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デブ勇者「太ってるってだけで勇者候補から外されたお」ドS僧侶「同じく」
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178 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage saga]:2016/01/16(土) 14:33:57.80 ID:CGrODza70
町長「私たちには騎士様がいますから大丈夫ですよ! ね、騎士様?」
病弱「はい、私も体調不良とはいえ騎士です。この町を守れるくらいの力は――ごほっごほっ!」
デブ(咳き込みながら言われても説得力がないお)
デブ「けど魔族も着実に力を付けているんだお。ボキらの避難所なら結界を貼っているから見付からなくて済むお」
町長「い、いくら勇者様でも騎士様に向かってそれは失礼ですぞ。今までだって騎士様はこの町を救って下さっていた!」
町長「それに我々は生まれ育った町を離れる気はありません!」
病弱「申し出はありがたいのですがそう言う事ですのでお引き取り願います」
デブ「ま、まあそこまでいうのなら強制はしないお」
179 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage saga]:2016/01/16(土) 14:39:11.94 ID:CGrODza70
デブ「結局断られちゃったお」トボトボ
デブ「まあでも今日まで生活できているのだからあの騎士の実力は確かな筈」
デブ「それよりボキはそろそろ魔王城に向かう準備をしなきゃいけないお……!」ギュッ
デブ「とりあえずまずは避難所に戻って――」ゾクッ
デブ「なんだお、今の寒気」
デブ(何だか嫌な予感がする……このまま戻っていいものかお?)
180 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage saga]:2016/01/16(土) 14:45:23.45 ID:CGrODza70
病弱「勇者様にはお越しいただいたのに何だか申し訳ない事をしてしまいましたわね」
町長「なあに、お互い様ですよ。あちらだって失礼な事を言ってたではありませんか」
病弱「でもきっと気を遣って言って下さったのでは……」
町長「だいたいよく考えてみればあんな身なりで勇者というのも怪しいですぞ」
町長「このご時世に乗じて悪さを働く不届きものの可能性もありますからな」
病弱(ですがこの町まで御一人でいらっしゃったのならそれなりの実力をお持ちのはず)
町長「まあ過ぎたことは忘れてこれからの事を――」
ズドンッ!
町長「な、何事です!?」
病弱「この気配……魔族です! 皆さんは地下の奥の方へ!」
町長「は、はいっ! お願いします!」ダッ
181 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage saga]:2016/01/16(土) 14:58:57.97 ID:CGrODza70
悪魔A「オラオラ! 出て来いや!」
悪魔B「隠れてんのは分ってんだぞ!」
悪魔C「早く出てこねえとここら一帯焼野原にすっぞ!」
病弱「また性懲りもなく退治されに来たのですね」ジャキッ
悪魔A「へっ、ようやく出て来たか。だが今回はテメエが退治される番だ。アガレスさまぁ!」
アガレス「うっさいわ! そんな大声出さんでも聞こえておる」
病弱(な、なんですか……この悪魔の魔力の波動!)ビリビリビリッ!
アガレス「なんじゃ、随分ひょろっとした嬢ちゃんじゃないか。こんな小娘にやられてたのかい」
アガレス「全くここ数年の魔族はたるんどる……っと、その前に自己紹介だったの」
アガレス「吾輩はソロモン様が率いる72柱の悪魔が1柱――アガレス」シュゥウウウ…
アガレス「今では戦える玩具(人間)がなくてつまらんから嬢ちゃんは大事に遊ばせてもらうぞい」
アガレス「――吾輩が飽きるまで、な」
182 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage]:2016/01/17(日) 02:28:23.31 ID:7Ti/JvDDO
乙
まさかとは思うが72柱全部出てくるとか?
もしそうなら大歓喜だがww
183 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage]:2016/01/17(日) 02:32:10.25 ID:9CS60qa5O
おつ
184 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage]:2016/01/17(日) 14:03:46.99 ID:TH+BiMksO
乙
185 :
以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[sage]:2016/01/19(火) 22:55:05.58 ID:hjtf0LQSo
数体倒したらあとはまとめて勇者スラッシュで一撃さ
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 22:17:26.62 ID:eSERKm1N0
悪魔B「アガレス様にぼろ雑巾にされちまえ!」
アガレス「お主等はとっとと隠れてる人間を探さんかい!」
悪魔C「は、はいっ!」ダッ
病弱「そうはさせません!」ゴホッ
アガレス「嬢ちゃんの相手は吾輩だろうに」
病弱「くっ! なら早めに倒させて頂きます」ゴホッゴホッ
アガレス「おお、倒せるのなら倒してみい!」
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 22:30:04.87 ID:eSERKm1N0
病弱「――はぁはぁ」
アガレス「どうした? 数分間攻撃し続けてまだ吾輩にかすりもしておらんぞ?」
病弱(まずい、このままでは私の体が持たない。ならこの一撃に全てを掛ける)
病弱「ならば私の全霊を込めて貴方に――ゴホッゴホッ! かふっ!?」ビチャビチャ
アガレス「ふむ……久々に良い運動になったがどうやら時間切れの様じゃな」
病弱(このモノの力量を見誤っていました。温存を考えずに戦うべきでしたか……)
アガレス「……その眼、どうやら後悔しておるな?」クククッ
病弱「ごほっ、貴女も私が病弱と知って時間稼ぎをしていたのでしょう」
アガレス「ふうむ、そうとられたか。なら――やり直しの機会を与えよう」ニマァ
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 22:35:33.28 ID:eSERKm1N0
病弱「――――――はっ!?」バッ
病弱(私は……殺されたのでしょうか?)
悪魔A「へっ、ようやく出て来たか。だが今回はテメエが退治される番だ。アガレスさまぁ!」
アガレス「うっさいわ! そんな大声出さんでも聞こえておる」
アガレス「なんじゃ、随分ひょろっとした嬢ちゃんじゃないか。こんな小娘にやられてたのかい」
病弱(この会話は先程の……いったいどういうことでしょうか?)
アガレス「全くここ数年の魔族はたるんどる……っと、その前に自己紹介――は不要じゃな?」
アガレス「さて、今度は楽しませておくれよ」
病弱(どういうことなのか解りませんが次は負けません!)
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 22:43:19.44 ID:eSERKm1N0
病弱「――はぁ、ハァ、はぁ」
アガレス「うむうむ! 今度は防御せんと危なかったぞ」
病弱(あとを考えずの全力特攻だったのに、ろくにダメージも与えられなかった)
病弱「ゴホッゴホッ! かふっ!? オエッ!」ビチャビチャビチャ!
アガレス「ペース配分を無視したから身体に相当負担がかかってしまったのぉ」
アガレス「次はもっと負荷を掛けて必殺技なども多用して……そう、相打ち覚悟で挑んでみたらどうじゃ?」
病弱「……い、一体何を?」ゴフッ
アガレス「そうすれば――吾輩ももっと本気を出せるからの」ニマァ
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 22:46:28.47 ID:eSERKm1N0
病弱「――――――はっ!?」バッ
悪魔A「へっ、ようやく出て来たか。だが今回はテメエが退治される番だ。アガレスさまぁ!」
アガレス「うっさいわ! そんな大声出さんでも聞こえておる」
アガレス「なんじゃ、随分ひょろっとした嬢ちゃんじゃないか。こんな小娘にやられてたのかい」
病弱(……またさっきと同じく時間が戻っている)
アガレス「全くここ数年の魔族はたるんどる……っと、その前に自己紹介――は不要じゃな?」
アガレス「さて、今度はどれくらいの力量で遊ぶかの」
病弱(わ、私を馬鹿にして……ッ!)
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 22:56:50.11 ID:eSERKm1N0
病弱「わ、私を……ここから出して、下さい……! お、お願いしますぅ……何でもしますからぁ」ガクガク
アガレス「なんじゃ。まだたった20回程度のルーブだろうに」
アガレス「必殺技も吾輩の防御魔法の前では形無しだったくらいで」
アガレス「命を燃やした攻撃も吾輩が剣筋がなれてしもうたから当らんかったくらいで」
アガレス「町の人間と一斉攻撃がただの無駄死にになってしまったくらいで」
アガレス「戻った瞬間から全力で逃げ出しても簡単に追い付かれてしまったくらいで!」
アガレス「吾輩の全力を見せられたくらいでぇ、心がこわれてしまってはぁ、吾輩がつまらんだろぅ?」グッヒャッヒャッ!
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 23:03:40.15 ID:eSERKm1N0
病弱「い、いやぁ。た、たすけてくださぁい」
アガレス「なあに、心配はいらんて」
アガレス「まだ話せるうちは完全に心も壊れておらんだろ」
アガレス「次は人間は何処まで拷問をすれば死ぬのか一緒に見学しようかの?」
病弱「ヒッ!? いやっ、イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」ダッ
アガレス「おや、町の外では人がおらんから戻るのか? そんな気を利かせんでも吾輩がループさせれば直ぐだというのになぁ」クヒャヒャッ!
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 23:14:00.65 ID:eSERKm1N0
???「――その必要はないお」ビュオッ!
アガレス「――ッ!?」ガキィン
アガレス「吾輩の障壁を一撃で破るとは……何者だ」
デブ「悪魔になのる名前はないお」ジャキッ
アガレス「それは残念じゃな。だが知っておる、嘗て魔王城を責めてきた者だな」
アガレス「ソロモン様の城を破壊した一味におったのを覚えておる」
デブ「城を破壊した事を知っているのなら……アンタはあの攻撃で死んでなかったのかお」
アガレス「あの時生存していたのはソロモン様含め72柱の上位3柱のみ」
デブ「なら今度こそ倒させてもらうお」
アガレス「ふっ、ソロモン様から逃げ出した者が何をほざいておるか!」ゴッ
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 23:36:41.47 ID:eSERKm1N0
デブ「いつもお前らには手こずらせられるから一撃だお」
デブ「ボキの究極の秘剣が一つ――『アイン・ソフ』」ギュィンッ!
アガレス「なっ!?」
ボコォッ!
デブ「アインは神速の一撃で敵を斬る無音斬、アイン・ソフは空間を切り裂きその影響で敵を屠る破壊刃」
デブ「そしてアイン・ソフ・オウルは無限の光であらゆるモノを断つ絶対剣」
デブ「ってその様子だともう聞こえてないかお?」
アガレス(まさか全身の半分以上が持っていかれるとは)
アガレス(だがループはもう発動している! 故に吾輩を殺そうとも先の一撃で殺せたとしても無駄!)
アガレス(吾輩は再びあの娘で遊ばせてもらおう!)グニョン
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 23:48:56.83 ID:eSERKm1N0
悪魔A「へっ、ようやく出て来たか。だが今回はテメエが退治される番だ。アガレスさまぁ!」
アガレス「うっさいわ! そんな大声出さんでも聞こえておる」
アガレス「さて、まずは嬢ちゃんを捕えた後隠れている待ちの人間どもを――お?」ズル
アガレス「し、視界が暗いぞ? 何があったのじゃ」
アガレス「な、に……が――」ガクッ
悪魔A「ア、アガレス様の首が……」ガクガク
悪魔B「な、何か空がいつの間にか曇ってるぞ」
悪魔C「なんなんだよ、何が一体起きてるんだよ!」
デブ「神の雷よ、断罪の柱となりてここに降り注がん……『セフィロト』」バリィッ!!
悪魔多数「「「「あじゃぱー!?」」」」
デブ(最近のボキ……めっちゃ活躍してるお!)キラキラ
ドS「なんでだろう……不意にデブを殴りたくなった」
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/21(木) 23:54:30.01 ID:eSERKm1N0
病弱「ごほっごほっ。た、たしゅけ……」タッタッタッ
グニョン
病弱「――――――あ、あああっ!」ガクガク
悪魔A「へっ、ようやく出て来たか。だが今回はテメエが退治される番だ。アガレスさまぁ!」
病弱(ま、また最初から……)
病弱「だ、誰かぁ」ヒックヒック
ふわっ
デブ「もう、大丈夫だお」ニコッ
病弱「ゆ、ゆうひゃ……しゃま?」グス
ドS(何かめっちゃイラつく!)ギリギリギリ
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/21(木) 23:54:36.04 ID:q8vGpQVkO
ただしブサメン[
ピザ
]である
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/22(金) 00:01:52.99 ID:Yy/LpXOY0
病弱「ど、どおして……?」ヒック
デブ「ここに戻って来たのは嫌な予感がしたからだお」
デブ「あと騎士さんは悪魔に知られている以上ここが狙われるかもしれないと思ったんだお」
デブ「恐らく悪魔も本腰を入れてるから強い悪魔が来るかもしれないと踏んだんだお」
デブ「でも少し遅れちゃったお、ごめんお」
病弱「いえ……で、でもどうやってあのループに介入できたんですか?」
デブ「そりゃあボキが勇者だからだお」ブヨンッ
病弱(そう言われてお腹を見せられても……)
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/22(金) 00:08:52.31 ID:Yy/LpXOY0
デブ「だいぶ顔色も良くなってきたみたいだお。もう歩けるかお?」
病弱「あ……」
病弱(わ、私! 勇者様にお姫様抱っこして貰っているうえに抱き付いていたなんて……!)
病弱「も、申し訳ありません。もう自分で歩け――」フラ
デブ「っと、まだ心が参ってるみたいだおね。取り敢えず休めるところまで運んであげるお」テクテク
病弱「あ、ありがとうございます」////
デブ(俯いちゃったお。確かに見た目は悪いかもしれないけど下を向く程嫌かお?)ショボン
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/22(金) 00:20:13.30 ID:Yy/LpXOY0
デブ「町の人達も精神的な疲労が酷いようだから寝ててもらったお」
病弱「何もかもありがとうございます。ごほっごほっ」
デブ「一番疲れてるのは騎士さんだろうから気にせずゆっくり休むお」
病弱「はい。……あの勇者様、一度断っておいて申し訳ないのですがこの町の人々を勇者様の避難所で匿っていただくことは出来ないでしょうか?」
デブ「それは勿論構わないお」
病弱「今日の戦いで痛感しました。私がどれだけ未熟だったかを」
デブ「あの悪魔は格別だお。確かに上位悪魔も力を付けてはいるけど大したこと無いお」
病弱「それでもあれほどの悪魔が72体もいると考えるとぞっとします」
デブ「いやあの悪魔だけはその72体の中でも相当強いお。だから気にしないで良いお」
病弱「勇者様は優しいですね。ですが私が勝てなかったのは事実」
病弱「現に今でも私は震えが止まらず恐怖で眠れません」プルプル
デブ(ボキで良かったら傍にいてあげるお! とか言ったらやっぱり嫌がられるかな?)
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/22(金) 00:46:08.52 ID:Yy/LpXOY0
デブ「まああまり深く考えず騎士さんは休むと良いお」
デブ「ボキはその間に町の人達を運ぶから」
病弱「あっ、待って! 一人にしないで!」ギュッ
デブ「ああ、それなら町の人もつれてくるお」
病弱「う……い、いえ。さっきの発言は気にしないで下さい……わ、私は一人でも大丈夫ですから」フルフル
デブ「……ちょっと順番を替えるお。先に騎士さんと運べるだけの町人を運ぶお」ダキ
病弱「きゃっ! い、いえ! 私は最後でお願いします。私が居なくなったらこの町を守れなく――」
デブ「そんな調子じゃ誰も守れやしないお! ボキが周囲に結界をはってその間に全員運ぶお!」
病弱「で、ですが……」
デブ「良いから騎士さんは黙ってボキに運ばれるんだお。文句は元気になってから幾らでも聞くお!」ダッ!
病弱(け、けどせめてお姫様抱っこだけは……)カアアッ
ドS「よし、あのデブ帰ってきたら八つ裂きにしよう」ピキピキピキ!
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/22(金) 02:49:07.56 ID:2uxUz50DO
乙
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/22(金) 18:58:07.56 ID:xwwg7Jkpo
デブでも有能はモテるんだお
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/22(金) 19:01:25.98 ID:YlSloX/Do
脂肪は豊かさの象徴
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/26(火) 23:52:36.82 ID:9nf0YaXb0
病弱(結局最初に運ばれてしまいました)
病弱(しかしこの場所は……避難所というよりは要塞ですね)
病弱(それに人も多い。まるで王都のようですわ)
病弱(でも、ここにいる人々だけが生き残っていると考えると少ないのでしょうね……)コホッ
デブ「騎士さん、一応町の人達を避難させ終わったお」ボロッ
病弱「あ、ありがとうござ――ってどうなされたんですかその怪我!?」
デブ「ちょっと移動中敵と遭遇しただけだお。町の人は無事だお」
病弱「申し訳ありません、私が不甲斐ないばかりに勇者様にお怪我をさせてしまって」
デブ「気にしなくて良いお」
デブ(この傷は全て僧侶に付けられたなんて言えないお……)
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 00:09:00.77 ID:z3MCxcR20
デブ「それじゃあボキはこれで失礼するお」
病弱「待って下さい! わ、私も魔王討伐に参加させて頂けないでしょうか?」
デブ「騎士さんは体が弱いから難しいお。それに出来れば万が一を備えてここを守ってほしいお」
病弱「……確かに私は体が弱いです。ですが薬があればそれはカバーできます」
病弱「それに私は騎士としてまだ未熟だと思い知りました。なので誰かを守れるほどの力が欲しいのです」
病弱「もう私の実力不足で護れないのは嫌なんです――ごほっごほっ!」
デブ「わ、分かったから落ち着くお!」サスサス
病弱「申し訳ありません……」
病弱(普段からこうして病気で迷惑を掛けてしまう私はついていくなんて烏滸がましいかもしれない)
病弱(でも――貴方のお役にたちたい!)
病弱「勇者様の足を引っ張ってしまうかもしれません。ですがもう留まって行動しないなんて言い訳はしたくないのです」
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 00:13:46.68 ID:z3MCxcR20
デブ「…………」
病弱「駄目、でしょうか……」
デブ「誰かを助けたいって気持ちまで奪うほどボキは鬼じゃないお」
病弱「では!」
デブ「でも必ずボキの言う事は聞いてほしいお。絶対に無理はしない事」
病弱「は、はごふっ!?」ゴパッ!
デブ「わー!? 早く薬を!」
病弱「これ位なら問題ありません」フキフキ
デブ(は、早くも後悔して来たお)
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 00:22:28.97 ID:z3MCxcR20
デブ「と、取り敢えず明日には出発できるよう騎士さんは準備してほしいお」
病弱「分りました。直ぐ旅立てるよう万全にしておきます」
デブ「それじゃあ――」
ドS「弱った女性を襲おうとするモンスターが! 死ね!」シュッ
デブ「あしドフゥッ!?」メリィ
ドS「ふぅ、まったく油断も隙もないわね。この万年発情ザルは」
デブ「ボ、ボキはただ騎士さんに移動し終えたことを報告しただけだお」ピクピク
ドS「口実を理由に狙ってるのが見え見えよ、これだから童貞は」
病弱「な、なんてことを! 大丈夫ですか勇者様!?」ダキ
デブ「だだっ、大丈夫だお!」
デブ(む、胸が……近い! お、大きい……!)
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 00:30:54.48 ID:z3MCxcR20
ドS「今直ぐそいつから離れなさい! ばい菌がうつるわよ」
病弱「勇者様に失礼ですよ。それに勘違いしていたことを謝るべきです」
ドS「折角好意で言ってやってるのに。どうやらそのデブに騙されてる様ね」
病弱「この御方はそんな人ではありません」
ドS「それはアンタの目が節穴だからよ」
病弱「それは此方のセリフです」
ドS「現にアンタの体見て発情してるけど?」
病弱「え……?」チラ
デブ「……ハッ! ち、違うんだお! これは男の性というか」アセ
病弱「キャー!?」バシッ
デブ(ありがとうございます!)グフゥ
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 00:43:54.41 ID:z3MCxcR20
ドS「これで分かったでしょ。以降近付かない事を強くお勧めするわ」
病弱「しょ、少々驚いてしまいましたが先程のは私にも責任があります。だから勇者様だけを責めるのは止めて下さい」
ドS「どうやら本格的に洗脳されているらしいわね。なら――元凶を潰すまでよ!」ブンッ
デブ「ボキは無実だおー!」ヒィ
ガキィン!
ドS「……邪魔するならアンタから倒すわよ」
病弱「どうぞ、やれるものなら」
ドS「何アンタ、その化物に惚れてんの?」
病弱「それはありません。勇者様は命の恩人であり心優しく強い戦士だからお守りしたいのです」
デブ(褒められている筈なのに傷付いた)(´・ω・`)
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 01:06:01.80 ID:z3MCxcR20
ドS「フン、言っても無駄の様ね。それとも元から病気で頭もやられてるのかしら」
病弱「狂信者は周りに害しかなさないですね。視野も随分歪んでいるようですし」
ドS「小さな町すら守れない騎士の癖に良く言うわ。どうせなら騎士なんてやめて吐血芸人にでもなったら?」
病弱「っ……」ギュッ
デブ「僧侶、少し黙ってほしいお」
ドS「何指図し――」
デブ「取り敢えず騎士さんはボキと一緒に明日の用意をするお」
病弱「……はい」
スタスタバタン
ドS「何マジで怒ってんのよ……本当のこと言っただけじゃない」
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 01:16:28.60 ID:z3MCxcR20
病弱「…………」テクテク
デブ「さっき僧侶が言ってたことは気にしなくて良いお。騎士さんが今まで守って来たのは事実なんだから」
病弱「ですが勇者様が居なかったら護れなかったのは事実です……」
デブ「だったら騎士の道を諦めるかお?」
病弱「諦めません! 私はもう二度と騎士としての誇りを捨てたくないんです」
デブ「だったら落ち込んでる場合じゃないお。むしろあんな言葉軽くあしらうべきだお」
病弱「そう、ですね。言い返せないようでは受け入れているようなものですよね」
病弱「ありがとうございます。また勇者様には救われてしまいました」
デブ「ボキは何もしてないお。騎士さんの心が諦めてなかったからだお」
病弱「それでも直ぐに立ち直れたのは勇者様のお蔭です」
デブ(なんだか最近貶されてばかりだったからか褒められるとムズ痒いお)
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/27(水) 01:53:30.74 ID:z3MCxcR20
デブ「因みに僧侶も口は悪いし手も直ぐ出るし文句も多いけど悪い子じゃないんだお」
病弱「全然そうは思えません」
デブ「そ、僧侶も騎士さんと同じ信念があるんだお。……歪んでいるけど」
デブ「普段があんなのだから悪く思われがちだけど何だかんだで人々を思ってるんだお」
デブ「彼女なりの救いって奴、みたいだお。決して褒められたやり方じゃないけど」
病弱「……随分肩を持つんですね」
デブ「まあそれなりに付き合いは長いからわかるんだお」
病弱「そう、ですか……」モヤッ
デブ(まあボキも神父さんからいろいろ聞かなきゃ分らなかったんだけど)
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/27(水) 03:15:35.48 ID:8QDf026DO
乙乙
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/27(水) 21:47:50.50 ID:e5fOVWlqO
乙
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/27(水) 22:19:50.13 ID:A1FjR0bpO
おつ
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/29(金) 20:49:37.00 ID:RXuRFbPZ0
病弱「色々と調達しましたがこれで大丈夫でしょうか?」
デブ「ま、まあ大丈夫じゃないかお?」
デブ(荷物の大半が薬なんですがそれは)
病弱「それでは私は装備などの支度を整えますので」
デブ「それじゃあまた明日」
病弱「ごほっごほっ! ま、また明日」テクテク
デブ(本当に連れて行って良いか心配だお)
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/29(金) 21:10:44.77 ID:RXuRFbPZ0
ドS「…………」
デブ「ん? 僧侶いたのかお」
ドS「……その、さっきは」
デブ「少しは反省したかお?」
ドS「良くも私を無視しやがったわね、この肉達磨!」バシッ
デブ「まったくしてない!?」ヒギィ
ドS「しかもちゃっかり性処理用の女まで連れて行こうなんて何様のつもりよ粗チンのくせに!」
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/29(金) 21:28:53.20 ID:RXuRFbPZ0
デブ「彼女はそんなんじゃないお。純粋に魔王を倒したいと考えてるんだからそんな発言は控えるお」
ドS「どうだか」フンッ
デブ「……狂信者って言われたことを気にするのはわかるけど僧侶も悪いんだからお相子だお」
ドS「ンな訳ないでしょ! あんまりふざけたこと言ってるとその不細工な面を炙るわよ!」
デブ「それは勘弁だお。とにかく彼女を苛めないで欲しいお」
ドS「ふーん、それってもしかしてあの女に惚れてんの?」
デブ「どうしてそうなるんだお。確かに綺麗だとは思うけど今はそんな場合じゃないお」
ドS「さっき胸ばっか見て欲情してた奴が良く言うわ」
デブ「べ、別に勃ってないお!」
ドS「何言ってんの……ちょっと気持ち悪いから寄らないで」
デブ「ち、違うんだお! ただそんなつもりで見てたわけじゃないって言いたかっただけなんだお!」
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/29(金) 21:44:41.49 ID:RXuRFbPZ0
デブ「兎に角この話は終わりだお!」
ドS「まだ話は終わってないわ。あんなの連れてったって足手まといでしょうが」
デブ「確かに病気で不自由はするかもしれないけど実力は確かだお」
ドS「これから向かう所が何所だか解ってんの? 長期戦になったら私たちだってフォローできないでしょ!」
デブ「ん? 僧侶も付いてくるのかお?」
ドS「なっ! 私まで足手まといだと言いたいの!? 最近敵を倒せてるからって調子に乗りやがって!」バキッ
デブ「まだ何も言ってまへんがなっ!」グハァ
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/01/29(金) 21:54:32.50 ID:RXuRFbPZ0
ドS「アンタはそうやって這いつくばって泥遊びしてた方がお似合いよ」
デブ「ひ、ひでえ。ボキが言いたいのはまた魔王城に向かっても僧侶のメンタルが大丈夫かって思ったんだお」
ドS「アンタの脂ぎった物差しで測らないで! 私はそんなに弱くないわ!」
デブ「でも……」
ドS「でもも糞も無いわよ! あんな女を連れていくのに私を連れて行かなかったらアンタの所持品全部肥溜めに捨ててやる!」
デブ「なんちゅー悪質な嫌がらせだお! ……はぁ、わかったお」
ドS「始めから了承すればいいもの。私の喉が痛んだでしょうが」
デブ「そこまでボキのせいですかお……」
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/30(土) 00:24:53.50 ID:UJrHqMMgO
おつん
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/01/31(日) 00:00:31.28 ID:1Klpj9CkO
乙
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/10(水) 22:41:00.67 ID:E6/OVRkT0
デブ「それじゃあ出発するお」
病弱「……あの、この人も付いてくるんですか?」
ドS「嫌ならここで演芸でもしてなさいよ」
病弱「貴女こそ言葉でしか能がないなら噺家にでもなっては?」
ドS「言葉しか能がないと思うのならその体で示しても良いけど?」
デブ「……あんまり喧嘩するならおいてくお」
病弱「も、申し訳ありません」
ドS「チッ、飛べる豚だから調子に乗って。害汗をまき散らしてるって気付いてないのかしら」
デブ「ボキの汗は環境に影響ないお!」
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/10(水) 22:51:18.47 ID:E6/OVRkT0
病弱「こ、ここが魔王城。なんて禍々しい魔力でしょう……」ゴホッゴホッ
ドS「」ギュッ
デブ「大丈夫かお?」
ドS「心配する相手はそっちの病人でしょうが」
デブ「二人とも心配してるんだお。今ならまだ引き返せるお」
ドS「寝言は死んでから言いなさい。屠殺するわよ」
デブ(死んでからじゃ言えまへんて。しかも屠殺って)
病弱「私も戻る気はありません。町を出るときに覚悟はしています」
デブ「……わかったお。とりあえず戦闘になったら二人はボキのサポートに徹底してほしいお、絶対に踏み込み過ぎない事」
病弱「はい、心得ております」
ドS「癪だけどわかったわ。もし手こずったら後ろから闘魂注入してあげる」
デブ「で、出来れば回復とか補助をしてほしいんだお」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/10(水) 23:00:01.94 ID:E6/OVRkT0
デブ「また囲まれないように常に周囲に気を配る事」
デブ「なにより少しでも勝てないと思ったら逃げる事。ボキらは最後の戦士だから死ぬのは絶対に避けるんだお」
ドS「いちいち私を見て言わないでよ。ただでさえ汚声を我慢してるのに」
病弱「貴女が信頼できないからではありませんか?」
デブ「そ、そういう訳じゃないお。ただヒーラーは要だから判断を任せたいんだお」
ドS「私に任せても良いの? また前みたいに特攻するかもよ」
デブ「僧侶を信じてるから問題ないお」
ドS「カッ……!」/////
デブ「か?」
ドS「死ねっ!」バシッ
デブ「何故にっ?」ドフゥ
病弱「…………」モヤッ
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/10(水) 23:05:33.01 ID:E6/OVRkT0
デブ「とにかく戦闘時はボキの指示に従う事。状況などの判断は僧侶に任せるお」ヒリヒリ
病弱「わ、私は何かできませんか?」
ドS「アンタはパシリとして荷物だけ持ってればいいわよ。それ以外は邪魔になるだけよ」
デブ「騎士さんは僧侶が安心して状況把握できるよう守ってほしいお」
病弱「……わかりました」
ドS「なんだかアンタに守られる方が敵の攻撃より心配だわ」
デブ「騎士さんは守護者としては相当だから心配ないお」
ドS「……どうだか」
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/10(水) 23:14:01.03 ID:E6/OVRkT0
デブ「さて、それじゃあ行くお!」
???「待ちな!」
デブドS病弱「「「!?」」」ザッ!
???「良い反応だ。まああの二体を倒したのなら当然か」
バアル「俺様の名はバアル。一応ソロモン様の右腕をやらせてもらってる」
バアル「個人的にゃ正々堂々殺りあいてえんだが、ソロモン様は御立腹でな」スッ
バアル「――選びな。この嬢ちゃんに人間どもを殺させるか、テメエらが殺すか」
嬢「ゥ……ぁ……」
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/10(水) 23:22:35.30 ID:E6/OVRkT0
ドS「悪魔ってのはこうも脳無しなの? せめて会話するところから勉強したら?」
バアル「まあ俺様が話下手なのは否定しねえがな。とにかく選びな」
病弱「それなら今貴方を倒せば済む話です!」ジャキッ
デブ「待つんだお!」
デブ(現段階では判断材料が不足しすぎてるがこれだけはわかる)
デブ(まず目の前の悪魔は今までのどの悪魔より強い事)
デブ(あのお嬢ちゃんが何者か解らないがこの場での重要なカギである事)
デブ(ならば――)
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/10(水) 23:38:34.35 ID:E6/OVRkT0
デブ「その前に質問良いかお?」
バアル「おいおい、ろくに会話が出来ない俺様に訊ねるのか? それに答えるとでも?」
デブ「だったらこのまま膠着状態を続けるかお?」
バアル「だったら俺様はこの嬢ちゃんを殺すか逃げるかすりゃあいい。他の悪魔を呼ぶってのもあるな」
デブ「その可能性はないお」
バアル「へえ。どうしてそう言い切れる」
デブ「まずそのお嬢ちゃんを殺すなら選択させる必要なんてないお」
バアル「人質って可能性もあるぜ」
デブ「それもないお。散々殺しておいて今更だしなにより己が最強だと自負している魔族が人質なんて取る筈が無いお」
バアル「苦しめる算段かもしれないぜ。何より人質が1人とは限らないだろ」
デブ「何だかんだで随分話すおね? それが人質でない証拠と他の可能性を否定する事にもなるお」
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 00:00:15.26 ID:vKOvuul90
バアル「ケッ、まあいい。このままだと堂々巡りになりそうだから答えてやるよ」
デブ「なら――その子を殺す事で悪魔に何のメリットがあるんだお?」
バアル「……!」
ドS「ねえ、いい加減宇宙と交信してないで人の言葉を話してくんない?」
病弱「わ、私にも何が何だか良く解りません」
デブ「疑問に思っていたことがあったんだお」
ドS「疑問?」
デブ「どうしてボキらが城を破壊してからすぐに征服をしなかったのか、と」
ドS「そんなの再び力を付ける為じゃない。脳みそ湧いてんの?」
デブ「それならボキらを始末してから力を付けても良かったはずだお。少なくともボキら以外の戦士は倒せる実力を持っていたわけだし」
病弱「その当時は把握できていなかったのでは? それに悪魔は私たちを娯楽程度にしか見ていなかったようですし」
デブ「確かにその可能性も考えたけど無いと思うお。それならピンポイントでボキと僧侶を残さない筈だお」
ドS「つまり何が言いたい訳?」
デブ「ボキを倒す力を持った存在がいなかった、もしくはいなくなってしまった。そうだお?」
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 00:21:58.28 ID:vKOvuul90
ドS「自意識過剰も大概にしなさいよ肉団子!」バシッ
デブ「ちょっ! 今真面目な話してるんだから辞めて欲しいお!」グフゥ
バアル「……例え、」
ドS「今このミートボールに血染めにするんだからちょっと――」
バアル「例えそうだったとしても魔族が引くとでも?」ゾオッ!
ドS「ひっ! うぅ……」ブルブルブル
病弱(あのアガレスより遥かに夥しい魔力の波動……なんて恐ろしいの)ガクガクガク
デブ「その他大勢の魔族は兎も角あの時に生き残った上位3柱は違う考えを持っても可笑しくないお」
デブ「ウァサゴは初めからボキの実力をおおよそ把握していた。だから人質を利用しようと考えた」
デブ「騎士さんを襲ったアガレスは討伐隊に参加しなかった戦える者を始末して戦力を削いでいた」
デブ「そしてバアル、アンタはそのお嬢ちゃんをなんらかに利用しようと考えている」
デブ「そしてその目的は恐らく――ソロモンの復活」ドヤァ
デブ(これで間違ってたら恥ずかしくて死んじゃいそうだお)
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 00:24:46.03 ID:vKOvuul90
>>144
でバエルと書いたがすっかり忘れててバアルにしてもうたorz
まあどっちでも良いですよな?
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/11(木) 00:27:39.17 ID:0+NibwpyO
おう
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/11(木) 02:08:42.60 ID:dKKIEVJjO
乙
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/11(木) 02:40:25.97 ID:01gk/huDO
>>233
乙
本当だ…書いて有った
読み手も忘れてるから大丈夫だわなww
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/11(木) 02:51:52.88 ID:0+NibwpyO
仲間にすら間違って覚えられているという可能性も……
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 22:19:55.16 ID:vKOvuul90
バアル「さてどうかね。そこまでいう義理はねえな」
バアル「どちらにせよテメエらにはどちらかを選ぶしかねえんだ」
デブ「取り敢えずわかった事は悪魔にその子は殺せないってことかお」
バアル「」ピク
病弱「人質としてではないのはわかりましたがどうしてそうなるのですか?」
デブ「それは――」
バアル「議論の時間は終わりだ! さあ、選びな!」
バアル「殺すか、殺させるか!」
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 22:26:26.60 ID:vKOvuul90
デブ「ならボキは……殺す方を選ぶお」
ドS「なっ! アンタ何言ってんの!?」
デブ「貴様をな、『アイン』」
バアル「おっと」ビュッ!
ズバッ!
魔王城<ギャアアアアアアッ!?
バアル「流石に嬢ちゃんに当てる余裕はなかったか」
デブ「ボ、ボキの技が躱された!?」
バアル「くだらねえ考えは止めな。テメエらに二択以外選択権はねえ」
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 22:38:56.09 ID:vKOvuul90
デブ(ボキの行動が読まれてた!? だとしても避けられるとは思わなかったお)クッ
デブ(でもこれで奇襲はもう通じない。だとしたらここは一旦逃げるしか)チラ
バアル「言っておくが逃げようとした時点でテメエらは蜂の巣になるぜ」
デブ(全て予想済みか。だからここに他の魔族がいないのかお)
ドS「……ぅ――うわあああああああああっ!」ダッ!
デブ「な、何やってんだお!」
ドS「しねっしねっしねぇえええええっ!」ブンブンブンッ
バアル「そんなのろまな攻撃が当るかよ」ヒョイ
ドS「わああああああああ――ッ!」ブオンッ
デブ「魔気に触れて錯乱してるのかお? くそっ、騎士さん! こうなったら一斉に攻撃するお」
病弱「は、はい!」ゴホッ
バアル「」ニヤリ
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 22:52:12.96 ID:vKOvuul90
ドS「はあっ!」ブンッ
バアル「あらよっと」つ嬢
デブ「ちょ! 駄目だお!」ガキィンッ!
デブ(錯乱してるせいでお嬢ちゃんも狙っちゃうのかお!?)
病弱「勇者様、私が僧侶さんを抑えますのでその間に!」
デブ「助かるお!」
デブ「うおおおおおおおおおっ!」ビュオオオオオッ!
バアル「嬢ちゃんに気を遣い過ぎて覇気がないぜ。どうせなら嬢ちゃんごときって俺様を倒したらどうだ?」
デブ「そんな提案、却下だお!」ブンッ
バアル「そうかい。なら――そっちの二人に頼むとするか」
どすっ!
デブ「え――?」コフッ
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/11(木) 23:03:46.61 ID:vKOvuul90
デブ「ど、どうして……騎士さんがボキを……?」グラァ
病弱「あ、貴方が悪いんです。僧侶さんばかり贔屓する貴方が」ズボッ
デブ「ぐぅ」ドサッ
ドS「」スッ
デブ「そ……僧侶! た、頼むお……治癒術を」
ドS「――どうして他の奴を仲間に入れたのよ。私は……私はアンタと一緒だけで良かったのに!」ブンッ
デブ「がはっ!?」メキィ
デブ(ど、どおして……二人がボキを。もしかしてボキは……妬まれてたのか、お)ガクッ
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/11(木) 23:26:58.29 ID:mDPT6VarO
おつん
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/12(金) 00:06:49.68 ID:0AixgRMzO
乙
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/13(土) 21:08:07.66 ID:3/EzIUhE0
バアル「あっけねえ。勇者と言えど所詮人間か」
バアル「んじゃ次だ姉ちゃんら、この嬢ちゃんが世界を破滅に追い込んだ元凶だ」
ドS「……そいつが」
病弱「げん、きょう……」
バアル「そして姉ちゃんらの大切な勇者を狂わせた存在でもある!」
ドS病弱「「!!」」
バアル「もしかすればコイツを殺せば元に戻るかもしれねえぞ?」
ドS病弱「「」」ジャキッ
バアル「そうだ殺せ! さすればソロモン様が復活してお前らを幸せにしてくれるぜ!」クハッ
ドS病弱「「シネッ!」」フォンッ!
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/13(土) 21:19:17.30 ID:3/EzIUhE0
キィンッ!
ドS病弱「「「!?」」」
バアル「何が――って俺様の腕がぁああああああっ!?」ブシュゥウウウッ!
デブ「よ……ようやく、隙を見せたおね」
バアル「テ、テメエ! 生きてやがったのか?」
デブ「こんな事もあろうかと、脂肪の鎧を……纏っていたんだお」ダルンッ
ドS「太っている言い訳にすんなデブ! だったら平和になったら痩せてみろ豚ァ!」バシッ
ドS「ってあれ? 私は何をして……」
デブ「しょ、正気に戻ったんだおね僧侶……でも今めっちゃ痛いから叩くのだけは止めて……」
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/13(土) 21:28:34.94 ID:3/EzIUhE0
病弱「ソイツ……コロサナキャ、シアワセニ――」
デブ「今騎士さんも元に戻してあげるお、この勇者の聖なる光で!」ブヨッ
パアアッ
バアル「ぐあっ!?」ジュ
?「ぎゃあっ!?」ジュ
病弱「……ハッ! 一体何が起きたのです? 突然意識が朦朧として急にまばゆい光が」
嬢「――ア、ああっ! ……こ、ここは? ワシはどうなったんじゃ……」
ドS(なんかデブの腹が光ったと思ったら悪魔が苦しみ人々は正気に戻った。何か絵面がとてもシュール)
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/13(土) 21:36:59.85 ID:3/EzIUhE0
>>247
修正
病弱「ソイツ……コロサナキャ、シアワセニ――」
デブ「今騎士さんも元に戻してあげるお、この勇者の紋章から放たれる聖なる光で!」ブヨッ
パアアッ
バアル「ぐあっ!?」ジュ
?「ぎゃあっ!?」ジュ
病弱「……ハッ! 一体何が? 先程まで私は僧侶さんを抑えていた筈なのに突然まばゆい光に包まれて」
嬢「――ア、ああっ! ……こ、ここは? もしかしてアタシぁ死んだのかぇ?」
ドS(なんかデブの腹が光ったと思ったら悪魔が苦しみ人々は正気に戻った。何か絵面がとてもシュール)
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/13(土) 21:48:56.89 ID:3/EzIUhE0
デブ「よし……これで皆正気に戻ったお。さあ、今の中に皆にげ、よ……ぅ」ドサッ
病弱「勇者様!」ダッ
ドS「勇者!」ダッ
病弱「き、傷が深い……いったい誰がこんな」
バアル「何とぼけてやがる。テメエらがやったんだろ?」
病弱「馬鹿なことを! 惑わそうとしても無駄です!」
バアル「フン、生意気なことしてくれた礼だ。ダンタリオン、思い出させてやれ!」
ダンタリオン「あいたた、あっちは丈夫じゃないと言うに全く……。『貴方の記憶は貴方へ回帰する』」
病弱「――え……嘘、です」
ドS「――違う。わ、私じゃない」
ドS病弱「「いやぁああああああああああああああっ!?」」
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/13(土) 21:59:34.21 ID:3/EzIUhE0
バアル「クソッ、手間かけさせやがって……。おい、また正気に戻る前にもう一度此奴らを操作しろ!」
ダンタリオン「わかったから大声出さんといて。体に響くわぁ」
バアル「もう目が覚めねえように勇者だけは俺様の手で始末してやる」ブゥン
嬢「そうはさせないよ!『でぃーぷみすと』」ブワッ
ダンタリオン「な、なに? あっちは戦闘はからっきしだからバアルちゃんお願いな」
バアル「この程度の霧で隠れたつもりかァ!」ブオンッ
ダンタリオン「ひゃあっ!?」
バアル「チッ! 奴らに逃げられた。もういっそこの周囲を消し飛ばして――」
ダンタリオン「それは無理でしょうに! あの小娘の中にソロモン様が封印されてる限りあっち達は攻撃できんて」
バアル「……絶対忠誠が仇になるとはな。だからアイツらにあの小娘を殺させたかったんだが」
ダンタリオン「まあ他の72柱が周囲にいるわけだし逃げられんよ。時期に見つかるて」
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/13(土) 22:19:55.86 ID:wmO2w2r4O
拳じゃない……普通の魔法だ……
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/14(日) 08:21:59.55 ID:xv97mTwDO
乙
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/14(日) 19:31:25.15 ID:YspDrHlmO
乙
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/26(金) 22:43:41.44 ID:2QsW7SOD0
デブ「――……ぅ、ここ……は?」
嬢「目覚めたようだね、だけどまだ起き上がらない方がいいよ」
デブ「君は……たしか――っ!?」ズキッ
嬢「ほらいわんこっちゃない。簡単な応急措置しかできなかったからまだ安静にしてなね」
デブ「けど今どういう状況なんだお? それに君は……」
嬢「勇者の僕が倒れた後すぐ魔王城の地下に逃げてきたのさ」
嬢「そして三人が目覚めるまでここで隠れていたって訳さね」
デブ「状況はわかったお。それでお嬢ちゃんは何者なんだお?」
嬢「ほっほっほっ、お嬢ちゃんなんて柄じゃないんだがね。まあこの姿じゃ無理もないかね」
ロリ魔法使い「アタシだよ、以前も魔王城で会った元老婆の魔法使いさね」
デブ「…………ファッ!?」
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/02/26(金) 22:56:38.91 ID:2QsW7SOD0
デブ「…………えっと、元老婆と申しますとあの筋骨隆々で逞しい魔女さんかお?」
ロリ「ああそうさね。けど今はご覧の通り、ただの非力な魔法使いだよ」
デブ「でも無事だったんだおね。それで出来ればボキたちと別れてからの経緯を聞きたいお」
ロリ「ふむ……まあまだ嬢ちゃんたちが目覚める様子じゃなさそうだし手短に話そうかね」
ロリ「勇者の僕と別れてからアタシは魔王と戦い続けた。けれど力の差は圧倒的で勝ち目なんてなかったね」
ロリ「だからアタシは持てる魔力をすべて使って魔王をこの体内に封印したのさ」
ロリ「けどその後に現れた三体の悪魔によって囚われてしまってね」
ロリ「封印こそ解かれなかったものの、精神は操られ肉体は弱体されてしまったのさ」
ロリ「そして気付けば僕がいて、状況を察してここへ逃げて来たって訳さ」
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/27(土) 21:07:54.51 ID:T0NxVzoDO
乙
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/02/27(土) 21:08:39.12 ID:8dDK782iO
おつ
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/17(木) 14:12:59.37 ID:NRcgB0c8o
早めの保守
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/17(木) 16:06:46.21 ID:jldh+4h3O
マダカナ
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/03/18(金) 12:07:18.87 ID:b4fQPTdRo
きっと戦闘力(脂肪)を高めてるのさ
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/04/01(金) 22:06:08.07 ID:ezycJGAk0
デブ「だから魔女さんを殺そうとしてたのかお」
ロリ「出来るなら殺されたかったんだがね」
デブ「な、何言ってるんだお!」
ロリ「アタシが死ねば奴は二度と封印が解けなくなるからさ」
ロリ「この術はアタシのお師匠様、いやそれ以前から受け継ぎながら昇華させていった大魔術」
ロリ「その能力は自身の肉体を媒体に異空間とのゲートを開いて封じ込めるから命を落とせば寧ろ道が無くなるから出られなくなるのさ」
デブ「それは凄いお! ってことはもしかして現存する悪魔を全て倒せばもう魔族は蘇らないのかお!」
ロリ「だけど流石は魔王でね、この封印を内側から破ろうとしてるのさ」
ロリ「だから――アタシを殺してくれないかね?」
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/04/01(金) 22:13:47.20 ID:ezycJGAk0
デブ「そんな事できるわけないお……」
ロリ「だけどこのままじゃ魔王が復活してしまう。そしたら結局破られた反動でアタシは死んじまうよ」
デブ「な、なら別の方法を考えるお!」
ロリ「それも難しい話さね。今のアタシじゃ長い時間封じ込められそうにない」
ロリ「それに……元々アタシの余命は短かった。今まで魔術を鍛え魔王を倒す事だけに人生をささげたアタシにピッタリさね」
デブ「魔女さん……」
ドS「話は聞かせてもらったわ。そいつを殺せばいいのね」
デブ「僧侶、目が覚めたのかお!」
ロリ「おや、お目覚めかい。心が壊れそうで心配したけど大丈夫だったかい?」
ドS「あの程度デブに世話されてた屈辱を思い出せば大したこと無いわ」
デブ(屈辱て……)
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/04/01(金) 22:19:19.12 ID:ezycJGAk0
病弱「私も途中からでしたが察しはつきました。つまりそのお嬢ちゃんを殺せば魔王は復活できないんですね」ゴホッ
ロリ「その通りさね。アンタも大丈夫かい?」
病弱「勇者様の声を聞けたので正気を取り戻せました」
ドS「確かに耳や脳内を犯してくる声だもんね」
デブ「どんな声だお!?」
ドS「言った傍から喋んなや騒音レイプ魔が!」バシッ!
デブ「じどいっ!?」グフッ
病弱(素敵な声だって庇いたいけど恥ずかしい)////
ロリ(ほのぼのだねぇ)ホッコリ
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/04/01(金) 22:25:30.10 ID:ezycJGAk0
病弱「ではその役目ゴホッ、私にゴフッ、お任せ下さブハッ!?」
デブ「その前に薬を飲んで!」
病弱「す、すいません」
ドS「フン、情けないわね。ここは神に仕える私がやってあげるわ」
デブ「邪神の間違いでは……」
ドS「黙りなさいよ産業廃棄物! 邪神だって神でしょうが!」バシッ
デブ「邪なのは否定しないのね!」ブフゥ!
ドS「それに、この中で私が一番適任でしょうが」
デブ「どういうことだお?」
ドS「私なら人一人くらい殺してもどうってこと無いって事よ」
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/01(金) 22:27:48.31 ID:AkbZEc53o
魔王配下の魔物が人間に殺させようとしてたから
これってアレだよね
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/04/01(金) 22:39:09.81 ID:ezycJGAk0
デブ「それは違うお。例え僧侶が――」
ドS「誰かがやんなきゃいけないのなら私死骸いないでしょうが!」
ドS「それともそこの騎士に人殺しをさせたいの!?」
デブ「そ、そんなつもりじゃ……」
ドS「だったら口答えすんじゃないわよ! 童貞の癖に我が儘言ってんじゃないっての」
デブ(童貞関係ないやん)
病弱「私とて覚悟はあります。それに人殺しに適任も無いでしょう」
ドS「ンなこと言えんのは殺した事のない奴のセリフよ」
病弱「貴方にはあるとでも?」
ドS「ええ、あるわ。だって私は僧侶ですもの」
デブ(普通僧侶は救う者ですお)
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/04/01(金) 22:56:23.06 ID:ezycJGAk0
ロリ「本当はアタシ自ら命を絶てればいいんだけどね。それだと封印が解ける恐れがあるから」
ドS「だそうよ。で、アンタは本当に殺せるの?」
病弱「それが世界を救うためであるのなら」
ドS「そう、アンタがどうしてもやりたいなら好きにすればいいわ」
ドS「でも人を殺した手でこれからも人を守っていける自信はあるのかしらね」
病弱「それは……」
デブ「それをいうなら僧侶だって」
ドS「私は苦しんでる姿が見られればいいから寧ろ続ける自信になる」
デブ「さいですか……」
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/04/01(金) 23:02:40.92 ID:ezycJGAk0
ロリ「決まったみたいだね。それじゃあ僧侶の嬢ちゃん、頼むよ」
ドS「本当なら絶望の表情を浮かべながら殺すんだけど今回は手早く済ませてあげるわ」
ロリ「ありがとね、それとすまないね。こんな嫌な事を押し付けてしまって」
ドS「別に。殺すくらい訳ないから」
ロリ「本当に良い子だね嬢ちゃんは。この姿じゃなかったら良い子良い子してあげられたんだがね」
ドS「…………それじゃあ、いくわよ」グッ
フォンッ!
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/02(土) 04:23:01.02 ID:kEinG6CDO
…乙
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/02(土) 04:33:16.25 ID:l/iIaYa3o
おつ
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/04/03(日) 03:19:42.99 ID:DLKq2UZ8O
乙
それは違う
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2016/04/03(日) 03:20:23.92 ID:DLKq2UZ8O
誤爆でageとかマジスマン
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/03(火) 00:16:58.17 ID:qUwRka6y0
デブ「――やっぱ駄目だお!」ガキィン!
ドS「邪魔すんなラード! 食用にすらなれない産廃の癖に!」
デブ「今回は譲れないお! てかそもそも食用でもないお!」
デブ「誰かを犠牲にした平和なんてボキは幸せになれない!」
ドS「綺麗事抜かしてんじゃないわよ! 世界はいつだって犠牲の上で成り立ってる!」
ドS「アンタが知らない内に多くの人が死んでんのよ!」
ドS「もしどうしても誰も犠牲にしたくないのなら殺された人たちも救ってみなさいよッ!」
デブ「それは……ボキには無理だお」
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/03(火) 00:26:54.55 ID:qUwRka6y0
ドS「だったら初めから邪魔すんじゃないわよ、夢見たいならママのおっぱいでも吸って寝てなさい!」
ジョウジャク「僧侶さん、それは――っ!」
デブ「でも――だからこそ目の前の犠牲は見過ごしたくないんだお」
ドS「この……!」ブチッ
ロリ「いいんだよ勇者の僕、庇ってくれてありがとうね」
ロリ「でもこれが一番の方法なんだよ、確実に私1人の犠牲で済む」
ロリ「だから、これで良いんだよ」
デブ「…………ないお」
ロリ「さあ嬢ちゃん、悪いけど頼――」
デブ「ボキは! 絶対に最後まであきらめないお!」ダンッ!
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/03(火) 00:36:55.28 ID:qUwRka6y0
デブ「だって魔女さんが犠牲になることが良い筈がないんだお!」
デブ「他に方法がないからだなんてそんな妥協はしたくない!」
デブ「最後の最後までボキは救う手だてを考えるお!」
ドS「それでもし手段が見付からず魔王が復活したらどう責任とるのよ!」
デブ「ボキが絶対にそんな事をさせない――ッ!」
ロリ「勇者の僕……」
デブ「だから僧侶、その手を引いてくれお」
ドS「……フンッ! これで口だけだったらアンタをミンチにするだけじゃ済まさないんだから!」プイッ
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2016/05/03(火) 00:52:21.08 ID:qUwRka6y0
病弱「それでこれからどうするのですか勇者様?」
デブ「とりあえずはここから逃げるお」
バアル「どうやって逃げるって?」
デブ「――ッ!?」バッ
バアル「さっきは舐めた真似してくれたな。次はもう逃がさねえぜ」
ドS「チッ、デブが悪臭はなってるから気付かれたじゃない」
デブ「ボキは臭くないお! さっき僧侶が大声出したからいけないんだお!」
ドS「どう考えてもアンタの発狂を促すような酷い声が原因でしょうが!」
デブ「ボキの声は呪詛か何かですかお!?」
病弱(……私も勇者様と口げんかしたいなぁ)ゴホッゴフッ!
ロリ(何だか変だね、この体なのに動悸が激しいよ)ドキドキ
ダンタリオン(この状況で何かあの2人関係ないこと考えてるわぁ……それにしてもバアルちゃん空気www)
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2016/05/03(火) 02:12:08.02 ID:JBZbR535O
乙
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