千奈美「ようせいさんとおねえさん」

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204 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:45:52.78 ID:MfPsPtco0

志保「仕込み凄いことになる……!」

真奈美「というわけで二人。今週と来週の土日に、中央のワークショップに顔を出してくれ。何人かと面通しをしてもらう」

志保「なるほどー。ジュニアクラスの子たちは接点ほとんどないですよね」

アヤ「了解です」

真奈美「報告は以上だ。それでは、二人はキッチンとフロアのクローズを。千奈美は上で伝票を手伝ってくれるかな」

千奈美「はい。レジ閉じたら上行きますね」

真奈美「よろしく。今日は発声の日か。終わったら軽く流そう」
205 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:46:41.80 ID:MfPsPtco0

――――

千奈美「私は、出演ではないんですよね。……店番ですか?」

真奈美「難しいな。臨時休業になるんじゃないか」

千奈美「じゃあ、私の予定は?」

真奈美「未定だ」

千奈美「三人出るなら、付いていくことになるかも?」

真奈美「そうなるかもしれない。もちろん別の仕事が入るかもしれないし、前日までの仕事の兼ね合いによっては、オフにしてもいい」

千奈美「なるほど、未定ですね」

真奈美「出たいなら、交渉するが」

千奈美「別に、そういうわけではないです。別の仕事が入れば、それはそれでいいでしょうし」

真奈美「……ふむ。解ったよ。ではいつも通りでよろしく」

千奈美「よろしくお願いします。あとこれ、発注確認終わりました」

真奈美「ありがとう。こっちももうすぐ終わるから、着替えて、二人と交代してやってくれ」
206 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:47:23.64 ID:MfPsPtco0

――――

志保「お店の宣伝出来るね!」

アヤ「そうだな。……嬉しい?」

志保「えへへ♪ お客さん増えるかな、忙しくなっちゃうかな?」

アヤ「そうだな」

志保「そうだよ! ……嬉しくない?」

アヤ「嬉しい。と思う」

志保「ん。水出し仕込む?」

アヤ「明日の朝でいいんじゃね。あとで聞けばいいよ」
207 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:50:39.13 ID:MfPsPtco0

――――

アヤ「――♪  ―――♪」

真奈美「OKだ。今日はこのくらいかな。アヤは相変わらず歌い出しが安定してないぞ」

アヤ「……」

真奈美「対策は色々あるさ。それと、肺活量は充分だからブレスのタイミングを考えて。声は出てるしリズムも取れてる」

志保「……♪」

真奈美「志保、リズムが難しくなると声がフラフラし出す。また改めて練習しよう」

千奈美「……」

真奈美「千奈美は…… 基本的な問題は特にない。表現の幅は広げてもいいかと思うが、どうだ」
208 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:51:44.60 ID:MfPsPtco0

千奈美「そうですね、レパートリー増やせたら嬉しいです」

真奈美「ミンミンミン ミンミンミン」

志保「えっ」

アヤ「えっ」

真奈美「冗談だ」

千奈美「こわい」
209 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:52:36.99 ID:MfPsPtco0

――――

志保「地上波のお仕事させてもらえるんだー♪ 嬉しいなー!」

千奈美「本当にね。頑張ってよ」

志保「ツアーのセレクションとか番組アシスタントのオーディションとか、軒並み落ちちゃったからねっ」

アヤ「今月、外で何やったっけ…… 千奈美が音楽サークルのボーカル、アタシと志保がエスニックフェスでトークゲスト?」

志保「それだけだったんだ。お店忙しかったから気付かなかった」

千奈美「私は即売会にも出るわよ。サービスだけど」

アヤ「同人即売会ってやつだろ? コスプレとかすんの?」

千奈美「……しないわよ」
210 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:53:24.46 ID:MfPsPtco0

志保「ちなみんパワーでメルヘンチェンジ……?」

千奈美「しないわよッ!?」

アヤ「キャハッ☆ って」

千奈美「しない!!」

志保「今のかわいい」

アヤ「手と顔の角度は、こう。キャハッ☆」

志保「キャハッ☆」

千奈美「……いや、しないわよ?」
211 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:54:08.52 ID:MfPsPtco0

――――

志保「ワークショップ、いつ以来だろう……?」

アヤ「アタシは夏前に来たッきりだな」

志保「あれ? フェスのときは?」

アヤ「委員会主催の合同練習は何回か行ったけど。逆に基礎トレなんて来てる暇なかったぞ」

志保「それもそっか。ねーね、ちょっと緊張しない?」

アヤ「そうか?」

志保「だって、中学生と話すなんて、この業界入らなかったらレア体験だよ?」

アヤ「接客は?」

志保「接客と会話は違うものです」

アヤ「だな。まあアタシも、とんと話した記憶がない。……だーいじょうぶ、五つちょいしか変わらねー」

志保「そわそわしてきた」
212 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:54:41.37 ID:MfPsPtco0

――――

幸子「グラジオラスの、槙原さんと桐野さんですよね? お話は伺ってます。輿水幸子です」

アヤ「初めまして。学級委員長」

幸子「『フフーン! 今日もカワイイボクと一緒に、先生のご指導を賜りましょうね!』」

志保「すごい」

幸子「素人さんじゃないんですから、いきなり振らないでくださいよ! モチロン、ボクは応えますけどね!」
213 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:56:06.90 ID:MfPsPtco0

――――

美玲「おーっす、さち…… ……ハジメマシテ」

幸子「おはようございます、美玲さん。ご紹介しますね。こちら、早坂美玲さんです」

美玲「お、おぅ…… 早坂美玲、です」

アヤ「桐野アヤです。よろしく」

志保「アヤちゃんと一緒に、今度の『ティーチャーミズキ』の特番で共演させてもらいます。槙原志保です。よろしくね、早坂さん」

美玲「あー、インディヴィのプロデューサーから話聞いてる。トレーニングのアシスタントさんかと思った」

幸子「ちょっと美玲さん! 同じシンデレラガールズですよ!? すみません、うちの早坂さんがとんだ失礼を!」

アヤ「あはは…… 気にしないでよ。ガールズ自体人数が多いし、ジュニアとは接点ないし。ましてアタシたち、露出も少ないほうだから」
214 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:57:54.53 ID:MfPsPtco0

幸子「共演者だと、今日はボクの142'sと美玲さんのインディヴィジュアルズは集まりますね! あとはお聞きしてないですが」

美玲「ウチのリーダーがユニット掛け持ちだからな、ワークショップはだいたい五人揃って参加だぞッ」

志保「やっぱり、ユニットで活動すると、基礎練習も一緒にやるものなの?」

幸子「ボクは、土日しか東京でのアイドル活動が出来ないので、自然とそうなりますね。貴重な時間は効率よく使わないと!」

美玲「ウチなんかは上京してきたけど、幸子と乃々は実家だからな! 遊ぶ時間もいっぱいいっぱいだ」

アヤ「へー。実家どこなの?」

幸子「甲府です」

アヤ「……え、あれ? どこだっけ、群馬?」

志保「振っといて解らないのやめようよ! 山梨だよ!! だとすると、新幹線で通ってるんだよね?」

幸子「そうです! よくご存知ですね!」

志保「大変だねー!?」
215 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:58:40.81 ID:MfPsPtco0

――――

志保「中高一貫! どうしようアヤちゃん、すっごいお嬢様だよ!?」

幸子「たまたまそういう家柄に生まれついただけですよ。ボクがカワイイのと同じように、環境がそうだったんです」

アヤ「う、うん…… でもさ、受験勉強要らないけど結局こっちには住めないわけだろ? ……アイドル続けるの?」

幸子「モチロンです! 最初に相談したんですが、皆さん快諾してくれて、協力してくれていますからね! ボクは幸せ者ですよ!」

美玲「それ、幸子のプロデューサーに言ってやればいいのに」

幸子「嫌ですよ!!? ……そ、そういうのは自然と伝わるものです。両親とも話してますし」

志保「ふふ、幸子ちゃんはテレビで見る様子とあんまり変わらないんだね」

幸子「そうですよ? ボクは作ったりはしないのです! ……勿論、仕事中かどうかで意識は変わりますけど」
216 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 01:59:52.50 ID:MfPsPtco0

――――

美玲「うーん、喜び、怒り、哀しみの演技…… どうすんだ、わかンないぞッ!?」

輝子「フ、フヒ。落ち着こう、落ち着こう……」

乃々「即興劇は苦手なんですけど…… 思い付かないんですけど……」

輝子「あ。フヒヒ、思いついたぞ…… 乃々が最近読んでるっていう漫画。お姫様と、首なしの王子様の話」

乃々「え、好きですけど…… どうしました?」

輝子「あれ、私も買ったぞ」

美玲「ウチに見せてくれたアレか! 面白かったな!」

輝子「そ、そう。それ。……あのセリフ、引用してみよう」

乃々「それなら、出来るかもしれないですけど……」
217 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 02:00:40.46 ID:MfPsPtco0

小梅「……しょーこちゃん、頼りにされてる……」

幸子「フフーン! さすがボクたちのお姉さんですね!」

志保「ところで、良かったの? 行き掛かり上とはいえ、私たちと同じ班で」

小梅「だ、大丈夫…… リーダーの方針、だから」

幸子「リーダーのボクがフォローしてみせます!」

志保「二人とも、ありがとうございます♪」

アヤ「演技も一応レッスン受けてるけど、また感覚違うなあこれ」

幸子「どんな話にしましょうか? あんまり即興にしちゃうと、小梅さんに偏りが」

小梅「つ、ついつい、ホラー映画の台詞使っちゃう、から…… ふふふ……」

志保「どんな状況からも一寸先が闇に! ……それはそれで面白いかも?」
218 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 02:02:45.46 ID:MfPsPtco0

――――

アヤ「森久保さん、お疲れ様。スポドリでいいかな。……今度の特番で一緒になる桐野アヤってんだ」

乃々「はい、さっき美玲ちゃんから聞きました。森久保乃々、ですけど……知ってるんですね」

アヤ「そりゃ、ガールズでも有名だからね。よろしく。実家から通ってるって聴いたけど、大変じゃない?」

乃々「愛知なので、新幹線で二時間ですけど…… 来年からはこっちの高校なので、もう少しだけですけど」

アヤ「愛知かー。ああ、高校はこっちに通うんだ」

乃々「寮生活が不安…… というか何もかも不安ですけど…… そもそも今度の特番が不安ですけど……」

アヤ「レギュラーと違うから、かい?」

乃々「……受験を控えたもりくぼは、今度の特番で、いったん番組を離れるのです……」

アヤ「心残りを作って離れたくない?」

乃々「……本当に、よろしく、お願いします。こういうの、子どもが出しゃばるの、良くないかもですけど……」

219 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 02:04:45.72 ID:MfPsPtco0

アヤ「アタシたちは、一コーナーしか出番ないけど。そこはちゃんとやるよ。わざわざ伝えてくれて、ありがとう」

乃々「……もりくぼは、まだアイドルやってての、怖いので……」

アヤ「そうか、怖いかァ」

乃々「……」

アヤ「新幹線で片道二時間かけて、大人に振り回されるんだからな。楽しめる子がタフなんだよ、恐れがあって普通さ」

乃々「……説得もしないんですか?」

アヤ「もっと頑張れるよ、楽しいよ、って?」

乃々「……」
220 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 02:05:23.65 ID:MfPsPtco0

アヤ「森久保さんの背景が解らないからなあ。とりあえずあの四人とは仲が良いんだな、ってことしか」

乃々「確かに、仲は良いですけど……」

アヤ「じゃ、折角だし遊んできたら?」

乃々「……はい。ありがとうございます」

アヤ「んーと。アタシの事務所、カフェやっててさ。森久保さんの地元みたいなメニューも出来るよ」

乃々「それは…… ちょっと、気になりますけど……」

アヤ「友達とかご両親とか事務所の人とか、一緒に来てくれたら嬉しいかな?」

乃々「……はい。わざわざ声掛けてくれて、ありがとうございます。あと、飲み物も」

アヤ「また今度、ね」
221 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 02:08:54.50 ID:MfPsPtco0

――――

アヤ「ということがあってだな」

千奈美「収穫あったのなら、よかったじゃない」

志保「で、千奈美ちゃんはこれからオーディション? なんでしょ?」

千奈美「急な話になっちゃったけど、帰ってきてくれて助かったわ」

アヤ「みんな昼過ぎから仕事だってことでなー。まあ、そりゃそうなるよ」

志保「撮影とか収録とか。土日も遊べないんだねー、大変」

千奈美「忙しいだけなら私たちも忙しいじゃない。それじゃ、行ってくるわね」

アヤ「おう、頑張ってな」

――――


レギュラーはアヤ志保千奈美です。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。

真奈美と千奈美が会話に並ぶと目が滑る、ということに書いてて気付きました。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 04:35:16.65 ID:dOQjHDVQO

なんか好きで1から一気に読んだわ
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 07:54:24.75 ID:l9tHCerLO
(乃々は神奈川だよ)
224 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/19(日) 09:02:35.04 ID:MfPsPtco0
>>223
指摘ありがとうございます。これはなんらかのケジメがひつようです。

まずは下記に訂正。


>>218

アヤ「そりゃ、ガールズでも有名だからね。よろしく。実家から通ってるって聴いたけど、大変じゃない?」

乃々「橋本なので、ちゃんと電車乗れれば一時間半ですけど…… 来年からはこっちの高校なので、もう少しだけですけど」

アヤ「えーっと、神奈川だっけ。高校からは寮使うの?」

乃々「毎日ではないですけど、寮生活が不安…… というか何もかも不安ですけど…… そもそも今度の特番が不安ですけど……」


>>219

アヤ「片道一時間半かけて来たら、大人に振り回されるんだからな。楽しめる子がタフなんだよ、恐れがあって普通さ」


>>220

アヤ「んーと、番組から聴いてるとは思うけど、アタシの事務所、カフェやっててさ。良かったら来てよ。サービスする。かも?」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 09:22:09.19 ID:GUN3oXpjO
森久保の初登場が名古屋だったからなぁ。でも橋本とかなぜそんなローカルな場所にしたしw
都心まで1時間半かかるということは、実際は相模線沿線とかのさらにローカルな町かもしれんが。
あと、幸子の山梨にはリニア実験線しかないぞ……w
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/19(日) 09:25:44.52 ID:CF+pJH8S0
けじめか。ならば時子様を出してもらおうか。
そしたら愛知アイドルコンプリートしちまうなw
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 10:50:25.57 ID:wmX5mIbCO
手羽先のこと森久保っていうのやめてほしいんですけど…

ティーチャーミズキ…いったい何島さんなんだ…
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 14:51:10.12 ID:wmX5mIbCO
今回は珍しく取材が甘いかー
甲府だと特急か高速バスだけど、中学生なら電車が無難かしら

このアヤと志保は、面倒見いいけど競争心とか意識とかはあんまりないよね
そういうとこも含めて、乃々との会話が味わい深くて好き
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 16:01:02.82 ID:ugxNoIhco
出身地と登場場所が違うキャラって
スカウト時に住んでた場所は登場した場所って考えもありとは思うが
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/19(日) 18:11:23.03 ID:HuBkQiBDO
>>214
インディビジュアルズって美玲ちゃんがリーダーじゃないの?

そして142は幸子
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/23(木) 00:40:38.22 ID:YBDjwHGfO
142は幸子リーダーって描写あったけど、インディヴィは特定の誰かとは明記されてなかったと思う
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/10/23(木) 18:32:45.84 ID:9HaCFfUn0
木場さんがメルヘンデビュー歌い出したら、そら困惑ですわ

福岡出身のきりのんが、なぜ甲府がわからなかったのに橋本がわかったんだろーと思ったけど、京王線使ってると目に入るな…
233 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:24:08.65 ID:/OOXgEf/0


To:小室千奈美 おめでとう [先日のオーディション、合格しました。詳細は明日のモーニングで話します]

234 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:31:45.45 ID:/OOXgEf/0

――――

志保「はいっ♪ というわけで、ドラマの話に移っちゃいたいと思います!」

美里「お願いしまぁす」

志保「今回、お三方が出演されたように、アイドルメインのドラマは、本人のキャラクターをそのまま使うものが多いですよね。ここ3、4年からの流行だったと記憶してるんですけど、印象に残っているものはありますか?」

法子「名前そのままの役柄ですよね。765さんとかで流行ったんですよね!」

美里「そうそう〜。うんうん、やっぱりお客さんにも見てる人いますよねぇ。ファンタジーとか特撮とか色々ありましたけどぉ、私は『眠り姫』かなぁ」

法子「私も『眠り姫』は見ましたね! 言ってもあたし中学生だし、ドラマはあんまり見てないんですよ。『キサラギ』は一応ちょっと見たけど…… あ、『スペースウォーズ』は見ました!」

志保「ワイヤーアクションなんかもあって、本格的でしたよね! 財前さんは、何か見てましたか?」

時子「……『雷王学園生徒会』は見たわよ」
235 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:34:11.70 ID:/OOXgEf/0

法子「Jupiterさんかー! 色々面白いって聞いたから、DVD借りたことありますね!」

美里「参考に私も見たなぁ。時子サマは、リアルタイム派だったんですかぁ?」

時子「そうなるかしら。ニュースのまましばらく点けっぱなしにしてたら始まっただけで、偶然ね。ま、いい暇つぶしにはなったわ」

美里「その時は、まさか自分が学園物のドラマやるなんて思いませんよねぇ」

時子「そもそもアイドルなんて想像もしてなかったわよ」

法子「まさかセーラー服着るなんて?」

時子「……スプモーニ! スプモーニを持ってきなさい! 五秒で!」
236 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:35:25.61 ID:/OOXgEf/0

法子「はいっ。撮影の日程って、関わる人のスケジュールも場所の手配もあるから結構カツカツで、全然話の順番通りにならないんですよね」

時子「私たちには当たり前のことだけど、下僕どもにはピンと来ない連中もいるかもしれないわね」

法子「その日は学校借りてて、校庭と教室で撮影の予定だったのに、朝からざあざあ降ってて。止まないし次に校舎使える日までは待てないし」

美里「法子ちゃんの大事なシーンだったものねぇ。一応先に教室だけ撮ったんだっけぇ?」

時子「そうだったわね。よく覚えてるじゃない。誉めてあげるわ」

法子「で、結局その日はもう雨のまま撮るしかない、ってことで脚本を直してもらって撮ったんだけど、直した後のほうがドラマチックになっちゃったねーって!」

美里「脚本さんと演出さんが柔軟な人で良かったですよねぇ。きっちりやるのが悪いわけでもないんですけど」

時子「……あの場では良かったんじゃないの。貴方の泣く演技、本当にダメだったもの」

法子「そうなんだよねー! だから、雨で髪の毛とかぐしゃぐしゃになってるほうが雰囲気あったの!」

美里「小説版だと晴れてるのは、そのせいらしいんですよねぇ」
237 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:36:26.63 ID:/OOXgEf/0

――――

志保「トークショーも佳境に入りまして、チャリティオークションのコーナーです! 売り上げは、シンデレラ基金を通じて子どもたちのために使われます。まずは椎名さんからお願いします!」

法子「はーい! あたしは実際にドラマでつけてたシュシュとヘアピン! これは何話だったかな……たぶん最後のほう!」

時子「ちょっと見せなさい。……9話よ」

法子「解るの!? その手帳? スマホ? 凄いね時子さん!?」

美里「衣装とか現場とか、小まめに撮ってましたよねぇ、マネージャーさんが」

法子「手帳にも台本にもいっぱいメモしてたし!」

時子「そんな話をする許可、与えた覚えはないわよ」

美里「凄く真面目に取り組んでたよねぇ、っていう話ですよぉ」

時子「……カーディナル! カーディナルを持ってきなさい! 五秒で!」
238 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:38:56.71 ID:/OOXgEf/0

法子「っと、では9話にあたし演じるノリコが付けてたシュシュとヘアピン二つです! ……じゃあ3つだし300円から?」

美里「私が仕切っていいんですかぁ? はいはぁい、それじゃあ300円から、スタートでぇす」

\500円!/ \900円!/ \1000円!/ \3000円!/

\4000円!/ \8000円!/ \イチマ\15000円!/

\20000円!/

\25000円!/

美里「はい、25000円、他にいないですかぁ?」


\30000円!/


美里「30000円! いいですかぁ? ……いいみたいですね、30000円でぇ、ハンマープラぁイス!」

法子「え、えぇ!? い、え、いいの!? シュシュとかですよ!? 駅ビルの雑貨屋でも似たようなのありますよ!?」

時子「いいのよ。くくっ、豚はそういうのが喜びなんだから、せいぜい笑ってやりなさい!」

法子「う、うわぁありがとうございます! ……じゃああの、真奈美さん! 色紙とペンありますか? わーどうもどうも。サインつけますね。お名前は?」
239 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:39:55.03 ID:/OOXgEf/0

――――

美里「それじゃ、私ですねぇ。……同じく小道具なんですよねぇ。眼鏡なんですよぅ」

法子「あ、しかも壊れてるほうだ」

美里「そうなの、6話で踏まれて壊れちゃった方の眼鏡でぇす。ケースも付けちゃいまぁす。ケース代くらいかなぁ、1000円からでいいですかぁ?」

志保「はいっ、では財前さん、よろしくお願いします!」

時子「さぁ、豚ども! せいぜい高い値をつけて、どうでもいい小物を無様に有難がりなさい!」

\3000円!/

\10000円!/

時子「ハッ、随分飛ばすわね、辛抱のない! ……ほら、もっと良い声で鳴く豚はいないの?」

\12000円!/ \15000円!/ \20000円!/


\22000円!/


時子「22000円? もうお終い?」


\25000円!/


時子「25000円。25000円、これで決まりかしら。……ハッ、いないようね。そこ! そこのお前のモノよ。受け取りに来なさい」

美里「はぁい、ありがとうございますぅ。じゃあ桐野さん、チェキ貸してくださぁい。サイン、色紙とチェキの両方につけちゃいますねぇ」
240 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:43:53.88 ID:/OOXgEf/0

――――

時子「私ね。……これよ。第一話の」

志保「台本! しかも付箋もメモ書きもびっしりじゃないですか! いいんですか?」

時子「撮影中になくしたと思って、新しいのを貰った次の日に見つけたのよ。同じものが二冊有っても邪魔なだけだわ」

法子「うわぁ、赤とか注意書きとかすっごい、すっごい……! これあたし欲しいくらいだよ?」

美里「法子ちゃんは自分の持ってるじゃなぁい」

時子「そこまで言うなら、客席に並んでみたらどう?」

法子「いや、えっ、お客さんみんな落札する気マンマンですよ! 邪魔したくないのでいいです!」

時子「なら法子。貴方が最初の値段を決めなさい」

法子「いいんですか!? えー、じゃあ……2000円?」
241 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:44:28.85 ID:/OOXgEf/0

――――

志保「お疲れ様です♪ サラダとスープお持ちしました」

法子「ありがとうございます! んー、緊張したー!」

アヤ「楽しんでたように見えたけどな。飲み物出しますよ、何にします?」

法子「じゃあ…… ハニーレモネードで!」

時子「レッドアイ」

美里「私、グレープフルーツジュースでお願いしまぁす。どうでしたかぁ? 真奈美さんいた方が回るのになぁ、って思ってたんですけどぉ」

真奈美「客席は君たちのほうがよく見えてただろ。良かったよ。ステージが大きくないから、座ってのトークショーだと、メイン三人に袖で司会が立ってるくらいでちょうどいいさ」

法子「ドラマのプロデューサーさんは、あたしが出られなかったら真奈美さんにするつもりだった、って言ってましたよ」

真奈美「時間帯が夜だったら、私が出ることになったんだろうがね。現役中学生がトークショーに参加できる機会も中々ないからな。私が司会って柄でもないし、今回はこれでよかったのさ」

時子「フン、遠慮してるつもりだったら余計なお世話よ」

真奈美「まさか。ファンにとっては、この店なら今日に限らず話を聞けるかもしれない私より、法子のほうがプレミア感は高いだろう? プロデューサーと相談した結果だよ」

美里「なるほどですねぇ」

真奈美「それでは、我がカフェ・グラジオラス自慢のディナーを振舞うとしよう」
242 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:46:29.98 ID:/OOXgEf/0

――――

志保「お待たせしました♪ 椎名さんのハヤシオムライス、間中さんがディナープレート、財前さんがインディアンスパゲッティですね」

法子「うわぁ、そのスパゲッティ、ほんとにカレー味なんだ……!」

時子「……取り皿、こっちによこしなさい」

法子「わぁい! ありがとう時子さん!」

アヤ「今日って、ドラマスタッフはさっきの広報さんと営業の人くらいしか来てないんですね」

美里「そうですねぇ、今回はシンデレラとしてのイベントなので、ドラマの制作側さんからすると、一応知ってる、みたいな感じですねぇ」

志保「チケット倍率凄かったみたいですよ。『このチケットはお店に来ても買えません』って、すぐにツイッターにもblogにも告知したけど、問い合わせ来ましたね……」
243 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:47:06.85 ID:/OOXgEf/0

時子「LIVE配信してたんでしょう?」

志保「はい♪ カメラは固定ですけどね。ちゃんと時子さんの『無様ね』もいただきましたよ!」

アヤ「中央から、チケット倍率高すぎるから配信してくれない?って言われて、とりあえず手配してもらったけど……」

志保「来るものだね……」

法子「あ、前川のみくにゃんとか凄いですよ! 有料配信が活動資金源だって豪語してました!」

美里「ガールズでも、何人かは自分のチャンネル持ってるんでしょう? 時子サマとか、やらないんですか?」

時子「は? そんなことしなくても、仕事のほうから寄ってくるわよ。……そもそも面倒だわ」

法子「時子さん、機械あんまり得意じゃないよね。写真撮ってなんやかんややるときも、だいたいマネージャーさんだよね」

時子「……ブラッディマリー! ブラッディマリーを持ってきなさい! 五秒で!」
244 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:47:43.01 ID:/OOXgEf/0

――――

志保「デザートでーす♪ リング型ではないけど、ドーナツの盛り合わせですよ♪」

法子「やっっっっったーーーーー!」

アヤ「あ、間中さんと財前さんはこっちです。ミニケーキの盛り合わせ」

美里「法子ちゃんの皿、一人で私たち二人分の倍以上あるわねぇ」

時子「もう慣れたわ」

法子「プレーン! バナナ! チョコ! ココナツ! スノウアイシング! 凄いよ志保さん! 幸せが盛り沢山!」

志保「ホイップクリームと小倉あんもどうぞ♪ いっぱいあるから、女子寮に持って帰ってくれてもいいですよ♪」

時子「……うぇ」

美里「いつ見てもいい食べっぷりだけどぉ、胸焼けしちゃいそうですよねぇ」

志保「……パフェ食べたくなってきた」

アヤ「勝手に食えよ!!?」

法子「むむっ。ケーキパフェならぬドーナツパフェはどうですか?」

志保「いいかも! あっ、皆さん食後のドリンクはどうします?」
245 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:48:30.82 ID:/OOXgEf/0

――――

志保「ゴミ、裏に置いてきたよー。楽しかったね」

アヤ「ん。……財前さんたちもお客さんも盛り上がってたな」

志保「キッチンはもうクローズ終わるって。フロアは…… まあ100人以上立ち見入れたら足跡だらけだよね……」

アヤ「イベントの後はなぁ、これがなー…… ま、使ってもらえるだけ有り難いか」

志保「そうだと思うよ。私、水回り掃除してくる。終わったら手伝うね」

アヤ「司会疲れたろ。程々でいいよ」

真奈美「二人ー。残念だが今日は賄いはない」

志保「えっ! も、もう帰って作る気力ないですよぅ!?」

アヤ「死ぬのか……」
246 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 00:49:30.51 ID:/OOXgEf/0

真奈美「千奈美が現場でご馳走になってくるらしいから、我々も食べに行こう」

志保「……♪」

真奈美「……ああ、うん。上目遣いしなくても、私が出すから」

アヤ「焼肉」

志保「賛成!」

真奈美「強気に出たな」

アヤ「だってさっき、千川さんから連絡来てたじゃないですかー」

志保「あれ、もしかしてキャッシュバックの話ですよね……!」

真奈美「目聡いな。そうだよ、正解だ。ついでに、時子のマネージャー氏から三人分のフルコースとお土産代をもらっている。ほら」

アヤ「封筒ですか。……えっ、これ、えっ!?」

志保「今日のって、コースだとしても、一人3000円くらいですよね……?」

真奈美「他事務所のタレントの分まで出す上に、チップのほうが多いなんてな。私も、こういう気概を持ちたいね」
247 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/10/25(土) 01:01:11.19 ID:/OOXgEf/0

志保「……チャリティオークションといい、チップといい、金銭感覚狂いそう」

アヤ「志保」

志保「うん」

アヤ「肉を食おう」

志保「食べよう」

真奈美「明日オフだからって、油断してるだろう君たち」

アヤ「もつ鍋も食べたいです」

真奈美「学校は行くんだぞ」

志保「任せてください! お肉を食べましょう!」

――――


レギュラーはアヤ志保千奈美です。が、たまには出ないこともあります。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。
リクエストを受けて書いたり、全然関係ない話を書いたりします。


幸子はきっとあずさやかいじで通ってますね。

出生地と出身地とスカウト時の住所と現住所は、
その都度、納得できるような補足をしていけたら、と思います。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/25(土) 02:41:29.91 ID:TGnXvayXO
おっつおっつ、時子様と法子ちゃんが可愛くて実に幸せ。照れ隠しに呑んじゃうとことか名古屋メシ頼んじゃうとことか特にかわいい。
名古屋登場組ってことで、ありすちゃんや早苗さん出してもいいのよ?w
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/25(土) 03:05:13.78 ID:AfADdFFTo
おつ!
ええのう
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/25(土) 07:43:34.97 ID:/OOXgEf/o
この志保ほんと好き
スクールガール組は時子様が一番人気なんかな、やっぱ

スペースウォーズってもしかしてミリオンか
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/25(土) 19:58:57.62 ID:9rLJ0pL8o
名古屋フルコンプwwwwww時子様出してくれてありがとうございます。
せっかく上手にキャラが動いてるんだから、一回だけの登場じゃもったいないな。
ということでタイトルに戻っておねえさんの相方の妖精さんを。
大手らしいし、同じレッドバラードの礼子さんにも会えそうだし色々得しそうww
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/26(日) 00:23:24.87 ID:Wq2FEfU5o
オークションでいちばん値が付きそうな時子様使用済みの台本の落札価格が気になります!
インディアンスパゲッティ初耳だから調べたんだけど、描写からするとドライカレー風かな。食べたい。

ところでわしは、千奈美の動向が気になるじゃよ……?
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/10/27(月) 08:17:14.37 ID:PxsRJC9bO
ここなら、765やミリオン、サイドMも出ていいんじゃないかと思うんだよ…
SSA円盤を見たら、全てを受け入れたい気持ちになったけど、受け入れてくれそうなSSが少なくてな…

あっところでいぶきちと沙紀ちゃんはグラジオラス組と仲良しなんじゃないですかね。
254 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:25:28.07 ID:KaeEb7DZ0

――――

真奈美「お疲れ様」

志保「お疲れ様です♪ あれ、千奈美ちゃんは?」

真奈美「練習に早出したよ。会場は開いてるからって、誘われたんだとさ。いいことだよ、熱意があるのは」

志保「そうだったんですか! よーし、それじゃあ私は店番頑張っちゃいますね♪」

真奈美「頼もしいな。そこのケーキ、今日のサービスで出すから。試食していいぞ」

志保「わーい♪ チーズケーキ、チョコブラウニー、フルーツパウンド、紅茶のシフォン……」

真奈美「ニューヨークチーズケーキがいちばん評判良かったかな」

志保「でも、特番で出せます? 焼いて持っていくならパウンドとブラウニーが楽だと思うんですけど」

真奈美「他の店の都合もあるから、私たちの出番の時間がズレることはまずないさ。スタジオに冷蔵ショーケースも入れてもらう」

志保「冷蔵ショーケース! 欲しい! それなら大丈夫ですかね。お客さんの反応も見て考えましょ♪」
255 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:26:55.82 ID:KaeEb7DZ0

――――

アヤ「お疲れ様ーっす。……もしかして暇です?」

真奈美「お疲れ様。ま、忙しくはないよ。アヤが入ってくれるなら、様子を見てバイトくんは早上がりかな」

アヤ「了解です。メシ食いました?」

真奈美「そこのサービス用のケーキくらいなら」

アヤ「もごもご。パウンドケーキ美味いですね」

真奈美「コーヒー置いておくぞ」

アヤ「ありがとーございまーす。そいやメール見ましたけど、今日は千奈美遅そうっすね」

真奈美「何と言っても、シンデレラだからな」

アヤ「ん?」

真奈美「0時回らないと帰ってこない」

アヤ「なるほど。……真奈美さんが魔法使い?」

真奈美「意地悪な継母かもしれないぞ」

アヤ「それ、アタシと志保が意地悪な姉じゃないですか……」

真奈美「フフ…… ほら、着替えておいで」

アヤ「はーい」

256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/12(水) 01:28:16.29 ID:SjCTZmSt0
>>253
総合Pシリーズでも読んだら?
なお315プロの連中は出ない模様
257 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:31:14.16 ID:KaeEb7DZ0



To:所長 アヤ 志保
 すみません
[練習終わった後、呑みに行くそうです。店が大丈夫なら一緒に行きたいんですが、どうですか?]


258 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:33:31.17 ID:KaeEb7DZ0



To:小室千奈美
 了解した
[平日で暇だから構わないよ。きちんと交流しておくといい。帰りは連絡するかタクシー使うように。]


259 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:35:42.38 ID:KaeEb7DZ0

――――

アヤ「発注終わったー」

志保「クローズ終わり♪ 所長は今日もお泊りなんですか?」

真奈美「はい、お疲れ様。作業済ませてから考えるよ、千奈美を迎えに行くかもしれないし」

アヤ「なるほど。……最近家帰ってます?」

真奈美「今日だって家から来たぞ」

アヤ「そうだけど! そうですけど!」

志保「試食会近いですし、体には気を付けてくださいね?」

真奈美「心配するほどは頑張ってない。そもそも二階だって、事務所とは名ばかりの居住空間だ」

志保「晩御飯と明日の開店準備はしましたから、ちゃんと休んでくださいね!」

アヤ「千奈美にはタクシー使うように言っておきますから」

真奈美「……分かったよ。ありがとう」
260 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:37:42.24 ID:KaeEb7DZ0

――――

千奈美『もしもし、しょちょう、ですか』

真奈美「……千奈美か。終わったのか?」

千奈美『ついさっき、にじかいが。……きもちわるいです』

真奈美「今どこだ」

千奈美『しぶや』

真奈美「タクシーには乗れそうか?」

千奈美『のったら、はくかも』

真奈美「誰か一緒か?」

千奈美『やまとさん』

真奈美「電話代わって」
261 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:40:53.85 ID:KaeEb7DZ0

亜季『こちらコード・オータム。どうぞ』

真奈美「……こちらはコード・ファング。確保したターゲットのコンディションはどうだ」

亜季『べろべろであります。水の代わりにウォトカ呑んでるロシアの赤鼻のほうが、まだマシであります』

真奈美「見張りを続けてくれ。どうぞ。……いや、済まない。二時過ぎか……どうするかな」

亜季『正直、一回吐かせたほうが楽にはなると思います』

真奈美「任せる。ブドウ糖とアミノ酸を摂取できれば、いくらか楽になるはずだ。成分表見て、選んでやってくれるか」

亜季『さっき本人から要求されましたよ。甘い炭酸とスポドリを与えてあります』

真奈美「助かる」

亜季『一応、スタッフ殿からタクシー代を多めに頂いておりますので、千奈美殿を送り出すことはできますが…… 一人で乗せたくはありませんな』

真奈美「キミに時間があるなら、少し様子を見て欲しいな。一緒に乗れるようなら、千奈美を置いてから私の家に来てくれ。泊めよう。できそうか?」

亜季『それなら大丈夫でしょう。了解であります』
262 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:43:12.51 ID:KaeEb7DZ0

――――

亜季「お疲れ様であります」

真奈美「何から何まで助かったよ。明日の予定は?」

亜季「仕事も学校もありません。Vチェックしてジムに行こうと思っていた程度です、のんびり帰りますよ」

真奈美「それならよかった。……随分呑まされたんだな、千奈美は」

亜季「珍しくドラマのプロデューサー殿が来られまして。千奈美殿を気に入っておられたようで、ずいぶん呑ませておりましたよ」

真奈美「……あー」

亜季「頑なに『明日も授業があるしルームメイトが心配するから帰りますよ』と。立派なもんです」

真奈美「……ありがとう、助かったよ」

亜季「ノリノリでついていくようなら放っておくつもりでしたが、そうでないなら護りましょう」
263 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:48:20.81 ID:KaeEb7DZ0

真奈美「今回の現場はシンデレラだけじゃあないからな。少し不安もある。厚かましい話だが、助け合っていってくれると嬉しい」

亜季「真奈美殿には義理も有りますので、出来る範囲でお応えしますよ」

真奈美「シンデレラ以外が噛んでる企画は、チャンスもリスクも大きいからな。いい経験にさせたいのさ」

亜季「……私は、プロデューサーでもカントクでも大御所でも、権力持ってる男のお気に入りになるのは、有力な選択肢だと思っておりますよ?」

真奈美「亜季は興味ないのか」

亜季「一応、アイドルですからね。今その手の話題が出たら、ファンがごっそり減って、そのままフェイドアウトでしょう」

真奈美「土壌とターゲット層に因るが…… まあ、日本だとそういうケースはそれなりに多いか」

亜季「アイドル引退して、本格アクション女優にでも転向すれば変わってくるでしょうが。……全ては実績です、いつになるやら」
264 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:52:05.67 ID:KaeEb7DZ0

――――

千奈美「うぅ……」

志保「おはよう、かな。寝ててもいいよ?」

アヤ「キツそうだな。酔い覚ましにミックスジュースでも作るか」

志保「炭酸入れよう。しゅわしゅわだよー♪」

アヤ「子供か」

千奈美「うぅぅぅ……」

アヤ「うっうー?」

志保「うっうー! 朝ごはんの前に、フルーツミックスソーダですよぉー!」

アヤ「似てるな……」

千奈美「まぶたを開けて…… さわやかお目覚め…… 無理……」

志保「私たちはこれ飲んだらお店行くけど、寝てていいからねー」

アヤ「動けるようになったらメールかLINEしといて」
265 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 01:57:15.18 ID:KaeEb7DZ0

――――

志保「アヤちゃんキッチンとフロアどっちにする?」

アヤ「んじゃフロアで。……あれ? 鍵開いてる」

志保「え? ……まさか!」

真奈美「おはよう」

志保「おはようございます♪ ……何でいるんですか!」

アヤ「あーあ。休んでくださいって言ったじゃないですか、昨日だってあんな時間に起きたのに」

真奈美「亜季がいるから、朝食の蓄えが心許なくてな。食材を確保したら、君たちが学校行くまで二階で寝てるよ」

志保「んむむむ。そういうことならわかりました。あ、ゆでたまご作ってある。ありがとうございます!」

アヤ「そっちの分けてあるボウルが、二人分の朝食ですか」

真奈美「起きたらフルーツ食べて炭酸飲んで、トレーニングしてから食べる」

アヤ「ほぼアスリート食ですけど、所長、仕上げなきゃいけないような仕事入ったんですか?」

真奈美「いや、特にはない。亜季に付き合おうと思ってな」
266 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:00:24.81 ID:KaeEb7DZ0

志保「ゆで卵、サラダチキン、レタス、キュウリ、トマト、リンゴ、バナナ……」

真奈美「雑穀米も食べるぞ」

志保「あああああスイーツ食べたいよぅぅぅぅぅ」

アヤ「いけない! 集中トレーニングのときのトラウマが! 大丈夫だぞーアタシたち今は食事制限ないぞー」

真奈美「まあ、平常時までカツカツに制限する必要はないが。自覚は持ちなさい」

志保「ココロエテ オリマス」

アヤ「亜季さんは制限中なんですか?」

真奈美「ワイヤーと長尺の殺陣がある上に素肌も出すから、二の腕、腹、太ももはカットしておきたいと言ってた」

アヤ「完全にガチのやつじゃないですか…… 千奈美に台本見せてもらおう」

真奈美「アヤが休みなら付き合わせるんだがね」

志保「……」

真奈美「志保はちゃんと体型維持するんだぞ。サプリも飲むんだぞ」

志保「やってます! ふ、太ってもいないし筋肉も落ちてませんよ!」

アヤ「そこは大丈夫です、保証します」

真奈美「そうか。見張りご苦労。さて、私は少し休むよ。モーニングはよろしく」
267 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:01:23.16 ID:KaeEb7DZ0

――――

志保「所長、私たち学校行きま……あっ! トレーニング用の機材増えてる!?」

アヤ「チンニングスタンドじゃねーか! ベンチ買うの止めたらあれか!」

真奈美「みんなが使えるようにガレージに置いたぞ」

志保「すっごくイイ顔してる……」

亜季「おっ! アヤ殿、と、志保殿! これは! 捗り、ます、よッ!」

アヤ「すっごくイイ懸垂してる……」

真奈美「亜季、勢いでやるなよ。勢いは付けず、まっすぐ、ハーフレンジで10回3セット」

亜季「畏まり、ました、ッ!」
268 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:06:50.81 ID:KaeEb7DZ0

アヤ「プッシュアップバーも結局買ったんだ……」

真奈美「今日はプッシュアップもダンベルも使わないがな」

志保「……あの、これ。ダンベルのおもり、買い足しました?」

アヤ「あぁもう…… フルで片腕30kgとか、プロレスラー並じゃないですか!!」

亜季「ふぅ…… ん、男子プロレスラーなら40くらいですかね」

真奈美「さすがに、きちんとは上げられないぞ。まだ重すぎてトレーニングにならん」

志保「ここはもうダメだよ、行こうアヤちゃん」

アヤ「そ、そうだな……」

志保「あと、言うけど8kgのダンベルをちゃんと扱えるアヤちゃんも、普通の女の子の範疇じゃないと思う」

アヤ「はっ」

志保「私が3kgのを上げ下げするまでに、どのくらいかかったか覚えてる?」

アヤ「感覚が…… 麻痺してるかもしれない……」
269 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:09:44.68 ID:KaeEb7DZ0



To:所長 アヤ 志保
 起きました
[学校行きます。帰りは19時過ぎくらいだと思います。また連絡します。]


270 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:12:23.47 ID:KaeEb7DZ0

千奈美(間に合う時間だ。学校行こう)

千奈美(だいぶマシだけど、さすがにまだ頭痛い)

千奈美(……ドラマのプロデューサーさんからメール来てる)

千奈美(昨日はありがとうございました。無事帰れました。色んなお話聴けてよかったです。またよろしくお願いします。と)

千奈美(みんなに心配かけたし、授業終わったら帰りに何か甘いもの買って来よう)

千奈美(イヤホン…… あ、ジャケットのポケットだ。何再生してたかな)
271 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:13:30.42 ID:KaeEb7DZ0


千奈美(仕事に練習 寝る間惜しんで 学校勉強ほどほどに)


千奈美(クラスの友達 思い出せない 彼氏も出来ない)

272 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:14:10.22 ID:KaeEb7DZ0

千奈美(……)

千奈美(……負けるか)
273 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/11/12(水) 02:17:22.45 ID:KaeEb7DZ0
レギュラーはアヤ志保千奈美です。
多分真奈美さんもレギュラーです。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。
リクエストを受けて書いたり、全然関係ない話を書いたりします。
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/12(水) 03:52:40.49 ID:R74H3de+o
待ってた
軍曹はやっぱり軍曹なのなw
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/12(水) 07:09:11.92 ID:yW0UCVy9O
亜季はここのところ香港とかアクションの仕事多かったから、そういうのを反映してくれたんだろうか。
そしてなんだかんだでノリがいい木場さんw
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/12(水) 20:16:09.42 ID:tBIbtQMHO
軍曹が割とちゃんとした大人だ…

千奈美ちょっとハラハラする
ほんの些細な言葉に傷付いたりしそう
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/12(水) 20:33:02.47 ID:oqpPBtVno
千奈美の主人公感がいいね。アヤと志保はレギュラーだけど千奈美のサポート役かな。
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/11/13(木) 00:35:48.14 ID:BrVcGkIqo
ふぇぇ…ちなみん一人でじんわり重いよぉ…しゅきぃ…

>>276
だけど甘いもの食べて幸せよ
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/01(月) 19:05:24.39 ID:UncHxiKgo
アニメの設定でがっくりきた
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/02(火) 14:23:09.01 ID:VX9Md+eTO
まあまあ、それぞれでもしかしての世界だよ
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/08(月) 12:16:30.87 ID:c+fkkB6vO
もう一ヶ月経っちゃうよぅ!
志保ちゃん再登場したし待つね。
282 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:45:13.95 ID:kBf/ArsI0

――――

アヤ「うおッ、すげー…… 機材と材料入ると違うなー」

志保「ビュッフェですよ、ビュッフェ!」

真奈美「写真は後にしなさい。動線の確認するぞ、撮影も入りながらの対応になるからな。……ええ、よろしくお願いします」

アヤ「カメラさんはどの辺から? あー、まあそうすね。流れで変わるか」

志保「なら、コールドテーブルの周り、もう少し広くなりませんか? 撮ってもらうには狭そう」

アヤ「オーブンちょっとずらしてもらったほうがいいかな。ショーケースの陳列は……」

真奈美「カメリハの後でいいだろう。……まあ、だいたいこんなものか」

アヤ「この後はカメリハだけですよね?」

真奈美「一応、プロデューサーとディレクターが改めて挨拶することになってるが、堅いものじゃないとさ」

志保「2スタのリハ終わって帰っちゃった人もいますものね。お弁当貰って来ようかな……」
283 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:45:49.82 ID:kBf/ArsI0

アヤ「ん、千奈美が稽古終わったって。浜川さんと会ってから帰るーってさ」

志保「む。合流しないんだ……」

真奈美「寂しい?」

志保「うーん、基本的に毎日顔合わせてるから、寂しいのとはまた違うんですけど」

アヤ「この二か月くらいか、生活時間ちょっとずつズレてるな。ほら、稽古優先でシフト減らしたから」

真奈美「まあ、それはそうなるだろうが」

志保「……前よりも、話してないなーって?」

アヤ「……これまでが、べったり過ぎたんじゃねーかな」

真奈美「外での仕事が増えれば、そういうこともあるだろうさ」
284 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:46:17.51 ID:kBf/ArsI0

――――

志保「……所長はああ言ってたけど」

アヤ「ああ、って?」

志保「仕事が増えれば、すれ違うことも増えるよ、ってこと」

アヤ「……ま、そうだろ」

志保「……そんなに増えた?」

アヤ「千奈美の仕事が増えたな」

志保「増えたね」

アヤ「流れで、アタシたちもカフェ忙しくなってるし」

志保「私たちはともかく、千奈美ちゃん、大学大丈夫なのかな?」

アヤ「一応サボってる様子はないし、何とかはするだろ」
285 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:47:12.78 ID:kBf/ArsI0

志保「……卒業したら、どうなるんだろう」

アヤ「当面はグラジオラスじゃねーかな」

志保「アイドルは?」

アヤ「今日だって仕事したろ? カメリハ、NGなしで抜けられたし」

志保「明日は本番ですよ、本番♪」

アヤ「随分張り切ってるなあ……」

志保「緊張で死にそうだから誤魔化してるだけだよ」

アヤ「自分から言っちゃダメだろ!?」
286 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:48:18.41 ID:kBf/ArsI0

志保「……アヤちゃん、サンドイッチ半分食べない?」

アヤ「くれ」

志保「どうぞー…… あれ? 貰ってこなかったの?」

アヤ「貰ったけど、開けてない。志保が残すと思ったから、もらおうと思って」

志保「……ありがと」

アヤ「ん。……スープ、うちのが旨いな」

志保「そうだね」
287 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:49:05.40 ID:kBf/ArsI0

――――

愛結奈「やった、ワタシの勝ちィ!」

千奈美「ぐくくく。一本足りない……! 先攻有利を活かしたカタチになったわね……」

久美子「言っても、一番手は私だったんだけどな……」

愛結奈「ふふふ、次もクリケット? いいわよーワタシ二番手で」

千奈美「ノースコアクリケットやってみない? 1から20まで最初に埋めた人が勝ち。同ラウンドで追い付いたらサドンデスで決定ね」

久美子「賛成ー」

愛結奈「異議なし」
288 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:53:38.50 ID:kBf/ArsI0

――――

愛結奈「奢りで呑むお酒は美味しいわね!」

千奈美「くっ」

久美子「珍しく、負けたねー」

千奈美「家で練習できてなくって。トレーニングとか役作りとかあるのよ」

愛結奈「ドラマ用に声と身体作ってるって言ってたわね。どのくらいツメてるの?」

千奈美「稽古は多くて月に二回だけど、時間できたらジム行ってる。あとは中央の合同トレーニングね」

久美子「木場さんに見てもらえるんじゃないの?」

千奈美「それはそうだけど、時間あるときだけよ。店見るほうが優先に決まってるでしょ」

愛結奈「中央行くならジムもそっち使えばいいじゃない」

千奈美「学校帰りに寄ってるわよ。安いし」

289 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:55:22.47 ID:kBf/ArsI0

久美子「ファンに見付かるかもしれないから、じゃないんだ……」

千奈美「気付かれて困るほどの知名度なんて…… シンデレラだって何人いるのよ?」

愛結奈「気付かれるだけなら意外といるんじゃない? それでパニックになるような人は少なそうだけど」

久美子「少なくとも私は、大学以外のプライベートで声掛けられたことないわね」

千奈美「私もない」

愛結奈「ワタシもこっちだと気付かれたことないかなー。スカウトには声掛けられたこと何度かあるけど」

久美子「あるある! 『間に合ってます!』って答えちゃう」

千奈美「……それすら、ないんだけど」

愛結奈「千奈美、一人だとキビキビ動くからね。声掛ける隙がない上に、声掛けられたことに気付かなそう」

千奈美「えっ…… それはそれでひどくない?」
290 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:55:52.61 ID:kBf/ArsI0


――――

久美子「元アイドルの音楽教室で芸能界にコネがある、って触れ込みならそれなりに忙しくなりそうじゃない?」

千奈美「堅実、なのかしら」

愛結奈「アリだとは思うけど、それってまず維持できそうなコネが必要よね。音楽プロデューサーとか、大手局のディレクターとか、制作会社の営業とか?」

千奈美「現場の音響監督とか、作曲家の先生なんてのもあるわね」

久美子「そうなのよね……一応、大学の繋がりもあるし、マネージャーとも相談はしてる」

千奈美「……せっかく歌上手いんだから、コネ作るだけに腐心しないでよね」

愛結奈「でも、実績的にはアレよ。ピアニストの仕事、たまにやれてるんでしょ?」

久美子「それ、現役アイドルだから有り付けてるだけだと思うな…… 私より上手いのに、音楽関係の仕事就けなかった人いっぱいいるし」

愛結奈「そういうの、やったもん勝ちって言うの。若さと見た目で仕事が取れるなら取っときゃいいのよ、今しかないんだからさ」
291 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 03:56:26.84 ID:kBf/ArsI0

久美子「そういう愛結奈ちゃんの将来は?」

愛結奈「乗馬クラブ開設?」

千奈美「貴方も大概ロマンチストじゃない!?」

愛結奈「現実的じゃないのは解ってるわよ。だいたい馬飼うのって大変なんだから? 力仕事ばっかりだし土地も必要だし」

千奈美「土地ねぇ。古着屋のバイトじゃ、資金にはならないでしょう」

愛結奈「それ以前に、やらないと生活困るのよね。社長は、こっちに集中してくれたら仕事増やせるって言ってくれるけど」

久美子「それ、目途はついてるの?」

愛結奈「何の見込みもなく言ってる人だったら、今これだけ人ついてきてないでしょ。多分あるんじゃない?」

千奈美「専業、できるんだったらやったほうがいいんじゃないの? それだって『今しかない』んだから」
292 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:01:58.43 ID:kBf/ArsI0

久美子「千奈美ちゃんはダーツショップだっけ?」

千奈美「まぁ、ねえ。実際にやれそうな範囲なら、チェーン店のオーナーが関の山でしょうね。オリジナルのフライトとか商品にできたらいいかなぁ」

愛結奈「ホントにそれやりたい?」

千奈美「……帳面とにらめっこするよりは、歌ってたいかな」

久美子「現状、専業にいちばん近いのは千奈美ちゃんじゃないかしら」

千奈美「……制服着るのはともかく、掃除したり伝票切ったりするのが専業アイドルだと思うならね」

愛結奈「最近少し減らしたんでしょ? ドラマのお稽古とかボーカルレッスンとか。どう?」

久美子「そうよ、今度の仕事、歌もあるって言ってた。何、やっとオリジナル曲?」

千奈美「劇中歌だし、シンデレラの管轄じゃないから…… シングルカットとか単独配信とかはないと思うわ」
293 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:02:38.84 ID:kBf/ArsI0

――――

千奈美「今日はありがと」

愛結奈「楽しかったわよ。やっぱり、前もって言っておいてくれると集まり易いわね!」

久美子「私は急に呼び出されたんだけど?」

愛結奈「ワタシの独断で呼んだもの」

千奈美「そうなの?」

愛結奈「そうよ。……あ、呼んだ理由忘れるとこだった。礼子さんが、今度のレッスンの後呑むから空けておいてね、って」

久美子「今度? ビューティーアリュールの?」

愛結奈「そうそう。来月頭のね。千奈美もご指名よ」
294 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:03:32.99 ID:kBf/ArsI0

千奈美「ふぅん? プロデューサーのご指名なら勿論空けるけど。うちの店で深夜押さえればいいわね」

愛結奈「いや、お店は決めてるとかって。なんか行きたいところあるみたい。ま、奢りだろうしありがたく、ね」

久美子「反省会の延長には…… ならないか、高橋さんなら」

千奈美「それより絶対終電なくすコースじゃないのよ…… アヤに迎え来てもらえるかな……」

愛結奈「そういうことなんで、よろしくね。それじゃ、ワタシはこれで。まったねー」

久美子「ん、私も地下鉄だから。それじゃレッスンで」

千奈美「はーい、よろしくねー」
295 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:04:19.11 ID:kBf/ArsI0

――――

千奈美「ただいまー」

アヤ「あ。おかえり」

志保「おかえりなさい♪ お風呂沸いてるよ」

千奈美「助かるー。一緒に入る?」

アヤ「……」

千奈美「いや、ヒくの止めてよ」

アヤ「ヒいてるっていうか…… 珍しい冗談だなって」

千奈美「なんか、ノリで……?」

志保「む。千奈美ちゃん、機嫌よさそう」

千奈美「友人と会って遊べば、そりゃまあ?」

アヤ「志保、アタシたちは友人じゃないらしいよ」

志保「冷たい!」

千奈美「友人っていうか、ほぼ家族でしょ」

アヤ「……お、おう」

志保「暖かい……」
296 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:05:07.54 ID:kBf/ArsI0

――――

アヤ「千奈美ーぃ」

千奈美「んー?」

アヤ「アタシたち、明日本番だからもう寝るな」

千奈美「そうよね。お疲れ様」

アヤ「朝からいないから、洗濯と掃除はよろしく頼む」

千奈美「朝ごはんどうするの?」

アヤ「店で食べる。そっち一応休みだろ、寝てていいよ。メッセージか何か入れとく」

千奈美「わかった。大和さんと中央行く予定だから、適当に連絡するわね」

アヤ「任せる」

千奈美「はい、おやすみ。明日はしっかりね」

アヤ「おう。ありがとな、おやすみ」
297 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:07:36.09 ID:kBf/ArsI0

――――

志保「家族」

アヤ「同い年だけどな」

志保「……お姉ちゃん♪」

アヤ「二十日しか違わないだろ……」

志保「双子の姉かな?」

アヤ「千奈美とだって二ヶ月しか違わないんですがそれは」

志保「頼りにしてるんだよ?」

アヤ「……明日本番なんだからさ。寝るよ」

志保「はーい、お姉様♪」

アヤ「はいはい。洗濯機タイマー掛けたから寝室ー」
298 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:20:39.92 ID:kBf/ArsI0



千奈美(せめて寝室でやりなさいよなんでバスルームの近くでやるのよ聞こえるでしょ恥ずかしいなあもう)


千奈美(だいたい。双子って。どんなよ。別にアンタ達、顔は似てないでしょ)


千奈美(……)


千奈美(『目に見えるコトは似てない』『ぶつかる日もあるけど』)


千奈美(……友達だし、家族のつもりよ)


千奈美(『おそろいの場所を目指す』 ……のよね?)


299 : ◆S0mvz1PntgQY [saga]:2014/12/14(日) 04:28:10.00 ID:kBf/ArsI0

ぴったり一ヶ月開いてた。
代々木に心を囚われていましたが、やっと取り戻してきました。

ちょっと環境変わったため遅筆をこじらせていますが、まだ生きてます。


レギュラーはアヤ志保千奈美です。
多分真奈美さんもレギュラーです。

ふわっとした設定はあるので、適当に出していきます。
リクエストを受けて書いたり、全然関係ない話を書いたりします。
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage]:2014/12/14(日) 07:05:22.53 ID:xHH4IDlm0
おかえり。
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/14(日) 07:08:52.46 ID:wFjldQbHO
浪人生さんかな?受験近いなら無理しないでね
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/14(日) 07:12:07.48 ID:NYJBomLRo
おつおつ!
続きありがとう!
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2014/12/14(日) 11:28:00.67 ID:/qOEs982O
リアル大事に、やれる範囲でやってなー。
バイトと掛け持ちは夢を追う業界の悲哀だよなぁ。中の人でも食うのに困りかけた人がいるし。
こんな世界だと、実家を飛び出してきた勢はどうしてるんだろうか。フリルドスクエアの忍とか忍とか(ダイマ
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