一夏「 こ れ は ひ ど い 」

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292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 22:34:40.69 ID:hij7xZFi0
一夏「鈴も清もちょっとはクロエを見習え。ほら」

クロエ「私を、ですか……?」

鈴清「「ほうほう、クロちんを」」

クロエ「?」

鈴清「「じぃーっ」」

一夏「クロちんって……」

セシリア「見習う、という点では私はどうでしょうか?」

一夏「アリーナで俺に何した?」

セシリア「……はい」

箒「そういった点は私もセシリアと同じだな」

一夏「……いつになく素直だな」

箒「うるさい、事実を言ったまでだ」

一夏「はいはい」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 23:01:42.20 ID:hij7xZFi0
鈴清「「じぃーっ」」

箒「何だ?私に何か付いているか?」

鈴清「「あんたが一夏んの幼馴染み?」」

箒「そうだが」

鈴清「「へーそうなんだー」」

箒「言いたい事があるならハッキリ言え」

鈴清「「別にないよー」」

一夏「頼むから一悶着起こさないでくれよ」

清「心配御無用!」

鈴「ノープロブレム!」

一夏「本当かよ……前科あるだろ……」

鈴清「「知ーらないっ」」

セシリア「むむむっ……」

セシリア(私だけ蚊帳の外ですわ……)
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 23:34:13.78 ID:hij7xZFi0
クロエ「お二人は何故IS学園にいらっしゃったのですか?」

鈴清「「当然、一夏をブッ倒す為!」」

クロエ「は、はあ……ブッ倒す為、ですか……」

鈴清「「いえすあいあーむ!」」

箒「単純明快な答えだな」

鈴清「「でしょでしょー?」」

一夏「……」

セシリア「どうかしました?」

一夏「いや、別に……」

一夏(頼むからあの事だけは言わないでくれよ……)
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/02/29(月) 23:51:16.45 ID:hij7xZFi0
セシリア「何かあればどうぞ遠慮なさらずに、このセシリア・オルコットに申してくださいまし、一夏さん」

一夏「何かあったそうさせてもらうよ」

清「おうおう、セっちゃんよーい」

セシリア「セっちゃん……!?」

鈴「イギリス代表候補生がどうして無名の一夏んにベットリな訳ー?」

セシリア「あら、いけませんくて?」

鈴「おうおう、一夏んはあたし達のシマなんだからさー」

清「何の断りなしにベットリしようたぁいい度胸してんじゃねぇかよー」

鈴清「「まずは出すもん出してもらおうじゃねぇかよー」」

一夏「誰がお前等のシマだ」

鈴清「「何だよーノリ悪いぞー」」

一夏「はいはい、そりゃ悪うござんした」
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 00:06:18.35 ID:f1SzzqZb0
セシリア「私の事をご存知ですのね」

鈴清「「もちこーす!敵を知る事は戦いの基礎中の基礎って兵法も言ってるからね!」」

セシリア「ええ、その通りですわね」

鈴清「「でしょでしょー?」」

クロエ(ヘイホー?)

箒(意外と頭を使う奴なんだな)

一夏(箒のやつ、何関心してるんだ?)

鈴清「「で?何で一夏んにベットリな訳?」」

セシリア「それはこの私が、一夏さんと赤い糸で結ばれているからですわ!」

一夏「御守り渡した時、紐って赤かったっけ?」

セシリア「そういう事ではありません!」

一夏「ジョークだって、ジョーク」

セシリア「もうっ……」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2016/03/01(火) 00:18:34.97 ID:f1SzzqZb0
鈴「御守り?」

清「持ってんの?」

セシリア「ええ、この通り」

清「じゃあじゃあ一夏の言ってた」

鈴「金髪少女ってのはもしかして」

セシリア「そう、この私の事ですわ」

鈴清「「おおー!」」

セシリア「私と一夏さんの出会い、それは十年前のーーー」

鈴清「「カァーット!!」」

セシリア「ちょっと!」

箒「……誰にでも話してたんだな」

一夏「誰にでもって……数えれる程の人数にしか話してないぞ」

箒「本当か?」ジトー

一夏「嘘ついてどうなるんだよ」

箒「……ふんっ」

クロエ(何故少し不愉快そうなのでしょうか……)
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 21:23:02.30 ID:f1SzzqZb0

バタン

鈴「うーむ、セっちんに」

清「箒ちん、か……」

鈴「あたし達の一夏んが危ないよ!清!」

清「セっちんはともかく箒ちんは幼馴染みとか言う強ポジだよ!鈴!」

鈴「落ち着け、まだ慌てる様な時間じゃない」

清「ほうほう?して、その理由は如何に?」

鈴「孫子曰く“幼馴染みは負けフラグ”である」

清「つ〜ま〜り〜?」

鈴清「「ダチ公のあたし達が有利なり!!」」

鈴「けどけど〜ここはあたし達の一夏んを揺るぎなきものにする為にもう一手欲しいところ……」

清「あたし達の一夏んだって見せびらかす必要があるね……」

鈴清「「うーん、どーしたものかー」」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 21:42:34.21 ID:f1SzzqZb0
清「あーっ!コレとかどう?」ピラッ

鈴「ほうほう、これはこれは……」

鈴清「「つ〜ま〜り〜」」ニヤリ

清「あたし達がクラス代表になってー」

鈴「代表戦で一夏んをブッ倒してー」

鈴清「「俺の物宣言をする!!」」

鈴「何という完っ璧な作戦!」

清「もうこれしかない!」

鈴「その為の第一歩は〜?」

清「二組のクラス代表になろう!」

鈴清「「よっしゃあー!」」パチン
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 22:06:30.73 ID:f1SzzqZb0
鈴「ここで孫子の言葉!戦争は国家の一大事で、国民の生死や」

清「国家の存亡にも関わってくるから、細心の注意を払って検討に検討を重ねなければならない」

清「そして〜戦争というのは、相手を傷つけずに、降伏させるのが良い
相手をブッ飛ばして降伏させるのは、その次」

鈴「だから、百回戦って百回勝っても、それは良い事じゃなくて、戦わないで降伏させるのが最も善いのである!」

鈴清「「なるほど!」」

鈴「とりあえず変わってもらえるか聞こっか!」

清「それが無理ならやっちゃおう!」

鈴「ええ?やっちゃう?」

清「ええ?やらないの?」

鈴清「「もちのロン!やるに決まってるでしょ!」」

鈴「この神が授けた龍の子!」

清「凰鈴音と凰清音の前に〜!」

鈴清「「敵はない!!」」

鈴清「「いざ、二組のクラス代表さんの部屋へー!」」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 22:42:39.22 ID:f1SzzqZb0
セシリア(もうっ、何なんですのあの二人は!)

セシリア(一夏さんの幼馴染みである篠ノ之さん一人ですら強敵ですのに……)

「セシリアさん?」

セシリア(悪友……というのは少し分かりませんがそれなりに親しい仲だった事は確かですわ!)

セシリア(このままでは十年前に一度会ったきりの私では手も足もでなくなってしまいますわ!!)

「おーい?セシリアさん?」

セシリア(打開策が必要ですわね……)

「セシリアさん!」

セシリア「へっ?は、はいっ!何ですの!?」

「お茶、いいの?」

セシリア「ああっ!ありがとうございます!」カチャカチャ

「大丈夫?ボーッとしてたよ?」

セシリア「な、何でもありませんわ。ちょっと考え事をしてただけですから……熱っ」

「……本当に大丈夫?」

セシリア「ご心配には及びませんわ!!」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sapa]:2016/03/01(火) 23:18:43.18 ID:f1SzzqZb0
箒(凰鈴音に凰清音か……)

箒(……)モゾモゾ

箒(私もあんな風に一夏に接すれればな……)

箒(私が……あんな風に……一夏に……)

箒(……)

箒(いや、やっぱり駄目だ……恥ずかしくて出来ない……)

箒(第一そんな事をしたところで一夏にからかわれて終わりだ)

箒(大体、一夏の奴はいつもいつも……)イラッ

箒(昔はああではなかったのに私がいない数年の間に何があったんだ)

箒(姉さんは何をしていたんだ)

(篠ノ之さんから……負の感情が……する……)ビクッ

箒(最早セシリアも鈴も清も関係ない。私が一夏を……)

箒(そうだ。私は一夏の幼馴染みなんだからな)
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/01(火) 23:36:16.35 ID:f1SzzqZb0
一夏「はあぁぁぁ〜疲れた〜……冷たっと」ペタッ

クロエ「本当に大丈夫ですか?かなりの負荷が首にかかっていましたが……」

一夏「大丈夫大丈夫、こんなの湿布張って寝ればアラ不思議って具合に……冷たっ」ペタッ

クロエ「ならよろしいのですが……」

一夏「ったく、セシリーも箒も加減ってもんを覚えて欲しいよ」

クロエ「一夏様が過度にからかわれるのが原因なのでは……」

一夏「聞こえなーい。よーし、じゃあ俺は寝るぞ。クロエも早く寝ろよ」モソモソ

クロエ「あの……チェックはよろしいのですか……?」

一夏「もうやったから気にせず寝ろよ」

クロエ「わ、分かりました」

一夏「俺の布団に入ってくるなよ」

クロエ「……分かってます」モソモソ

一夏「何だ今の間は」

クロエ「何でもありません……」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 21:10:58.88 ID:kVlE9lQ80

-----

箒「おはよう、一夏、クロエ」ガタッ

クロエ「おはようございます」ペコリ

一夏「おう……」

箒「一夏……大丈夫か?」

一夏「おう……」

セシリア「おはようございます。一夏さん、クロニクルさん、篠ノ之さん」

箒「おはよう」

クロエ「おはようございます」ペコリ

一夏「おう……」

セシリア「一夏さん?」

一夏「おう……」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 21:31:07.59 ID:kVlE9lQ80
箒「目の下のクマが凄いぞ」

一夏「おう……まあ……大丈夫だ……」モグモグ

箒「おい、それはソースだぞ」

一夏「ん?ああ、悪い……」

箒「待て!それはラー油だ!」

セシリア「一夏さん、どうしましたの?何やら様子が変ですが……」

クロエ「寝返りの度に首の痛みで目が覚めてしまい……あまり寝付けなかったとの事です」

セシリア「……申し訳ありません」

一夏「いいよいいよ。目が覚めたって言っても数回だけだし」

一夏「大丈夫だって、後半時間ぐらいあれば俺のこのシワの少ない脳みそもフル稼働するからさ」

箒「それは七味唐辛子だぞ」

一夏「あれ?醤油どこだ?」

セシリア「どうぞ」サッ

一夏「おう……悪いな」

クロエ(今日のお味噌汁はほうれん草ですか……)モグモグ
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 21:42:32.02 ID:kVlE9lQ80
一夏「うん……日本人の朝はやっぱり……卵かけご飯だよな……」チャッチャッチャッ


鈴清「「いーちかんっ!」」パシーン


一夏「……」バシャッ

セシリア「あっ」

箒「あ」

クロエ「ああっ……」

一夏「……」

鈴清「「おはよー!」」

一夏「……」

鈴「んん?どしたの?」

清「元気がないぞー?」

一夏「ん」カチンッ
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 22:19:31.11 ID:kVlE9lQ80
一夏「食いもんの恨みは……おっかねえぞぉ……」グリグリグリグリ

鈴清「「痛い痛い痛い痛い〜!!ギブギブギブッ!!」」ジタバタ

セシリア「二人まとめてこめかみを……」

箒「あれは……千冬さんによくやられたな……」

クロエ「……」オロオロ

一夏「今回は運よく飯にかかったから良かったけどなぁ……お前等これがテーブルにブチ撒けられてたらなぁ……?」グリグリグリグリ

鈴清「「ごめんなさい〜!!もうしませんから〜!!」」ジタバタジタバタ

一夏「……」パッ

鈴清「「ううぅ……頭がぁ……」」ジンジン

一夏「昨日からこんなのばっかだな……」モグモグ

箒「セシリア……お前……何を食べてるんだ……?」

クロエ「とても……茶色い……粘性の物ですが……」

セシリア「マーマイトですが?」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/02(水) 22:43:18.55 ID:kVlE9lQ80
鈴「ねぇ、一夏ん」

清「今日は何か予定ある?」

一夏「今日かー馬術部に行く予定だなー」

清「だってさっ、鈴」

鈴「そうだねっ、清」

一夏「何かあるのか?」

鈴清「「うししっ!乙女のヒ・ミ・ツ!」」

一夏「は、はあ……さいですか……」

セシリア「どうです?」

箒「これは……その……何というか……あまり……食べられ……ないな……」

クロエ「見た目に……反して……独特の……味を……していますね……」

セシリア「そうですか?美味しいと思いますけど……」

一夏「何でグロッキーになってるんだ?」

セシリア「一夏さんも召し上がられます?マーマイト」

一夏「おーチョコソースか何かか?」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 21:47:43.49 ID:GHRCtRl00
〜アリーナ〜

鈴「明日のメニュー、どうする?」

清「う〜ん、そうだねぇ……中華!」

鈴「炒飯?餃子?」

清「小籠包?青椒肉絲?」

鈴清「「全部!!」」

「ごめ〜ん、遅れちゃった〜」

鈴「いいよいいよー!」ブンブン

清「全然おっけー!」ブンブン

「よ〜し、じゃー早速始めよっか」

清「鈴、やっちゃえ!」

鈴「もちのロン!ソッコーでやっちゃうよ!」

「たはは……お手柔らかにね」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/04(金) 21:49:13.59 ID:j8rG5hoxo
酢豚じゃないのか!?
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:10:49.09 ID:GHRCtRl00
〜グランド〜

一夏「うぷっ……まだ朝のアレが……」

静寐「織斑くん、大丈夫?」パッカパッカ

一夏「ん?ああ、何とか」

箒「情けないぞ」パッカパッカ

白馬「……」

一夏「あのなぁ……俺の胃はさながらガラスの様に繊細なんだよ。あんな食物兵器食ってもう平気なお前がおかしいんだよ」ササッ

クロエ「どうかなさいましたか?」パッカパッカ

黒馬「ブルルッ」

一夏「おっと」ササッ

箒「見ろ、クロエは平気だぞ」

一夏「あのなぁ……」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:21:51.93 ID:GHRCtRl00
黒馬「……」ジー

一夏「ん?何だ?」

黒馬「……」ジー

静寐「織斑くんが気になるのかな?どうしたの?」

黒馬「……」

クロエ「私の時と同じようですが……」

箒「乗せてくれるんじゃないのか?」

一夏「本当か?蹴られるのは嫌だからな」ソーッ

黒馬「……」スンスン

一夏「おおっ……いける?」

静寐「大丈夫そうだね」

箒「良かったな。ようやく馬に乗れて」

クロエ「おめでとうございます」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:33:38.06 ID:GHRCtRl00
一夏「別に乗れなくてもーーー」ピトッ

クロエ「危ない!!」

黒馬「ヒヒーン!!」グルンッ

箒「一夏!!」

一夏「おっと」バッ


ブォンッ!!


クロエ「どうどうどう……!」

白馬「ブルルッ」

箒「一夏から離すぞ」

クロエ「了解しました」

一夏「おおっ……今回はそうきたかぁ」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 22:44:34.47 ID:GHRCtRl00
一夏「油断させてまで蹴ろうとするかぁ……俺そんなに嫌われる様な事した覚えないんだけどな……」

静寐「だッ、大丈夫ッ!?」

一夏「おう、この通り。顔に穴は空いてないぞ」

静寐「よ、良かった〜……」ホッ

一夏「あの……出来ればその……あまり近付かないでもらえる?ほら、乗せてもらってる子がさ……」

静寐「あ……そうだったね。ごめん」パッカパッカ

一夏「ふーっ、まさにじゃじゃ馬だな」

箒「今回は本当に危なかったな」

一夏「いやいや、あんなの危ないの内に入らないって」

箒「とにかく、お前はもう馬には近付くな。いいな」

一夏「いいな、って……何でーーー」

箒「いいな?」

一夏「……はい」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 23:04:35.87 ID:GHRCtRl00
クロエ「すみません、一夏」タッタッタッ

一夏「あれ?あいつは?」

クロエ「向こうにいてもらってます」

一夏「何かすごいこっち見てるんだけど」

静寐「きっと……触られたのが嫌だったんじゃないかな……」

一夏「そうなのか?」

クロエ「わ、分かりません……」

一夏「繊細なのは同じなのにな……違うタイプなのか?」

クロエ「……何故私に聞くのですか」

静寐「あの子は気難しい子だからね……」

一夏「誰かさんみたいに?」

箒「……うるさい」ゲシッ

一夏「誰とは言ってないだろぉ!!」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/04(金) 23:45:33.67 ID:GHRCtRl00
一夏「いっててて……」サスリサスリ

箒「ふんっ……」

一夏「何も蹴る事ないだろ……」

クロエ「もしかして、一夏様がそれを持っている事が気に障ってしまったのではないでしょうか?」ヒソヒソ

一夏「まさかぁ……」ヒソヒソ

箒「何をこそこそしている」

一夏「別に、クロエと同じシャンプー使ったから気に障ったんじゃないかって話してただけだよ」

箒「そんな馬鹿な話があるか」

静寐「同じ匂いがしたから、っていうのは充分あり得ると思うよ」

クロエ「同じ匂い……」

一夏「それみろ」

箒「……うるさい」

静寐「あの子の心が分からない限り推測しか出来ないけどね」

一夏「だってさ」ポンッ

クロエ「ですから何故……私なのですか……?」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 21:27:08.53 ID:cMmNsF5O0

-----

箒「……」ブンッブンッブンッ

チキッ

箒「はッッ……!!」ヒュオォッッ!!

箒「ふうー……」チンッ

パチパチパチパチ

鈴「ブラボー!サムライガール!」パチパチパチパチ

清「ファンタスティーク!ビューティホー!」パチパチパチパチ

箒「鈴に清か……どうしたんだ?こんな時間に」

鈴清「「そりゃ箒ちんもでしょ?」」

箒「私は見ての通り、ただの日課だ」

鈴清「「あたし達も日課だよ!」」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 21:57:46.99 ID:cMmNsF5O0
箒「それで黄色いジャージを着ているのか?」

鈴清「「そうだよー!」」

鈴「我が師が愛用していたこの黄色いジャージを着る事によりぃー!」

清「あたし達の精神テンションを最高潮にまで高めてくれるのだー!」

箒「そうなのか……凄いな……」

鈴清「「でも今からは休憩〜」」グテーン

箒「お、おい……二人とも凄い汗だぞ……大丈夫か?」

鈴「大丈夫大丈夫!」フキフキ

清「これも日課だから!」フキフキ

鈴清「「ねー!」」

箒「そんなに汗をかくまで何をしていたんだ?」

鈴「えっとね、こうやってアチョー!」ヒュヒュヒュッ

清「ホワチャー!やってただけ!」パパパァンッ

箒「……少し激し過ぎないか?」

鈴清「「全然!こんなの序の序の口だよ!」」

箒「そうか……」

箒(鈴の拳と蹴りは確かに速かった……しかし、それを止めた清も清だ……)
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 22:14:58.35 ID:cMmNsF5O0
鈴「ねーねー箒ちんも休憩しようよー」グイグイッ

清「ねーねー箒ちんもダラダラしちゃおうよー」グイグイッ

箒「やめろっ……引っ張るなっ……私はさっき始めたところなんだっ……」

鈴「ちょっとぐらいいーじゃんよー」グイグイッ

清「今ならキリがいーじゃんよー」グイグイッ

箒「お前達が何時からっ……始めていたのかは知らないがっ……休憩なら勝手にしろっ……」

鈴清「「あたし達は五時半過ぎたぐらいからやってるよー!」」グイグイッ

箒「何……?」

鈴清「「ねーだから箒ちんもー」」グイグイッ

箒「だからじゃない!……それに箒ちんとは何だ」

鈴清「「箒ちんは箒ちんでしょー?」」キョトン

鈴「あーっ!もしかしてもしかしてー!」

清「もしかしても、もしかしないでもなくてー!」


鈴清「「箒……って呼んで欲しいわけ?」」

320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 22:38:44.25 ID:cMmNsF5O0
箒「!?」

清「うっしっしっ、なーんちゃってーい!」

鈴「うっしっしっ、それは孔明の嘘でーす!」

鈴清「「って、ああーっ!!?」」

鈴「あわわわっ、やばいよやばいよ!清!」ワタワタ

清「あわわわっ、もう六時半前だよ!鈴!」ワタワタ

箒「な、何だ?どうした?」

鈴「箒ちんごめんね!今からシャワー浴びたり!」

清「何とかかんとかで!ちょっと用事あるから!」

鈴清「「じゃあね!!」」ピューッ

箒「あ……おい……」

箒「何なんだ……嵐の様に来て去って行ったが……」

箒「……」

箒(一瞬だけ……あの二人……)

箒「宣戦布告、か……」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 22:57:05.26 ID:cMmNsF5O0
〜食堂〜

ガヤガヤガヤガヤ

一夏「何か、いつになく周りが騒がしいな」モグモグ

セシリア「何かあったのでしょうか?」

クロエ「皆さん二組のクラス代表が変わった、と口々に言っていますが……」

箒「今頃か?」

一夏「……ふーん、へえーそうなんだー」モグモグ

セシリア「内容が分かりますの?」

一夏「断片的に、だけどな。ま、そんなに焦らなくても鈴と清に聞けばいいさ」

セシリア「それもそうですわね」

クロエ「ですが、今朝から姿を見ていませんが……」

箒「朝から用事がある、と言っていたぞ」

一夏「何で箒が知ってるんだ?」

箒「朝の鍛練の時に会ったからだ」

一夏「へーそうなんだー」モグモグ
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/05(土) 23:10:48.25 ID:cMmNsF5O0
セシリア「早くしないと朝食の時間が終わってしまいますわ」

一夏「二度寝でもしてるんじゃないか?」

クロエ「いえ、来ました」

鈴清「「皆おいっすー!いただきまーす!」」ストンッ

一夏「よう、今日はやけに遅かったな」

鈴「ちょっと野暮用があったからね!」

清「それでちっと遅れちゃった!」

一夏「ふーん、野暮用ね……」

清「鈴があそこでしくじらなかったらこんな事にはならなかったのにー」

鈴「そういう清だって、あんなとこでしくじったでしょーがー」

清「仕方ないでしょー久しぶりだったんだからー」

鈴「あたしだって久しぶりだったんだからー」

一夏「食べながらあんまり喋るなよ……」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga ]:2016/03/05(土) 23:28:18.85 ID:cMmNsF5O0
箒「鈴、清、二組のクラス代表が変わったらしいが……何か知らないか?」

鈴清「「知らなーい。あたし達は昨日お出かけしてたもーん」」

箒「そうか……」

鈴(お出かけの前にサクッサクッと終わらせた事なんだけどね)

清(ここはあえて知らないって事にしておいてー)

鈴清((一夏んをビックリさせるんだから!))

セシリア「どこに行ってらしたのですか?」

鈴清「「それは乙女の秘密!」」

鈴「でもでもーそれが分かるビッグイベントが待ってるよ!」

清「この後すぐ!皆さんこう御期待!」

クロエ「喋られていて……お時間は大丈夫ですか?」

鈴「全然問題なし!」モグモグ

清「赤子の手を捻るよりも容易い!」モグモグ

クロエ「そうですか……」

セシリア「二人ともマナーがなってませんわよ!」

一夏「どんだけ食べながら喋るんだよ……」

箒「あれは気のせいだな……」ボソッ
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/07(月) 09:28:35.76 ID:TIzbjjb3O
鈴清糞うざいな。画面に出る度不快になるわ。一夏さん早く何とかしてくださいよ…
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 18:37:11.56 ID:yASSXADS0
〜教室〜

一夏「……」

『次のニュースです。白いISが紛争地帯に現れ、人々を救いました』

本音「おっは〜皆元気ぃ〜?」トテトテ

クロエ「おはようございます」ペコリ

箒「おはよう」

セシリア「おはようございます」

清香「私もいるよーおっはよー!」

静寐「皆おはよう」

一夏「……」

『難民キャンプに向けられた攻撃全てをバリアのようなもので防いだ後、テロ組織を無力化、政府軍や国連部隊がーーー』

本音「おりむ〜」プニ

一夏「ん?」

本音「おっは〜元気ぃ〜?」ニパー

一夏「元気元気、超元気だぞ」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 18:48:38.92 ID:yASSXADS0
清香「ワンセグ見てたけど何かあったの?」

一夏「ああ、ちょっと天気予報を見てたんだよ」

静寐「どこかに出かけるの?」

一夏「出かけようかなー、って思ってるんだけどなー天気は微妙らしいし」

本音「雨♪雨♪降れ触れ♪母さんがー♪」

一夏「そこはてるてる坊主の歌だろ……」

箒「そうなのか?」

クロエ「私も初耳です」

セシリア「一夏さん!その外出、私も同行してもよろしいですか?」

一夏「別にいいけど……大丈夫なのか?部活」

セシリア「大丈夫ですわ!」

一夏「ふーん……ま、いいけど。大して面白くも何ともないと思うけど……」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 18:59:59.58 ID:yASSXADS0
箒「目的も聞かないで着いていくのか」

セシリア「何か問題でもありまして?」

箒「私は構わないがお前はそれでいいのか?」

セシリア「ええ、もちろんですわ!」

一夏「ま、ちょっとした買い物なんだし別にいいんじゃないの?」

箒「お前は何で他人事なんだ。そうやって適当にーーー」

一夏「クロエはどうする?来るか?それともゲームしてるか?」

セシリア「……」ジィーッ

クロエ「ええっと……あの……その……御同行……します……」

箒「聞け!」

一夏「聞いてるって、耳は二つあるんだぞ?」

清香「私等、何かすごい蚊帳の外感が……」

静寐「本音、織斑くんに言う事あるんでしょ?」

本音「あり?そうだっけ?」キョトン
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 19:09:46.54 ID:yASSXADS0
一夏「着いてきたいなら素直に言えよなー」

箒「なっ、べ、別にそういう訳ではない!」プイッ

一夏「ん〜?本当かぁ〜?」

箒「ふんっ……」

セシリア「!」

セシリア(これはもしかして……チャンスなのでは……?)

セシリア「し、篠ノ之さんもこうおっしゃってますからーーー」

本音「その嘘本当〜?」

一夏「その本当嘘〜?」ニヤニヤ

本音「ね〜ね〜」クルクル

一夏「ねーーー」

箒「嘘だ」グリッッ

一夏「いッッ!!ちょッ……お前ッ……踵で踏んだなッ………!!」ピョンピョン

箒「……馬鹿」

セシリア「むっ……」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 19:25:37.54 ID:yASSXADS0
本音「痛いの痛いの〜あっちいけ〜」

静寐「思い出せたの?」

本音「何が?」キョトン

クロエ「大丈夫ですか……?」

一夏「おう、あっちいけーそして食らえー」ジンジン

箒「……」

一夏「冗談だって、そんなに睨まなくたって……ねえ?」ジンジン

セシリア「そ、そうですわね。篠ノ之さん、少しやり過ぎではなくて?」

箒「何とかにつける薬はない」

一夏「失礼な、自分が言われるからって人に馬鹿とはなんだ。馬鹿とは」

セシリア「そうですわ!確かに一夏さんは一言多くて人の話をはぐらかしていい加減で面倒くさがりで子供みたいな人ですが馬鹿ではありませんわ!」

一夏「ハッハッハッ、ブリティッシュジョークは面白いなぁ……」

本音「クロに〜ん、私ね〜おりむ〜にね〜何か言いたかったのだ〜知らな〜い?」

クロエ「も、申し訳ありません……分かりません……」ペコリ
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 19:38:11.64 ID:yASSXADS0
清香「あっ、あのさ!二組のクラス代表が変わったんだって!」

一夏「おう、そうだな」

箒「そうらしいな」

セシリア「そういえば、そうでしたわね」

クロエ「昨日変わった、との事です」

清香「あれ?リアクション薄……?」

静寐「あれだけ皆騒いでたから無理もないと思うけど……」

本音「む〜ん……出てこい〜……こいこい〜……記憶〜」

一夏「これがまた厄介な奴がなったらしいな」

クロエ「そうですね」

清香「織斑くん、クロニクルさん、知ってるの?」

一夏「飯の時に聞こえたからな」

クロエ「私も…聞こえてました」

箒「どうして言わなかった。鈴と清は結局知らなかったんだぞ」

セシリア「鈴さんや清さんに聞いた後でも、教えてくださってもよろしかったのでは?」

一夏「聞かれなかったからな」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 20:56:12.33 ID:yASSXADS0
一夏「ヒント、二組のクラス代表は専用機持ち」

セシリア「二組の?」

箒「専用機持ち……?」

一夏「クロエ、ヒントは俺が言う」

クロエ「分かりました」

本音「む〜ん……むむむ〜ん……」ウーン

静寐「二組だけ、専用機持ってる人がいなかったもんね」

清香「三組や四組、五組には数人いるのにね」

静寐「本当ならオルコットさんは一組で唯一専用機持ち…になるはずだったんだけどね……」

清香「思わぬダークホースが二人も現れちゃったもんね」

静寐「ダークホース……言い得て妙だね」

本音「むむむっ……」ウーン

セシリア「一夏さん……そのクラス代表の方はまさか……転校生、ではありませんか?」

一夏「転校生だな」

箒「じゃあクラス代表というのはまさか!」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 21:20:07.15 ID:yASSXADS0
鈴「そう!突如としてIS学園に現れた二人の転校生、その素性は謎のベールに包まれていた!」

清「だが!その正体は四千年の歴史を誇る中国より遠路遥々やってきた双子の代表候補生!」

鈴清「「誰が呼んだか知らないが、人はあたし達の事を神が授けた龍の子と呼ぶ!そしてあたし達はそこにいるおーーー」」


本音「思い出した〜!」ピコーン


鈴清「「り……斑……一夏に……」」

本音「ねぇ〜おりむ〜放課後お暇〜?」クイクイッ

一夏「お、おう……特に…用事は、ないぞ……」

本音「あのねあのねっ、かいちょーがね〜生徒会室に〜来てって〜だから私にお願いなんだって〜」

一夏「おお……そう……なのか……」

箒「……」

セシリア「……」

清香「あちゃっ……」

静寐「本音……」

本音「あり?皆どうしたの〜?お騒がせしました〜?」キョロキョロ
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 21:34:22.13 ID:yASSXADS0
本音「うひひっ、やめっ、くすぐったいよ、うはははっ」

鈴清「「よくもあたし達の見せ場を邪魔したな〜このこの〜!」」コチョコチョ

清香「何だろう……とってもプリチーだね」

静寐「うん…分かる。可愛い」

一夏「猫が三匹も集まって何とまあ……」

クロエ「猫、ですか?」

箒「それだ。どうりでこの光景に見覚えがあると思ったら」

セシリア「確かに猫同士がじゃれているのに似てますわね」

本音「あはははっ!ほんとにっ!だめっ!にゃはははははっ!うはははははははっ!!」

鈴清「「こちょこちょこちょこちょ〜!!」」コチョコチョコチョコチョ


グイッ


鈴清「「ミャッ!!?」」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 21:54:25.54 ID:yASSXADS0
千冬「始業五分前だ。自分のクラスに戻らんか」

鈴清「「お久しぶりです!お義姉さん!」」ブラーン

千冬「織斑先生だ。それに、貴様等の姉などになった覚えは一切ない」

鈴「ならなら!どうですか〜この優良物件!将来有望、眉目秀麗、才色兼備、天衣無縫、文武両道、二天一流、千客万来、一攫千金!」

清「さらに9つの中華料理を網羅!おまけに炊事洗濯を含む全ての家事全てはお手のもの!それがなんと一軒の値段で二軒も!」

千冬「……」

鈴清「「どうですか!買うなら今ですよ!!」」ブラーン

千冬「いらん」パッ

鈴清「「え〜!」」スタッ

千冬「御託はいい。さっさと教室に戻らんか」

鈴清「「はーい!あ、そうだ!」」

鈴清「「一夏んに箒ちんにクロちんにセっちゃん!今日のお昼御飯、頼んじゃ駄目だよ!」」

鈴清「「じゃあねー!」」

千冬「……」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/08(火) 22:38:54.64 ID:yASSXADS0
一夏「……」

クロエ「どうかしましたか?」

一夏「いや、別に……散々言いたい事だけ言って帰ったな、って思ってさ」

クロエ「昼食を頼むな、ですか」

箒「結局、私達にそれが言いたかったのか?鈴と清は」

セシリア「挫かれたとはいえ宣戦布告に来たのではありませんくて?」

清香「挫いた本人はそれを無意識でやっちゃったのが何ともね……」

セシリア「ですから、憎むに憎めませんものね」

箒「全くだ」

本音「ぷんすかっ、今度は負けないぞ〜ホームランで代打逆転満塁さよ〜なら〜だぞ〜」

静寐「が、頑張ってね」

本音「私はやると言ったらやるのだ〜!お〜!」

箒(千冬さんの反応から察するにあれは前々から言われていたんだろうな……想像出来なくもないがな……)

セシリア(なかなかどうして、あの織斑先生を前にしてあの様な立ち振舞いが出来るとは……あのお二方の実力は……それか、ただの性格……?)

千冬「全員席に着け、授業を始めるぞ」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/09(水) 07:21:04.69 ID:bcRQRClO0
完全に亜美真美
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 21:35:17.30 ID:zOyx+8O20
千冬「以上だ。各自、休憩」

キーンコーンカーンコーン

千冬「織斑、来い」

一夏「何スかぁ?」

スパーン

一夏「いでぇっ!!」

千冬「気の抜けた返事をするな」

一夏「そんな理不尽な……」ジンジン箒

千冬「……」チョイチョイ

一夏「はいはい」

千冬「鈴と清の事だが」ボソッ

一夏「やっぱり姉ちゃんも気付いたか」

ッパーン!!

千冬「織斑先生だ」

一夏「理不尽……」ジンジン
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 21:36:04.81 ID:zOyx+8O20
ジンジン箒って何だよ
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 21:57:48.62 ID:zOyx+8O20
〜食堂〜

鈴「さあさあ皆さんお待ちかね!」

清「お待ちかねの〜ビックイベント!」

ドンッ

一夏「いよっ、待ってましたー」パチパチパチ

クロエ「?」パチパチパチ

箒「もうほとんど分かってしまったようなものだがな……」

セシリア「フロシキ……?」

鈴清「「山東、江蘇、浙江、安徽、福建、広東、湖南、四川の全てを取り入れた究極の満漢全席!召し上がれ!」」パカッ

一夏「おおーすげぇ、満漢全席に全然足りてねー」

鈴「うるせー」

清「皆まで言うなー」

箒「……やるな」

セシリア「これだけの料理を……一体……」

クロエ「マンカンゼンセキ?」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 22:30:46.10 ID:zOyx+8O20
一夏「右からバンバンジー、タマゴスープ、ギョーザ、チャーハン、ハルマキ、だな」

セシリア「なるほど……」

クロエ「ギョーザとチャーハン……これは以前一夏が作られたものと似てますね」

清「鋭いね〜クロち〜ん」プニプニ

鈴「全くもって鋭いね〜」プニプニ

クロエ「あ、ありがとうございます……」

一夏「ま、鈴と清の親父さんに教えてもらったからな。そりゃあほとんど同じだよな」

箒「用事とはこれの事だったのか」

鈴清「「いえーす!」」

箒「大変じゃなかったのか?朝からこれだけの量を」

鈴清「「全然!二人一緒だから!」」

セシリア「鈴さんに清さん、これは本当に……中華なのですか?」

鈴清「「えっ?」」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 22:40:58.16 ID:zOyx+8O20
一夏「セシリーは燕の巣とかフカヒレスープとか……」

一夏「……」

一夏「北京ダック……とかを御所望のようだぞ」

鈴「今の間は何だよー」

清「考えなくても出るでしょー」

一夏「いや、俺中華料理の高いやつ知らないし」

鈴清「「御託はいいからとっとと召し上がれ!」」

一夏「わーい、いっただっきまーす」

箒「いただきます」

セシリア「では私も、お言葉に甘えて」

クロエ「……」

クロエ(姉妹……ですか……)

一夏「クロエ?」

クロエ「えっ?あっ、はっ、はいっ!失礼して、いただきます!」

一夏「……」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 22:54:52.61 ID:zOyx+8O20
セシリア「このチャーハン、美味しいですわ」

箒「こっちの卵スープもなかなかだぞ」

クロエ「一夏のとはまた違った餃子……」

一夏「じゃあ俺はこの春巻きをっと」

鈴清「「一夏にはこーれっ!」」ドンッ

一夏「おおぉ……これはまさか」

鈴清「「そう、そのまさか!」」パカッ

クロエ「?」モグモグ

セシリア「何ですの?これ?」

箒「酢豚だな。誰がどう見ても」

一夏「……お手並み拝見、といかせてもらおうかな」

鈴清「「ふっふっふ〜♪」」
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 23:05:43.74 ID:zOyx+8O20
一夏「んまいっ!」

鈴清「「いえーいっ!ハイターッチ!」」パチンッ

一夏「本場中国に行っただけあって腕を上げたな」モグモグモグモグ

鈴「でしょでしょ?」

清「どんどん召し上がれ!」

一夏「美味い美味い」ガツガツモグモグ

箒「そんなに美味いのか」

鈴清「「だーめっ!」」

箒「な、何故だ?」

鈴清「「この酢豚はあたし達と一夏の約束なの!」」

箒「約束?」

鈴清「「そう、大事な大事な約束!」」

一夏「ングッ!?……ちょッ……まッ……ゴホッ……喉にッ……」

クロエ「水を」サッ

一夏「悪い……」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 23:20:48.74 ID:zOyx+8O20
セシリア「スブタに約束……ですか?」

清「知りたい?」

鈴「どぅゆーのう?」

セシリア「ええ、人並みには」

一夏「鈴、清、やめろ。言うな」グイッ

クロエ(何故私にスブタを……?)

箒「言え、教えろ。鈴、清」

鈴「え〜どうしよっか〜清」

清「え〜どうしちゃおっか〜鈴」

一夏「聞くな、絶対に聞くな。聞かない方がお前等の為だ」

箒「早く言え」

セシリア「お願いしますわ」

クロエ(食べてもよろしいのでしょうか……)

鈴清「「ならば、教えてしんぜよう!」」

一夏「や、やめろ!それだけはやめろ!」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/12(土) 23:31:39.85 ID:zOyx+8O20


鈴清「「あたし達の酢豚を毎日食べてくれるって!!」」


箒「酢豚を?」

セシリア「毎日?」

一夏「ああ……」

クロエ「?」モグモグ

クロエ(こんなのに美味しいものを毎日?一夏様は飽きはこないのでしょうか……?)

鈴「きゃーっ、ついに言っちゃったよ!鈴!」

清「きゃーっ、ついに言っちゃったね!清!」

箒「ま、毎日という事はつまり……」

セシリア「まさかそれは……」

鈴清「「お嫁さんにしてもらうって事!!」」

一夏「もう駄目だぁ……おしまいだぁ……」ガクッ

クロエ「ど、どうしました?」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 18:40:38.94 ID:T7huwoch0
箒「ほう……なるほどな……」グイッ

セシリア「それはそれは……」ハシッ

一夏「ちょっ……何で二人して俺を掴むんだ……!?」

箒「そんなに、酢豚が好きか?」

セシリア「本当に、毎日食べたいのですか?」

一夏「い、いや、これにはだな……海よりも深〜くて山よりも高〜い訳があるんだ。だから……な?落ち着けって二人ともぉ!」ジタバタ

クロエ「……」オロオロ

鈴「まさに高みの見物だねっ、清」

清「お高くとまっちゃってるねっ、鈴」

箒「訳なら大方予想がつく。問題はお前のそのいい加減さだ」

セシリア「これも鈴さんや清さんに対しても口から出任せで仰った結果ですわ」

一夏「何でこんなに理不尽に怒られてるんだろう」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 18:48:51.20 ID:T7huwoch0
鈴「まー座れやい、兄弟」ポンッ

クロエ「で、ですが……!」

清「まー落ち着けやい、兄弟」ポンッ

クロエ「は、はい……」

鈴清「「勝負は見えてるからね」」ボソッ

クロエ「!?」

鈴清「「ふははー!泣き喚くがいい!敗者どもめー!」」

セシリア「誰が敗者ですか!まだ決まった訳ではありませんわ!」

箒「私達はまだ舞台に上がってすらないぞ」ブンブンッ

一夏「お、俺を離してから言ってくれ〜!」ガクガクッ

鈴「舞台に上がったところでね!」

清「そこはあたし達の独壇場!」

鈴清「「無駄無駄無駄無駄ぁ!」」ビシッ

箒「……」カチンッ

セシリア「なっ」カチンッ

一夏「……クロエ」スッスッ

クロエ「了解」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 19:07:58.43 ID:T7huwoch0
箒「大体、酢豚など朝から毎日食べられるものか」

清「別に朝からとは言ってないよー?」

鈴「毎日、だから朝昼晩のどこかでいいんだよー?」

箒「屁理屈を……!」

セシリア「それでは栄養が偏るのではなくて?多種多様なメニューを作るべきかと思いますが?」

鈴「そんな初歩の初歩の初歩的な事なんて」

清「考えるまでもない事なんじゃな〜い?」

鈴清「「あ!もしかして!料理した事ないの?」」

セシリア「失礼な!ちゃんとありますわ!」

鈴「ならなら〜言葉じゃなくて実力で!」

清「あたし達を黙らせるべきだよね!」

箒「いいだろう。なら勝負だ」

セシリア「その挑発に乗って差し上げますわ」

鈴清「「ならこっちも受けてたぁ〜つ!」」

鈴清(ふっふっふ〜まんまと罠にかかった!)
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 19:16:39.11 ID:T7huwoch0
鈴清「「判定は一夏んにーーーってあれ?」」

鈴「あれれ?」キョロキョロ

清「あれあれ?」キョロキョロ

鈴清「「一夏んは?」」キョロキョロ

箒「……またしても」

セシリア「逃げましたわね。一夏さん」

鈴「ここはあたし達に任せて!」

清「鬼ごっこは得意だからね!」

箒「いや、四人で探すぞ」

セシリア「その方が懸命ですわね」

鈴清「「呉越同舟ってやつだねー!」」

箒「その通りだ。行くぞ」ガタッ

セシリア「私はあちらを」ガタッ

鈴「あたしはあっちね!」

清「じゃああたしはこっち!」
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 19:30:32.76 ID:T7huwoch0
楯無「……行ったわよ」

一夏「いやーどうもすいません。姉妹水入らずでロシアンティーを頂いてたところを」

クロエ「突然現れて、失礼を致しました」ペコリ

楯無「いいのよ。最近こっちに全然構ってくれなくて寂しかったんだから……ねえ?簪ちゃん?」

簪「えッ!?いやっ……わ、私は……べっ、別に……」

楯無「こーら、隠れないの」

一夏「あのさ……俺が言うのもなんだけど……やっぱりまだ駄目?」ポリポリ

簪「……」コクリ

楯無「あらあら、これは簪ちゃんをこんな風にした責任を、ちゃ〜んと取ってもらわないと駄目ね」クスクス

一夏「は、はあー……責任、ですかー……」

楯無「男の子な、分かるでしょ?」

一夏「確かにそうですが……」チラッ

簪「おッ、お姉ちゃん〜!」ブンブンッ!!

クロエ「責任?男の子?」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 19:34:33.44 ID:T7huwoch0
>>>350

楯無「男の子な、分かるでしょ?」

楯無「男の子なら、分かるでしょ?」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 21:00:28.24 ID:T7huwoch0

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箒「……」

一夏「……」

クロエ「……」

箒「……」

一夏「あ、あのぉ……箒さん?」

箒「……」

一夏「もしかして……怒ってる?」

箒「怒ってない」

一夏「さ、さいですか……」

箒「……」

一夏(今のお前は誰がどう見ても怒ってるようにしか見えないよ)

一夏(セシリーはセシリーでなんかプリプリしてたしなぁ……何とかから出た錆、ってやつか……)

クロエ(現状を束様に報告すべきでしょうか……)
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 21:17:55.31 ID:T7huwoch0
箒「……」クイッ

一夏「ん?ど、どうなさいました?」

箒「……からな」ボソッ

一夏「えっ?何だって?」

箒「私だって、やれば料理だって出来るんだからな。毎日作れるんだからな」

一夏「お、おう……」

箒「……それだけだ」プイッ

一夏「……」ポリポリ

箒「……」

一夏「ったく……あのな、別に料理が色々出来るからとか、いつも元気がいいからとかじゃないんだって」

一夏「そうやって早合点するところがお前の悪い癖だぞ。小学三年の時だって俺が女子と仲良くなっただけでーーー」

箒「う、うるさいっ!それ以上言うな!」カァーッ

一夏「はいはい」

箒「何でそんな事を覚えているんだ……」ボソッ
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 21:51:27.30 ID:T7huwoch0
一夏「他にも覚えてるぞー昔神社の階段で転けて大泣きして痛くて歩けないって言うから、俺が背負ってやってー家に帰ってる途中に俺にーーー」

箒「やっ!やめろっ!それ以上は駄目だ!」ギューッ

クロエ「箒様!?」

一夏「ぐえぇぇぇっ……く、首が……」

箒「すっ、すまんっ!大丈夫か?」パッ

一夏「……は、はははっ、やっぱ箒はそうでなくっちゃな」

箒「私は……?」

一夏「らしくないんだよ。さっきみたいに俯いて裾を引っ張るなんてさ」

一夏「箒は箒らしく、いつもみたいにいてくれればいいんだよ。俺の隣でさ」

箒「ッ〜……だ、誰のせいだと思ってるんだッ!」

一夏「俺のせいだよな。ごめん」

箒「そ、そうだ!このッ……馬鹿……」

箒(……私らしく、か……そうか、そうだな……ふふふっ♪)

一夏(嬉しいくせにまたそうやってそっぽ向くんだから……)

一夏「ったくしょーがないなぁ!箒はー!ほーら、よーしよしよーし!!」ワシャワシャワシャワシャ

箒「なっ!?何をするッ!?やめっ!やめろー!この馬鹿ーっ!!」

クロエ「報告の必要は……なさそうですね」
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 22:12:28.82 ID:T7huwoch0

ガラッ

一夏「失礼しまーす」ヒリヒリ

箒「失礼します」

クロエ「失礼します」ペコリ

楯無「はい、いらっしゃーーーって織斑くん、どうしたの?その頬」

簪「赤い……」

一夏「いや……これはちょっとですね……元気付け過ぎたというかいつも通りというかですね……思い出に浸ろうとした結果でしてかくかくしかじか……」ヒリヒリ

楯無「そ、そうなの……それは大変だったわね」

一夏「ま、気にせんでください。こんなの直に治りますから」ヒリヒリ

箒「……」

箒(謝ったとはいえ強く叩き過ぎたな……いい加減にーーー)

一夏「あんまり気にすんなよ。箒」ボソッ

箒「……ああ」

楯無「……」

楯無(あらあら)クスッ

簪(何か……あった……のかな?)
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 22:26:45.74 ID:T7huwoch0
楯無「虚の淹れたのには劣るけど紅茶よ。お好みで砂糖とミルク、ジャムもあるわよ」

一夏「おーありがとうございまーす」

箒「ありがとうございます。いただきます」

クロエ「ありがとうございます」ペコリ

一夏「今日はあの布仏姉妹はいらっしゃらないんですね」

楯無「二人ともISの整備に行ったわ。だから、今日は私が淹れたんだけど……美味しくなかったかしら?」

一夏「いやいや、まさかそんな……」

楯無「なら良かったわ♪」

箒(整備……本音は整備をしていたのか……)

クロエ(整備を担当なさっていましたから……lSの機能を熟知していらしたのですね……)

簪「……」ジーッ

クロエ「どうかなさいましたか?」

簪「な、何でもない……です……」

クロエ「?」

簪(金色の眼に銀髪……アニメキャラみたい……)
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 23:06:57.09 ID:T7huwoch0
楯無「さて、織斑一夏くん。単刀直入に言うわ。生徒会に入らない?」

一夏「入りませんです」

楯無「つれないのね。もしかして……馬術部に入るのかしら?」

一夏「だってよ。二人とも」

クロエ「わ、私ですか?」

箒「馬鹿を言うな。お前に聞いているんだぞ」

一夏「はいはい、そうですね」

楯無「そうねぇ……私としても、そろそろ部活動に入ってもらえると嬉しいんだけど」

一夏「すみません。自分、IS一筋ですから」

楯無「どうやら……そのようね」

一夏「クロエはそろそろハンドボール部に入るとか言ってましたけどね」

楯無「あら、それは朗報ね」

クロエ「ひ、一言も言ってませんよ!?」

箒(馬術部か……)
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/14(月) 23:31:04.99 ID:T7huwoch0
一夏「それにしても何でまたそんな話をするんですか?」

楯無「それはね、織斑くんが馬術部ばっかり見に行ってずるい!って苦情がたくさん寄せられてるからよ」

一夏「さいですか……」

楯無「正直なところ、ずるいと言われても困るわよね」

一夏「それもそうですけど俺なんかに見に来てもらって何かあるんですかね」

楯無「何かあるんじゃない?そのずるいと思う人達には」クスッ

一夏「は、はあ……さいですか……」

箒(馬鹿馬鹿しい……ずるも正しいもあるものか)

クロエ(一夏様が学園内をくまなく見て回っていた事には気付かれていないようですね)

楯無「で?簪ちゃんを彼女にどう?」

一夏「で?じゃないですね」

簪「お姉ちゃん!!」ガタッ

楯無「だって……ねえ?責任取ってもらわないとね?」

箒「ッ〜……」

クロエ(このクッキー、ジャムが乗っていておいしいですね……)モグモグ
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/18(金) 21:42:39.71 ID:fS3OotBp0

-----

一夏「おーい、来たぞー開けろーコラーだーん、だーん!」ピンポーンピンポーンピンポーン


ピピピピピピピピピピピピピピピピピンポーン


弾「お前うるせぇよ!いい加減チャイムは一回でいいって何度もーーー」

鈴清「「ダンダダーン!!」」ピョーン

弾「鈴に清!?ってほわあああぁぁぁぁぁ!!!」ドテーン

鈴「久しぶりだなーこのシスコンやろー」ガシッ

清「元気してたかーなんちゃってV系バンドのベースやろー」ガシッ

弾「言ったなこーーーいだだだだだだっ!ギブギブッ!腕決まってる!決まってるって!!」

鈴清「「おらおらおら〜!」」ミシミシ

弾「チョーク!チョオオオォォォォクッ!!たッ、助けろ一夏ぁ!!!」

一夏「あ、部屋の電気消したかな」

弾「この野郎ぉぉぉぉおおおおおお!!!」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/18(金) 21:42:39.71 ID:fS3OotBp0

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一夏「おーい、来たぞー開けろーコラーだーん、だーん!」ピンポーンピンポーンピンポーン


ピピピピピピピピピピピピピピピピピンポーン


弾「お前うるせぇよ!いい加減チャイムは一回でいいって何度もーーー」

鈴清「「ダンダダーン!!」」ピョーン

弾「鈴に清!?ってほわあああぁぁぁぁぁ!!!」ドテーン

鈴「久しぶりだなーこのシスコンやろー」ガシッ

清「元気してたかーなんちゃってV系バンドのベースやろー」ガシッ

弾「言ったなこーーーいだだだだだだっ!ギブギブッ!腕決まってる!決まってるって!!」

鈴清「「おらおらおら〜!」」ミシミシ

弾「チョーク!チョオオオォォォォクッ!!たッ、助けろ一夏ぁ!!!」

一夏「あ、部屋の電気消したかな」

弾「この野郎ぉぉぉぉおおおおおお!!!」
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/18(金) 21:51:08.69 ID:fS3OotBp0
弾「まあ、とりあえずくつろいでくれや」ガチャ

鈴「喜んで〜!」

清「やっほ〜い!」

一夏「おー相変わらず殺風景だな」

弾「うるせぇ、お前に言われたかねぇよ」

鈴清「「〜♪」」ガサゴソ

一夏「仕方ないだろ?姉ちゃんが友達連れて来て飲んだり騒いだりして、俺の部屋に突撃してくるんだからさぁ」

弾「千冬さんもか?」

一夏「ベロベロになった時はな」

清「あった?」ガサゴソ

鈴「なーい」ガサゴソ

弾「かぁ〜っ!羨ましい奴め!素敵なお姉様方とお近づきになれるとは!」

一夏「お前なぁ……相手酔っぱらいだぞ?臭い残るぐらい酒臭いんだぞ?素敵の欠片もないんだぞ?辛いだけなんだぞ?」
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/18(金) 22:19:54.11 ID:fS3OotBp0
弾「いいやッ!それでも俺はいけるねッ!」

一夏「そうかぁ…そんなに酔っぱらいがいいのかぁ……頑張れよ」

弾「……千冬さんの友達って酔っぱらいしかいないのか?」

一夏「あのね、基本的にウチに来れるのが稀な人ばっかりだから必然的にね……粉骨砕身に全身全霊で、どう足掻いたところでね……酒盛りに……な…る……」ズーン

鈴「棚の後ろかなー?」

清「引き出しの下の下?」

弾「そ、そうなのか……なんかスマン」

一夏「いいえぇ……なんかもう馴れちゃってね。女の人に妙な耐性出来たからね……うん……」ズーン

弾「さっきから何してんだお前等はぁ!!」

鈴清「「エロ本探し!!」」

弾「女の子が大きな声でエロ本なんて言うんじゃありません!!」

一夏「お前またそんなデカい声でそんな事言ってると蘭に蹴られるぞ」

弾「ああ?蘭はまだ出かけてるよ」

一夏「まだ、ねぇ……」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/18(金) 22:53:29.66 ID:fS3OotBp0
〜織斑家〜

クロエ「それでは、ごゆるりと」

セシリア「こ、ここが……一夏さんのご自宅……!」キョロキョロ

セシリア(もしかしたら……私はここに住む可能性もありますものね……一夏さんと!)

箒「日本の家は初めてか?」

セシリア「ええ、外観は何度も見ていましたがこうして中に入ったのは初めてですわ」キラキラ

箒「お前の家とはかけ離れているから今日は過ごし難いとは思うぞ。まず靴を履かずにうろつくからな」

セシリア「いえ、このスリッパもなかなかですわ♪」

箒「そ、そうか……」

箒(そのスリッパがそんなに気に入ったのか?後で一夏にメーカーを聞いておいてやろうか……)

セシリア(これは私も一夏さんを招待すべきですわね♪出来る事なら……織斑先生にも来て頂く事が出来れば幸いですが……)

クロエ(食材は冷蔵庫に入れておきましょうか)ガサガサ
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 18:09:53.27 ID:PeeSsJ6F0
〜五反田家〜

鈴「もーらいっ!」

弾「あっ!ちょっ!おまっ、カービィで吸い込み自さーーーうわっ、吐き出しやがったな!!」

鈴「へっへーん、頑張ってねー」

弾「上がれえぇぇぇぇ!!俺のサムス!!あっ……」カチャカチャ

ドーン

弾「」

一夏「ファルコンパーンチ」ポチッ

清「にゃっ!?まともにもらっちった!」

一夏「わはは、せいぜい足掻くがいいこのピンクボールめがー」

清「カービィなら余裕で生還出来ちゃうんだからねっ!」カチャカチャ

一夏「ところがぎっちょん、そうはイカの何とかだ」ピューン

清「爆弾なんてあんまりだー!」ドーン

一夏「残るは……鈴、お前だけだ」

鈴「ここで会ったが百年目!五年前の借りを変えさせてもらうからねっ!」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 18:26:53.44 ID:PeeSsJ6F0
一夏鈴「「ファルコンパーンチ!」」

鈴「あっ!」

ドーン

一夏「所詮はコピー。オリジナルには勝てない……」

一夏「一度言ってみたかったんだよなーこの台詞」ニヤニヤ

鈴「ぐぬぬぬっ……」二位

一夏「ま、当然の結果だな」一位

清「ゼロスーツある方がいいんじゃなーい?」三位

弾「嫌だね。スマブラは64ってのが世の五条項なんだよ」四位

清「wii持ってないだけだろーが」ビシッ

弾「は、はあ!?ちげーし!持ってっし!」

一夏「もう五年経ってから出直してきたまえ、お・チ・ビ・ちゃん♪」ペシペシ

鈴「う〜!」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 18:35:55.38 ID:PeeSsJ6F0
鈴清「「なら次はこれで勝負だーっ!!」」バーン

一夏「わーい、友情破壊ゲームの異名を持つ桃鉄だーすっごーい」

清「これなら負けないんだからね!」

鈴「ぎゃふんと言わせてやるんだからね!」

一夏「いいぜ、かかってこいよ」

鈴清「「はい!」」

弾「はい、じゃねぇよ!セッティングぐらいやれよ!お前等がやりたいんだろうが!」ガサゴソ

一夏(そうは言いつつもセッティングするんだな)

鈴「おー懐かしの画面ですなー」

清「おー五年ぶりの画面ですなー」

一夏「何年やるんだ?」

弾「とりあえず、二十年ぐらいにしようぜ」

鈴清「「じゃあ百年!!」」

弾「ばっ!お前等ーーーああっ……」

一夏「oh……」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 18:51:07.68 ID:PeeSsJ6F0
〜織斑家〜

クロエ「……」ポフッ

クロエ(やはりこの……人を駄目にするソファーは触り心地が良いですね)モゾモゾ

クロエ「〜♪」

箒「……少し、しょっぱいか」

箒(一夏は何かにつけて文句が多いからな……料理には特に)

箒(味噌を減らして出汁の味を増やすか……それとも他のメニューを薄味に……)

箒「……」ウーン

セシリア「まな板を貸して頂けますか?」

箒「ああ、ほら」

セシリア「ありがとうございます」

箒「……」ウーン
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 19:06:02.93 ID:PeeSsJ6F0
セシリア(かなり悩んでいらっしゃいますわね。篠ノ之さん)

セシリア(料理のシンプルさが時に仇となり、そのように絶妙な加減を必要とされる場面に出くわしてしまうのですわ)

セシリア(しかし、このセシリア・オルコットにそのようなミスなどありませんわ!)

セシリア(フィッシュ&チップスとサンドイッチ……これならばあまり料理の経験のない私でも!)

セシリア(まずは充分な温度になった油に、白身魚を入れてフライに……)

セシリア「熱っ」パッ

ジャボッ

箒「うわっ!油に投げ入れる奴があるか!危ないだろ!」

セシリア「なっ、投げ入れてなんかいませんわ!これは……そう!少し手が滑っただけですわ!」

箒「……次からは気を付けろよ」

セシリア「わ、分かっていますわ……」ソーッ

箒(何故油に入れるぐらいで腰が引ける)サッ

セシリア「えいっ……きゃっ!」ジャボッ

箒「だから投げ入れるな!」

クロエ(あ……眠くなって……きました……嫌……なのに……)ウツラウツラ
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/22(火) 20:35:12.40 ID:K3rKdoyAO
おいクロエ早くセシリアを止めろ!大惨事になるぞ!
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 20:40:46.51 ID:PeeSsJ6F0
〜五反田家〜

弾「で?実際どうよ」

一夏「何がぁ?」

弾「学園生活だよ」

一夏「楽しいよ。うん……楽しい」

弾「言い聞かせてんじゃねぇよ。ちくしょう」

鈴清「「チョー楽しいよ!!」」

弾「お前等はまだ一週間も経ってねぇだろ」

鈴「ここいる?」

清「鈴にあげる」

鈴「おっけーい」

弾「あっ、そこ俺が狙ってた物件!」

一夏(さて、どのカードを使おっかな……)
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 21:08:08.87 ID:PeeSsJ6F0
弾「お前はいいよなぁ……棘の園でよぉ……禁断の果実をーーー」

一夏「死ねよやー」

弾「お前ッ!?666カード使いやがったな!!」

一夏「カードは持ってりゃ嬉しいコレクションじゃない。使わなきゃ!」

鈴「うっわーえげつなーい」

清「うっわーいい加減やめろよー」

一夏「カードを集めて使うのも桃鉄のルールの一つなのに批判される筋合いはない!」

鈴清「「開き直ってんじゃねーよっ!」」

弾「お前等はどうだったんだ?第二の故郷は?」

鈴清「「日本の方が百億万倍良かった!」」

弾「お前等なぁ……代表候補生になったんだろ?」

鈴「それはそれ!」

清「これはこれ!」

弾「あーあ、そーですか〜」

一夏(貧乏神はまだか……)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 21:53:22.45 ID:PeeSsJ6F0
一夏「実家はもう大丈夫なのか?」

鈴清「「のーぷろぶれむっ!もう心配御無用なーっしん!!」」

一夏「そうか、良かったな」

鈴清「「お父さんが頑張ったからね!もちろん、あたし達も!」」

鈴「その甲斐あって実家は商売繁盛!家計は安泰!」

清「凰家の名は中国に轟き!家族皆で和気藹々!」

一夏「鈴、清、頑張ったな」

弾「泣かせる話だよなぁ……奥さんの家族の為に日本を遠く離れてまで……それを手伝うお前等もまた健気でもう……」グスッ

鈴清「「よせやい!照れるだろーがっ!!」」

弾「わ、悪い……親父さんとお前等の苦労を思うと……」グスッ

一夏(家族の為、か……)

一夏「代表候補生になったのも家族の為なのか?」

鈴「それもあるけど〜」

清「一番の理由は〜」

鈴清「「ビックリさせたかったから!!」」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 22:29:27.70 ID:PeeSsJ6F0
弾「お、おう……」

鈴清「「ビックリしたでしょ?」」

一夏「いや、確かにビックリはしたけど……」

弾「お前等さ、国の代表になるぐらいなんだからもうちょっとこう……いや、お前等らしいちゃっお前等らしいな、はははっ」

一夏「はははっ、そうだな」

鈴清「「えへへっ」」

鈴(本当はもう一つあったんだけどね。でも一夏んにはもう必要なかったんだ)

清(空が好きな一夏んに空を見せてあげたい、っていうのがあったんだけどね)

鈴清((これはあたし達だけの秘密))

鈴清「「ねえ、一夏ん」」

一夏「ん?何だ?」

鈴清「「今度の対抗戦、負けないかんね!」」

一夏「おう、やれるものならやってみろ」

弾「え?何?お前等部活かなんかで試合すんの?」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 22:51:02.13 ID:PeeSsJ6F0
鈴清「「大体そんな感じ!」」

弾「へーまあ頑張れよー」

一夏「ま、所詮は度の過ぎた喧嘩だよ」

弾「は!?喧嘩!?お前等何すんだ?!」

一夏「クラス対抗戦って言ってな。クラスの代表同士がISで殴るわ蹴るわ撃つわ斬るわで一位を争う訳、優勝賞品は知らん」

弾「お、おー……そうかぁ……お、お前等があんなISのバトルをやんのか……そうか」

鈴「で?弾くんよーい」

清「弾くんはよーい」

鈴清「「どっちに賭ける?」」

一夏「額は一万円な」

弾「高ぇよ!そこは最低でも千円だろ!!」

一夏「ダチ公同士が死力を尽くして戦ってるんだから、お前もそれなりに尽くすべきだと思うんだよ」

弾「お前勝った時に金渡す気ないだろ」

鈴清「「あたし達が勝ったらあたし達とダンダダーンで9:1ね!」」

弾「何でだよ!!」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/22(火) 22:57:27.43 ID:PeeSsJ6F0
鈴清「「ん?」」

一夏「ほら」スッ

弾「ほら、じゃねぇよ!渡さねぇよ!?」パシーン

一夏「えーってどうした?鈴、清」

弾「ドアに何かあんのか?」

鈴清「「しーっ」」

ガチャッ!

蘭「きゃあっ!」ドテッ

一夏「おー」

弾「蘭!お前いつの間に……」

鈴「おやおやおや、蘭くん」ニコニコ

清「これはこれは、蘭くん」ニコニコ

鈴清「「盗み聞きとは関心しませんねぇ」」ニコニコ

蘭「あ、あはは……どうも、こんにちは……一夏さんに鈴さんに清さん……」
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/25(金) 21:28:06.28 ID:pz/fTJt20
〜織斑家〜

箒「クロエ、少し来てくれ」

箒「おーい、クロエー」

箒「……クロエ?」

セシリア「?」

クロエ「……」スースー

箒「なるほどな」

セシリア「死んだ様に寝ていらっしゃいますわね」

箒「本当によく寝る奴だな。そういえば……前も寝ていたな」

セシリア「前も?クロニクルさんは来られた事があるのですか?」

箒「前はお前と試合をする前にな。それ以前にもどうせ一夏に何度も連れてこられているんだろう」

箒「そうでなければ前回も今頃も寝てはいないだろう」

セシリア「確かに……クロニクルさんの性格なら……私の部屋に入るのも渋られていましたものね」

クロエ「……」スースー
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/25(金) 21:34:47.82 ID:pz/fTJt20
箒「寝ているのなら仕方ないな……起こすわけにもいかない」

セシリア「クロニクルさんに何かご用でしたの?」

箒「味見をしてもらいたかったんだが……」

セシリア「どれをです?」

箒「これだ。卵焼きだ」

セシリア「では代わりに私が頂きますわ」パクッ

箒「あっ!」

セシリア「んー……ん?……うん……」モグモグ

箒「ど、どうだ?……」

セシリア「?」

箒「何だ。その顔は」

セシリア「いえ、その……味付けはなさって……いました?」

箒「は?お前は横で見ていただろ?」

セシリア「ですから……」
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/25(金) 21:43:55.02 ID:pz/fTJt20
セシリア「ほとんど卵の味しかしないのですが……これは一体……」

箒「そ、そんな馬鹿な事が」パクッ

箒「……」モグモグ

箒「……何故だ」

セシリア「何故……」パクッ

箒「ええい、どうなっているんだ。私の料理は」

セシリア「……」パクッ

セシリア「あっ!」

箒「どうした?」

セシリア「今食べた卵焼きだけ醤油の味がとてもしましたわ」

箒「は?」

セシリア「いえ、ですから……醤油の味が一つだけしました」

箒「一つだけか?」

セシリア「はい」

箒「つ、つまり……全く混ざって……なかったというこか……?」

セシリア「そのようですわね……」
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/25(金) 22:01:10.85 ID:pz/fTJt20
箒「奥が深いな……」パクッ

セシリア「もしかして、焼く前に味を付けるのではありませんか?」ジャッジャッ

箒「そうかもしれない……スクランブルエッグとかは焼いている時に付けるんだが……やはり違うのか」

セシリア「同じ卵料理でもスクランブルエッグと一緒にするのはどうかと思いますわ……」カシュカシュカシュ

箒「!?」

セシリア「……」カシュカシュカシュ

箒「な、なあ……セシリア」

セシリア「何ですの?」カシュカシュカシュ

箒「お前が今混ぜているものは一体何なんだ」

セシリア「はい?サンドイッチのソースですが?」

箒「そこにあるものは何だ」

セシリア「ショクベニ……着色料ですが?」

箒「そうか、だからお前が今混ぜているものはそんなにも赤いのか」

セシリア「料理に見た目は必要ではなくて?」

箒「確かにそうだが……いくら何でもそれは……」

箒(食紅はパンとか菓子づくりに使うものだったような……イギリスの料理は違うのか?)
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/25(金) 22:19:16.46 ID:pz/fTJt20
セシリア「よし、出来ましたわ」

箒「ま、待てっ、その絵の具を本当に使うのか?」

セシリア「絵の具とは何ですの!失礼な……ちゃんとレシピ通り味付けしましたわ」

箒「レシピに食紅を入れろと書いてなかっただろ……」

セシリア「それは私のアレンジですわ!……とにかく、味は何も問題ありませんわ!」フンス

箒「……本当か?」ペロッ

箒「ンッ!!?カハッ!!ケホッ!!コホッ!!」

セシリア「しっ!篠ノ之さん!?」

箒「水ッ……早くッ……!!」

セシリア「どうぞ!」

箒「!」パシッ ゴクゴク

箒「っはあ……助かった……」

セシリア「ど、どうしました?」

箒「セシリア、一つだけ聞かせてくれ」
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/25(金) 22:32:42.69 ID:pz/fTJt20
箒「お前……味覚はある……よな?」

セシリア「突然何をおっしゃいますの?」

箒「まずそのソースの味見をしろ。話はそれからだ」

セシリア「そんな大袈裟な……」ペロッ

セシリア「ッ〜!!?」

箒「ほら、水だ」

セシリア「!」ゴクゴク

箒「分かったか?」

セシリア「……ええ……分かりました」

箒「胡椒の辛さ、しょっぱさ、謎の甘さ、酸っぱさ、玉ねぎの辛さが入り交じってるぞ」

セシリア「何故こんな事に……」

箒「分量はちゃんと量ったか?」

セシリア「もちろん、ちゃんと量って……やり……ましたわ……」

箒「……」

セシリア「目分量でやりましたわ……」

箒「原因が分かったな」
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/25(金) 23:06:20.87 ID:pz/fTJt20
セシリア「今度はちゃんと量って、一から作り直しですわね……」

箒「早くしないと揚げた魚が腐るぞ」

セシリア「中まで火を通してあるから大丈夫ですわ」

箒「だといいんだがな……」

セシリア「うぅ……また玉ねぎを切らなくてはならないのですね……」

箒「そういえば言い忘れていた。セシリア、包丁で食材を切る時はこうして切るんだ」ストンッ

セシリア「これは……私が使っていた包丁ですか?」

箒「同じ物だ。使い方が違うんだ」

セシリア「こう……ですか?」ザクッ

箒「違う違う、上から押し切るのではなく……こうやって……横に引いて切るんだ」ストンッ

セシリア「上から押す……のではなく横に引いて……」ストンッ

箒「その調子だ」

セシリア「……」

セシリア「あの……篠ノ之さん?もう手を持っていただかなくて結構ですわ……」

箒「え?あ、す、すまんっ!」バッ
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/26(土) 22:17:38.45 ID:LJrW0wbP0
〜五反田家〜

一夏「百年……終わった……」グテー

弾「長かった……本当に……長かった……」グテー

鈴「あと五年は……桃鉄しなくていいー……」グテー

清「いやいや……あと十年しょ……」グテー

一夏「どこのどいつだよ……百年なんて設定した馬鹿は……」

鈴清「「うっせー……」」

弾「俺……百年の間に何回アルマゲドン食らったんだ……」

一夏「それは良かった……うん、良かった……ハリー・スタンパー……」

弾「やかましいわ……」

鈴「ジョン・マクレーン……」

清「コーベン・ダラス…………」

弾「分かったから……分かったからその……ブルース・ウィリス……縛りはいいって……」

一夏「マイケル・ベイ……」

弾「いいっつってんだろ……ってそれアルマゲドンの監督じゃねぇか……」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/26(土) 22:43:15.83 ID:LJrW0wbP0
一夏「どっこいしょっと……おら、帰るぞーチビどもー」

鈴清「「うーい」」ノソノソ

弾「何だよ……もう帰んのか?」

一夏「悪いな、早く帰ってやんないと首を長ぁーくして待ってる奴がうるさいからな」

弾「っかぁーなんつー台詞吐きやがるんだこんにゃろめー」

鈴清「「こんにゃろーこのたらしヤローがー」」

一夏「何でそこまで言われるんだよ……俺は……」

鈴「いやいやお兄さんよー」

清「胸に手を当てて聞いてみなよー」

一夏「ふむ……」

一夏「分からん」

清「これだから一夏んは……」ヤレヤレ

鈴「ダメダメですなぁ……」ヤレヤレ

一夏「どうもすいませんね」

弾「お前等いい加減に帰る準備しろよ……」

一夏鈴清「「「うーい」」」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/26(土) 23:15:09.16 ID:LJrW0wbP0
弾「おら帰れー」ガチャ

鈴清「「言われなくともー」」

一夏「今日はありがとうな」

鈴清「「お邪魔しましたー!」」

弾「いいって事よ。またいつでも来いよ」

蘭「一夏さん鈴さん清さん、また遊んでやってくださいね」

一夏「おう」

鈴清「「モチのロン!」」

弾「お前は俺のお袋かっつーの」ペシッ

蘭「うっさい馬鹿」ゲシッ

弾「いでぇっ!蹴る事ぁねぇだろ!それに兄貴に向かって馬鹿とは何だ馬鹿とは」

蘭「馬鹿は馬鹿でしょ」

一夏「兄弟漫才の途中悪いけどまたなー弾」

鈴清「「ばいばーい!」」ブンブン

弾「ってもうあんなとこに、じゃあなー!」

蘭「また来てくださいねー!」
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/27(日) 21:34:35.44 ID:E8qqj+PA0
鈴「やっぱ日本はいいですなー♪」クルクル

清「やっぱ故郷が一番ですなー♪」クルクル

一夏「どんだけ中国嫌だったんだよ……って俺の周りを回るな」ガシッ

鈴清「「みゃっ!」」

一夏「ったく、そんなんでよく代表候補生になれたな」

鈴清「「哀しいけどこれ実力なのよね!」」

一夏「あーさいですか」

コロコロコロ コツン

一夏「ん?ボール?」ヒョイッ

鈴清「「後ろだよ」」

少年「ううっ……ッ〜!」

一夏「おい、大丈夫か?」

少年「平気だもんっ……転んだ……だけ……だもんっ……」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/27(日) 21:56:34.13 ID:E8qqj+PA0
一夏「強いな、よく泣かなかったな」ワシャワシャ

少年「姉ちゃんが……心配するから……俺っ……泣かないっ………」

一夏「姉ちゃんって本当にそうだよな。俺も姉ちゃんいるんだけどさ。本当、弟の事ばっかり心配して自分の事なんてそっちのけだもんな」

少年「お兄ちゃんも?」

一夏「おう、俺もだ。だからさ、強くでっかくなってやりたいよな。姉ちゃんに心配かけないように」

少年「うん!」

一夏「よーし、じゃあとっとと家に帰ろうぜ。もう痛くないな?」

少年「うん、平気!」

少女「あー!いたー!」

少年「姉ちゃん!」

少女「こんな時間まで出歩いて……お母さんに早く帰って来なさいって言われてたでしょ!」

少年「ご、ごめん……姉ちゃん……」

少女「もうっ……あ、弟がご迷惑おかけしました」ペコリ

鈴清「「いえいえ」」

一夏「迷惑だなんてそんな……」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/27(日) 22:04:10.58 ID:E8qqj+PA0
少女「服までこんな汚して……」パンパン

少年「い、いいよ、自分でやるって」

少女「いいから姉ちゃんに任せ!」ウガー

少年「わ、分かった……」シュン

鈴清((なんか千冬さんと一夏んみたい))

少女「ほら、お礼は」

少年「ありがとうございました」ペコリ

鈴清「「どういたしまして!」」

一夏「いいって事よ。姉ちゃんを大切にな」

少年「うん!」

少女「ほら、早く帰って夜ご飯食べるよ。お母さんずっと待ってるんだから」グイッ

少年「うん、お兄ちゃんお姉ちゃん達、ばいばい!」ブンブン

少年「ありがとうございました」

鈴清「「ばいばーい!」」

一夏「じゃあなー」
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/27(日) 22:11:44.57 ID:E8qqj+PA0
一夏「お母さん、か……」ボソッ

鈴清「「……」」

一夏「……」

鈴「うししっ、一夏んは相変わらずですなー」クルクル

清「うししっ、本当、相変わらずですなー」クルクル

一夏「相変わらず?何が?」

鈴清「「そういうとこ!」」ビシッ

一夏「そういうお前等はどうなんだよ」

清「え?」キョトン

鈴「お?」キョトン

一夏「日本に帰ってきてから、何か変だっただろ」

鈴「帰ってきてから?」

清「なんか変だった?」

鈴清「「あー……」」
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/27(日) 22:46:37.55 ID:E8qqj+PA0
一夏「ん?何だ?」

鈴「え、えーっとね……」モジモジ

清「あのね……あれはね……」モジモジ

一夏「何だよ」


鈴清「「寂しかったから、かな……」」


一夏「……向こうでの生活が?」

鈴「だってだってー!」

清「中国と日本じゃ全然ちがうしー!」

鈴「ご飯ちょーマズイしー!」

清「空気ちょー汚いしー!」


鈴清「「何より一夏んがいなかったしー!!」」


一夏「ま、そうだわな」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2016/03/27(日) 23:27:35.38 ID:E8qqj+PA0
鈴「だからよー!今度の対抗戦よー!」

清「タッグマッチでやろうよー!」

一夏「どこが“だから”なんだよ。どこが」

鈴清「「うっせー!つべこべ言うんじゃねー!やるぞー!!」」

一夏「俺は別にいいけど姉ちゃんが許すかどうか……」

清「そこはさぁ、ほらさぁ、一つどうかね?」

鈴「頼んますよぉ、一夏の旦那ぁ」

一夏「俺にゴマすらずに姉ちゃんにすれって……もうすぐ家に着くから」

鈴清「「えー」」

一夏「面倒くさがるなよ……お前等がしたいんだろ?」

清「だってだってー」

鈴「千冬さん頑固だしー」

鈴清「「融通効かないしぃー」」ブーブー

一夏「姉ちゃんの前で絶対に言うなよ……」
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