千奈美「ようせいさんとおねえさん」

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5 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:44:04.30 ID:JSZ2yX870

千奈美「志保って、あれで抜け目ないわよね。私たちの宣材ブロマイドとチェキ持っていったわよ」

アヤ「売り込む気満々じゃねーか」



こずえ「しほは、かわいくて、しっかりものー」

アヤ「まあ、アタシや千奈美に可愛げはねーな」

千奈美「そうね、私たちにはない雰囲気よね」

こずえ「しほは、あかるくて、やさしいー。すきー」

千奈美「べた褒めね。志保に聞かせてあげようかしら」

こずえ「あやが、いってたー」

千奈美「志保に聞かせて来よう」

アヤ「んんんんん」
6 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:44:48.92 ID:JSZ2yX870

千奈美「……何してるの」

こずえ「あや、ねむいのー? くっしょん、いいにおい…?」

アヤ「違うんだ、こずえ……アタシは大丈夫だから……だから千奈美やめろー」

千奈美「アヤ」

アヤ「……んだよ」

千奈美「顔真っ赤」

アヤ「んんんんんんん」

こずえ「あや、やっぱり、ねむいのー? でも、じたばた… くっしょん、すごくいいにおい…?」

アヤ「ち、が、う、けど」

千奈美「あ、やっと顔真っ赤になった」

アヤ「んんんんんんん!!」
7 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:50:19.31 ID:JSZ2yX870

千奈美「いった! 痛い! いくらクッションだって、アンタの力でぶつけたら痛いわよ!?」

アヤ「最初に真っ赤ッつったの嘘かよ!?」

千奈美「何が悪いのよ!」

アヤ「お前ッ!? 100%お前悪いだろ! お前、お前なッ!? ああもうー!」

こずえ「あやー」

アヤ「止めないでくれ、アタシは今、千奈美を叱らなくちゃいけないんだ」

こずえ「あやも、かわいいよ?」

アヤ「」

千奈美「おぉ……助かったわ、ありがと、遊佐ちゃん」
8 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:52:49.04 ID:JSZ2yX870

アヤ「ぐぐぐ。レッスンで疲れてるのになんでこんな目に」

こずえ「あや、がんばってたー」

千奈美「ある程度の努力は当然よ。で、お土産のお茶菓子は…… ご、ゴディバの大箱!?」

アヤ「え。それ高いんだよな」

千奈美「どんなに安くても3000円ってことはないわね」

アヤ「……うちじゃ買えない……」

こずえ「こずえ、これ、すきー… じむしょに、ときどき、おいてある…」

9 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:54:46.23 ID:JSZ2yX870

志保「お待たせー、チェキもサービスしてきちゃっ…… どうしたの二人とも?」

千奈美「……事務所の格差が何だっていうのよ。余裕よ、余裕」

アヤ「……フェス、ちょっと気合い入れていくわ」

こずえ「ふぁー… ふたりとも、たべないのー? しほ、どうぞー… おみせのひとにも、どうぞー…」

志保「ありがと、こずえちゃん♪ って、わ、うわ! ゴディバのグラン!? これ確か8000円くらいするよ!!?」

アヤ「は、はっせ……!?」

千奈美「想像を飛び越えてきた……!」

志保「私、ここの初任給で買ったよ。実家に贈る分と、自分一人で食べる分」

千奈美「想像を飛び越えてきた……!」

10 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:56:06.27 ID:JSZ2yX870

こずえ「あいどるは、ひとのめに、とまるしごとだから… みえも、だいじー…」

アヤ「あぁぁぁ耳が痛いぃぃぃ」

こずえ「れいこが、いってた…」

千奈美「これが大手と弱小の差……! マネージャーや事務員が高級店で手配してくれる事務所と、所属アイドルが通販サイトで業務用を発注する事務所の差……!」

志保「生々しいよ? やめようよ?」

アヤ「あ、思い出した。ヌーブラ欲しい」

千奈美「どういうタイミングで思い出してるのよ」

アヤ「通販サイトのくだりで……」

11 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:57:40.33 ID:JSZ2yX870

こずえ「つうはん… ぐっずに、さいんしてる… ときどき、おてがみもかく…」

アヤ「こずえのサイン可愛いよなあ」

志保「あ。そうだよアヤちゃん千奈美ちゃん、うちわにサインしてよ」

千奈美「何枚?」

志保「二人で200ずつ。フェス公式と事務所が半々」

アヤ「事務所のサイン入り余ってたろ。200も増やしたら、また余るんじゃねーの……」

志保「足りなくて買えないファンが出ちゃうよりはいいよ! 余ったらカフェで配ろう!」

千奈美「身も蓋もないわね」

こずえ「ふぁー…? こずえ、ごひゃくまい、さいんしたよー…、あまるのー?」

千奈美「……遊佐ちゃんは余らないんじゃないかしら」

アヤ「アタシだったら五枚買う」

志保「こんな太いファンが欲しいです」

千奈美「私たちじゃ、よっぽどアピールしないと作れないわね」

12 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:58:12.02 ID:JSZ2yX870

こずえ「あやたちのじむしょは、ふしぎ…」

志保「確かに、カフェ経営してるのは変わってるかも?」

こずえ「ひろくないけど、ひろーい…」

千奈美「人がいないものね」

こずえ「あやと、しほと、ちなみと、しょちょうさん」

アヤ「そう。あとはカフェのバイトさんが数人」

こずえ「かふぇ、きれい… ふく、かわいい…」

志保「えへへ、でしょー?」

こずえ「あやとちなみは、きないの?」

千奈美「そうね、夜入ってる。お茶終わったら着替えるわ」

アヤ「アタシは、今日はシフト入ってないんだ」

こずえ「あやは、きないのー…?」

アヤ「……あー、うん。着るよ。見せるだけだよ、今だけな?」

志保「アヤちゃん、こずえちゃんには甘いんだね。いいなぁ♪」

13 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 14:59:23.39 ID:JSZ2yX870

こずえ「あらーむ、なってるー…」

アヤ「もうそんな時間か。じゃあこずえ、マネさんとこ行こう」

千奈美「私たちも挨拶しておきましょ」

志保「はーい。あ、お返しはもうお渡ししたから大丈夫だよ」

千奈美「どれにしたの?」

志保「パウンドケーキ一本」

こずえ「けーき…? ありがとう、ございます…」

アヤ「今日はありがとうな、こずえ。礼子さんたちにもよろしく」

こずえ「こんどは、さんにんで、あそびにきてー…」

千奈美「ええ、是非。フェスが終わってからかしらね」

アヤ「じゃあアタシ、こずえのマネさんと軽く次回の打ち合わせしてから戻るから」

こずえ「ようせいさんとおねえさんを、よろしく…」

千奈美「ぷふっ」

アヤ「千奈美ィ!」

14 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 15:40:09.10 ID:JSZ2yX870

千奈美「あー笑った笑った。それにしても、アヤがあの遊佐ちゃんと組ませてもらえるとはね」

志保「うちみたいな弱小、フェスのメインMCだけでも大仕事なのに」

千奈美「メインMCはいいのよ。事務所間で持ち回りなとこあるから、競争率は高くなかった」

志保「そうは言っても、うちはさ、その……政治力? あるわけじゃないもの。そこは千奈美ちゃんの実力だよ」

千奈美「ありがと。ま、MCにもステージあるから。チャンスだと思って、しっかりアピールしてくるつもり」

志保「千奈美ちゃんが歌うの夜なんだよね。青リウム物販に入れておかないと」

千奈美「赤は?」

志保「入れないつもり。アヤちゃんも今回は青い衣装だし、そもそも明るいうちしかユニットでの出演ないし」

千奈美「遊佐ちゃんの都合ね」

志保「小学生だから……」

15 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 15:40:40.85 ID:JSZ2yX870

千奈美「ま、昼間でも振りたい、買いたいファンがいてくれることを期待して、青を少し多めに持っていけば」

志保「そうするー。もらった名刺しまっちゃうね」

千奈美「遊佐こずえ担当マネ。裏書きオッケーよ」

志保「日付抜けてるよー。んー、ジューシーパーティさん、知り合い増えてきたね」

千奈美「今のところいちばん多い? ……まあ、お世話になりっぱなしだわ」

志保「仕事だけじゃなくてプライベートでも声かけてもらえて。高橋様々、あい様々だよ……」

千奈美「それにしても、遊佐ちゃんがジューシー所属ってのは意外よね」

志保「それ、初めてこずえちゃんのプロフィール見たときも言ってたよ?」

千奈美「そういえば、そんな話したわね。『遊佐ちゃんと相性いいみたいだし高橋さんとはコネありでしょ』って」

16 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/11(木) 15:41:29.59 ID:JSZ2yX870

志保「こ、コネ……」

千奈美「プロジェクト初期にユニット組ませてもらった縁を今まで引っ張ってるんだから、コネでしょ」

志保「私もバリ島とかメイドとかでお世話になってます!」

千奈美「私は違うけどね」

志保「ぶーぶー! 嘘だー、浜川さんジューシー所属でしょー!」

千奈美「アレはコネじゃありませんー! 偶然共演してから仲良くなったんですー! ぶーぶー!」

志保「それコネじゃないですかーーー! やだー!」

千奈美「そんないっぱいコネあったらもっと売れてますー!」

志保「……うん」

千奈美「……」

志保「……そう、そうだよねえ……」

千奈美「……休憩、終わりましょ。ディナーシフトの準備するわ」

志保「……私、水出し器片付けてくるね」

――――


レギュラーはアヤ志保千奈美です。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。
リクエストを受けて書いたり、リクエストとは関係ない話を書いたりします。

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/11(木) 17:38:30.06 ID:wqdMdT6ro
なんという俺得人選
すばらしい
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/11(木) 17:53:50.68 ID:GQGwDcAqO
ようせいさんとおねえさんは劇場でも可愛かったな…
リクエストありなら、D.L.F.8(五十嵐・松山・小室)で打ち合わせとかお願いします
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/11(木) 18:26:01.45 ID:YX3kr8Iyo
こういう設定好き!是非とも続けていただきたい

プロジェクト初期に云々ってくだりが面白い解釈だな
まぁ「今は無い」ってことでもあるけど
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/09/11(木) 23:49:26.42 ID:d27+ou7v0
志保ちゃんだけじゃなくて、きりのんと千奈美さんまで給仕してるカフェとか、絶対通うわ

設定が小出しにされるタイプの話かな
続けていいのよ
21 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:18:31.03 ID:6+lWJyMa0
千奈美「おはよう」

志保「おはようございます♪」

久美子「おはよ。今日は槙原さん付き添い?」

千奈美「いや、私一人よ」

志保「私はこれから委員会の最終確認会です! 物販担当なので」

久美子「え、所長さんじゃないの?」

志保「これが、所長は委員で裏方なんですよね……」

久美子「あぁ、その……大変ねえ……」

千奈美「人少ないってのはそういうことだから、慣れっこよ」

志保「物販さばくのは得意ですから!」

千奈美(……アイドルがそれはマズい気がするけど……)
22 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:19:10.91 ID:6+lWJyMa0

久美子「変なこと聞くけど、貴方たちのところ、物販の準備できてるの?」

志保「任せてください♪ もう、売り物もアルバイトも手配済みですよ」

千奈美「余裕よ。私たち、これでやってきてるんだから」

久美子「まあ、そうなんだけど。そもそも外野が言うものでもないし」

千奈美「じゃ、行きましょ。私たちも今日でラストよ」

久美子「そうね…… それじゃ、槙原さん。次は現場で」

志保「はーい、いってらっしゃいませ♪」
23 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:20:29.25 ID:6+lWJyMa0
――――

響子「おはようございます!」

久美子「おはよう、響子ちゃん」

千奈美「おはよ。……あら、マネージャーさんは?」

響子「私だけ置いて、とんぼ返りです。今回のフェス、うちの事務所すっごく忙しいみたいで……」

千奈美「今回も、な気がするけど。出演10人だっけ?」

響子「えーっと……9人ですね!」

久美子「多いわよねぇ。そのトップに名前が挙がってるんだから、プレッシャーだったりする?」

響子「最初聞いたときは、やっぱり。でも、三人でやらせてもらって、楽しかったです」

千奈美「『楽しかった』は本番まで取っておきなさいよ」

響子「そっか、そうですよね。まだまだ楽しみますね!」
24 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:21:22.47 ID:6+lWJyMa0

千奈美「そう、笑顔でね。それじゃ、スタジオ入りする前に、変更された振り付けおさらいしちゃいましょ」

久美子「オープニングとエンディングのシークエンスも、ちょっと変わるって聞いたけど?」

千奈美「それ影響するのほとんど私だから、通すときに見てくれればいいわよ。最初の立ち位置変わるだけだし」

響子「私たちの入りは変わらないんですね」

千奈美「そういうこと。それより振り付け大丈夫? Bメロのリズム難しいのに、無茶言ってくれるわよね」

久美子「私は手のフリ少し変わっただけだから、もう平気よ」

響子「私も、ステップ変わらないので、一週間で何とかできました」

千奈美「……今日足引っ張ったらごめんね」

響子「だ、大丈夫ですよ!?」

久美子「弱気? らしくないんじゃない? ふふふっ」

千奈美「うわっ、カチンと来たわ。やるわよ」

響子「えっ、えっ!?」

千奈美「ああ、もちろん響子には感謝してるわよ? このユニットのセンターができてよかった、って思わせてあげる」

響子「よかった! 頑張りましょうね♪」
25 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:21:55.72 ID:6+lWJyMa0

――――

久美子「はぁー…… これで、後は本番を残すのみ、なのね」

響子「ライブの本番前って、いつもドキドキしますよね。同じくらい楽しみですけど♪」

久美子「いちばん注目されてる当人がこれなんだから、敵わないわ」

千奈美「大舞台の経験の差かしら? ま、楽しみましょ。ファンのためにもね」

響子「え、えへへ…… 支えてくれた皆さんに恥ずかしくないように、頑張りますね!」

久美子「あっ、まぶしい……!」

千奈美「……ピュアさが違う……!」
26 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:24:07.29 ID:6+lWJyMa0

――――

響子「マネージャー、迎えに来られるのちょっと遅くなるって。移動してもいい、とは言ってますけど」

久美子「あら。じゃあどこかでお茶でもして待つ? 千奈美ちゃんは?」

千奈美「私事務所戻らないといけないのよね。久美子は?」

久美子「私は直帰。んー…… 響子ちゃん、一緒に千奈美ちゃんたちのとこ行かない?」

千奈美「今日のディナープレートはインドネシア風です」

響子「どうしよう、行きたいけど逆方向だし…… 寮の門限はマネージャーさんに言えば大丈夫なんですけど」

久美子「きっと今日なら千奈美ちゃんがサービスしてくれるわよ!」

千奈美「無責任なことを。ま、多少はね」

響子「うぅん。……電話してきます!」
27 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:24:49.96 ID:6+lWJyMa0

――――

千奈美「ま、こうして電車乗ってるだけだと、ただの大学生ね」

久美子「どっちかっていうと、高円寺辺りのアパレル店員みたい」

千奈美「実際はカフェ店員の勤労学生なんだけど」

響子「そこはアイドルって言ってください!?」

千奈美「もちろん、自覚はあるわよ。服のグレードは上げたし、姿勢は意識するようになった」

久美子「そうそう。“24時間365日、誰に見られてもアイドルたるべし”ね」

千奈美「シンデレラガールズ宣誓条文。第何条?」

久美子「えっと…… わ、忘れちゃった」

千奈美「自覚が足りないわね」
28 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:25:25.23 ID:6+lWJyMa0

久美子「……答えは?」

千奈美「……」

響子「……あの。それ、前文です」

千奈美「自覚が足りなかった……」

久美子「……ぐうの音も出ない……」

響子「あっ、えっ、その……!? そ、そうだ、私もこの間『もっとイイところの服着なさい』って言われました!」

久美子「むむっ。じゃあ本番跳ねたら銀座にでも行ってみる? まだ夏休みだし」

響子「わ、行ってみたいです! 私一人じゃ行くに行けないですし、久美子さんたちにレクチャーしてもらえるなら心強いです」

千奈美「私も付き合いたいな。いいわよね?」

久美子「最初からそのつもりよっ」
29 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:26:10.31 ID:6+lWJyMa0
――――

久美子「事務所が駅近物件って、いいわよね。羨ましい」

千奈美「急行止まらない駅だから安いんじゃない?」

響子「そんなに違うんですか?」

千奈美「今のマンション借りる時調べたけど、一万円くらい違ったわよ」

響子「千奈美さんって、ルームシェアしてるって言ってましたよね」

千奈美「そうよ。アヤと志保とね。響子はガールズの共営寮でしょ? ……他事務所の人と毎日会うってのも何だか落ち着かなくない?」

響子「あはは…… もう慣れました。事務所は違っても、仲間で同僚でライバルですから」
30 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:27:06.61 ID:6+lWJyMa0

久美子「いいなあ、寮とかルームシェアとか。楽しそう」

千奈美「入ればいいじゃない」

久美子「ピアノがないと物足りないの。寮だと自分のピアノは持てないでしょ?」

千奈美「贅沢な悩みね……」

響子「防音スタジオにはありますけど、誰かしら、歌とか楽器とか練習してますね…… と、着きましたー!」

千奈美「はい、いらっしゃいませ。私、二階に顔出さないといけないから。注文は自分でしてね」

久美子「適当だわー。適当ー。フェスの二日間を、一緒に過ごすっていうのにー」

千奈美「アイドルがしちゃいけない棒読み!」

久美子「それじゃ、お邪魔しまーす」

響子「お邪魔します♪」
31 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:27:58.10 ID:6+lWJyMa0
――――

アヤ「いらっしゃいませ、お客様。お二人様ですか?」

久美子「はい、二人で。桐野さん、お久しぶり」

アヤ「あれ、松山さんと五十嵐さんか。わざわざ寄ってくれたんですね、ありがとうございます」

久美子「最後のレッスン終わったから、本番前の景気付け、ってところかな」

アヤ「アタシは今日はこの通り店番なんで、あんまり話せないですけど。ゆっくりしてってください」

久美子「そうさせてもらうわね。ディナープレートセットのAでお願い」

響子「私、メニュー見て選ばせてもらっていいですか?」

アヤ「勿論。お席ご案内しまーす」
32 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:30:07.97 ID:6+lWJyMa0

――――

千奈美「はーい、お疲れ様。二人のオーダー、なんだって?」

アヤ「プレートAとミネストローネセット。お前どうすんの。賄いプレートで持ってく? ナシチャンプルだけど」

千奈美「何だったっけ…… あ、インドネシアの混ぜご飯ね。じゃあ作って持っていくわね」

アヤ「ところで何探してんだ。なんかサービスしたいの?」

千奈美「よし、どうぶつクッキー残ってる」

アヤ「げ。それ出すの? お客さん普通に入ってんのに! 身内だけじゃないのに!」

千奈美「『アヤちゃん手作りの、どうぶつクッキーのサービスです』ってお客さん全員に配ればいいわよ」

アヤ「カタチ悪いんだけど! 熊だかタヌキだかわからなくなっちゃってるけど!」

千奈美「それも手作り感の演出になるじゃない。ガタガタ言わないで作っちゃってよ」

アヤ「やだよー うわー」
33 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:31:20.23 ID:6+lWJyMa0

――――

久美子「ナシゴレン美味しい!」

千奈美「アヤが珍しく拘ってるから。みんなが作れるようにレシピ起こしたのは志保だけどね」

響子「ミネストローネも美味しいですね。参考になるなあ……」

千奈美「多分所長のレシピかな。後で送ろうか?」

響子「わ! 嬉しいです!」

久美子「この間のあんかけスパゲッティは?」

千奈美「あれは私」

響子「じゃあ、このパンケーキプレートは?」

千奈美「志保ね」

久美子「煮込みハンバーグ、ハヤシライス」

千奈美「所長か厨房のバイトさんだと思う」

響子「……味噌カツサンドってもしかして」

千奈美「私」

久美子「肉団子スープの麺も出してたわよね?」

千奈美「アヤが担当したときね」
34 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:32:22.70 ID:6+lWJyMa0

久美子「なんか解ってきた…… このタワーパフェシリーズは槙原さん?」

千奈美「正解。所長が『現役アイドルが働いてるカフェなんだから、キャラクター性出したほうが絶対いい』って」

久美子「千奈美ちゃんがいちばん迷走してる気がする……」

千奈美「別にみゃーみゃー言わないわよ? それ言ったらアヤなんて大変だったんだから」

響子「え。どうだったんですか?」

千奈美「筑前煮とか棒ラーメン? とか。そんなのしか思い付かないって」

久美子「えっ…… 何それ……」

千奈美「九州ではメジャーなインスタントラーメンなんだって」

響子「筑前煮は美味しいと思いますけど、こういうお店には、ちょっと……」

千奈美「で、苦心惨憺の末に東南アジア系に行き着いた感じ」
35 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:33:00.62 ID:6+lWJyMa0

久美子「アイドル、アイドルって何かしら……」

千奈美「朝仕込みしながらモーニングの店番して、大学行って、レッスンか現場かカフェでお仕事」

響子「は、ハード、ですね……!?」

千奈美「悪くないわよ。変な話、生活の心配しないでアイドル活動できてるんだから」

久美子「あー…… そっか、就職も考えなくていいから、三年四年でもじっくり単位取れるのね」

響子「アイドルとしての拠点があるって、なんだかいいな……」

千奈美「守るばかりで攻められていないのも、事実だけど。現に、シンデレラガールズ内での注目度はそんなに高くない」

久美子「うーん…… まあ、そうねえ……」

千奈美「ましてや、響子みたいなトップグループにはとてもじゃないけど及ばない」

響子「え、いや、そんな……」
36 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:34:26.76 ID:6+lWJyMa0

久美子「……下手に謙遜しないほうがいいわ。人気は水物っていうけど、上下は確実に出来ちゃうんだから」

千奈美「それでも足繁く来てくれるファンもいるし、この店で私たちのファンになってくれた人もいる」

響子「……」

千奈美「まだまだこれからだし、もっと走りたい、って思ってるのよ。だから、今度のステージ、凄く楽しみ」

響子「! はい、そうですよね!」

久美子「危なかったー、折角の景気付けのつもりだったのに、キツめの話に終始したらどうしようって」

千奈美「雰囲気くらい察してるわよ。覚悟を見せておきたかったの」

響子「……ありがとうございます。お二人に脇を固めてもらって。なんて言ったらいいかな。……うん。嬉しい、です」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/17(水) 02:34:58.20 ID:iW0KjTAMo
千奈美の名古屋メシ推し好きww
38 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:35:06.50 ID:6+lWJyMa0

――――

千奈美「すっかり話し込んじゃったわね。マネージャーさん来るまで気付かないなんて不覚だったわ」

響子「うわぁ、仕事以外で門限こんなに超えたの久しぶりです……」

久美子「半分くらいは仕事扱いでもいいと思うんだけど…… 大丈夫なのよね?」

響子「はい、そこは平気です。またお邪魔させてください。……いつになるか解らないですけど」

千奈美「いつでもいいわ。仕事で来てくれてもいいのよ?」

響子「なるほど、その手がありますね!」

久美子「ふふっ、楽しみが増えたじゃない。それじゃあ、みんな。次は本番で!」

響子「はい! お疲れ様でした! 本番も頑張りましょうね!」

千奈美「お疲れ様、今日はありがと」

響子「あと、桐野さんにもお礼伝えておいてください。猫ちゃんのクッキー、可愛かったし美味しかったです♪」
39 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/17(水) 02:48:17.15 ID:6+lWJyMa0

――――

千奈美「ですって」

アヤ「……あれ、熊なんだけど……」

千奈美「あっはっはっはっは」

アヤ「笑うなよ!? つーか暇してんならクローズ手伝えー!」

千奈美「手伝ってるじゃないの。ところで志保は?」

アヤ「お前が遊んでる間に、二階で所長と書類やっつけて帰ったよ」

千奈美「あれ、じゃあ所長まだ上?」

アヤ「さっき賄い持ってったらビール飲んでた。チキンサテ投げつけてきた」

千奈美「全部ひどい」

アヤ「んで、所長は泊まるとさ。明日のオープンとモーニング任せていいらしいぞ」

千奈美「へぇ。それじゃ、ありがたくゆっくり来させてもらいましょう」

アヤ「だなー。……うし、終わり。水出し器セットして終わりだから頼んでいいか?」

千奈美「はいはい。着替えてらっしゃい。帰りにコンビニ寄りましょ、スイーツ買いたい」

アヤ「志保に確認しとけよ? まーた被るぞ!」

千奈美「『冷蔵庫の棚が一段スイーツで埋まってるのってさ、なんか凄いよね! ロックじゃない!?』」

アヤ「それこないだの合同レッスンのときのだりーなじゃねえか!! ロックじゃねえよ!?」

千奈美「あはは……   ねえ、アヤ」

アヤ「ん?」

千奈美「フェス、楽しみね」

アヤ「……ん。楽しみ」

――――


レギュラーはアヤ志保千奈美です。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。
リクエストを受けて書いたり、リクエストとは関係ない話を書いたりします。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/17(水) 03:32:20.35 ID:bYrbynayO
ファミレス社員だった頃を思い出した。はねるとか、>>1は役者とか劇団員の内情に色々と詳しそうな人だな。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/17(水) 08:01:39.33 ID:y/nodI8yO
なんだろ、なに、この…
鬱要素は特に見当たらないのに、じわじわと胸締め付けられる感じが…
続きをくれぇ…
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/17(水) 08:47:01.73 ID:7DSsJrpnO
>>41
バイト掛け持ちしながら必死で舞台やってる売れない
劇団員の哀愁みたいなものを感じるな。
リクエストというほどでもないが、クールの19歳はふみふみとか
音葉さんとかキャラ濃いのが多いから、その辺はどんな感じか
興味あるな。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/17(水) 09:48:12.29 ID:sDkIRTi60
色んなプロダクションが参加してる合同プロジェクトで、
とあるプロダクションの日常って感じかな?
ゲームのシステム的にはSSでよくあるモバPが一人で約200人のプロデュースするより、
こういう感じの方が近い気がする 続き待ってます
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/17(水) 17:06:43.03 ID:nEI8L1lGO
こういう雰囲気のすごく好き
全員が全員トップアイドルじゃないけど、みんな頑張ってアイドルやってるっていい
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/17(水) 18:22:43.68 ID:NTXLiDyNo
ゲームに近い感じの設定のSS好きだな、もっと増えて欲しい
1人で200人って言われても150人以上が帳簿上の存在にしかならないし

興味ない子が居るのは別に構わないんだけどな、当たり前だし
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/09/17(水) 18:49:03.23 ID:wjNLRW4R0
ゲームっていうか本家のP入社前に近い気配する。

専属のプロデューサーどころかマネージャーもいなくて、勤労学生しながら、アイドルにしがみついてる…
苦労人しかいない…う、おなか痛くなってきた…でも悪くない…これ好き…
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 02:39:38.46 ID:9DQAhDtEo
自然な会話は下地を作ってあるからだろうか。年下の子が上のランクにいることを意識しての人間関係とかドキドキします
リクエスト受けてもらえるのなら朋ちゃんを是非
48 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:07:30.78 ID:4eHCrvm/0

――――

志保「……千奈美ちゃん、大丈夫かな」

アヤ「……アタシが知るかよ」

志保「そういう言い方って!」

アヤ「じゃあどうしろってんだ!」

志保「……どうしようもなくても、心配くらいしないの?」

アヤ「してるに決まってるだろうが! 現場見てたのアタシだっつーのに!」

志保「う、うぅ」

アヤ「……ガヤガヤ言うことじゃないんだよ」

志保「だとしてもさ……やっぱり、先に帰って千奈美ちゃんの様子……」

アヤ「一人にしてくれ、って言ってたの聞いたろ」

志保「……うん。……あのさ、アヤちゃん」

アヤ「ん」

志保「収録は問題なく終わった、って。所長から聞いてたんだけど」

アヤ「表向きはな」

志保「詳しく聞かせてもらっていい?」

49 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:08:54.88 ID:4eHCrvm/0


“サイレントウィンド”の二人とは、実質初めて一緒に仕事したんだけど、千奈美が、その片方を知ってたんだよ。

梅木音葉。松山さんと同じ大学で、シンデレラに参加する前からピアノでも歌唱でも賞取りまくってたらしい。

それが何で、コーラスに千奈美を名指ししたのか、結局アタシも、直接は聴けてない。……でも察した。

うん。収録で何があったか、だよな。結論から言うと、普通に収録しただけなんだけど……

50 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:11:07.51 ID:4eHCrvm/0

――――

アヤ「背の高いほう、梅木さん? すげー声量だな。鷺沢さんの声と被せたら消えないか、あれ」

千奈美「いや、声質が噛み合ってるから、却って通るんじゃないかしら。調整らしき相談はしてたけど」

アヤ「で、千奈美はどうよ」

千奈美「……どうかしらね」

アヤ「んん? いつもみたいに『余裕よ、余裕』って言わないの?」

千奈美「……」

アヤ「……黙らないでくれよ」

千奈美「……読めないのよ。どういうつもりなのか」

アヤ「ディレクターとか梅木さんとかに聞けばいいだろ」

千奈美「私のデモ音源聴いて、バックコーラスに置いた上にいつも道理に歌って欲しいとか。意味解らないんだもの。主張強くてコーラスには合わないことくらい簡単に想像できるのに」

アヤ「なんか思うとこあるんじゃねえの?」

千奈美「そんなの解ってるわよ。それが読めないから困惑してるのよ」
51 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:13:48.59 ID:4eHCrvm/0

音葉「……小室、千奈美さん」

文香「お疲れ様です……」

アヤ「おぅ? ああ、お二人さん、お疲れ」

千奈美「同い年でしょ、さん付けは要らないわ。私もそうするから」

文香「私にとっては……これが自然体です…… 千奈美さん。コーラス、私のことはお気になさらなくて、構わないですから……」

音葉「……貴方の奏でる旋律、期待してる」

千奈美「元よりそのつもりよ。音響さんからも貴方たちのプロデューサーからも、全力でいいって聞いてるから」

アヤ「はい、そろそろ休憩終わるぞ。準備しときなよ」

文香「そうみたい、ですね…… それでは」

音葉「また、後で……」

アヤ「はいよー。……お前ホント遠慮ないね」

千奈美「仕事一緒にやるんだもの、ましてや歌よ。そうでないならもう少し様子見るわ」

アヤ「ホントになー。んじゃ、アタシも向こうでPV撮影の打ち合わせしてくるから。また後で」

千奈美「はいはい。よろしく。……ま、要求通りにやってみましょ」

52 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:16:37.32 ID:4eHCrvm/0

――――

アヤ「で。これが件の音源」

志保「うわあ、本当に特筆すべきことは起きてなかった!」

アヤ「中に秘密が隠されているのだのだのだ……」

志保「一人エコー?」

アヤ「ホラーっぽくない?」

志保「聴いていい?」

アヤ「だいたい1分からが千奈美のバックコーラス入り。前メロの40秒くらいからだと解りやすい……ほれ」

志保「うん、うん…… …………」

アヤ「それ、ノイズキャンセルかけただけのノーカットだぞ。ほぼ録って出し」

志保「……? ……?? ……うん、凄くいいコーラスになってるよ? 千奈美ちゃんの歌声、尖るのにね」

53 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:19:30.45 ID:4eHCrvm/0

アヤ「録って出しって言っただろ。千奈美の歌声、音量調整以外の加工されてないんだよ」

志保「え? えっ、嘘でしょッ!? これ…… え、これどうやったの? 梅木さんの歌??」

アヤ「多分。千奈美のガツッとした歌い方がコーラスになるように合わせてきた、んじゃねーかな」

志保「……向こうの巧さを引き立てる当て馬?」

アヤ「そういうこと考えるなよ。悪意はない、悪意はないんだ。出来るからやってみた、だけのはずだ」

志保「うぅ…」

アヤ「……千奈美が悔しがったのは、力不足を感じたから。それだけ」

志保「当人たちはそうかもしれないけど……」

アヤ「そうだって、思っとこうぜ。ただのチャレンジだったんだろ」

志保「最初からこう作るつもりでゴーサインを出したんだとしたら、ディレクター? プロデューサー? は、あんまり……」

アヤ「そこはなぁーーー…… 趣味がいいとは、言えない、のかな……」

志保「……あ、なんか私も悔しいかも」

54 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:22:22.08 ID:4eHCrvm/0

アヤ「仕事には真摯だったぞ。実際、PV撮影は楽しみな感じになったしなー」

志保「そうだね……お店も私たちも使ってもらえるんだもんね。間違いなくチャンスだよね?」

アヤ「そうそう。チャートインしたらTVで流れたりする!」

志保「地上波! 地上波! 動画チャンネルじゃない! んんー、がんばるぞー! 見返すぞー!」

アヤ「……二年目はもっと増えるといいな」

志保「増やしたいよね。……一緒に頑張ろうね」

アヤ「うん。……さっきキツく当たってごめん」

志保「へっ? えへへ、もう忘れちゃった」

55 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:26:01.64 ID:4eHCrvm/0

アヤ「そか。ありがと。……千奈美、晩メシ持って帰ったら食うかなあ」

志保「どっちみち、明日は定休日だもん。仕込みの余り持って帰らないと」

アヤ「あんまり残ってない」

志保「所長がほとんど抑えてるね。職権濫用だあ」

アヤ「食ってやろうか」

志保「泣くんじゃないかな?」

アヤ「泣かせてやろうか」

志保「そんな悪い子だったなんて。明日デートにお誘いしようと思ってたのに?」

56 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/18(木) 04:36:45.82 ID:4eHCrvm/0

アヤ「三人で出掛けてデートもないもんだ。……三人だろ?」

志保「三人でしょ? スイパラ行こうよスイパラ」

アヤ「お前、昨日も今日もパフェ試作とか言って食ってただろ……」

志保「パフェとケーキと和菓子は、それぞれ別腹だよ!」

アヤ「どれだけ胃多いんだよ! 草食動物かよ!!」

志保「きゃっ、食べられちゃうー♪」

アヤ「がうがうー。がぶー。ほれ、馬鹿やってないで帰るぞ」

志保「……千奈美ちゃん、泣き止んでるかな」

アヤ「あー… 一応連絡しといて」

志保「はーい。……三人で住んでて、よかった、って思うよ。私」

アヤ「面倒臭いこともいっぱいだけどな」

志保「……照れ隠し?」

アヤ「……違うよ」

志保「……そっか♪」

――――

レギュラーはアヤ志保千奈美です。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。
リクエストを受けて書いたり、リクエストとは関係ない話を書いたりします。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 04:45:10.42 ID:p94v5ff9O
プライドの高い千奈美には辛いなあ。
味噌カツ食べて元気になってね。
愛知といえば18歳トリオ(仁美翠渚)とか出てくれると嬉しいなあ。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 07:30:18.42 ID:wczUX0y4o
劇場とかでぼかされてるけど
引き立て役扱いはゲーム内でもあるしな
かなり神経質に気を使ってるとは思うけど
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 08:25:34.33 ID:kjEJkc0NO
がんばれぇ、がんばれぇぇ…

この三人、志保がCu、アヤがPaでもいけるな。
Viが志保、Voが千奈美、Daがアヤでもいけるな。
カフェめし、名古屋メシ、エスニックめしでもいけるな。
プロデュースしたい(迫真
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 08:34:59.54 ID:ywwQI8mYO
ちょっと珍しい無機質で冷酷な音葉さん。
相手を「音」としか認識してない雰囲気。
組んでるふみふみが苦労しそうだな。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 08:49:41.98 ID:kjEJkc0NO
ふみふみも冷酷系かもしれないだろ(迫真

あっこれゾクゾクするやつだ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/18(木) 12:28:27.35 ID:YJGk/ng0o
ふみふみにふみふみされるって!?
63 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:25:35.26 ID:ocRJ56uG0
アヤ「誰かー! 化粧水と乳液どこー!」

千奈美「使い終わったーはいどうぞ」

志保「朝ご飯お店でいいんだよね? コーヒー入れてるよ」

千奈美「所長がお店で準備中よ」

アヤ「あれ? 眼鏡、誰かドレッサーに戻してくれた?」

千奈美「靴箱の上に置いてたでしょ。ちゃんと決めた場所に戻しなさいよ」

アヤ「むむむ」

千奈美「なにがむむむよ」
64 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:26:07.49 ID:ocRJ56uG0

志保「アヤちゃんシュシュとかんざしどっち?」

アヤ「んんー、今日はかんざし! 志保もう化粧水と乳液終わった? 片付けていい?」

志保「終わってる! 私もかんざしにしようかなー。あ、千奈美ちゃん炭酸出してー」

千奈美「はいはい。ゲロルもう切れるわよ。はい、これ志保。こっちアヤ」

アヤ「あいよー。ッんぐ……あー渋ッ…… 通販注文しとくけど、他に何かあるっけ?」

志保「ホワイトボードに全部書いたはず!」

アヤ「おっけー。……うぉッ、多いよ!! これと、これと、これと……」

千奈美「んくんく…… っぷは。あと、歯ブラシと歯磨き粉もよろしく」

アヤ「多いっつってるだろ! そんなの帰りにドラッグストア寄れよ!」

志保「寄れる時間に帰れない」

千奈美「その歯磨き粉置いてあるドラッグストア、この辺で見たことない」

アヤ「でっすっよっねェーーー。ぽちっ」
65 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:26:36.08 ID:ocRJ56uG0

志保「コーヒー入りました♪」

千奈美「ありがと」

アヤ「さーんきゅ。……お、今日の朝メシは干物定食だってさ」

志保「また、カフェの仕込みに繋がらない料理を……」

千奈美「いいじゃない、味噌汁」

志保「カフェでお味噌汁はどうかなー!?」

アヤ「しかも景気付けとは言え、赤出汁だもんな」

志保「ん? お味噌汁は赤だよ?」

千奈美「赤に限るわね」

アヤ「所長すら押し切るんだから、ホント東海の人間どうかしてる」
66 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:27:32.37 ID:ocRJ56uG0

――――

アヤ「朝メシ旨かったーーー」

志保「アヤちゃん、所長のご飯だと大概言ってないかな?」

千奈美「そうよね。私たちのときは普通に食べて終わり」

アヤ「……刺々しくない?」

志保「知ーりーまーせーんーー。ぷいっ」

千奈美「私、上で化粧してきちゃうから。食洗機任せていい?」

志保「うん? 今メイクするの?」

千奈美「軽めにね」
67 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:28:07.68 ID:ocRJ56uG0

アヤ「めっずらしーーー。スタイリストさんに任せねーの?」

千奈美「電車移動なのよ? 人の目に入るでしょ。貴方たちも、目元くらい引いときなさいよ」

志保「この時間だと、現地着くまでずっと通勤ラッシュかなあ。私、帽子にマスクのつもりだったけど」

千奈美「サボりすぎ!!」

アヤ「志保の帽子可愛いと思うけど」

志保「アヤちゃんの眼鏡も可愛いよねー?」

千奈美「そういうことじゃなくてね?」

アヤ「まあ、アイラインとリップくらいにさせてよ。撮影でどのくらい塗られるかわからん」

千奈美「屋外だから、それもそうなんだけど、ナメられないくらいにはしないと。じゃ、片付けだけよろしく」

志保「わかったよー。でも、10分の電車乗るから、間に合うようにしてね?」
68 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:29:25.43 ID:ocRJ56uG0

――――

千奈美「はぁ。後期始まったら、またこのラッシュに埋もれるのね……」

アヤ「前期始まる前も同じこと言ってたろ。原チャとか買えばいいんじゃねーの」

千奈美「そういうキャラじゃないでしょ。そもそも原付でもちょっと遠いわよ。自動車あったらどうかってとこだけど」

志保「愛知県民は、二十歳の誕生日に親御さんから車プレゼントされるものだと思ってたのに……」

千奈美「愛知県民なんだと思ってるのよ。それなら三重だってどっこいどっこいじゃない」

アヤ「ひどい」

志保「仕方ないよ。むしろ今回は、乗り換え一回で現地に行けることを感謝しようよ」

千奈美「事務所から気軽に車出せる身分になりたいわね」

アヤ「ロケバスに事務所の近くまで来てもらえる身分でもいいな」

志保「世知辛いね…… ん、朋ちゃんから連絡来たー」

アヤ「無事着いたか。よしよし、迎えに行こう」
69 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:30:47.32 ID:ocRJ56uG0

――――

朋「あやちなしほー、おはよー」

志保「わー朋ちゃーん! 今日はよろしくー!」

千奈美「久しぶり、といってもフェス以来ね。さ、乗り換え行くわよ」

アヤ「おっす。お、そのターバン可愛いな」

朋「ふふ、今日のラッキーカラーはすみれ色でね、これ巻いてきたら電車スムーズに動いてくれたのよ!」

千奈美「そ、そう、よかったわね……えっと、マネージャーさんは別ルートなのよね?」

朋「そ。遅れて来るって。気にしないで」

志保「一人で来られて偉いねー♪」
70 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:31:40.60 ID:ocRJ56uG0

朋「同い年でしょ!? ……この間のフェスの打ち上げじゃあんまり話せなかったから、今日、みんなと一緒に行きたかったのよ」

アヤ「アタシも顔出しただけだし、千奈美しかマトモに出られなかったもんな」

志保「確かその日はミニコンサート。サイリウムはないけど歌のお仕事〜♪」

朋「最近、志保ちゃんたち以外のライブとかコンサートとか、お店でやってないの?」

千奈美「先月は多かったわ。今月も土日は埋まってたくらい。来月からは通常営業多いかな。大学始まっちゃうし」

アヤ「大学始まったら、店と学校の往復だからな」

志保「外でのお仕事とか、シンデレラの合同トレーニングとか、もっと出たーい」

千奈美「小さい仕事は、いくつか入れようとしてくれてるみたいだけど」
71 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:32:53.65 ID:ocRJ56uG0

朋「でも、所長が一通りのトレーニング見てくれるんでしょ? いいじゃない!」

アヤ「ボイスとダンスと基礎体力な。フィジカルは見てもらってる。お店もかなり任されてるけど」

朋「うーん。お客さん相手にして、歌って、体力つけて……?」

志保「食事とおうちとトレーニングが保障されてるアイドル生活、って感じ」

千奈美「ま、恵まれてはいるんでしょうね。問題は、外での仕事が少ない」

アヤ「朋ぉ、多分アタシらの毎月の手取り聴いたらヒくぞー?」

朋「い、嫌よ、そんな闇覗きたくない!?」

志保「朋ちゃんは、発注見積チェックしたり注文書にサインしたり領収書切ったりしたことないんだよね……ふふふ……」

朋「それはそもそもアイドルとしての活動じゃないでしょ!!?」

アヤ「……」

志保「……」

朋「……あっ。……あの……」

千奈美「はいはい。次の急行乗るわよ。そしたらロケバスだからもう一頑張りー」
72 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:33:50.76 ID:ocRJ56uG0

――――

アヤ「おはようございます。オフィス・グラジオラスの……はい、そうです。桐野と槙原、あっちが小室です」

朋「ツキアカリの藤居朋です。はい、劇団ツキアカリ。このロケバス乗るのは私だけです」

志保「今日はよろしくお願いします♪ 千奈美ちゃーん、先に乗ってるよー」



千奈美「先日以来ね。収録ではどうも」

音葉「…貴方の声、とても鋭くて、力強くて… 描いていた通りに…独特のコンチェルトを奏でられた…」

千奈美「……そう」

音葉「貴方の声を、奏楽に交えること… 良い経験に、なったわ…」

千奈美「……今日は、音録りないから。ま、適当にね」

音葉「ええ…よろしく」



朋「……千奈美ちゃん、音葉さんと話してたけど。何かあったの?」

アヤ「あー……あんまりつつかないで置いてやってくれ」

朋「ふーん。そうそう、さっきスタッフさんが、アイドルはこれで全員だって。遅刻ゼロ、幸先いいじゃない!」

志保「あれ? でも鷺沢さん来てないね。現地合流なんだ」

アヤ「主役なんだけどな。いいのかな」
73 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:37:53.18 ID:ocRJ56uG0

――――

アヤ「広ッ。でかい公園だなー……」

志保「今日の撮影スケジュール! 何と私たちバックダンサー組が最初」

アヤ「ていうか、こんなに撮るカット多いんだ。想像以上だ」

千奈美「これ半日で済ますんだ」

朋「カツカツね、そりゃ朝から動くわけよ」

志保「あ、鷺沢さんだ。……さすが主役。梅木さんもだけど、待遇が違う」

千奈美「そりゃそうでしょ。それより、着替えてベースメイクやるわよ」

アヤ「衣装はこちらでございます」

朋「いやー! 超カッコいいじゃない!」

アヤ「レンタル費用結構掛かってそうでな…… 持って来るときにまじまじと見ちゃった」

志保「あんまりそこ気にしちゃうと、リアルに見積もりできちゃうからやめよう」
74 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:38:27.00 ID:ocRJ56uG0

千奈美「着替えたら、ケープつけてファンデ塗っといてよ」

朋「はーい……っあ、忘れた……」

千奈美「まあ、そういうこともあるわよ。スタイリストさんから借りてきなさいよ」

朋「おっけー。ついでに水もらって来るわね」

アヤ「そうだ、上着は本番まで着ないでくれって。羽根が散るらしい」

志保「……? なんか、所長が、着替えたら写メして、だって」

アヤ「乙女か」

朋「じゃあ三人揃ったら撮ってあげる」

志保「わー朋ちゃん大好きー」

朋「棒読みじゃないの!? 安い大好きね!?」
75 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:43:01.20 ID:ocRJ56uG0

――――

志保「終わったぁー……」

朋「はぁー、アンタ達がいてくれて助かったわ。合同練習、フェスついでの一回しかできなかったけど、何とかなるものね」

千奈美「私たちが毎日やれてるから、まあ何とかね。それほど難しくもないし」

アヤ「所長入れて四人で練習できてたのは大きかったなー」

朋「でもさ、桐野様様だったわ! 私、5テイク、10テイクくらい掛かるんじゃないかって不安だったもの!」

アヤ「アタシ? なんかした?」

朋「私の振り付け、全部覚えてくれてたでしょ」

アヤ「あー。まあ、合同でも同じとこでずーっと引っかかってたし。一応な」

千奈美「所長に物凄いスパルタされてたけどね」

志保「『別パートの振りなんて、全部振付師の人に任せるか、完璧に覚えるか。やるかやらないかの二つしかない』って言われて」

千奈美「やります、って即答してた」

アヤ「……」

朋「あ、結構本気で感激してるかも」
76 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:44:08.25 ID:ocRJ56uG0

アヤ「……早くメイク落として寝たい……」

志保「この後、カフェでお仕事だよ? 先にお着替えしてー、すぐ車出してもらうんだからねっ」

朋「え。なーんだ、一緒に帰れないの?」

千奈美「ごめんなさいね。私たちの分まで撤収手伝っておいてくれたら、今度カフェでサービスするわ」

朋「そう? それならバッチリやっておくわ。任せてよ」

アヤ「怪我したり壊したりすんなよ。志保、メイク落としここ置くぞー」

志保「んんんー ……うわ、ホコリ凄ッ!?」

朋「ひぇー!? 私も今、こんななのね……」

千奈美「屋外撮影はこれがね…… あ、衣装どうしたらいいか聞いた?」

朋「座席にまとめといて、スタッフに伝えておけばいいんじゃない? 私からも伝えておくから」

千奈美「よろしく。私、あっちの水道で顔洗ってくる」

アヤ「ついでに、ADさんに車お願いしといてくれー。アタシたちも後で洗いに行くー」
77 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:47:42.67 ID:ocRJ56uG0

――――

千奈美「……お疲れ様」

文香「……」

千奈美「……ちょっと、文香。お疲れ様」

文香「…あぁ、はい、すみません、私、でしたか… 気付きませんでした… 書に、耽っていましたもので…」

千奈美「はぁ。別にいいけど。明後日、またよろしく。うちのカフェ、雰囲気はいいから。この曲にも合ってると思うし、期待してていいわよ」

文香「…雰囲気、ですか… 私、そういった感性は… スタッフさんにお任せしていて…その、あまり…」

千奈美「……べ、別にいいけどね……」

文香「…うちのカフェ、と、いうのは…?」

千奈美「……え、あ、私たちの事務所がカフェ経営してるのって」

文香「…浅学にして、存じませんでした…」

千奈美「いいわよ別に畏まらなくて。……それでも、リテイクそんなに出さなかったんだから、ま、立派なもんよね」

文香「…私は… プロデューサーさんに託された、目の前の仕事を… ただ一つ一つ積み重ねるだけで…」

千奈美「畏まらなくていいってば。とにかくまた明後日。私たち先に帰るから」

文香「はい、それでは…」

千奈美(……やりにくいわね、音葉とはまた違った感じで)
78 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:51:28.97 ID:ocRJ56uG0

――――

アヤ「――ろ。起きろ、千奈美」

千奈美「ふにゃっ」

アヤ「着いた。出れ」

千奈美「ふぁ、あ。ありがとうございました……」

志保「荷物は下ろしたよ。忘れ物なーい?」

千奈美「ん、う、ない。ないはず」

志保「サングラス」

千奈美「え、っと、胸ポケット」

志保「はい、よくできました♪」

アヤ「ADさん、わざわざありがとうございました。これ、食べながら帰ってください」

志保「今日はお世話になりました♪ また明後日、よろしくお願いしまーす!」
79 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:54:56.43 ID:ocRJ56uG0

千奈美「……あれ? 何で店なの? 車で送ってくれたの?」

アヤ「ディレクターの厚意でな。今日は良い画が撮れました、明後日のカフェでの撮影も頑張りましょう、だってさ」

志保「褒められちゃったー♪ 頑張ろうね、千奈美ちゃん、アヤちゃん!」

千奈美「え、ええ……そうね……」

アヤ「千奈美。お前の顔、完全に寝起きでフワッフワしてる」

千奈美「……乗ってすぐ寝た?」

志保「寝たね」

千奈美「……洗ってくる……」

アヤ「そもそも、全員着替えないといけないからな。ほれ、入った入った」
80 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 00:58:50.25 ID:ocRJ56uG0

千奈美「あ゛ー、まだボーっとしてる……」

アヤ「よっぽど疲れてたんだな。ADさんに見せていい感じの顔じゃなかったぞ」

千奈美「うぅ」

志保「……やっぱり、サイレントウィンドの二人相手だと、緊張した?」

千奈美「……まぁ、そうなんでしょうね。そういえば、帰りの車に乗ったらガクッと疲れた記憶あるわ」

アヤ「向こうは気にしてる様子ゼロだから、余計な。ぶっちゃけ、アタシですらそれなりにショックだったよ」

千奈美「……」

アヤ「それがさ、当の千奈美が表に出してなかったんだから。偉いなーって」

志保「……よく頑張ったね、千奈美ちゃん。もう大丈夫だよ。それと、ありがと」
81 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/24(水) 01:01:56.87 ID:ocRJ56uG0

千奈美「……あのさ、頭撫でるとかなら笑って返せるけど。しみじみと言いながらハグするのやめない?」

アヤ「泣きそう?」

千奈美「……やめない?」

志保「そういうことならやめなーーい」

アヤ「いいなー千奈美は癒してもらえていいなー。あやかりたいなー」

志保「じゃあ、家帰ったらアヤちゃんね?」

千奈美「……なんかいかがわしくない? ほら、準備しよ。準備」

アヤ「お前ら仲良いなあ」

志保「どの口が言うんだろう」

――――

レギュラーはアヤ志保千奈美です。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。
リクエストを受けて書いたり、リクエストとは関係ない話を書いたりします。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 01:18:09.53 ID:LrlEhskQo
やけに移動や仕事の描写がリアルなんですけどww
ますます>>1の素性が気になるわ。役者志望の人もしくは元劇団員さんかな?
19歳Co残りは新田ちゃんあやかぁ瀬名さんか。新田ちゃんは大学にいそうだなww
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 02:02:43.14 ID:KML56OrQo
Cuの大食い軍団かなこにドーナツにパン辺りご来店とか

しかしこのふみふみ完全にコミュ障やな
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 02:12:24.31 ID:ocRJ56uGo
このSSのサイレントウィンドは、他者に興味を持たない…?

三人とも生き生きしてて、応援したくなるよなあ
特に志保ちゃん、Pには丁寧語しか喋らないからこういうの新鮮
あとハグしてほしい
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 12:24:07.97 ID:WzwAMBcDO
ふじともをこのポジに置く>>1有能
三人の生活感あふれるやりとりも好き
背景設定まとめろください
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 12:30:01.90 ID:tk6hmXdoo
>>85
今回所長が一緒にレッスン出来る程若いという事が判明したな。
次回あたりに登場するか?ところでメイクや化粧のくだりは男の俺にはさっぱりだが、
>>1は女性なのかな?
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 13:47:02.23 ID:XPjCCGCno
朋ちゃん来てる!

にしても取材でもしてきたのかっていうか情報量ですね
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 14:19:15.56 ID:WzwAMBcDO
>>87
そりゃアヤ志保千奈美の三人に取材してきたんでしょうよ
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/09/24(水) 16:38:53.93 ID:GEkQ3ACfo
この調子で長編頼む、いろいろ事情知ってるっぽいし
色んな意味で楽しみ
90 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:44:12.73 ID:9BKfFtGp0

アヤ「打ち上げた気がしない」

千奈美「凄かったわね…… 最終的に何人になったの?」

志保「50人超えたよー」

千奈美「ごじゅう…… 関係者集まりすぎでしょ、本当に」

アヤ「さっき見た限りだと、冷蔵庫ほとんど使い切ってたよな。何残ってる? 朝メシ作れる?」

志保「フレンチトーストとハムサラダの材料は確保してるから、持って帰るね♪ 褒めてくれる?」

アヤ「そうだねー偉いねェーよしよし。んじゃ帰るか。あ、付箋だけ貼っとこ。『発注まだです』」

千奈美「ねえちょっと二人とも。……この子どうするの?」
91 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:44:53.36 ID:9BKfFtGp0


朋「うー。う? あれ? ……まねーじゃ? ここどこ?」

92 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:46:31.80 ID:9BKfFtGp0

アヤ「忘れかけてた」

志保「ひどい!」

朋「……あれ? おみせ?」

千奈美「そうよ。マネージャーさんはとっくの昔に帰ったわね」

朋「ひろい! わらしどうするのー、ちなみんたちにさらわれうー」

アヤ「うちに泊まるッつってたじゃねーか! だーからってハメ外して呑みやがって!」

朋「だってぇー はたちになって、はじめてのぱーりーだもーーーーん 楽しかったんだもーん」

千奈美「ドリフェスのアフターがあったじゃない」

朋「ううう。目、覚めてきた…… あの時はマネージャーいなかったし、海ちゃんまだ未成年だから、私が酔っ払ったら大変だろうなーって……」

志保「はい、朋ちゃんお水」
93 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:47:21.45 ID:9BKfFtGp0

朋「ごくごくぶはー。……うー。寝所を失った哀れな占い師にございます、よろしければ泊めてくださいませ」

志保「どうでもいい小芝居なのに、妙に巧い……」

アヤ「……立てるか?」

朋「……あ、これダメなヤツだわ。……ごめん、どうしよ……?」

アヤ「所長どこまで送っていったのかな…… 戻ってきたら車借りられるか? アタシ呑んでるから……志保と千奈美は?」

千奈美「明日は定休日だし、車は使えるはずだけど。……残念ながら、付き合いでカクテルを二杯」

志保「私呑まなかった! 褒めてくれる?」

アヤ「そうだねー偉いねェーよしよし」

志保「5時間ずーっと、お給仕とかバーテンとか厨房とかやってて、完全に接待する側だったんだもん」

アヤ「……う、ホント悪いけど、運転お願いする、よ?」

志保「大丈夫、任せて!」

朋「三人、明日は夕方から仕事なんだよね?」

千奈美「ここでインタビュー受けるだけだから、あんまり気にしなくていいわ」
94 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:48:59.10 ID:9BKfFtGp0

――――

朋「相変わらず広ぉい!」

千奈美「いいから! さっさとシャワー浴びて寝るわよ!」

朋「ええー。みんなでお風呂は? ガールズトークは? だって全員ハタチの乙女よ?」

アヤ「お前どれだけルームシェアに夢見てんだ」

朋「辛辣! 女子寮だと、誰かの部屋でガールズトークとか結構あるわよ」

アヤ「め、面倒臭そう……」

志保「お土産と荷物片付けといてね。朋ちゃん、歯ブラシとかパジャマとか使う?」

朋「お泊りセット持って来てるから大丈夫、言われてたコップも買ってきた! ラッキーカラーの青よ!」

志保「はーい。自分のって解るようにしといてね」

朋「絵描いちゃお。じゃーん」

千奈美「……ペンギン?」

朋「違う違う! 幸運の青い鳥よ!」

アヤ「幸運の青い鳥…… にしては、い、インパクトが……」

朋「……なんか、やりとりにデジャ・ヴュを感じるんだけど……」

志保「みんなー シャワー浴びてよー?」
95 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:50:01.93 ID:9BKfFtGp0

――――

アヤ「前に泊まりに来たのいつだっけ?」

朋「フェスの少し前よ。朗読会のポスター貼らせてもらったとき。ありがとーね」

千奈美「ああ、あれね。途中にあった、詩の暗唱? あれ凄かったわ」

志保「そうそう! ……今もできる?」

朋「え。覚えてるかな……


『思いがけず、狂気に囚われ獣に身を落とした。災いであり病であり、避けようもなかったのか――


96 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:50:37.42 ID:9BKfFtGp0

――――


――今宵、山々を照らす月明かりを見上げる。私は詩を詠うこともできず、ただ哀しみに吼えるのだ』」


千奈美「……うーん」

志保「出来たね……」

朋「出来たわね」

アヤ「チケット代の元取れるパフォーマンスだと思うけど、それアイドルなのかな」

朋「ひきだし増やすのも必要よ!?」

千奈美「まあ、憑依型って言われてるものね」

朋「初耳なんだけど」

志保「うちのお客さんで見に行った人が、演技の良さを熱く語ってたよねー」

朋「え、そうなんだ。えへへへ…… いやー、やってみるものねー!」

アヤ「ところで、時間ヤバいぞ」

志保「ん? きゃっ、お肌にダメージが! おやすみなさい!!」
97 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:51:44.96 ID:9BKfFtGp0

――――

「「「「いただきまーす」」」」

朋「フレンチトーストとハムサラダ! 寮の朝ご飯と比べて確実にお洒落!」

志保「ほら! アヤちゃん!」

アヤ「えー……」

朋「あむ…… しかも美味しい!」

志保「ほら! ほーら! アヤちゃん、こうだよ! こういう反応をしてほしいの!」

アヤ「うう、めんどくさいよ……志保はどうしてこうなっちゃったの……」

千奈美「はっ、小倉あん出し忘れてた」

アヤ「東海人ホント我が道だな」
98 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:53:34.18 ID:9BKfFtGp0

朋「毎日楽しそうよね、羨ましい」

アヤ「よく考えろ、毎日だぞ? ほぼ四六時中一緒だぞ。仕事場まで同じなんだからな」

朋「おっ。それじゃ、あたしと代わってみない?」

アヤ「え、いや、それは嫌だな……」

志保「……むふふー。んふふー。いいでしょ朋ちゃん! この仲は裂けないんだからー!」

千奈美「……志保」

志保「え、ふぇっ?」

千奈美「使う? 小倉あん」

志保「……えぇ…… 今それ言うかなあ…… 使うけど……」
99 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:54:36.73 ID:9BKfFtGp0

――――

朋「お風呂広すぎるでしょ。あー楽しかった、朝風呂最高だわー!」

千奈美「ホントに入ってくると思わなかったわよ。だいたいなんでアヤたちまで来るのよ」

アヤ「だって朋がゴネるから……」

志保「熱意に負けたんです!」

アヤ「面倒臭くなったんです!」

朋「えっ、ひどくない…」

千奈美「まあ、いいけど。たまにはね。たまには」
100 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:55:38.05 ID:9BKfFtGp0

アヤ「一緒に風呂入るなんていつ振りだ?」

志保「暮らし始めた最初のほうは、面白がって時々やってたから…… 半年? 一年は経ってないくらい?」

千奈美「当時から、バスタブ二人までだねって言ってたじゃない」

朋「楽しかったけど、こう、物悲しいよね。目の当たりにしちゃうと」

志保「……どうかした?」

朋「……」

千奈美「……胸が有ったって、それだけで簡単に仕事増えるわけじゃないわよ?」

朋「グワーーーッ! サヨナラーーー!」

アヤ「髪の毛濡れたままソファに倒れ込むなーーー!」
101 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:56:57.65 ID:9BKfFtGp0

――――

アヤ「車、店に戻してくるわ。んで発注してくる。なんかある?」

志保「使い欠けのホイップクリーム残ってたと思うから回収しちゃって! 発注はクリームチーズ多めで」

アヤ「個人的趣味?」

志保「個人的趣味〜♪」

千奈美「10月からのメニューの仕入れ、忘れないでよ」

アヤ「あいよー大丈夫ー行ってくるー。なんかあったらメールして」
102 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:58:17.47 ID:9BKfFtGp0

朋「……なんか、圧倒されるなあ」

千奈美「何が?」

朋「三人とも、デキる女、って感じする」

志保「それは所長かな。私たち、カフェの仕事も自主トレも所長に教えてもらっただけだよ」

千奈美「実際、こればっかりは巡り合わせよ。もしかしたら朋がここにいたかもしれない」

朋「私は、事務所入ってからガールズに所属したから、それはないかな……」

千奈美「そういえばそんな話聞いたわ。……あれ、練習生やってたの私だけ?」

志保「私は元々ここの社員だったからね」

朋「ん、練習生周りの話って実はあんまり聞いたことない! その辺ちょっと興味あるかも!」

千奈美「大した話じゃないわ」
103 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 18:59:38.92 ID:9BKfFtGp0

――――

言ったかな。私、高校生のときから通信教育受けてたのよ、ポップス系の。


勿論、歌いたかったからよ。単純に歌うのが好きで、当然、それで生きていくんだって思い込んでた。


歌と作詞作曲だけじゃなくて、ファッションも勉強したな。学校に隠れてバイトして。


でも、いざ歌手になるにはどうしたらいいんだろう、って考え始めたのが高校三年の夏休み前。


私がやってた通信教育も協賛してたのよね。『プロジェクト:シンデレラガールズ 始動のお知らせ』とかいう手紙だったはず。


もう必死よ、手紙とチラシ片手に親説得して。とりあえず受けるだけ受けてみればいい、ってとこまで漕ぎ着けて。


夏休みの初日にオーディション行って…… そう、補欠合格。練習生。


『参加してる事務所や制作会社からの誘いは今のところないけど、一定の水準は超えています』


『定例の合同トレーニング等に参加していいですよ、仕事は中央事務局預かりのエキストラとかですよ』


……諦めたら終わりよ。良い思い出にするには早すぎるわ。


癪だったから、補欠合格の通知が来たその日に事務局に問い合わせて。三日くらい後から、トレーニングに参加した。


夏休みの間、毎週通って…… ある時、トレーナーさんのうちの一人に、声を掛けてもらったの。

104 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/09/28(日) 19:01:25.22 ID:9BKfFtGp0

――――

千奈美「あ、ちょっと待って。これ以上喋ると、夕方のインタビューのネタかなり話すことになりそう」

朋「えええええ、そこで切るの!? そこで!? ここからやっと練習生時代の話じゃない!」

千奈美「インタビュー、取材受けてるとこ見ててもいいんじゃないかしら」

朋「……門限あるから帰るよ…… フリだけで終わっちゃったよ……」

志保「残念だねー。ここからが面白いのにね、千奈美ちゃん♪」

朋「き、気になる!?」

千奈美「雑誌じゃなくてネットだから、すぐ見られるでしょ」

朋「いじわる! いーじーわーる!」

志保「こら朋ちゃん! あんまりぶーぶー言うとおやつ抜きですよ!」

朋「もう何も信じられない、アヤが帰ってくるのを震えて待つしかない」
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