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【ゼノギアス×艦これ】提督「海上都市タムズに放り出された」
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262 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:12:41.38 ID:m1PZI7l0o
マルー「そんなボクが言うんだから間違いないよ。榛名さん達はとってもいい人たちさ!」
榛名「ありがとうございます。マルーさんもとっても素敵な方なんですね」ニコッ
マルー「へへっ!」
マルー(そうだよね、こんないい人たちなんだもん、きっと何か事情があるんだよね、多分)
榛名「それで、結局なんだったのですか?別のお悩みがあったのですか?」
マルー「まあね。榛名さん達の提督の事でちょっと……」
金剛「ノーッ!『榛名さん達の』ではなく『私の』テートクネーッ!」ピョーンッ
榛名「なっ!『榛名たちの』でいいではないですか!」ガッ
金剛「駄目ネ!ここは譲れないネー!」グググ
榛名「か、加賀さんに怒られてしまいますよ!」グググ
メイソン「これ!いくら客人といえども、ガンルームでの粗相はこの爺が許しませんぞ!」ズカズカ
マルー「……あ、あれー?」
***
263 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/15(日) 02:14:01.26 ID:m1PZI7l0o
今週の分は以上になります。
今更ですが、質問等あれば書き込んでいただければ次の週にお答えしていこうと思います。
それではまた来週
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/15(日) 05:58:24.96 ID:cK88KC0z0
おつおつ!
265 :
須賀鎮守府
:2016/05/15(日) 06:04:30.46 ID:3ye3/6SQ0
〇って誰
メイソンって誰
鼻水禁止
266 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:18:58.09 ID:iuQW4RpOo
こんにちは。すっかりお昼ですが投稿を始めます。
>>265
どちらもゼノギアスのサブキャラクターです。簡単に紹介すると、
マルー:砂漠の国アヴェの一大宗教「ニサン教」の教皇。超可愛い。
メイソン:バルトお付の執事。武闘派おじいさん。超渋い。
鼻水の意味はちょっと分からないです……。
267 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:20:34.41 ID:iuQW4RpOo
〜ギアドック〜
大鳳「ふむふむ」ペタペタ
大鳳「むう」ペタペタ
大鳳「……なるほど」
リコ「おい」
大鳳「はい?」
リコ「はい?じゃねえ」
大鳳「貴方は……ええと、リコさん、でしたっけ」
リコ「そうだ」
大鳳「あの、私になにか御用でしょうか」
268 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:22:02.75 ID:iuQW4RpOo
リコ「そりゃこっちのセリフだ。俺のシューティアにべたべた触りやがって。何のつもりだ?」
大鳳「も、申し訳ありません。勝手に触ったりして……」
リコ「……いや、いい」
大鳳「はあ……」
リコ「……」
大鳳「……」
大鳳(怒らせてしまったかしら……)
リコ「それで」
大鳳「は、はい!」ビクッ
リコ「何故俺のギアを触っていた?」
大鳳「それは、その」
リコ「……別に、怒ってはいない」
大鳳「え?」
269 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:24:05.21 ID:iuQW4RpOo
リコ「本当に、ただ気になっただけだ」
大鳳「え、ええと……」
バルト「おいコラ、なーにウチの客人を困らせてんだぁ?」
リコ「ああ?別に困らせてなんかいねえよ」
バルト「どうだかなぁ?どう見ても困ってるぜ」
大鳳「ば、バルトさん!いえ!私が悪いんです!勝手にリコさんのギアに触ったりしたので」
リコ「何でそんな事をしてたのかって聞いてただけだ」
バルト「ふーん。ただ単に珍しかったからじゃねえの?」
リコ「なんだ、そうなのか?」
大鳳「そういうわけでは……。少しギアの装備を見させて頂いていたんです」
バルト「装備ぃ?」
大鳳「はい。もしかしたら今後の戦闘に役立つのではないかと」
270 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:26:19.92 ID:iuQW4RpOo
バルト「戦闘ったってアレだろ?あんたは銃みたいなのでちっこいのを飛ばすのが役目で、今はそのちっこいのがほとんど底を尽いてるって話じゃねえか。
どう頑張っても生産できそうにないってウチの整備班が泣いてたぜ」
大鳳「その通りです。今の所は私の艦載機を新しく補充する方法はありません」
大鳳「だけどそれはいいんです。提督が『何とかする』とおっしゃっていましたから」
リコ「で、それなら何でここにいるんだ」
大鳳「その……艦載機補充の目処が立つまで、代わりの何かを使って戦闘が出来ないものかと考えたんです」
バルト「はあ!?ギアの装備を使おうってのか?」
大鳳「まさか、流石にギア用の武器は私達にも扱えません」
大鳳「ただ、私達の艤装にもスレイブジェネレータが搭載されていますので、それをうまく使えれば、と思っています」
リコ「なるほど、話は分かった」
バルト「ああ。しかし意外だったな」
大鳳「何がでしょう?」
271 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:27:42.87 ID:iuQW4RpOo
バルト「金剛とか加賀とかはともかく、あんたはあんまり戦いたがらなさそうに見えたからな」
大鳳「そんなことはありません!この大鳳、提督のご命令があればいつでも出撃する覚悟です!」
バルト「お、おうおう。分かったからそんなに熱くなるなよ。まあそれはとにかく、代わりになりそうな武器の話だったな」
リコ「簡単な話だ。俺達みたいに格闘戦をやりゃいいんだ」
大鳳「ええ!?殴ったり蹴ったりしろ、と言う事ですか?」
バルト「いくらなんでもギアとかデカいモンスター相手にそれは無理だろ」
リコ「フン、誰が素手でやれなんて言った?俺のシューティアの左手を見てみろ」
大鳳「……ドリルになってますね」
バルト「おい、まさか」
リコ「お前の腕にも付ければいいだろ、ドリル」
272 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:30:00.60 ID:iuQW4RpOo
バルト「ぶっ!?」
大鳳「う、腕がドリルになるのはちょっと……。生活に支障が出るでしょうし」
バルト「そこかよ!」
リコ「何もそこまで真似するこたぁねえだろ。腕に取り付けるような物にすればいい。ドリルはいいぞ!戦艦の外殻だろうがギアの装甲だろうがブチ抜ける」
大鳳「そう言われるととても魅力的に聞こえますけど……」
バルト「待て待て!そういう事ならもっといいモンがあるぜ!」
リコ「あ?」
バルト「ズバリ!鞭だ鞭!ドリルよりもリーチがあるし、ただ打つだけじゃなく色々と使い道もあるぜ!」
リコ「バカめ、あんな扱いにくい物をすぐ使えるようになるわけがないだろう。その点ドリルは問題ない。相手に叩き込むだけだからな」
大鳳「え、あの」
バルト「確かに最初は大変かもしれないけどよ、ドリルよりはずっとましだと思うぜ。大体なんだよドリルって。トンネル掘ろうってんじゃねえんだからよ」
大鳳「ちょっ」
273 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:32:46.72 ID:iuQW4RpOo
リコ「フッ、ドリルの良さが分からんとは、貴様のようなヤツは鞭なんてヘニャヘニャした物を使っていればいい」
バルト「てめえもういっぺん言ってみやがれ!こいつは俺の一族に代々伝わる伝統的な武器だぞ!それをバカにするたあ許せねえな!」
リコ「ほう?俺のドリルに文句つけたヤローが随分と偉そうじゃねえか」
大鳳「お2人ともそれくらいで……」
リコ「そこまで言うなら仕方ねえ。こいつにどっちの方が良いか決めてもらうとしよう」
大鳳「お2人のお話はよく分かりましたので……えっ」
バルト「上等だ!おう大鳳、さっさと決めてくれよ。モチロン鞭だよな?」
大鳳「えっえっ」
リコ「これまでの話で鞭などを選ぶはずがあるまい。当然ドリルだろう」
大鳳(どうしましょう……ギアを見せていただいた手前、リコさんの肩を持つべきでは……いえ、そんな選び方はリコさんに失礼です。かといってどちらを選ぶかと言われると……)
274 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:33:20.80 ID:iuQW4RpOo
バルト「おい、どうなんだ?」
リコ「……早く、しろよ」
大鳳「……もう少し考えさせてくださいっ!」ダッ
バルト「あっ!おい!」
〜翌日〜
大鳳「……」
提督「おーっす、大鳳。お前も朝飯か?」
大鳳「……提督」
提督「ん?どうしたよ、そんな深刻そうな顔して」
大鳳「腕をドリルにするのと腕に鞭を生やすの、大鳳はどちらを選べばいいのでしょう……」
提督「!?」
***
275 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/22(日) 14:34:29.55 ID:iuQW4RpOo
今日はここまで。それではまた来週
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 15:08:58.83 ID:/+Zbb9V80
乙。
間を取ってチェーンフレイルにしよう。
実際エグい。
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 18:22:38.46 ID:6r7F9k2WO
鞭使ってるのって伝統的な武器だからじゃなくて、トラウマ克服する為じゃなかったか?
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 19:14:07.19 ID:M03aqcTTo
トラウマから来る夜恐症克服と明言されているけど鞭と先祖に関しては明言されていない
で、ご先祖様のギアには鞭が初期装備されてる
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/22(日) 19:48:16.24 ID:VLk8mtSro
乙。
縄鏢にしょう。
近接、遠距離いけるぞ。
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/23(月) 18:02:06.00 ID:RHtSoCXdO
>>278
E・アンドヴァリはメカデザの人の勘違いで、ブリガンディアの強化版として描かれているから鞭持ってるのは当然なんだよね
で、結局鞭が伝統的な武器っていう根拠はあるの?無いの?
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/23(月) 20:51:30.64 ID:1PJOCUALo
アヴェの伝統的な武器って資料集に書いてるぞ
282 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:11:32.32 ID:gFitI2Yxo
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
鞭の話については
>>281
で指摘して頂いたとおり、設定資料集のバルトのトラウマ克服の部分に一緒に記載されていた……と思います。
283 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:17:54.80 ID:gFitI2Yxo
〜ブリッジ〜
提督「遅れてすまない」バシュ
バルト「おう、全くだぜ提督。一体どこで油売ってやがった?」
提督「いや、大鳳が改造人間になるのを止めてたらな」
バルト「???」
提督「ま、まあそれはいいだろ。それより何の用だ?」
シグルド「あと数時間ほどで指定のポイントに到着する。一つはその知らせだ」
提督「お、いよいよシェバトか。空飛ぶ国なんて初めてだからな。早速他の奴らにも知らせるよ。で、他の話ってのは?」
バルト「おう、実はこっちが本題でな。お前ら、シェバトに着いたらどうする気だ?何の為にあの国に行くんだ?その辺を聞いとこうと思ってよ」
提督「それは……」
284 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:19:31.53 ID:gFitI2Yxo
提督(うーん、どこまで話したもんかな)
提督(実は異世界から来ました、なんて急に言うのもなあ。シタンの先生のときみたく上手く行くとも限らんし)
バルト「どうした?」
提督「いや、まあ、観光が半分、調べ物が半分って所かな」
バルト「調べ物ぉ?」
提督「ああ。あの子らの装備の事でな。ほら、加賀と大鳳の艦載機とか、どうやって補給するのか全く分かってないだろ?」
バルト「ああ、その話なら本人からも聞いたぜ」
提督「そうそう。国土そのものを空に飛ばすくらい技術の進んでる国なら、もしかしたら何とかなるかもしれないと思ってな」
提督(ま、嘘は言ってないよな)
バルト「ほーう?そんなことの為にここまで来たのか。ご苦労な事だぜ」
提督「俺達にとっては『そんなこと』じゃ済ませない重要事項だからな。あれが補給できなきゃウチの戦力は半減以下だ」
285 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:20:40.32 ID:gFitI2Yxo
バルト「ま、そっちの事情は分かった。これからも仲良くやっていけそうだし、どうだ、このままウチのクルーになるってのはよ?」
提督「はは、ありがたい申し出だが、先のことはシェバトでの収穫次第だな。それまで返事は待ってて貰いたい」
バルト「構わねえよ。こっちはいつでも歓迎だぜ」
提督「すまないな。それじゃあ、あいつらに準備をさせてくるよ」スタスタ
シグルド「……若」
バルト「ああ、わかってる。あいつの話、ウソはついてねえが何か隠してるって感じだったな」
シグルド「では……」
バルト「だが俺達を騙そうって感じでもなかった。あいつらにも何か事情があるんだろ」
シグルド「しかし」
バルト「提督の言うとおり、シェバトにいる間は様子見でいいだろ。どうせあいつらだけじゃ外には出られねえんだしよ」
シグルド「……わかりました」
***
286 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/05/30(月) 21:21:54.23 ID:gFitI2Yxo
今回はここまで。次回からやっとこシェバト編です。それでは。
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/30(月) 22:22:12.91 ID:EXvk4DL0O
マリア!マリア!マリア!
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/31(火) 09:08:59.44 ID:cAq+t0WPO
乙
ロリババアはよ!ロリババアはよ!
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/05/31(火) 13:01:53.70 ID:Vfz/UllRo
乙でした。
おまいらw
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage ]:2016/06/01(水) 13:48:10.59 ID:EaPIalPi0
流石にバベルタワー昇りはやらないか・・・
この艤装設定だと提督がいた時代はもう・・・誰がミァンになったのだろうか
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/04(土) 09:02:22.83 ID:jlCde6jHO
世界線じゃなくて時間移動しただけだとすると艤装やら弾薬の辻褄は合うけど、それ以上に矛盾する設定が出てくるからなぁ
292 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:46:44.76 ID:QVf3hc6Oo
お待たせしました。寝る前にささっと投稿を始めます。
艦これ世界とゼノギアス世界は過去未来の関係ではないです。そもそもゼノギアスの舞台は地球ではありませんし……。
293 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:49:16.95 ID:QVf3hc6Oo
〜シェバト ドック・フロア〜
マリア「お待ちしておりました。ここは空中都市シェバトの最下層部に位置するドック・フロア。わたしはマリア・バルタザールといいます」
バルト「俺はバルト。ユグドラシルの艦長だ。……ん?バルタザール?」
マリア「ええ。貴方とフェイさんはわたしのお爺さんと面識があるそうですね」
バルト「バルタザール、爺さん……ああ!アヴェの地底にいたヘンクツじーさんのことか!いっやあ、まさかあのクソじ……じいさんにこんなおチビさんの孫がいるたあな」
マリア「わたしはおチビさんではありません!それに、バルお爺ちゃんもク、クソ爺ぃなんかじゃない、ぜったい!」
バルト「悪かったよ。そう怒るなって、おチ……マリア。べつに悪気はなかったんだ。ごめん、ゴメン」
マリア「ゴメンは一度言えばわかります」
提督「あー、それで、フェイたちは何処に?」
マリア「今はゼファー女王にお会いになっていますが……貴方は?」
提督「俺は提督。バルト達の……あー、どんな関係だろう」
バルト「もちろん!戦友ってヤツだろ!」
バルト(くうーっ!一度言ってみたかったんだよな!『戦友』ってセリフ!)
294 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:50:05.20 ID:QVf3hc6Oo
提督「戦友か、いい響きだな。まあ、そういう関係だ。ちょっと知りたいことがあってここまで付いてこさせて貰った。よろしくな」
マリア「よろしくお願いします。しかし」
北上「ちょっと提督ー、置いてくなんてひどいでしょー」
金剛「全くデース!テートクはもっとレディの扱いを……ン?」
マリア「?」
金剛「ワオ!お人形さんみたいでベリィキュートなガールネー!」ダダダダ ガバッ
マリア「きゃあ!」
金剛「んふふふふふフウゥー!」ギュー
マリア「し、失礼な方ですね!誰ですか貴方は!ちょっと、離れてください!」モゾモゾ
榛名「お待たせしましたていと……お、お姉様!?」
夕立「うーん、久しぶりの揺れてない地面っぽい!」
大鳳「ええと、その、この状況は一体……」オロオロ
加賀「提督、説明してもらえるかしら」
295 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:50:31.24 ID:QVf3hc6Oo
提督「いや俺にもさっぱり……こら金剛、いい加減にしないか!」
金剛「ハッ!私としたことが完全に我を忘れてたネ……」
マリア「うぅ……」クシャ
金剛「ソ、ソーリーネ、キュートなガール。大丈夫ですカー?」
マリア「だ、大丈夫です」ポンポン
提督「本当にすまん。こいつらは俺の部下で、右から金剛、榛名、大鳳、北上、夕立、加賀だ」
一同「よろしくお願いします(ネー)(っぽい)」
マリア「よ、よろしくお願いします。それでは、ゼファー女王がお待ちですので、皆さんこちらへどうぞ」
バルト「提督はどうするんだ?」
提督「ん、俺達も女王に会わせて貰えるのか?マリア」
マリア「いえ、あなた方の事は何も聞かされていませんので何とも。一度お伺いを立ててきますので、その間に町の方の見物でもどうぞ」
提督「オッケー。それじゃ」
金剛「行くぞお前らデース!」
提督「俺のセリフ取るんじゃねえ!」
***
296 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:51:01.09 ID:QVf3hc6Oo
〜シェバト 表層〜
提督「で、勝手に浮かぶ椅子に乗って上に来たわけだが」
夕立「おおー、本当に浮いてるっぽい!」
北上「うひゃー、こりゃもしものことがあったらと思うとぞっとしないねえ」
提督(領土全体を覆っている膜みたいなのが『障壁』なのか?)
榛名「こ、こんな所に人が住んでるんでしょうか」
提督「マリアから聞いた話だと……お、あっちっぽいな。行くぞー」グッ
提督「ん?」
大鳳「……」ダラダラ
提督「ど、どうした大鳳。艦船がしてはいけないレベルの水漏れ起こしてるぞ」
大鳳「いひぇ、ななんでもないです」
提督「いやどう見てもやばいだろ」
297 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:51:27.10 ID:QVf3hc6Oo
榛名「大鳳さん、あなた」
北上「あそれ」トンッ
大鳳「わひゃああああああああああああああああ!!!」ギュー
提督「いだだだだだだだだ!!腕もげる!!」
金剛「!!!!!!」
北上「おおーう、これはまた意外」
提督「わかったから!わかったから大鳳!もうちょい優しく掴んでくれ!」
大鳳「すすすすみませんていとく」ガクガク
金剛「テートク!テートク!私も高いところ怖いネー!」ピョンピョン
提督「おーそうかそれはやべえな榛名に掴まっとけ」
金剛「ぶーデース」
夕立「提督さん、夕立早く行きたいっぽい!」
提督「そうだな。加賀さんは大丈夫か?」
加賀「当然です」スタスタ
夕立「楽しみっぽい!」タタタ
榛名「お姉様、大丈夫ですか?もし歩けないようでしたら榛名がお運びします」
金剛「ハルナ……その優しさが今は痛いデース……」トボトボ
大鳳「……」ガクガク
提督(歩きづれえ)ズルズル
***
298 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/05(日) 02:52:01.74 ID:QVf3hc6Oo
今日はここまでです。それではおやすみなさい。
299 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 08:00:09.65 ID:+IZhTQPaO
ゼプツェンのとこに行くとマリアの身の上話と「夜空一杯の星を集めて」が聞けるイベントが入ってない、-1145148101919点
マリアが可愛い、889464893364364931点
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 15:31:23.85 ID:FumrNt0Ro
乙なのです。
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/05(日) 17:26:23.38 ID:RoX5YWFbO
北上様はいつも良い仕事をしますね
302 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/12(日) 23:50:35.58 ID:75O+w717o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2016/06/12(日) 23:52:04.26 ID:75O+w717o
〜アウラ・エーペイル〜
提督「到着、と」
榛名「ここが……」
北上「アウラ……えーと、なんだっけ?」
加賀「エーペイル、よ」
北上「うへえ」
金剛「なんだか街っぽくないデース」
提督「確かにな。遺跡って感じだ」
榛名「でもどこか懐かしい感じもします」
大鳳「なななななんで町中の道も床がほとんどないんですか」
提督「ほとんどというか何というか、車一台通れるくらいの道幅しかないな……。一体どうなってんだ?」
304 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:52:51.04 ID:75O+w717o
老人「おや、おまえさんたち」
提督「ん?」
老人「見ない顔じゃが、おまえさんたちも下界から来たのかい?」
提督(『も』っつーのはフェイ達の事か)
提督「ええ、そうです」
老人「そうかそうか。遠いところからよく来なさった。ようこそ、天空をさすらう街、アウラ・エーペイルに」
提督「ここが本当に街なのか……」
老人「驚くのも無理はない。この街が賑わっておったのは遥か昔、ソラリスに敵対した独立自由国家シェバトの首都だった頃じゃからな」
加賀「今はそうではないと?」
305 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:54:05.28 ID:75O+w717o
老人「そうじゃ。昨日の涙を、明日の笑顔に変えるところ……。はるか昔には、この街もそう呼ばれていたものじゃが……。
今では絶望も希望もとうの昔にすりきれ、風化し……、今やこの街にさまようとるのは、憎しみの木霊だけなのかも知れん」
提督「戦争の歴史、か。シタンの先生から聞いていたよりも厳しいな」
夕立「ねえおじいちゃん、ここにはもう人は住んでないっぽい?」
老人「そんなことはないぞ。ほれ、そこの飛び石で下に行けば地上を追われてきた人たちの寄り合い所帯があるし、向こうに見える建物には小さいショップもある。
さらに向こうに行けばギア工房じゃ」
提督「資料館みたいなのはないんですか?」
老人「うーむ、この街にはないのお。図書室が王宮の中にあるぞい」
提督「そうですか……」
榛名「どうしましょう、提督?」
306 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:54:47.88 ID:75O+w717o
提督「んー、人んち行ってもしょうがねえし、とりあえず店でも覗いてみるか」
夕立「それじゃ早速出発っぽい!」
加賀「何かおいしいものはあるのかしら」
北上「そうねえ、空の上だし……鳥料理?」
加賀「気分が高揚します」グウー
老人「行くのかの?」
提督「ええ、どうもありがとうございました」
老人「……おまえさんたちの迷いや哀しみを断つ助けとなるものも、ここで見つかるかも知れん」
提督「え?」
老人「じゃが、忘れるでないぞ。運命は時にひどくイタズラで、残酷になれるのじゃ……」
提督「……」
大鳳「哀しみ……想像してたよりも寂しいところなのかもしれませんね、シェバトという国は」
提督「今でこそ穏やかだが、何年か前までは戦争やってたって話だからな。色々あったんだろうが……」
金剛「テートクゥ!何してるデース!」
提督「あ、ああ!今行く!行くぞ大鳳」ズルズル
大鳳「で、できればゆっくりお願いします……」ソロソロ
***
307 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/12(日) 23:55:37.05 ID:75O+w717o
今週はここまでです。ではまた次週。
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/13(月) 13:04:23.45 ID:Pk+bunFbo
乙でした。
309 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:29:21.41 ID:Y4Hu6A8yo
すいません、諸事情あってSSどころではなくなっていました。取り急ぎ書き上がった分だけ投稿しておきます。
310 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:31:46.07 ID:Y4Hu6A8yo
北上「……で、おじいさんの案内どおりに建物に入ってみた訳ですが」
提督「何だこりゃ」
道具屋チュチュ「ありゃまー、またお客さんでチュかー!?今日は大繁盛でチュねぇ!」
「うわあ、また知らない人間さんでチュ。怖い人でないといいでチュねぇ」「くんくん、この匂い……さっきの人とはまた違いまチュねぇ」
「へっ、チュチュ達の住処を騒がしくするんじゃねえぜ……でチュ」「くーか……くーか……」
加賀「食事は出来そうにないわね」
大鳳「うう、じ、地面だ……、地面があるよう……」
提督「あれだよな、ユグドラシルにいたピンク毛玉の……」
夕立「チュチュのお仲間っぽい?」
提督「そうそう。まさかこんな所でショップをやってるとはなあ。チュチュが見たら喜ぶんじゃないか」
金剛「す、す、す」
榛名「お姉様?」
金剛「スウィィィィィト!!」
311 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:32:18.02 ID:Y4Hu6A8yo
榛名「ひゃあ!」
提督「またか……榛名、暴走される前に捕まえてくれ」
榛名「は、はい!金剛お姉様、落ち着いてください!」ガシッ
金剛「なっ!離すネ!癒しを!私に癒しを寄越すデース!」ジタバタ
提督「全く、金剛のヤツはどうしたってんだ?今までも割とアレだったけどあそこまではっちゃけた奴じゃなかっただろ」
北上「やー、乙女には色々と悩みがあるものだよ」
提督「適当な事言うんじゃない」
北上「てへ」
道具屋チュチュ「なんだか騒がしいお客さんでチュねぇ。地上の人にも色々いるでチュ」
加賀「ごめんなさいね、ところで、ここに何か美味しい物は置いてないのかしら」
道具屋チュチュ「美味しい物でチュかぁ、そうでチュねえ……、あ、さっきおいしそうなクモを捕まえたでチュよ。700Gでいかがでチュか?」
加賀「……遠慮しておくわ」
マリア「あの、皆さんお揃いですか?」
金剛「オーウ、マリアー!助けて下サーイ!」
マリア「え?」
312 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:32:46.98 ID:Y4Hu6A8yo
金剛「榛名とテートクが揃って私をリフジンな目にあいたぁ!」ゴチン
提督「いい加減にしなさい」
マリア「あの……」
提督「すまん、気にしないでくれ。それより用件の方を頼む」
マリア「は、はい、ゼファー女王があなた方に是非お会いしたいとの事です。宜しければすぐにでも宮殿へ上がって頂きたいのですが」
提督「だ、そうだ。お前ら」
夕立「もぐもぐ」
道具屋チュチュ「おお、お客さんいい食いっぷりでチュねぇ」
大鳳「だ、大丈夫なの?」
加賀「……」サァー
北上「わあ、あの加賀さんが青くなるなんていいもん見れたねえ」
夕立「うーん、非常時以外では食べたくない味っぽい」ゴクン
提督「何やってんだ……」
金剛「わーん、テートクゥ!いくらなんでも殴る事なかったデース!」
提督「ああ、悪かったよ」ナデナデ
金剛「テートクゥ、とりあえず撫でとけばいいみたいな感じになってませんカ……?」
提督「はっはっは、まさかまさか。本当に悪かったって」ナデナデ
金剛「……もう、しょうがないデスネー!」
マリア(なんなのでしょう、この人たち……)
***
313 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/23(木) 00:34:23.58 ID:Y4Hu6A8yo
とりあえずはここまでです。今週の土日はきちんと間に合うようにします。それでは。
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/23(木) 21:11:52.27 ID:s/zzvLJio
乙でした。
315 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:11:42.00 ID:5um9zVd/o
大変お待たせしました。今週の投稿を始めます。
316 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:12:09.76 ID:5um9zVd/o
〜上層行きエレベーター〜
マリア「こちらの最上部で女王がお待ちしています」
提督「お、おう」
夕立「提督さん、どうかしたっぽい?」
提督「非常に今更なんだが、めちゃくちゃ緊張してきた」
加賀「本当に今更ね」
提督「考えても見ろ、女王様だぞ?バチカン入って30分でローマ法王とサシで会うようなもんだぜ」
大鳳「そう言われると……」
マリア「ふふ、大丈夫ですよ。ゼファー女王はとてもお優しい方ですから」
提督「そうは言うがなあ」
マリア「さあ、着きましたよ。こちらがわがシェバトの王宮になります」シューン
北上「ほえー、外から見たときよりもでっかい気がしない?」
317 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:12:39.70 ID:5um9zVd/o
提督「それだけ上にあるってことだろうな。にしても、王宮なんて言うもんだからもっと荘厳な場所かと思ってたんだが、なんつーか、どっちかっつーと公会堂って感じの雰囲気だな」
マリア「それは多分、この王宮そのものがこの国の心臓部になっているからだと思います」
提督「心臓部?」
マリア「このフロア全体を覆うように、食糧貯蔵庫、会議場、データルーム、研究室など、この国の重要な施設がみんなここにあるんです。
それに加えて一部の人の宿舎や来客用の寝室もありますので、厳かな雰囲気がしないのはきっとそのせいですわ」
提督「国土が狭いと色々大変なんだな」
大鳳「もしもの時はここの守りさえ固めればいい訳ですし、そういう意味では都合がいいんじゃないかしら」
加賀「逆に、ここが落ちたら国が終わると言う意味でもありますけれど」
提督「ま、一長一短ってことだろ」
マリア「さて、そろそろ行きましょうか、正面の扉の先で女王がお待ちです」スタスタ
***
318 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:13:20.09 ID:5um9zVd/o
〜王座〜
ゼファー「よくぞ、まいられました。私がこのシェバトの女王、ゼファーです」
加賀「これは……」
提督「冗談じゃ、ないよな?」
夕立「子供、っぽい?」
金剛「マリアとほとんど変わらない年頃に見えマース……」
ゼファー「このような姿ですが、実際私は522才になるのですよ」
提督「んな馬鹿な……とは言えない、のか?まさかこっちの人間は皆それくらい生きるのが普通ってんじゃ」
ゼファー「いえ、このような体を持つのは私と一部の家臣のみ。それも全て500年前の……」
ゼファー「……昔の話は、今はやめておきましょう」
提督「は、はあ」
ゼファー「本題に入りましょうか。提督、貴方がシェバトを訪れた理由をお尋ねしたい」
319 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:15:03.66 ID:5um9zVd/o
提督「はい。俺達がシェバトに来たのは……」ガチャ
フェイ「あれ……提督?」
バルト「よお、お前らも女王サマに用事か?」
エリィ「あら、お久しぶりね。話には聞いていたけど、元気そうで安心したわ」
シタン「……ふむ」
提督「……フェイ、それに皆」
提督(このタイミングは……)
金剛「フェーイ!元気そうで何よりデース!」
フェイ「そうか、会うのはあの時以来だったな」
榛名「はい、あの時はとっても心配しました。ご無事で本当によかったです」
フェイ「なんとかね。ビリーを始めとしたみんなのお陰だよ」
シタン「フェイ、再会を祝うのはそれくらいにして、先に本題を済ませてしまいましょう」
フェイ「あ、ああ。そうだね、先生」
320 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:15:44.68 ID:5um9zVd/o
ゼファー「決心はついたのですか?」
フェイ「ああ、心は決まった!先のことはどうあれ、まずは共にソラリスを何とかしよう」
ゼファー「よろしい」
提督(フェイたちがシェバトと組んだ、か。これなら俺達も……)
提督「その話、俺達も是非とも一枚噛ませて欲しいんだが」
フェイ「あんたたちもソラリスと戦うのか?」
提督「そうだ。もちろん、そちらが許せばの話になるが」
ゼファー「われわれとしては願ってもないことですが、あなた方はその為にシェバトに来たのですか?」
提督「いえ、俺達の目的は別にあります。その辺の事を話す為に、まずは俺達がどこから来たのか話さなきゃならない」
加賀「……提督」
提督「いいんだ加賀さん。少なくともここにいる人間は信じなきゃ今後はどうしようもなくなりそうだし、それなら全部話したほうが後々面倒が無くて済むはずだ」
加賀「……そう」
提督「皆もそれでいいか?」
金剛「もちろんネー!テートクの決めた事ならなんでもウェルカムデース!」
榛名「はい!この榛名、提督にどこまでも付いて行きます!」
夕立「この間タムズをメチャクチャにした奴と戦うの?もちろん賛成っぽい!」
北上「まー、いいんじゃない?」
大鳳「それはいいのだけれど、ま、まさかここにしばらく住まなきゃならないなんてことは……」
バルト「おいおい、なんだか偉くはりきってるようだがよ、お前らがどこから来たか、ってのはそんなに大事な事なのか?」
提督「そりゃもう大事なんてモンじゃないぞ。なにせこの星を越えて、宇宙、時空の果てまで話が飛ぶんだからな」
***
321 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/06/28(火) 03:16:12.18 ID:5um9zVd/o
今週はここまで、ではまた来週。
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/28(火) 05:23:25.17 ID:Re0yjPRoO
乙
どこまで関わるのか楽しみだな
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/28(火) 13:26:13.04 ID:7WErHaHoO
乙
ロリBBAキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
個別防衛に其々1人ずつだったのが艦娘達の助けが加わるのか、それとも別に運用するのか楽しみだな
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/06/28(火) 13:40:06.00 ID:OAxNNy+4o
アハツェンをフルボッコに……
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/02(土) 08:17:49.59 ID:lUzgU3e4O
余計なことですみませんが、まとめサイトの方で見れなくなってたりしますか?探しても見つからなかったので
326 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/03(日) 02:08:56.09 ID:5KyS22M3o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
327 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/03(日) 02:10:43.46 ID:5KyS22M3o
提督「……で、その夜の事、気が付いたら俺達はまとめてコンテナに詰め込まれ、海で漂流していた所をタムズに拾ってもらった訳だ」
フェイ「地球……。なんだかとても懐かしい気がする名前だ」
ビリー「まさか、そんな事が本当にあるんでしょうか」
バルト「全くだ。流石に話がぶっ飛びすぎてるぜ。何か今の話の証拠はないのかよ」
シタン「若くん、よく考えてください。彼らにここで嘘をつくメリットはありません」
バルト「先生はこんな話いきなり聞かされて信じるってのかよ?」
シタン「わたしは以前話を聞いていましたので。と言っても、ここまで詳細なものではありませんでしたが」
バルト「なんだそりゃ!おいフェイ、おめーはどうなんだよ?こいつらが別の世界から来たって話、信じられるか?」
フェイ「あ、ああ。先生の言うとおり、こんな嘘をつくようなやつらじゃないだろ」
バルト「そうかも知れねえけどよ」
フェイ「バルトは信じないのか?お前だって何度もユグドラシルを守ってもらった事があっただろ」
バルト「……ちっ、わぁったよ」
328 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/03(日) 02:11:13.24 ID:5KyS22M3o
シタン「それにしても、艦娘かあ!まさか装備のみならず、彼女達そのものが兵器だったとは、いやはや……」
加賀「……」
シタン「ああ!す、すみません。つい余計な事を……」
加賀「……いえ、それはいいのだけれど」
提督「ほら加賀さん、この話する度に鎮守府の事心配してたら身が保たねえぞ」
加賀「……そうね」
マリア「艦娘。戦うための、兵器……。とてもそうは見えません」
ゼファー「ともあれ、話は分かりました。それでは」ドゴォン
フェイ「む……!?なんだ、今の衝撃は……!?」
提督「こいつぁ……」
夕立「爆発っぽい?」
マリア「女王様ッ……!今のは、まさか敵の……!?」
シェバト兵「た、大変ですっ、女王様!!」
ゼファー「何事です?」
329 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/03(日) 02:11:41.20 ID:5KyS22M3o
シェバト兵「はい、それが……何者かがドック・エリアに侵入!障壁発生器が爆破されました……!」
フェイ「なんだって!?」
ゼファー「被害状況は?」
シェバト兵「は、はい!子機が破壊されて……障壁展開率、通常の70%にまで落ちています!
全力で、消火、復旧作業にあたっておりますが……、今しばらく時間がかかりそうです!」
ゼファー「侵入者はどうしました?」
シェバト兵「はい、単独で潜入したと思われるゲブラー兵は、17格納庫方面へ逃れたもようです!」
マリア「17格納庫!?ゼプツェン……!!」ダッ
提督「ゼプツェン?」
マリア「待ちなさい、マリア!あなたひとりでは危険です」
マリア「でも……、ソラリスのスパイを放っては……!」
シェバト兵「女王様、シールド発生機の消火の方も、手一杯です。下手をすると、更に被害が大きくなる可能性も……!」
マリア「だいじょうぶです、わたしひとりで行きます……!!」
ゼファー「ゼプツェンのないおまえに、一体何が出来ると言うのですか、マリア?」
マリア「……!それは……」
330 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/03(日) 02:12:53.20 ID:5KyS22M3o
フェイ「それなら、俺達がマリアと一緒に降りようか?ゲブラーのヤツらだろ?あいつらには、こっちも頭に来てるんだ。
相手になってやるよ」
金剛「テートクゥ、ゲブラーって何ですカ?」
提督「えーと、ソラリスが地上を監視するために作った組織だったかな」
金剛「シーット!まーたソラリスの奴らですカー!」
榛名「タムズに続いてシェバトまでも……!許せません!」
提督「……と、言う事だ。俺達もマリアのお供をさせてくれ。ソラリスの手先じゃないってことも証明したいしな」
フェイ「ああ、俺はかまわないけど」
ゼファー「……お願いできますか、フェイ、提督。マリアを頼みます。どうか、くれぐれもお気をつけて」
提督「よし来た。それじゃ金剛、榛名、夕立は付いて来い。残りは王宮を固めてくれ」
北上「えー!提督、私も行きたいんだけど?」
提督「お前な、ここは空の上だぞ?自慢の魚雷も役に立たんだろうが」
北上「……あー、確かに」
加賀「では、私達は上空の偵察に出るわ。敵が一人だけと言う事はないはずです」
提督「そうだな、頼む」
フェイ「さあ、それじゃ行こうか、マリア」
マリア「それでは、あらためてよろしくお願いします、みなさん」
金剛「任せるネ、マリアー!大船に乗ったつもりでいるといいヨー!」ギュッ
マリア「きゃあ!」
***
331 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/03(日) 02:13:19.36 ID:5KyS22M3o
今日はここまで。ではまた来週。
332 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/03(日) 02:48:43.35 ID:xLr0CH4Co
乙
アベルの時代にはもう地球はロストエルサレムとして立入禁止状態になってたんだっけか
そしてシタン先生はやっぱりシタン先生だった
333 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:20:50.95 ID:ep1Fiy3bo
お待たせしました。今週の投稿を開始します。
334 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:21:17.16 ID:ep1Fiy3bo
〜地下ドック行きエレベーター〜
フェイ「なあ提督」
提督「ん?」
フェイ「あんたは戦えるのか?さっきの話を聞く限りじゃ、あんたは指揮官で、直接戦ったことはないんだろ?」
提督「心配すんな、さっき行きがけに銃借りてきたからな。使い方も教わってきたぜ」ジャコッ
夕立「提督さんは銃使ったことあるっぽい?」
提督「士官学校の射撃訓練以来だな。ま、大丈夫だろ」
フェイ(本当に大丈夫なのか?)
マリア「そ、そんなことより、金剛さんを何とかしていただけませんか?」モゾモゾ
金剛「ンー、マリアのヘアーは癒されるネー」モフモフ
提督「お前またやってたのか……大体どうして急に」
ガコン!
335 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:21:44.23 ID:ep1Fiy3bo
提督「うおっ!」
榛名「きゃあ!何事ですか!?」
フェイ「止まったぞ!」
夕立「……動かないっぽい」
提督「ほれ見ろ、お前がマリアを困らせるからだ」
金剛「ワット!?わ、私のせいデスカー!?」バッ
フェイ「いや、絶対違うと思う」
マリア「ちょっと調べてみますね」
マリア「……ダメだわ。防御シャッターが閉じてしまっている……」
金剛「そんなもの、私の主砲で一撃ネー!」ガシャ
提督「却下だ。こんな閉所で主砲なんぞ撃ったら皆吹き飛んじまう」
フェイ「格納庫に降りるのに、別のルートはないのか?」
マリア「非常用のシャフトを使えば下に降りられると思いますが、ふだん使われていないので……」
フェイ「構わないよ。こんなとこでグズグズしてられないだろ?」
榛名「そうですね。これ以上ソラリスの攻撃を許さないためにも、一刻も早く先に進むべきだと思います」
提督「ま、選択の余地はなさそうだな」
マリア「はい、わかりました。シャフトの入り口はすぐ上の……」ウィーン
マリア「ここです。ここからシャフト内部に入れば、下に降りられるはずです」
フェイ「よし!それじゃ、行こう!」
***
336 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:22:10.76 ID:ep1Fiy3bo
提督「よっ、と」スタッ
提督「ここがシャフトか。お前ら足元崩れてるから気をつけろよ」
夕立「そーんなどんくさくないっぽい!」スタッ
金剛「意外と広いデース」
提督「そりゃ非常用とはいえ人が通るように作られてるからな」
榛名「所々崩れているのは、やはり以前の戦争が原因なのでしょうか」
提督「流石に500年前の被害を未だに修理してないってのはないんじゃねえか」
フェイ「いつまでおしゃべりしてるんだ。さっさと行こうぜ」
提督「おっと、そうだった」
夕立「なんか迷路みたいでワクワクしてきたっぽい!」
***
337 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:22:44.80 ID:ep1Fiy3bo
提督「で、分かれ道か」
榛名「右と左、どちらが下に続いているのでしょう」
金剛「マリアは何か知りませんカ?」
マリア「確か、左の突き当たりにシャフト下層の地図があったはずですが……」
フェイ「む、両側から何か来るぞ」
ティアーズ×2「シャコシャコ」
提督「……え、何あれ」
夕立「ちょっと趣味悪いっぽい」
マリア「恐らくは侵入者撃退用の装置ではないかと」
提督「撃退どころか殺害する気満々だろ!両腕刃じゃねえか。しかも明らかにこっち狙ってきてるし!」
マリア「異物は全て敵と認識しているのでしょう。恐らく」
338 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:23:23.13 ID:ep1Fiy3bo
フェイ「仕方ない、左を頼む……はあッ!」ダッ
提督「あ、おい!……見かけによらず血の気の多い奴だな」
マリア「わ、私も!えい、えい!」ポコポコ
提督「おお、何か泡が一杯出てきた……じゃなくて!下がってろマリア!」タタンッタタンッ
ティアーズ「シャコシャコ」カンッカンッ
提督「げえ、全然効いてねえ」
マリア「くっ、ゼプツェンさえ呼べれば……!」
金剛「テートクゥ!ここは私達の出番ネー!」ガシャ
提督「ちょっと待てストッ」
金剛「ファイヤー!」ドォン
ティアーズ「シャ」ドゴォォォン
金剛「オォウ……」
榛名「通路が……」
夕立「敵ごとぺしゃんこっぽい」
提督「あっちゃあ……」
339 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:23:50.75 ID:ep1Fiy3bo
フェイ「こっちは終わったぞ。そっちは……なんだ、こりゃ」
提督「見ての通りだ。すまん。地図は諦めるしかないな」
金剛「私としたことが……申し訳ないデース」
提督「まあ、やっちまったもんはしょうがない。とりあえずの所、通路を出るまでは金剛と榛名は砲撃禁止だ。夕立、頼むぞ」
夕立「ふふん、きっちり狙い打ちっぽい!」
マリア「こ、金剛さん、気を落とさないで下さい。下へ続く道は右側ですし、地図がなくても何とかなりますよ」
金剛「うう、マリアは優しい子デース」
***
340 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/11(月) 02:24:32.90 ID:ep1Fiy3bo
今週はここまで。それではまた。
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/07/11(月) 18:08:11.52 ID:5wpAYJEOo
閉所で41cm連装砲ブッパすりゃそうなるわな・・・
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/11(月) 20:35:05.55 ID:/zEc6LeFo
おつ
そういやシェバトのフォービドゥンってどうやって対処すればよかったんだろう
対処出来ないから出合ったらすぐ逃げてた
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/12(火) 09:14:34.96 ID:XH3NSyHJO
連殺でぶっころがす
344 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/17(日) 01:00:48.03 ID:dDd0CwY7o
お待たせしました。今週の投稿を始めます。
345 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/17(日) 01:01:50.74 ID:dDd0CwY7o
フェイ「……」
マリア「……」
提督「……」
金剛「……ムム!」
提督「どうした金剛」
金剛「正面通路に感アリネー。何かがこっちに向かって来マース」
フェイ「数は?」
金剛「アー、1、いや3ネー」
フェイ「……よし、任せろ」ダッ
夕立「提督さん!」
提督「よし、夕立も行って来い。なるべくフェイを敵と一対一になるように支援してやれ」
夕立「了解!っぽい!」ダッ
346 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/17(日) 01:02:18.91 ID:dDd0CwY7o
提督「金剛も引き続き索敵を頼む。榛名、後方はどうだ?」
榛名「今のところは何もありません」
提督「わかった。そのまま後方に集中しててくれ。いつの間にか挟み撃ちってのは御免だからな」
榛名「はい、榛名にお任せください!」
マリア「……凄いですね」
提督「ん?」
マリア「目で見えないほど遠くの敵を数まで把握してしまうなんて……」
提督「ま、電探積んでるからな」
マリア「電探?」
提督「レーダーの事だよ。ほら、あの頭に載ってるピコピコ動いてるやつ」
マリア「あれにそんな機能があったんですね」
提督「本来は対水上用なんだけどな。陸でも機能してくれてよかったぜ」
347 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/17(日) 01:02:46.16 ID:dDd0CwY7o
マリア「……やっぱり、そうなんですね」
提督「そうって、何が?」
マリア「さっきの話です。あの人たちは艦娘っていう、兵器として生まれた存在だって……話だけでは信じられませんでしたけど、
一撃で通路を吹き飛ばすような砲撃をしたり、レーダーが付いてたりしているのを見ると……」
提督「普段は人間と全く変わらんからなあ。無理もない。俺も鎮守府に来て最初に電と会った時には……」
マリア「?電というのは?」
提督「あ、い、いや、ははは。それよりマリア、俺もさっきの話で聞きたい事があったんだが」
マリア「はい、なんでしょう」
提督「ゼプツェン、つったっけ。話しぶりから見るにギアか何かなんだろうけど、一体何なんだ?」
マリア「……その通りです。ゼプツェンは私の……ソラリスの研究所で父さんが開発した、世界でたった一つのギアです」
提督「ソラリス?ソラリスって、じゃあ」
マリア「はい。父さんは今もソラリスに捕らわれたまま……バルお爺ちゃんが助けてくれなかったら、私もゼプツェンもここにはいなかったと思います」
提督「……」
348 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/17(日) 01:03:12.26 ID:dDd0CwY7o
マリア「あれから3年も経ってしまいました。お爺ちゃんや女王様に止められてさえいなければ、すぐにでも父さんを助けに行くのに……。
ゼプツェンならソラリスのどんな奴にだって負けはしないのに……。ぜったい……!」
提督「そりゃ女王が正しいぜ。いくらなんでもギア一機で何とかなる訳がない」
マリア「やってみないとわかりません!今こうしている間にも、ソラリスで父さんは……」
提督「……なあ、焦る気持ちは分かるけどな、マリア」ポンポン
マリア「っ子供扱いしないでください!」バシッ
提督「わ、悪い。そんなつもりは無かったんだが」
マリア「どうして?どうして皆わたしを止めるの?父さんのことなんか、もうどうなっても構わないの……?見殺しにするの?
私は許さない、父さんを苦しめた奴を、それを黙って見ていた人も……!」
提督「なんで止めるの、か。そんなの決まってるだろ?マリア」
マリア「……もう、いいです。提督なら分かってくれると思ったのに」タッタッタ
提督「分かるって何を……おいマリア!」
金剛「ワ、ワット!?マリアー!私より先に行ったらノーデース!」
榛名「て、提督、マリアさんと何かあったんですか?」
提督「まあ、ちょっとな。地雷踏んだ」
榛名「じ、地雷?」
***
349 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/07/17(日) 01:03:47.19 ID:dDd0CwY7o
今週はここまで。ではまた次週。
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/18(月) 01:41:19.87 ID:ShbbfLt5o
乙でした。
351 :
◆Idq7VgawO2
[sage]:2016/07/28(木) 16:18:58.65 ID:DDk8QBDEo
報告が遅くなりましたが、私生活の方でちょっとしたアクシデントがあったため、次回の投稿はもう少し先になります。遅れてしまい申し訳ないです。
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/07/30(土) 04:35:59.32 ID:cF0gy2B1o
報告乙です。
353 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:30:05.54 ID:oWzCcvPxo
大変お待たせしました。繁忙期と私用と風邪が重なってえらい忙しさになってましたがなんとかなりました。
354 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:30:35.53 ID:oWzCcvPxo
***
〜最下層 ドック・フロア〜
夕立「はー、やっと着いたっぽい」
榛名「ここは……先ほど封鎖されていた隔壁のすぐ下でしょうか」
金剛「想像以上にデンジャーな場所でしたネー」
提督「まさか途中で外に繋がってた上に、足場代わりに外壁に飛び出してるプロペラを飛び移るなんてマネまでさせられるとは思わなかったな。
いや全く、大鳳がいたらどうなってた事か……」
提督「じゃなくて!どこに敵が潜んでるかわからねえんだからまだ安心するんじゃねえ。金剛、周囲の状況」
金剛「もちろんさっきからチェックしてマース!今のところは何かが動いているような反応はナッシンネー」
提督「となると、警戒すべきは何かしらの罠だな。ここは慎重に」
フェイ「マリア、ゼプツェンがある格納庫ってのはあっちだったよな」
マリア「はい、その通りです」
フェイ「分かった」スタスタ
355 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:31:31.44 ID:oWzCcvPxo
提督「ちょちょちょ、どうする気だよ!」
フェイ「ゆっくりしてる暇なんてないだろ。なら、こうするだけさ」タッ
提督「おい!……ったく、意外と思い切った奴だったんだな!」ダッ
金剛「あっ、テートクゥ!」
提督「こうなっちゃ仕方ない。さっさと追うぞ」
金剛「シット!しょうがないデース、マリア、私の後ろからしっかり付いてきて下さいネー!」
マリア「はい、急ぎましょう」
***
356 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:32:16.37 ID:oWzCcvPxo
***
提督「や、やっと追いついた……」ゼェゼェ
フェイ「……」
提督「こんな所で突っ立って何を……おわ!なんだよこのでっかいギア」
フェイ「こいつがゼプツェン、マリアのギアだ」
提督「こいつがか。つーことは、ここが第17格納庫なのか?」
フェイ「ああ、だが敵は……」
マリア「侵入者はどこ……!?」
榛名「落ち着いてください、マリアさん」
金剛「無事ですカテートクゥ……ワット!?このビッグなギアは何ですカー!?」
提督「こいつがマリアのギアだとさ」
夕立「と言う事は」
提督「ああ、ここのどこかに敵がいる。気をつけろ」
?「ふん、誰かと思えば……またお前か。ご苦労な事だよ」
357 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:33:14.62 ID:oWzCcvPxo
マリア「……!?誰ですか!」
金剛「ビッグなギアの肩デース!」
フェイ「ドミニア!」
提督「ドミニア?」
ドミニア「それに後ろのお前達は……そうか、あの時の。あのまま海賊の一味になった、と。そういうことか」ククク
提督「ん?ちょっと待て、俺はあんたみたいな褐色美人は知らないぞ」
榛名「びっ……」
フェイ「……タムズでユグドラシルが襲われたとき、あんたたちが助けてくれただろ。あいつはあの時の敵ギアのパイロットだ」
提督「あん時のでっかい剣持ったギアか。つーことは、こいつが侵入者か」
金剛「正面から堂々と現れるとはいい度胸デース!」ガシャ
榛名「榛名、容赦しません!絶対に、必ず、確実に、何があろうとも!」ガシャ
提督「ストップ。あの位置じゃマリアのギアにも損傷が出るだろ。つーか榛名はなんでそんなにやる気満々なんだ」
フェイ「お前達に、そいつを渡すわけにはいかないな!」
ドミニア「ふん、ならば力ずくで止めてみな!」
358 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:33:45.67 ID:oWzCcvPxo
マリア「くっ……ゼプツェンは渡しません!」
ドミニア「ん……?そこにいるガキは……おい、お前、ニコラの娘か……?」
マリア「たしかにわたしはニコラの娘、マリア・バルタザールです!それが、どうかしましたか……?」
ドミニア「なるほど、おまえが、ニコラが身を挺して逃がした愛娘ってわけか……」
ドミニア「おい小娘、面白い話を聞かせてやろうか?そうだな……ゼプツェンの呪われた秘密というのはどうだ?」
マリア「……!?それは、どういう意味です?」
ドミニア「さあ、どういう意味かな、話を聞きゃあ、おのずとわかるよ……」
提督(そう言って褐色銀髪の姉ちゃん、ドミニアが語りだした話の内容は、要約するとこんな感じだった)
提督(ソラリスは次世代兵器開発のプランとして、『人と機械を融合』させることを思いついた。レバーで機械を動かすより、
脳みその信号を拾って操縦したほうが素早く正確に動かせるから、って理屈らしい)
提督(とは言っても、そんなものがたやすく実現するはずがなかった。当たり前だよな、鉄と脳みその相性なんて見るからに最悪だし)
提督(ところが、そんなムチャクチャをマリアの父さん、ニコラ・バルタザールは可能にしちまったらしい。その試作機がゼプツェンなんだそうだ)
提督(ついでに、そのサンプルデータの採取の為に、アヴェとキスレブの戦争が泥沼化するようにソラリスが裏で手を引いていたそうだ)
提督(そのデータを元にソラリス本国で人体実験を行った結果、出来上がったのが死霊なのだという話もしてくれた)
榛名「そんな……」
夕立「流石に引くっぽい」
359 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:34:54.02 ID:oWzCcvPxo
マリア「ウソです!!父さんが、そんなひどいことを……!!」
ドミニア「わたしはウソはつかないよ、マリア。こいつは、真実だ。
あんたの立派なお父様は、人と機械の融合に成功し、地上人にとっての地獄の門を開けちまったってわけさ」
ドミニア「そして、ゼプツェンの神経回路には……」
?「そのくらいにしといちゃどうだい、ドミニア?」
ドミニア「だれだ!?」
?「どうして女ってのはこうもお喋りなんだろうなあ?いらねえ事までペラペラとしゃべくりやがって、まったく……」
ドミニア「ジェサイア!?」
提督「ジェシーの親父さん、いつの間に」
夕立「提督さん、お知り合いっぽい?」
提督「知り合いも何も、一緒にユグドラシルに乗ってたぞ。ほとんどずっとガンルームで飲んだくれてたから気づかなかったんじゃないか」
榛名「……確かに、あんな格好のおじさまがずっと飲んでいらした様な……」
金剛「いつもいるから掃除の邪魔だったネー」
ジェシー「全く、こっちの女どもも容赦ねえなあ」
360 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:35:52.98 ID:oWzCcvPxo
ドミニア「貴様、かつては次期ゲブラー総司令官とさえ目されていた貴様が、シェバトで何を!?」
ジェシー「そう熱くなりなさんなって、美容によくないぜ、ドミニア。大人にゃ大人の事情ってもんがあるんだよ。
ガキにゃわからねえだろうが、な」
ジェシー「火遊びはここまで、だ。今日のとこは、このままおとなしく帰んな。ゼプツェンはマリアじゃなきゃ動かせねえぜ。
それくらいのことは、お前さんだって百も承知のはずだ」
ドミニア「ふん、バカ共め!いきがるのも今のうちだ。パーティはこれから、さ」スッ
提督「待てよ、逃がすと思うか?」カチャ
ドミニア「愚かな、きさまのようなエーテルも持たないクズが、いったい何をしようというのだ?
そんなチンケな銃でこのわたしを止められるとでも?」
提督「……くそっ」
ドミニア「それでいい。部外者のきさまはおとなしくしていろ。それじゃ、マリア。今日はこれで失礼する」
マリア「……」
ドミニア「楽しいダンス・パーティーを」ククク
フェイ「待てッ!ドミニア!」
金剛「提督ゥ!追いかけるネー!」
提督「やめとけ、ここの防衛には成功したんだ」
361 :
◆Idq7VgawO2
[saga]:2016/08/07(日) 00:36:46.58 ID:oWzCcvPxo
マリア「父さん……」
フェイ「なあ、マリア。気にするなよ……あいつの言ったことなんか」
榛名「マリアさん、気をしっかり持ってください。まだ何があるかわかりません」
マリア「……」
ドォォ……ン
提督「っとと」
フェイ「こいつは……!?」
夕立「今度は上から聞こえたっぽい!」
ジェシー「さあ、お客さんがおいでなさったようだ。上にあがろうぜ」
提督「城壁が破られたら息つく間もなく侵攻か、やれやれだな」
榛名「どうなさいますか、提督」
提督「無論、迎え撃つ。俺達が今後活動していくのにシェバトとの協力関係は必要不可欠だからな」
ジェシー「しかし、どうもイヤな予感がしやがる……」
マリア「ゼプツェン……」
ジェシー「……まさか、な」
***
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