沼の畔の女の子

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67 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/06/15(水) 00:29:17.23 ID:4SOJD0lb0
ジュニアブラの人気に軽く嫉妬w
少し投下します。
68 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/06/15(水) 00:50:58.56 ID:4SOJD0lb0
暫くしてなみはタオルとTシャツを持って戻ってきた。

なみ「ほら、このタオルで拭いてからTシャツにきがえようか」

そう言ってほほ笑むなみ。

い、いや目の前で躊躇なく大胆ななみの脱ぎっぷりに再度固まる自分。

さくらんぼみたいに綺麗な先端だなとか胸見て思っている場合か?いや、それよりカップの取り外しが出来るタイプのブラなら透けない様に
カップ付けておいて欲しい。ってか小学3年の俺にはジュニアブラの構造の事なんか分かんないよ!そんな事より白い綺麗な肌してるな、なみは。

固まりつつこんらんしている俺。
69 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/06/15(水) 00:58:57.52 ID:4SOJD0lb0
なみ「どうしたの?じぃっと私の事見て?」

なみ「んん〜?もしかしておねーさんの前で着替えるのが恥ずかしいのかな?」

そう言って悪戯っ子の様な笑顔を見せるなみ。

違うんだ、ってか違わないけど!恥ずかしい中にある照れとちょっと年上の女の子のからだに興味があるって言うか、でも言えないっていうか。
こんな時はどんな顔をしたらいいか分からないの。ってきっとこんなシチュエーションで使うんだろうな…。
70 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/06/15(水) 01:06:14.94 ID:4SOJD0lb0
俺「えっと、なみのからだが白くてきれいだったなって思って見とれてたのと恥ずかしいのとでリアクションに困ってる」

そう言ってノロノロと鈍い動作で渡されたタオルで体を拭いてTシャツにきがえる俺。

きょっとーんとした顔で俺を見るなみ。そしてすぐに笑顔でこう言った。

なみ「そっか、俺くんも男の子だもんねぇ。気になるかぁ。何か弟みたいな感じで接してたけど嫌だった?ゴメンねぇ」

俺「嫌じゃないけど、ってか嬉しいけどドキドキした」

そう言って照れから下を向いてしまう自分。なみがこちらに近づいてきて突然、

「ぎゅっ!」

と抱きしめられた。
ほんのり甘い良い匂いで顔全体をささやかな双丘がやわらかく優しく包み込んでくれている。
71 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/06/15(水) 01:07:48.03 ID:4SOJD0lb0
ではまた。おやすみなさい。
72 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/06/15(水) 19:23:59.93 ID:4SOJD0lb0
ちょろっと投下
73 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/06/15(水) 19:49:19.27 ID:4SOJD0lb0
なみ「嫌な事やして欲しい事があったらちゃんと言ってね。ちゃんと言葉にして言わないと相手に伝わらないから」

俺「わ、分かった。じゃあ、もう少しこのままぎゅってしてて欲しい」

なみ「あまえんぼ」

そう言ってぎゅっ!っとされている俺。暖かいなみの体温が伝わってくる。双丘がやわらかく心地良くて寝てしまいそうだ。

規則正しい雨音以外に聞こえてくる音は無い。いつのまにかまどろむ様にうつらうつらしてしまった俺になみが声を掛ける。

なみ「俺くん、起きて!雨上がったよ!」

そう言ってなみはウッドデッキに出て行く。もう少しぎゅっ!っとされていたかった名残惜しい俺。

なみ「俺くん、見て!虹が出てるよ!」

そう言って指差したなみの視線の先にはきれいな七色の虹がかかっていた。日差しが周囲の濡れた景色を光らせていた。
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/15(水) 20:06:09.20 ID:OGP2m72v0
マルフォイ「おいおい、もう我慢出来なくなったのか?」

加速「は、はいぃ…」

マルフォイ「全く、悪い子だ」

そういうとマルフォイは加速中の皮を被った逸物を一撫でしてから少しずつ、まるで薄いガラスで出来た彫刻を愛でるような手つきで皮を剥く。

加速「ふ…ふぁ…!」

マルフォイ「全く、いつ見てもかわいい大きさだな…」

そういうとマルフォイは優しく剥き出した亀頭を滑らかに舌の先でなぞる。

加速「ひ、ひぅ…」

マルフォイは舌の先を器用に使いカリをなぞる

マルフォイ「気持ちいいだろう?」

加速「は、はい…」

マルフォイ「でもまだダメだ…」

急に流れが変わる。今まで割れ物を扱うように優しかったマルフォイの手つきは乱雑に動き加速中のモノを荒々しく上下させる。

加速「あ、ああっ!あああっ!!」

マルフォイ「まだケツも弄ってないのにこんなに感じちまって…悪い子にはお仕置きが必要だ…」

加速「あ、ああん♡あああっ!!!!」
75 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/07/15(金) 02:41:36.63 ID:5lSL4rjV0
なみ「きれいだね、虹。あの虹の上を歩けたら楽しいだろうなぁ」

俺「俺もそう思った。虹の始まりがどこからなのか探しに行った事あるけど途中で分からなくなったよ」

なみ「じゃあ今度探しに行こうか?」

俺「今日じゃダメなの?」

なみ「だって今日はもう遅いもん。もうすぐ「夕焼け小焼け」が聞こえてくる時間だよ」

俺「そっかぁ、残念だ」

なみ「夏休み中にまた雨が降る日もあるよ。その時にしようね」

そう言ってほほ笑むなみに無言で頷く俺。ずっとこんな日が続いたらいいのにと思っていた。
76 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/07/15(金) 02:42:31.87 ID:5lSL4rjV0
なみ「じゃあ、今日はもう帰ろうか」

俺「もうちょっと遊んでいたいなぁ」

なみ「ダメだよ。遅くなったらお母さんが心配するよ」

俺「うん、わかったよ」

そう言って渋々と頷く。でも本当は遊びたいんじゃなくて、なみと一緒に居たいんだけどなぁ。
そんな気持ちをどう表現したらいいんだろう。

なみ「また明日遊ぼうね!」

なみの笑顔に納得してしまう俺。

俺「また明日ね!」

なみ「ばいば〜い!」

その後も山に探検に行ったり魚釣りに行ったりとなみと一緒の楽しい夏休みの時間はあっという間に過ぎて行った。



そして夏休みの最終日がやってきた。
77 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/07/15(金) 02:44:55.06 ID:5lSL4rjV0
なみ「俺君に大事なお話があるの」

改まってそうなみに言われた。

ここ最近のなみはちょっと変だった。一緒に虹を見た後辺りからだろうか、笑顔で遊んでいる時にふとした拍子に寂しげな表情をする様になった。

何か体調でも悪いのか、もしくは俺と遊んでても面白くなくなってきているのか。不安になる。

なみ「あと何日かで俺君とは遊べなくなるの。ごめんね」

えっ?何?どういう事?なみからの衝撃的な言葉に混乱してしまう俺がいた。こう言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。

俺「何で?どうして?」

なみ「わたしの家、遠い所に引越しする事になったの。だからあと少ししか遊べないの」

ショックだった。もうすぐなみと遊べなくなる。いや、会えなくなる。
78 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/07/19(火) 22:37:44.79 ID:lyiHjXlU0
俺「やだよ、そんなの!」

折角仲良くなって毎日楽しく遊べてたのに。なみに会えなくなるなんて!

なみ「ごめんね。でも決まっちゃった事なの」

なみからの衝撃的な言葉にその日は何をしてたか記憶に無い。

そして「夕焼け小焼け」が聞こえてきた。

なみ「じゃあ、また明日ね」

なみがそう言ったがその場を動きたくない俺がいた。なみに会えなくなる。その事が頭の中でグルグルと回っていた。

なみ「俺君」

そう言ったなみに抱きしめられた。甘い香りがする。抱きしめられたと思ったらなみの顔が近づいてきて…、


キスされた。

キスされた。


大事な事だから2回言った。
79 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/08/10(水) 01:44:49.39 ID:uiptRpih0
ボーゼンとしている俺になみは1通の封筒を渡してきた。花柄の女の子が好きそうな可愛い封筒だ。

なみ「てがみ。明日読んで」

そう言って手渡された。

俺「わ、わかった」

俺がその手紙を受け取るとなみはとびっきりの笑顔で俺に向かって

なみ「また明日ね!バイバイ!」

そう言い残して走って帰って行った。

1人残された俺。次から次へと衝撃的な事があり頭の中は混乱したままだ。どうやって家に帰って来たのかすら覚えていない。

夏休みが終わった。
80 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/08/10(水) 02:01:00.82 ID:uiptRpih0
始業式の後でクラスの友達に夏休みは全然会えなかったけど何してたの?と聞かれた。沼の畔の廃校で遊んでいたと答えたが

「どこ、それ?」

と言われた。いや、元はと言えばお前が連れてってくれた場所じゃん!って言ってもキョトンとした顔をされるだけだった。

学校から帰ると直ぐに家を飛び出して走っていた。

あと何日かしかなみと会えない!そう思うと悲しくなってきて少しでも一緒の時間を過ごしたいと思っていた。

そして自分の気持ちにも気が付いた。なみを好きになっていた。気持ちを伝えたいと思っていた。

沼の畔の廃校まであと少しと言う所で異変に気がついた。周りの風景が違っている。視界が広い。



うそだろ…。
81 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/08/10(水) 02:28:57.22 ID:uiptRpih0
沼の畔の廃校があった場所には何も無かった。沼も無い。周囲が整地されたかのように赤茶けた泥の地面にキャタピラの跡が無数に点いていた。

黄色い無人のブルトーザーが沼の畔の廃校があった場所に放置され、傍らに元廃校だと思われる瓦礫の山があった。

唖然とした。

何もかもが無くなってしまっていた。

その日は夕焼け小焼けが聞こえて来るまでその場にいたが、なみは来なかった。

次の日も更にその次の日も行ったが夏休み最後の日を境になみが来る事は無かった。

そうして1週間もすると何かの工事が始まった。家でも建つのだろうか。

俺は諦める決心をした。最後にもう1回だけなみに会いたいと思っていたけどそれも無理な様だ。

今なら引越し先の住所を聞いて会いに行けばいいと思うが、当時の自分にはそれすら出来なかった。

帰ろうとした時に瓦礫の中に朱色の物が見えた。何かと思ってみると以前なみと一緒に手を合わせた小さな祠の屋根だった。

祠の神様もどこかに引っ越したのかな。

俺の淡い初恋が終わった。
82 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/09/09(金) 07:58:52.16 ID:CYRoNw/60
15年後、

小学校の同窓会があった。実家の近所に出来たオバちゃんが社長のホテル、その1階にある居酒屋でだった。
懐かしい顔もあれば誰だか分からない顔もいる。お前誰だ?
しばらくみんなと談笑した後、ふとした事を思い出し、俺を沼の畔の廃校に連れて行った友人と話をした。

俺「そう言えばさぁ、沼の畔の廃校って覚えて無いか?」

友人「ヤゴやカエルの卵がゲットできた廃校か?1.2回行っただけだけど良く覚えてるな、お前」

俺「いや、俺は2年生の夏に暫くあそこに通って遊んでたんだよ」

友人「よく行けたな、お前」

俺「なんで?」

友人「あそこの沼で溺れたやつがいただろ?死にはしなかったけどな。結構噂になったぞ。だから立ち入り禁止になってたじゃんか」

俺「いや、それ聞いてないし」

友人「お前ボケっとしてたからな。先生が言ったの聞いて無かったんだろ」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/10(土) 09:22:54.70 ID:tLFlxF4io
昔は地盤の弱い湿地帯や沼の傍に建物建てたりしなかったし
小学校みたいな人が集まる大きな建物だと特に避けてたから
沼じゃなくて古池じゃね? 
84 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/09(日) 02:46:39.33 ID:mtETdrN00
>>83
その当時はみんな沼、沼って言ってたから沼って書いたけど、そう言われると池の可能性は否定出来ないわ。
ただ、廃校みたいな感じだけど学校とはちょっと違う感じだったよ。
85 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/09(日) 02:52:40.75 ID:mtETdrN00
いや、違う。何か事実が改ざんされているみたいだ。でも友人がああ言うって事はみんなの記憶もそうなんだろうな。俺だけが妙な体験をした?
それとも俺だけの記憶がおかしいんだろうか?
渋い顔をして考えた俺に話しかけて来た人がいた。

ヒゲ先生「やあ俺君、みんな飲んで楽しんでいるのに渋い顔だね。何か悩みごとかい?」

俺「ご無沙汰してます、ひげ先生」

ひげ先生はヤギの様なあごひげを生やした先生で自分が小学生2年の時に定年間近だったので80歳近いハズ。

俺「いや、子供のころの記憶と友達の記憶が合わないと言うかズレてると言うか妙なんですよ」

ヒゲ先生「ふむ、興味深い話だね。良かったら聞かせてもらえないかい?」
86 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/09(日) 03:02:49.33 ID:mtETdrN00
俺は2年生の夏に暫く沼の畔の廃校に通って遊んでいた事を話した。最初は友人に連れて行かれた事、なみと言う女の子に出会った事、
最初は誰か彼か遊びに来ていたのにいつの間にか自分しか来なくなった事、手紙をもらった事、廃校が瓦礫の山になった事。
暫く説明をして、でもほとんど誰も覚えていない事となみとの別れの事を話した。
人に聞いてもらって何となくスッキリした感じになったが、今度は逆に先生が渋い顔をしてしまった。


俺「あの、先生?俺何かマズい事でも言いましたか?」

ヒゲ先生「うむ。マズい訳では無いが、う〜ん……、また現れていたと言う事か…」

俺「先生、一体何が?」

ヒゲ先生「俺君が体験した事はほぼ間違い無く事実だろう。だがそれ故にみんなの記憶には残っていないのだろう」

俺「先生、状況が飲み込めません」

ヒゲ先生「安心したまえ。今から教えてあげるよ」
87 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/11(火) 20:45:25.70 ID:V9IARs0Q0
こんばんは。
この後に少し投下します。
88 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/11(火) 21:57:44.23 ID:V9IARs0Q0
そう言った先生だが、ふと何かを思い出したらしい。こう聞かれた。

ヒゲ先生「俺君、もらった手紙は読んだのかい?」

俺「いえ、当時はショックで家の机の引き出しに入れてそのままです」

ヒゲ先生「では、今日帰ったら探してみるといい。きっと良い事が書いてあると思うよ」

先生はそう言ったが、こちらは何がどうなっているのかサッパリ分からず理解に苦しむ。

ヒゲ先生「君はとても貴重な体験をしたんだよ。昔はよくあったようだが最近は殆ど無いだろう。近々で記録されているのは昭和27年、その後は40年代と50年代か」

ヒゲ先生「俺君、君が一緒に夏休み中に遊んでいた相手は人では無いんだ」
89 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/11(火) 23:06:51.92 ID:V9IARs0Q0
は?何言ってるの先生?もしかしてボケられましたか?


ヒゲ先生「いやいや、あれは子供好きな神様なんだよ。その廃校の様な建物の近くに祠が無かったかい?水上様の祠だ」

俺「祠……」

………………
……………
…………
………
……


『それは水神様だよ。この沼は意外に深い場所があるから子供が溺れたりしない様にって昔からあるんだよ』


確かにそう言ってた。なみに教えてもらって手を合わせたんだった。
90 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/12(水) 02:17:46.03 ID:q6+Uk36g0
俺「祠、ありましたね」

今まですっかり忘れていた事を思い出す。

ヒゲ先生「あそこの神様はね、子供が安全に森の中で遊ぶ方法を教えたり、どうやったら遊びの中の危険を回避出来るかを教えてくれるんだよ」

ヒゲ先生「もちろん、水神様だから水の中の楽しさと怖さや危険も教えてくれる。同じ子供の姿になって一緒に遊びながら色んな事を教えてくれるんだ」

ヒゲ先生「神様を敬う信仰心が神様の力の源だから。ただ、昔と違ってそれが少なくなった現代では大分その力も弱くなっているハズ。人々に忘れられて子供も殆んど廃校の様な建物の近くまで遊びに来なくなった」

ヒゲ先生「廃校の様な建物と祠も取り壊しが決まって消えゆく運命だったのを君が遊びに行った事で、最後に昔の様に一緒に遊びながら色んな事を君に教えてくれたんだろうね」


確かにそうだ。なみと遊んでいる時はやっていい事とダメな事、色んな事を教えてもらいながら遊んだっけな。

ヒゲ先生「俺君はその祠に手を合わせたのかな?」

俺「はい。『神様だから』と遊ぶ前に手を合わせましたね」
91 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/10/12(水) 02:19:14.58 ID:q6+Uk36g0
本日は以上です。
92 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/11/10(木) 01:51:05.97 ID:y8HOw0mi0
生存報告。
今週中になんとか少し投下します。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/10(木) 18:45:32.25 ID:EP6UX17Ho
期待
94 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/12/10(土) 01:32:08.71 ID:VwWNDWXZ0
今週中とか言って1カ月経ってしまいました。
すいません。

ちびっとですが投下します。
95 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/12/10(土) 01:40:47.98 ID:VwWNDWXZ0
ヒゲ先生「やはりそうか。だから取り壊しの少し前まで君と一緒に遊んでくれたんだね」

俺「先生、それって本当なんですか?何故先生がそれを知っているんですか?」

ヒゲ先生「彼女の名前、覚えているかい? 『たかおかみなみ』と言ってだろう?正しくは、『高霎神』(たかおかみ)と言う神様だよ」

俺「神様って……」

ヒゲ先生「『昭和27年』の記録は私なんだよ」

俺「先生…」

ヒゲ先生「当然、当時は大人の誰もが信じてはくれなかった。自分自身でもあれは夢かと思ったよ。しかし、夢では無かったんだ」

ヒゲ先生「何故ならその後、神社庁から聞き込み調査が入った。昭和40年代だ。私の他にも見た子供がいると言う事でね、過去の例も記録しようと言う事になったらしい」

ヒゲ先生「当時20代半ばだった私はその神社庁から派遣された人間と会って話をする事が出来た。そして教えてもらったんだ。稀に子供たちとの会話の中にご神託があるらしい」

ヒゲ先生「神社庁から派遣された人間はその確認をする為に高霎神と遊んだ子供の会話に聞き取り調査をしてるそうだ。ただ、最後にご神託があったのは大正時代だそうだ」

ヒゲ先生「高度経済成長を経て人々は物質的な豊かさに溺れ、神様を畏れ敬う信仰心が薄れた。信仰心が神様の力の源だからね。信仰心の薄れは神様の力の弱体化につながる」

ヒゲ先生「神社庁から派遣された人間はこう言っていた。『信仰心の薄れからか出現も少なくなってきていている。50年後に調査対象になっているかは疑問だ』とね」
96 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/12/10(土) 01:57:08.54 ID:VwWNDWXZ0
俺「じゃあ、俺が会えたのは?」

ヒゲ先生「俺君はその祠に手を合わせただろう?それが信仰心さ。そんな事をしてくれる子供だと分かっていたから最後に俺君と一緒に遊んだんじゃないかと私は思っているよ」

ヒゲ先生「昔から高霎神と遊んだ当事者以外はその事を記憶に留めないらしい。あまり口外しない様に記憶にフィルターが掛かるのではないかな。だから俺君以外の生徒はほとんど覚えていないんだよ」

俺「そう言う事だったんですね。なるほどなぁ」

ヒゲ先生「だから他のクラスメートに知らないと言われても疑問に思ったり落ち込んだりする必要は無いよ。ただ、理解している人間もいると言う事を俺君に知って欲しかったんだ」

俺「分かりました。何だか少しだけ謎が解けた様で良かったです」

俺「ところで、先生の時は結局どうなったんですか?」

ヒゲ先生「私かい?高霎神に嫌われてしまったようだよ」

俺「は?それはまたどうしてですか?」

ヒゲ先生「私は幼い頃ははっちゃけててねぇ!」
97 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/12/10(土) 02:20:37.62 ID:VwWNDWXZ0
俺「どういう事です?」

ヒゲ先生「どうしても我慢できなくて高霎神の尻を鷲掴みにしてしまったんだ!」

俺「何やってるんですか、あなた!」

ヒゲ先生「若気の至りと言うかな。とても魅力的でそうせずには居られなかったんだ。後悔はしていない」

俺「最低っすね、先生!」

ヒゲ先生「70何年の前の事だよ。高霎神か、何もかもみな懐かしい……」

俺「いや、何を無理やりいい昔話にしようとしてるんすか。沖田艦長ですか、あなたは!」

ヒゲ先生「ともかく!私が君に伝えたいのは高霎神からもらった手紙の事なんだよ」

俺「話を逸らしやがった!」

ヒゲ先生「君は彼女から手紙を貰っているだろう?今日帰ったら必ず中を確認したまえ」
98 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2016/12/10(土) 02:22:21.89 ID:VwWNDWXZ0
本日はこれにて。ではまた。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/27(火) 00:04:25.06 ID:TCav9gD5o
まってるよ
ちょっとおそいけどおつんつん!
100 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2017/01/26(木) 01:23:18.31 ID:1FPv0UtD0
ちびっとですが投下。
101 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2017/01/26(木) 01:25:37.40 ID:1FPv0UtD0
俺「先生の犯罪行為はスルーですか?」

ヒゲ先生「70何年の前の事で時効だし、相手は人外だから法律は適用されん!」

俺「開き直りやがった!最低っすね!」

ヒゲ先生「まぁ話を最後まで聞きなさい。多分だが、あの手紙は状況に合わせて変化するのだと思うよ」

俺「は?どういう事ですか?」

ヒゲ先生「私は高霎神の尻を触る前に手紙を貰っていた。そこには一緒に遊んだ事への感謝やお礼の言葉があった」

ヒゲ先生「しかし高霎神の尻を触った後にふとその手紙を見てみると内容が変わっていたんだ」

俺「え?どういう事ですか?」

ヒゲ先生「後日見たその手紙は『バカ!あほ!スケベ!変態!氏んでしまえ!もう来るな!』となっておった」

俺「まぁ当然の反応ですね」
102 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2017/01/26(木) 01:31:33.87 ID:1FPv0UtD0
短いですが本日はこれにて。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/25(土) 11:30:24.03 ID:kmGN2ort0
保守
104 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2017/03/22(水) 01:24:18.86 ID:arrSE8ge0
ヒゲ先生「私が君に伝えたいのはそこでは無い。現状に応じて内容が変化すると言う事は君の手紙の内容も変わっているかもしれないと言う事だよ」

ヒゲ先生「多分君が手紙を受け取った直後は一緒に遊んだ事や、もう会えない事へのお詫びの文章がしたためられていたのだろう」

ヒゲ先生「もしかするとそれが現在はどうなっているとか別の内容になっているのかもしれん」

ヒゲ先生「もし君がまだ神様への信仰心を持っていて彼女に会いたいと思っているならば、それに付いての手掛かりが記載されているかもしれん」

俺「そうだと良いんですがね」

ヒゲ先生「手紙を確認するだけだ。手間では無いだろう。そんな奇跡があるとまだこの時代も夢があって捨てた物ではないだろう?」

俺「確かにそうですね。ちょっと懐かしいですし帰ったら探してみますよ」

ヒゲ先生「遠い日の思い出に何か付け足せる事になれば良いな」

俺「それは置いといて、先生の犯罪行為は消えませんよ」

ヒゲ先生「うむ。俺君の未来に幸あれ!」

俺「ごまかしやがった、この人!」
105 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2017/04/21(金) 00:09:07.33 ID:Zac5ozdQ0
ちょこっと投下。
106 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2017/04/21(金) 00:10:10.44 ID:Zac5ozdQ0
久しぶりに実家に帰った俺は母親と話をしていた。

俺「そういえばさ、子供の頃の物ってどこかに仕舞ったり捨てたりした?」

母「あんたの物は段ボール箱に入れて全部あんたの部屋の押し入れの中だよ」

俺「机の中に入っていた物は?」

母「触ってないからそのままよ」

2階に上がり自分の部屋に入る。机の1番下の引き出しを開けると鍵の付いた小さな小箱が出て来た。

俺「この中に仕舞った気がするんだけど鍵はどこにやったかな?」

10年以上もほったらかしにしていた鍵の在処なんて分かる訳が無い。鍵と言っても子供のおもちゃだ。複雑な構造では無い。

俺「この精密ドライバーの先でちょいちょいっと」

カチッと言う音と共におもちゃの南京錠が外れる。中に入っていたのは、
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/21(日) 23:35:27.14 ID:8nbHzx3t0
108 : ◆fpdfvEPUTs [saga]:2017/06/21(水) 09:37:09.99 ID:OHAE+Fou0
保守
あと少しなのですが、モチベーションが上がりません。
完走させますので今しばらくお時間を下さい。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 09:56:43.06 ID:4s5kq6YPo
秒数コンマが面白い並びに
年内に完成するなら問題ない
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/20(木) 00:20:25.79 ID:T9Jl0uI50
保守
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/11(金) 01:27:51.60 ID:AhltHrqf0
保守
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 22:03:57.39 ID:9Bv7XSBL0
保守
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/04(水) 22:23:22.30 ID:dupKuYdn0
保守
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/02(木) 22:38:45.50 ID:z6NygQ2T0
保守
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 22:35:58.05 ID:KN96Mq+X0
ほしゅ
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/12/31(金) 10:39:59.15 ID:KeFqTU0jo
雰囲気がいいね
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