一夏「 こ れ は ひ ど い 」

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466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/27(金) 21:44:29.13 ID:qbsWr8IR0
一夏『マズった……先手を打とうと思ったのに完全に打たれた……何もかも後手に回ったなぁ……』

クロエ『アレを使いますか?』

一夏『まだだ。さっき鈴と清が戦っている奴が姉ちゃんと山田さんを牽制した。姉ちゃんと山田さんと同意件で俺もこいつらはアリーナの人達を確実に人質にする術を持っていると思う。こいつらの手の内が読めない間は使わない』

クロエ『了解しました』

ゥゥゥウウウウン……パッ

鈴清「「お?電気が!」」

ジェイ「フッフッフッフッ……」

ケイ「ヘッヘッヘッヘッ……」

エム「ハッハッハッハッ……」

鈴清「「何笑ってんだよーこんにゃろー!って、あっ!!隔壁とバリアが!!」」

ジェイ「織村一夏、君ならもう気付いているんじゃないの?」

一夏「……かもな」

ケイ「シラを切ろうたってそうはいかねぇぜ。何なら今すぐーーー」

鈴清「「人質に手ぇ出すな!!」」ズドドンッ

ケイ「馬鹿が!」バチィンッ
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/05/27(金) 23:12:26.53 ID:qbsWr8IR0
一夏「ばッ!馬鹿ッ!お前等何やってんだ!!状況分かってんのか!!?」ガシッ

鈴「はーなーせー!こいつらにあたし達を舐めてやがるんだもーん!人質取ったぐらいでいい気になりやがってー!」ジタバタ

清「ふーざーけーんなー!そんぐらい分かってんだよー!あたし達だってちゃんと出来るんだからなー!」ジタバタ

鈴清「「一夏んと張り合えるぐらいまで強いんだからなー!こんのクソボケー!!後なんかお前等気持ち悪いんだよー!!」」ジタバタ

一夏「分かってるなら攻撃するなよ!こんな時に変な意地張るな!!」

ジェイ「フッフッフッ……まさか、攻撃してくるなんてね」

エム「面白い奴等だ。我々の目的を理解した上でか」

ケイ「ヘッ、相手が俺達で良かったな……いや、悪かったな」

鈴清「「がるるる……!」」

一夏「どうどうどう……落ち着けって」

一夏(敵がお喋りなのが不幸中の幸いか。それにしてもこの三機はステルス……いや、これはそんなレベルじゃない……俺達の機体で認識出来ない……?それに加えてジャミング……厄介だな。俺達はともかく、鈴や清、他の人は通信出来ないんだろうな……)

クロエ(一夏様も同じ事を考えているはず……隔壁とシールドバリアで増援は期待出来ません……ハッキングに関しては私達はあまり得意ではないのですが……駄目で元々……やるしかありません。何としても情報を入手しなければ……後は……)チラッ

鈴清「「どうしたの?」」

クロエ「いえ、何でもありません」

クロエ(先程の様な事をなさらなければ良いのですが……)

一夏(あ、あれ?ハッキングってどうやるんっだっけ?)
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 20:56:57.64 ID:eiDNl1zL0
一夏(それにしてもこいつ等……何か妙な感じがする……特に最初に現れた武器を持ってない奴……何なんだ……この感じ……)

クロエ(まさかとは思いますが……彼等はもしかして……いや、そんなはずはないはずです……そんなはずは……)

ケイ「さて、まずは第一ラウンドといこうぜ。どいつから相手になってくれるんだ?」

ジェイ「ケイ、待ちなよ。その前に、やる事があるんじゃないの?」ドンッッ

ザカンッッ

クロエ「ッ……ッ……!?」

一夏「クロエ!!」

ケイ「はあっ!!」ドゴッッ

一夏「ぐあッ!!」

鈴清「「一夏ん!?クロちん!?」」

クロエ「このッ……!!」ヒュッ

ジェイ「何それ?そんなのが攻撃?」スッ

ザカカカカカンッ

クロエ「うあッ……!!」

一夏「クロエ!このッ!!」ガシッ

ケイ「ヘッヘッヘッ、何だ?俺と力比べしようってか?」ググググッ

一夏「だったら何だ!」ググググッ

ケイ「オイオイ、何勝手に熱くなってんだ?ゲームはまだだぜ?」
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 21:12:32.44 ID:eiDNl1zL0

ググググッッ

一夏「何ッ……!?」ググググッ

ケイ「こんなもんか?何だよ、全然大した事ねぇじゃねぇか」ググググッ

一夏「う……おおッ……おおぉぉぉぉ……俺が……力負け………!?」ググググッ

ケイ「残念だったな!!」ドゴッッ

ドドドドドドドゴッッ

一夏「ッ……ッ……!?」

エム「どうした、お前達は何もしないのか?」

鈴清「「……うっせー、チービ」」ビシッ

エム「……」

鈴清((一夏んがパワーで負けて、クロちんがスピードで負けた……?))

鈴(こいつも剣もかなりヤバかったし……今は何もしてこないけど……)

清(さっきの時はクロちんが言ってくれなかったら……)

鈴清((あたし達、絶対やられてた……))

ジェイ「ゲームの進行を妨げたちゃあ駄目だよ?それはルール違反だからね、クロエ・クロニクル、織村一夏」

クロエ「一夏、大丈夫……ですか?」

一夏「……ああ……何とかな。そういうクロエこそ」

クロエ「この程度、問題ありません……」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 21:36:55.42 ID:eiDNl1zL0
ケイ「テメェ等の相手は後でちゃんとしてやる。それまで大人しくしてな。命令を守る良い子にじゃねぇと……ゲームの前にブッ潰しちまうぜ」

一夏「……分かったよ」

エム「フン、いくら足掻いたところで結果は同じだがな」

ジェイ「でも、楽しみは多い方がいいよね。フッフッフッ」

エム「それもそうだな」

鈴清「「……」」

一夏「鈴、清、落ち着け」

鈴清「「別に、落ち着いてるし」」

一夏「嘘言うな、フラストレーション溜まってるの丸分かりだぞ」

鈴清「「うっさい!」」ガスッ

一夏「蹴るなよ!しかも二人がかりで。敵の目の前なんだぞ」

鈴清「「ふーんだ」」ツーン

クロエ「……」オロオロ

エム「どうした?仲間割れか?」

鈴清「「いーっだ!」」

ケイ「何だ何だぁ?チームワークなしのチームか?」

ジェイ「そんなのじゃ、先が思いやられるね。フッフッフッフッフッ」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 21:53:58.38 ID:eiDNl1zL0
ケイ「よーし決めた。第一ラウンドの相手はテメェ等だ」

鈴清「「は?」」

ケイ「テメェ等だよ。俺の指が曲がってでも見えてんのか?ちゃんとテメェ等の方を指してるだろ?ホラ、この通りよ」ヒラヒラ

鈴清「「……」」

一夏(マズいな……こいつ、鈴と清の一番嫌いなタイプの奴だ……)

エム「随分と少ないハンデーーー」

鈴清「「グチャグチャグチャグチャ言ってないでさっさとかかって来いっての!!怖じ気づいてんのかこの腰抜けボケナスデカブツ野郎が!!」」ビシッ

ケイ「ヘッヘッヘッ、その威勢がいつまで持つかな」

エム「長くは続かないだろうな。第一ラウンドと同じで」

ケイ「その通りだぜ。ヘッヘッヘッヘッ」

一夏『クロエ』

クロエ『既に。しかし、尽力しているのですが相手が相当のハッカーなのでかなり時間がかかります』

一夏『焦らず、確実にやってくれ』

クロエ『了解』

一夏(後は姉ちゃんだな……)チラッ

ジェイ「それじゃあ第一ラウンド開始といこうか、両者とも準備はいい?」

ケイ「おうよ」

鈴清「「早くしろっての、このグズ」」

ジェイ「それじゃあ、開始」
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 22:14:11.42 ID:eiDNl1zL0
鈴清「「おらぁ!!」」ズドドンッ

ケイ「効くかよ!」バチィンッ

鈴「知ってる!」

清「だから!」

ケイ(左右から来る……いや違うな。あくまで正面から来るか)

ケイ「おらよ!」ブォンッ

ヒラリ

鈴「せいっ!」ドゴッ

清「たあっ!」ガスッ

ケイ「ヘッ、やるじゃねえか!」ブォンッ

清「ぐッ!!」ガシッ

ケイ(よけねぇで腕を固めやがーーー)

鈴「ずえぇい!!」ズガンッッ

ケイ「ッ……!?」

清「……」ミシミシミシミシ

グルンッ

鈴「せいやっ!!」ガヅァンッッ

ケイ「うッッ……こいつッ……!?クソッ……!!」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 22:26:36.82 ID:eiDNl1zL0
鈴「もういっーーー」

ケイ「何てなぁ!!」ブンッ

清「きゃあっ!!」

鈴「清!」ガシッ

ケイ「隙だらけだぜぇ!!」ドゴッッ

鈴清「「ぐッ……!!」」

ケイ「おらおらおらおらぁ!!」ドドドドドド

鈴清「「ッ……ッ……ッ……!!」」バシッバシバシッバシッ

鈴清((重い……いなすのが精いっぱいても……でも、ダメージが……何て馬鹿力……))

ケイ「まだまだぁ!!」ギュルルル

ガッ

鈴清「「壁!?やばッ!?」」


ドゴオォォンンッ


一夏「鈴!!清!!」

ジェイ「あーあ、まともに喰らっちゃったね」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 22:34:48.48 ID:eiDNl1zL0
エム「動くな、クロエ・クロニクル。ゲームの邪魔をするな」

クロエ「……了解しています」

クロエ(回転を加えてアリーナの壁を破壊するほどの威力……お二人は……)

ガラガラガラ……

ケイ「おっと、少しやり過ぎちまったか?」

一夏「おい!!鈴、清、大丈夫か!!聞こえてんのか!!立て!!立てよ!!」

鈴清「「……」」

ケイ「だとよ。ホラ、さっさと反撃してこいよ」ガスッ

鈴清「「……」」

ケイ「ああ?どうした?もう終わりか?」ガシッ

鈴清「「……」」ダラーン

ケイ「仕方ねぇ、お目覚めの時間だぜ」

ミシミシミシミシミシミシミシミシ

一夏「や、やめろッ!!」

ジェイ「駄目だよ。君はまだ参加してないでしょ?」スッ

一夏「ッ……鈴!!清!!起きろ!!殺されるぞ!!」
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 22:46:42.42 ID:eiDNl1zL0

ミシミシミシミシミシミシミシミシ

ケイ「早く起きねぇと、そのか細い首が貧相な体とオサラバしちまうぜ?」ググググッ

鈴清「「……」」

エム「……」チャキッ

クロエ「……」

一夏「やめろッ!!それ以上したら二人がーーー」

ガシッ グイッ

ジェイ「大人しくしてなよ。それよりも、ゲームを楽しもうよ」グググッ

一夏「ッ……ゲーム、だと?ふざけんなよ!!人の命を何だとーーー」


ゴキンッッ


ケイ「おっと、やっちまったか?」

鈴清「「……」」ダラーン

ケイ「オイオイ……何だよ。良いのは威勢と最初だけか」

一夏「鈴……清……?」

鈴清「「……」」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 22:55:12.73 ID:eiDNl1zL0
エム「フン、所詮はこの程度か」

ジェイ「あーあ、思ってたより速かったね」

一夏「嘘だろ……?な、なあ、嘘だよな……?鈴……清……」

鈴清「「……」」

ケイ「こりゃ感動の場面だな。泣かせてくれるぜ」

一夏「起きろよ!!なあ!!鈴!!清!!起きろッ!!」

鈴清「「……」」

クロエ「一夏様!!」ガシッッ

一夏「離せよ!!クロエ!!」

クロエ「いいえ!!離しません!!ここで離せばお二人だけですまなくなります!!」

クロエ「冷静になってください!!」

一夏「俺は冷静だよ!!」

クロエ「それが冷静でないと言っているのです!!」

一夏「冷静だよ!!早く離せよ!!鈴と清が!!」

ジェイ「フッフッフッ……」

エム「ほう……面白い。ここまで取り乱すか」

ケイ「オイオイ、何だよ。また仲間割れかよ」パッ
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 23:09:21.96 ID:eiDNl1zL0


ズドドドドドドドドドドンッ


ケイ「う……うおぉぉぉッッ……!!?」

ジェイ「えッ!?」

エム「何ッ!?」

鈴「っだあっ!!」ズガンッッ

清「っぜやあっ!!」ズガンッッ

鈴清「「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!」」

ドガガガガガガガガガガガガガッ

ケイ「ぐあぁぁッ……こッ、コイツ等ッ……!!」ミシッ

鈴清「「らあッッ!!」」ガヅァンッッ

ケイ「がッッ……グッッ……!!」バキン

グルンッッ

鈴清「「くたばれッッ!!」」ドゴッッ

ケイ「うおぉぉぉッッ!!?」

ドゴオォンッ

鈴清「「様あ見ろ!さっきのお返し!」」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/02(木) 23:29:45.20 ID:eiDNl1zL0
鈴清「「ふーっ、スッキリしたぜー」」

一夏「鈴!!清!!無事だったのか!!」

鈴「モチのロン!この通り!首が折れた様に見せただけ!」ゴキゴキッ

清「作戦大成功!敵を欺くにはまず味方からって言うもんね!」ゴキゴキッ

鈴清「「いえーい!」」パチン

一夏「そうか……良かった……本当に良かった……!」

クロエ「お二人とも……御無事で何よりです……本当に……」

鈴清「「えへへ……心配かけてごめんねっ」」

ジェイ「……ま、まさか、死んだフリ、なんてね……」

エム「ケイは気付かなかったのか……?奴等がそこまで巧妙な事をやってのけたとは思えないが……」

ジェイ「僕達だって騙されてるんだよ?」

エム「……そうだな」

鈴清「「さーて、この程度で済むと思ってんの?とっとと立ち上がってかかって来やがれ、アホバカマヌケのオタンコナス」」クイクイッ

ケイ「……ヘッ、ヘヘヘッ、ヘッヘッヘッヘッ、いいぜ、そうこなくっちゃな。そうじゃねぇとオモシロくねぇもんな」

鈴清「「さっき喰らった分、全部兆倍にして返しやるんだからね!!覚悟しやがれ!!」」

ケイ「やれるものならやってみやがれ」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/11(土) 20:38:35.40 ID:ZJEFurG50
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 14:38:12.79 ID:S4No9mko0
千冬「いいか、絶対に何もするな。絶対に、だ」

セシリア「はい……」

千冬「気持ちは分かる。しかし私達は既に袋の鼠だ。迂闊に行動を起こせば生徒達に被害が及ぶ事になる」

千冬「ISを使って隔壁を破壊しようものなら尚更だ」

セシリア「すみませんでした……」

真耶「ま、まあまあ、織村先生、その辺にしましょうよ。いずれその行動を生かす時が来ますから」

千冬「……そうですね。とにかく、今は大人しくしていろ」

セシリア「……はい」

箒(山田先生に千冬さん、二人とも話ながら手元で何かをしている……)

千冬「箒、お前は何もしないのか?今は非常時だから少々設備を破壊してもお咎めなしだぞ?」

真耶「そうですよ、現場の判断で臨機応変な対応を求められますからね」 ニコッ

箒「いえ……私はセシリアの様にISを持っていませんから……」

真耶「ほえー律儀ですねー」

千冬「山田先生が言うと説得力が違いますね」

真耶「えへへっ」

千冬「誉めてませんよ」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 14:57:44.82 ID:S4No9mko0
千冬「山田先生、コーヒーでもいかがですか?」

真耶「砂糖とミルクいっぱい入れたのをお願い しまーす」

千冬「分かりました」カツッカツッカツッ

セシリア「えっ」

千冬「何だ?お前もーーーいや、イギリス人のお前には愚問だったな」

セシリア「い、いえ……そういう事ではありません」

千冬「なら何だ」

セシリア「この非常時にコーヒーを飲むのはどうかと思うのですが……」

千冬「外も見えない完全な密室で監視付き、犯人からの声明も何もない。なら大人しくコーヒーでも飲んで、何かが起こるのを待つのが得策だ」

セシリア「そ、そうですね……」

千冬「お、喜べオルコット。お気に召さないとは思うがティーパックの紅茶があったぞ。飲むか?」ガラッ

セシリア「え、あ、はい……頂きます」

セシリア(何と言えば良いのでしょうか……流石は一夏さんの姉君ですわ……)

千冬「箒、お前は?」

箒「私は結構です」

千冬「ほうじ茶もあるぞ?」

箒「結構です」
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 15:30:52.38 ID:S4No9mko0

バシュンッ

真耶「危ないッ!!」バッ

箒「えっ!?」

セシリア「きゃあっ!?」


ヒュカカカッ


真耶「ッ!」シャッッ

シャキンッ

オータム「おー惜しかったな、狂犬さんよぉ。そこのガキ二人に構わなければ俺に勝ててたかもしんねぇな……銃を捨てて両手を頭の後ろにやれ」

真耶「……」パッ ゴトンッ

オータム「オイオイ、マジかよ。M29って……教師なら普通デリンジャーとかキスオブデスとかだろ」

真耶「……」

千冬「山田先生!くっ……!」

スコール「ふふふっ、思った通り……あなた、とても良い体してるわね……」グググッ

千冬(いくら光学迷彩で姿は隠せたとしても、気配や殺気までは隠せない……何なんだこいつは……何も感じなかった……それにこの力……アンドロイドの類いか……)

スコール「……イタリアンコーヒーにしては砂糖の入れすぎね。糖尿病になるわよ?」

千冬「ご忠告感謝する。しかし、それは私のコーヒーではない」

スコール「あら、そうだったの」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 16:06:38.48 ID:S4No9mko0
セシリア(山田先生と織村先生がこんなにも簡単に負けた……?)

箒(山田先生は私達を守っていたから仕方なかったが……千冬さんは完全に後ろを取られていた……そんな馬鹿な……)

スコール「良い子ね。お嬢ちゃん達、いい?もし“綺麗な体のまま”でお父さんお母さんの所に帰りたいのなら、どうすればいいか分かるわよね?」チャッ

セシリア「……」

箒「……」

スコール「本当に良い子ね。出来る事ならここで今すぐにでも可愛がってあげたいんだけど……まずは」ペロッ

千冬「……それがお前達の要求か」

スコール「まさか、私達はただの馬の骨よ。要求もへったくれもないわ」クスッ

オータム「そろそろ黙れ。早く端末を取り上げろ」

スコール「分かってるわよ」バキッ

千冬「!」

千冬(……いつの間に……)

オータム「自分達は生徒に何もするな、って言っておきながらその実自分達は監視カメラの死角でコソコソとハッキングたぁよ……先生方は生徒の見本にならなきゃあいけねぇのにそれはどうかと思うぜ」

真耶「そうですね。すみませんでした」

真耶(気付いていましたか……この二人……相当腕の立つ軍人……いや、諜報機関のエージェントでしょうか……せめて顔さえ分かれば……)
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 21:42:26.87 ID:S4No9mko0
千冬「お前達は何者だ、目的は何だ」

スコール「秘密結社の犬畜生、目的は……そうね、お金と言ったところかしら」

千冬「……」

スコール「おっと、今のは日本で言う本音と建前の建前の方よ。本当の目的は別にあるから安心して頂戴」

オータム「テメェなら言わなくても分かるだろ?あの隔壁の向こうにある、世界にたったの二つしかないISとその操縦者が、お偉方の目的だよ」

千冬「……やはりか」

オータム「残念だが、俺達に何を言っても既に二人は確保される運命にあるんだよ。悪いな、千冬お姉ちゃん」

千冬「ッ!」

スコール「こら、暴れちゃ駄目よ」

オータム「おおっ、怖ぇ怖ぇ」

スコール「織斑千冬、先に言っておくわ。私達はここから安全に逃走出来ればそれでいいの。その為には、あなた達の協力が必要で、その為ならこちらも協力は惜しまないわ」ボソボソ

千冬「何……?」

スコール「勘違いしないで欲しいのは、我々の言っている事は要求ではなく命令よ。あなた達に拒否権はないわ」

スコール「もし、拒否するというのなら……彼女達の未来は保証出来ないわ」
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 22:21:51.70 ID:S4No9mko0
〜アリーナ1番ゲート〜

本音「簪ちゃん……」ギュッ

簪「だ、大丈夫だから……大丈夫……」

オータム「さて、IS学園の生徒の皆さん、こんにちわ。お姉さん達はあなた達に社会というものを教えに来た特別教師ですので、これからはよろしくお願い致します」

オータム「えー今回の授業を行うに当たって決まり事が二つあります。一つはお姉さん達に突然襲いかかってこない事、二つ目はISを使用しない事です。もしもこの決まりが守れなかった場合には、お姉さん達は“とっても怖がり”なのでこの人差し指が勝手に動いてしまうかもしれません」トントン

オータム「でも安心してください。あなた達が提示したルールを守ってくれる限り、こちらも絶対にルールを守ります。あなた達に一切の危害は加えません。いいですか?」

シーン

オータム「おや?返事がないですね?いいですか?」

ハ,ハイ……

オータム「よろしい。それでは、お互いルールを守って安心安全な授業にしましょう」

簪(潜入部隊だから数はそんなに多くない……この数なら私だけでも……ミサイルの信管を作動させなければあの装備なら気絶で済むはず……)

カリーヌ『オータム、生徒達の一番奥にいるのはーーー』

オータム『更識簪だろ?んな事ぁ重々も承知、分かってんよ』

カリーヌ『分かっているならいい』

オータム『各員、しっかりと見張ってろよ。何か行動を起こす前に止めねぇと下手すりゃあ嬢ちゃん達を殺らねぇといけなくなるからな。そしたら誇り高き正義の味方、チームハーキュリーズの名折れだからな』
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 22:44:05.98 ID:S4No9mko0
オータム「まずは一人」


ヒュカッッ


簪「ひッ!!?」ビクッ

本音「ッ!?」ギュウゥゥッ

オータム「……ワリぃな、思わず手が滑っちまった。あー……他の奴等も、悲鳴なら別に挙げてくれても結構だぜ。俺達ぁ別に気にしねぇからよ」ツカツカ

簪(こっちに来る……)

本音「……」ギュウゥゥッ

ヒョイッ

オータム「ん〜いいメガネしてんじゃねぇか、ちょっと貸してくれよ」

簪「あっ!駄目ッ!」

オータム「ロックオン……んん?何でこんな物騒な単語と、ターゲットサイト諸々が表示されてるんだろうなぁ?」

簪「……」

オータム「信管を作動させないとはいえミサイル攻撃はやり過ぎなんじゃねぇか?敵に対し過剰な攻撃はルール違反だぜ。俺達は大半がサイボーグだが、俺を含んだ数名は生身の人間だ。そこんところ、マジで頼むぜ簪ちゃん」スッ

簪「す、すみません……でした……」スチャッ

本音「……」ビクビク

オータム「嬢ちゃんも、ビビらせて悪かったな。けどよぉ、これが俺達の今のお仕事ってモンなんだ。分かってくれよ、な?」ポンポン

本音「う、うん……分かった……」

カリーヌ(人に言っておきながら、お前も大概ではないか)
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 22:51:53.85 ID:S4No9mko0
〜アリーナ3番ゲート〜

清香「ど、どどど、どうしよう……ヤバイよぉ……」ボソボソ



三年生「皆さん、落ち着いて下さい」

488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 23:41:28.85 ID:S4No9mko0
〜アリーナ3番ゲート〜

清香「ど、どどど、どうしよう……ヤバイよぉ……静寐ぇ……」ボソボソ

静寐「落ち着きなよ、私達の前に誰がいると思ってるの」ボソボソ

三年生「皆さん、どうか冷静に」

スコール「勇敢ね。あなた一人でこの数をどうにか出来ると思うの?」

三年生「出来るとは思っていません。しかし、成さねばなりません」

スコール「流石は円卓の騎士、モルドレットーーーいや、ナイトオブローズ?それとも、サラ・ウェルキンと呼んだ方がいいかしら?」

サラ「貴女の好きな様に読んで頂いて結構です。他の生徒達に危害を加えにならないのなら」

スコール「勇敢な上に気丈ね。ふふっ、嫌いじゃないわよ?」

サラ「お褒め頂き、光栄です」

スコール「さて、いいかしら?あなた達、良く聞いておいて頂戴。ご覧の通り、今現在この場は裏の金で重武装した我々秘密結社の手先が制圧したわ」

スコール「我々から人質であるあなた達に対する要求は一つ、何もしない事。とっても簡単でしょ?」

スコール「間違っても何かの拍子に盛って私達を襲った場合には5.7x28mm弾か、12.7x99mm徹甲弾、20mmx82弾の三つの内どれかを選んでもらわないといけなくなるわ」

スコール 「それでも良いと言うのならお好きな物を選んでもらって結構よ。しかし、こちらとしてはそれは極力避けたいという事を覚えておいて頂戴」

スコール「あなた達が何もしなければ、こちらも何もしない。これだけは約束するわ。そして、あなた達が約束を守っている限り、私達は絶対に裏切らない」

スコール「……と言っても、信用ならないわよね。この状況じゃあ尚更」
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/06/20(月) 23:59:44.01 ID:S4No9mko0
スコール「説明は以上よ。それじゃあ皆、張り切って何もしない人質をやっておいてもらえるかしら」

静寐「何というか……やる気のなさ過ぎじゃない?」ボソボソ

清香「ちょ、調子狂うよね……」ボソボソ

文『姉貴……いくら何でもそれは……』

スコール『いいじゃない。今の私達に豚の餌以下の奴等の為に働く義務も責任なんて微塵もないわ』

文『それはそうですが……牽制を怠れば増長を招きやすぜ』

スコール『その時はその時よ……まあ、オータムは怒るでしょうね』

文『そうならねぇ事を祈ります』

「ねえ、そこのあなた」

清香「は、はひっ!私ですか!?」ビクゥッ

スコール「……はあ」ヤレヤレ

「そう、あなたよ」ツツー

清香「ひゃいっ!?な、な、ななな、何でしょうか!?」

「うふふっ、可愛いわね。もし良かったらーーー」

ガツンッッ

「……何よ」

文「時と場合と相手を考えな。すまねぇな、嬢ちゃん。こいつが迷惑かけたな」ペコリ

清香「い、いえっ、そ、そそ、そんな事ありませんよ!」
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 15:39:04.79 ID:xIRW23iw0
スコール「ちゃんと見てるかしら?でないと後でドキュメンタリー番組が出来ないじゃない。タイトルは……そうね、私は見た、IS学園襲撃の真実……うふふっ、これで視聴率は頂きね」

シャッッ

スコール「……」パシッ

スコール「……タイトルが気に入らなかったかしら?」

オータム「少しは口を閉じてらんねぇのか」

真耶(どうやらそんじょそこらのゴロツキではなさそうですね……相当手練れた傭兵か、特殊部隊崩れか、裏組織御抱えの殺し屋か……)

真耶「……」ギロッ

セシリア「!?」ビクッ

真耶「……」フルフル

セシリア「……」コクン

真耶「……」ニコッ

千冬「……」

千冬(それにしても何だ……こいつ等のこの感じ……二人ともアンドロイドか何かなのか……?いや、アンドロイドからこんな感じはしない……なら何だ?)

スコール「あら、随分と怖い顔ね」グイッ

スコール「あなた、結構綺麗な顔しているんだから、そんな怖い顔や仏頂面ばかりしてちゃ駄目よ?男どころか弟くんだって怖がっちゃうわ」

千冬「生まれつき仏頂面なものでな」

スコール「ならこれで笑え……はしないわね。多分、私達も含めて」
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 16:00:36.56 ID:xIRW23iw0
スコール『こちらベータ、作戦通り、人質を確保したわ』

オータム『こちらアルファ、同じく人質を確保。ガンマの作戦成功まで現状を維持しつつ待機する』

ジェイ『了解。そのまま人質をよーく見張ってておいてね』

ジェイ「フッフッフッフッ……そろそろ始めようかな」

エム「ようやくか」

ケイ「ふんっ!」ブンッッ

鈴「ほっ!」ヒラリ チョン

ケイ「こいつ等ァ!」ブンッッ

清「よっ!」ヒラリ チョン

ケイ「うおらぁ!」ブンッッ

鈴清「「もらったぁ!」」ヒラリ ガスッッ

ガシッ

ケイ「こっちがな」ジャパッ

鈴清「「やばっ!?」」

バシュウゥゥゥンッ

鈴清「「きゃあぁぁぁっ!」」
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/04(月) 20:15:07.12 ID:ckpPi8GvO
ていうか、清って誰だよ…。
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 20:24:53.08 ID:xIRW23iw0
一夏「鈴!清!」

鈴「し、心配ご無用!問題ナッシング!」

清「……何のこれしき!こんなのへっちゃらなんだから!」

一夏「ふう……なら良かった……」

エム「フンッ、どうやら調子が出ないようだな。いや、ISにエネルギーがもうないだけか?」

鈴清「「……」」

ジェイ「あれ?もしかして、図星?」

鈴清「「だったら何だっての!このボケ!」」ビシッ

鈴(例えエネルギーが残り少なくても)チラッ

清(こっちには逆転の一手があるんだから)チラッ

鈴清「「……」」コクン

ケイ「ヘッヘッヘッ、だから小ハエみてぇに人の回りをチョロチョロ飛び回ってたって訳か」

鈴清((やっぱり……こいつ……))

ケイ「ジェイ」

ジェイ「分かってるよ。ケイ」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 20:40:59.49 ID:xIRW23iw0


ガコンッ ウィーンッ


鈴清「「はあ?何してんの?」」

ケイ「補給装置だよ。せっかくのゲームなんだからフェアにいこうぜ……まあ、テメェ等はハンデ付だけどな」

エム「早くエネルギーを補給しろ。お前達はエネルギーが減った状態から始めたからな。そんな状態でゲームをしていても、こちらとしても面白くも何ともない」

鈴清「「……」」

ジェイ「変な細工なんてしないよ?それはルール違反だからね」

一夏「鈴、清、いいから補給しろ」

鈴清「「でも……」」

一夏「お情けとかそんなの言ってる場合じゃないぞ」

クロエ「私達との戦闘でかなりのエネルギーを消耗されていたのですから、ここは補給するのが得策かと」

鈴「ここまで言われたら仕方ないね、清」

清「一夏んとクロちんに言われたもんね。鈴」

ケイ「ヘッヘッヘッ、そうだ。そうこなくっちゃあオモシロくねぇぜ」

ジェイ「……」

ジェイ(ケイ……僕はいつでも君と代われるからね……)

エム「……」
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 21:17:05.50 ID:xIRW23iw0
ケイ「補給は終わったか?何なら、ついでにトイレも行くか?」

鈴清「「いちいちうっせーんだよ。このアホ」」

ケイ「ならおっ始めるとするか。俺達のゲームをよ」

鈴清「「俺達の?」」

一夏「ゲーム……?」

ジェイ「君達がどれだけチップを失わずに済むか……そう、本当に簡単なゲームさ」

一夏「チップ……?俺達はそんなの一個も持ってないぞ」

エム「いいや、大量に持っているだろ。それも、このアリーナにある」

鈴清「「まさか!チップって……!」」

ケイ「カンの良い奴だ。その通りだよ。チップってのは人質とそれを確保している別部隊だよ」

一夏「ふざけんなよ!!お前等人の命をなんだと思ってんだよ!!」

ケイ「ガタガタ言うんじゃねぇ!!……チップが奪われたくなけりゃ勝ちな。それがこのゲームだ」

一夏「勝手にやらせておいて何偉そうに言ってんだよ!!」

クロエ『一夏様、落ち着いて下さい』

一夏『俺は落ち着いてるって』

クロエ『いや……それが……何でもないです』
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 21:55:41.49 ID:xIRW23iw0
〜アリーナ1番ゲート〜


ウイィィィンッ ゴウンゴウンゴウンゴウン


オータム「あ?何で隔壁が降りてやがんだ?」

簪「何で……?」

本音「?」

カリーヌ『各員、警戒しつつ集結しろ。オータム』

オータム『わーってるよ。あんのクソガキ共……何かやるつもりだな……まさかとは思うがこっちの作戦がバレてたか……?』

オータム『スコール、どうなってやがる』

オータム『……』

オータム『スコール?オイ、聞いてんのか?クソガキ共は何してやがるんだ?』

オータム『……』

オータム「冗談キツいぜ。全く……」

カリーヌ『スコールは何と言っているんだ』

オータム『分からねぇ。通信が妨害されてんのか、それとも通信出来ねぇ状況か……何にせよ俺達ぁ孤立したって事だ』

カリーヌ『マズイな。このままでは我々は人質と運命を共にするぞ』

オータム『クソガキ共にカマでもかけてみる』
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 22:22:31.36 ID:xIRW23iw0
〜アリーナ3番ゲート〜


ゴウンゴウンゴウンゴウン


スコール(……傲っていた訳じゃないけどこの私がハッキングで負けるとはね……)

スコール(流石はハイブリットタイプの最高品……必ずブチ殺してあげる……)

文『姉貴、これは一体……』

スコール『私じゃないわ。ガンマのジェイって子の仕業よ』

文『姉貴がハッキングで……』

スコール『そんなに驚かないで頂戴。一番驚いてるのは私なんだから』

文『す、すんません』

サラ「今度は何をなさるおつもりですか」

スコール「さあ?カメラもある事だし、密室で大乱交でもやれって事かしら」

サラ「……」

スコール「一つだけ言えるのは、お互いにとって芳しくない状況という事ね」

サラ「……了解しました」

サラ(織斑さん、クロニクルさん、凰さん達。どうか御無事で)

清香(だ、大乱交って……そんな……)カァァァッ

静寐(あの人なりのユーモア……なのかな……?)
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/04(月) 22:55:22.79 ID:xIRW23iw0


ブウゥゥゥゥゥゥン


箒「熱っ!?」

セシリア「篠ノ之さん!?」

箒「大丈夫だ。ちょっとビックリしただけだ」

オータム「ああ?何だってこの部屋をサウナにしようとしてんだ?」

スコール「……」

オータム「オイ、聞いてんのか」

スコール「私……は……やってな……い……奪られた……」

オータム「とられた、ってマジかよ!?」シャパッ

千冬(仲間割れか。なら付け入る隙が……)

真耶(マズイですね……完全装備のこの二人は問題ないはずですし、ある程度耐えられる私達はともかく、篠ノ之さんとオルコットさんがどれぐらい保つか……ISは使わせてくれなさそうですし……)

スコール「……駄目ね。完全に向こうの手に落ちたわ」シャパッ

オータム『クソが……やってくれんじゃねぇか。小籠包ごっこなんてゴメンだぜ』

スコール『せっかくの人質を台無しにするなんて……どういうつもりかしら』
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/23(土) 17:57:13.17 ID:0Y4srG7Z0
ジェイ「フッフッフッフッ……どう?分かったかな?これが君達に与えられたチップさ」

鈴清「「……」」

エム「くだらん理由でゲームを放棄する様な真似はするなよ。せいぜい私達を楽しませろ」

一夏「お前等何て事を!!ふざけんな!!」

クロエ「……」ガシッ

一夏「何だよ!?クロエ!!」

クロエ「……」フルフル

一夏「ッ……分かってるって……分かってるての!」

ケイ「ヘッヘッヘッヘッ、いいぜ、その調子だ。それでこそゲームも楽しくなるってモンだ」


鈴清「「ふざけんな」」


ケイ「……あ?」

鈴「ふざけんな、って言ったの」

清「こんなの、面白くも何ともない」

鈴清「「笑ってんのはあんた達だけなの分かんないの」」ギロッ
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/23(土) 18:20:55.76 ID:0Y4srG7Z0
エム「好きなだけほざけ。お前達がいくらほざいたところで、ゲームの結果は同じだ」

ジェイ「おやおや?もしかして、怒ったの?」

鈴清「「……」」ブンッ

ジェイ「何してるのさ?どこを狙ってーーー」


ズドドンッ バキャッッ


ジェイ「ッ!?」ザカンッ

エム「何ッ!?」ザカンッ

鈴清「「あんた達は黙ってて」」

エム「ほう……」

ジェイ「フッフッフッ、面白くなってきたね」

一夏(投げた青龍刀二つの結合部分に龍咆を当て、無理矢理分離させて二人に攻撃を……何で俺等の時にやらなかったんだ?)

クロエ『一夏様……お二人の様子が……』

一夏『ああ、キレた』

クロエ『キレた……?』

一夏『普段はうるさいぐらいはしゃいでる鈴と清だけど、イラつくと口と態度がかなり悪くなる。で、本気でキレた時にはこうやって静かになるんだよ』

クロエ『なるほど……』

一夏『怒れば怒る程、鈴と清は冷静になる……ま、言ってみれば箒の逆だな』

クロエ『そ、そうなのですか……』

クロエ(いつの間にか一夏様も冷静になられています……)
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/23(土) 18:55:21.77 ID:0Y4srG7Z0
ケイ「ヘッ、そうかい。これでも笑えねぇのか。文句の多い奴等だぜ」スッ

ジェイ「ケイ?何をーーー」

ケイ「なら、イヤでも笑わせてやるぜ」ウィーンッ


シャパッ プシューッ


ケイ「さあ、俺は誰だ?」

一夏「お前ッ!?」

クロエ「やはり……」

鈴清「「……」」

ケイ「ヘッヘッヘッヘッ、良いツラだ。まるで、薬漬けのキリスト様でも見たってツラだな。最高だぜ」

鈴清「「それで?」」

ケイ「あ?」

鈴「一夏んと同じ顔してるから何?」

清「本物にでもなりたい訳?」

ケイ「本物だぁ?笑わせんな、偽物とか本物とか関係ねぇんだよクソが」
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/23(土) 20:10:25.29 ID:0Y4srG7Z0
ケイ「知ったフウな口聞いてんじゃねぇ!!今までのうのうとクソみてぇに生きてきただけのテメェ等に俺の何が分かるってんだよ!!俺の何が!!」

鈴清「「……」」

ジェイ「ケイ……?」

ケイ「ふざけんじゃねぇ!!テメェ等に微塵も分かる訳ねぇだろうが!!俺がここまで来るまでに……こうなる為にどれだけッ……どれだけの俺をッ……ッ……」ポロポロ

一夏「お前……泣いて……」

ケイ「ンな事テメェに関係ねぇだろうが!!クソッ……クソが!!いいか、俺は俺なんだよ!!本物は織斑一夏だとかふざけた事を抜かすんじゃねぇクソチビが!!ブッ殺すぞ!!」

エム「ケイ!」ガシッ

ケイ「エム!!テメェだってそうだろうが!!」

エム「そうだ!だが、今それを持ち出す時ではない!」

ケイ「テメェは何とも思わねぇのか!?それとも自分には関係ねぇって思ってやがるからそんなーーー」

ジェイ「いい加減にしなよ!……ケイ、せっかくのゲームなんだからそういうのはなし。今はゲームを楽しもうよ」

エム「ケイ……ジェイの言う通りだ……」

ケイ「……」
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/07/23(土) 20:50:26.28 ID:0Y4srG7Z0
一夏(どれだけ“俺を”……?あいつ……何を言おうとしてたんだ……それに、鈴と清が何言っても笑ってたのにあんなに必死になって怒って……泣いて……)

一夏(あいつは一体何を背負ってるんだ……)

クロエ(やはり彼も……同じ……)

鈴(あたし達……あいつに勝てるかな……正直、あいつの感じちょっと戦いにくいな……)

清(腕の差とかじゃない……よく分からないけど……何か……あたし達にないものがある)

鈴清((あいつは、あたし達とは比べ物にならないものを背負ってるんだ……でも、それでも、倒さないと。皆を助ける為に))

エム「ケイ……」

ジェイ「君がゲームをしないなら、僕がこのゲームをさせてもらうよ?」

ケイ「……分かったよ」ジャパッ

プシューッ ウィーンッ

ケイ「凰鈴音、凰清音……ベットは終わりだ。用意はいいか」

鈴清「「早くしてよ。こっちは人の命がかかってんだから」」

ケイ「ガタガタ言うな。俺にもかかってんだよ」

ジェイ「二人ともいいね?それじゃあ、始め」
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/23(土) 23:34:48.72 ID:m/4AVKE20
八幡の方がかっけーよなぁ
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/06(土) 17:50:58.72 ID:7nZCsbds0
鈴清「「……」」ジャパッ

ズドドドドドドドドドド

ケイ(何処狙ってーーーなるほどな)

ブワァァァァァァァ

ケイ(砂埃を巻き上げて煙幕にしようってか。んなチャチなモンが通用するかよ)

ケイ(……クソが、センサーが片方イカれてやがる……頬の装甲が割れただけだと思っていたがアイツ等、この為に顔を狙ってやがったのか……だがよ、来るのは当然)

鈴「っぜやあっ!!」シュッ

ケイ「そこだ!!」ガスッ ドゴッ

鈴「うあッ……!」

ケイ「テメェは見えてんだよ!」バシュウゥゥゥンッ

清「うわッ!?っとととっ!」チュインッ

鈴「シィッ!!」グルンッ

ケイ「馬鹿がーーー」


ザカンッ ザカンッ


ケイ「何ッ……!?」

ケイ(いつの間に武器を拾って投げてやがった!?そうか、センサーの死角から来たコイツは囮で、その隙に向こうのアイツが武器を投げてやがったのか……!!)
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/06(土) 18:17:39.00 ID:7nZCsbds0

バギンッッ

ケイ「ッ……また装甲をッ……!!」

清「……」ズドドンッ

ケイ「ッ!!」バチチィンッ

鈴「っだらあッ!」シュッ

ケイ「うおぉぉぉぉ!」ガスンッ ガシッ

鈴「このッ!」ジャパッ

ケイ「おおおぉぉぉッッ!!」ブンッッ

鈴「きゃあぁぁぁ!!」

清「鈴!!」スッ

鈴「分かった!!」

ガシッ

清「行っけえぇぇぇぇ!!」ブンッッ

バシュウゥゥゥンッ

清「ぐッ……!!」

ケイ(投げ返して来やがった!?クソッ!間に合わねぇ!)
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/06(土) 18:35:11.28 ID:7nZCsbds0
鈴「くらえぇぇ!!」ドゴッ

ズドドドドンッ

ケイ(蹴りと同時に射撃だとッ……!?)

鈴「はッ!!ッだあ!!せいッ!!」ガスンッドゴッゴスッ

鈴「おおおぉぉぉぉぉぉッッ!!」ドガガガガガガガガッ

グルンッ

鈴「らあぁぁッッ!!」ガヅァンッッ

ズドドドドドドドドンッ

ケイ「う……おぉぉぉぉぉぉぉ!!」


ドゴォォォンッ


鈴「ハァ……ハァ……ハァ……清!大丈夫!?」

清「大丈夫、装甲が少し溶けただけ……まだいける」

鈴「ならーーー」


バシュウゥゥゥンッ


鈴清「「ッ!!」」バッ
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/06(土) 20:53:38.88 ID:7nZCsbds0
鈴「あれだけ顔にいれたのに……まだ動けるの……」

清「……上等じゃない。鈴」

鈴「うん、分かってる。清」

鈴清((こいつもしかして……痛覚もない……?もしそうなら……))

ケイ「……」フシュウゥゥゥゥ

ケイ「……」ゴキゴキッ スッ

クイックイッ

鈴清「「……」」ズドドドドドンッ

ケイ「があッ!!」ギュルルルルル

鈴清((あの回転攻撃はやばいッ……龍咆が効かない……けど!!))

鈴清「「顔面なら!!」」ズドドンッ

バチチィンッ

鈴清((弾かれた!!))バッ

ヒラリッ

鈴清((真上からなら!!))

ケイ「……」グイッ

鈴清「「嘘ッ!!?」」
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/06(土) 23:06:53.37 ID:7nZCsbds0


ドゴッッ


鈴清「「うあッ……!!」」

ガッ ゴッ ズザザザー

鈴清「「いッ……ッ……ヤバッ……!!」」

鈴清((方向転換したせいで……まともにもらった……早く、逃げないと……あのビームがッ……))

鈴「!!」カツン

バッ

ケイ「まだだ!!」バシュウゥゥゥンッ

鈴「くッ……ぉぉぉぉおおおお……!!」バチィィィィンッ

清「鈴!!」

ゴトンッ

鈴「ハァ……ハァ……何とか……防げた……!」ガクンッ

鈴(蒼天牙月が片方溶けたけど……それでも、あのビームを防げるなら……充分過ぎる……!)ジュウゥゥゥゥ

清「危ない!」バッ

ケイ「……」ブンッ

清「このぉ!!」ズドドドドンッ
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 16:54:01.05 ID:WPNr1i640
オータム『こちらアルファ、ガンマ、応答しろ』

ジェイ「あーあ、ケイが圧倒してる……これじゃあ出番なしか」

エム「フン、どうやらハンデにすらならなかったな」

オータム『聞いてんのか。応答しろ』

ジェイ『聞こえてるよ。どうかしたの?』

オータム『どうかしたの?じゃねぇよ。テメェ一体何のつもりだ。作戦内容を理解してんのか』

ジェイ『分かってるさ。でも、これはゲームのルールなんだよ』

オータム『テメェで決めたルールだろうが。そんなモンは犬にでも食わせろ。今は作戦に従え』

スコール『勝ち残りたければルールなんて必要ないわ。それでもルールが必要というのなら、盤上で踊らされるただの駒よ』

ジェイ『僕を操れるのはゲームのルールだけさ』

スコール『あら、そう……なら、いつかあなたの言うゲームに、哀れに殺されるだけよ』

オータム『スコール、こんなオモチャにマジになるな。こっちはテメェ等なしで作戦を遂行する。通信終了』

スコール『同じく作戦を遂行するわ。通信終了』
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 17:53:24.24 ID:WPNr1i640
エム『くだらん奴等だ。楽しみを自ら無くすとはな』

ジェイ『全くだね。あれじゃあ、鬼ごっこをする日もない』

エム『その時は私達が奴等と遊んでやろう。私達のルールでな』

ジェイ『フッフッフッ、そうだね』


一夏『クロエ、まだか?』

クロエ『すみません。私の能力だと枝を付けられない様にしているのが精一杯です』

一夏『鈴も清もそろそろ限界が近づいてきてるはずだ』

クロエ『分かっています。ですが……』

一夏『時間がない。アレを使う』

クロエ『駄目です!今ここでアレを使い、彼をシステムから強制的に切り離しても、彼をシステムから完全に排除した事にはなりません。そうなれば今以上に、人質の皆さんに危険が及ぶ可能性が残ります』

一夏『じゃあどうすればいいんだよ!?このままじゃ……!』

クロエ『……一つだけ、方法があります』

一夏『本当か!?』

クロエ『しかし、これは非常に高いリスクを伴う危険な方法です』

クロエ『私か一夏様のどちらかが犠牲になる……と思われます』
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 19:02:00.87 ID:WPNr1i640
〜アリーナ外部〜

楯無「……」

部長「何してやがんだ!とっととインチキしやがれってんだよ馬鹿野郎この野郎!!」

虚「今やってます!……ですから、少し静かにしてもらえませんか」

部長「ならいつまで手間取ってんだ!いつもみたくちょちょいのちょいで開けやがれってんだ!」

虚「出来るならやってます!!」

部長「てやんでい!!こんなんじゃあ埒も糞もねぇじゃねぇかよ馬鹿野郎この野郎!!」ガシャッ

虚「あっ!駄目っ!!」

部長「んな鉄の板なんざこうやってーーー」

エース「頭を冷やしな」ゴスンッ

部長「ッ〜!!いっっっでえぇぇぇ〜!!何しやがんでい!!」

エース「敵の情報は一切ない、中の状況も一切分かってない。それなのに強行策に出ようなんてあんた、自分の行動が本当に中の人達を助けようとしてるのか……少しは考えな」

部長「ッ……よ、余計なお世話だってんだよ!んな事は分かってんだよ!馬鹿野郎この野郎!!」

エース「なら大人しくしてな」

部長「けっ!ならそうさせてもらおうじゃねぇか!」ドカッ
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 19:20:37.26 ID:WPNr1i640
楯無「……」

キャプテン「あっちは何か盛り上がってるけど楯無ちゃん、どうするね?」

楯無「どうするもこうするも、虚達や中で頑張ってる人がシステムを奪い返すまで待機するしかないでしょ」

キャプテン「ま、そうなるよねぇ……」ポリポリ

楯無「私達に出来るのはせいぜい待機組のガス抜きよ……」

楯無「……」カリッ

楯無(簪ちゃん、本音ちゃん……無事でいて……)

キャプテン「……」

キャプテン「あーあ、これで私が少しでもハッキング出来れば事は少しは変わってたのかなぁ……あーあ、どーしよーもないなーこれはもう寝るしかねぇーなー」ゴロン

楯無「……」

キャプテン「爪、噛んでるよ」

楯無「爪でも紙でも噛むわよ。こんな状況じゃあね」ギリッ

キャプテン「あ、あはは……そりゃごもっともで……」

部長「……」イライラ

エース「焦らず、確実に頼むよ」ポンッ

虚「……勿論」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 19:44:11.53 ID:WPNr1i640
〜アリーナ1番ゲート〜

オータム「熱にやられた奴は何とかして俺等のスーツを使って熱から防護しろ!使えるモンは出し惜しみすんじゃねぇぞ!」

オータム「皆で小籠包はゴメンだ!少しでも長く、全員で生き残るぞ!!」

カリーヌ「これを羽織っていろ。熱を遮断する」

「あ……ありがとう……ござい……ます……」

本音「暑い……」ダラダラ

簪「頑張って……必ず助けがくるから……」ダラダラ

本音「うん……ま、負けないぞ〜……」

簪(待っていれば必ず……お姉ちゃんがきっと……助けに来てくれる……きっと……)

オータム「起きろ。ほら、水分取らねぇと死んじまうぞ……飲めるか?」グイッ

「は、はい……」

カリーヌ「何をしている。これではまだ熱が入ってくるではないか」

「ちょっと勘弁してよ。そんな事言われたってこれ以上通気口を塞いだら空気そのものを遮断するのよ?」

カリーヌ「ええい、もう打つ手なしか」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 20:00:52.18 ID:WPNr1i640
オータム「サイボーグの奴!テメェ等の体を冷たいぐらいまで体温下げろ!そんぐらい出来んだろ!」

「とっくにやってますよ!!けど手が足りないんですよ!!」

オータム「なら出来るだけ多くの奴を冷やしてやれ!」

「言われなくても!!」

簪(そう……もうすぐ……もうすぐお姉ちゃんが……助けに来てくれる……!)

本音「か、簪……ちゃん……」

簪「しっ、しっかり!もうすぐ助けがくるから!」

カリーヌ「待て、見せてみろ。脱水症状を起こしているな……誰かスーツを!」ダラダラ

「駄目です!さっきのが最後です!」

カリーヌ「ならお前!この子を冷やしてやってくれ!」

「了解」スッ

本音「あうぅ……冷たい……」

カリーヌ「お前も異変を感じたら我々に言うんだ。いいな?」ダラダラ

簪「は、はい……分かりました……」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 20:15:01.10 ID:WPNr1i640
簪(きっと……もうすぐ、助けに来てくれる……)

オータム「オイ!しっかり羽織ってろ!大丈夫だ。これを羽織ってれば大丈夫だからな!」

簪(きっと……もうすぐ……)

カリーヌ「大丈夫、大丈夫だからな。もう少し我慢すれば助かるからな……ほら、水分を補給するんだ」

簪(きっと……きっと……)

オータム「サイボーグ!!早くこっちに来い!!何してんだ!!」

簪(きっと……)

カリーヌ「スーツを症状の軽くなった者から重い者へ渡せ!」

簪(でも、このままじゃ……)

本音「簪ちゃん……」ギュッ

簪「ほ、本音ちゃん……!」ダラダラ

本音「大丈夫……だよね……?きっと……助かる……よね……?」ダラダラ

簪「う、うん!大丈夫だよ!だから、もうちょっとの我慢だよ!」ダラダラ

本音「わ、分かった……が、頑張る……」ニパッ
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 20:39:18.65 ID:WPNr1i640
簪(お姉ちゃんを待っていたんじゃ遅い……今すぐに皆を助けれる人が必要なんだ……)

簪(待っていたって……何も変わらない……皆を助けられない……!)

簪(お姉ちゃんや誰かじゃない……なら私が!)

簪「山嵐、展開!」

オータム「あァ!!?」

カリーヌ「何ッ!!?」

簪(皆を助ける!!)

簪「皆!私の後ろへ下がーーー」

オータム「下がるかこの馬鹿ッ!!!」ゴスッ

簪「痛ッ……!」

オータム「いいか?よく考えろよ?簪ちゃん。この閉鎖空間でそんなでけぇミサイルをブッ放してみろ。ここにいる全員綺麗サッパリ吹き飛んじまうぞ?」グイッ

オータム「それにな、この状況を作り出した奴は俺達を常に監視してやがんだ。もしも全員無事で防壁にブチ破ったとしても、数枚の防壁ごと俺達を一瞬で蒸発させるビームが飛んで来る。残念だがISを使うおうが止められねぇぐらいのやつがな」

オータム「訳も分かってねぇクセに一丁前に動くんじゃねぇ。自分一人ならともかく、全員で助かりたいなら尚更だ。いいな?」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/23(火) 20:57:23.62 ID:WPNr1i640
簪「でも……!!」

オータム「いいなッ?!!」グイッッ

簪「ッ……」

オータム「……」ダラダラ

簪「……分かり……ました……」

オータム「クソッ、ただでさえ暑いのに余計に暑くなっちまったじゃねぇか……」パッ

簪「すみません……」

オータム「……けどよ、隣にいる嬢ちゃんやここにいる全員を助けようと思って、行動を起こした事ーーーその勇気は称賛に値する」

簪「えっ……?」

オータム「頼む、もう少しだけ待ってくれ。そうすれば、この状況を打開して、必ず全員で助かる事が出来る」

オータム「そん時には、テメェの力が必要不可欠だ。だからその時まで力を温存しておけ。いいな?」

簪「はっ、はい!分かりました!!」

オータム「よーしその調子だ。手始めに周りの奴を励ましてやってくれ」

カリーヌ(全く、心臓に悪い……だが、これだけの行動を起こしたのにも関わらず、奴等は何もして来ない……弄ばれているのか?それとも……)
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/29(月) 17:00:30.96 ID:/kHZcr9H0
〜アリーナ3番ゲート〜

スコール「はあっ……はあっ……はあっ……っ……」プッ

ピチャッ

スコール「はあーっ……はあーっ……くっ……」

清香「あ……あの……あの人……血が出てますけど……大丈夫……なんですか……?」

文「今は人の心配よりも自分の心配をしな。あの人はそう易々とやられるタマじゃねぇ」

清香「そう……なんですか……」

文「ほら、スーツをしっかり羽織ってな。でねぇと熱にやられて死んじまうぞ」

サラ「お気を確かに、飲めますか?」

静寐「は……はい……何とか……」

「ふぅん、見逃してたけどあなたもなかなかいい女ね」

サラ「お褒め頂き光栄です」

「もし良かったらあたしとーーー」
「ちょっとナメクジ!!悠長にナンパしてる場合じゃないでしょ!!早くこっち手伝いに来なさいよ!!」
「誰がナメクジよ!言われなくともすぐ行くわよ!」

サラ(……ナメクジ?)
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/29(月) 18:08:32.70 ID:/kHZcr9H0
スコール「ッ……」ギリッ

スコール(どこかに枝さえ付けられれば……そこから……通信……ナノマシンネットワーク……武器管制……暗号……素数を元にランダム……よし、ICEをーーーなっ!!?)

スコール「チィッ!」バキッッ

スコール(どこまでいってもイタチごっこね……どれだけダミーとウイルスを送っても解析される……加えて防壁は完全なオリジナル……まるでリードボックス……無線状態のこっちに比べて向こうは有線……)

サラ「ハッキングはあまり芳しくないようですね」フォォォォン

スコール「あなた……ISを……」

サラ「カメラの死角になっていますので心配ありません。貴女方の体温冷却には及びませんが十分冷風と呼べるものではあるかと思います」フォォォォン

スコール「私はいいわ……それは他の子達に……してあげて頂戴……」

サラ「しかしーーー」

スコール「犬畜生と……未来あるIS学園の生徒……どちらの方が……価値があるかしら……」

サラ「……」

スコール「分かったら……早く行きなさい……」

サラ「そうさせて頂きます。しかし、様子を見てまた戻ってきます。それでは、失礼します」スクッ

スコール「……」

スコール「……お馬鹿な騎士さんね」クスッ

スコール(……遠回りするしかないわね……ゴールデン・ドーンじゃなくてファントム・タスクのシステムから……)
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/29(月) 18:47:34.99 ID:/kHZcr9H0
スコール「……」クイックイッ

オータム「……」スッ

千冬「……」ダラダラ

スコール『人の方を見る前に自分の方を見た方がいいわよ?その黒いブラ……とっても扇情的よ?』

千冬「余計な事を言っていると逃走出来なくなるぞ」

スコール『そうね。けど困るのはお互い様よ。このままだとね』

千冬「そんな事は分かっている」

千冬(さっきまで黙って動かなかったのに突然話し出したか……話せる程の余裕が出来たのか……いや、それともハッキングを諦めたのか……?)

千冬「システムの奪還には後どれぐらい掛かるんだ」

スコール『……』

千冬「……お前、そいつの代わりに教えろ」

オータム『……』

千冬(今度は二人して黙ったか……しかし、敵の敵に頼るしかないとはな……情けない……)ダラダラ

真耶「オルコットさん、篠ノ之さん、大丈夫ですか?」フキフキ

セシリア「はい……」ダラダラ

箒「大丈夫です……」ダラダラ

真耶「異変を少しでも感じたらすぐに言ってくださいねっ。我慢大会なんてしてる場合じゃありませんから」ダラダラ
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/29(月) 19:22:19.10 ID:/kHZcr9H0
真耶「ふう……暑い暑い……」フキフキ

箒「……」ダラダラ

箒(……情けない)

箒(一夏は……アリーナにいる人質全員を助ける為に……クロエと一緒に……戦っているんだろう……)

箒(それなのに私は……何も出来ずにここにいる……ただ言われた通り、大人しく座って耐えているだけだ……)

箒(私に力さえあれば……ISさえあれば……一夏やクロエと共に戦えたのかもしれない……少しでも一夏の力に……)

箒(いや、今の私に出来る事など何一つない……例え……ISを持っていた……ところで……何一つ……)

箒(こんな……私にはッ……!)ギュッ

箒「……情けない……」ボソッ

セシリア「篠ノ之さん!」ガシッ

箒「セ、セシリア……」

セシリア「弱気になってはいけませんわ!そんな事では一夏さんに笑われてしまいますわ!」

箒「しかし……今の私に何が出来る……」

セシリア「全く何も出来ない訳ではありませんくてよ?」
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/29(月) 19:55:59.92 ID:/kHZcr9H0
セシリア「例えハッキングが出来なくても、侵入者と戦えなくても……指を加えて見ている事しか出来なくても……出来る事はありますわ」

セシリア「一夏さんを信じる事です」

箒「信じる……」

セシリア「ええ、そうです。一夏さんは今も、あの隔壁の向こうで私達を助けようと頑張っていますわ」

セシリア「ですから私達は信じて待つのです」

セシリア「一夏さんが必ず助けに来てくれる、と……」

セシリア「そうすればきっと、この思いは少しでも一夏さんの力になるはずですわ」

セシリア「篠ノ之さんは、一夏さんを信じられないのですか?」

箒「そ、そんな事はない!」

セシリア「なら、一緒に信じましょう。一夏さんを」グッ

箒「……ああ、そうだな。きっと今に一夏はあの隔壁を破って助けに来てくれる」

セシリア「そうですわ!一夏さんの事ですもの、もうすぐ来てくれますわ!」

箒「……セシリア、ありがとう」

セシリア「いえ、当然の事をしたまでですわ」
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/08/29(月) 20:17:21.40 ID:/kHZcr9H0
セシリア「それに……私も……何も出来ませんから……」

箒「何故だ。お前はISを、持っているじゃないか……」

セシリア「ISを持っていたところで、あの侵入者と戦えるとは限りませんわ」

箒「……」

セシリア「今の私は、一夏さんと一緒に戦える程強くありませんので……立ち向かったところで……足手まといになるだけ……」

セシリア「ですから私は、一夏さんを信じます」

セシリア「一夏さんなら勝てる、と……」

箒「……」

箒(そうだ、セシリアの言う通りだ。何も出来ない事なんてない)

箒(例え共に戦えなくても、一夏の力になれるんだ)

箒「……セシリア、その時が来たら、二人で一夏を精一杯応援しよう」

セシリア「ええ、もちろんですわ!」

真耶(うんうん、善き哉善き哉)フキフキ

千冬(二人ともやはり疲弊しているな……本人達が思っている以上に……)

千冬(すまない、一夏……無力な姉で……)
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 18:32:20.80 ID:F/sqvubW0
クロエ『ーーー不確定要素が多過ぎる為、安全な方法だと断定は出来ません。私達だけでなく彼まで死亡する危険性が伴っています』

一夏『……』

クロエ『ですので……あくまでこれは一つの方法だと思ってください……他にも方法はあるはずです』

一夏『……』

一夏『いや、今すぐ俺がやる』

クロエ『だッ、駄目です!そんな事!!』

一夏『グズグズしてたって埒が開かない。皆を助ける為なんだ。やるしかないだろ』

クロエ『やめてください!その為に一夏様を犠牲にする訳にはいきません!!それに加えて、彼も犠牲になってしまうのかもしれないのですよ?!それでもよろしいのですか?!』

一夏『俺は犠牲にならないし、あいつも犠牲にはならない』

クロエ『何故そう言えるのです!!?』

一夏『俺には“あの束姉ちゃん”のくれたISがある。だから、誰も犠牲にはならない』

クロエ『し、しかしッ……!』

一夏『科学は人を』

クロエ『助ける……束様がよく口にされる言葉です』

一夏『俺は束姉ちゃんが信じる事を信じてる。だから俺は今すぐやる。誰にも死んで欲しくないから』

一夏『ここにいる全員を助ける為に』
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 18:38:24.20 ID:F/sqvubW0
鈴「ッ!!」ガシッ

ミシミシミシミシ

ケイ「ッ……同じ手を食うかよ!」ブンッ

清「っぜやあッ!」ガスッッ

ケイ「がッ……ッ……このッ!!」ジャパッ

ズガッッ

清「遅い……とった……!!」ググググッ

ケイ「そうかよ!!」

ボゴオォォンッ

清「うわッ!?」

清(壊れた砲身にエネルギーを送って爆発させた!?しまった!!?)

ケイ「だがまだ一個残っーーー」ジャパッ

ズドンッ

ケイ「がッ……ぐはあッ……!!」ボゴオォォンッ

鈴「これでゼロ!」
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 18:57:54.74 ID:F/sqvubW0
清(畳み掛ける!!)

清「シッ!」グルンッ

鈴「鈴!駄目!!」


ガシッ


清「捕まれたッ!?このッ!!」シュッッ

ケイ「……」ガシッ

ミシミシミシミシミシミシミシミシ

清「くッ……ッ……あぁぁッ……!!」

鈴「清!!」シュッッ

清「ッ……ッ……!!」ジャパッ

ケイ「があぁぁぁッ!!」ブォンッッ

鈴(投げてきた!!?)

鈴「うッッ……!!」ドゴォッ
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 19:21:54.33 ID:F/sqvubW0
ケイ「ハァー……ハァー……ハァー……」

鈴(あいつ……どんだけ頑丈なの……痛覚がなくても……体にダメージは与えられてる……はずなのに……)

清(あと少し……急がないと……あたし達もそろそろ……体力的に……限界……なのに……)

ケイ「ハァー……うッ……!!」ガクッガクンガクン

鈴清「「!?」」

ケイ「あぁッ……がッ……こんッ……なッ……時にぃッ……!!」ガクガクガクッ

ジェイ「ああっ!マズイよ!!」

エム「ケイ!!」

鈴清「「もらったぁ!!」」グルンッ

ケイ「うッ……がッ……う……ぉぉぉおおおおお!!!」ガヅァンッッ

鈴清「「耐えたッ!!?なら!!」」ジャパッ

ズドドドドドドド

ケイ「おおおおおおおおおおおおおおお!!!」

鈴清「「倒れろぉぉぉぉ!!」」ドドドドドドドドドド

鈴清((狙い通り!でもこれで倒れてくれれば……!!))
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 19:42:52.90 ID:F/sqvubW0


ドドドドドドドドンッ


鈴清「「……まだ……倒れない……!!」」

鈴清((でも、あいつはボロボロ!!勝機はある!!))

ケイ「ハァーッ……ハァーッ……ゲホッゴホッ……ハァーッ……」ミシッ バキッッ

エム「ッ……ケイ……!!」

ジェイ「ケイ!!もう無理だよ!!」

ケイ「うッ……るせぇッ……!!負け……られ……ねぇッ……んだよ……!!」バキャッ ミシミシッ

クロエ『一夏様……』

一夏『……ああ、分かってる。やるぞ。あいつも助ける為に』

ケイ「ーーーの為に……俺はあぁぁぁぁぁぁ!!!」

鈴清「「あたし達だって!!負けられないんだから!!」」

ジェイ「ケイッ……!!ん?織斑一夏……何をしてるの?」

一夏「何って……見ての通り、お前にクラッキングをしてるんだよ」
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 21:10:49.17 ID:F/sqvubW0
ケイ「何ッ!?」

鈴清「「はあッ!!?」」

エム「フン、馬鹿が」

ジェイ「本気かい?それはゲームの邪魔をするって事だよ?」

一夏「お前には悪いけど、こっちはこれ以上お前達のゲームに付き合う気はない」

ケイ「このクソッタレが……ここまで来て何寝ぼけた事抜かしてやがんだ!!フザけんじゃねぇぞ!!」

鈴「馬鹿一夏ん!!何で!!まだ人質がいるのに!!」

清「そんな事したら人質がどうなるか分かってるでしょ!!?」

一夏「分かってる。だから全部終わりにするんだ」

鈴清「「何言ってんの!!馬鹿一夏ん!!」」

ケイ「ジェイ!!」

ジェイ「フッフッフッ、分かってるよ。織斑一夏、僕は君達に言ったよね?ゲームの進行を妨げるのは”ルール違反“だってね」

一夏「ああ、言ったな」

ジェイ「ルール違反は駄目だよ?ルールに従わない者にはーーー」

一夏『クロエ、やるぞ』

クロエ『はい、一夏様』
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 21:49:07.83 ID:F/sqvubW0

『COMMAND STAND BY』

ジェイ「死が待ってるよ」

一夏「それはどうかな」

鈴清「「一夏ん!!」」


ギャンッ


一夏「その瞬間を待っていたんだ」ガシッ

ジェイ「ッ……ッ!?……ッ!!?」

『EXECUTION』
『同調完了』

一夏「来い!!ぐあッッ!!」バチィッッ

クロエ「一夏様!!」

ジェイ「そんなッ……こッ、こんな事ッ……あり得ないよッ!!うあッッ!!」バチィッッ

一夏「ッ……クロエ!!今だ!!システムを!!」

クロエ「了解!!」

エム「さッ、させるものか!!」

一夏「……」スッ
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 22:23:33.18 ID:F/sqvubW0
クロエ「させません」バシュシュッ

エム「はッ!!ッ!?」シュカカンッ バウッ

エム「煙幕……?何ッ、センサーがッ!!?」ザー

ジェイ「何で!?こっちはISなんだよッ!!?」


ポシュッ ドンッ ドンドンドンッ ドンッ


ケイ「何が起こってやがるんだ!?跳躍地雷から煙幕がーーー何だこの煙、センサーを!!?クソッタレッ!!」ザー

フシュウゥゥゥゥゥゥゥ

鈴清((跳躍地雷にそこら中の壁からも……この煙、センサーとか通信、ISの機能を妨害してる……))

エム「こんな物を使ってくるとはな……だが、これでは奴等も機能を妨害されているはずだ」ウィーンッ シャパッ

ジェイ「もしかして、かくれんぼのつもりなのかな?ま、得意だからいいけど」ウィーンッ シャパッ

ジェイ「でも、その前にルール違反のペナルティとしてチップは全部ーーー」ジャパッ


ズギャッッ


ジェイ「ッ……なッ……にぃッ……!!?」


グワシャアッッ


エム「うッ……どこからッ……!!?」
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/09/06(火) 22:55:48.91 ID:F/sqvubW0
エム「奴等ッ……私達のビーム砲を……!!」

ジェイ「……どうやら、あの二人には僕達が見えてるみたいだね……」

エム(何処だ……何処から来る……ジェイは無事なのか……)

ジェイ(何でこの煙でも見えてるのさ……ジェイは大丈夫かな……)


ズギャッッ


ジェイ「……人質の方へ行ったのかな」

エム「警戒を怠るな。学園のシステムを」

ジェイ「無理だよ、通信はこの煙に妨害されてる。しかもさっきのアレのせいで僕はシステムから抜けた……と言った方がいいかな」

エム「チッ、織斑一夏は一体何をした」

ジェイ「分からない。織斑一夏の機体にクラッキングを仕掛けたのに、いつの間にか織斑一夏が目の前にいて、クラッキングが僕にまで来たんだ」

ジェイ「それに……IS、ナノマシン、義体ーーーあらゆる物を使って確実に織斑一夏の脳を焼き切るはずだったのに……焼き切られていなかったよね……」

エム「お前もな」

ジェイ「そう……だね……」

エム「……これで私たちは人質を失った。作戦遂行は困難だ」

ジェイ「いいや、まだだよ。こっちにはモノクローム・アバターだっているんだから、完全に人質を失った訳じゃないさ」
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2016/09/27(火) 20:45:29.81 ID:Od2ypI0L0
保守
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 18:17:24.73 ID:OFA2TCxG0
鈴(清、分かる?)チラッ

清(鈴、分かるよ)コクン

鈴(敵は今、目を潰されて動こうとしない)

清(それはあたし達だって同じだって考えてるから)

鈴(二人の位置は分かってる)

清(あいつ等が声で教えてくれた)

鈴(例えISを使っても敵が分からなくても)

清(例え敵の姿が煙に覆われていても)


鈴清((戦う術はある))コクン


鈴(三人まとめて倒すなら、今が好機)

清(この機を逃す訳にはいかない)

鈴(行くよ、清)

清(やるよ、鈴)

鈴清((まずはあの二人から!!))
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 18:35:57.35 ID:OFA2TCxG0
エム「……」

エム(奴等は移動しただろうか……無駄な攻撃で奴等に位置を知らせる訳にもいかない……)

ケイ「……」

ケイ(視界は1m程度……自由自在に動き回れるような状況じゃない……僕達もあいつ等も。今の内にジェイと合流しておくべきだね)

ケイ「エム、降下しよう」

エム「了解した」

ザリッ

エム(そこか!!)ドンッ


ヒュオォォッ


エム「何ッ!?」

エム(空振りだと!?馬鹿な奴は確かにここにーーー)

スウッ

エム「ッ!!」ヒュオォォッ

エム(まただと!?何故だ!?奴には私が見えているのか!?)
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 18:55:24.24 ID:OFA2TCxG0
>>>536

訂正

ケイ「……」

ケイ(視界は1m程度……自由自在に動き回れるような状況じゃない……僕達もあいつ等も。今の内にジェイと合流しておくべきだね)

ケイ「エム、降下しよう」

ジェイ「……」

ジェイ(視界は1m程度……自由自在に動き回れるような状況じゃない……僕達もあいつ等も。今の内にケイと合流しておくべきだね)

ジェイ「エム、降下しよう」

538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 19:05:58.49 ID:OFA2TCxG0
ジェイ(エム!そんなに動いちゃヤバーーー)

鈴「シィッ!!」ボッ

バキャッッ

ジェイ「なッッ……にぃッ……!!?」

ジェイ「ッ!!」

ジェイ(隠れた……何でエムじゃなくて僕が……?)

エム(ジェイがやられている!?何故だ!?音で位置を特定しようにもISの駆動音で掻き消されーーー)

清「ハァッ!!」ブンッ

ドゴッッ

エム「がはッッ……!!」

ジェイ「逃がさないよ!!」ドンッ

清「……」スウッ

ジェイ「チィッ!」ヒュオォォッ

ガシッ

鈴「だぁッ!!」バキンッッ

ジェイ「ッ!!?」

ジェイ(しまった!武器が!?)
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 19:19:11.54 ID:OFA2TCxG0
鈴(清、今だよ)

ジェイ「でも!!」シャッ

清「シィッ!!」グルンッ

ジェイ「ぐあッ!!」ガスンッ

清(鈴、来るよ)

エム「はッ!!」ヒュオォォッ


パシッ


エム「なッ……止めたッ……!!?」グググッ

鈴(やっぱり、あんたは袈裟斬りをよく使う)グググッ

清「ぜあッ!!」バキンッッ

鈴「せいやッッ!!」ガヅァンッッ

エム「ぐッ……うおぉぉッッ……!!」

清「……」スウッ

ジェイ「このぉ!!」シュッ

清「……」ガシッ ドガガガッ

ジェイ「ッ……ッッ……!!」
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 19:40:24.08 ID:OFA2TCxG0
ケイ(クソッタレが!エムとジェイが戦ってんのか!?押されてんのか!?)

シャッ

ケイ「ッ!」カキンッ

ケイ(ジェイのランス……?ッ!?しまった!!)

鈴「ぜあッ!!」ガスンッ

ケイ「うッ!?おおおッ!!」ガシッ

ザカンッ

ケイ「なッ……クソッ……!!」

ケイ(アイツ等の武器だと!?俺がコイツの足を掴むのを読んでやがったのか!!?)

鈴「せいやッ!!」ガヅァンッッ

ケイ「がッッ……ッッ……!!」

鈴「……」トンッ スウッ

ケイ「逃がすかよぉぉぉ!!」ドンッ

ジェイ「ケイ!!?」シャッ

ケイ「なッ!!?ぐあッ!」ガスッ

ジェイ「うわッ!」ドゴッ

エム「ケイ!ジェイ!大丈夫か!?」
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 19:54:57.98 ID:OFA2TCxG0
鈴(コイツ等、目に頼り過ぎてる)グルンッ

ドゴッ

ケイ「がはッッ……!!」

清(だからあたし達を捉えられない)パシッ ブンッ

エム「馬鹿が!!そこだ!!」スッ シャッ

ブンッ……

エム「ッ!?」

鈴(見えなくたって、あたし達には分かる)

ザカンッ

エム「ぐあッ!」

エム(奴等の武器の軌道に入ってしまったのか!!しまったッ!!?)

鈴「ハァッ!!」シュッ

ジェイ「させないよ!!」

清「だあッ!!」ドゴッ

ジェイ「ぐうぁッ!!」

エム「かッッ……あぁッ……!!」ガスンッ

清(あんた達がどこにいるのか。ハッキリと感じる)
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/07(金) 20:13:38.83 ID:OFA2TCxG0
鈴清((少しだけ聞こえる違うISの駆動音、声、呼吸……それを頼りに……後は考えずに、感じるだけで))

ケイ「おおおぉぉぉぉぉ!!」ブンッ

鈴「……」ヒラリ ガンッ

ケイ「ッ……その程度!!」

清「ぜぇい!!」ドゴッ

鈴「ずぇあ!!」ガスッ

ケイ「うッ……ッ……ぐッ……!!」ゴスッバキッドガッ

鈴清「「うおおおぉぉぉぉぉ!!」」ドガガガガガガガガッ

ガガガガガガガガガガガガガッ

鈴清「「せいやッッ!!」」ガヅァンッッ

鈴清((あんた達とだって戦える))

鈴(あたし達、強くなったんだからね)

清(あたし達を守ってくれた一夏んみたいに)

鈴(だから絶対負けない)

清(絶対負けられない)

鈴清((一夏んみたいに、皆を守るんだから!!))
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/18(火) 17:21:48.62 ID:yhyvhpEL0
〜アリーナ1番ゲート〜

フォォォォォォン

オータム「ようやく奪ったか!」

オータム『遅えぞスコール!今まで何してやがった!』ザー

オータム『おいスコール!聞いてんのか?!おい!!』ザー

オータム「……チッ」

オータム(ジャミングかよ……一体誰がやってやがる……あのクソガキ共、なら俺達の通信は妨害されねぇはず……新手か……?)

オータム(だとしたらヤベェな……このままじゃ俺達は袋のネズミだ……足手まといを連れてちゃ尚更……)

簪「空調が……!」

本音「す、涼しい……」

カリーヌ「ふう……危ないところだったな」

カリーヌ(歓喜の声も出ないぐらい生徒達は消耗している……後十分遅ければ死人が出ていたな……)

オータム「サイボーグ共!この隔壁をこじ開けろ!今すぐにだ!」

カリーヌ「どうした?」

オータム「通信の類いがジャミングされてやがる。しかもクソガキ共より強力で誰がやってるか分からねえ。新手かもしれねぇ」ボソボソ

カリーヌ「何だと……!?」ボソボソ
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/18(火) 17:50:53.30 ID:yhyvhpEL0
オータム「通信どころかネットすら繋がらねぇ……ならスコールが学園のシステムを奪還するのは不可能だ……学園側がこんな事するはずがねぇし俺等と同じ様にジャミングを食らってるはずだ」ボソボソ

カリーヌ「不明な勢力の仕業、と考えるのが妥当か。なら急がなければな」ボソボソ

簪「あ、あのっ……!」

オータム「ああ、そうだな。お待ちかねの出番だぜ、簪ちゃん」ポンッ

簪「へ?」

オータム「あのお姉さん方じゃパワー不足かもしれねぇからな、ISで手伝ってやってくれねぇか」

簪「いえ……あの……普通に隔壁を操作すればーーー」

オータム「それが出来るならやってる。俺等を閉じ込めたヤローは御丁寧に隔壁を操作する回線を焼き切ってやがる。だからこじ開けるんだ」

簪「あ……は、はい……分かりました……」

オータム「すまねぇ、頼んだぞ」

カリーヌ「自力で歩けるか?無理はするな」

本音「大丈夫……私はやれば出来る子だもんっ」ニパッ

カリーヌ「そうか、なら他の生徒達を助けてやってくれ」ポンポン

本音「は〜い!」
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/18(火) 18:27:41.05 ID:yhyvhpEL0
オータム「生徒さん方!今すぐここから脱出する!俺等も手伝うが自力で移動できる奴は少しでも他の奴の移動を手伝ってやってくれ!」

オータム(クソッ、やっぱサイボーグ組と生身組を半分ずつにするべきだったな……こういう時に困る……)

オータム(根本的に手が足りねぇってのもあるが……)

オータム「ッ!!」バッ

オータム「……」

オータム(音……金属の擦れる音……?)

「っしゃあ!やってやるわよ!」
「伊達に体に高い金払ってないもんね」
「肯定する」
「最新鋭の性能、お見せしましょう」カチャカチャ
「更識さん、始めましょう」

簪「いきますよ!せーのっ!」グッ

ギッ…ギギギギギギギギ

本音「あう〜……耳が〜……」


オータム「各員!!生徒達を後ろへ下げ、戦闘用意!!急げ!!」


簪「えっ?」

「何事ですか!?」

オータム「何かが来る!テメェ等は一枚でも多く開けろ!迎撃は俺等がやる!!」

オータム「出し惜しみはなしだ!!20mmと12.7mm をありったけブチかますぞ!!」ガコンッ
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/18(火) 19:12:06.11 ID:yhyvhpEL0
〜アリーナ3番ゲート〜

フォォォォォォン

スコール(ジャミング……アリーナの仕掛けと何か関係があるのかしら……)

文「姉貴、やりましたね」

スコール「私は何もしていないわ。これはアリーナにいたクロエって子のおかげよ。それに……」

文「それに?」

スコール「ジャミングよ。それもかなり強力な、ね。恐らくこの学園内に全てが範囲圏内……今は誰がシステムを握っているのか……」

スコール「蒸し焼きの次は何かしらね……私達はともかく、今の彼女達に耐えられるかどうか」

サラ「芳しくありませんね」

スコール「ええ、そうね。出来る事なら皆で芳しい潮風でも嗅ぎたい気分ね」

サラ「了解しました」

スコール「文、私はもういいわ」

文「分かりやした。お前等!隔壁を開けるぞ!」

オオォォォー!!

文「生徒達は隔壁から離れて耳を塞ぎな!」

清香「だってさ……ほら静寐……」

静寐「うん……分かってるから引っ張らないで……」
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/18(火) 19:30:26.53 ID:yhyvhpEL0
スコール(金属の擦れる音に……重い足音……少しずつだけどアリーナから何かが近づいてるわね……)

スコール(文達は気付いてないわね……)

サラ「私一人でも充分ですが」ガシッ

文「数が多けりゃその分速く開けられるだろ」ガシッ

サラ「貴女方の御協力、感謝します」

「うふふっ、やっぱいい女に感謝されて悪い気はしないわね」
「なら腕ブッ壊れるまでやりなさいよ」ゲシッ
「蹴んじゃないわよ!もうっ!」
「うっせぇな……ちったぁ他の奴を見習えよ」

サラ「……よろしいですか?」

オオォォォー!!

スコール(まだ駆動音は聞こえないわね……駆動音さえ分ければ……もしかしたら……)

サラ「いきます!」

ギッギギギギギギギギギギギギギギギギ

文「う……おおおぉぉぉぉぉぉ……!!」

スコール(でも、最悪の場合は……)スクッ

スコール「各員、戦闘用意。文達はそのままでいいわ」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/18(火) 19:57:35.61 ID:yhyvhpEL0
スコール「20mmを」

「どうぞ」スッ

スコール「ありがとう」ガシャッ ガコンッ

「この音……敵でしょうか?」

スコール「さあね?けど備えあれば何とやら、よ」

「そうですね。隔壁をこじ開けてますもの……味方なら嬉しいのですが」
「えっ?えっ?私には何にも聞こえないけど?」

スコール「焦らなくても人間の耳でも今に聞こえるわ」

「そうですか?……あっ!何か聞こえる!」

スコール「それとあなた、無理はしない方がいいわよ?いくら改良してあるとはいえ12.7mmのフルオート、それに生身なんだからはせめて伏射しなさい」

「大丈夫ですよ!私、鍛えてますから!それに……今は少しでも火力が必要ですから!」グッ

スコール「……はあ、なら全弾命中を期待してるわ」

スコール(さて、鬼が出るか蛇が出るかそれとも……)

サラ「私が迎撃します」

スコール「いいえ、あなたは一枚でも多く開けて頂戴。こんな密室で対物火器を使ったら私達はともかく、弱りに弱った生徒達はどうなると思う?」

サラ「……了解しました」
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 17:36:06.76 ID:G+Q8UghW0

ギギギイィィィィッ ゴウンッ

文「開いたぞ!急いで生徒達を運べ!」

サラ「皆さん、焦らず落ち着いて移動してください」

清香「行こ……」

静寐「うん……」

スコール「義体化率の高い者を最前線にし、順次防衛線を構築、生身の者は殿を」

「了解です!」

スコール(さて、少しずつ聞こえ始めたわね……)

サラ「……」ピクッ

サラ(速い……このままでは追い付かれてしまいます……)

サラ「次、よろしいでしょうか」

オオォォォー!!

サラ「いきますッ!!」

ギッギギギギギギギギギギギギ

文(やべぇな……チンチラしてたら追い付かれちまう……)
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 17:53:58.44 ID:G+Q8UghW0

ギギギイィィィィィィィィッ ゴウンッ

サラ「次!」ガシッ

文「いくぞ!お前等!!」ガシッ

ウオオォォォー!!

サラ「はあぁぁぁッ!!」グッ

ギギギギギギギギギギギギギギギギ

スコール「生徒の移動が完了し次第、第二防衛線を構築、いいわね」

「はい、お任せ下さい」

スコール(もう少しで……聞こえるはず……)

静寐「織斑くんやクロニクルさん達……大丈夫かな……」

清香「きっと大丈夫だよ……皆強いから……それよりも私達は足手まといにならないように逃げないと……」

「目標接近、各員気を抜かないように」
「ま、あたい達はサイボーグだから気を抜いたって迎撃出来るけどね」
「そーそー」
「気を抜くなと言ってるでしょう!」

スコール「静かに!」

ピタッ

スコール(この駆動音……もしかして……)
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 18:21:42.14 ID:G+Q8UghW0
スコール「……」

「スコール?」

スコール「待って」

スコール(……音紋確認……データ照合……)

スコール「……やっぱりね」クスッ

スコール「各員、戦闘はなし。繰り返す、戦闘はなし、防衛線も殿も必要ないわ」

「な!?どういう事ですか!?」

スコール「どういうもこういうも……そういう事よ」

ィィィィィィッ……ゴウッ……

文「姉貴!そりゃあ本当ですか!?」

スコール「嘘ついたってしょうがないでしょ?」

サラ「彼女の言う通りです。彼は敵ではありません」

文「そ、そうなのか……」

……シンッ……ズシンッ……ガスッッ

スコール(ん?彼?)
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 18:54:28.97 ID:G+Q8UghW0


ギャリギャリギャリィィィィィィッッ ゴウンッッ


クロエ「皆さん御無事ですか!救援に来ました!」

スコール「私達は無事よ。でも向こうにいる生徒達はちょっと無事じゃない子もいるわね」

文「なッ……クロエ・クロニクル……!?」

サラ「機体が……何故……?」

クロエ「了解しました」 ズシンッズシンッズシンッ

スコール「あなた、私達に何も言わないの?」

クロエ「……何故です?」

スコール「何故って……はあ、あなたねぇ、私達は生徒達を人質にした張本人よ?何か咎めの一言ぐらいあってもいいんじゃないかしら?」

クロエ「確かにあなた方はIS学園の生徒を人質にしました。しかし、ジェイと呼ばれる彼が人質と共にあなた方すらも殺そうとした時、あなた方は生徒達を助けた」

クロエ「見捨てる事が出来たのに」

スコール「……」

クロエ「それに先程までの行動を全て見させて頂きました」

スコール「あら、プライバシーの侵害ね」

クロエ「申し訳ありません」ペコッ
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 20:13:20.05 ID:G+Q8UghW0
スコール「冗談よ。私達も助けてくれるのね?」

クロエ「はい、そうです。あなた方が皆さんを見捨てなかったからこそ、こうして助ける事が出来ます」

クロエ「ですのであなた方も一緒に助ける、というのがあなた方の行動に対しての、私や一夏からの感謝の気持ちです」

スコール「……はあ、そんなに畏まらなくてもいいわよ。私達はただ……私達の勝手の巻き添えでここの生徒達を死なせるのが気に入らなかっただけよ」

クロエ「しかし、生徒達が救われたのは事実です」

スコール「ッ〜……まあ、いいわ」

スコール「助けに来てくれて嬉しいわ。ありがとう」

クロエ「こちらこそ、ありがとうございました」ペコリ

スコール「それじゃあ早速で悪いけど、隔壁を開けてくれるかしら。私達は生徒の移動を手助けするわ」

クロエ「了解しました」

スコール「あ、後その堅っ苦しい話し方しないでくれると嬉しいわ」

クロエ「堅苦しい?何故です?」

スコール「苦手なのよ。そういうの聞いてるとこう……背中がむず痒くなるというか……こそばゆくなるというか……とにかく、そういうのは私達になしでいいわ。もっと砕けた感じでいいわ」

クロエ「は、はい……分かり……ました」

スコール「……まだ堅いわね」

クロエ「も、申し訳ありません……」ペコリ
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 20:40:25.79 ID:G+Q8UghW0

ズシンッズシンッズシンッ

スコール「ふう……聞いてた通りね。クロエ・クロニクル……」

「何か……世間知らずのお嬢ちゃん、って感じでしたね」

スコール「カリーヌかオータムなら喜んで相手しそうね」

「あの子の姉妹を見た事ありますけど、とてもあんな風には見えなかったんですけどね」

スコール「あら、人っていうのは存外見かけによらないものよ?」

「ハハッ、そうでしたね」

ズシンッズシンッズシンッ

クロエ「相川さん、鷹月さん、御無事でしたか」

静寐「うん、ちょっと危なかったけど……あの人達のおかげで何とかね……」

清香「静寐はまだ弱ってるけど私はもう元気だよっ。クロニクルさんが来てくれたから元気百倍っ、何か手伝える事があったら言って」

クロエ「なら、相川さんの補助をお願いします。それでは私は隔壁を開けに行きますのでこれで」ズシンッズシンッズシンッ

清香「任された!頑張ってね!」

静寐「任されるも何も……ずっとしてくれてたじゃない……あっ、しまった……」

清香「どしたの?」

静寐「何で織斑くんと機体を交換してるのか聞くの忘れた……」
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 21:19:48.85 ID:G+Q8UghW0
サラ「待っていましたよ。クロニクルさん」

クロエ「申し訳ありません。敵のハッキングを破るのに手間取り、救援が遅れてしまいました」ペコリ

サラ「いいえ、謝る必要などありません。織斑さんとクロニクルさんならば必ず助けに来ると信じていましたよ」

クロエ「御期待に応えられて良かったです」ガスッ バキバキッ

サラ「さあ、残りの隔壁も開けてしまいましょう」ガシッ

クロエ「いえ、ここは私一人に任せてください。皆さんも私が開けますので隔壁から離れて下さい」

文「待ちな、嬢ちゃん一人に負担をかける訳にはいかねぇ。私達にもやらせな」

クロエ「お気持ちは嬉しいのですが、負担にはなっていませんので御心配なく」


ギャリギャリギャリィィィィィィッッ ゴウンッッ


文「ッ……!!?」

サラ「ほう……」

スコール「へえ……」

オオォォォォォ……

クロエ「この通り、ISを使っていますので片手で上げられます。それに加え、体には一切負担はかかっていません」

文「お、おう……そうなのか……」
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/10/24(月) 21:56:31.06 ID:G+Q8UghW0
文(どうなってんだ?さっきまでIS一つとサイボーグ五人でようやく上がってた物が、少しでけぇISならまるで窓みてぇに片手で上げられるたぁよ……)

文(同じISでもこうも違うのかよ……こいつを敵に回すなんてのは想像したくもねぇな……)

サラ「成程、隔壁を開ける為に機体を交換したのですね。しかし、それでは織斑さんは大丈夫なのですか?」

クロエ「いえ、これは交換したのではなく、交換していたのをお互いに返したのです」

サラ「お互いに……返した……?」

スコール(なるほど、それでツヴァイフォーミュラの駆動音を聞いて彼って言ったのね)

クロエ「それに私のツヴァイフォーミュラよりも、零式の方がスペックは上ですので、一夏の方は問題ありません」

サラ「……」

クロエ「詳しい事は後で説明させて頂きます」

サラ「そう…ですね……今は驚愕などしている時ではありません……それでは隔壁は貴女にお任せしますので、私達はーーー」

文「生徒達の補助だろ。いいさ、任せな。そっちも頼んだぞ。クロエの嬢ちゃん」

クロエ「はい、了解しました」ズシンッズシンッズシンッ


ガスッッ ギャリギャリギャリィィィィィィッッ ゴウンッッ


クロエ『一夏様、人質と合流し、全員の無事を確認しました』
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 18:03:58.33 ID:63dR5Gjr0
〜アリーナ1番ゲート〜

……インギョインギョイン

「目標、来ます!」

オータム「ンな事ぁ分かってる。さあ、来るなら来やがれ……」ゴクッ

カリーヌ「……」


ガスッッ バキバキッ ギャリイイイイィィィィィィィィ


オータム「ッ!!」ズドンッッ

一夏「ちょっーーー」ガシッ


ィィィィィィッ ゴウンッッ


一夏「ーーーと待ってください!!俺は敵じゃないです!!撃たないでください!!」カランカラン

カリーヌ「馬鹿なッ……!!?」

オータム「おッ、織斑一夏ぁ!!?テメェ何しに来やがった!!?」

一夏「ここにいる皆を助けに来たんです!だから銃を降ろしてください!」

オータム「お、おう……そうか、分かった」

一夏「ふーっ、ビックリした……」

カリーヌ(あり得ない……20mmセミオートライフルの弾速は秒速1000mを優に越えている……距離も50mにも満たないのにも関わらずだ)

カリーヌ(化物か……0.01秒の世界だぞ……なのに織斑一夏は弾丸を掴んで止めた……?それも隔壁を開ける片手間にだ……人間ではまずあり得ない……並みのISでも不可能なはずだ……)
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 18:39:02.06 ID:63dR5Gjr0

「良かったぁ〜味方かぁ〜」ヘナッ
「ふうっ、久々に肝が冷えたな……」
「あたしなんか手ぇ震えてんだよ。ほら」プルプル
「うわっ、いい年こいて恥っずかしー」ガクガクッ
「そういうあなたは足が震えてますよ」

オータム「チッ、ったく……ややこしい事しやがって……おいテメェ、味方なら何とかしてこっちに伝えやがれ」

一夏「それが……急いでたのとジャミングでそっちに通信は……」ポリポリ

オータム「急いでたにしろ何にしろだ。隔壁ちょっと開けて名乗るとか、機体を見せるとか何とかしやがれ。そしたら、後ろの生徒さん方がテメェだって俺等に教えて、もしかしたら撃たれなくて済んだかも知れねぇんだぞ」

一夏「いや……その……はい、すみません……」

オータム「ったく、どいつもこいつも……これだからガキのお守りは嫌いなんだよ……」

一夏「すみません……」

オータム「……ッ〜」ガシガシ

オータム「はあ……まあ、その……なんだ。せっあく救援に来てくれたのに撃っちまって悪かった。来てくれてありがとよ。助かったぜ」

一夏「へ?あ、はい、ど、どういたしまして……?」

オータム「オラ、分かったらとっとと隔壁を開けに行きやがれってんだよ。俺等は生徒を運ぶからよ」ゲシッ

一夏「は、はい!」ギョインギョイン

カリーヌ「織斑一夏」クイックイッ

一夏「何ですか?」

カリーヌ「織斑一夏、移動しながら聞いてくれ」

一夏「分かりました」ギョインギョインギョイン
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 20:05:07.45 ID:63dR5Gjr0
カリーヌ「救援に感謝する。それと同僚の失礼を謝罪する。すまなかった」タッタッタッ

一夏「いや、あの人の言う通り何か方法があったのにしなかった俺が悪いんですよ」ギョインギョインギョイン

カリーヌ「そう言ってくれると助かる。あいつは君に誤射した上にそれを棚に上げ怒りを顕にしていたが、それは君を撃ってしまった自分に対して怒りを感じているからなんだ」タッタッタッタッ

一夏「自分に対して……怒り……」ギョインギョインッ
ギョイン

カリーヌ「あいつは言動こそ粗暴ではあるが性格はそうではない。むしろ、誠実で温厚な方だ。だが言動が粗暴であるが故に、いらぬ誤解を生んでしまいやすく、今回の様に自分に対する怒りを君にぶつけてしまったが」タッタッタッタッ

カリーヌ「君を撃ってしまった事を本当に申し訳ないと思っていて……はあ」パシッ

一夏「ナイフッ!!?」

オータム「テッ、テメェ!!全部聞こえてんだよ!!余計なお世話だっての!!テメェは俺のママンか!!あ!!?」

カリーヌ「恥ずかしがるぐらいなら最初からきちんとしろ。分かっているのか、お前の様な大人が学生相手に取る行動ではなかったのだぞ」ヒュッ

オータム「う、うっせーな!そんなの俺の勝手だろが!」パシッ

カリーヌ「という事だ。分かってやってくれないか」

一夏「ま、まあ、そういう事なら分かりますよ。あの人に近い奴が俺の身近にもいますから」

カリーヌ「フッ、そうか、お互い大変だな……すまないが、隔壁を頼む」

一夏「任せてください」ギョインギョインギョイン

オータム「聞こえてる、つってんだろぉ……!」

「どうどう、落ち着いて落ち着いて」

一夏(それにしてもあの人……顔は分からないけど何かどっかで会った事あるような……しかも割りと最近……気のせいか?いや、でも……)
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 20:53:09.53 ID:63dR5Gjr0
一夏「皆ー!遅くなってごめん!」ギョインギョインギョイン

本音「あっ!おりむ〜だ!」

簪「えっ……あっ……お、織斑……さん……」

オリムラクンダ……エッ,オリムラクン?ホントダ……オリムラクンダー!!オリムラクーン!!

一夏「皆聞いてくれ!アリーナの奴は動けなくしたから大丈夫だ!後ろから襲ってくる事はない。だから今の内に焦らず押さずに皆で早く脱出しよう。他のゲートに逃げた人達はクロエが助けてるから、皆は俺に着いてきてくれ!」

キャー!カッコイイー!ズットツイテイクー!

一夏「いや……かっこいいとかじゃなくてずっとじゃなくて……ま、いっか」

本音「おりむ〜!!」ピョンッ

一夏「うわっとっととっ」ハシッ

本音「無事で良かったよ〜元気で良かったよ〜おりむ〜」グリグリ

一夏「ほ、本音ちゃんこそ、無事で良かったよ」

一夏(胸部装甲に顔を擦ってるけど……痛くないのかな……)

本音「えっへん、苦しゅうな〜い。私は頑張ったのだ〜誉めても良いぞよ〜」フンスッ

一夏「はいはい、偉い偉い。あんたは偉い」

本音「にへへ……あ!」

一夏「?」
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:26:58.60 ID:63dR5Gjr0
本音「よっ…ほっ……おとと〜」スルスル スタッ

本音「あのねあのね、簪ちゃんがね、私よりず〜っとず〜っと頑張ってたんだ〜だからだから〜おりむ〜は〜簪ちゃんをい〜っぱいい〜っぱい誉めてあげて〜」ピョンピョン

本音「皆を助けようとして〜山嵐を使おうとして怒られて〜でもでもナイフのお姉さんに誉められちゃって〜」ニパーッ

一夏「ナイフのお姉さん?ああ、なるほど」

簪「ほ、本音ちゃん……!」アタフタ

一夏「簪ちゃん」

簪「は、はいッ」ビクッ

簪(また何かされる……!?)ビクビク

一夏「よく頑張った」ポンッポンッ

簪「……へ?」

一夏「誰かに言われたから、じゃなくて自分がやらなきゃ、って思って行動するのって凄い難しい事だと思う。なのに皆を助けようとして迷わず行動を起こせるなんて凄いよ」

一夏「きっと楯無さんだって誉めてくれるって、涙流して喜ぶよ。きっと」

簪「そ……そんな事ない……私は……お姉ちゃんや……織斑、さん……みたいに強くないし……弱虫で……山嵐を展開したけど……結局何も出来なかって……」

一夏「そうじゃないんだって」ガシッ

簪「ッ!?」
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 22:42:02.66 ID:63dR5Gjr0
一夏「簪だって、引っ込み思案な自分を変えたいって思ってたんだろ」

簪「は、はいっ……思ってました……」ビクッ

簪(名前だけで……初めて……呼ばれた……)

一夏「簪は変われたんだよ。自分がそうなりたいって思う自分に。それって俺には凄い難しくて……ずっと頑張ってるのに全然出来なくて……多分楯無さんもあの姉ちゃんだってそうなんだと思う……誰にだってそうなんだと思う」

簪「でも……私は……まだ……全然……変われてない……皆を……助けられなかった……」

一夏「違う、少しでも変われたんだよ。今の簪はもう前の簪とは違うんだって、何も出来ないししようともしない弱虫じゃなくて、少しでも皆を助けようとする事の出来る奴になれたんだよ」

一夏「簪は凄い頑張って変われたんだ。凄い事をしたんだ。それって誉められて当然の事なんだよ」

簪「あ、ありがとう……ございます……」モジモジ

一夏「それにまだまだ変われてない、もっと変わりたいって思うのなら、これから変わって行けばいいんだよ。もし、俺に出来る事があったら言ってくれ」

簪「は……はい……じゃ、じゃあ……これから色々と……よろしくお願いします。織斑さん」ペコリ

一夏「おう、よろしくお願いされた」

本音(私は空気を読める子〜簪ちゃんの為に黙ってる〜)

簪(あんなに真っ直ぐ……見つめられたの初めて……)ドキドキ

一夏(うーん……デジャヴ、だな……クロエの時とほっとんど同じ事言っちゃったし、反応も何となくクロエに似てるし……)

一夏(うん?あれ?これってもしかして思わず何かこう……火に油を注いだみたいな感じの……ま、いっか)
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 23:01:16.19 ID:63dR5Gjr0
一夏「あ、後、さん付けはなしで。呼び捨てでいいよ」

簪「えぇ……いや……その……」

一夏「ほら、俺も勢いでさっき呼び捨てしちゃったからさ……IS解除して肩まで掴んじゃったし……ごめんね」

簪「いっ、嫌じゃないです!……別に呼び捨てで、いいですし……それに」

一夏「それに?」

簪「それに……クロニクルさんや篠ノ乃さんに、話すみたいに……話してください……お願いします」モジモジ

一夏「じゃあ簪も敬語はなし。俺もちょっと疲れるし」

簪「は、はいーーーじゃなくて……うん、分かった」コクリ

一夏「それじゃあ、改めてよろしくな。簪」

簪「こ、こっちこそ……よろしく……い、一夏……」

本音「にしし〜簪ちゃんとおりむ〜は仲良しさんなのだ〜ラブラブさんなのだ〜ひゅーひゅー」ピョンピョン

簪「ほ、本音ちゃん!?」

一夏「待って、楯無さんに刺されるからやめて」

本音「え〜なんで〜?かいちょーがおりむ〜と簪ちゃんをくっ付けたいのって〜ちょ〜本気でしょ〜?」

一夏「さあ?あの人って何考えてるか分かるようで分からないからな……」

簪「……」
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 17:45:53.02 ID:zf94eWWc0
クロエ『一夏様、人質と合流し、全員の無事を確認しました』

一夏『っと、ほのぼのしてる場合じゃなかったな』

クロエ『ほのぼの、ですか?』

一夏「よし、皆!隔壁から離れて耳を塞いでいてくれ!」

本音「は〜い!」トテトテ

一夏『ああ、こっちの話。俺もちょうど合流して全員の無事を確認したところだ。今から隔壁を開ける』ギョインギョインギョイン

簪「わ、私も……」

一夏「いや、簪も下がっていてくれ。皆さんも下がってください」

「そう?じゃあ、御言葉に甘えようかな。無理だけはしないでね」

一夏「心配しなくても、俺なら大丈夫ですよ」

クロエ『スモークチャフの有効時間もーーー』

一夏『分かってる。鈴と清が行儀良く待ってないからな、急いで戻らないと』ガスッッ


ギャリイイイイィィィィィィィィィィィィィィッ ゴウンッッ


一夏『うーん……煙に乗じてあの三人を相手にしてなきゃいいけどな……』

クロエ『あのお二人ならやりかねませんね……』
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 18:10:44.94 ID:zf94eWWc0
一夏(そう考えたら心配になってきた……いや、やりかねない、というかあいつらなら絶対にやってるよな……)

一夏(ただでさえ連戦でケイって奴一人相手でもスタミナ切れ起こしてたのに……ああ、もう!)

一夏「……急ぐか」ガスッッ


ギャリイイイイィィィィィィィィィィィィィィッ ゴウンッッ


オータム「おう、取り込み中悪いな。ちょっと教えてくれねぇか」

一夏「教える?何をですか?」

オータム「さっきから通信の類いにジャミングを食らってんだがよ。テメェ等もそうなのか」

一夏「ああ、すみません。俺達がEMPを作動させたからです」ギョインギョインギョイン

オータム「なるほどな、アリーナにいるクソナーブを封じる為にか……けどテメェは、通信が出来るんだよな?」タッタッタッタッ

一夏「もちろん出来ますよ。もう片方のゲートに向かった一人にだけですけど」ガスッッ


ギャリイイイイィィィィィィィィィィィィィィッ ゴウンッッ


オータム「見たところテメェのその白いのは特注品だよな……通信を中継とかは出来ねぇか?向こうの仲間と話がしたくてな」トントン

一夏「それも出来ますよ。あーでも、俺達に内容が筒抜けになりますけど」

オータム「構いやしねぇよ、別に聞かれて困る様な事なんざ話ぁしねぇよ。安心しな」
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