鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」 【お題募集】

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563 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:36:49.85 ID:tZDGZIZ50

蒼龍「――ふう、決まった。完璧だね」

翔鶴「格納庫で練習してきたかいがありましたね……」

飛龍「練習って、何のためになのよ。忘年会くらいしか使えないんじゃないの」

翔鶴「――ええー!!?? 78点!?」

蒼龍「なにこれ、壊れてんじゃないの!?」

加賀「ちょっと貸しなさい、こういうのはもっと音程を正確に――」

赤城「ああっ、次は私の曲ですよ!」

瑞鶴「……うちの鎮守府はどうしてこう、歌好きが集まるのかな」
564 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:40:05.52 ID:tZDGZIZ50


長門「――おーい、摩耶!! メモリアルパンフは確保したか!?」

摩耶「おう、全員ぶんバッチリあるぜ」

長門「那智、物販の方はどうだ!?」

那智「ものすごい人混みだ、いま姉さんと最上が並んでるが……すぐ合流は無理そうだぞ」

長門「うむ、とりあえずはよし」


長門「――陸奥、どうした座り込んで。気分でも悪いのか」

陸奥「6時間も並んでりゃ、悪くもなるわよ……」
565 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:41:18.03 ID:tZDGZIZ50

長門「む、だが初回上映を見逃すわけにはいかん」

長門「海外では2週間前から映画館の前で待ったり、そのまま結婚式を挙げたりするファンもいる。負けてられんぞ」

陸奥「私は……別にそこまで見たくない……」

長門「まあ、無理はするな。なんせ明日と明後日もあるのだからな」

陸奥「……一応聞くけど、なんで3回見るわけ?」

長門「日付け入りのパンフレットだ。このために予約したようなものだからな」

陸奥「私はもう来ないからね!」

長門「1人1枚チケットを持つ必要があるのだ。もう人数分買ってしまったからもったいないだろう」

陸奥「せめて事前に言ってよ!! いや言っても嫌だけど!!」
566 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:42:14.29 ID:tZDGZIZ50


最上「全員ぶんのライトセーバー、確保したよ!」

妙高「グッズも、とりあえず買えるだけ買いこみました」

鳥海「スタンプラリーから戻りました! これ、景品のステッカーです」

長門「よし、よくやってくれた。飲み物とポップコーンは私が並んでおいたから、あとは待つだけだな」


鳥海「あれ? 摩耶、姉さんたちは?」

摩耶「ああ、高雄姉ならあっちで――」

高雄「」

摩耶「ぶっ倒れてる。戦艦組につき合わされてずっと並んでたからな」
567 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:43:25.46 ID:tZDGZIZ50

鳥海「愛宕姉さんは?」

摩耶「さっき手洗いに行ったが……逃げたかもしれないな」

長門「なに!? もうすぐ入場だぞ、すぐ探しに行かねば!」

摩耶「大丈夫だって、すぐ戻ってくるから。なにせ――」

愛宕「……摩耶ちゃあん」

摩耶「愛宕姉、財布を私に預けて忘れていったからな」

愛宕「返して〜、もう帰りたいぃ……」

鳥海「……姉さん、みんなで映画なんてすごく久しぶりなんですよ? そんなに嫌ですか」

愛宕「うぐ。わ、わかったわ、ちゃんと見るから……」
568 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:44:32.56 ID:tZDGZIZ50

山城「――ふん。長門、熱くなっちゃって子どもっぽいったら……ねー、姉さま」

扶桑「え? そ、そうね……」

扶桑(私も、長門さんに連れてこられたみたいな顔してるけど)

扶桑(言えない。私自身もチケット予約してたなんて、山城には……)

妙高「あ、扶桑さん。頼まれてたTシャツ、買えましたよ」

扶桑「わあ! ありがとうございます妙高さ――ハッ」

山城「…………」

扶桑「…………」


扶桑「山城!! これ柄違いなの、一緒に着ましょう!!」

山城「は、はあ。素直にペアルックを喜ぶべきか……」
569 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:45:21.73 ID:tZDGZIZ50



提督「……静かだな」

鳳翔「そうですね、私は好きですけど」

提督「何だかんだ言って、最近は結構2人の時間作れてるよね」

鳳翔「そういえば……鎮守府の皆さんも、仕事を手伝ってくれてますからね」

提督「うん。でも、まだまだ君がいないと回らないな」


提督「――本当に今年1年、ありがとう」

鳳翔「どういたしまして。あなたも、本当におつかれさまでした」

提督「これからもよろしく、お願いします」

鳳翔「はい。みんなで仲良く、頑張りましょうね!」
570 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2015/12/25(金) 16:50:50.48 ID:tZDGZIZ50

鳳翔さんの起工、竣工日おめでとうございます。

長門さんのキャラはすみません、やりたかっただけです……
私は30日に見に行く予定です。いやあ楽しみ。


最近はSSの更新も滞って、お題を下さった皆さんには本当に申し訳ありません。
次は年末か年始に更新できると思います。
まだもう少し続くと思いますので、これからもよろしくお願いします。
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/25(金) 17:17:30.44 ID:C2us0yz+0
乙です、こういうゆっくりまったりしたのもいいものだ
私事ですがやっと鳳翔さんとケッコンできた
待とうとかとも思ってたけど我慢できずにしてしまった
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/25(金) 17:59:27.75 ID:cvnVTWLbo
乙です
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/12/25(金) 18:21:20.78 ID:25wMvxmmo

外堀のキャラもどんどん固定されてくwwww
574 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/02(土) 13:43:02.16 ID:Gui0n/IY0
年末ボイスも新年ボイスもありませんでしたね
知ってた
575 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/02(土) 16:26:00.77 ID:kOdIBrOAo
うちの嫁艦ズも改二どころか追加グラ、各種追加ボイスがこないので心中お察しします。
576 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 01:45:47.71 ID:YuTh0OAb0


第4話 〜ホープフル・ニューフェイス〜


「――ふぅ、ようやく着いたか。ヨコスカからは遠すぎるな」

「ここが、マイヅルか。綺麗なところだ……伝統的な家屋も多いな、日本に来た実感がわく」

「こんな時勢でなければ、ゆっくり観光したかったところだが。そうもいかないな」

「日本最強の機動部隊がここに……さて、どんなものか楽しみだ」


「――しかし、なんだろうなこの天気は。今にも雨が降りそうな、そんな暗さだが」

「それだけではない、この胸のざわめきはなんだ」

「私としたことが、新天地への期待と不安で、動揺しているのか……」
577 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 01:50:01.20 ID:YuTh0OAb0

「――あの、こんにちは。Graf Zeppelinさん?」

Graf Zeppelin「ん? ああ、そうだが」

蒼龍「よかった、すぐ見つかって。私、航空母艦の蒼龍です」

Graf Zeppelin「ソウリュウ……はじめまして、これから世話になる」

蒼龍「こちらこそ。それじゃ、鎮守府まで案内するね」


蒼龍(お肌、白くてきれいな子だなぁ。海外の艦娘はみんなそうなのかな)

Graf Zeppelin(この、きれいな肌の日焼け具合。歴戦の空母のようだ)
578 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 01:56:02.35 ID:YuTh0OAb0

蒼龍「あのー、呼び方なんだけど」

Graf「うん?」

蒼龍「グラーフさんでいいかな。伯爵って、ちょっと呼ばれ慣れてないと思うけど」

Graf「かまわない、呼びやすさが一番だ。ゴウにいっては何とやらだからな」

蒼龍「おー、よく知ってるね」

Graf「ふふ、勉強は頑張ってしたぞ」
579 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:03:41.72 ID:YuTh0OAb0

蒼龍「グラーフさん、今までは横須賀にいたんだよね」

Graf「ああ。とはいえ、ほとんど日本語の勉強と、戦術の座学で終わってしまったが」

蒼龍「配属も、まだ決まってないんだって?」

Graf「そうなんだ。BismarckやPrinz Eugenが先に来ているから、同じ艦隊になるかと思っていたんだが」

蒼龍「あー、海外の子はどこの鎮守府にいたっけかなぁ」

Graf「提督との相性と適性を見て、配属が決まるそうだよ」

蒼龍「そっかぁ。新しい空母の子が来るなんて久しぶりだからなあ」
580 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:04:13.63 ID:YuTh0OAb0

Graf「そうなのか? 確かに正規空母は多いと聞いたが」

蒼龍「あはは、うちは戦力過多って言われてるから……」

Graf「なんにせよ、艦娘としての経験を積むには、最精鋭の空母が集っているここでジッチ、ケン……」

蒼龍「実地研修だね。いやあ、最精鋭なんて照れるなー」

Graf「本当のことだ。なにせ私は――」

蒼龍「え?」

Graf「……いや。後で話すよ」
581 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:05:29.93 ID:YuTh0OAb0

蒼龍「さて、まずは提督のところだね。こっちだよ」

Graf「ああ、頼む。だが蒼龍」

蒼龍「うん?」

Graf「マイヅルには、戦艦が4隻に航空母艦が6隻、その他の軍艦も多数いると聞いていた」

Graf「その割にはずいぶん静かだな。さほど広くは見えないが」

蒼龍「あー、これね。今日は出撃とか遠征なんかで、みんなほとんどいないのよ」

Graf「そうだったのか、忙しい時期にすまないな」
582 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:06:59.61 ID:YuTh0OAb0

蒼龍「それから、大規模改装中で外部の工廠に行ってる子もいるね。あとで紹介するけど」

Graf「ほう。空母なのか?」

蒼龍「そうそう、私の後輩だよ。仲良くしてあげてね」

Graf「私が教わる身だからな。こちらからお願いするよ」


蒼龍「――ああ、それから」

蒼龍「ここにいる空母は6隻じゃなくて、7隻だよ。貴女を入れたら8隻だね」

Graf「うん? そうだったか」

蒼龍「まあ、すこーし特別だけどね」
583 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:08:03.85 ID:YuTh0OAb0


提督「第2艦隊、状況報告」

飛龍『――飛龍です。先ほど目的地に到着、脱落した船はなし』

飛龍『予定通り、物資の揚陸を開始しました。見届けたら帰投します』

飛龍『母港への到着予定時刻、本日一八○○――送れ』

提督「了解。次の定時連絡まで、少しでも異常があれば通信せよ――以上」


提督「第3艦隊、ボーキサイト輸送船団の護衛。第4艦隊、合同演習」

提督「久々のフル稼働だな。鳳翔、そっちは問題ないか」

鳳翔「はい。それぞれ連絡を受け取っていますが、順調ですね」
584 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:09:01.42 ID:YuTh0OAb0

蒼龍「提督、お連れしました」

Graf「Guten Morgen! 航空母艦、Graf Zeppelinだ」

Graf「貴方がこの艦隊を預かる提督なのだな。そうか……よろしく頼むぞ」

提督「こちらこそよろしく。舞鶴へようこそ、歓迎するよ」

鳳翔「秘書艦の、鳳翔と申します。よろしくお願いしますね」


提督「出迎えなくてすまない。ちょっと、今日は予定が立て込んでいてね」

Graf「気にしないでくれ、敵は待ってくれないからな」
585 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:10:29.24 ID:YuTh0OAb0

提督「早速みんなに紹介したいところなんだけど……」

提督「あいにく、ほとんど出払っててね。今夜の歓迎会までには揃う予定だから」

Graf「私の歓迎会か? 気恥ずかしいが……」


提督「長旅で疲れただろう。鳳翔、部屋に案内してあげてくれ」

鳳翔「はい。ついでに、鎮守府の施設も紹介しますね」

蒼龍「それじゃあ、秘書艦は私が代わるよ」

鳳翔「よろしくね。ではグラーフさん、こちらへ」

Graf「ああ、お願いする。――Admiral、また改めて、な」

提督「うん、ゆっくり休んでくれ」
586 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:11:13.75 ID:YuTh0OAb0


Graf「――ええと、貴女は」

鳳翔「鳳翔、です。ほうしょう」

Graf「不勉強ですまない。名前を知っているのはアカギだけなんだ」

鳳翔「気にしないでください、まだ慣れていないでしょうから」

Graf「ある程度、勉強はしてきたのだが。どうも名前が独特で……」


鳳翔「焦らないでください。みんないい子たちばかりですから、すぐに仲良くなれますよ」

Graf「あ、ああ。しかし、航空戦力として経験を積むのが目的だから、早く覚えねば」

鳳翔「……ふむ」
587 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:13:33.67 ID:YuTh0OAb0

鳳翔「もしかして、焦っているのは……」

鳳翔「自分には実戦経験がないから、でしょうか」

Graf「な……」

鳳翔「ごめんなさい、ちょっと調べさせてもらいました。私は配属艦の艦歴を把握することにしていますので」

Graf「……そうか」


Graf「その通りだ。私には経験がない……あの戦争においても、この体になったあとも」

Graf「空母なのに、艦載機を扱ったことがないんだ。不安になるのも当然だろう?」

鳳翔「……わかります」

Graf「まあ、だからこそ、一番航空戦力の充実した艦隊へ来たわけだが」
588 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:14:44.27 ID:YuTh0OAb0

鳳翔「会ったばかりなのに、差し出がましいことを言うようですが」

Graf「うん?」

鳳翔「あの人……提督は、きっと良い采配をしてくれます。私が保証します」

Graf「信頼しているのだな」

鳳翔「ええ、長い付き合いですからね。あの人の下でずっと戦ってきた子は、みんなそうだと思いますよ」

Graf「…………」

鳳翔「それに、先ほども言いましたが。鎮守府の他の子にも頼ってみるといいですよ」

鳳翔「空母の子たちだけじゃなく、色んな子と話してみてください。きっといい経験になりますから」
589 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:17:36.34 ID:YuTh0OAb0

鳳翔「私にも、困ったことはなんでも相談してくださいね。なんでもいいですよ」

鳳翔「お国の料理が食べたいとか、そういうのでも。こう見えてもお料理は得意だと思ってますので」

Graf「……ああ。ありがとう」



Graf(――なぜ初対面で、ここまで弱みを話してしまったんだ)

Graf(自分の過去を見透かされて、動揺してしまったのか……)

Graf(だが、まったく不快さを感じない)

Graf(それどころか、私を気づかう、あたたかな感情が伝わってくる――)

Graf(私より小さな体が、大きく見える)


Graf(……いったい、このひとは何者なのだろう)

590 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:25:18.67 ID:YuTh0OAb0

10日遅れで、新年あけましておめでとうございます。
今年もまた、ゆっくりお付き合いくださるとうれしいです。

第4話はグラーフさん舞鶴に立つの巻。頂いたお題も盛り込んでいきます。
正統派クールは少ないので、性格は固まりやすいですかね。長門さんとの差が難しい。
続きはなるべく早くしたい……って全然守れてなくてすみません。
蒼龍さん短編も書いてますがまとまりません。時間がほしい……


なんにせよ、これからもよろしくお願いいたします。
591 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/11(月) 02:34:58.58 ID:9ILWJlQTo
乙です
592 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/01/11(月) 02:35:21.26 ID:YuTh0OAb0

前回は年内に蒼龍さん短編あげるとか言ってましたが、またもやウソ予告になってしまいました。
最近はとても大切な試験もあり、少しづつしか時間が取れていません。
申し訳ありませんが、気長に待っていただけますと幸いです……もう何回言ったかわからないくらいですが……


>>571
おめでとうございます! 何人かの方が書き込んでくれてますが、こういう報告もうれしいです。
待とうかとは何をお待ちに? 竣工日が記念日の方でしょうか。

>>574 >>575
年末大掃除も新春ボイスもありませぇん(毎年恒例)
いや、これでまた軽空母で唯一追加なしという個性は守られたのです……
593 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/11(月) 02:35:23.18 ID:0zf8Kpzvo

冬イベで正規空母追加される事を祈ってます(ニッコリ
594 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/11(月) 19:04:38.45 ID:6aEym1JEo
おつん
595 :以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします [sage]:2016/01/14(木) 17:00:43.73 ID:mC61vXdlO
浮気ネタ楽しみや

グラコロまで出てくるとはやったぜ
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 13:38:55.61 ID:ICY+dlzS0
遂に鳳翔さんにボイス来ましたね…
しかもバレンタイン!
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 15:16:53.49 ID:0+ojQhf9O
残念ながら軽空母唯一追加無しの称号を捨てる時が…、嬉しいよぅっ!
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/07(日) 15:20:45.27 ID:F+DXvEJG0
バレンタイン・キッスはあるのでしょうか?
599 : ◆GoPzFNH1CI [sage saga]:2016/02/08(月) 21:35:52.64 ID:uLU+ztjt0

おつかれさまです、4話の続きは近いうちに投下します。

そんなことよりも!!
鳳翔さんにボイスがある……だと……思わず二度見しましたが、ついに!


>>596,597,598

追加なしのアイデンティティがなくなりましたね、嬉しいけど少し寂しいですね……

これはバレンタインボイスで短編を書かざるを得ない!
4話終了後に、ボイスの内容で考えたいと思います。
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/12(金) 18:20:28.19 ID:f6kq349w0
鳳翔さんのボイスが可愛すぎて死んだ
更新楽しみに待ってます、イベントも頑張りましょう
601 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/24(水) 23:43:15.32 ID:v9LQex5P0

こんばんは、おつかれさまです。第4話続きです。
もういろいろ遅くなったことは投下後に改めて謝ります……
書きたいことを詰めすぎて、意外と長くなってしまいました。

今さらですが第4話のお題:五航戦改二・大破・Grafさん・バレンタイン です。


【投下前の注意】
今回は深海棲艦サイドにも、少々コミカルなオリ設定を使っています。
特に、14夏イベ:MI作戦への思い入れが強い方にはご注意いただきたいです。

また>>583の第4艦隊ですが、演習ではなく「改装のための遠征」に修正させてください。失礼しました。
602 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/24(水) 23:45:10.17 ID:v9LQex5P0





―― コンニチハー

Graf「――ああ、どうぞ?」

五月雨「失礼します、駆逐艦五月雨と――」

綾波「綾波です。スーツケースをお持ちしました」

Graf「ああ、ありがとう。わざわざすまないな」

綾波「ここに置いておきますね。――あ」

五月雨「あっ」

「「…………」」ジー
603 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/24(水) 23:46:12.12 ID:v9LQex5P0

Graf「……ん? 私の顔が、なにか?」

五月雨「どうしてそんなに!!」

綾波「お肌が白いんですか!?」

Graf「な、なに?」


綾波「私たち、出撃の前には日焼け対策をしてるんですけど」

五月雨「いくらやっても、ある程度は焼けちゃうんですよね」

Graf「そうだろうな。海面からの反射も強いだろうし」
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/24(水) 23:47:03.06 ID:nr50SjZso
おっしゃ続きや!
605 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/24(水) 23:47:15.89 ID:v9LQex5P0

綾波「でも、グラーフさんみたいな真っ白な艦娘、初めて見ました!」

五月雨「どんな日焼け止め使ってるんですか!?」

Graf「い、いや違う。これは多分、日本生まれではないから」

綾波「ええっ、外国なら焼けないんですか!?」

Graf「そうではなくて、艦体のつくり自体が違うだろうから――」

五月雨「それじゃ、私も外国で改装してもらったらいいわけですね!?」

Graf「いや……うん。したいなら止めないが」
606 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/24(水) 23:48:34.46 ID:v9LQex5P0

綾波「艦娘のパスポートってあったっけ」

五月雨「ヨーロッパまでどうやって行こう」

「「うーん……」」

Graf(……日本の駆逐艦は変わっているんだな)


五月雨「――あ、そうでした。荷物を広げたら、執務室まで来ていただきたいそうです」

綾波「よかったらお手伝いしましょうか?」

Graf「いいのか? ありがとう」
607 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/24(水) 23:50:19.88 ID:v9LQex5P0





提督「――さて、改めて」

提督「航空母艦Graf Zeppelin。本日付けをもって、舞鶴鎮守府への着任を命ず」

Graf「Ja!」

提督「研修期間は2か月。その後の配属は、君の希望と各地の戦力、戦況を考慮して決定する」

提督「もちろんここでも構わない。早く馴染んでくれるように努力するよ」

Graf「感謝する、Admiral」
608 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:03:54.55 ID:ZazPqgGp0

提督「研修の目的は、艦隊で問題なく動けるようになることと、艦上機の習熟だ」

提督「ここの方針、というより、どこでも基本だと思うけど――」

提督「練度がある程度上がるまでは、演習と遠征が主になる。出撃する場合も、鎮守府周辺海域がメインだ」

提督「出撃や遠征では、主に船団の護衛や航路の啓開。これはほぼ毎日だね」

提督「最初は、これらの任務に当たってもらいたい。異存ないかな」

Graf「ありません。――で、私の役目はいつから?」
609 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:04:38.22 ID:ZazPqgGp0

提督「そうだなぁ、急ぐこともないと思うんだけど……」

Graf「鳳翔にもそう言われたが、期間も限られているからな」

鳳翔「それじゃあ、これから鎮守府近海まで出てみますか?」

Graf「おお。出撃か?」

鳳翔「他の皆さんが出撃や遠征、演習から帰ってくるときの、航路を警備するんです」

Graf「航路の警備?」
610 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:06:13.09 ID:ZazPqgGp0

鳳翔「鎮守府の周辺には艦隊だけでなく、はぐれ艦と呼ばれる敵艦もいるのですが」

Graf「はぐれ艦か、知っている。ヨコスカにもかなりの数がいたな」

鳳翔「ええ。危険性はそれほどでもないのですが……」


鳳翔「弾薬が少なくなった時や、演習用の装備の時に見つかると大変ですからね」

鳳翔「はぐれ艦はほとんどが駆逐艦や潜水艦1隻ですが、そのぶん行動も読みにくいのです」

Graf「なるほど。この鎮守府は慎重なのだな、Admiral」

提督「無事に帰る確率を上げるためだよ。作戦成功して帰り道にやられました、じゃ意味がないから」
611 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:07:59.65 ID:ZazPqgGp0

鳳翔「それほど遠くへは出ませんし、海域を覚えるにはいい機会じゃないでしょうか」

Graf「鳳翔が出てくれるなら心強い、私からもお願いする」

提督「――よし、わかった。今日の指導は鳳翔に任せよう」

鳳翔「お任せください! それじゃグラーフさん、工廠で艤装を着けてみましょう」

Graf「ああ、よろしく頼むよ鳳翔」


蒼龍「――もう仲良くなっちゃって。お母さん、なんだかうれしそう」

提督「はは、新しい子は久々だもんなぁ。いろいろ教えてあげたいんだろ」
612 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:11:02.45 ID:ZazPqgGp0

蒼龍「――ん? 天気がまた……」

蒼龍「……なんだか、変な色の雲が出てきたね」

提督「本当だな、いきなりどうしたんだろう」


蒼龍「ねえ提督。さっき外に出たときに思ったんだけどさ」

提督「ん、どうした。何かあったのか」

蒼龍「はっきりとはわからないけど……今日の空はちょっと変だよね」

提督「確かに妙な空模様だな。雲の流れも速いし、ひと雨来るのかな」
613 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:11:35.48 ID:ZazPqgGp0

蒼龍「気象台から報告は? 海が荒れそうだとか」

提督「私も気になって問い合わせたんだけど、特に強風も波浪も心配ないそうだよ」

提督「少し霧がかかるらしいが、これはよくあることだし」

蒼龍「そっか……うーん」


蒼龍「でも、なーんか気になるな。嫌な予感がする」

提督「……そうか」
614 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:12:51.96 ID:ZazPqgGp0

提督「それじゃ、艤装の用意だ。ボイラーに火を」

提督「非番の子にも声をかけて、それから航空隊も地上配備しておくか」

蒼龍「え、いいの? 根拠ないよ」

提督「念のため、ね。今は自由に出せる戦力が少ないし、民間から要請が来た時に出せる戦力は必要だから」


提督「――それにどういうわけか、うちの悪い予感はよく当たる。私も含めてね」

蒼龍「そ、そうかなー? あはは……じゃあ、非番の子には私が言っとくから」

提督「うん、頼んだよ」
615 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:14:00.92 ID:ZazPqgGp0

鳳翔「では、行ってまいりますね」

提督「うん。くれぐれも……」

叢雲「気をつけて、でしょ。――ったく、いつまでも言うこと変わらないんだから」

満潮「言われなくても気をつけるわよ。何回も言うと、言葉の価値が下がるわ」

五月雨「2人とも、今日はいつもとちょっと違うんですよ! 油断しちゃダメです!」

Graf「世話になる。なるべく荷物にならないよう付いていくよ」

綾波「あ、大丈夫ですよ。そんなに肩に力入れないでください」
616 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:15:19.29 ID:ZazPqgGp0

鳳翔「あの、それから……」

提督「うん?」

鳳翔「い、いえ、あの」


鳳翔「帰ってきたら、渡したいものがありますので……楽しみにしていてくださいね」

提督「渡すもの? ――うん、わかったよ」

鳳翔「そ、それでは、出撃いたします!」


提督「――帰ってきたら、か。楽しみだな」

提督「何か立った気もするけど……」
617 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:24:13.59 ID:ZazPqgGp0





蒼龍「――おかしいよ提督。本格的に霧が出てきた」

提督「そろそろ艦隊が帰投するのに、参ったな。いきなりどうしたんだ……」

蒼龍「第1艦隊も大丈夫かな。視界が悪いと、潜水艦だけじゃなくて水上艦も怖いね」

提督「そうだな。だから、綾波と叢雲には砲戦装備を積んだんだ」

蒼龍「いつもは対潜装備多めだもんね。――まあ、お母さんなら心配ないか」

提督「これ以上濃くならないうちに誘導灯の確認と、それから気象情報をもう一回見てみるか」
618 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:29:52.27 ID:ZazPqgGp0

――バタァン!


大淀「て、提督、大変です!」

提督「どうしたんだ、慌てて」

大淀「帰還中の第2、第3、第4艦隊からの通信が途絶えました!」

「「!!」」


大淀「定時連絡も、こちらからの通信への応答もありません!」

提督「何だって!? 3艦隊分、全員からか!!」

蒼龍「ということは、故障じゃないよね。これはやっぱり――」
619 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:30:45.57 ID:ZazPqgGp0

――バァン!!


明石「――て、提督!!」

提督「今度は明石か。どうした?」

明石「この霧です! 帯電した霧が、通信を阻害しています!!」

蒼龍「ああ……嫌な予感、当たってほしくなかったのに」


大淀「ど、どうしましょう。艦隊がお留守の時に……」

明石「すぐに動ける子は少ないです。それに、出しても通信できなくては――」
620 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:32:42.21 ID:ZazPqgGp0

提督「――落ち着け。飛龍の第2艦隊、赤城の第3艦隊は近くまで戻っているはずだ」


提督「蒼龍! 航空隊に電文を持たせて、直接届けてやってくれ」

提督「この霧のことと、航行速度を上げて早く戻るように、と」

蒼龍「わかった。――翔鶴と瑞鶴にはどうする?」

提督「第4艦隊は離れたところだからな。あまり航空隊をそれぞれに振り分けすぎると、遭遇できないかもしれない」

提督「まず確実に第2、第3と連絡をとって、その後全力で第4艦隊と接触する」


提督「――速さが肝心だ、頼むぞ蒼龍」

蒼龍「了解。任せてね!!」
621 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:33:43.97 ID:ZazPqgGp0

提督「明石。横須賀の司令部と、各鎮守府に連絡を取ってくれ」

提督「有線は繋がるよな? とにかく情報を集めるぞ、通信もあらゆる周波数を試してみるんだ」

提督「大淀は全ての艦娘を作戦室へ集めてくれ。後で状況を説明する」

「「了解!!」」



提督「……鳳翔」

提督「すぐ、気付いてくれていればいいんだが」
622 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:42:57.30 ID:ZazPqgGp0





鳳翔「――いかがですか、調子は?」

Graf「問題ない。波が高いのには驚いたが」

鳳翔「艦上機もいい動きです。特に心配もいりませんでしたか」

Graf「ああ――それにしても、この爆撃機は素晴らしいな!」

Graf「急降下の速度も、機動性も申し分ない。この国の技術には、まったく感服するよ」

鳳翔「ふふ、ありがとうございます。私もうれしいです」

鳳翔「国というより、この国の妖精さんの技術力ですけどね」
623 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:44:31.29 ID:ZazPqgGp0

Graf「この艦上機は、何と呼ぶのだったかな?」

鳳翔「彗星一二型甲、我が艦隊の主力爆撃機ですね」

Graf「そうか、Komet……スイセイの上位機か。この性能で、主力機として揃えられているとは驚いたぞ」

鳳翔「いえいえ。グラーフさんは初めて扱うでしょうに、お見事な腕です」

Graf「それだけ、こちらの搭乗員が優秀なのだろう」


Graf「――私が連れてきたスツーカ隊も、まだまだ成長できそうだな」

鳳翔「そうですよ。じっくりと練度を上げていってください」
624 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:45:45.19 ID:ZazPqgGp0

鳳翔「ただ、少々霧が深くなってきましたね。せっかく調子が出てきたところで申し訳ありませんが……」

鳳翔「今日のところは、早めに切り上げたほうがいいでしょうか」


綾波「――あ、あれ」

五月雨「どうしたの?」

綾波「いきなり電探から雑音が……故障かな」

叢雲「こっちも同じよ。33号が同時になんて……鳳翔さん!」

鳳翔「――ええ、故障ではありませんね。異常事態のようです」
625 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:46:32.08 ID:ZazPqgGp0

鳳翔「お2人とも、ソナーの動作は?」

五月雨「問題ありません、正常に動いてます」

満潮「私も大丈夫。聞き取りにくいこともないわね」

鳳翔「ということは、通信に問題が……これは、早く帰投した方がよさそうですね」

鳳翔「今回はここまでにしましょう。艦隊は進路を――」


―― ズゥウウン……


「「「!?」」」
626 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:47:19.54 ID:ZazPqgGp0

Graf「い、今の音は!?」

綾波「戦艦の砲撃音です!! 霧の向こうで、発砲炎がかすかに!!」

鳳翔「早く散開を――グラーフさん!!」

Graf「!!」

鳳翔「が、っ……」

Graf「ほ、鳳翔!?」

鳳翔「……だ、大丈夫ですから……早く……」

Graf「私が曳航する! 誰か先導を!!」
627 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:51:51.19 ID:ZazPqgGp0




飛龍「お? おーい赤城さん、加賀さん」

赤城「飛龍、戻ってましたか」

飛龍「ついさっきね。――妙な騒ぎになったわね」

加賀「これでは歓迎会も、微妙な雰囲気になりそうね」

赤城「そんなことありませんよ、お母さんの料理を食べれば!」


提督「――戻ったか。おつかれさま」

飛龍「おつかれさまです……どうしたの、暗い顔して」

提督「……それが、な」
628 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:52:26.71 ID:ZazPqgGp0


赤城「――お母さんが、大破!?」

提督「いつも通り、近海警備に出たんだ。そうしたら普段は見ない深海棲艦と遭遇したらしい」

加賀「見ないとは?」

提督「五月雨が言うには、戦艦級の砲撃だと。改修が済んだ鳳翔を大破させる威力だ」

飛龍「もしかして、この霧のせい?」

提督「詳しいことはまだわからない。帰ってきて早々すまないが、補給はしておいてくれ」

赤城「……了解しました」
629 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:54:15.59 ID:ZazPqgGp0

赤城「……加賀さん、飛龍」

飛龍「あー、何考えてるか大体わかるよ」

加賀「私も同じです――このままお母さんをやられたままで、黙っていられませんね」

赤城「よし、ではすぐ補給を」


赤城「――そうだ、蒼龍は……」

蒼龍「――ここにいるよ。お帰り、みんな無事でよかった」

飛龍「そっちも1人で大変だったでしょ。おつかれさま」

蒼龍「うん。お母さんはもう入渠したから、心配しないで」

赤城「そうですか……よかった」
630 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:55:14.09 ID:ZazPqgGp0

蒼龍「それで、するんでしょ? かたき討ち」

飛龍「蒼龍、いっしょに行こうよ!」

蒼龍「気持ちはみんなと同じだけどさ……」


蒼龍「鎮守府に誰か1人、空母はいないと。私まで出たら、基地航空隊を指揮できなくなっちゃうでしょ」

蒼龍「五航戦の2人も、誘導してあげないとね。ひと段落したら、私も追いかける」

加賀「わかったわ。提督にはうまく言っておいてね」

蒼龍「しょうがないなあ、もう――気をつけるんだよ、3人とも!」
631 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:57:47.42 ID:ZazPqgGp0


提督「――なに、鳳翔に高速修復材を?」

提督「だめだ、だめ! すぐ直ったら、すぐ出撃したがるに決まってる」

提督「大変なときに寝てられないとか言ってな。修復材はだめだ」

提督「修理はどれくらいかかる? ――およそ11時間? わかった、それまで寝かせてやってくれ」


蒼龍「提督ー」

提督「おお、蒼龍。赤城たちはどうした」

蒼龍「え、えっと……」
632 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:58:26.59 ID:ZazPqgGp0

蒼龍「――ご、ごめん。またすぐ出ていっちゃった」

提督「出ていった?」

蒼龍「お母さんのかたき討ちに、3人で」

提督「……3人でか」


蒼龍「えっと、あのですね。私たちの気持ちも酌んでほしいなっていうか――」

提督「まったくもう……すぐ護衛を出さないと」

蒼龍「あ、あれ? 怒らないの?」
633 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 00:59:16.91 ID:ZazPqgGp0

提督「少しは予想できてたし、それに」

提督「自分が赤城たちの立場だったら、同じことをしてたかもしれん」

提督「好き放題やられて、怒ってないわけじゃないんだ」

蒼龍「おお。久々に怒りをあらわに」


提督「とはいえ、ちゃんと飛行機で連絡は取りあっておいてくれよ」

蒼龍「それは大丈夫。よく言っておいたから」

提督「第4艦隊も帰ってくるし、すぐ後詰の艦隊を編成しよう。作戦室へ行くぞ、蒼龍」

蒼龍「うん!」


提督「……と、その前にグラーフを探さないと」
634 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:00:16.20 ID:ZazPqgGp0


鳳翔「すぅ……すぅ」

Graf「…………」


提督「入るぞ――やっぱりドックだったか」

Graf「……Admiralか」

提督「五月雨たちから、大体の事情は聞いたよ。最初の出撃から災難だったね」

Graf「…………」
635 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:00:53.11 ID:ZazPqgGp0

提督「わかりやすく落ち込んでるな」

Graf「……当然だろう。鳳翔は私をかばって被弾したんだぞ」

提督「初めに言っておくが、君に落ち度はないぞ」

Graf「なに?」


提督「電探が使えず、航空隊も電信を打てず」

提督「それに、戦艦級がこの海域まで出ることは想定外だった。艦隊の誰も予測できないことが起きたんだ」

提督「最終的に、出撃の許可を出したのは私だ。艦隊の損害は、すべて私の責任と言えるな」
636 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:03:44.82 ID:ZazPqgGp0

Graf「……貴方たちの信頼の深さは、今日会ったばかりの私にも伝わるほどだ」

Graf「ならば今回の敗北と損害は、一番練度の低い者のせいだとは思わないか」

提督「――あのな。今回は負けだと思ってるかもしれないが、それは違うんだぞ」

Graf「なんだと? 大破して撤退すれば、それは……」

提督「ああ、そうじゃなくて。私たちの敗北の考え方は違うんだ」

Graf「……どういう意味だ?」
637 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:04:23.27 ID:ZazPqgGp0

提督「あー、これは私が尊敬してる人の考え方でもあるんだけど」

提督「大破だろうが撤退しようが、大事なのは沈まないこと……生きていることなんだ」

Graf「…………」


提督「出撃した全員が、沈まずに帰還する」

提督「それだけで大勝利なんだよ、グラーフ。もう少し経験を積めば、君もわかるはずだ」

Graf「……鳳翔も、そう思っているか?」

提督「言葉を交わしたわけじゃないけど、きっと」
638 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:05:19.71 ID:ZazPqgGp0

Graf「――Admiralが言いたいことは、わかる気がする」

提督「うん。そうか」

Graf「しかし、私にはまだ、それを心するだけの経験がない」

Graf「言葉だけわかっていても意味がないからな。経験と実践が、自分の実力となる」

提督「そうだな、そう思うよ」


Graf「……聞いていた通り、ここは素晴らしい艦娘が揃っているようだ」

提督「そうとも。自慢の子たちだよ」
639 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:06:28.25 ID:ZazPqgGp0

Graf「というわけで……ここにいる間、Admiralと鳳翔から、できる限りのことを学ばせてもらう」

Graf「――これからよろしく頼むぞ、Admiral」

提督「うん。こちらこそ」

Graf「鳳翔も、よろしく頼む」

鳳翔「……ん」


Graf「早く元気になってくれ……!」

提督「い、いや、病気なわけじゃないから。普通に修理だから、大丈夫だよ」
640 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:10:39.55 ID:ZazPqgGp0

すみません、20分弱休憩します
まだ40レスちょっと続きます、リアルで読んでくださってる方は無理せずにどうぞ……
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/02/25(木) 01:16:42.73 ID:jxeNNBF1o
おk
のんびり待ってます
642 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:33:50.30 ID:ZazPqgGp0





赤城「――さて、偵察ですが」

加賀「妖精さんたちも、この視界では困難だと言っていますね」

飛龍「彩雲隊はさすがに目が良いね。こっちは出せそうだよ」

加賀「……でも無線が使えないのでは、見つけても打電できないわ」


飛龍「あんまり使ってなかったけど、妖精さんと視界をリンクしてみよう」

赤城「大丈夫ですか? 負担もかかるし、今は視界も悪いですが」

飛龍「しんどいからねぇ。艦隊の発見までは妖精さんに任せるわ」
643 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:35:12.66 ID:ZazPqgGp0

赤城「――電探と無線はやはりダメですか?」

加賀「そうですね、ノイズばかりで使えません」

赤城「誘導灯を見失わないように。はぐれたら、冗談じゃなく遭難してしまいますよ」

加賀「まあ、こんな状況で空母だけが航行しているのもおかしな話ですが」

飛龍「駆逐艦も連れずに飛び出しました、なんてお母さんが知ったらなんて言うだろ……」

赤城「……冷静に考えたら、恐ろしくなってきましたね」
644 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:37:25.35 ID:ZazPqgGp0

加賀「ところで……戦艦の砲撃を受けたとのことでしたが、敵艦隊が1つとは限りませんね」

赤城「ええ。かたき討ちとはいえ、無茶はできません。帰ったら提督にもお母さんにも怒られますし」


飛龍「――むっ、彩雲が敵艦隊に触接! 空母ヲ級、3隻を含む」

加賀「こんなところに機動部隊が……やはり今日はおかしいわね」

赤城「ヲ級が3隻ですか、相手にとって不足なし。全攻撃隊――」


飛龍「――いや、待ってください! 白旗が見えます」

赤城「白旗……? まさか、今までそんな意思表示など……」
645 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:39:11.44 ID:ZazPqgGp0

赤城「……攻撃隊は出すべきです。ただし上空待機で」

加賀「同感ですね。了解」

飛龍「了解――でも、相手は航空機、出してないみたい……」


―― ヒリュウー!!


飛龍「……ん?」

ヲ級Y「ヒリュウー!! ワタシだー!!!! ケッコンしてクレーーーー!!!!」

飛龍「」


加賀「……飛龍、貴女まさか」

飛龍「やめてそんな目で見ないで」
646 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:40:50.38 ID:ZazPqgGp0

赤城「……なんか1隻、まっすぐ向かってきますが」

加賀「こちらの位置がばれていたこと、ヲ級のあの態度からして……」

加賀「――正直に吐きなさい。怒らないから」

飛龍「やめてぇええ!! スパイでも百合でもないから!!」

加賀「冗談よ」


赤城「……どこかで見たと思ったら、あの3隻は」

飛龍「MI島で何回も戦ったヲ級じゃん! なんでこんなとこにいるのよ!!」
647 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:42:51.29 ID:ZazPqgGp0

ヲ級Y「覚えててクレタノ!? ワタシ感謝感激雨アラレ!!」

飛龍「うわ、もう来た! 貴女、何度も何度も私に向かってきた――」

ヲ級Y「そうッ! あの時、アナタにボコられたヨーキィだよォ!!」

飛龍「それ名前!? 言われてもわかんないって!!」

ヲ級Y「ズーット大好キだったんだァ! 私のアイを受け止めてェ!!」

飛龍「今まで話したことすらないでしょ! そもそも貴女しゃべれたの!?」

ヲ級Y「ヒリュウとオハナシがしたくてサ、一生懸命日本語をベンキョウ――」
648 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:43:38.31 ID:ZazPqgGp0

赤城「――そこまで。止まりなさい」

ヲ級Y「!!」


赤城「面識があろうが白旗を掲げようが、警戒を解いていい理由にはなりません」

赤城「私たちの宿縁はそれほど浅くないはずです」

ヲ級Y「わ、わかったよォ。こんな近くで弓向けないでェ……」

加賀「……ここまで殺気を感じない深海棲艦は初めてね」
649 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:45:21.74 ID:ZazPqgGp0

ヲ級H「――はー、やっと追いついた」

ヲ級E「…………」

赤城「……また増えましたね」

加賀「落ち着いて。いつでも攻撃できます」


ヲ級H「姉さん、1人で行かないでって言ったでしょ!」

ヲ級Y「ゴメンゴメン、姿が見えたら抑えられなくなってさァ」

赤城「――貴女はたしか、機動部隊H群の旗艦……」
650 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:47:16.73 ID:ZazPqgGp0

ヲ級H「H群? ああ、あの時アンタたちが勝手につけたコードね」

ヲ級H「そうよー、名前はスティンガー。お久しぶりね、赤城」

赤城「MI作戦の暗号を読んでいたのですか!?」

ヲ級H「あー、安心して。まともに読もうとしてたのなんて、私と姫サマだけだし」

ヲ級H「断片的にしかわからなくて、アンタたちの作戦が終わるまでには役に立たなかったわ」


ヲ級H「――信じるかは自由だけどね」

赤城「…………」

ヲ級H「まさか2年前と同じ暗号使ってないと思うけど、私たちをそこまで見くびらないほうがいいわよ」
651 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:48:41.21 ID:ZazPqgGp0


ヲ級E「…………」

加賀「……?」

ヲ級E「ご無沙汰しておりマス、加賀。2年近く振りでスネ」

加賀「ああ、これはどうもご丁寧に」

ヲ級E「あの時は航空戦だけでしたガ、ウチの子たちを揉んでくださっテありがとうございまシタ」


ヲ級E「機会があれバ、またお手合わせヲお願いしマス」

加賀「……こちらは遠慮したいわね、何度も挑みかかってくるヲ級など」

ヲ級E「それは残念デス。――アア、ラッキーとお呼びくだサイ」

加賀「しぶとそうな名前ね」
652 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:50:00.48 ID:ZazPqgGp0


赤城「……なぜ、こんな悠長に話し合いなど……」

赤城「私たちは敵同士なんです。MI作戦で、こちらが受けた損害を考えれば」

赤城「ここで見逃せば、他にどんな被害が出るかわかりません」


ヲ級Y「ンー? その言い方はチョット、勝手すぎるんじゃないかなァ」

赤城「なんですって?」


ヲ級H「突然、攻めてきたのはそっちでしょ。せっかく作った滑走路、壊してくれちゃってさー」

ヲ級E「私たちハ、自身と姫サマを守るために、戦っていただけデス」
653 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:51:00.57 ID:ZazPqgGp0

ヲ級Y「アカギ、アナタが戦う理由は知らないケド」

ヲ級Y「こっちにだってちゃんとした理由があるのさァ、押し付けてもらっちゃ困るよォ」


加賀「一理ある……と、言いたいところだけど」

加賀「そんな話をするためだけに、ここへ来たわけではないでしょうね」

飛龍「そうよ。太平洋にいた貴女たちが、どうして日本海にいるの」

ヲ級E「そっちの理由はちゃんとありマス。――アナタたちの、後ろ、デス」
654 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:51:57.77 ID:ZazPqgGp0

赤城「後ろ? ――!!」


飛行場姫「――あら、懐かしい顔がそろってるわね」

北方棲姫「こーわん! ゼロトレップウ、イッパイトンデル!」

港湾棲姫「そうね。でも、まだ手を出しちゃだめよ」


加賀「なっ……姫が、3体!?」

飛龍「そ、そんなまさか! いつの間に後ろに!?」


飛行場姫「限界まで気配を押さえれば、レーダーやソナーをかいくぐれるのよ。貴女たちが鬼、姫と呼んでいる子だけだけどね」

飛行場姫「ま、この状態になるとすぐ戦闘できなくなるんだけど」
655 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:52:47.35 ID:ZazPqgGp0

加賀「……確かに、殺気は感じませんが。はいそうですかと信じるわけにもいきません」

飛龍「こっちも航空隊は飛ばしてあるからね。痛み分けくらいには持ち込めるよ」

赤城「その通りです。目の前の敵を素通りさせるなど――」

北方棲姫「ネーネー」クイクイ

赤城「きゃあっ!! な、なんですか!?」


北方棲姫「オカーサンハ? イナイノカ」

赤城「え、ええ。今は鎮守府ですけど……」
656 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:53:52.99 ID:ZazPqgGp0

北方棲姫「ソウナノカ……」

港湾棲姫「今度会いに行きまショウ。ネ?」

北方棲姫「ウン!」


飛龍「え、ちょっと。会いに行くって鎮守府へ?」

加賀「そもそも、なぜお母さんに会いたいのかしら」

港湾棲姫「少し前にデスネ、地上へ買い物に行ったときニ――」


―― ガヤガヤ……
657 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:54:50.01 ID:ZazPqgGp0

赤城「だからなんで仲良く……まったく」

飛行場姫「――えーと、いいかしら?」

赤城「あ、はい」


飛行場姫「私も、タダで通ろうとは思わないわよ。そちらに仁義は通そうじゃないの」

赤城「……? 何をするつもりです」

飛行場姫「妖精さん、回線を開いてね。相手は――」
658 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:55:45.33 ID:ZazPqgGp0


大淀「――て、て、て、提督!!」

提督「どうした大淀。メガネずれてるぞ」

大淀「し、司令部施設に通信が入りました……」

提督「通信? 霧がかかってるのにそんなバカな――誰からだ」

大淀「それが……とにかく来てください、通信室です」

提督「あ、ああ」
659 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:56:24.16 ID:ZazPqgGp0

―― ザザザ……


飛行場姫『――あーあー、マイクテス、マイクテス』

北方棲姫『――ホッポガ!! ホッポガヤル!!』

港湾棲姫『――コラ! 大事なお話なの、邪魔しちゃダメ!』


飛行場姫『ハローCQ。こちらリコリス・ヘンダーソン』

飛行場姫『――なんちゃってー』


提督「…………」

提督「は?」
660 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 01:59:18.81 ID:ZazPqgGp0

提督「ちょっと待て、ちょっと待ってくれ」

飛行場姫『忘れちゃった? 結構いろんなところで会ってるでしょ、アイアンボトムサウンドとか』

提督「忘れるものか。そして二度と会いたくなかった」

飛行場姫『つれないわねぇ。まあいいけど』


飛行場姫『改めてこんにちは、私はリコリス。ひさしぶりね、最強の機動部隊の司令官さん』

飛行場姫『よくもまあ、いろんな所に出張って、妹たちをボコボコにしてくれたわね』

提督「必死なのはお互いさまだ」
661 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 02:03:10.72 ID:ZazPqgGp0

提督「なぜこの霧の中で通信できる?」

飛行場姫『私の装備をなめないでいただきたいわね。単純に、この程度の帯電は問題にならない性能ってだけよ」

飛行場姫『むしろそっちが、その程度の通信設備しか持ってないとはびっくりよ』

飛行場姫『――艦娘も苦労してるわねぇ。うふふ』

提督「敵に心配される筋合いはないわ!」


提督「ふう……通信してきた理由は? いや、そもそもなんで日本海にいるんだ」

飛行場姫『それを今から話そうと思って、貴方につないだのよ』

飛行場姫『目の前の空母たちに話すついでに、貴方に聞いてもらえば話が早いと思ってね』
662 : ◆GoPzFNH1CI [saga]:2016/02/25(木) 02:04:34.54 ID:ZazPqgGp0

提督「赤城たちが目の前にいるのか!?」

飛行場姫『お互いに手は出し合ってないし、こっちはそのつもりもないから安心して』

提督「話し合ったこともない相手を信用しろと?」

飛行場姫『最後まで聞いてから判断すればいいわよ。話はこっちの身内と、貴方の空母に聞こえてるからそのつもりでね』


提督「……どういう状況かわからないが、とにかく聞くしかないようだな」

飛行場姫『話が早くて助かるわ。――わかってると思うけど、この霧のおかげで傍受される心配はないわよ』

提督「深海棲艦の姫と話したなんて、誰も信じちゃくれないよ」
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