直せないのか?」
大鳳「鎮守府の工廠ならともかく、専用の設備のないここではとても……。ここにもボーキサイトは無いようですし」
整備士B「うーん、よくわからねえが、こいつの言うとおり専門家のお嬢ちゃんが直せないってんじゃ俺達も手伝いようがねえよ。悪いな」
大鳳「……そう、ですか。すみません、お手伝いすると言ったはずなのに、逆にお時間取らせてしまって」
整備士B「それはいいんだがよ……おお、そうだ。そいつの修理の話ならソラリスの嬢ちゃんにしてみたらいいんじゃねえか」
大鳳「ええと、どなたの事でしょう」
整備士B「名前は確かエリィっつったっけか。あのお嬢ちゃんが乗ってたギアに似たような武装があったはずだぜ」
大鳳「それは本当ですか!?」
整備士A「……ああ、エアッドの事か。アレも俺達には手が出ないシロモンだったなあ」
245 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 22:15:58.66 ID:172eftkjo
大鳳「エアッド……ですか。一体どんな武装なんですか?」
整備士A「ギア本体から小型の端末を射出、それを搭乗者が操作してオールレンジ攻撃を行う……って感じらしいんだが、正直なところよく分からん。なんせソラリスの試作兵器だからな」
大鳳「小型機を射出しての攻撃……。確かに艦載機に似ています。それでは、エリィさんに聞けば何か分かるかもしれないんですね?」
整備士A「かも知れないって程度だけどな」
大鳳「いえ、それでも十分です。教えていただきありがとうございます」
整備士A「ま、結局シェバトに着くまではそれも聞けねえんだ。代わりと言っちゃなんだが、それまでたっぷり働いてもらうぜ?」
大鳳「もちろんです。お任せください!」
整備士B「よーし、話は済んだし、そろそろ作業に戻るか。お嬢ちゃんにはまずハンガーの掃除でも頼もうかね。付いてきな」
大鳳「はい!」スタスタ
提督「……うん、頑張ってるみたいだな」
マルー「へえ、最初から思ってたけど、とっても真面目な人なんだね」
提督「おかげで色々と助かってるよ。俺は見ての通りシリアスな話は苦手だからな」
マルー「ははっ、確かに提督『めんどくせぇ』とかすぐに言いそうだもんね」
提督「え、俺そんな奴に見える?」
マルー「見える見える。ところで、さっきは声掛けなくてよかったの?」
提督「様子は見れたからな。俺が声掛けても邪魔になるだけだろ」
マルー「大鳳さん喜ぶと思うけどなあ」
提督「まあまあいいじゃねえか。それより後は……加賀さんと北上だけだな」
マルー「って言っても、今度は本当に何処行けば会えるか分からないよ?」
提督「北上はどうせまた子供のお守りでもしてるんだろうから居住ブロックだろ。加賀さんは……あー、分かった」
マルー「?」
提督「ブリッジの方に向かおう。予想が正しけりゃそこで加賀さんの行方がわかるはずだ」
***
246 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 22:18:20.96 ID:172eftkjo
〜甲板〜
加賀「……ソナーの感知にあった北東方面の物体はただの魚の群れのようです。その他東に視認できるものはないわ」
北上「西側も何も見えないよー。ま、あたしは肉眼だからそこまで遠くは見えないんだけどね」
加賀「そう。それでは後はしばらく私と艦載機で引き継ぎますから、貴方は甲板の掃除を続けていて頂戴」
北上「へーい」ゴシゴシ
提督「おっす」
マルー「二人とも、こんちわ」
北上「あ、提督とマルーじゃん。おっす」
加賀「おはようございます。休息は十分に取れたのかしら」
提督「お陰様でな。しかしまあ、二人が甲板で一緒に仕事してるってブリッジで聞いたときは心配したが、うまくやってるみたいじゃねえか」
北上「まあねー。こう見えて私、掃除とか嫌いじゃないしー」
加賀「ええ、特に問題は無いわ。提督は何か用事があったのではないの」
提督「いや、二人の様子を見に来ただけだよ。うまくやってるならいいんだ」
加賀「そう……。では、ここではなくほかの子達のところに行ってあげたらどうかしら」
提督「実はもう他の奴は見て回ってきたんだ。ここが最後だよ。ま、そういうことなら下に降りて俺も何か手伝ってくる事にするかね」
北上「そういう事ならさ、一緒にここ掃除しない?」
提督「ん?」
247 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 22:20:04.28 ID:172eftkjo
北上「いやさ、どうせなら二人でやったほうが楽かなーって」
提督「そうだなあ、他にすること無かったらこっち手伝う事にするか」
マルー「それじゃ、もし提督が来なかったらボクが手伝うよ」
北上「お、ありがたいねえ。待ってるよ」フリフリ
提督「ひとまずシグルド副長にもう一回会ってくるわ。じゃあな、二人とも頑張れよ」
マルー「加賀さん、北上さん、また後でね」
北上「ちぇ、逃がしちゃったか」
加賀「ぼやいている暇があったら掃除したらどうかしら」
北上「まあまあ、そんな焦らなくてもしっかり終わらせるって」
加賀「……本当にそうだといいのだけれど」
***
248 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/07(土) 22:23:13.51 ID:172eftkjo
今日はここまでです。
ではまた来週。
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/07(土) 22:25:01.98 ID:tru3ff3Io
乙。
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/07(土) 22:46:55.58 ID:V49pGKEjO
乙
ゼノサーガにヴェルトールとイドが名前変わって出てきたときは鳥肌もんだったな。
251 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 01:29:56.08 ID:m1PZI7l0o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
252 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 01:34:38.14 ID:m1PZI7l0o
〜廊下〜
マルー「ところでさ」スタスタ
提督「なんだ?」
マルー「提督のコイビトって金剛さんだよね?」
提督「ききききき急に何言い出すんだ!?」
マルー「ちょ、ちょっと、動揺しすぎじゃない?」
提督「どど動揺なんてしてないぞ」ダラダラ
マルー「汗、汗!」
提督「い、いやこれはあれだ、その辺の天井から水漏れが……」
マルー「潜水艦でそんなことあったら大騒ぎだよ!もう、そんなに聞かれたくない事だったの?」
提督「そういう訳ではないんだが……。何でそう思ったんだ?」
マルー「いやあ、金剛さんが事あるごとにテートクのラブがどうだーって言ってたからさ、それ聞いたら誰でもそう思うでしょ」
提督(常日頃からあの調子だから忘れてたが、周りから見たらそう取られて当然だったな……。慣れって怖い)
253 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 01:39:44.05 ID:m1PZI7l0o
マルー「で、どうなの?金剛さんとはどこまでいったの?」ワクワク
提督「いやまあ恋人というか何というか、一応ケッコンはしてるんだよな。カッコカリだけど」
マルー「え!?結婚してたの!?うわー!流石にそこまでの仲だとは思わなかったなあ!そっかあ、だからあんなにラブラブだったんだね」
提督「ラブラブなんて言葉聞いたの何年ぶりだよ……。というかそんなにイチャついてるように見えてたのか」
マルー「うん。何処からどう見てもバレバレだったよ」
提督「……はあ、金剛にもう少し控えるように言わねえと駄目みたいだな。また榛名に何て言われるか……」
マルー「いやいや!夫婦ならどこで金剛さんとイチャイチャしてても誰も……ん?何でここで榛名さんの名前が出てくるの?」
提督「あ、ヤベッ」
マルー「……」ジー
提督「……」フイッ
マルー「……ねえ提督」
提督「……」ダラダラ
マルー「金剛さんとはどんな関係なんだっけ?」
提督「ケッコンしてます。カッコカリだけど」
254 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 01:44:06.92 ID:m1PZI7l0o
マルー「……カッコカリっていうのはよくわからないけど、とにかく結婚してるんだよね。じゃあ、榛名さんとはどんな関係なの?」
提督「……ケッコンしてます。カッコカリだけど」
マルー「っ!信じられない!そんなことやっちゃってもいいの!?」
提督「ま、待て待て!事情があるんだよ事情が!」
マルー「お嫁さんを二人ももらう事情ってどんな事情さ!」
提督「まあそりゃ色々と……」
マルー「……提督がそんな人だとは思わなかったよ。もう知らない」スタスタ
提督「もう知らないって……あ、おい」
提督「まさか弁明すらさせてもらえんとは。まあ、確かに傍から見ればとんでもない事なんだよなあ。ほんとに慣れって怖いわ」
提督「……あれ、ブリッジってどっちだっけ」
***
255 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 01:50:32.24 ID:m1PZI7l0o
〜次の日〜
マルー「……」ジー
金剛「ヘイハルナ!ブレックファストが出来上がったヨー!あっちのテーブルに運んでくだサーイ!」
榛名「お任せください!」カチャカチャ
メイソン「金剛様、お茶の用意をお願いいたします」
金剛「イエース!」
マルー(昨日は勢いで提督にあんな事言っちゃったけど、やっぱり一番は本人達が納得してるかどうかだよね)
マルー(そう思って金剛さん達に直接聞こうと思って来たんだけど……)
マルー(流石にいきなり『提督が2人と結婚してることをどう思ってる?』って聞くのもどうかと思うし)
マルー(そもそも2人はお互いにそのことを知ってるのかな、それすらわからないや)
マルー「うーん……どうしよう」
夕立「ふああ……マルーちゃん、おはようございますっぽい」
マルー「うわあ!ゆ、夕立!?」
夕立「こんな植木の隅っこに立って何してるの?かくれんぼっぽい?」
マルー「な、何でもないよ!ちょっと落し物をしちゃってさ、へへ」
256 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 01:53:19.41 ID:m1PZI7l0o
夕立「そうなの?夕立も一緒に探すっぽい」クンカクンカ
マルー「犬じゃないんだからにおいじゃ探せないでしょ……じゃなくて、落し物ならもう見つかったから大丈夫だよ。ありがと」
夕立「そうなの?それじゃ一緒に朝ごはん食べに行きましょ!」グイグイ
マルー「わわ、ちょっと!」
夕立「金剛さん、榛名さん、メイソンさん、おはようございますっぽい」
金剛「オーウ、ユーダチ、マルー、グモーニンネー!」
マルー「あ、うん、おはよう」
メイソン「おや、マルー様、ご気分でも悪いのですかな?」
マルー「え、いや、そんなことないよ!」
メイソン「それなら宜しいのですが。あまり若に心配をかけてはいけませんぞ」
バルト「俺がなんだって?」
マルー「わ、若!」
メイソン「おはようございます、若。この時間に朝食とはお珍しい。ブリッジの方は宜しいのですかな?」
バルト「ちょっと手が空いたんでな。先に食って来いってシグに言われてよ」
金剛「それならナイスタイミングネー!丁度仕度がフィニッシュした所だヨー!」
榛名「さあ皆さん、こちらにお座り下さい」
257 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 01:57:00.71 ID:m1PZI7l0o
バルト「おう、悪ぃな」
夕立「加賀さんと北上さんは?」
バルト「加賀は甲板で哨戒してくれてる。あの索敵能力には全く大助かりだぜ」
榛名「夕立さん、食べ終わったら呼びに行っていただけますか?その間に加賀さんの朝食も用意しておきますので」
夕立「はーい!」
マルー(いい人たちなんだけどなあ……)
マルー「ねえ夕立」
夕立「うん?どうしたのマルーちゃん」
マルー「金剛さんと榛名さんのことなんだけどさ、2人は姉妹なんだよね?」
夕立「そうだよ?」
マルー「昔からあんなに仲良しなの?」
夕立「うーん、夕立はあの人たちより後に鎮守府に来たからそれより前のことはわからないけど、夕立が来てからは四人でずっと仲良くやってるっぽい」モグモグ
マルー「え、四人?」
夕立「うん。今は一緒じゃないけど、金剛さんと榛名さんにはあと2人姉妹がいるっぽい」
マルー「へ、へえー……」
マルー(まさか全員提督とけっこ……いやいやまさか)
マルー「じゃ、じゃあ、提督と金剛さん達の事なんだけどさ……」
258 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:07:33.61 ID:m1PZI7l0o
夕立「何か気になるっぽい?」
マルー「提督から結婚してるって話を聞いたんだけど、それって本当?」
夕立「うん、ケッコンしてるっぽい」
マルー「……!へ、へえー、本当だったんだ。ちょっと信じられないなあ」
夕立「ほら、金剛さんが指輪してるでしょ?あれがケッコン指輪っぽい」
マルー「へえー、確かに指輪してるね。他の飾りが一杯ありすぎて気づかな……」
夕立「どうしたのマルーちゃん?」
マルー「えーと、榛名さんの手にも似たような指輪が付いてるんだけど」
夕立「榛名さんも提督とケッコンしてるんだから当たり前っぽい」モグモグ
マルー(って、みんな知ってるの!?)
マルー「夕立ちゃんはそれでいいの?提督は皆の提督なんでしょ?」
夕立「そうだよ?提督さんは提督さんっぽい。皆を勝たせてくれる、とっても凄い人っぽい」
マルー「その凄い人がふ、ふ、2人と結婚してるなんてさ、夕立ちゃんは許せるの?」
259 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:10:01.46 ID:m1PZI7l0o
夕立「?よく分からないけど、金剛さん達が先にケッコンするのは当たり前っぽい。夕立よりもずっと長く頑張ってたんだから。
夕立ももっと戦って、強くなって、提督さんから早く指輪もらいたいっぽい!」
マルー「ふーん、夕立も提督とけっこ……ってえーっ!?」ガタンッ!
夕立「ぽいっ!?」ビクッ
バルト「うおっ!どうしたマルー!?メシにネズミでも紛れ込んでたか!?」
金剛「ワット!?失礼しちゃうネ!そんなことあるはずないデース!」
マルー「ちょっと若は黙ってて!金剛さんもなんでもないから、ご飯はおいしいから大丈夫だよ!」
バルト「な、なんでえ、人が心配してやったってのに……」モグモグ
夕立「マルーちゃん大丈夫っぽい?」
マルー「う、うん大丈夫……じゃなくて!」
マルー「頑張って提督と結婚するってどういうことさ!提督は金剛さんと榛名さんと結婚してるんでしょ!?」ヒソヒソ
夕立「金剛さんと榛名さんは指輪がもらえるくらい強くなったからケッコンしたっぽい。夕立もそれくらい強くなったら指輪をくれるって提督さんと約束したっぽい」
マルー(つ、強くなったら!?)
260 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:11:25.16 ID:m1PZI7l0o
マルー「……えーと、夕立ちゃんがそのうち提督と結婚するってこと、あの2人は知ってるの?」
夕立「とーぜんっぽい」ズズズ
マルー「そ、そうなんだ……」
マルー(もう訳が分からないよ……)
夕立「ふう、ごちそうさまっぽい!」
榛名「はい、お粗末さまでした」
夕立「それじゃ加賀さんたち呼んでくるね!マルーちゃんは?」
マルー「……ボクはもうちょっとゆっくり食べていくよ……」
夕立「それじゃまたね!」タッタッタ
マルー「……はあー、あの人たちは一体どうなってるんだろ」モグモグ
榛名「マルーさん」
261 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:11:55.88 ID:m1PZI7l0o
マルー「ひゃいっ!?」ビクッ
榛名「あ、ご、ごめんなさい!驚かせるつもりはなかったんです」
マルー「い、いや、へへ、ちょっと考え事してたからさ。で、どうしたの榛名さん」
榛名「夕立さんと話してからマルーさんが暗い顔をしてらしたので……先ほども何やら驚かれていたようですし、夕立さんと喧嘩でもしたのではないかと」
マルー「ううん、そういうことはないから安心してよ」
榛名「そうですか……では、朝食がお口に合いませんでしたか?」
マルー「そんなこともないよ。とってもおいしい」
榛名「そうですか。良かったあ……」ホッ
マルー(……優しい人だなあ、榛名さん)
マルー「榛名さんはとってもいい人だね。榛名さんだけじゃなく、提督と一緒に来た皆もだけどさ」
榛名「ふぇっ!?そ、そんな、榛名はそんな立派なものでは……」
マルー「ううん、ボクにはわかるよ。こう見えて色んな人を見てきたからね。人生経験豊富なオンナってこと!」
榛名「は、はあ」
262 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:12:41.38 ID:m1PZI7l0o
マルー「そんなボクが言うんだから間違いないよ。榛名さん達はとってもいい人たちさ!」
榛名「ありがとうございます。マルーさんもとっても素敵な方なんですね」ニコッ
マルー「へへっ!」
マルー(そうだよね、こんないい人たちなんだもん、きっと何か事情があるんだよね、多分)
榛名「それで、結局なんだったのですか?別のお悩みがあったのですか?」
マルー「まあね。榛名さん達の提督の事でちょっと……」
金剛「ノーッ!『榛名さん達の』ではなく『私の』テートクネーッ!」ピョーンッ
榛名「なっ!『榛名たちの』でいいではないですか!」ガッ
金剛「駄目ネ!ここは譲れないネー!」グググ
榛名「か、加賀さんに怒られてしまいますよ!」グググ
メイソン「これ!いくら客人といえども、ガンルームでの粗相はこの爺が許しませんぞ!」ズカズカ
マルー「……あ、あれー?」
***
263 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:14:01.26 ID:m1PZI7l0o
今週の分は以上になります。
今更ですが、質問等あれば書き込んでいただければ次の週にお答えしていこうと思います。
それではまた来週
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/15(日) 05:58:24.96 ID:cK88KC0z0
おつおつ!
265 :
須賀鎮守府
:2016/05/15(日) 06:04:30.46 ID:3ye3/6SQ0
〇って誰
メイソンって誰
鼻水禁止
266 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:18:58.09 ID:iuQW4RpOo
こんにちは。すっかりお昼ですが投稿を始めます。
>>265
どちらもゼノギアスのサブキャラクターです。簡単に紹介すると、
マルー:砂漠の国アヴェの一大宗教「ニサン教」の教皇。超可愛い。
メイソン:バルトお付の執事。武闘派おじいさん。超渋い。
鼻水の意味はちょっと分からないです……。
267 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:20:34.41 ID:iuQW4RpOo
〜ギアドック〜
大鳳「ふむふむ」ペタペタ
大鳳「むう」ペタペタ
大鳳「……なるほど」
リコ「おい」
大鳳「はい?」
リコ「はい?じゃねえ」
大鳳「貴方は……ええと、リコさん、でしたっけ」
リコ「そうだ」
大鳳「あの、私になにか御用でしょうか」
268 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:22:02.75 ID:iuQW4RpOo
リコ「そりゃこっちのセリフだ。俺のシューティアにべたべた触りやがって。何のつもりだ?」
大鳳「も、申し訳ありません。勝手に触ったりして……」
リコ「……いや、いい」
大鳳「はあ……」
リコ「……」
大鳳「……」
大鳳(怒らせてしまったかしら……)
リコ「それで」
大鳳「は、はい!」ビクッ
リコ「何故俺のギアを触っていた?」
大鳳「それは、その」
リコ「……別に、怒ってはいない」
大鳳「え?」
269 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:24:05.21 ID:iuQW4RpOo
リコ「本当に、ただ気になっただけだ」
大鳳「え、ええと……」
バルト「おいコラ、なーにウチの客人を困らせてんだぁ?」
リコ「ああ?別に困らせてなんかいねえよ」
バルト「どうだかなぁ?どう見ても困ってるぜ」
大鳳「ば、バルトさん!いえ!私が悪いんです!勝手にリコさんのギアに触ったりしたので」
リコ「何でそんな事をしてたのかって聞いてただけだ」
バルト「ふーん。ただ単に珍しかったからじゃねえの?」
リコ「なんだ、そうなのか?」
大鳳「そういうわけでは……。少しギアの装備を見させて頂いていたんです」
バルト「装備ぃ?」
大鳳「はい。もしかしたら今後の戦闘に役立つのではないかと」
270 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:26:19.92 ID:iuQW4RpOo
バルト「戦闘ったってアレだろ?あんたは銃みたいなのでちっこいのを飛ばすのが役目で、今はそのちっこいのがほとんど底を尽いてるって話じゃねえか。
どう頑張っても生産できそうにないってウチの整備班が泣いてたぜ」
大鳳「その通りです。今の所は私の艦載機を新しく補充する方法はありません」
大鳳「だけどそれはいいんです。提督が『何とかする』とおっしゃっていましたから」
リコ「で、それなら何でここにいるんだ」
大鳳「その……艦載機補充の目処が立つまで、代わりの何かを使って戦闘が出来ないものかと考えたんです」
バルト「はあ!?ギアの装備を使おうってのか?」
大鳳「まさか、流石にギア用の武器は私達にも扱えません」
大鳳「ただ、私達の艤装にもスレイブジェネレータが搭載されていますので、それをうまく使えれば、と思っています」
リコ「なるほど、話は分かった」
バルト「ああ。しかし意外だったな」
大鳳「何がでしょう?」
271 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:27:42.87 ID:iuQW4RpOo
バルト「金剛とか加賀とかはともかく、あんたはあんまり戦いたがらなさそうに見えたからな」
大鳳「そんなことはありません!この大鳳、提督のご命令があればいつでも出撃する覚悟です!」
バルト「お、おうおう。分かったからそんなに熱くなるなよ。まあそれはとにかく、代わりになりそうな武器の話だったな」
リコ「簡単な話だ。俺達みたいに格闘戦をやりゃいいんだ」
大鳳「ええ!?殴ったり蹴ったりしろ、と言う事ですか?」
バルト「いくらなんでもギアとかデカいモンスター相手にそれは無理だろ」
リコ「フン、誰が素手でやれなんて言った?俺のシューティアの左手を見てみろ」
大鳳「……ドリルになってますね」
バルト「おい、まさか」
リコ「お前の腕にも付ければいいだろ、ドリル」
272 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:30:00.60 ID:iuQW4RpOo
バルト「ぶっ!?」
大鳳「う、腕がドリルになるのはちょっと……。生活に支障が出るでしょうし」
バルト「そこかよ!」
リコ「何もそこまで真似するこたぁねえだろ。腕に取り付けるような物にすればいい。ドリルはいいぞ!戦艦の外殻だろうがギアの装甲だろうがブチ抜ける」
大鳳「そう言われるととても魅力的に聞こえますけど……」
バルト「待て待て!そういう事ならもっといいモンがあるぜ!」
リコ「あ?」
バルト「ズバリ!鞭だ鞭!ドリルよりもリーチがあるし、ただ打つだけじゃなく色々と使い道もあるぜ!」
リコ「バカめ、あんな扱いにくい物をすぐ使えるようになるわけがないだろう。その点ドリルは問題ない。相手に叩き込むだけだからな」
大鳳「え、あの」
バルト「確かに最初は大変かもしれないけどよ、ドリルよりはずっとましだと思うぜ。大体なんだよドリルって。トンネル掘ろうってんじゃねえんだからよ」
大鳳「ちょっ」
273 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:32:46.72 ID:iuQW4RpOo
リコ「フッ、ドリルの良さが分からんとは、貴様のようなヤツは鞭なんてヘニャヘニャした物を使っていればいい」
バルト「てめえもういっぺん言ってみやがれ!こいつは俺の一族に代々伝わる伝統的な武器だぞ!それをバカにするたあ許せねえな!」
リコ「ほう?俺のドリルに文句つけたヤローが随分と偉そうじゃねえか」
大鳳「お2人ともそれくらいで……」
リコ「そこまで言うなら仕方ねえ。こいつにどっちの方が良いか決めてもらうとしよう」
大鳳「お2人のお話はよく分かりましたので……えっ」
バルト「上等だ!おう大鳳、さっさと決めてくれよ。モチロン鞭だよな?」
大鳳「えっえっ」
リコ「これまでの話で鞭などを選ぶはずがあるまい。当然ドリルだろう」
大鳳(どうしましょう……ギアを見せていただいた手前、リコさんの肩を持つべきでは……いえ、そんな選び方はリコさんに失礼です。かといってどちらを選ぶかと言われると……)
274 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:33:20.80 ID:iuQW4RpOo
バルト「おい、どうなんだ?」
リコ「……早く、しろよ」
大鳳「……もう少し考えさせてくださいっ!」ダッ
バルト「あっ!おい!」
〜翌日〜
大鳳「……」
提督「おーっす、大鳳。お前も朝飯か?」
大鳳「……提督」
提督「ん?どうしたよ、そんな深刻そうな顔して」
大鳳「腕をドリルにするのと腕に鞭を生やすの、大鳳はどちらを選べばいいのでしょう……」
提督「!?」
***
275 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:34:29.55 ID:iuQW4RpOo
今日はここまで。それではまた来週
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 15:08:58.83 ID:/+Zbb9V80
乙。
間を取ってチェーンフレイルにしよう。
実際エグい。
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 18:22:38.46 ID:6r7F9k2WO
鞭使ってるのって伝統的な武器だからじゃなくて、トラウマ克服する為じゃなかったか?
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 19:14:07.19 ID:M03aqcTTo
トラウマから来る夜恐症克服と明言されているけど鞭と先祖に関しては明言されていない
で、ご先祖様のギアには鞭が初期装備されてる
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 19:48:16.24 ID:VLk8mtSro
乙。
縄鏢にしょう。
近接、遠距離いけるぞ。
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/23(月) 18:02:06.00 ID:RHtSoCXdO
>>278
E・アンドヴァリはメカデザの人の勘違いで、ブリガンディアの強化版として描かれているから鞭持ってるのは当然なんだよね
で、結局鞭が伝統的な武器っていう根拠はあるの?無いの?
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/23(月) 20:51:30.64 ID:1PJOCUALo
アヴェの伝統的な武器って資料集に書いてるぞ
282 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:11:32.32 ID:gFitI2Yxo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
鞭の話については
>>281
で指摘して頂いたとおり、設定資料集のバルトのトラウマ克服の部分に一緒に記載されていた……と思います。
283 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:17:54.80 ID:gFitI2Yxo
〜ブリッジ〜
提督「遅れてすまない」バシュ
バルト「おう、全くだぜ提督。一体どこで油売ってやがった?」
提督「いや、大鳳が改造人間になるのを止めてたらな」
バルト「???」
提督「ま、まあそれはいいだろ。それより何の用だ?」
シグルド「あと数時間ほどで指定のポイントに到着する。一つはその知らせだ」
提督「お、いよいよシェバトか。空飛ぶ国なんて初めてだからな。早速他の奴らにも知らせるよ。で、他の話ってのは?」
バルト「おう、実はこっちが本題でな。お前ら、シェバトに着いたらどうする気だ?何の為にあの国に行くんだ?その辺を聞いとこうと思ってよ」
提督「それは……」
284 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:19:31.53 ID:gFitI2Yxo
提督(うーん、どこまで話したもんかな)
提督(実は異世界から来ました、なんて急に言うのもなあ。シタンの先生のときみたく上手く行くとも限らんし)
バルト「どうした?」
提督「いや、まあ、観光が半分、調べ物が半分って所かな」
バルト「調べ物ぉ?」
提督「ああ。あの子らの装備の事でな。ほら、加賀と大鳳の艦載機とか、どうやって補給するのか全く分かってないだろ?」
バルト「ああ、その話なら本人からも聞いたぜ」
提督「そうそう。国土そのものを空に飛ばすくらい技術の進んでる国なら、もしかしたら何とかなるかもしれないと思ってな」
提督(ま、嘘は言ってないよな)
バルト「ほーう?そんなことの為にここまで来たのか。ご苦労な事だぜ」
提督「俺達にとっては『そんなこと』じゃ済ませない重要事項だからな。あれが補給できなきゃウチの戦力は半減以下だ」
285 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:20:40.32 ID:gFitI2Yxo
バルト「ま、そっちの事情は分かった。これからも仲良くやっていけそうだし、どうだ、このままウチのクルーになるってのはよ?」
提督「はは、ありがたい申し出だが、先のことはシェバトでの収穫次第だな。それまで返事は待ってて貰いたい」
バルト「構わねえよ。こっちはいつでも歓迎だぜ」
提督「すまないな。それじゃあ、あいつらに準備をさせてくるよ」スタスタ
シグルド「……若」
バルト「ああ、わかってる。あいつの話、ウソはついてねえが何か隠してるって感じだったな」
シグルド「では……」
バルト「だが俺達を騙そうって感じでもなかった。あいつらにも何か事情があるんだろ」
シグルド「しかし」
バルト「提督の言うとおり、シェバトにいる間は様子見でいいだろ。どうせあいつらだけじゃ外には出られねえんだしよ」
シグルド「……わかりました」
***
286 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:21:54.23 ID:gFitI2Yxo
今回はここまで。次回からやっとこシェバト編です。それでは。
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/30(月) 22:22:12.91 ID:EXvk4DL0O
マリア!マリア!マリア!
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/31(火) 09:08:59.44 ID:cAq+t0WPO
乙
ロリババアはよ!ロリババアはよ!
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/31(火) 13:01:53.70 ID:Vfz/UllRo
乙でした。
おまいらw
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2016/06/01(水) 13:48:10.59 ID:EaPIalPi0
流石にバベルタワー昇りはやらないか・・・
この艤装設定だと提督がいた時代はもう・・・誰がミァンになったのだろうか
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/04(土) 09:02:22.83 ID:jlCde6jHO
世界線じゃなくて時間移動しただけだとすると艤装やら弾薬の辻褄は合うけど、それ以上に矛盾する設定が出てくるからなぁ
292 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:46:44.76 ID:QVf3hc6Oo
お待たせしました。寝る前にささっと投稿を始めます。
艦これ世界とゼノギアス世界は過去未来の関係ではないです。そもそもゼノギアスの舞台は地球ではありませんし……。
293 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:49:16.95 ID:QVf3hc6Oo
〜シェバト ドック・フロア〜
マリア「お待ちしておりました。ここは空中都市シェバトの最下層部に位置するドック・フロア。わたしはマリア・バルタザールといいます」
バルト「俺はバルト。ユグドラシルの艦長だ。……ん?バルタザール?」
マリア「ええ。貴方とフェイさんはわたしのお爺さんと面識があるそうですね」
バルト「バルタザール、爺さん……ああ!アヴェの地底にいたヘンクツじーさんのことか!いっやあ、まさかあのクソじ……じいさんにこんなおチビさんの孫がいるたあな」
マリア「わたしはおチビさんではありません!それに、バルお爺ちゃんもク、クソ爺ぃなんかじゃない、ぜったい!」
バルト「悪かったよ。そう怒るなって、おチ……マリア。べつに悪気はなかったんだ。ごめん、ゴメン」
マリア「ゴメンは一度言えばわかります」
提督「あー、それで、フェイたちは何処に?」
マリア「今はゼファー女王にお会いになっていますが……貴方は?」
提督「俺は提督。バルト達の……あー、どんな関係だろう」
バルト「もちろん!戦友ってヤツだろ!」
バルト(くうーっ!一度言ってみたかったんだよな!『戦友』ってセリフ!)
294 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:50:05.20 ID:QVf3hc6Oo
提督「戦友か、いい響きだな。まあ、そういう関係だ。ちょっと知りたいことがあってここまで付いてこさせて貰った。よろしくな」
マリア「よろしくお願いします。しかし」
北上「ちょっと提督ー、置いてくなんてひどいでしょー」
金剛「全くデース!テートクはもっとレディの扱いを……ン?」
マリア「?」
金剛「ワオ!お人形さんみたいでベリィキュートなガールネー!」ダダダダ ガバッ
マリア「きゃあ!」
金剛「んふふふふふフウゥー!」ギュー
マリア「し、失礼な方ですね!誰ですか貴方は!ちょっと、離れてください!」モゾモゾ
榛名「お待たせしましたていと……お、お姉様!?」
夕立「うーん、久しぶりの揺れてない地面っぽい!」
大鳳「ええと、その、この状況は一体……」オロオロ
加賀「提督、説明してもらえるかしら」
295 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:50:31.24 ID:QVf3hc6Oo
提督「いや俺にもさっぱり……こら金剛、いい加減にしないか!」
金剛「ハッ!私としたことが完全に我を忘れてたネ……」
マリア「うぅ……」クシャ
金剛「ソ、ソーリーネ、キュートなガール。大丈夫ですカー?」
マリア「だ、大丈夫です」ポンポン
提督「本当にすまん。こいつらは俺の部下で、右から金剛、榛名、大鳳、北上、夕立、加賀だ」
一同「よろしくお願いします(ネー)(っぽい)」
マリア「よ、よろしくお願いします。それでは、ゼファー女王がお待ちですので、皆さんこちらへどうぞ」
バルト「提督はどうするんだ?」
提督「ん、俺達も女王に会わせて貰えるのか?マリア」
マリア「いえ、あなた方の事は何も聞かされていませんので何とも。一度お伺いを立ててきますので、その間に町の方の見物でもどうぞ」
提督「オッケー。それじゃ」
金剛「行くぞお前らデース!」
提督「俺のセリフ取るんじゃねえ!」
***
296 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:51:01.09 ID:QVf3hc6Oo
〜シェバト 表層〜
提督「で、勝手に浮かぶ椅子に乗って上に来たわけだが」
夕立「おおー、本当に浮いてるっぽい!」
北上「うひゃー、こりゃもしものことがあったらと思うとぞっとしないねえ」
提督(領土全体を覆っている膜みたいなのが『障壁』なのか?)
榛名「こ、こんな所に人が住んでるんでしょうか」
提督「マリアから聞いた話だと……お、あっちっぽいな。行くぞー」グッ
提督「ん?」
大鳳「……」ダラダラ
提督「ど、どうした大鳳。艦船がしてはいけないレベルの水漏れ起こしてるぞ」
大鳳「いひぇ、ななんでもないです」
提督「いやどう見てもやばいだろ」
297 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:51:27.10 ID:QVf3hc6Oo
榛名「大鳳さん、あなた」
北上「あそれ」トンッ
大鳳「わひゃああああああああああああああああ!!!」ギュー
提督「いだだだだだだだだ!!腕もげる!!」
金剛「!!!!!!」
北上「おおーう、これはまた意外」
提督「わかったから!わかったから大鳳!もうちょい優しく掴んでくれ!」
大鳳「すすすすみませんていとく」ガクガク
金剛「テートク!テートク!私も高いところ怖いネー!」ピョンピョン
提督「おーそうかそれはやべえな榛名に掴まっとけ」
金剛「ぶーデース」
夕立「提督さん、夕立早く行きたいっぽい!」
提督「そうだな。加賀さんは大丈夫か?」
加賀「当然です」スタスタ
夕立「楽しみっぽい!」タタタ
榛名「お姉様、大丈夫ですか?もし歩けないようでしたら榛名がお運びします」
金剛「ハルナ……その優しさが今は痛いデース……」トボトボ
大鳳「……」ガクガク
提督(歩きづれえ)ズルズル
***
298 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:52:01.74 ID:QVf3hc6Oo
今日はここまでです。それではおやすみなさい。
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 08:00:09.65 ID:+IZhTQPaO
ゼプツェンのとこに行くとマリアの身の上話と「夜空一杯の星を集めて」が聞けるイベントが入ってない、-1145148101919点
マリアが可愛い、889464893364364931点
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 15:31:23.85 ID:FumrNt0Ro
乙なのです。
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 17:26:23.38 ID:RoX5YWFbO
北上様はいつも良い仕事をしますね
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/12(日) 23:50:35.58 ID:75O+w717o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/12(日) 23:52:04.26 ID:75O+w717o
〜アウラ・エーペイル〜
提督「到着、と」
榛名「ここが……」
北上「アウラ……えーと、なんだっけ?」
加賀「エーペイル、よ」
北上「うへえ」
金剛「なんだか街っぽくないデース」
提督「確かにな。遺跡って感じだ」
榛名「でもどこか懐かしい感じもします」
大鳳「なななななんで町中の道も床がほとんどないんですか」
提督「ほとんどというか何というか、車一台通れるくらいの道幅しかないな……。一体どうなってんだ?」
304 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:52:51.04 ID:75O+w717o
老人「おや、おまえさんたち」
提督「ん?」
老人「見ない顔じゃが、おまえさんたちも下界から来たのかい?」
提督(『も』っつーのはフェイ達の事か)
提督「ええ、そうです」
老人「そうかそうか。遠いところからよく来なさった。ようこそ、天空をさすらう街、アウラ・エーペイルに」
提督「ここが本当に街なのか……」
老人「驚くのも無理はない。この街が賑わっておったのは遥か昔、ソラリスに敵対した独立自由国家シェバトの首都だった頃じゃからな」
加賀「今はそうではないと?」
305 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:54:05.28 ID:75O+w717o
老人「そうじゃ。昨日の涙を、明日の笑顔に変えるところ……。はるか昔には、この街もそう呼ばれていたものじゃが……。
今では絶望も希望もとうの昔にすりきれ、風化し……、今やこの街にさまようとるのは、憎しみの木霊だけなのかも知れん」
提督「戦争の歴史、か。シタンの先生から聞いていたよりも厳しいな」
夕立「ねえおじいちゃん、ここにはもう人は住んでないっぽい?」
老人「そんなことはないぞ。ほれ、そこの飛び石で下に行けば地上を追われてきた人たちの寄り合い所帯があるし、向こうに見える建物には小さいショップもある。
さらに向こうに行けばギア工房じゃ」
提督「資料館みたいなのはないんですか?」
老人「うーむ、この街にはないのお。図書室が王宮の中にあるぞい」
提督「そうですか……」
榛名「どうしましょう、提督?」
306 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:54:47.88 ID:75O+w717o
提督「んー、人んち行ってもしょうがねえし、とりあえず店でも覗いてみるか」
夕立「それじゃ早速出発っぽい!」
加賀「何かおいしいものはあるのかしら」
北上「そうねえ、空の上だし……鳥料理?」
加賀「気分が高揚します」グウー
老人「行くのかの?」
提督「ええ、どうもありがとうございました」
老人「……おまえさんたちの迷いや哀しみを断つ助けとなるものも、ここで見つかるかも知れん」
提督「え?」
老人「じゃが、忘れるでないぞ。運命は時にひどくイタズラで、残酷になれるのじゃ……」
提督「……」
大鳳「哀しみ……想像してたよりも寂しいところなのかもしれませんね、シェバトという国は」
提督「今でこそ穏やかだが、何年か前までは戦争やってたって話だからな。色々あったんだろうが……」
金剛「テートクゥ!何してるデース!」
提督「あ、ああ!今行く!行くぞ大鳳」ズルズル
大鳳「で、できればゆっくりお願いします……」ソロソロ
***
307 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:55:37.05 ID:75O+w717o
今週はここまでです。ではまた次週。
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 13:04:23.45 ID:Pk+bunFbo
乙でした。
309 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:29:21.41 ID:Y4Hu6A8yo
すいません、諸事情あってSSどころではなくなっていました。取り急ぎ書き上がった分だけ投稿しておきます。
310 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:31:46.07 ID:Y4Hu6A8yo
北上「……で、おじいさんの案内どおりに建物に入ってみた訳ですが」
提督「何だこりゃ」
道具屋チュチュ「ありゃまー、またお客さんでチュかー!?今日は大繁盛でチュねぇ!」
「うわあ、また知らない人間さんでチュ。怖い人でないといいでチュねぇ」「くんくん、この匂い……さっきの人とはまた違いまチュねぇ」
「へっ、チュチュ達の住処を騒がしくするんじゃねえぜ……でチュ」「くーか……くーか……」
加賀「食事は出来そうにないわね」
大鳳「うう、じ、地面だ……、地面があるよう……」
提督「あれだよな、ユグドラシルにいたピンク毛玉の……」
夕立「チュチュのお仲間っぽい?」
提督「そうそう。まさかこんな所でショップをやってるとはなあ。チュチュが見たら喜ぶんじゃないか」
金剛「す、す、す」
榛名「お姉様?」
金剛「スウィィィィィト!!」
311 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:32:18.02 ID:Y4Hu6A8yo
榛名「ひゃあ!」
提督「またか……榛名、暴走される前に捕まえてくれ」
榛名「は、はい!金剛お姉様、落ち着いてください!」ガシッ
金剛「なっ!離すネ!癒しを!私に癒しを寄越すデース!」ジタバタ
提督「全く、金剛のヤツはどうしたってんだ?今までも割とアレだったけどあそこまではっちゃけた奴じゃなかっただろ」
北上「やー、乙女には色々と悩みがあるものだよ」
提督「適当な事言うんじゃない」
北上「てへ」
道具屋チュチュ「なんだか騒がしいお客さんでチュねぇ。地上の人にも色々いるでチュ」
加賀「ごめんなさいね、ところで、ここに何か美味しい物は置いてないのかしら」
道具屋チュチュ「美味しい物でチュかぁ、そうでチュねえ……、あ、さっきおいしそうなクモを捕まえたでチュよ。700Gでいかがでチュか?」
加賀「……遠慮しておくわ」
マリア「あの、皆さんお揃いですか?」
金剛「オーウ、マリアー!助けて下サーイ!」
マリア「え?」
312 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:32:46.98 ID:Y4Hu6A8yo
金剛「榛名とテートクが揃って私をリフジンな目にあいたぁ!」ゴチン
提督「いい加減にしなさい」
マリア「あの……」
提督「すまん、気にしないでくれ。それより用件の方を頼む」
マリア「は、はい、ゼファー女王があなた方に是非お会いしたいとの事です。宜しければすぐにでも宮殿へ上がって頂きたいのですが」
提督「だ、そうだ。お前ら」
夕立「もぐもぐ」
道具屋チュチュ「おお、お客さんいい食いっぷりでチュねぇ」
大鳳「だ、大丈夫なの?」
加賀「……」サァー
北上「わあ、あの加賀さんが青くなるなんていいもん見れたねえ」
夕立「うーん、非常時以外では食べたくない味っぽい」ゴクン
提督「何やってんだ……」
金剛「わーん、テートクゥ!いくらなんでも殴る事なかったデース!」
提督「ああ、悪かったよ」ナデナデ
金剛「テートクゥ、とりあえず撫でとけばいいみたいな感じになってませんカ……?」
提督「はっはっは、まさかまさか。本当に悪かったって」ナデナデ
金剛「……もう、しょうがないデスネー!」
マリア(なんなのでしょう、この人たち……)
***
313 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:34:23.58 ID:Y4Hu6A8yo
とりあえずはここまでです。今週の土日はきちんと間に合うようにします。それでは。
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/23(木) 21:11:52.27 ID:s/zzvLJio
乙でした。
315 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:11:42.00 ID:5um9zVd/o
大変お待たせしました。今週の投稿を始めます。
316 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:12:09.76 ID:5um9zVd/o
〜上層行きエレベーター〜
マリア「こちらの最上部で女王がお待ちしています」
提督「お、おう」
夕立「提督さん、どうかしたっぽい?」
提督「非常に今更なんだが、めちゃくちゃ緊張してきた」
加賀「本当に今更ね」
提督「考えても見ろ、女王様だぞ?バチカン入って30分でローマ法王とサシで会うようなもんだぜ」
大鳳「そう言われると……」
マリア「ふふ、大丈夫ですよ。ゼファー女王はとてもお優しい方ですから」
提督「そうは言うがなあ」
マリア「さあ、着きましたよ。こちらがわがシェバトの王宮になります」シューン
北上「ほえー、外から見たときよりもでっかい気がしない?」
317 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:12:39.70 ID:5um9zVd/o
提督「それだけ上にあるってことだろうな。にしても、王宮なんて言うもんだからもっと荘厳な場所かと思ってたんだが、なんつーか、どっちかっつーと公会堂って感じの雰囲気だな」
マリア「それは多分、この王宮そのものがこの国の心臓部になっているからだと思います」
提督「心臓部?」
マリア「このフロア全体を覆うように、食糧貯蔵庫、会議場、データルーム、研究室など、この国の重要な施設がみんなここにあるんです。
それに加えて一部の人の宿舎や来客用の寝室もありますので、厳かな雰囲気がしないのはきっとそのせいですわ」
提督「国土が狭いと色々大変なんだな」
大鳳「もしもの時はここの守りさえ固めればいい訳ですし、そういう意味では都合がいいんじゃないかしら」
加賀「逆に、ここが落ちたら国が終わると言う意味でもありますけれど」
提督「ま、一長一短ってことだろ」
マリア「さて、そろそろ行きましょうか、正面の扉の先で女王がお待ちです」スタスタ
***
318 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:13:20.09 ID:5um9zVd/o
〜王座〜
ゼファー「よくぞ、まいられました。私がこのシェバトの女王、ゼファーです」
加賀「これは……」
提督「冗談じゃ、ないよな?」
夕立「子供、っぽい?」
金剛「マリアとほとんど変わらない年頃に見えマース……」
ゼファー「このような姿ですが、実際私は522才になるのですよ」
提督「んな馬鹿な……とは言えない、のか?まさかこっちの人間は皆それくらい生きるのが普通ってんじゃ」
ゼファー「いえ、このような体を持つのは私と一部の家臣のみ。それも全て500年前の……」
ゼファー「……昔の話は、今はやめておきましょう」
提督「は、はあ」
ゼファー「本題に入りましょうか。提督、貴方がシェバトを訪れた理由をお尋ねしたい」
319 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:15:03.66 ID:5um9zVd/o
提督「はい。俺達がシェバトに来たのは……」ガチャ
フェイ「あれ……提督?」
バルト「よお、お前らも女王サマに用事か?」
エリィ「あら、お久しぶりね。話には聞いていたけど、元気そうで安心したわ」
シタン「……ふむ」
提督「……フェイ、それに皆」
提督(このタイミングは……)
金剛「フェーイ!元気そうで何よりデース!」
フェイ「そうか、会うのはあの時以来だったな」
榛名「はい、あの時はとっても心配しました。ご無事で本当によかったです」
フェイ「なんとかね。ビリーを始めとしたみんなのお陰だよ」
シタン「フェイ、再会を祝うのはそれくらいにして、先に本題を済ませてしまいましょう」
フェイ「あ、ああ。そうだね、先生」
320 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:15:44.68 ID:5um9zVd/o
ゼファー「決心はついたのですか?」
フェイ「ああ、心は決まった!先のことはどうあれ、まずは共にソラリスを何とかしよう」
ゼファー「よろしい」
提督(フェイたちがシェバトと組んだ、か。これなら俺達も……)
提督「その話、俺達も是非とも一枚噛ませて欲しいんだが」
フェイ「あんたたちもソラリスと戦うのか?」
提督「そうだ。もちろん、そちらが許せばの話になるが」
ゼファー「われわれとしては願ってもないことですが、あなた方はその為にシェバトに来たのですか?」
提督「いえ、俺達の目的は別にあります。その辺の事を話す為に、まずは俺達がどこから来たのか話さなきゃならない」
加賀「……提督」
提督「いいんだ加賀さん。少なくともここにいる人間は信じなきゃ今後はどうしようもなくなりそうだし、それなら全部話したほうが後々面倒が無くて済むはずだ」
加賀「……そう」
提督「皆もそれでいいか?」
金剛「もちろんネー!テートクの決めた事ならなんでもウェルカムデース!」
榛名「はい!この榛名、提督にどこまでも付いて行きます!」
夕立「この間タムズをメチャクチャにした奴と戦うの?もちろん賛成っぽい!」
北上「まー、いいんじゃない?」
大鳳「それはいいのだけれど、ま、まさかここにしばらく住まなきゃならないなんてことは……」
バルト「おいおい、なんだか偉くはりきってるようだがよ、お前らがどこから来たか、ってのはそんなに大事な事なのか?」
提督「そりゃもう大事なんてモンじゃないぞ。なにせこの星を越えて、宇宙、時空の果てまで話が飛ぶんだからな」
***
321 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:16:12.18 ID:5um9zVd/o
今週はここまで、ではまた来週。
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/28(火) 05:23:25.17 ID:Re0yjPRoO
乙
どこまで関わるのか楽しみだな
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/28(火) 13:26:13.04 ID:7WErHaHoO
乙
ロリBBAキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
個別防衛に其々1人ずつだったのが艦娘達の助けが加わるのか、それとも別に運用するのか楽しみだな
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