瑞鶴「もう二度と離さない」

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261 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 21:21:39.27 ID:yYbRiX9TO
提督「第一艦隊旗艦、比叡。随伴艦に熊野、青葉、夕張、風雲、長波、清霜」

提督「第二艦隊旗艦、瑞鶴。随伴艦に瑞鳳、摩耶、黒潮、秋雲、秋月」

提督「第三艦隊旗艦、陽炎。随伴艦に不知火、初風、雪風、天津風、時津風、野分、嵐、萩風、舞風」

提督「第四艦隊旗艦、川内。随伴艦に浦風、磯風、谷風、浜風、

提督「第五艦隊旗艦、阿武隈。随伴艦に電、雷、響、時雨、夕立、春雨、江風」

提督「第六艦隊旗艦、秋津洲。随伴艦に睦月、卯月、文月」

提督「第七艦隊旗艦、伊58。随伴艦に呂500」

提督「なお、コロネハイカラ島への輸送作戦時は別の編成を取る」

提督「第一輸送艦隊本隊旗艦、響。随伴艦に雷、電、睦月、卯月、文月」

提督「第一輸送艦隊護衛艦隊旗艦、阿武隈。随伴艦に浦風、磯風、谷風、浜風」

提督「第二輸送艦隊本隊旗艦、時雨。随伴艦に春雨、江風、風雲、清霜」

提督「第二輸送艦隊護衛艦隊旗艦、川内。随伴艦に野分、嵐、萩風、舞風、秋雲」

提督「第三輸送艦隊本隊旗艦、初風。随伴艦に黒潮、雪風、天津風、時津風」

提督「第三輸送艦隊護衛艦隊旗艦、陽炎。随伴艦に不知火、夕立、長波、秋月」

提督「その他艦娘は、周囲の警戒や、有事の際には遊撃部隊として動いて貰うことになる」

提督「以上で作戦の概要と編成の説明は終了だ。何か質問は?」

青葉「はい!」

提督「なんだ?」

青葉「最後のお話で、青葉達その他艦娘は周囲の警戒や遊撃部隊としてと仰っりましたが、編成とかは決めないのですか?」

提督「決めない。理由は索敵範囲を可能な限り広げる為だ。ショートランドとコロネハイカラを中心とし、円を広げる様に各個展開。敵艦隊を発見した場合、近辺にいる者と集合し、迎撃を試みる。それ故に艦隊を組まない方がいい」

青葉「分かりました! 了解です!」

提督「この戦いは、かつての作戦と同じ作戦名を冠したものである。だがしかし、かつての二の舞いには私が絶対にさせない。それだけは約束しよう」

提督「本時刻をもってして第二次SN作戦を開始する。諸君達の健闘を祈る」

瑞鶴「全艦娘、出撃準備!」

全員「はい!」

………………………………

………………

……
262 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/03/18(金) 21:23:07.04 ID:yYbRiX9TO
今回はここまでです
次回から戦闘に入ります。


また来ますね
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/18(金) 21:55:55.77 ID:KeXroq20o
乙です
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/03/19(土) 09:44:27.90 ID:3pWYIkXSO
乙です
265 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:04:14.87 ID:RnGzmdtrO
朝霧艦内

提督「各艦隊と外縁部に位置する艦娘からの報告は?」

乗組員「現在特に異変は無し。輸送作戦は順調とのことです」

提督「そうか」

乗組員「どうかしましたか?」

提督「順調過ぎて逆に不安だ」

乗組員「確かに。もう既に敵の潜水艦等に見つかっていてもおかしく無いのですが」

提督「ああ。だが、全く敵艦隊が現れる素振りもない」

乗組員「何かあるのでしょうか」

提督「あるのかもしれないし、単純にまだ気付かれていないのかもしれない」

乗組員「後者ならいいのですが」

提督「全くだ」

乗組員「っと、第一輸送艦隊より入電! 敵の妨害を受ける事なく、輸送艦と共にコロネハイカラ島湾内に到着したとの事です!」

提督「積荷の上陸を急ぐ様に伝えてくれ」

乗組員「了解!」

提督「……嫌な予感がする」

…………。
266 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:04:59.19 ID:RnGzmdtrO
電「響ちゃん、湾内の確認が完了したのです!」

響「スパシーバ。湾内に機雷などの存在は?」

電「無し、なのです。敵の罠は無かったのです」

響「ふむ……」

電「響ちゃん、何かがおかしく無いですか?」

響「そうだね。私も同じ事を考えていたよ」

電「雷ちゃんは気にし過ぎって言っていたけど……でも……」

響「決めた」

電「何がですか?」

響「阿武隈さん、聞こえる?」

阿武隈「聞こえるけど、せめて敬語で話してほしいかな」

響「私達輸送本隊はこのまま輸送艦と一緒に湾内に突入して、積荷の揚陸を行う。だけど、阿武隈さん達は湾外……いや、コロネハイカラ島近海を索敵、警戒をしていて欲しい」

阿武隈「無視しないでよ〜!! ……まあいいや。分かったわ、響ちゃん」

響「よろしく」

電「響ちゃん……その……軽巡の方には敬語の方が……」

響「大丈夫、阿武隈さんは優しいから」

電「もしかして、阿武隈さんの事が嫌いなのですか?」

響「いや、そんな訳ないさ。私は阿武隈さんの事が大好きだよ。揶揄うと面白いしね」

電「何だか、響ちゃんの人間性を疑ってしまいそうなのです」

響「そうかい? これでも本気なんだけどね。阿武隈さんの為になら命だって投げ出すよ」

電「……死んじゃ嫌なのです」

響「大丈夫。私は沈まないし、沈めないから」

電「響ちゃん?」

響「さあ、さっさと積荷を陸揚げしよう。行くよ」

電「あ、はい! なのです!」

…………。
267 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:06:39.32 ID:RnGzmdtrO
コロネハイカラ島沖北西部

熊野「はい。はい。了解ですわ」

熊野「積荷の陸揚げが始まったようですわね」

熊野「あとは第二、第三輸送艦隊が陸揚げをすればコロネハイカラ島の資材量は十分になるはずですわ」

熊野「まあ、このまま敵艦隊が現れなければの話ですが……」

熊野「青葉、聞こえますか?」

青葉「聞こえますよ〜! どうしたんですか?」

熊野「ちゃんと青葉が哨戒をしているのか、少々気になったので」

青葉「酷いですね〜。これでも任務中はしっかり働いているんですよ!」

熊野「…………」

青葉「熊野? どうかしましたか?」

熊野「…………電探に感有り………数は4〜8」

青葉「方角は!?」

熊野「コロネハイカラ島沖の西北西ですわ。敵は近辺の島に沿って接近して来た様ですわね」

青葉「今輸送艦隊を襲撃されたら危険です! すぐに迎撃体制を作りましょう!」

熊野「ええ。提督に報告をして指示を仰ぎます」

青葉「お願いします!」
268 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:07:15.74 ID:RnGzmdtrO
熊野「こちら熊野。電探に感有り。数は4〜8。方角はコロネハイカラ島西北西へ約10kmですわ!」

提督「来たか。熊野を旗艦に据え、近海に展開している青葉、夕張と共に敵艦隊を迎撃せよ」

熊野「了解ですわ」

青葉「了解です!」

夕張「え!? 私!!? は、はい!! 分かりました!」

提督「熊野。この戦闘では間違いなく数的に劣勢に立たされる。無理だと思ったら、コロネハイカラ島へすぐに撤退するんだ」

熊野「しかし、そうしたら輸送艦隊が叩かれてしまいますわ」

提督「その為の輸送隊護衛艦隊だ。水雷戦隊一隊をそちらに派遣するから安心してくれ」

熊野「分かりましたわ」

提督「阿武隈。第一輸送艦隊護衛艦隊はただちにコロネハイカラ島沖西北西に位置する敵艦隊の迎撃に向かってくれ。そして、先行する熊野の命令に従え」

阿武隈「あ、はい! 分かりました!!」

提督「熊野、出来る限り損傷は出さずに帰って来るんだぞ」

熊野「ええ。当たり前ですわ」

提督「西北西は頼んだ」

熊野「仮称第一遊撃艦隊、作戦開始しますわ!」

…………。
269 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:07:59.72 ID:RnGzmdtrO
乗組員「仮称第一遊撃艦隊、敵艦隊と接敵。交戦始まりました」

提督「第一から第三輸送艦隊の様子は?」

乗組員「第一輸送艦隊は、ほぼほぼ陸揚げ作業が完了しています」

乗組員「第二輸送艦隊は陸揚げの進捗が約半分程で、第三輸送艦隊は先程湾内に停泊したばかりですので、陸揚げ作業は殆ど進んでおりません」

提督「熊野達が迎撃に成功するかどうかで変わるが、今のところ大体予定通りに事が進んでいるな」

乗組員「ええ。むしろ少し早いくらいですね」

提督「そうだな」

乗組員「中将、少々お待ちを……第一輸送艦隊より入電。これよりショートランドへ引き返し、再輸送をするとの事です」

提督「よろしく頼むと伝えておいてくれ」

乗組員「了解」

乗組員「中将! 熊野より通話要求が!」

提督「繋げ」
270 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:08:28.98 ID:RnGzmdtrO
提督「どうした熊野」

熊野「提督、大変ですわ!」

提督「大変? 誰かが大破したのか!?」

熊野「いえ、私達は今の所無傷ですわ! そうではなくて、敵艦隊がもう一つ出現しました!」

提督「何だと!? 場所は?」

熊野「コロネハイカラ島北東部に突如出現!恐らく敵は私達が北西部に釘付けになるようにしていたものだと思われますわ!」

提督「まんまとしてやられた訳か。分かった、こちらは私がどうにかしよう。お前達はこのまま敵艦隊を迎撃する様に」

熊野「了解しましたわ。提督、そちらは宜しくお願いしますわね」

提督「ああ。任せろ」

熊野「通信終わります。御武運を」

提督「朝霧全乗組員に告ぐ。これより当艦はコロネハイカラ島沖北東部に出現した敵艦隊を艦娘の艦隊と共に迎撃する。総員、戦闘配置につけ」

提督「陽炎と初風との通信回線を開いてくれ」

乗組員「了解!」
271 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:09:50.94 ID:RnGzmdtrO
提督「陽炎、初風。緊急事態だ」

初風「緊急事態ですって!?」

陽炎「何があったの?」

提督「西北西に現れた敵艦隊の迎撃により生じた索敵網の穴から敵艦隊がコロネハイカラ島へ向けて休息接近中だ」

初風「仕方ないとはいえ、してやられたわね」

提督「ああ。これは私の責任だ。だが、今は何よりも優先して敵艦隊を迎撃せねばならない。そこで、第三輸送艦隊本体と護衛部隊は朝霧と共に敵艦隊迎撃の任に就いてもらう」

陽炎「司令まで戦闘に参加するの? 私達だけでも大丈夫よ?」

提督「いや、万が一にも迎撃に失敗する訳にはいかないからな。戦力は一隻でも多いに越したことはない。初風もいいな?」

初風「ええ。良いわよ」

陽炎「因みに、コロネハイカラ島南部の護りはどうするの?」

提督「現在展開している索敵網とは別に、南部の水道辺りに第二輸送艦隊護衛艦隊を設置し、警戒に当たらせる。仮に敵が攻勢に出たとしても、攻撃を耐え抜き時間を稼ぐ事が恐らく出来るだろう」

陽炎「了解! じゃあ、私達の作戦は?」

提督「それは移動しながら話す。それよりも、時間帯に出撃命令を出し、湾外を航行中の我ら朝霧に合流してくれ」

陽炎「そうね! ほら、みんな! 今すぐに出撃するわよ!!」

初風「全員出撃するわよ。荷下ろしは手伝えなくなるけど、その代わりにこれから戦闘よ。全員気を引き締めなさい」

黒潮「ウチ、とうとうホンマもんの深海棲艦と闘うんやね」

初風「大丈夫。すぐに慣れるわ」

雪風「訓練通りにやれば大丈夫です!」

天津風「自分を信じて。貴女なら出来るはずよ」

時津風「そーそー! パーっと敵を倒して時津風と遊ぼ遊ぼー!」

黒潮「せやな。ウチ、頑張るわ!」

初風「その意気よ。それじゃあ、第三輸送艦隊本隊、出撃します!」

………………。
272 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/14(木) 23:11:19.11 ID:RnGzmdtrO
今日はここまでです。

霞改二と大潮改二が可愛すぎて辛い。そして江風改二はどうなるのかが楽しみです。


また来ますね!
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/14(木) 23:29:24.12 ID:FEl/yGJXo
お疲れ様です
待ってます!
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/14(木) 23:46:02.43 ID:YAia9tW7o
乙です
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/15(金) 10:10:47.18 ID:xM+KP/OSO
乙です
276 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:03:02.05 ID:2KIwJv6EO
コロネハイカラ島沖北東部

初風「陽炎。気付いてる?」

陽炎「……近いわね」

初風「恐らく敵艦隊は6隻。どうする?」

陽炎「まずは私達が囮として、敵の右側部から斬りこむ。その隙に初風達は敵艦隊に対して反航戦を行い、擦れ違いざまに雷撃。ざっくり言うとこんな感じかな」

初風「つまり、状況に合わせて柔軟に対応ってことね?」

陽炎「ま、そういうこと。隙があれば、敵艦隊は私達がやっつけちゃうけどね」

初風「なら、せめて私達は楽が出来る様に祈ってるわ」

陽炎「その時は、横須賀に戻ったら美味しいものを奢って貰うから覚悟なさい」

初風「なら、私達が活躍せざるを得ない状況になったら、お姉ちゃんに奢って貰わないとね」

陽炎「だってさ、不知火お姉ちゃん?」

不知火「それは、陽炎に対する言葉です。不知火には関係がありません」

陽炎「じゃあ、割り勘で!」

不知火「ご馳走様です、陽炎お姉ちゃん」

陽炎「不知火の裏切り者!」

陽炎「……まあいいわ。それじゃ、作戦開始!」
277 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:03:33.99 ID:2KIwJv6EO
陽炎「みんな、見えたわよ! 敵艦発見!」

不知火「不知火も肉眼で確認しました。これは、軽巡でしょうか」

長波「みたいだな。見た事無いけど砲のサイズからすると多分そうだろうな」

夕立「陽炎、早く突撃するっぽい!」

秋月「待って下さい! ここはやはりこちらの被害を可能な限り抑える為に撹乱から始めるべきです」

陽炎「そうね。まだ敵の軽巡しか見えないのも奇妙だわ。もしかしたら別行動をしている可能性もあるわ。とりあえず隊を二つに分けて片方が探照灯で敵の軽巡を照射。もう片方は敵の伏兵に警戒しつつ雷撃準備」

長波「了解だ。で、隊分けはどうする?」

陽炎「そうね。夕立の首縄係は私に任せて。あと長波も私の隊に編入」

不知火「では、不知火は探照灯による敵のマーキングを、秋月は陰から砲撃による援護をお願いします」

秋月「はい!」

陽炎「探照灯の照射は5分後によろしく」

不知火「承知しました」

ピカッ!

長波「うお!?」

陽炎「は!? 不知火! あんた何を……え!?」

不知火「不知火ではありません! この光は敵の軽巡です!」

陽炎「っ!!? まずい!!」
278 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:04:30.16 ID:2KIwJv6EO
ズドン! ズドン!

秋月「て、敵の砲撃です!! どこから撃たれているかは分かりません!」

陽炎「くそ! みんな散りなさい!! 敵の探照灯の照射を受けるのは一人になるようにするのよ!」

秋月「了解!!」

陽炎「照射を受け続ける子は回避に専念! その隙に敵の背後と右側部から雷撃を!」

不知火「初風達に連絡は?」

陽炎「あの子なら絶対に動く。むしろ、連絡をしてしまったら敵にあの子達の存在を教える事にもなるわ。あの子達を信じるのよ」

不知火「了解」

夕立「敵の光の動き……夕立が狙われているっぽい!!」

陽炎「同じ方向に逃げているのは秋月と不知火ね? 夕立は少しだけ速力を落として航行! 二人はそのまま夕立が進む方向と同じ方角に向けて航行! 長波は私について来て!」

長波「おうよ!」

夕立「陽炎、夕立も探照灯を照射するっぽい!」

陽炎「お願い! 出来れば敵の軽巡以外の敵を索敵するように広範囲を照らして」

夕立「りょーかい!」

夕立「探照灯、照射!」ピカッ

陽炎「夕立、絶対に生き抜くのよ!」

夕立「任せるっぽい!」

長波「陽炎、早いとこ突っ込むぞ」

陽炎「勿論よ!」

……。
279 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:06:03.61 ID:2KIwJv6EO
雪風「初風!」

初風「分かってる」

天津風「まさか、深海棲艦が探照灯を使うなんて……」

時津風「反則だー!」

初風「敵に先手を取られた以上、陽炎達の手札からは奇襲という選択肢を喪った」

天津風「でも、陽炎なら不利になった上でも敵の予想を上回ろうと立ち回るはずね」

初風「だけど、それにも限度はある、か」

雪風「雪風達も動きましょう!」

初風「そうね。ま、帰ったら陽炎から美味しいものを奢って貰おうじゃない? みんな、食べたい物を考えておきなさい」

天津風「そうね」

初風「行くわよ。黒潮も準備はいい?」

黒潮「も、もちろんやで……」

初風「大丈夫、黒潮は私が護ってあげるから心配しなくていいわよ」

黒潮「お、お姉ちゃんとしては、その言葉言われんのはツライわ」

初風「なら、早く実戦に慣れる事ね」

黒潮「せやな」

初風「よし。全艦両舷強速! 陽炎達を助けに行くわよ。16駆逐の力見せてやるのよ!」

全員「了解!」
280 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:06:39.61 ID:2KIwJv6EO
ピカッ

イ級「!!?」

陽炎「艦隊より11時の方向に敵艦発見! 」

陽炎「良くやったわね夕立。長波、雷撃準備! 発射管1番のみ魚雷装填! 発射!!」バシュッ

ズドーン!

長波「よっしゃ」

陽炎「魚雷二本でよく当ったわね」

長波「まあ、長波様も陽炎も訓練しまくってるからな」

陽炎「それもあるけど、何より運が良かったわね」

長波「運も実力の内さ」

陽炎「そうね。そして、これでのこり敵は5か」

ズドン!

長波「おい、あそこ今光ったぞ」

陽炎「マズルフラッシュね。もう一丁やるわよ? 準備は、」

長波「いつでも任せろ。行くよ」

長波「……夕立の奴もう少し頑張って耐えてくれよ……」

…………。
281 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/04/23(土) 23:16:02.13 ID:2KIwJv6EO
今日はこれで終わりです。

艦これ三周年おめでとうございます。
始めた当初はエヴァのSSを書いており、まさか艦これのSSを書くようになるとは思ってもいませんでした。(半分黒歴史)

それが、名作とも言える"とある艦これSS"を読んでからは艦これの世界観や艦娘そのものについて考える様になり、この様に艦これSSを書く様になっておりました。人間何が起こるかなんて全く分からないものですね。


自分語りはさておき、江風改二が実装されましたね。これを物語に反映できるかどうかは未定ですが……

長々と喋りすぎましたね。では、また来ますね!
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/23(土) 23:36:02.35 ID:hDcpui9Po
乙です
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/04/24(日) 09:48:46.84 ID:cy15FnfSO
乙です
284 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:17:47.32 ID:/YVN3pmg0
陽炎「目標、敵軽巡! 長波は全砲門斉射して、私を援護! 私は敵の軽巡に肉薄して近距離から砲撃を試みるわ!」

長波「おうよ! 全砲門斉射! ってぇ!」ズドン!

ホ級「!?」

長波「ほら、まだまだ!」ズドン!

ホ級「……」ズドン!

長波「うわっ、撃ってきやがった! あぶねぇなぁ……」ズドン!

ホ級「……」ズドン! ズドン!

長波「ま、あいつもこれで終わりだがな」

陽炎「長波、ナイス援護! いっくわよー!」

陽炎「沈みなさい!」ズドン! ズドン! ズドン!

ホ級「」

陽炎「敵軽巡撃破! 残りはあの探照灯持ちだけよ!」
285 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:19:23.87 ID:v5cL0WxyO
長波「ちえ、陽炎にいいとこ持って行かれちまったな」

陽炎「ご馳走様。でも、まだメインデッシュが残ってるわよ」

長波「まあな」

陽炎「長波はまだ行けるかしら?」

長波「当たり前だ」

陽炎「うんうん、元気な子はお姉ちゃん大好きよ」

長波「そりゃどーも。陽炎の妹になった覚えは無いがな」

陽炎「夕雲型は陽炎型みたいなものじゃない?」

長波「すると、あたしら夕雲型は姉よりも優れた妹となる訳だ?」

陽炎「そんなことは……」

長波「なにせ夕雲型は改陽炎型だからな。な、お姉ちゃん?」

陽炎「……やっぱり夕雲型は陽炎型から破門よ!」

長波「有難きお言葉」

陽炎「…………とりあえずあいつ倒そうか」

長波「賛成だ」
286 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:20:19.28 ID:v5cL0WxyO
陽炎「不知火と夕立、聞こえる?」

不知火「何でしょうか?」

陽炎「夕立は?」

夕立「はあ……今は……うぁっ……それどころじゃ、無いっぽい! ッ!?」

陽炎「なら、夕立はそのまま回線を開いて聞いているだけでいいわ」

夕立「うん!」

陽炎「不知火と秋月の位置からは、敵の軽巡に対して反航戦からの雷撃を行うのにどれくらいの時間がかかる?」

不知火「敵がこのまま直進すると仮定すれば……約10分といったところでしょうか」

陽炎「じゃあ、私と長波は敵の軽巡に対して奇襲を行って、そのまま同航戦を仕掛けるわ」

不知火「敵が陽炎に気を取られている内に、不知火達が仕留めると」

陽炎「そういうこと。今魚雷はどれ位残ってる?」

不知火「不知火は残り8本。秋月は2本です」

陽炎「後のことは気にしないで、魚雷を全部叩き込みなさい。少なくとも一度はショートランドに戻るんだし」

不知火「了解」

陽炎「じゃ、そういう事で。頼んだわよ」

不知火「御武運を」

陽炎「あんたもね! 通信終わり!」

長波「んじゃ、もう一丁行きますか」

陽炎「突撃よ!」
287 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:21:43.05 ID:v5cL0WxyO
陽炎「さ、長波。覚悟はいいかしら? あいつはかなり手強そうよ?」

長波「ああ」

陽炎「いい心構えね」

長波「そりゃ駆逐艦だからな」

陽炎「駆逐艦魂ってやつ? それとも水雷魂?」

長波「んなもん関係ねえよ。ただ、私達はこの魚雷を敵艦に叩き込むだけの肝っ玉が必要ってだけだ」

陽炎「まあそうね。それが私達の仕事だしね。でも雑談は終わり。そろそろ、軽く作戦の説明をするわね」

長波「頼む」

陽炎「夕立の探照灯の陰から一気に接近。雷撃後、着弾のタイミングで砲撃開始。魚雷が当たれば御の字、当たらなければ同航戦を仕掛ける」

長波「んで、そのまま不知火達の雷撃援護って訳だな」

陽炎「そーゆー事。魚雷の装填は?」

長波「とっくに完了してる」

陽炎「うん。それじゃ、作戦開始!!」
288 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:23:32.41 ID:v5cL0WxyO
長波「まだ気付かれていないみたいだな」

陽炎「そうね……射点修正。いくわよ」

陽炎「長波、魚雷一斉射!」バシュッ

長波「あいよ!」バシュッ

陽炎「砲撃はまだよ。機関このまま。取り舵一杯!」

長波「取り舵一杯!」

陽炎「着弾まで5、4、3……全砲門一斉射!! ってぇ!!」ズドン! ズドン!

長波「てぇ!!」ズドン! ズドン!

軽巡棲姫「!!?」ズドン! ズドン! ズドン!

バッシャーン!

陽炎「なっ!? 」

長波「水面を!!? おい、陽炎!」

陽炎「見抜かれた!!? まあいいわ! そしたら同航戦で砲撃を叩き込むのみよ!」

長波「おう!!」

陽炎「両舷一杯、針路そのまま! 全砲門撃て!!」ズドン! ズドン!

…………。
289 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/05/23(月) 23:27:57.06 ID:v5cL0WxyO
今日はこれで終わりです。

艦これ春イベの調子はどうでしょうか?
現在私は春風、親潮堀を漸く終え、E7甲に挑み始めたところです。

もう終えた人も、まだこれからの人も頑張って下さいね。

では、また来ますね
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/24(火) 00:31:49.27 ID:gD0ts1+fo
お疲れ様です!
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/05/24(火) 06:58:26.55 ID:c9Dyseeuo
乙です
292 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 09:21:58.63 ID:+iuZ5yvJO
今日か明日の夜に更新予定です

もうしばらくお待ち下さい
293 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:20:05.17 ID:+iuZ5yvJO
軽巡棲姫「……」ズドン!

バッシャーン

陽炎「くっ……」

軽巡棲姫「……」ズドン!

長波「うぁ!!? くそっ! 艦尾に被弾!」

陽炎「戦闘への影響は!?」

長波「戦闘への支障はない。だけど、このままだとヤバいぞ」

陽炎「あと1分くらい耐えるのよ! そうすれば不知火達がやってくれるから!」ズドン!

長波「へへっ、ハードな役回りだねぇ」ズドン!

陽炎「最初から分かっていた事でしょ」ズドン!

長波「それにしても予想以上だって」

陽炎「それは認めるわ。こいつかなり強い」

長波「一瞬でも気が緩んだら、その瞬間に沈められそうだ」

陽炎「敵ながら練度が凄く高いわ。私達と同じくらいか、場合によってはそれ以上か」

長波「そうなると、軽巡と駆逐の絶対的な火力差が浮き彫りになるってわけだな」

陽炎「まさかこんなに練度が高い深海棲艦がいるとはね。帰ったらもっと練度上げなきゃ」

長波「陽炎、そろそろ」

陽炎「分かってる。10秒後に取り舵20」

長波「了解」

軽巡棲姫「……」クルッ

陽炎「とりか……はっ!?」

長波「うそ……だろ?」

軽巡棲姫「……」ジャキッ バシュッ

陽炎「不知火!! 作戦が読まれてる!! 今すぐ逃げて!!」

軽巡棲姫「……」ズドン! ズドン!
294 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:21:07.55 ID:+iuZ5yvJO
不知火「秋月。作戦は失敗です。取り舵一杯」

秋月「は、はい!」

軽巡棲姫「……」ズドン! ズドン!

バッシャーン!

不知火「くっ!!」

秋月「不知火さん、足元!!」

不知火「!!?」

バッシャーン!!

秋月「不知火さん!!」

不知火「……ぁ」

秋月「不知火さん! 不知火さん!!」

不知火「……」

秋月「陽炎さん!! 不知火さんが被雷!! このままだと轟沈しちゃいます!!」

陽炎「不知火!!」

秋月「あぁ……敵が…………敵がこっちに……」

陽炎「秋月! あんたは逃げなさい! 不知火は置いてすぐに!」

秋月「でも、そしたら不知火さんが!」

陽炎「不知火は私がなんとかするから! 早く!」

秋月「でも……でも……」

陽炎「秋月!!」

秋月「あ……あぁ……」ブルブル

軽巡棲姫「……」ジャキッ

秋月「もう、もう誰かを喪うのは……嫌!!」ガバッ

陽炎「馬鹿!! 秋月、あんた死ぬわよ!!」

不知火「あき……づ、き……」

秋月「大丈夫です……秋月が不知火さんは護りますから……大丈夫です……大丈夫……」ブルブル

不知火「くっ……死なば…………諸共……」ジャキッ

軽巡棲姫「……」ピタッ

陽炎「不知火!! 秋月!!」

秋月「うぅ……不知火さん……」

初風「探照灯照射ぁっ!! 」
295 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:21:41.29 ID:+iuZ5yvJO
ピカッ

軽巡棲姫「!!?」バッ

秋月「……え?」

黒潮「よっしゃ! めっちゃ効いとるわ!」

初風「黒潮、そのまま敵の目を狙い続けて」

黒潮「了解やで!」

初風「秋月! すぐに不知火を抱えて逃げなさい!」

秋月「初風、さん……?」

初風「お話は後! 早く逃げなさい!」

秋月「は、はい! 不知火さん、もう少し頑張って下さいね! 必ず助けますから!」グイッ

不知火「ぁぁ…………」ガクッ

秋月「初風さん、後は頼みます!」

初風「任せなさい!」

初風「第三輸送艦隊本隊もとい、第16駆逐隊突撃!! 目標、敵軽巡! 雷撃戦用意!」

時津風「天津風、いくよー!」

雪風「初風に合わせます!」

天津風「魚雷の準備は済んでるわ!」

初風「両舷一杯、方位そのまま! ビビらないで付いてきなさいよ!」

初風「敵に逆落とし戦法見せてやるのよ!!」

雪風「はい!」
296 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:22:14.23 ID:+iuZ5yvJO
雪風「敵艦までの距離、残り200!」

初風「余裕ね。雪風、そのままカウントよろしく」

雪風「雪風にお任せ下さい!」

時津風「ちっかいっなちっかいったな! てっきーがちっかいなー!」

天津風「こんな時まで能天気なんだから……遊びじゃないのよ!」

時津風「えー? だって、敵に近づいてドーンってやるんでしょ? 遊びだよー! ねー、雪風ー?」

雪風「はい! 残り100!」

黒潮「いやいやいやいや、そろそろ梶を切ろうや……? ぶつかってしまうで?」

初風「まだまだよ!」

雪風「残り50!」

軽巡棲姫「!!?」ズドン! ズドン!

天津風「敵艦発砲開始!」

初風「流石に敵も私達のやる事が分かったか。ま、それでも突撃あるのみね!」

黒潮「初風、もう限界やって!! 今切らんでいつ切るんや!!」

初風「黒潮黙れ!」

黒潮「うぅ……」

雪風「残り20!」

黒潮「うぁぁぁ…………」

雪風「10、9、8、7、6、5」

軽巡棲姫「!!!?」グイッ

雪風「4」

天津風「敵艦、進路変更!」

雪風「3」

初風「馬鹿ね!」

雪風「2」

時津風「いくよー!」

雪風「1」

初風「魚雷発射!! 」バシュッ

ズドーン!!!!
297 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:22:43.80 ID:+iuZ5yvJO
初風「雪風、敵艦の様子は?」

雪風「敵影確認できません!」

天津風「一瞬で沈んだのね」

初風「まさしく轟沈ね」

天津風「ほぼ全ての魚雷が軽巡に命中したから仕方ないわ」

黒潮「あ、あはは…………」

時津風「どうしたのさ、黒潮?」

黒潮「あはははははははははははははははははははは!!」

時津風「初風ー、黒潮が壊れたー」

初風「どうしたのよ黒潮?」

黒潮「アホかー!! あんたらアホかー!!? 阿呆なんちゃう!? どないしてあんなことするんや!!」

初風「あんな事って、どんな事よ?」

黒潮「アホか!! 敵艦目指して突っ込んで、一度も梶切らないとか阿呆ちゃうんか!!? 初風、あんた頭のネジ全部吹っ飛んでるで!」

初風「ああ、そんなことか。だって、相手が避けたじゃない?」

黒潮「もしも避け無かったら、今頃ウチらは海ん中やで!? 避けなかったらどうするんや!」

初風「避けなかったら敵が避けるまで突っ込むまでよ」

黒潮「」アングリ

初風「そんな当たり前の事聞かないで。普通に考えれば分かる事でしょう」

黒潮「ウチ分かったわ……今まで一番頭がおかしいのは陽炎と不知火だと思っていたんやけど、本当に頭が壊れてたんは初風やったわ……」

初風「何よそれ!!? 私なんかより陽炎と不知火の方が頭オカシイわよ!」

黒潮「やっぱり舞風達、第4駆逐隊だけが陽炎型の癒しや……」

雪風「17駆もみんな普通ですよ?」

黒潮「んなわけあるか!! あんなにスレた連中の何処が普通なんや! 特に谷風のスレ方は異常やで!」

天津風「いや、谷風のあれは多分別……」

黒潮「それにしたって普通やないわ!」

時津風「ねえ、天津風〜」

天津風「何?」

時津風「なんか、黒潮がちゃんと関西人してるね」

天津風「……」ベシッ

時津風「痛っ!?」

………………………………。
298 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/06/23(木) 23:23:32.90 ID:+iuZ5yvJO
今日はここまでです

また来ますね!
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/06/23(木) 23:41:47.90 ID:9LdwmTMwo
乙です
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/10(日) 00:41:36.39 ID:vMzFkE4R0
もう来ないんやろか
301 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:17:17.86 ID:3cF47BN6O
お待たせしております。
明日の夜に更新予定です!

また明日来ますね!
302 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:25:38.43 ID:lYWeWiIa0
朝霧艦内

陽炎「不知火、夕立は大破、私や長波、秋月は中破乃至小破しています」

提督「そうか。すると、作戦の続行は難しいかもしれんな」

陽炎「ごめんなさい……」

提督「だが、お前達でなければあの敵軽巡は倒せなかった。よくやったな」

陽炎「怒らないの?」

提督「何故だ?」

陽炎「虎の子とも言える第三輸送艦隊本隊の戦力を大幅に消耗させちゃったのよ?」

提督「確かにそれは事実だ。しかし、それでもお前達が奴等を止めなければ、輸送艦隊が丸々消失していたやもしれん。それを引き止めたと言うだけでも十分過ぎる戦果だ」

陽炎「司令……」

提督「だからこそ、感謝の言葉を述べたのだよ」

陽炎「うん、ありがと! でも、その言葉はあの子達に言ってあげて。あの子達のお陰で倒せたんだから」

提督「もちろん後ほど伝えるさ。だが、陽炎達も十分頑張った。それも事実だ」

陽炎「もう! 今さら私の好感度を稼がなくたって意味ないわよ」

提督「稼いでいるわけでは無いがな……まあいい。お前達はショートランドに起動後入渠してくれ。コロネハイカラ島にも仮設ドッグは設置するが、現在は敵の制空権内だ。敵の攻撃の脅威に晒されている限りは、可能な限りそこでは入渠させたくない」

陽炎「分かったわ。ショートランドで安静にしているわね」

提督「そうしてくれ。間違っても、修理が完了する前に出撃なんてことをするなよ」

陽炎「はーい」

提督「よし、では不知火達のところに戻りなさい」

陽炎「うん! それじゃ!」

提督「ああ、ご苦労だった」
303 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:26:34.61 ID:3cF47BN6O
提督「瑞鶴、瑞鳳」

瑞鶴「はい!」

提督「そろそろ敵飛行場への攻撃を始める。二人とも艦載機の発艦準備を」

瑞鳳「もう完了しています! いつでもいけます!」

提督「よし、ならばこれより瑞鶴、瑞鳳両空母の艦載機による飛行場への急襲を行う。発艦開始せよ」

瑞鶴「艦載機のみんな、行っちゃって!」バシュッ

瑞鳳「第一次攻撃隊、発艦!」バシュッ

提督「続いて秋津洲」

秋津洲「は、はい!」

提督「索敵中の二式大艇から、敵の情報は来ているか?」

秋津洲「まだかも! まだ暗いから索敵はちょっと難しいかも!」

提督「了解だ。引き続き頼むぞ」

秋津洲「了解かも!」

提督「では、通信を終了する」

……………………。
304 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:27:05.23 ID:3cF47BN6O
ガダルカナル島上空

流星妖精「クライー」

烈風妖精「クライー」

彗星妖精「クライー」

烈風妖精「モクヒョウハマダナノカ?」

流星妖精「ソロソロノハズ……」

彗星妖精「ン?」

烈風妖精「ドウシター?」

彗星妖精「アソコ、ナニカヒカッテ……」

烈風妖精「アソコッテドコサ?」

彗星妖精「ゼンポウノヒダリシタノクモノキレマ」

烈風妖精「タシカニ……イヤ、マサカ……」

流星妖精「テキヒコウジョウハッケン!」

烈風妖精「ヨッシャ!」

彗星妖精「ショウタイゼンキニツグ! テキヒコウジョウハッケン! テキヒコウジョウハッケン!」

烈風妖精「テキノゲイゲキキハ、マダアガッテイナイ!」

彗星妖精「ダイイチ、ダイニショウタイハ、コウコウドカラキュウコウカバクゲキ! ダイサン、ダイヨンショウタイハ、コウドコノママデスイヘイバクゲキ!」

彗星妖精「リョウカイ!」

流星妖精「リュウセイゼンキハ、スイセイタイガバクダントウカゴ、イキノコッテイルヒコウジョウノカッソウロヲコウゲキ!」

流星妖精「リョウカイ!」

烈風妖精「カンセンカクショウタイノ、ニバンキトサンバンキハ、スイセイ、リュウセイソレゾレノショウタイノゴエイニツケ!」

烈風妖精「リョウカイ!」

烈風妖精「ソレイガイノカクキハ、ヒコウジョウニデテイルテッキヤ、タイクウカキヘキジュウソウシャヲオコナエ!」

烈風妖精「リョウカイ!」

彗星妖精「レップウタイ、タノンダゾ! サクセンカイシ!」
305 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:35:58.28 ID:iyZTaLwhO
彗星妖精「コチラタイチョウキ。コレヨリワガキハテキノダイイチカッソウロヘノバクゲキヲカイシスル。ズイカクコウクウタイゼンキ、ワレニツヅケ!」

彗星妖精「ニバンキカラサンバンキヘ。オレガサキニイク。オレガバクダンヲトウカシタラサンバンキハトツニュウセヨ」

彗星妖精「サンバンキカラニバンキへ。リョウカイダ! コウウンヲイノル!」

彗星妖精「オウッ! ソラ、イクゾ!」

彗星妖精「マダダ……マダマダ…………イマダ!」

ヒューン ズドーン!

彗星妖精「ヨッシャ!」

烈風妖精「オミゴト!」

烈風妖精「オイゴバンキ、ヨソミヲスルナ! テキノタイクウシャゲキガハジマッタゾ!」

烈風妖精「オット! アブネ!! マバラダガウッテキテルナ」

烈風妖精「コチラタイチョウキ! ゴエイキイガイハ、カドウシテイルテキノタイクウカキヲユウセンシテネラエ!」

烈風妖精「マカセロ! ウテッ!」ズダダダダダ

烈風妖精「タイクウキジュウイッキチンモク!」

烈風妖精「ヨクヤッタ! イッキニツブスゾ!」

烈風妖精「オウッ!!」

………………。
306 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/07/19(火) 01:36:53.54 ID:iyZTaLwhO
瑞鶴「提督さん! 敵飛行場に向かった第一次攻撃隊より入電!」

提督「続けろ」

瑞鶴「はい! 0520、第一次攻撃隊は敵飛行場を発見。飛行場への攻撃を開始」

瑞鶴「約30分に渡る戦闘により、敵滑走路は二本とも完全に破壊、沈黙とのこと!」

提督「こちらの被害は?」

瑞鶴「敵の高角砲、及び対空機銃による攻撃で彗星2機が撃墜、流星一機が左翼を損傷」

提督「…………予想以上の大戦果だ」

瑞鶴「私もちょっとびっくり」

提督「残った全機が帰投したら、妖精を労ってやれ」

瑞鶴「うん!」

提督「瑞鶴、瑞鳳」

瑞鶴「ん?」

提督「良くやった」

瑞鶴「うん!」

瑞鳳「ありがと、提督!」

………………。
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/07/27(水) 21:17:46.16 ID:/gM4Ptlt0
はよ
308 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/15(月) 10:31:40.75 ID:dTq6eVVrO
今夜か明日の夜に投稿予定です

前回の更新では、突然エラーを吐き出し、翌日になっても書き込めなくなってしまい、途中で途切れた形になりました。

また来ますね
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/15(月) 18:14:22.88 ID:SeDoPVqT0
ヤター
310 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:05:18.87 ID:13nlxHEOO
乗組員「中将、意見具申をしても宜しいでしょうか?」

提督「何だ?」

乗組員「申し上げます。本来ならば、ショートランドの資材の半分以上をコロネハイカラ島へ輸送する予定でしたが、ここはコロネハイカラ島への輸送物資を減らしてでも、速攻をかける方がよろしいのでは?」

提督「それは、航空攻撃の戦果の報告を受けての判断か?」

乗組員「はい。現在艦隊周辺には恐らく敵艦隊はもう存在しません。そして、あと数十分で陽が昇り、二式大艇による索敵も可能になります」

乗組員「仮に敵艦の接近があれば、二式大艇の索敵にて察知が出来るため、先手を打って作戦を変更する事は可能です。しかし、後手に回ってしまっては選択肢を減らすだけです」

乗組員「ならば、短期決戦というリスクを負うことにはなりますが、先手を打つメリットを取る方が良いかと存じます」

提督「確かに一理ある。しかし、もしも二式大艇では察知出来ない敵艦、つまり潜航中の敵潜水艦がいたらどうする? または、二式大艇の索敵から逃れる事が出来た敵艦隊がいたらどうする?」

乗組員「……奇襲による被害が予想されます」

提督「そうだ。近海に敵艦がいないという前提条件は安心感を味方に与えると同時に、敵がいない故に奇襲を受ける事はないという、あってはならない先入観が生まれ、それがいい慢心に繋がる」

乗組員「はい……」

提督「もしも敵の奇襲を受け、味方に甚大な被害が出た場合、輸送してきた物資が少なければ、作戦継続可能時間はより少なくなってしまう」

乗組員「はい……」
311 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:06:56.43 ID:13nlxHEOO
提督「確かにノリと勢いは大切だ。時には何よりもそれらが優先される事もある。だが、基本は石橋を叩いて渡る。それに越した事はない」

提督「我々は限られた、数少ない資源と戦力で膨大な数を誇る敵と戦わねばならない。余分な資源を消費したり、艦娘を喪う事は可能な限り避けねばならない」

乗組員「……はい。おっしゃる通りです出過ぎた真似をしてしまい、誠に申し訳ありませんでした」

提督「中尉、お前はまだ若い。経験が少ないお前が間違えるのは当たり前だ。その間違えを正すのが上官たる私の職務であり、間違えた経験を糧に成長するのがお前の職務だ」

乗組員「はい」

提督「これに懲りずに、これからもドンドン意見をするんだ。間違えていれば私が諭すし、良い案であれば私は採用する。間違える事を恐れるな。いいな?」

乗組員「はい!」

提督「良い返事だ。では、持ち場に戻るんだ」

乗組員「はっ! 失礼致します」ビシッ

タッタッタッ

提督「ふっ……若いな」

……………………

…………

……
312 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:07:32.85 ID:13nlxHEOO
乗組員「中将、コロネハイカラ島より報告があります」

提督「準備が整ったか」

乗組員「はい。予定していた資源量の輸送が完了したとのことです」

提督「予想よりも早かったな」

乗組員「そうですね」

提督「秋津洲と交信をする。回線を開け」

乗組員「はっ!」

提督「秋津洲」

秋津洲「は、はい!」

提督「二式大艇からの報告はどうだ?」

秋津洲「えっと……周辺海域に敵艦隊は存在しないかも!」

提督「だが、先ほどの定時報告にあった敵艦隊がこちらに進軍中と?」

秋津洲「はい。北西部の方から大規模の敵艦隊がこっちに向けて進軍中かも」

提督「それ以外に敵はいるか?」

秋津洲「今のところいないかも!」

提督「了解した。秋津洲はそのまま索敵を頼む」

秋津洲「はい!」
313 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:08:13.32 ID:13nlxHEOO
提督「全回路開け」

乗組員「はっ! 全艦娘への通信回路開きました」

提督「うむ」

提督「全艦娘に告ぐ。先ほど、コロネハイカラ島への予定していた量の物資の輸送が完了した」

提督「これにて、コロネハイカラ島への輸送作戦から次の作戦へ移行する」

提督「現在コロネハイカラ島沖合に展開中の全艦娘はコロネハイカラ島へ帰投。例外として、秋津洲とその護衛艦はそのまま任務を継続」

提督「全艦娘の補給と応急修理が完了次第、ヘンダーソン基地への攻撃を開始する」

提督「現在、ヘンダーソン基地の滑走路は全て破壊しており、航空攻撃の危険性は劇的に低下している」

提督「だが、念には念を押しておくに越したことはない。瑞鶴、瑞鳳からなる第二艦隊は航空攻撃で再度ヘンダーソン基地を爆撃。敵の航空機の発進の確率を"わずか"から"ゼロ"にする」

提督「その後、比叡を旗艦とした第一艦隊による艦砲射撃で基地を完全に破壊する」

提督「その間、陽炎に代わり初風を旗艦とした第三艦隊、川内を旗艦とした第四艦隊は敵の潜水艦の哨戒。阿武隈を旗艦とした第六艦隊は第一艦隊の援護と護衛。伊58と呂500からなる第七艦隊は接近中の敵の艦隊の偵察と奇襲を行う」

提督「以上が次段階の概要だ。各艦、ただちにコロネハイカラ島へ帰投せよ」

提督「以上。通信終わり」

………………………………

………………

……
314 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:08:44.84 ID:13nlxHEOO
ガダルカナル島沖

比叡「う〜」

青葉「どうしたんですかー?」

比叡「きんちょーするー」

青葉「あー、青葉達大事な役割ですからねー」

比叡「それもなんだけど……吐きそう……」

熊野「弱音を吐いても良いことはありませんわ」

比叡「そうなんだけど……今回は流石にね……」

熊野「大丈夫。過去と現在は異なりますわ」

比叡「うん……そうだね。今の私は昔の私じゃないよね……」

熊野「はい。それに、例え貴女が大破してしまっても、私達は決して見捨てませんわ」

比叡「……ありがとう」

夕張「それに、この子の前でヘマは出来ないんじゃない?」

清霜「ん?」キョトン

比叡「確かに。うん、みっともない所なんて見せられないね」

熊野「そうですわね」

比叡「みんなありがとう。少し気合入った」

青葉「いえいえ〜」

比叡「じゃあ、気合が入ったついでに砲撃の時間に入ろうか」

比叡「……こちら比叡。司令、第一艦隊砲撃開始します」

比叡「…………みんな始めるわよ! 戦艦及び重巡は三式弾、零式弾砲撃準備! 軽巡、駆逐艦は榴弾を装填。目標、敵基地!」

比叡「全艦、碇を降ろせ! 耐衝撃準備! 射角微調整!」

比叡「全艦、全砲門砲撃開始!!」

比叡「撃てーっ!!」

………………………………

………………

……
315 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:09:23.94 ID:13nlxHEOO
比叡「こちら比叡! 作戦、完了しました!」

提督「御苦労。こちらの被害状況は?」

比叡「はい! 当方の被害は皆無です! 敵基地は完全に沈黙」

提督「素晴らしい結果だ。よくやった」

比叡「いえ。私達が無傷なのは砲撃前に行った航空爆撃のお陰です。私達が砲撃をする時には、殆ど全ての砲台が破壊されていましたから」

提督「それも含めて全体の戦果だ」

比叡「はい」

提督「第一艦隊はコロネハイカラ島へ補給の為に一度寄港せよ」

比叡「了解しました!」

提督「補給完了後は暫く待機し、あと12時間以内にコロネハイカラ島ね到着する駆逐艦深雪と合流せよ。合流後は、先の戦闘で艦隊から外れた長波の代わりとして運用する様に」

比叡「了解しました!」

提督「何かあれば随時連絡をしなさい」

比叡「はい!」

提督「では、これにて通信を終了する」

提督(……ここまで順調に事が進み過ぎている……)

提督(このままではまずい。気を引き締めねばならないな……)

提督(…………無性に嫌な予感がする)

………………………………

………………

……
316 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/08/16(火) 22:11:02.37 ID:13nlxHEOO
今日はここまでです

夏イベが始まりましたね。現在E3の掘りで大苦戦中です。
皆さんも頑張って下さい。


また来ますね
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/16(火) 23:31:47.17 ID:m+xFAxIvo
乙です
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/08/17(水) 19:44:53.15 ID:aat8zZtr0
おつ
319 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:45:31.15 ID:CzQ8hMqJO
コロネハイカラ島

乗組員「全艦の修理、補給が完了致しました」

提督「うむ」

乗組員「他に何か私が出来ることはございますか?」

提督「後ほどもう一隻駆逐艦が来るのは覚えているか?」

乗組員「はい」

提督「その駆逐艦が到着した際、即座に補給と艤装の簡易修理が出来るように準備しておいてくれ」

乗組員「了解致しました! 失礼します!」

ガチャッ パタン

提督「さて……」

コンコン コンコン

提督「ん? 誰だ」

瑞鶴「提督さん、入っていい?」

提督「瑞鶴か。入れ」

瑞鶴「失礼します」

ガチャッ

提督「どうした?」

瑞鶴「提督さん、索敵に出していた彗星から報告」

提督「悪い知らせか? それとも良い知らせか?」

瑞鶴「良い知らせ」

提督「聞こう」

瑞鶴「深雪ちゃんが約50海里先まで来てるみたい」

提督「到着まで約2時間といったところか」

瑞鶴「そうね。深雪ちゃんが到着した時に備えて何かした方がいい?」

提督「今手配したところだ」

瑞鶴「流石だね」

提督「たまたまだよ」

瑞鶴「そう? それじゃ、私は哨戒任務に戻るね」

提督「頼む」

瑞鶴「うん!」

パタン

………………………………。
320 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:46:06.69 ID:CzQ8hMqJO
二時間後

響「……見えた」

雷「え? どこどこ?」

響「向こう」

雷「それじゃあ分からないわよ!」

電「見えたのです! 深雪ちゃんなのです!」

響「他の子達は……見覚えがないな。いや、あれは霞か」

深雪「みんな〜!! 間に合ったぜぃ!!」

風雲「待ってたわよ。……それで、後ろの人達は? 大湊の人達だよね?」

深雪「そうそう。えっと……」

鈴谷「こんにちは〜鈴谷だよ。賑やかな艦隊だねぇ……って熊野!!?」

熊野「熊野っ!? ではありませんわ! なんで貴女が護衛を?」

鈴谷「ま〜色々あってさぁ〜」

熊野「普通、輸送艦隊を護衛するは駆逐艦と軽じゅ…………まさか……」

鈴谷「そっ、そのまさかだよ」

熊野「それにしたって、そんな屁理屈が通るわけありませんわ!」

鈴谷「それが通っちゃうんだよね〜」

熊野「鈴谷や私が軽巡なのは書面上だけですわ!」

鈴谷「それがさ〜」

球磨「あ〜説明が長すぎるクマ! つまるところ、大湊では軽巡が足りないから軽巡の鈴谷を連れてきたクマ」

熊野「は…………?」ポカン

球磨「そんな事よりも、球磨達は提督に報告があるクマ。早く案内して欲しいクマ」

電「い、電がご案内するのです!」

球磨「電……特三型の四番艦だったクマね?」

電「はい、なのです!」

球磨「じゃあ、案内を宜しくクマ」

電「こっちなのです!」

球磨「みんな、球磨について来るクマ」

…………。
321 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:47:14.12 ID:CzQ8hMqJO
コンコン コンコン

電「司令官さん。大湊の艦娘の人達がお越しなのです」

提督「入れ」

ガチャッ

球磨「電のおかげで助かったクマ。ありがとクマ」

電「どういたしましてなのです!」

提督「電、ご苦労だった。そして、君は」

球磨「大湊鎮守府所属の球磨型軽巡洋艦一番艦の球磨です」

電「ふぇっ!!?」

提督「どうした?」

電「ご、語尾が……」

球磨「ああ、そういうことクマね。これはただ単にオンオフの切り替えクマよ」

電「わ、分かりました……なのです」

球磨「話がズレたクマね……」

球磨「御鎮守府所属の深雪の護衛として同行してきた者の紹介を致します」

電「…………」

球磨「球磨の左から順番に、最上型軽巡洋艦鈴谷、朝潮型駆逐艦朝潮、満潮、荒潮、霞。神風型駆逐艦、神風。睦月型駆逐艦、如月、弥生、皐月、水無月、長月です」

提督「協力に感謝する。それで、この後の事だが、大湊へいつ出立する予定か教えて欲しい」

球磨「その件に関しては、大湊の提督からの命令を読み上げます」

球磨「球磨を旗艦とした特別輸送艦隊護衛艦隊は、コロンバンガラ島への護衛任務を完遂後、SN作戦完了までの期間、一時的に横須賀鎮守府の命令系統に従事し、作戦遂行の助けとなれ」

提督「っ!?」

球磨「それとは別に、非公式の発言としての伝言もありますので、報告させて頂きます」

球磨「この貸しはいずれ返して貰うぞ。それと、我が艦隊の艦娘を沈めた場合は貴様は間宮海峡に沈んで貰う。その時は覚悟しておけ」

提督「…………肝に命じよう」
322 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:47:44.59 ID:CzQ8hMqJO
球磨「では、これより貴官の命令系統に加わります。ご命令を」

提督「まずは全艦補給作業を行え。この中に損傷した艦娘はいるか?」

球磨「皆無です。横須賀からコロンバンガラ島までの航路で一度も敵艦と遭遇せずに済んだので」

提督「念のために艤装の点検は済ませておけ。補給が終わり次第、我らはニューギニアへの侵攻を開始する」

球磨「了解です。あともう一点お伺いしたい事があります」

提督「なんだ?」

球磨「こちらの各艦娘の所属艦隊は如何なさいますか?」

提督「鈴谷を旗艦とした、朝潮、満潮、荒潮、霞の5隻を第八艦隊。球磨を旗艦とした、神風、如月、弥生、皐月、水無月の6隻が第九艦隊として動いて貰うつもりだ。お前達の事はお前達が一番わかるだろう。何か異論等があれば言ってくれ」

球磨「特にはありません。他の人は?」

鈴谷「う〜ん、鈴谷は無いかな〜」

朝潮「朝潮型は、司令官の指示に従います!」

神風「貴女達は大丈夫?」

如月「ええ。睦月型も問題無いわね」

提督「ならば、特に変更は無しで良いな?」

球磨「問題ありません。よろしくお願い致します」

提督「ならば、急いで補給をしに行って来なさい」

球磨「了解しました。では、失礼します」

パタン

………………………………

………………

……
323 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/09/16(金) 21:54:07.33 ID:CzQ8hMqJO
今回はここまでです

また来ますね。

因みに余談ですが、春イベは完走し新旗艦も全艦手に入れました。しかし多忙の為備蓄が全く追いつかない……
今日は浦波が実装されましたね。私のSSでは実艦として出している朝霧が実装される日が、そう遠くなさそうな気がします。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/16(金) 23:00:26.18 ID:LophSeLJo
乙です
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/09/17(土) 14:17:28.44 ID:okug6Vjk0
326 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/16(日) 21:46:48.21 ID:eG6UV8+vO
>322に修正がありますので、修正版を投稿します。
327 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:38:15.04 ID:+MbwwKJ2O
球磨「では、これより貴官の命令系統に加わります。ご命令を」

提督「まずは全艦補給作業を行え。この中に損傷した艦娘はいるか?」

球磨「皆無です。横須賀からコロンバンガラ島までの航路で一度も敵艦と遭遇せずに済んだので」

提督「念のために艤装の点検は済ませておけ。補給が終わり次第、我らはFS作戦へと移行。フィジー、サモアへの侵攻を開始する」

球磨「了解です。あともう一点お伺いしたい事があります」

提督「なんだ?」

球磨「こちらの各艦娘の所属艦隊は如何なさいますか?」

提督「鈴谷を旗艦とした、朝潮、満潮、荒潮、霞の5隻を第八艦隊。球磨を旗艦とした、神風、如月、弥生、皐月、水無月の6隻が第九艦隊として動いて貰うつもりだ。お前達の事はお前達が一番わかるだろう。何か異論等があれば言ってくれ」

球磨「特にはありません。他の人は?」

鈴谷「う〜ん、鈴谷は無いかな〜」

朝潮「朝潮型は、司令官の指示に従います!」

神風「貴女達は大丈夫?」

如月「ええ。睦月型も問題無いわね」

提督「ならば、特に変更は無しで良いな?」

球磨「問題ありません。よろしくお願い致します」

提督「ならば、急いで補給をしに行って来なさい」

球磨「了解しました。では、失礼します」

パタン

………………………………

………………

……
328 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:39:03.28 ID:+MbwwKJ2O
朝霧艦内

乗組員「只今ソロモン諸島海域を離脱しました」

提督「了解。方位北西。速度そのまま」

乗組員「方位北西! ヨーソロー!」

乗組員「中将! 前方を航行する艦娘より入電! 周辺に敵潜水艦及び艦載機の反応無しとのことです」

提督「念には念を推しておこう。アクティブソナーを使用後反応が無ければパッシブソナーを使用。その後は艦娘達と連携を取り対潜哨戒を徹底せよ」

乗組員「了解!」

乗組員「中将、緊急の報告です!」

提督「続けろ」

乗組員「秋津洲より入電。北西の敵艦隊は進路変更をし、キリバスのクリスマス島へ進行中との事です」

提督「クリスマス島……主要な基地などは無かった筈だが……」

乗組員「深海棲艦の新たな泊地になっているのでしょうか」

提督「可能性はあるが、確証がない以上断言は出来ない。しかし、困ったな……」

乗組員「いかがなさいますか?」

提督「敵の狙いが読み辛くなった。敵はサモアやフィジーの防衛に回るのか。それともソロモン諸島を奪還しに来るのか……」

乗組員「でしたら、フィジーで待ち伏せるのはいかがでしょうか?」

提督「ふむ…………待ち伏せをするのも良いかも知れぬな。お手柄だ」

乗組員「いえ! こちらこそ、私の案を採用して下さりありがとうございます!」

提督「私が考えている案よりもお前の案が良かったから採用した。それだけだ」

乗組員「はっ!」

提督「さて、そうなると……」

乗組員「外で活動中の艦娘にも連絡が必要ですね?」

提督「ああ。まずは秋津洲との通信をする。回線を開け」

乗組員「了解致しました……回線繋がりました」
329 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:39:35.49 ID:+MbwwKJ2O
提督「秋津洲、聞こえるか?」

秋津洲「聞こえるかも!」

提督「作戦が少々変更になった」

秋津洲「変更?」

提督「フィジー沖にて敵艦隊を待ち伏せし奇襲する。その為には秋津洲と二式大艇の役割が非常に重要になる」

秋津洲「……了解かも」

提督「今まで以上に詳細な情報を頻繁に送信出来るか?」

秋津洲「頑張るかも!」

提督「頼んだぞ。お前の情報が勝敗を分ける事になる」

秋津洲「了解!」

提督「では、報告を待っている」
330 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:40:05.17 ID:+MbwwKJ2O
提督「針路変更。目的地はフィジーだ」

乗組員「了解!」

提督「艦内放送をする」

乗組員「了解! 艦内放送の準備完了致しました」

提督「全艦娘に告ぐ。繰り返す、全艦娘に告ぐ。これより本館はフィジーへ向かい現在クリスマス刀剣へ移動中の敵艦隊を迎撃する。全艦の所属艦隊に変更は無い」

提督「作戦の詳細は追って連絡する。何か不明な事があれば私の元へ来るように」

提督「フィジー到着までは暫く時間がかかる。今の内に休める者は休んでおいてくれ。フィジーでの作戦では前準備などがあり忙しくなる予定だ」

提督「通達は以上だ」

乗組員「艦内放送切断致しました」

提督「御苦労。さて、我々は一仕事するか」

提督「今手が空いている者は私と共に下層階の網を取りに行くぞ。ありったけ出すぞ」

乗組員「了解!」

提督「さあ、始めよう」

………………………………。
331 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:40:43.86 ID:+MbwwKJ2O
フィジー沖

提督「全艦配置に着いたな」

瑞鶴「全艦娘、配置に着いてます」

提督「了解。秋津洲、敵艦隊の様子は?」

秋津洲「敵艦隊の針路に変更なし! こっちの潜水艦を警戒して軽巡1、駆逐艦5の水雷戦隊3隊が単横陣で進軍中かも!」

提督「本隊の進路に変更が無ければ問題無い。瑞鶴、瑞鳳。第一次攻撃隊を出せ」

瑞鶴「了解! 第一次攻撃隊発艦始め!」バシュッ

瑞鳳「艦載機のみんな、頑張ってね!」バシュッ

提督「第三、第五艦隊は敵艦隊へ向けて出撃」

初風「了解」

阿武隈「了解です!」

提督「この戦いは何としても勝つぞ」

全艦娘「はい!」

……………………。
332 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/10/17(月) 08:41:23.91 ID:+MbwwKJ2O
今日はここまでです

また来ますね!
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/10/17(月) 09:57:41.92 ID:LnqQd1eGo
乙です
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/27(木) 02:56:27.45 ID:Q3u1jimB0
>>330
>提督「全艦娘に告ぐ。繰り返す、全艦娘に告ぐ。これより本館はフィジーへ向かい現在クリスマス刀剣へ移動中の敵艦隊を迎撃する。全艦の所属艦隊に変更は無い」
物騒なサンタだ
335 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/11/17(木) 08:43:47.44 ID:HCE5ucyRO
今夜か明日更新予定です。
今しばらくお待ちを

>>334ご指摘ありがとうございます。
>>330 の該当箇所は、以下の文になります。

提督「全艦娘に告ぐ。繰り返す、全艦娘に告ぐ。これより本館はフィジーへ向かい現在クリスマス島沖へ移動中の敵艦隊を迎撃する。全艦の所属艦隊に変更は無い」

336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/20(日) 16:46:00.59 ID:Wo/4vVEU0
全裸待機3日目
更新待ってます
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/11/28(月) 03:38:30.33 ID:Nv7tHNFj0
いつ瑞鶴は君がすべてさBE MY BABY BE MY BABYアッフゥン‼︎するんですか
338 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/12/07(水) 23:48:52.38 ID:ZS5Yksj6O
お待たせしていて申し訳ございません

仕事が多忙の極みで死にかけていました……
ようやく少しの期間だけ落ち着きそうなので更新の準備を進めます

もうしばしお待ちを
339 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/12/13(火) 03:43:27.06 ID:tLCW3Dg0O
初風「瑞鶴さんから入電。瑞鶴さんと瑞鳳さんの航空隊が敵艦隊の駆逐艦2隻を大破に追い込んだみたいね」

天津風「普段の戦果と比べると少ないわね……偶然? それとも……」

初風「練度や性能が高いか、ね……」

嵐「まー、とりあえずぶっ放して倒すだけだよな」

時津風「わー過激な発言だね〜かっこい〜」

萩風「嵐! そんな簡単そうに言わないで! これは実戦。本当に危ないのよ!」

嵐「大丈夫、分かってるさ」

雪風「逆探に感あり!!」

初風「見つかった!?」

雪風「いいえ、まだ周期的な反応です……ううん、見つかりました……」

初風「電波の規模は?」

雪風「恐らく小規模……いや、大きい電波もこちらに向けて放射されています」

初風「もう見つかったか……敵の練度は高いのかもしれないわ」

初風「極々小さな違和感からこちらの艦隊を捕捉、さらには後方にいると思われる敵主力艦隊に打電。この対応の速さは尋常じゃない」

雪風「はい。雪風も同じ考えです!」

天津風「どうするの?」

初風「阿武隈さんの艦隊が挟撃出来る様に引き付ける。4駆は右方、16駆は前方の敵に中距離からの雷撃を仕掛けて敵の艦隊運動を乱す」

時津風「もーっと後ろの艦隊はどーするのさー?」

初風「潜水艦の二人に任せる」

舞風「わっかりましたー! 野分、萩風、嵐、踊るわよ!」

初風「無理は禁物。これ以上こちらの駆逐艦が減ったら艦隊全体が危険になる。回避先行で深追い禁止。これだけは肝に銘じなさい」

嵐「りょーかい!」
340 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2016/12/13(火) 03:54:13.84 ID:tLCW3Dg0O
舞風「敵艦、発見しましたー!」

野分「敵軽巡発砲始めました!」

萩風「大丈夫、まだ当たらないわ」

野分「敵弾着水!」

嵐「かなり後方に落ちたな」

萩風「多分最大飛距離からの発砲ね」

野分「多分」

嵐「のわっちはどうするんだい?」

野分「もう……のわっちって言わないでって……まあいいわ。流石にこの距離からの雷撃は無謀だから、もう少し接近するわよ」

萩風「砲撃はどうするの?」

野分「有効射程距離までは近付くつもり。舞風は大丈夫だろうけど、二人は大丈夫?」

嵐「どういう事だよ?」

野分「これからかなりの敵の砲撃が見込まれるわ。今回が初陣の嵐と萩風は大丈夫? 絶対に途中で止まったりしたら駄目だから」

舞風「怖くなったら踊ればいいよ!」

野分「それは舞風だけだから」

舞風「うぅ〜! いけず〜!」

嵐「ま、そういう意味なら大丈夫だろ?」

萩風「ええ。伊達に訓練を積んでいないわ」

野分「そう。大丈夫そうね」

舞風「うんうん! それじゃ、舞風行きまーす!」

野分「こら、舞風! 私たちも続くわよ!」

嵐「あいよぉ!」

萩風「はい!」
341 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:57:31.69 ID:FFDsHZNn0
舞風「敵軽巡発砲ー! ダンスするまであと三秒! それ、ワンツー!」クルッ

バシャーン!

萩風「きゃっ!」

野分「流石に着弾位置が近くなって来たか……」

舞風「嵐〜大丈夫?」

嵐「あ、ああ……」

舞風「野分、どうする?」

野分「艦隊第三船速まで減速! そのまま20秒後に最大戦速まで増速!」

舞風「りょーかいー!」

萩風「分かったわ」

嵐「了解だ」

バッシャーン!

舞風「あぁっ!」

野分「舞風!?」

舞風「足を挫いた……」

嵐「舞!」

舞風「大丈夫……! 野分、増速して!」

野分「…………艦隊増速!」

嵐「おいのわっち! 舞が足を怪我しているのに何を考えているんだよ!」

野分「っ…………」

舞風「嵐」

嵐「舞……」

舞風「いいの。心配してくれてありがと」

嵐「だけどよ……」

萩風「嵐、野分の事を責めないであげて。野分が一番辛いんだから」

舞風「うん。ありがとねのわっち」

野分「こんなところで沈んだら許さないんだからね」

舞風「うん。私は絶対に横須賀に帰るんだから!」

野分「頑張って舞風。こちらの射程圏内に敵艦隊を捉えた。各艦砲撃準備! 嵐と萩風は敵駆逐艦に砲撃開始。私と舞風は旗艦の軽巡へ!」
342 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:58:20.53 ID:FFDsHZNn0
嵐「仰角42.3度! 砲撃開始!」ズドン!

萩風「砲撃始めます!」ズドン!

舞風「舞風、砲撃いっきまーす!」ズドン!

野分「着だーん今! 敵艦の後方に着弾を確認。舞風の砲撃の仰角がこれくらいだったからこれくらいかな……」

野分「当たれ!」ズドン!

ズガン!

ホ級「!?」

野分「よし、目標への直撃を確認」

嵐「すげえ……」

野分「弾幕を張り続けて!」

野分「みんな、砲撃を続けながら聞いて。これより我が艦隊は敵艦隊へ中距離雷撃を行う。各艦魚雷発射管を左方に向けて」

野分「発射管の発射扇角は9度に設定。全艦魚雷を発射と共に取り舵いっぱい。全速力で退避する!」

舞風「了解!」

嵐「オッケー! 魚雷発射準備完了!」

萩風「萩風、発射準備完了しました」

野分「全艦、魚雷発射! ってえ!」バシュッ

野分「全艦取り舵一杯! 機関、両舷一杯! 第四駆逐隊はこれより戦闘海域より離脱する!」

舞風「っ……」

萩風「舞風、大丈夫……?」

舞風「うん、大丈夫だよ」

野分「舞風、もう少しだけ頑張ってね。後で応急手当てしてあげるから」

舞風「ありがとね野分」

野分「ううん。これくらい当たり前だから」

舞風「えへへ」
343 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:59:05.34 ID:FFDsHZNn0
嵐「お、敵艦隊の隊列が乱れ始めたぞ」

萩風「私達の魚雷に気付いたみたいね」

野分「うん。これで任務は果たせたわね」

舞風「魚雷当たるかな?」

野分「多分無理かな。あの距離で回避行動を取られたら当たらないよ」

舞風「ざんねーん」

嵐「ま、誰一人沈まないで任務を遂行出来たんだから、それだけでも御の字だろ」

萩風「うん。本当にそうね」

野分「あとは何事も無く退避出来れば完璧かな」

嵐「こっちは全速力で退避、敵は魚雷の回避で隊列がぐちゃぐちゃ。ま、ほぼ確実に追跡からは逃げられそうだな」

萩風「そうね」

嵐「あー帰ったら風呂に入りたいな」

野分「ほら、まだ戦闘海域の内側なんだから気を抜かないで」

嵐「ほいほい」

野分「舞風、嵐。九三式水中聴音機と三式水中探信儀で対潜哨戒をお願い」

舞風「了解ー!」

嵐「あいよ! 敵の潜水艦は見つけ出してぶっ殺してやるよ! 改装で新たに乗っけた九四式投射機と三式爆雷でな!」

野分「萩風は対空電探で敵航空戦力への警戒を。私は対水上電探で水上艦の警戒を行うから」

萩風「了解!」

……………………。
344 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 00:59:51.09 ID:FFDsHZNn0
舞風「……あれ?」

野分「どうしたの?」

舞風「のわっち、この音……」

野分「音? ……まさか」サッ

萩風「ど、どうしたの?」

野分「…………っ!?」

野分「魚雷推進音! 全艦増速!」

舞風「うん!」

嵐「野郎……何処から打って来やがったんだ……!」

野分「多分待ち伏せ! そんな事よりも早く逃げないと!」

舞風「うぁっ!」バシャン!

野分「舞風!!?」

舞風「あ、脚が……! 痛っ!!」

萩風「舞風! 魚雷が!!」

野分「舞風!! 逃げて!!」

舞風「ぐっ……! あぁぁぁぁぁ!!」

嵐「舞!!」

舞風「駄目……動けない……」

舞風「嫌だ……死にたくない……死にたくよぉ……野分……助けて、助けてよぉ……!!」

野分「舞風!! 今行くから!」

萩風「野分、今行ったら貴女まで!」

野分「もう舞風を目の前で喪う訳にはいかない! もう二度と繰り返さないって決めたんだ!!」

嵐「どけ野分!」ドンッ

野分「うっ! 邪魔をしないで嵐! 私は舞風を」

嵐「そんなのは二人揃って死ぬだけだ! 俺が助ける」

野分「三式爆雷……?」

嵐「標準装備の九五式とは違ってこいつは純粋な時限式だからな。野分、俺に任せろ」

野分「何を……まさか!?」

嵐「これでミスったら一生俺を怨んでくれていいぜ……今だ!おらぁぁぁ!!」ブンッ

パシャ………ズドーン!!
345 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 01:00:23.30 ID:FFDsHZNn0
嵐「舞! 生きてるか!?」

萩風「舞風!!」

舞風「私……生きてる……!」

野分「爆雷の着水地点と起爆時間を計算して魚雷を誘爆させた……嘘……」

舞風「野分ぃ……嵐ぃ……」

嵐「へへ、どうよ」

野分「舞風!! 良かった……!!」

舞風「怖かった……怖かったよぉ……!」

嵐「萩、あの二人は置いといて俺らは潜水艦を狩るとするか」

萩風「四式で私が敵の位置を探るから、嵐は爆雷で制圧をお願いね」

嵐「任せろ」

嵐「絶対全艦ぶっ殺してやるからよ!」

………………………………

………………

……
346 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/01/11(水) 01:03:02.90 ID:FFDsHZNn0
今回はここまでです

あけましておめでとうございます。
今年も超低速での更新になりそうですが、必ず完結させますのでお付き合いのほど宜しくお願いします。

では、また来ますね!
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/11(水) 09:55:45.55 ID:KQRq+Bplo
乙です
348 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/02/11(土) 21:29:46.14 ID:9A65DKlcO
乗組員「第五艦隊より報告です! 我、雷撃ニ成功ス!」

提督「戦果は?」

乗組員「軽巡1、駆逐艦3を撃沈。駆逐1を撃破です! 先の航空攻撃の戦果を含めれば駆逐艦3を撃破です!」

提督「こちらの被害は?」

乗組員「軽巡阿武隈及び駆逐艦雷、時津風が小破、駆逐艦舞風が中破です」

提督「大戦果だ。第三、第五両艦隊は後方に退却。損害を受けた艦は損害が軽い者から入渠をさせろ」

乗組員「了解!」

提督「比叡。仕事だ」

比叡「はい! 目標は変わらず敵水雷戦隊で宜しいでしょうか?」

提督「ああ」

比叡「了解です! 熊野と青葉は砲撃準備! 目標、敵水雷戦隊!」

熊野「了解ですわ! 零式水上偵察機を上げますわ!」

比叡「夕張と風雲、清霜、深雪は直ちに目標に向けて前進! 私達の砲撃完了後に敵残存勢力に接近、追撃を」

夕張「了解! 三人とも付いて来て!」

風雲「了解です!」

比叡「司令。航空戦力はどうしますか?」

提督「現在攻撃隊を発艦準備中だ。しかし目標は先とは変わって敵主力艦隊だ。その代わりに第九艦隊を敵水雷戦隊の後方に回り込ませる。これで敵艦隊は孤立する筈だ」

比叡「助かります、司令!」
349 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/02/11(土) 21:30:22.76 ID:9A65DKlcO
提督「第八艦隊は航空攻撃後敵主力艦隊の側面から突入。敵を撹乱後は反転しすぐ帰投せよ」

鈴谷「追い込んだ方がいいですか?」

提督「深追いは禁物だ。可能な限り交戦時間は短い方が良い」

鈴谷「了解!」

提督「第四艦隊は敵艦隊が航空隊との交戦を始めたら島影から敵主力艦隊の後方に移動。第八艦隊が交戦を始めたら射程範囲に全速で接近。敵の混乱に乗じて更なる追撃を行え」

川内「了解!」

瑞鶴「提督さん、攻撃隊発艦準備完了したわ!」

提督「秋津洲、戦闘海域内で敵航空機は確認出来ていないな?」

秋津洲「未確認かも!」

提督「瑞鶴と瑞鳳は直ちに攻撃隊を敵主力艦隊に向けて発艦。第八艦隊は移動を開始せよ」

球磨「了解」

瑞鶴「了解よ!」

比叡「第一艦隊、砲撃準備完了! すぐに撃てます!」

提督「第一艦隊、砲撃開始」

比叡「了解! 砲撃開始!!」

………………………………

………………

……
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/21(火) 10:29:45.18 ID:v+3alRfM0
乙です
いつも楽しみにしてます!
351 :全知全能の神未来を知る金髪王子様の須賀京太郎様 [二次元美少女達は金髪王子様の須賀京太郎様の嫁]:2017/02/21(火) 10:40:00.05 ID:+KsrNGks0
イケメン金髪王子様の須賀京太郎様の出番今こそヲ級SHIPで囚われた屈辱を果たすとき

京太郎「卍解須鎖之御のヲ級型改目インフィニティオッドアイズズァークドラゴン甲演習勝率100%」
352 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:20:50.00 ID:bkxidrRCO
夕張「目標肉眼で確認」

深雪「マジ!? まだみえないなぁ」

夕張「少しだけ私の方が背が高いからね〜望遠鏡で敵艦隊の様子をっと……」

清霜「いいなぁ! 清霜も大きくなりたい!」

風雲「戦艦になるのは難しいと思うわよ……」

ズドーン! ガンッ!

イ級「」

夕張「うわ……観たくないもの観ちゃった……」

風雲「……観たくないものとは?」

夕張「駆逐艦が爆発して肉片が飛び……」

風雲「いいです! もういいです! 聞きたくないですから!」

夕張「そう?」

風雲「冗談、ですよね……?」

夕張「どっちだろうね〜」

風雲「ひっ……!」

夕張「多分そろそろ三人にも肉眼で見えるんじゃない?」

清霜「見えた!」

風雲「ホント? あ、ホントだ」

深雪「見ぇ……見え……見えた!! ん?」
353 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:21:17.17 ID:bkxidrRCO
夕張「どうしたの?」

深雪「いや、敵艦隊の編成が聞いていたのと違うなって思って」

夕張「……どういうこと? 」

深雪「敵艦隊は人型がいないんだろ? 深雪には人型のみの編成が……」

風雲「人型のみって……嘘……重巡以上から成り立つ……嘘でしょ……!」

清霜「風雲姉さん……清霜達本当にそんなのと戦えるの……?」

夕張「ちょっと! ちょっとみんな落ち着いて!! 深雪ちゃん、敵の艦隊の方角は?」

深雪「進路から見て12時の方向に真っ直ぐ……正面の艦隊」

夕張「…………やっぱり軽巡と駆逐艦から成る水雷戦隊しかいないわ……」

深雪「いや、良く見て下さいよ! 真っ直ぐ行った先の艦隊を!」

夕張「風雲ちゃん、清霜ちゃん。望遠鏡で確認をして」

清霜「……駆逐艦と軽巡洋艦だけしかいないね」

風雲「同じく」

夕張「深雪ちゃん……貴女……」

深雪「嘘だ! じゃあ、この深雪様の目か頭がおかしくなったっていうのか!? 清霜、望遠鏡を貸せ! ほら、早く!」バシッ

清霜「あっ!」
354 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:24:02.44 ID:bkxidrRCO
お久しぶりです。

とうとう本当に書きたかった本編に入る事が出来ます。

また来ますね
355 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/03/11(土) 22:25:39.40 ID:bkxidrRCO
夕張「どうしたの?」

深雪「いや、敵艦隊の編成が聞いていたのと違うなって思って」

夕張「……どういうこと? 」

深雪「敵艦隊は人型がいないんだろ? 深雪には人型のみの編成が……」

風雲「人型のみって……嘘……重巡以上から成り立つ……嘘でしょ……!」

清霜「風雲姉さん……清霜達本当にそんなのと戦えるの……?」

夕張「ちょっと! ちょっとみんな落ち着いて!! 深雪ちゃん、敵の艦隊の方角は?」

深雪「進路から見て12時の方向に真っ直ぐ……正面の艦隊」

夕張「…………やっぱり軽巡と駆逐艦から成る水雷戦隊しかいないわ……」

深雪「いや、良く見て下さいよ! 真っ直ぐ行った先の艦隊を!」

夕張「風雲ちゃん、清霜ちゃん。望遠鏡で確認をして」

清霜「……駆逐艦と軽巡洋艦だけしかいないね」

風雲「同じく」

夕張「深雪ちゃん……貴女……」

深雪「嘘だ! じゃあ、この深雪様の目か頭がおかしくなったっていうのか!? 清霜、望遠鏡を貸せ! ほら、早く!」バシッ

清霜「あっ!」

夕張「比叡さん達の最終斉射が来るわよ! みんな一応気をつけて!」

深雪「絶対にあれは人型………いや、人……? ……艦む……」

ズドーン グシャッ!

深海棲艦?「ッァァァ!!」

深雪「ッ!?」

夕張「深雪?」

深雪「あ……あぁぁぁぁ……」

夕張「深雪ちゃん!? どうしたの深雪ちゃん!!」

深雪「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

………………………………

………………

……
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/11(土) 22:26:56.95 ID:bkxidrRCO
※355は※353の修正版です

何故後半が綺麗さっぱり消えたのか……
357 :ずいずい ◆9eWjFae4dI :2017/04/09(日) 20:40:14.89 ID:xJZ5dyiLO
近日中に更新予定です
358 :ずいずい ◆9eWjFae4dI [saga]:2017/05/09(火) 09:25:44.08 ID:GUEWtZ6LO
夕張「こちら第一艦隊夕張! 提督、応答願います!」

提督「どうした?」

夕張「深雪ちゃんが突然狂乱状態に陥り艦隊行動続行困難です」

提督「何があった?」

夕張「後方の比叡さん達の砲撃が敵艦に命中した途端に発狂をし始めました」

提督「つまり、初めての交戦で生死の恐怖を抱いてしまったという事か」

夕張「恐らくは……しかし、敵艦隊を発見した際にも不思議な事を話していました」

提督「不思議なことだと?」

夕張「はい。敵の軽巡と駆逐艦の事を重巡と誤認し、敵も艦娘だと言っておりました」

提督「……何?」

夕張「一部軽巡や重巡を戦艦と誤認するのはまだ分かりますが、人型ですらない軽巡や駆逐を重巡と間違えるのはおかしいですよね」

提督「そうなのだが、一番気になるのは……いや、今はそれを考えても意味がないか」

夕張「提督、私達はどうすれば?」

提督「夕張、今の深雪を護りながら交戦が出来るか? 出来るのならば作戦を続行する」

夕張「護りながらは無理ですが、駆逐艦の子が二人居なくなっても作戦は続行できます」

提督「分かった。深雪と清霜は艦隊を離脱して当艦まで撤退。夕張、戦線は任せたぞ」

夕張「お任せ下さい」
359 :ずいずい [saga]:2017/05/09(火) 09:26:34.87 ID:GUEWtZ6LO
夕張「清霜ちゃん」

清霜「はい?」

夕張「これから清霜ちゃんは深雪ちゃんを護衛しながら朝霧に撤退して」

清霜「えー! 清霜も戦いたい!」

夕張「これは命令よ。それにね清霜ちゃん。深雪ちゃんをこのまま連れて戦っていたら私達全員が死んじゃう可能性があるの。だからね、言うことを聞いて?」

清霜「うぇ〜……はい、分かりました……」

夕張「ごめんね」

清霜「戦いたかったな〜……」

夕張「またいつかそんな時が来るから」

清霜「はい……」

夕張「じゃあ、頼むわね。深雪ちゃんも落ち着いて。事情は提督に話してね」

深雪「あぁぁぁぁぁぁ、うぇあぁぁぁぁ!」

清霜「ほら深雪ちゃん、一緒に来て」クイッ

夕張「二人とも、気を付けてね……」

風雲「夕張さん」

夕張「大丈夫よ風雲ちゃん。私達二人でもこの任務は完遂出来るわ」

風雲「はい」

夕張「じゃ、送り狼作戦行くわよ」

風雲「なんかそのネーミング嫌です」

夕張「…………」

……………………

…………

……
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 14:48:04.82 ID:1BQFTyzAo
待ってました!
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