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垣根帝督「はぁ? 俺はオタクじゃねえぞ」
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503 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 17:46:10.89 ID:BE5JB9H50
おお、来てたか乙
心理定規の風に煽られた裾とレアな体操着ぺろぺろ
あと首を傾げる駒場のリーダー可愛いぺろぺろ
何気に垣根の通販サイトのユーザー名カッキーかよwwww
ゴーグルがカッキーさんとか呼んだらオブジェ不可避だろうか
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 18:25:11.10 ID:kjwXiYPRO
垣根と心理定規って雰囲気絶妙だな
暇だからって言いながらちゃんと様子見にいったのか垣根はパレードも一緒に見たのか
なんだこのリーダーたまんねえ
あと誰も触れてないがそぎっしーさんはっちゃけすぎだろww
二人三脚してやる爽やかな垣根も見たかったけどな
ファンはどんどん増えればいい
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 21:49:04.21 ID:UwF09L5GO
風紀委員のやつで初春が出てくるのもみたいな
あとレスしてた艦これと垣根のやつも。ほっぽちゃんとホワイトとか完璧に保護者
506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 23:35:03.27 ID:50igA6wco
垣根に冷蔵庫を送り続けて愉快な死体になりたーい
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/18(日) 00:21:51.11 ID:PAN2gjLCO
毎日ベッドが変わるのを楽しむ垣根だと
お泊まりフラグはあるのか
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 01:58:52.96 ID:jhxsP0SN0
艦これ×垣根は一時期大真面目にネタを考えた事があるが、どう足掻いてもチートハーレム物にしかならなかったから諦めた
結局だらだらしてる垣根と心理定規を妄想してる方が楽しいし
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 08:50:27.49 ID:4MK2mkjC0
NカブトムシR冷蔵庫SRバレーボールLR垣根オリジナルな垣根オンリーソーシャルゲーム思いついたけど、垣根主人公で冷蔵庫から吐き出される未元物質を使役する方が面白そう
最弱のカブトムシが進化で稀に白垣根ができたり
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 18:15:47.08 ID:sLG2f1l8O
>>508
>>11
さてはお前
>>1
だな
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 20:46:52.05 ID:lECZT/8So
実はこのスレの書き込みは殆どが
>>1
の自作自演であった可能性が微レ存・・・?
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 21:10:47.36 ID:1tCeftdDO
俺たちが
>>1
だ!!
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 21:24:43.89 ID:eg52OGArO
垣根はかきやすいとか艦これなら設定はこうするとか講釈してるどっかの作者様達だろ
どうせなら宣伝もしてけばいい
514 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 22:29:59.75 ID:llqWIy1o0
垣根スレ、自演、ホモ…そうか!わかったぞ!
>>1
の正体が!
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 23:33:48.45 ID:lECZT/8So
野獣先輩垣根帝督説
変幻自在→未元物質も変幻自在
野獣先輩は人間の屑→暗部だから
野獣先輩女の子説→天使で可愛いから
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/26(月) 22:44:11.53 ID:eMJeVk1U0
垣根がアイドルのスピンオフに出たってな
カブトムシじゃないらしいし良かった
517 :
◆q7l9AKAoH.
[sage]:2015/10/26(月) 23:49:16.79 ID:4ulPkCn+0
え。なにそれ
ちょっと意味がよくわからないからパズデのガチャ回してくるね?
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/27(火) 13:59:12.25 ID:EG9VIxsAO
パズデに脊髄反射ワロタ
アイドルの方はさておき、超電磁砲が盛り上がりそうだなスクール好き的に
単行本化したらカラー絵拝めっかなあアイテムみたいに
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/27(火) 16:29:09.69 ID:e9RFJ4qe0
アイドルの方は垣根出てたし超電磁砲に心理定規さんとゴーグルも出てた
もう死んでいい
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 00:30:28.71 ID:F2A8Ouj70
まじかよちょっと電撃大王買ってくる
521 :
垣根帝督偶像化計画?
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 00:51:14.08 ID:UkFX5uCs0
学園都市某所。
人気のない場所に一人で呼び出された垣根帝督は、ポケットから取り出したPDA相手に盛大に顔をしかめていた。
【この度お前は『スクール』アイドルとして売り出すことに決まったからな。
上からの決定事項だ。
今日から、「プロデューサー」と呼んでもらってかまわないぞ】
『スクール』の上役である電話の男が、任務の話かと思いきやとんでもない話を放り投げてきたのだ。
ここが組織の隠れ家なら垣根は容赦なく吹き飛ばしていただろう。
もちろん、それも見越していたのだろう。
暇そうな素振りも見せず、違和感も消し去ってごく自然な店内の背景の一部と化している店主を横目に垣根は息を吐いた。
「馬鹿じゃねぇの? 待て。俺は、ってどう言うことだよ」
【お前以外の超能力者(レベル5)も『絶対能力(レベル6)』目指してこれからアイドルとしての活動をだな……】
「あのなぁ、そんな真似してレベルが上がるんならこの世に無能力者なんざいねーよ」
【多くのファン、そこに含まれる能力者のAIM拡散力場の指向性を――】
垣根が馬鹿にして吐き捨てると、PDAに長々とした計画の詳細が送信されてきた。
一応は、理論的に成果の見込みありと裏付けられている実験計画なのだそうだ。
「テメェら…何かっつうと『AIM拡散力場』っつっとけばいいと思ってるんじゃねえよな」
ざっくりそれに目を通した垣根は。
なんでテメェがマネジメントまで兼任してんだ、と続けてぼやくように言った。
【暗部の仕事とのスケジュール調整は他の人間にはこなせないだろう】
おかげでこちらは大忙しだ、と言う嫌味は無視された。
522 :
小ネタなんですよ
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 00:53:35.83 ID:UkFX5uCs0
「芸能活動(笑)しながら暗部の活動も続けんのかよ。なぁ、テメェら俺にどうなって欲しいんだ?」
【トップアイドル。そして、『絶対能力者』だ】
予想外に真面目な声で返事があった。
おや、と目を丸くした垣根だが。
次の瞬間にはそれがゆがむ。
獰猛な獣じみた視線を液晶に落とすと舌打ちがそれに続く。
「俺にそんなもんの頂点取らせようって? ったく、阿呆らしい話は大体見えたが。俺に何の旨味もねえのにそうですかって馬鹿な真似やってられるか」
【いわゆる「セレブリティ」の連中を考えてみろ。やつらの財力、コネクション、各界への影響力、それらを束ねるカリスマ性。表立って大々的に「神に選ばれし者」の一員となって潜在的な支援を集めることも……野心的なお前には悪い話ではない筈だが】
「俺の影響力が高まれば、連中も無視出来なくなる。発言権も得られるか……馬鹿なパフォーマンスでレベルが上がるとはとても思えねえが、そっちなら……まぁ」
垣根は真剣な目をして何事か考えはじめた。
ある意味神々しいギフト、彼の能力について触れそうな単語も、珍しく頭にこなかったらしい。
「たまにはつまらねえ話にも乗ってやっても、いいかもな」
いい退屈しのぎをみつけた、とでも言いたげにその口元が釣りあがる。
まるで、そのタイミングを見計らったかのように電話の男は話題を次の段階へとすすめた。
【今までの経験上、お前の資質はある程度こちらも把握している。
不要な営業活動や仕事は除き、お前の強みを活かした仕事が出来るよう「今まで通り」組織で支援してやろう。
当面の活動に必要なスポンサーとも話を進めてある。
まずは幾つかの企業のコマーシャルをこなしてもらう予定だ】
そう言って、次にいくつかの企画資料が送られてきた。
そこに名を連ねているスポンサー候補は。
各分野の有名企業のような大手から、一六学区の個人事業主など規模はさまざまだった。
能力者と聞いてまっさきに飛びついてきそうな学習塾や開発関連企業は、既にあちらでカルテル染みた協定が出来上がっているようだ。
出資し合った企業ごとに、アイドル活動をしている超能力者たちのPR期間のローテーションが平等に組まれるらしいと注釈が付いていた。
超能力者なんて能力開発分野でも反則レベルの絶大な偶像を奪い合っては、競合して潰し合うのは目に見えているから、かもしれない。
523 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 00:56:13.76 ID:UkFX5uCs0
大がかりなライヴ、大手雑誌のグラビア、特集記事などそう言う派手な仕事は、もっとアイドルとしての知名度を上げてから効果的に進めていくらしい。
とりあえずは地道に宣伝広告の方を頑張ってもらう方針だと言う。
どうやらプロデューサーや上層部は餌を充分撒いてから、雑魚をごっそり網にかける気でいるらしい。
【お前達がアイドル活動をしてるってことを市民に周知させる必要がある。
超能力者アイドル化計画推進として、それぞれCDも出すからな。
お前の音源もサンプルが幾つか用意してある。すでに本格的な楽曲製作を進めて……】
「待て。いつそんなもん録った」
【この前カラオケに行っただろう】
「完全プライベートだぞあんなの。油断も隙もねえな、本当」
【とりあえず致命的な音痴じゃなくて一安心だそうだ】
よかったな、と言いたげな言葉に。
はあー、と仕方なさそうに垣根はため息をつく。
【超能力者の話題性にそのルックスだ。
お前のような逸材にはかかる声も多くてな、それでも随分厳選したんだぞ】
更に資料のページを進めると、具体的に詰められた企画のスケジュールの予定が並んでいた。
一体、垣根を納得させられなかったらどうするつもりだったのかと呆れるくらい、本人のしらないところで勝手に話が進められていたらしい。
「なんだこりゃ……お、ファッション系が結構入ってんな。ふーん、どこもそこそこのブランドじゃねえか。
『外』のもあるな……ん、高級寝具メーカー? こっちは……ガキ向けの学用品のPRって?
なーんかまともそうな中にちょいちょいおかしいのが混じってんぞ。何やらせる気だテメェら」
【垣根帝督を前面に打ち出して広告をだしてもらうんだよ。喜べ。どちら様も喜んで受けてくださるそうだぞ】
524 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 01:01:11.60 ID:UkFX5uCs0
「まぁ、向こうから頭下げてくるくらいが筋ってもんじゃねえの? で。テメェらのプランの核になりそうな…俺の強みって……なんだよ」
【そりゃあ、天使の羽に決まってるじゃないかw】
「はぁ?」
ここに来て一転。
馬鹿にした時の口調になった電話の声もといプロデューサーは笑い転げるのを我慢しているように裏返り気味な声で続けた。
【年末年始の特番『絶対に笑ってはいけないin学園都市スペシャル』と『芸能人格付けチェック』の能力者席には出れるように頑張ろうな!】
「完ッッッ全にお笑い枠にねじ込む気だろ? なぁ!!」
ガターンと椅子が一つ後ろに飛んだ。
騒音にも店主は眉ひとつ動かさない。
【顔がいいのがあえて外して、馬鹿をやるのがいいんだろう。
お茶の間にはそう言う方がウケがいいらしいからな。
お前の能力にもぴったりじゃないかwww】
「ナメてんのかテメェぇぇぇッ!」
PDAを掴むと垣根は吠えるように叫んだ。
その背中には、いま馬鹿にされた翼が翻っている。
既存の物理を捻じ曲げる能力でも、流石に居場所の知れない通話相手を愉快な死体にはできない筈だが。
既に垣根はそんなことは考えていないだろう。
【そうやってお前ら超能力者はすぐキレるけどな、芸能界の先輩方を見習えよ。
今日日そんなやっすいキレ芸じゃ流れ星にしかなれないぞー?】
「芸でキレてんじゃねえっつうの!!」
【悔しかったら結果を出せ。垣根帝督。障害をねじ伏せその手で登りつめてみろ。お前のやり方が通用するなら、の話だがな】
チィッ、といまいましげに舌打ちすると垣根は近くの椅子を乱暴に引いた。
どさりと再び腰を下ろした。
ほんの少し。
何かを切り替えるような空白を置いて、垣根は顔をあげた。
「いいぜ。俺にその常識は通用しねえ。アイドルだ? 愚図な聴衆共がなんだって?」
その顔は、挑む様に薄く笑っていた。
みてろ、と彼は牙を剥く。
「世界を、ガラリと変えてやるよ」
こうして。
まんまとアイドルに担ぎ上げられた垣根帝督は、トップアイドルの座を目指して学園都市のお茶の間を席巻するようになるのだが。
それはまたべつのおはなしである。
525 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 01:05:01.11 ID:UkFX5uCs0
と、いうはなしだったらいいのになーなおはなし。
とあるあいどるの〜〜に垣根が出てるって聞いてちょっと読みたくなったのでやっつけた。
ガチャはこころをしずめてくれないしいくら回しても徳もつめないのである。
ので。いきなりの小ネタ。失礼。
正直、ちょっとしたデモンストレーションすら不安の塊だった奴らをステージから下ろすのだけはやばいと思う。
超能力者並べてバラエティとかトーク番組出したら編集地獄にしかならないって。
しばらくお待ちくださいからのCMあけたら357以外ちょいちょいぬいぐるみになってそう。生放送は絶対ダメだゾ☆
アイドルな超能力者様は第一位以外もやんのかね?
ラブリーミトンとコラボして泣いて喜ぶ御坂さんとかは大歓迎です。
ドーモ。
ではまた!
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 09:52:31.21 ID:F2A8Ouj70
乙
言いたいことがあるんだよ
やっぱり垣根はイケメルヘン
すきすき大好きやっぱ好き
やっと見つけた天使様
俺が生まれてきた理由
それはお前に出逢うため
俺と一緒にlevel6目指そう
世界で一番愛してる
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 14:44:37.63 ID:yLF/NLPQo
アイドルは生がダメとな!?
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/28(水) 16:37:37.69 ID:IhdM+e7CO
>>321
の安価の中身を初春がインディアンポーカーのカードにしてくれてたら間違いなくSランクで超高額取引されただろうな
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/28(水) 19:32:43.60 ID:prWCd+dfO
乙
530 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 19:47:11.43 ID:NvkkFCAAO
羽毛布団とランドセルwwww
ひでえwwwwww
……その布団3セット下さい!
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/30(金) 12:35:24.88 ID:rGZW7Ghg0
垣根さんマジちょろいっす
垣根の能力フル活用したらジャケ絵とかPVとか撮影楽そうだよな
自前で羽散らせるしwwww
532 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/11/01(日) 02:25:13.50 ID:Pjr5JOri0
ドーモ
>>495
恥ずかしながらまだやっとります。ハイ。
スレが埋まるかネタが尽きるまではやるのか、いい加減だらだらしてんのもどうなのとはね?
>>496
話によってむらがあるよなあとは書いてても思います。
見事にハロウィン垣根はこなかったよ!ノーマルな垣根はぞろぞろ来たけどな!
超能力から絶対能力まで諭吉が楽々シフトしたって言うところまではお伝えしておこう。経済力も運もない甲斐性なしの1だからか…これが……不幸、か。
ちくしょうそうさ、俺が養分だ!
>>497
リーダー、ツンデレ。紅一点、ツンツン。オタク、だだ漏れ。あれ?バランス取れててよさそうだね?(白目
垣根はある意味素直な気がしてきた。最近。
>>498
そういってもらえると1も嬉しいっす。乙あり!
>>499
垣根はキョロちゃん知ってるのかなって今思った。
ゴーグル君の起こした波に度々乗せていることはこのスレの公然の秘密だからな。
>>500
そうそう。ゴーグル君思いつきよかった。こじつけと寒いギャグは任せろ。
白くて大きな家電を見るとついね。帝凍庫君を思い出してね。disってない、いじりだ。
>>501
そう言ってもらえるとほっとするでな。
前もなんか言われた気する。カブトムシ。
なんか思いついたら保守ネタにするかもしれないししないかもしれない。
レスをネタにしたのはちょいちょいあるんだけど、確約は安価のみと言うことで一つ。
うん。僕もあんまりスレがごちゃごちゃしてるのはどうなんだと思うんだけどね?むずかしいんだね?
>>502
では心理定規濃度の高いのが出来たら。
なぜかゴーグルびいきだとみんなに反応されるけど、定規ちゃんもめでたい。
>>503
名前で呼んで欲しい垣根さんはニックネームだと喜ぶのか、キレるのか。
青ピやつっちーが一緒にいたら普通に返事するかもしれないけど、カッキーさんが奴らにも定着しかねない諸刃の剣。そうなると怒るな。
>>504
垣根はツンデレか。そうか。
暇ならなにしてもいいってわけじゃねえんだぞコラーって言ってやりたいな。
上手く垣根が出場してくれても、別のどっかの誰かの借り物に立候補したゆるキャラと同じレースだと、白熱しすぎた展開にゴーグルが愉快な死体になってしまうんじゃ…
>>505
風紀委員長ネタもか。もしなんか思いついたら(r
艦これはね、元ネタがよくわからないから難しいな。運がないから多分建造でかぶりまくってすぐ詰む。
あえてちょっとやってみるなら
海中から突如として現れた生物兵器の艦隊。
最新鋭科学の過剰戦力を投入してどこよりも早くその敵性の撃破・虜獲に成功したのは学園都市だった。
その根源、敵の正体を探る為の研究材料として、敵艦を壁の中に搬入する運びとなった。
だが移送中にトラブルが発生、拘束していた対象の逃走を許してしまう。
垣根ホワイト「ああ? なんだこれ」
北方棲姫「ウミ……ドコ?」
異形の白い少女と少年が遭遇する。
世界の大洋で発見される謎の『深海棲艦』。
奇しくも過去の大戦、歴史の記す戦火の跡地に彼らは現れた。
砲身を向けられた各国の決断が刻々と迫られる中、港湾棲姫が動いた。
その標的は――学園都市。
第四次世界大戦の勃発は免れないのか。
緊張の増す中、襲撃者が次々と二人に迫る。
???「乱造品の不始末を私に取れとかいい度胸してんなぁクソが」
???「『とりあえず』……それを引き渡してもらおうかァ」
少年は少女を海に帰すことが出来るのか。
彼女の望みは叶うのか。
北方棲姫「テイトク、ゴメンナサイ……」
科学と深海両者の闇が交差する時、物語が変わる。
禁書×艦これの新感覚クロスオーバー、この秋進水開始。
こんな感じで。嘘です。
533 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/11/01(日) 02:33:36.49 ID:Pjr5JOri0
>>506
何でムカつくかわからないけどもやもやする垣根さんの怒りが有頂天でゴーグル君がストレスでマッハなんてことになるぞ。
鬼かどMか
>>507
その発想は無かった(棒)
突撃!隣の構成員!とか言っていきなりお宅訪問したら心理定規に全力で追い返されそう
「どちらさまー? って」
「よお」
ガチャ……ギッ
「なん、で……あなたがいるのよっ?!」
「よお」
「……何なの。こんな時間にいきなり来て」
「え? 泊まりに来た」
「どうして」
「昨日はゴーグルんとこだったから。今日お前な」
「帰ってちょうだい」
「へー。お前こんな部屋に住んでんだ? ん? なんだよソファ小さいな? じゃあこの辺にベッドを作って……」バサッ
「ねえちょっと勝手に部屋のものに触らないで羽も出さないで。家具を増やさないでってば! 帰ってちょうだい!」
困った。リーダー帰ってくれそうにない
>>508
なー。チートハーレムじゃないガチな戦史ものでクロスとかはまたハードル超たっかいな。
1は今脳幹先生のかんこれSS探してる。
なんだよ妄想してんならなんかかいてよーねーねーかいてよーーー
>>509
オリジナルのレア低くねwはいむら絵なのか?なら仕方ない
ガチャの冷蔵庫が、冷蔵庫(家電)なのか冷蔵庫みたいな装置なのかで愉快さが変わるんじゃ。
冷蔵庫のドアガチャーなら微笑ましいが、引くたびに病理さんがボタンポチーだったら嫌だ。
カブトムシの中にたまにエラーがいてそいつは垣根未元体(SSR)に進化とかなんですか。需要狭すぎて誰得だよお。
>>510
やったー1が増えたぞよしじゃあこっちの1はひたすら強敵叩く係な。そっちの1はNカード集めて売却しといて
>>511
いつからお前が
>>1
ではないと錯覚していた?
>>512
奇遇だな。私も1だ。
>>513
雑談はおーけーなのですよ。って言うかあれだよきっとこのスレ話題がねえんだよ。1が来たり来なかったりだからだよいわせんなばか
宣伝か。ちょっとくらいしてってもいいよね。なんか書いてんならいいじゃんなー教えてくれても
>>514
な、なんですって?一体誰が犯人なんです!
>>515
そんなこといったらこの世のほとんどが垣根になっちゃいます。未元物質こわい
>>518
えー。アイテムみたいに超人気が出て超出番が超増えるンですか?超嬉しいンですけどォ超ほンとですかァ
534 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/11/01(日) 02:35:10.43 ID:Pjr5JOri0
>>519
待てよ。そんな簡単に死ぬんじゃねえよ。
まず超電磁砲で垣根が登場するだろ。俺ら死ぬだろ。
上手く進んで禁書の方で暗部サバイバル編がやるだろ。俺ら死ぬだろ。
絶望しろコラで博士死ぬだろ。俺ら死ぬだろ。
次々でてくる垣根往年の名台詞。俺ら死ぬだろ。
一方通行出てくるだろ。垣根死ぬだろ。
数年たって三期アニメ化の話が出てくるだろ?死ぬわ。
声優が決まるだろ。死ぬわ。
アニメのカラー絵が発表されるだろ。死ぬわ。
放送日が決まるだろ。死ぬわ。
OPで垣根が出てくるだろ。死ぬわ。
アニメで喋って動くんだろ。俺たち死んでられないだろ?
いいぜ。せいぜい今のうちにさっさと死んどけよ。
いつまでも死体のままでいれると思うなよ。こっからが本番だろ。
気を付けろ。死に続けてるとな、そのうち起き上がって痛いSS書いたりするようになるんだよ。1みたくなんぞ
>>520
まじかよ。もっと早く言ってよーだよな
>>526
ごめんちょっと笑ったw
ジャ二◯ズとか男性アイドルにもああ言うのあるのかな
キラキラ衣装で踊る垣根とかメルヘン過ぎていろいろ耐えられる自信がない。腹筋とか
>>527
一方垣根、御坂食蜂は一緒にしたら挑発しあって騒動になりそう。麦野はピー音入れそうなことも平気で言いそうだし削板が一番何するか読めなさそう。やっぱ全員問題あり放送事故必須。
>>528
インディアンポーカーて?
>>529
乙ありですドモ
>>530
キレッキレでランドセル体操踊る第二位とかテレビの前のお茶の間が愉快なことになってしまうよ。第二位のイメージ的にまずそうなことはさせないと思いたい。事務所OK出ても本人が断ってくれるはず
きっと企業も便乗しまくってくれる。
限定プレミアム特別仕様だと販促用グラビアポスターやシーツ他コラボおまけが付いてきて今ならお得な羽毛布団夏冬1組二十四回払い月々二万円コースとかがあるんじゃ(適当)
>>531
【超能力者とか言ってもまだ子どもだからですかね。レベル5の中でもお前先発だから第一位に先手打てるぞって言ったらあの後笑えるくらい張り切ってやんのwww】
【見た目通りやっぱ派手好きなんでしょうねー。撮影やステージやらせても自分で演出したがるんですよ。照明スモーク特殊効果おまけに火薬なしで爆発までいけるしいろいろ費用も浮いてます。いやー便利な能力で助かるわww】
今さらだけどスクールの制御役って男でよかったのかな
『アイテム』が軽めでテンション高いステファニーさん系のおねーさん、『グループ』が嫌味な丁寧口調の「くどい海原」みたいな男。
『スクール』は全然描写ないけど超電磁砲のあれで「煽ると草生やす兄さん」イメージなんだがそんなんでいいのか
誰ですかー?本屋さんの電撃大王ラスワンゲットした子はー。先生しかたなく密林さんにお願いしたのですよー。
こっから安価
>>201
のなげおとすけどなー1も予想外に心配なかんじになったからくれぐれも注意ですよ。
535 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:41:45.82 ID:Pjr5JOri0
※キャラクターイメージを大いに損なう恐れがあります。くれぐれもご注意ください
※ネタをネタと(r
「あれ……ここ、どこだ?」
ベッドの上からぼけぇ〜っとした声が上がる。
間抜けなセリフの主は、寝癖だらけの頭をぐしゃぐしゃと掻いて首をひねった。
彼のことは某組織での呼び名で仮に『ゴーグル』の少年としておく。
ゲーム機とアニメグッズだらけの自室とは似ても似つかない場所で目覚めた彼はちょっとした浦島太郎気分でぼんやりしていた。
思わず口にした疑問はまだ解決していない。
見たことのない部屋だった。大きなベッドと真っ白なシーツ、広い部屋はどこかのホテルみたいだった。
確か昨夜は寝落ち寸前までゲームをしていたが、こんなところにきた記憶がない。
どうしたものか、とりあえずその場に正座してまぶたをゴシゴシしていると。
白い部屋のドアが開いた。
そこから入ってきた人物にゴーグルはねぼけ眼を大きく見開いた。
一発で目がさめるどころか、うっかり心臓が口から出そうなくらいびっくりした。
「おう。目ぇ覚めたか」
暗部組織『スクール』のリーダー、垣根帝督がにこやかに入ってきた。
朝から「ご機嫌なリーダー」なんて言う激レアに遭遇したゴーグルは、その後ろのドアをじっと見つめた。
心理定規や下部組織のやつらがベタなプラカードでも持ってきて「寝起きドッキリ大成功!」みたいなのを期待したが。
垣根は黙って後ろ手にドアを閉めてしまった。
何やら片手にトレイを持って、垣根はベッドの前まで歩いてきた。
ぼさっとしているゴーグルのだらしない格好を見るとしょうがねえなあ、って顔をして眉を寄せた
「ったく、遅く帰ってきてゲームすんならちゃんとしろっつったろ。ソファーで落ちてたから俺が運んだんだぞ。ほら」
そう言われてもさっぱりわからないし、なんでそんなことをされたのかも覚えてない。
じゃあここは垣根の部屋なのか? なんでそんなところで寝てた?
ますます状況が読めなくなる彼の前にマグカップが差し出された。
「あ……なんかわざわざ、すんませ……え」
ペコッと頭を下げてゴーグルは差し出されたマグカップを受け取った。
トレイに残っていたのはソーサーに乗ったティーカップだった。
白く華奢な造りのそれと、自分の手の中のアニメプリントのカップを見比べて少年は反射的に垣根を見返した。
「片方淹れてる間に支度は済む。ついでだ」
ベッド横の椅子に掛けると垣根は足を組んだ。
いちいち絵になる様でカップを口元へ運ぶ。
「紅茶のついででカフェオレっスか」
「コーヒーいれんならお湯は九〇度以下、紅茶の方は沸かしたてに限るだろ。んなことより。味」
なんで全然種類が違うんだろうと思わずつぶやいたが垣根はこれぐらい当然だろ、と言う風にお茶の知識を披露していた。
そして、カップを持ったままぼけっとしていたゴーグルに目を向けてくる。
慌ててゴーグルもコーヒーをすすった。
焦って口をつけた瞬間、火傷を覚悟したのだが。
ちょうど飲み頃な温かさだった。
「なんスかこれ……メッチャうまいっス」
軽く感動しながらそう言うと、垣根は得意げに目を細めた。
「そうだろうな。ま…隠し味が違うからよ」
「だ、『未元物質』っスか?」
「お。お前も違いがわかってきたな」
冗談のつもりでそう聞いたのだが、垣根は特に否定もしないでうなずいている。
まさかの当たり、ガチでしたか? それは口にしても大丈夫なのでしょうか。
ごくん、とカップの中身を飲み込んでから固まるゴーグルの少年。
それを見ていた垣根は愉快そうに笑った。
「ばーか。冗談だよ。俺がちょっとその気になりゃこんなもん楽勝だっての。どうだ? コーヒーメーカーの買い替えは、無期限延期だろ」
「こーひーめーかー?」
「もう忘れたのか? いつまで頭が寝てんだお前」
一体なんの話だろう。
ゴーグルの少年が首を傾げている間に。
垣根は空になった食器を持って部屋を出て行ってしまった。
536 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:45:37.44 ID:Pjr5JOri0
とりあえず起きよう、と意を決した彼が寝室っぽいとこを出て、やっぱり見覚えのない白くて広い部屋をうろうろしていると。
ひときわ広いスペースに垣根がいた。
壁にはめ込まれた大きなテレビの前に立っていた垣根は、ゴーグルに気付くとキッチンらしきスペースの方を指さした。
「俺そろそろ出るぞ。お前の飯はそっちな、有難く食えよ」
「えっ?! すんませ……あれ」
激レア、超激レアときて更にありえない追加イベントが発生した。
なんかもう、いきなりおかしな事故にあうとか突然敵対組織に襲撃されてうっかり死ぬんじゃないか俺と混乱しながらゴーグルは頭を下げた。
びっくり仰天意味不明の連続だが、反射的に謝罪を忘れなかった。
そして。
顔をあげた時、ここにきて一番の違和感を目にした。
さっきまでは下ばかり向いていたから気づかなかったが。
彼の頭にある疑問が浮かぶ。
今目の前にいるのは本当に垣根帝督なんだろうか?
ぽかんとするゴーグルの少年に、垣根は何故か得意げな顔をしてネクタイを結んでみせた。
「これか? よそのやつも呼んで朝からミーティング。あいつら俺にちゃんとした格好してこいってうるせえんだよ。誰に物言ってんだか。で、どうだ」
「いや……垣根さんっスよね? 垣根さんだけど、垣根さんじゃない?」
以前から大人っぽい服が似合うとは思っていたが。
仕立ても値段もよさそうなスーツにきちんとネクタイまでしていると「ぽい」がすっかりどこかへ行ってしまうようだった。
暗部のリーダーの貫禄はそのままに全体的に落ち着いた雰囲気の垣根が立っている。
「見違えるほどか? それとも寝ぼけてんのか? ったく、ほら。我ながらイケてんだろ。何もねえの」
寝起きの瞬間からよくわからないこと続きでゴーグルの少年は混乱していた。
「はぁ……似合ってるっス」
てきとーな返事がお気に召さなかったのか、垣根はむっとした表情で足をゴーグルへと向けた。
「別に俺は、お前が『嫁』を何人持とうが気にしねえけど。その倍は俺に尽くすのがフェアなんじゃねえか?」
「え、あ」
ゴーグルの少年は不機嫌な垣根の迫力に後ずさる。
言ってる意味はよくわからないが。
垣根は明らかに怒った様子で一歩一歩向かって歩いてくる。
近づいてくる垣根をよく見て、さっき感じたひっかかりの正体が彼にも何となくわかった。
整った顔や細いシルエットは記憶にあるものより精悍さが増しているような気がした。
今目の前にいるのは彼の知っている十代の垣根ではないようだった。
数年越しの記憶喪失、とか中身だけタイムスリップなんて単語が頭に浮かんだ。
まさかそんな、漫画やゲームじゃないんだからと否定したいが、目の前の現実はそうはいかない。
「お前はやっと休みだろうけど、これからつまんねえ用事で出掛ける恋人に気の利いた言葉一つ言えねえのかよ。お前ってさー、何年経っても本当変わんねえな」
「はい? 今……なんて?」
ここ一番の爆弾発言にあっけにとられながら。
おかしな声で叫びそうになるのをこらえて、なんとか聞き返した。
ゴーグルの前まで詰め寄ってきた垣根はそこでふと眉を寄せた。
よく見る不機嫌な表情とは少し違う。
心配そうな目をしている……かもしれない。
「俺今日仕事だぞ。あれ、言っといたよな?」
「いやそこじゃないっス。えっ、冗談ですよね? こいびととかまさ……か」
口にし終える前に、瞬間ゴーグルは悟った。
これはあれだ。
やってしまった。
それを聞いた垣根の顔が一瞬無表情になった気がした。
その後で唇がゆっくりと弧を描く様がなんだか死神の鎌にみえた。
それはそれはきれいにみごとに思いっきり地雷を踏み抜いた実感があった。
背筋にブワッと嫌な寒気を走らせて、引きつった笑顔のままゴーグルは立っているしかなかった。
537 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:48:06.21 ID:Pjr5JOri0
「ふーん。随分笑えねえジョークだな? お前にしては」
「あの、いや、なんか寝ぼけてて、あれー何言ってんだろ……すみません」
「なあ。俺は朝からすげームカついてんだけど」
「だってあの……俺っ」
ゴツ、と後頭部が壁にぶつかる。
元からどこにいたってなさそうだった逃げ場は完璧にゼロになっていた。
だが。
ゴーグルを追い詰めた垣根は何故か楽しそうに笑ってみせた。
「んなガチでビビんなよ。何それ。うっかりときめくだろ」
「ぎゃあっ!」
ベキャア! と垣根が手をついていた壁が砕けた。
ゴーグルの背中の後ろまで大きくヒビが入っている。
垣根は某第五位みたいな、他人をてっぺんから見下したいい笑顔をしていたが冗談ではない。
恐怖の壁ドンにゴーグルの頭は真っ白になった。
垣根の次の行動がまるでわからない。何だか話もいつも以上に通じていなくて。
ただただこの意味不明な状況が恐ろしかった。
事故とか襲撃とかんなかわいいもんじゃねえ、ここ? 俺ここで死ぬ? と心臓を縮み上がらせながら少年は震えだした。
その耳元に顔を近づけると垣根は静かに囁いた。
「『俺が悪かった、帝督ごめんなさい』って言ってみ。三回くらい」
「はい。えっと……」
「言えよ」
命令する垣根の声が低くなった。
ゴーグルは目を閉じると必死に声を張り上げる。
「俺が悪かったです。垣根さんごめんなさい。ごめんなさい!」
命じられたままにそのあと三回分繰り返すと垣根は腕を組んだ。
「うーん、そうだな。『帝督愛してる』って言ってみろ。百万回くらい。努力次第で考えてやってもいいぜ」
「えええ!」
おまけに考えてやる、だ。
そこまでしてもこの元(?)リーダーはあっさり許してはくれないらしい。
でもゴーグルだってしたくて怒らせた訳じゃないのだ。
なんでこんなことになったのか彼には覚えがない。
あってもそれは嫌だが、いきなりすぎてついていけない。
まるで夢でも見てる気分だった。
夢。
そのひらめきにゴーグルの少年はハッとした。
「なんだこの流れ……あれ、これ夢? ギャルゲ御用達な夢イベントだ? しかも垣根さん√?! なんだそれ誰得だよ!」
そう考えると何となく今までの展開にも納得できた。
覚えてないだけで何がどうおかしな世界線に突入したのか。
生涯ぼっち予備軍だったオタクの俺が暗部のリーダー(男)とくっついちゃったらしいです!なんて話よりはよっぽど。
夢オチの方が可能性と希望がある。
と言うかそうでないとわけがわからないよ。
未来設定の夢の中で新婚さんな二人がいってきますのチューや何やらを巡ってイチャコラする感じのイベントは漫画やゲームでもよくあるやつだ。
目がさめると遅刻寸前とか、登校前にその子とバッタリとかそんなオチのつくやつで。
ラブコメのテンプレってぐらいあるあるなネタの一つな訳ですが。
もし、そうで。
お約束の展開の流れ通りにするなら、垣根にはなんとか穏便に出勤してもらえば話は済むんじゃないか。
「いってらっしゃい」できれいにオチをつけるのが平和なやり方だと思いたい。
ドタバタは勘弁だ。
間違ってもラブコメ路線なんてもってのほかだ。
538 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:50:40.12 ID:Pjr5JOri0
「これから仕事なんスよね? ダメっスよいかないと」
「平気だって。俺一人抜けたくらいで回らなくなるなんて柔な環境も、ダメな部下もいねえから。
ある程度、トップ不在で動ける組織作りってのはしておかねえと。相変わらず下にいるのは無駄に年だけ食ってる奴らばっかだけどな」
何だか無駄に過去の背景設定の生かされていそうな台詞が出てきた。
一体どんな仕事をしてるんだろう、と興味はわいたが今はそこにかまっていられない。
垣根は、自分の機嫌を損ねたゴーグルになんらかの責任を取らせる為に仕事を休むつもりらしい。
機嫌悪いから休みます、だと小学生でもやらないサボりになってしまいそうだが。
この人なら平気でやりそうな気もするし、そのあと休んだ分くらいはしれっと挽回しそうでもある。
「えーっと……俺のせいで垣根さんの仕事にまで迷惑かけらんねえっス。そういうの、ちゃんと大事にして下さいっス。俺、ちゃんと反省しときます」
(これいけるんじゃねえ? 垣根さんを立てつつ、反省してますって感じで満点はいかなくても高得点なセリフだと思う!!)
よかったこれは現実じゃないぞと思った時点で、彼の心は少し持ち直していた。
ふだんの夢のようにただ見ているというよりは自分である程度行動できるかんじなので、ちょうどゲームでもしている気分だ。
ゴーグルの少年の好きなゲームの中では、途中でちょっとしたズルをすると次に電源を入れた時に彼女から怒られてしまうことがある。
最悪、スタート画面にさえ移動出来ないと言う目にも何度かあったことがある。
おまけにそう言う時に限って場所が電車の中や教室だったりするのだ。
不思議と、マイクでの解除ワードの催促をされても答えられないような悪いタイミングが重なる。
そんな時にゲームしてんじゃねえよ、と言う話は置いておいて。
今、この場合。
ミスると夢の中でもオフになる可能性がある。
ゲームの電源や何かよりよっぽど大事なものかもしれない。
夢だからって嫌なものは嫌だ。
悪夢はすすんで見たくない。今だって十分そんな状況だけど。
そして、夢だと言っても相手はあの垣根帝督。それを避けるには最大限の注意を払って対応しないといけないだろうとゴーグルの少年は直感していた。
愉快な死体エンド痴情のもつれ?バージョンはないと願いたい。
ゴーグルは最悪の目覚めから逃れるために一生懸命頭を下げた。
539 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:51:42.02 ID:Pjr5JOri0
「……お前がそこまで言うんならしょうがねえな」
垣根が仕方なさそうに頭を掻くと。
その後ろ。離れた床の上に白い点が現れた。
ばしゃん、と液体でも固体でもなさそうなものが大きく広がる。
白いその中から人型が生えてきたと思うと。
あっと言う間に目の前の垣根とそっくり同じ姿をした人物が出てきた。
着ているものも髪型も、もちろん顔も見分けがつかない。
『未元物質』で作られた偽物と言うことなのか。
それに向かって垣根は、気になっていた小さな汚れを片付けたような顔をして晴れやかに笑った。
「よし。俺の代わりに行ってこい。これ、今日のスケジュールな」
ぽいっと投げつけられたPDAを受け取ると二人目の垣根は画面を覗いて顔をしかめた。
ゴーグルの少年が夢の中(仮)だというのに驚いてしまうほど自然な、生き物のような反応だった。
「うわーオリジナルお前サボりかよ。こんだけ予定詰めといてよくぶっちぎるな」
「先方には愛想良くしろよ? ただでさえこっちが優位な話じゃ反感食らいやすい。精々向こうの顔くらい立ててやれ」
「何お前ら修羅場? それとも……えー、朝から随分元気だなテメェら」
垣根(その2)は垣根とゴーグルを呆れた様な目で見ていた。
「ばーか。まぁ、その辺はほら。こいつの今後の態度次第だな」
「はい?!」
心臓によろしくない不穏なワードが次々飛び出してくる。
だが、垣根は二人ともそれを無視した。
大したこともなさそうな、慣れきったような態度が逆に恐ろしい。
「面倒事人に押し付けといて何だよな。楽しそうでうらやましいぜ。久しぶりに血の雨の降りそうなやつかそれとも……
まぁ、どっちにしても後で俺も混ざっていいか。怠いし、幾つか削れんだろこれ」
「うるせえ。いいから行ってこい。手ぇ抜くなよ」
荷物を押し付けると垣根は蹴り出すようにして垣根二号を部屋から出て行かせた。
窓からじゃなくてよかったなあとかくだらないことを考えていたゴーグルの少年は。
何も事態が良くなっていないことにやっと気付いた。
「これでいいだろ。なんかさ、もう行く気なくなったわ」
遅かった。
せいせいしたろ、と笑う垣根は既に問題が解決したと判断しているらしい。
垣根の方はそれでいいかもしれない。
まさかの、気分で仕事の予定をぶっちぎってしまった。
いや。確かに現状で問題は何もないかもしれない。
垣根帝督(らしきもの)は出勤しているわけだし。
残っているのは、ゴーグルの少年がいかに最小限の被害でこの先のステージをクリアできるかと言う未知の課題だ。
それに備えて出来ることはまだあるのか。
「大丈夫だ、俺がしっかり数えとく。だからお前は余計なことなんざこれっぽっちも考えなくていいぜ。ただ俺を満足させりゃいい」
ラスボスはさわやかな笑顔でそう言った。
ここで何か抵抗できるか。
いや。そんなことしても、事態が良くなるとは思えない。
何よりすっかり垣根帝督のペースだ。
きっとこの先待ち受けているのは超能力者ランク『未元物質』の固有結界ステージだ。
「あの馬鹿が帰って来る前に済ましちまおうぜ。まぁ、勝手に増えるなって言っといたからあいつまで替え玉立てて戻ってくるってのはないと思いたいが」
「え。あの垣根さんっぽいの増えるんですか? 更に?」
「そうそう。それにあいつらはほら、俺と違って色々と……な?」
『未元物質』驚愕の新機能らしきものや、さっきからの同性に向けるには色々と問題ありそうな発言と無駄にいい笑顔となんかフェロモンっぽいのやらと、トドメに怖い台詞含みまくりなウィスパーボイスがゴーグルの少年に繰り出される。
丸腰のゴーグルの少年は隙のない垣根の連撃を前にして。
迎撃するにもこっちは弾幕張れない、回避もないしこれ着弾したらアウトだとゲーマーの勘で悟っていた。
なにより相手は垣根帝督。
大人しく従うしかないだろう。
今までも、if未来軸の夢でもそこは変えられないのか。
今までの常識ゲームオーバーの予感に彼のこれまでの人生がつまらないエンドロールになって浮かんできそうだった。
540 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:53:08.63 ID:Pjr5JOri0
「わぎゃぁぁぁあああああ! あああ、あ……あれ」
がばあっ! と跳ね起きたゴーグルはベッドの上でぜえぜえ息をしていた。
「夢……スか」
肩を上下させながら、少年は部屋の中を素早く見回した。
垣根大人バージョンはそこには居なかった。
部屋のなかは薄暗い。
さっきまでの出勤前の朝っぽい雰囲気もここにはなかった。
「よかったぁ……本っ当に夢でよかったー」
目が覚めた、ということはあのわけわからん空間は夢だったらしい。
これで無事だ。
一安心だ。
「あっちこっちおかし過ぎて、気になるっちゃー気になるけどあの場で深く考えたらそこで終わりな気がする。SAN直的な意味で」
手元にダイスが無くて良かった、振ったらがっつり持ってかれるやつだ、と呟きながら。
悪夢から無事目を覚ませたことに安心しきってゴーグルはベッドの上をごろごろ転がり始めた。
「何してんだか。お前も面白えな」
ドアの開く音と聞き覚えのありすぎる声にグギギギギ、とゴーグルは振り向いた。
ギリギリセーフなのか今度はよく知っている垣根の姿だった。
「目は覚めたか? 」
「かきね、さん? いま、俺の……」
スクール』に入ってすぐ、自己紹介の時に『ゴーグル』を見せたら次の瞬間にはあだ名が決まっていた。
それ以来、もしかしたらはじめてかもしれない。
自分の名前、なんてきっと一生で相当の数見て聞くものを久しぶりに呼ばれて。
ゴーグルの少年は日ごろの扱いとのギャップでうっかり泣きそうなくらい感動していた。
「何だよ。大袈裟だな。それよりハニーとかのが好みか?」
「え」
油断したとたんに雲行きがまた怪しくなった。
垣根が口にしたのは、ついさっきまでの夢の中を想起させる単語だった。
やばい。
これはやばいやつだ。
パターンの判別なんてするまでもない。
この流れはあれだ。
「私はまだ変形を残している」系のボスキャラや、アクションものやホラー映画のオチでよくある「終わったと思ったか? はっはーんまだあるぜ!」的な奴だ。
この場合、物語は一旦締められたように演出されているが、それは次の展開への伏線や次作への期待を持たせるものだ。
残念なことに、油断していたところをひきずり落とされたゴーグルの少年はその気配に恐怖と絶望しか感じない。
「嫌か? じゃあ、ダーリンとか後は……俺の天使? いや、流石にねえな。そんなことより」
「え」
「まだ九十九万四千二百七十三回分残ってるけど。どうすんだ? 続けんのか?」
「あーーー! そっちかぁあああ?!」
はっとして少年はベッドから駆け下りた。
垣根を押しのけてドアを開けた先にはまた広い空間。
そこはまたしても白い壁紙白い床。
見慣れない、白い部屋だった。
541 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:54:59.53 ID:Pjr5JOri0
「る、ループだ?! 終わってなかったのかよさっきの続きなのかこれどこだ二面か?
おまけに地味に減ってるってことはガチでやらなきゃダメなんスか、ノルマはスルー不可っスか?
そして俺はいつの間にそんなに言わされたんスか」
「何だ。やっと気付いたのか。じゃあお前まだそんなに飛んでねえの?」
ドアの前でへたり込むゴーグルの後ろで垣根はコキンと首を鳴らしていた。
「と、飛ぶって?」
「これ何回目だ、って話してんだけど。へえ、意外ともつもんだな」
「い、嫌だ……覚めない悪夢とかなんの冗談スか。つうかループしたってことは、前の俺はどうなった?
よくあるやつは特定のポイントでループだしあとは……死んでトリップコース? まさか……か、垣根さんに? とうとう俺も愉快な死体デビュー?」
「何だよ。あれ? お前それも覚えてねえのか。詳しく聞きてえか?」
一旦リセットすんのかこれ。いや、状況がわかってんなら最低限、背景設定くらいは頭に入ってそうだよな。
と意味のわからないことを呟きながら垣根は首を傾げた。
「それは気になるけど恐いので遠慮させて下さい」
「遠慮なんざしなくていいっつーの。んなことより、もっと大事なことに頭を使え」
「この垣根さんも前の垣根さんも設定とか何とかは諸々引き継いでらっしゃるのでしょうか?! その優しさが俺には怖いっス」
「別に優しさじゃねえよ」
「それでは一体なんなのでしょうか」
「真心じゃねえから下心、とか」
おっと。
ちょっと不穏な空気がやわらいだぞ、とゴーグルの少年は垣根のベタっぽいボケの振りに便乗してみた。
「でははい、そのこころは」
「えーと。恋?」
「垣根さんにしてはなんかベタすぎっスね」
「そこはスルーかよ」
危険なワードはあえて触れない。
下手に内部パラメーターでも変動して、会話がおかしな分岐に進んでしまっては困る、とゴーグルはノベルゲームにでも興じる気分で笑って返事をした。
「言葉あそびっスよね? そうですよね。ツッコんだら駄目な気がします」
「え? 何だって?」
「あー、いや。はい。スルーしました」
絶対に聞こえていたのに、狙い澄ましたようなおうむがえしで尋ねた垣根に、ゴーグルはあえて言葉を変えた。
その切り返しに垣根は感心したように、にやりと笑った。
「自分からの見え見えの振りをシカトかよ。いい度胸してんな」
「自己防衛本能っス。俺はチキンなんで運良く踏みそこなった地雷は全力で回避します」
542 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:02:09.71 ID:Pjr5JOri0
おい、とゴーグルに一声かけると垣根は隣に座ってきた。
「は、はい? なんスか」
「ん? いや、やっぱよくわかってなさそうだからさ。どうすりゃいいかヒントくらい教えてやろうか?」
大サービスだぞ? と人差し指をたてて得意げに言うが。
なんかもうノリがおかしすぎてゴーグルはぽかんとしていた。
「なんでこっち来るんスか?!」
「ほら、俺別にお前の敵じゃねえけどこう言うのが許されてんのかまではわからねえだろ。バレない様にこっそり聞けよ?」
そのまま内緒話をするように更に距離をつめてくる。
普段ならそこまで過敏にはならないだろうが、さっきまでの悪夢体験でゴーグルの少年はひどく怖がっていた。
「だからって近っ、顔近いっス!」
「デカい声出すなって。『総体』にバレんぞ」
「えっ。なんスかそれ。もしかして夢の平行ループ世界に散らばる垣根さんの中核が? じゃあその垣根さんに許して貰えたらこのおかしな夢も……」
「いや適当言ったんだけど。そんなの本当にあったのか。へえ、外に出て探してみるか?」
窓の外を指さして垣根はそんなことを提案したが、またしてもほっとしかけたところを落とされてゴーグルの少年はろくに話を聞いていない。
大慌てで垣根から距離をとった。
「なんで! 今! そんなテキトーな嘘吐いたんスか? ちょっと期待したじゃないですか」
「やたらビビってるお前に近寄るには、いい口実だろ? 何お前そんな引いてんだよ」
完全な棒読みで「うわー傷ついた。俺いますげー傷ついたぞ」と言っているのも、普段の垣根ならありえないふざけ方だ。
「やっぱこれ俺の知ってる垣根さんと違う」
「どんなもんかは知らねえけど。お前の知ってる俺ってのが、本当の俺なのか? どれだ? 『スクール』のリーダーの俺か? 『超能力者』の俺か? 他には何だ。何がある?」
皮肉めいた笑みをうかべると。
垣根はふと遠い目をして呟いた。
「そいつの何を、誰が本当にわかってやがるんだろうな」
ゴーグルの少年もオタクの端くれだ。
妄想とかそんなのは大好きだし、実は◯◯設定やもしもネタも笑って楽しめる。
だからって「何故か全力フルスイングで盛大にデレてくる垣根さん」とかはゴーグルの少年は嬉しくなかった。
なんかもうデレとかそんなちゃちなレベルじゃねえのはうすうすわかっていたが。
アクション映画やサスペンスの手に汗握る展開だって見ているからこそ面白い。
自分の身に降りかかってくるのは別問題だ。
もし二次元嫁推しキャラなら強制ラブコメ大歓迎オールオッケーこっちから三つ指ついてお願いしますでも。
実は垣根はホモだったんだよ! 世界は滅亡する!! とか言われたら世紀末の終焉の方に激しく納得同意してしまうと思う。
「なんスかねこの状況。いっそ楽にしてもらった方がマシなのか……
いや、もし死んでも戻るんならなんにもならないじゃないスか長引くだけっスよね。何がループのフラグだったんだ」
543 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:03:38.21 ID:Pjr5JOri0
ゴーグルの少年は悩みだした。
別におかしなものに触ったり、謎のゲートを通ったりバケモノの返り血を浴びたり。
時間や世界を移動する色んな装置を使ったり乗り物にも乗っていない。
世界を自分の意のままにする女子高生と交流なんかもしていない。
白くてウザいちんちくりんに何か願いごとをしたりもしていない筈だ。
それに、そう言う系のループなら何か便利そうなことや前回の記憶を持ちこしているのがお約束の筈だった。
そもそも夢の中身に理由なんてないのかもしれないけど。それにしてもいきなりすぎて訳がわからなかった。
早く目が覚めるのをまつ以外に対処も浮かばない。
夢だとわかっている夢の中でタイミングよくいまだ! Yボタン、とかすると現実世界に戻れたりするのだろうか?
「俺もよくは知らねえけどお前のことだ、大方俺の機嫌を損ねたんだろ。それがマズいって思ったんじゃねえのか」
「まさかそんなのが原因って……」
「否定出来んのか?」
「そんなぁ? だってここ俺の夢の中ですよね!?」
「そりゃあな。だが相手は垣根帝督だぞ? 俺にそんな理屈や、お前の常識が通じると思ってんのか」
根拠も説得力もないはなしだが、そう言われると何故か納得できてしまう気がするのは暗部組織でのあれこれに毒されているのだろうか。
別に垣根帝督個人はそこまで破滅的に傍若無人で非常識で血も涙もないクレイジーさんではけっしてないのだが。
「夢にしたってすげー理不尽なのになんかしょうがない気がする……垣根さんってすげーなー。えー。じゃあとりあえず、さっき聞いた一〇〇万回どうの…ってのがんばるしかないんスかね」
「まぁ、俺の不満を先に解消させた方がいいだろうな」
そう言うと、垣根はゴーグルをほっといてその場を離れた。
「さっきから随分余裕こいてるみたいだけど……そうやって口が利けてるうちに数稼いだ方がいいんじゃねえのか」
ベッドに腰かけながら垣根はゴーグルの少年を見下ろした。
なぜそこに? 椅子そっちじゃね? と思いながらゴーグルは垣根さんは何してるんですか、と聞いた。
「いや。どうせなら、特等席で聞いてやろうと思って。お前はそこで正座な。まだ」
まだってなんだろうと思ったが、余計なことはきっと聞かない方がいい。
探索者系の一般人寄りのジョブは下手に深追いするとすぐおかしくなって死んでしまうのがゲーム盤上のお約束だ。
長生きしたかったら手も口も出さずにスルースキルを磨いたほうがよさそうだった。
544 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:09:06.77 ID:Pjr5JOri0
「口にすんのはもう止めたのか」
「夢の中だからってそんな長時間愛を唱えて過ごしてたらうっかり事故りそうで嫌っス。なんか心理定規が前にそんな様なことをっスね……あとで目が覚めるからってToLoveるのは勘弁っス」
とりあえず、一〇〇万回の罰ゲームノルマを遂行中のゴーグルの少年だが言いはじめてみた解除ワードが予想以上に厳しかったので。
もう少し優しいやり方でなんとかならないかと垣根に相談してみた。
なぜかあっさりノートとペンが用意されたので、今は小学生の漢字の書き取りみたいなことを床の上でしていた。
「嘘から出た真って言葉があるよな。別にいいんだぜ、何か芽生えちまっても」
「殺意とか争いの芽とかは縁起でもねえっスけど。愛とかこの場で芽生えても何にもならないスよ」
「何もねえってことないだろ。そうなったらとりあえず、今の俺はしばらく退屈しないで済むだろうな」
「はぁあああ、何故ここにいる垣根さんはそんなに広くオッケーなんスか。
『俺と垣根さんがこう……口に出すのも憚られる感じの、夢の中の設定』の影響なんですか。そこを目指さないと旅は終わらないとかだったらどうしよう」
「なんだよ。そう言う方向性で行ってみるか? っつうかむしろ不満があんのか。顔も頭も良くて金もあって超能力者で、非の打ち所のねえ俺のどこが気にいらねえんだか。
あ。完璧過ぎるとだめってやつか? そればっかりはな。仕方ねえよ。天に二物も三物も与えられてるもんな、俺」
「それを自分で言っちゃうのが垣根さんっスよね。いやあの俺男はものすっごく守備範囲外です。フラグも圏外です」
「じゃあ女ならいいのか。そうだな、別に夢だしなんとか……あれ。お前女の方がいい?」
「そうだ。そうですそうでした。そもそも俺三次元はですね」
「アニメって幾らあれば作れんだ」
金かけるとワンクール数千万だっけ、億いくっけ? いや。垣根さんならリアルワールドでも、用意できたとか言いそうでこわいぞ、とゴーグルはビビッていた。
「えー、あの俺垣根さんのことは『スクール』のメンバー以上に見れないっスから。やっぱ無理ですって」
「お前なあ。ここ夢だぞ。何堅く考えてんだ。まぁ、それでもお前がそこまで言うんなら……仕方ねえ」
あーあ、と残念そうに言うと。
垣根は頭を掻いた。
「お友達から…よろしくな。幸せにしてやるよ」
「最後なんでカッ飛ぶんスか? なんで恋人ルートで完結しちゃうんスか他のENDはどこいったんスか!」
ものすごいファールを場外にぶち込んだ超能力者はものすごくさわやかに片手を差し出したが。
拳を握ったゴーグルの少年が握手に応じないのを見るとすぐにそれをポケットにしまった。
「何言ってんだ終わってなんざねえよ。俺達の活動はこれからが本番だ」
「だめだ。やっぱり聞いてくれない。俺の声は聞こえてるはずなのに話にならない。なぜだどうしてだ」
ただでさえ真偽のあやしい常識なんてものはここではカンナかけてやすりで削っておまけにロードローラーで轢きつぶされてしまったくらい粉々なのかもしれない。
「夢の中の垣根さん、あれっスか……あなたさまは実は男も大丈夫だーとかそんなのが……?」
現実ならもちろんばっさり否定してもらいたい質問だがどうしても、この夢の中が不可解すぎてつい聞いてしまった。
「男だから女だからってのは、そんなに大した問題か? そいつだから、って答えの前にはつまらねえもんだろ」
「夢にリアル世界の理屈を持ち出すのもなんスけど。違和感ハンパねえっスよ」
幅のありそうな返答にほっとしていいのか悪いのか判断に悩みつつ、ひたすらページを埋めながらゴーグルは新たな疑問をぶつけてみる。
「何でだよ。この俺がいいっつってんのにか」
「だって俺っスよ? 能力も大したことねえ顔も並みモブ・ザ・モブいいとこなしオタクで名無しのゴーグルっスよ?」
自分で言っててちょっぴり悲しくなる事実を告げるとベッドの上で暇そうに転がっていた垣根は起き上がって反論した。
「おい。俺のもんを馬鹿にすんのはたとえお前でも許さねえぞ」
「垣根さんかっこいー! じゃなくて! もうちょっとこう、具体的にですね。知りたくないけどきになるっつうか。俺のどこがそんな気に入られてんのかさっぱりなんで…」
545 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:12:24.56 ID:Pjr5JOri0
「何だよ。じっくり聞かせてほしいって?」
よーし、いいぞ、と。
何故かちょっと照れくさそうにしながら垣根はベッドから降りてきた。
慌てて、ゴーグルの少年は両手を広げてそれを止めた。
マイペースでいつでも俺のターン! って感じのこの人をうかつに近寄らせてはいけない。
そう直感した。
いつだったか心理定規の話を聞いておいてよかった。
何ていうか、相手の都合なんて最初からお構いなしな垣根は相手のテリトリーに踏み込んだら最後、すべて総取りでもぎ取っていきそうだった。
肩ポンで敵も味方もイチコロ、ワンパンキルみたいな。もちろん文字通りの意味でも。
「タンマっス。わかりました。下手に垣根さんの好感度が上がりそうなチョイスは俺の為にならないんですね。
藪から『未元物質』でソッコー詰むの怖いんでとりあえず見た目で! 顔は?」
「ほら、えっと……主張し過ぎねえ控えめなとこがお前らしくていいと思うぞ? なんとかは三日で飽きるっつーけどそんな心配もねえし。
いい意味で平均的なのはマイナスが少ねえってことじゃねえの」
イケメンにドヤ顔でそう言われてゴーグルの少年は肩を落とした。
何故か不思議と悲しかった。
「どうしてでしょう褒められてるはずなのに心が痛いっス」
「お前は自分でモブだなんて言うけどな。たとえ三〇〇人居たって俺はそこからお前を見つけてやるよ」
「……垣根さんて、すごいっスね」
「ゴーグル! って呼んでいい感じに返事すんのがお前だ」
「俺の、アイデンティティ……」
ゴーグルの少年はがっくり床に伏せた。
とどめの余計な一言がなければ。
ちょっと、いやかなり感動しそうだったのだが。
色々恵まれたハイスペックな人間ともなると、あんまり他人の外見に興味はないのだろうか。
「んなこといわれてもだな。じゃあさ。お前は女だとどう言うのがいいんだよ」
「そっスね。やっぱ大和撫子系の、守って応援してあげたくなるよーなのが。基本けなげ系で……髪は黒でロングがベストっスかねー。
ふわふわ系、頑張り屋さんもいいっスけど、ちょいネガちょい病みも全然。派生で毒舌とかもまあ。眼鏡はあってもなくても……あとは」
二次元キャラの個人的萌えポイントをずらっと並べてみたが、垣根はちっとも理解できなさそうな顔をしていた。
かと言って、それに具体的な作品とキャラ名をあげてわかるわかる超わかるー、と同意されたらそれはそれで激しく微妙だったが。
「簡潔にまとまらねえの」
「うーん……わかりやすく正反対なキャラ二派で分かれるやつなら…懐かしアニメのWヒロインでいくと、俺はこっちのアルビノ1st派っスね。
ハーフの2ndはちょっと……性格言動キツい子はあんま、ついでに金髪もそんなに嬉しくねえっつか中外ゆるふわタイプだとむしろ有りなんスけど、
傍若無人に蹴り入れてきそうなのはちょっと」
何かないか、と探したら都合よくズボンのポケットからスマホが出てきたのでゴーグルの少年はそれで画像を検索すると垣根に見せた。
そんなところは夢仕様で便利で助かった。
しかし、それをみた垣根の顔色がさっきまでとはまるで変ってしまった。
「テメェもあれか? やっぱ『第一候補』だよなってことか? ああ?!」
「はい? ちょっ、え、垣根さん?! 意味わかんねえけど……ごめんなさい!?」
背中から翼が出てきそうな勢いで怒鳴った垣根に、訳も分からずゴーグルの少年は頭を下げた。
「女の子の話でしたよね。垣根さん、一体何が地雷だったんだ?」
まさかリメイクででてきた三人目とかをちゃんと数に入れた方がよかったのか。
もっと違う最近の作品ならよかったのか。
何がまずかったんだろうとゴーグルは会話イベント失敗の原因に首を傾げていた。
546 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:16:11.49 ID:Pjr5JOri0
「ほら。そんなことより手が止まってんぞ? いいのか」
「不思議と手とかは疲れないんスけどこれ精神的にきます。気分転換にひらがなオンリーでもいいっスかね」
垣根の名前は地味に書きづらい上に画数が多い。
「いいんじゃねえの別に」
よし。じゃあほら、後ろにハートも付けろ。
とかすごく似合わないメルヘンなことを言われてゴーグルの少年はもう数えるのも嫌になるくらいのため息を吐き出した。
今まで彼の頭の中にあった「垣根帝督像」がガラガラ音を立てて崩れていきそうだった。
クールでカッコいい暗部のリーダーはどこにいってしまったのだろう。
ていとくあいしてる♡とかもう頭がおかしいとしか言いようのない文字の並び始めたページを見て垣根はちょっぴり嬉しそうだった。
なぜか、ハートマークだけじわじわと色が変わりはじめている。
視界の端で芸の細かい仕事がされているが最早そんなことに一つ一つ反応しているゴーグルではない。
そういったアクション一つにも消費されていそうな精神力的なものを温存しなくてはいけないのだと自分に言い聞かせていた。
(あれ、これ秘書艦に言われてるって思えば……いける? はっはっは、もう、俺ってば愛されてるなぁ)
とひたすら手を動かしながら妄想で逃避しはじめる始末だった。
「あれ。意外とルール緩いんスか?」
「いや、お前が勝手にはじめたんだろ」
「でも垣根さんだめなんていいませんでしたよね?」
「俺も待ってる間暇だし。これなら、話くらい出来るだろ」
おや?
と微妙な意見の食い違いに、怖くなってゴーグルは手を止めた。
彼は、「原因である垣根さんがいいって言うんだからやり方変えても大丈夫だろう」と思っていたのだが。
当の垣根はまるで責任感のないコメントをしている。
この差はなんだろう。
って言うか、こんなことしてていいのだろうか。
「……このノートとペンは?」
「お前がいるって言うから用意したんだけど」
「……この、愛のデスノートみたいになってるものはどうなるんでしょう。最後の審判的なので有利な物証になるんですか」
「さあ?」
「俺…何してるんだろう。え、この時間がまるで無駄だったなんて考えたくもない」
既に何ページもぎっしり文字で埋まったノートを前にゴーグルの少年は割と本気で落ち込んでいた。
時間をかけてこつこつ進めたゲームの報酬がなんかすげーしょぼいしおまけに中途半端で全然使えそうにない大外れだった時の心境に近い虚しさがあった。
「いや、うん。そんな落ち込むなよ大丈夫だろ? 多分だけどさ」
「じゃあ今何回分クリアになってます?」
「あー……良かったな。ちゃんと残り減ってるぞ」
垣根はちょっと慌てた様子で、落ち込みまくるゴーグルのフォローをした。
そして。何か確認しているのか宙をにらんで考えると、つまらなさそうにそう言った。
「……なんでそんな、残念そうに言うんスか?」
「きっとこれが全部済んだら、俺達がこうしてる意味もなくなるんだろ」
「垣根さん」
「なぁ。俺はさ」
「なーんて言っても騙されませんよ! だからなんですぐ距離を詰めようとするんスか。境界線! 境界線!! はーい、こっから俺の陣地ーー!!」
何か言いかけながらまた接近してこようとする垣根だったが。
白い床の上にペンでガーッと線を引きながらゴーグルは大声で騒いだ。
「チッ。だめか」
何らかの、きっとあんまり愉快じゃない目論見が外れたのか垣根は悔しそうに舌打ちをしていた。
547 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:19:00.77 ID:Pjr5JOri0
「よし」
「……あれって、聞いた方がいいんスかね。垣根さん、そんなとこで一体何してるんですか」
「来いよ」
さっきゴーグルが床の上に適当に引いた線の向こうでは、垣根が腕を広げた姿勢で座っていた。
「仰る意味がわからないのでスペックの低い俺にもわかる言葉でお願いしていいスか。出来たらやさしいにほんごでおねがいします」
「俺が行くのがだめならお前が来りゃいいだろ。ほら、受け止めてやるから」
「どうしてそこで俺がそっちに行く前提なのかがわからないんスけど。いや、キョトンとする所でもないと思います」
なんでお前こっち来ないの? って反応をされてしまった。
目を丸くして首を傾げる「らしくない」垣根の振る舞いにゴーグルはがっくり肩を落とした。
なんというか、ギャップが普段とありすぎてリアクションに疲れる。
「なぁ。お前ノリ悪いぞ」
「うっかりノリツッコミでもして取り返しのつかないことになったら怖いので。そして俺はページを埋めるのに今とても忙しいのです。
そんな訳で塩対応で失礼します」
一応、書き取り地獄が有効なことはわかったのでゴーグルの少年は一刻もはやくこれなんとかしないとって気持ちでひたすらペンを動かしていた。
「なぁ……暇なんだけど」
ペット禁止の学生寮住まいのゴーグルには未経験のことだが。
お猫様と呼ばれる生き物のお世話をしている人間は、何かやっていてもまともに作業をさせてもらえないらしい。
下僕がなにやら忙しくしていると、それが膝だろうがテーブルだろうが、たとえキーボードの上だろうがお構いなしにお猫様がよじ登って来て『相手をしろ』と邪魔をしてくることがあるというのだ。
不満そうに睨んでくる垣根を見たゴーグルはそんな話を思い出していた。
ギャグ漫画よろしくダイビングポーズで飛びかかってこられでもしたら色んな意味で瞬殺っぽいのでその点はありがたいのだけど。
なんでそんなことを思いついたのか。
第二位だけに、にゃんにゃんなのか。じゃあ一位ならわんわんだったのか。
ははは。猫とか洒落にならない。
今の状況を思い出して、そんなおかしなひとり連想ゲームの中身にNGのタグを脳内で速やかに追加した。
どこかに数値化もされていないし実感もないが疲れてきているのだろうか。
妄想脳内逃避も残念な感じになってきていた。
「そんなこと言われても一体何故こんなことになったのか……ってきっと俺のせいなのかもしれないけど
残りはネタをガチでやらせることにした垣根さんのせいっスよね。一〇〇万回ってマジっスか」
「その一〇〇万回だけどさ。お前このまんまで本当にいいのか」
突然真面目な顔をする垣根に、ゴーグルの少年も背筋を伸ばして話を聞いた。
「ここは夢の中だ。なら疲労しねえんじゃねえか、って想定で。お前が今まで通りちまちま数を稼ぐとする」
そこまで言うと垣根はゴーグルがもっているノートを指さした。
「やってみてわかったと思うが、声に出した方が断然早いだろ。一分間に三〇回なんとか言えたとして。
そのペースを維持して、それでも不眠不休で二〇日は掛かる計算だぞ? 不毛過ぎねえか。んなことやる意味、あるのか?」
僕とゲイ約して、ホモォ少年になってよ、みたいな無茶ぶりから。
今度は小学生にもわかりそうなさんすうのお話でいかにゴーグルが無駄なことをしているか説いて落としにきた。
「ぐぅううう。その根本はなんとかならないんスか根っこから問題は解決しないんスか」
「だから俺にはわからねえんだって。しらねーもんそんなの。もっとマシな解決法くらい自分で考えろよ」
「どっちだ……どっちの笑顔なんだこれ」
僕わかりません、みたいにいい笑顔をしてくる垣根は知らないふりをしているのか、本当にわからないのか。
疑念のこもった目を向けてもゴーグルにはさっぱり判断がつかない。
548 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:21:40.11 ID:Pjr5JOri0
「漫画だと段々スピードアップしてって、一日一万回の正拳突きとかも出来るようになっちゃうんだけどなあ」
「そうだ。それでちょっと思いついたんだけど。面白い話がある。まあ聞け」
「……なんですか」
「平均して十分に一回。一日で百四〇回『愛してる』とか『好きだ』って言う生活をすると一〇〇万回まで十年掛からねえんだよ」
「あれ。計算おかしくないっスか? そのハイペースでも二〇年は掛かりますよね」
「お互いに言いあえば数は半分で済むだろ。で? そんな生活ってのはどうだ」
何となく、いい感じのオチをつけようとしているのを察したゴーグルは垣根の発言を踏まえつつ、少し考えてから口を開いた。
「……幸せは倍、ってオチですか」
「そ。『一〇〇万回の……』って言葉は色々あるけど、何も大袈裟な例え話じゃねえ。実現可能な数字だって気がしてくるだろ。
十年なんて短いスパンで考えなくても人生ってのは長いんだしもっと緩く気楽にすりゃいい」
なんだ。お前ちゃんと上手いこと出来るんだな、なんでそれを使わねえのかわからねえ、とよくわからない独り言を言うと垣根は「面白い話」を終えた。
「はー。なるほど……じゃあ、一生の間に一〇〇万回のありがとうとかも聞いてるかもしんないっスね」
「で、どうだ。俺に養われる覚悟はそろそろ決まったか?」
がくっ、とそこで少年は肩を落とす。
「ああーっ! なんか女子にも受けそうないい話だと思ったのに!
意外と垣根さんロマンチックな話もできるんですね素敵! って思った途端にこれですよ。
そしてさりげなく最後すり替えないでくださいなんスか俺は何故に養われるんスか。最早対等だとかパートナーとかそんなレベルでもないんスか俺ペット枠っスか?!」
「だから幸せにしてやるって。俺が」
「俺の幸せは俺が決めます! 大丈夫っス!!」
このパターン何度目だろう。
頭を抱えながら。
そんなことが考えられるくらい、ネタ化したやりとりに段々慣れ始めていることにゴーグルの少年は悲しくなった。
流せるようになってきているのは夢の中での彼がいまのおかしな状況に順応している証拠だ。
この先ちょっとやそっと変な振り方をされても、座布団が狙える対応が出来そうなくらいだ。
だが気持ちのハードルが下がってきているのは、まだ笑えるレベルとは言え、振られるネタの傾向を考えてもあんまり良くないだろう。
「チッ……遠回しなプレゼンは失敗か」
「垣根さんって『ガンガンいこうぜ』な感じのゴリ押しパワータイプだと思ってたのに。何だか戦闘スタイルが変わってきてる気がする……垣根さんやっぱすげえ」
「なんだ。競争でもするか? 『ガンガンイ」
「余りにレベルの低いとこに反応するのはどうなんスか。小学生スか」
ゴーグルの言葉にかけて、垣根が下方面の問題発言をしそうになったが。
下らなさすぎてさすがに言い終わる前に止めた。
「あれっスよね? なんか『ホモネタっぽいこと言ってみたいなー』って言うやつですよね? そう言う設定で、ちょっとふざけてるだけですよね」
「いいのか」
「へ?」
「じゃあ、本気出してもいいのかよ?」
小さくため息をつくと垣根はその口元をつりあげて問いかける。
それに言葉を詰まらせたゴーグルの少年の全身からダラダラと嫌な汗が噴き出す。
凍りついたような反応に垣根が目をそらすと、ついさっきまでの圧迫感はなくなっていた。
へなへなと腰を抜かしたゴーグルはそのまま額を床に擦り付けた。
「すいませんでした俺が大変悪うございました」
549 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:25:15.76 ID:Pjr5JOri0
「少しは理解できたか? この状況でお前が平然と過ごせてんのは俺が遊んでやってるからだ。俺の広い心、俺の温情、つまり」
「つまり?」
「愛だな」
一旦ためて、もったいつけた後に垣根は見事なドヤ顔で言い切った。
ここしばらくの間に、ゴーグルの少年はすっかり見慣れてしまってありがたみが薄いのだが、ドヤ顔品評会とか決め顔選手権があったらグランプリを狙えそうないい表情だった。
「ああ。はい」
「あれ……そこ噛みつかねえな?」
渾身のいい顔と絶好のつっこみどころな一撃に、当然ゴーグルの少年のカウンターを期待していたらしい垣根は。
狙いが外れてちょっと困ったような顔をしていた。
一方、散々な垣根の言動をいまや軽くスルー出来るほどになってしまったゴーグルは修行中のお坊さんの様に静かな表情でうなずいた。
「はい。日本語として広い意味でみればその単語には特別問題がなさそうなんで」
「まぁ……いいや。俺の愛がちっとはわかったところで……おい聞こえないフリしても意味ねえぞ」
「いいえ。聞いていますよ」
「なら……感謝の一つくらいしたらどうだ」
「ありがとうございます垣根さん」
「どこでそんなの覚えたんだよ」
このタイミングで流れるような五体投地をするゴーグルの少年に。
今までさんざん押していたはずの垣根も若干引いていた。
仏教徒みたいなお礼では感謝の気持ちが届かなかったらしく。
垣根はもっと心に響くやつにしろ、とお礼の上乗せを要求してきた。
「で。なんでハグしろなんでしょうか」
「別にいいだろこれくらい。ハグなんて挨拶だろ? ははあ、お前もしかして俺のこと意識してんのか。
まぁ、仕方ねえよな。自分で言うのも何だが、俺は相当魅力的だ」
この自信はどこからくるのか。
垣根さんはこんなこと言うキャラじゃないはずだ、とゴーグルは思うが。
ナルシシズム溢れるセリフもなんだか似合ってしまうのは確かだった。
色んな時に使える魔法の言葉「但しイケメンに限る」は伊達じゃないらしい。
「いや? それはっスね」
「何とも思ってねえんなら……出来んだろ」
「思ってないっスよ? 思ってませんとも」
こんなやすい挑発に乗る奴はいない、と普通なら思うかもしれないが相手は垣根帝督なのだ。
ジャイ○ンがの○太の漫画を「貸せよ!」と言った瞬間にはもう奪い取っているように。
ここまで発言したからには要求でも挑発でもない、確認ですらない。確定事項なのだ。
主導権も決定権もゴーグルにはない、是非も無し。
「え。俺は顔見ながらしてーんだけど。お前、前から嫌なの?」
「顔見ながらハグってどうやるんスか。繰り返しますが、ハグっスよね。絶対間違いないですよね」
「うん。とりあえずは」
少し嫌な含みがあったが、素直にうなずいてくれたので良しとした。
別にまあ普段の垣根相手ならHAHAHAって感じで欧米ノリのハグくらい、何すんだコラと返り討ちにあわなければ出来ると思うのだが。
今この垣根に正面から近づくのは、野生のクマに背を向けるよりはるかに危険だとゴーグルの少年は感じていた。
「はいはい。お前って何気にワガママだよな。意外と度胸あるっつうかどっか抜けてんのかわかんねえけど」
じゃあバックで、と残念そうに垣根は言ったがゴーグルの少年は黙殺した。
ネタを振られた予感は悲しいかななんだかとてもしたが、今その相手をするとやばーいフラグ満載の地雷原で詰むことになる。
辺り一面まとめて吹っ飛んで、この様子のおかしな垣根さんに笑顔で骨を拾われるのは嫌だった。
ビシッと仁王立ちする垣根の背後に回って、ゴーグルは言われたように腕を回した。
長身の垣根とでは身長差があるのでなんとも中途半端な感じに終わり、ゴーグルの少年はげんなりした顔で手を放した。
「何だこの虚しさと敗北感」
「想像以上に……つまらねえんだけど」
こんなことしない方がよかったんじゃないかと言うくらい、不満そうな顔で垣根は首を振った。
550 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:28:50.03 ID:Pjr5JOri0
「せめて補う努力をしようぜ」
「いやこんなもんっスよね? 挨拶程度のサムシングに俺はいったい何を期待されてるんスか?!」
「じゃあ、ほら。交代」
そう言って強制的に立ち位置が入れ替えられる。
あまりこうして他人を近づけたことが無いのだと垣根は言った。
日本人ならそうそうこんな風にハグとか、よっぽどふざけてないとしませんよねーとゴーグルは返したが。
そう言うことじゃねえよ、と呟くと垣根は肩のあたりに顔を寄せた。
「どこ行っても厄介な実験動物扱いだったからな。昔っからさ」
「垣根さん」
「……何だよ」
「なんかめっちゃ当たるんですが」
「んー? 何が」
「耳に、息が! つうか話の途中で息を荒くしないでください!!」
「なんつーんだっけ。こう言うの。やると喜ぶんだろ? ……えっと、『耳つぶ』?」
「垣根さんがおかしな流行に毒されてる?! っつうかこれもうハグじゃないっスよね? ホールド寸前っスよね俺。ブレーク! ブレェエエエク!!」
ゴーグルの少年は自分の胸の前まで回された腕を激しくタップしてタイムを要求した。
「なんだバレたか。いい作戦だと思ったんだけどな」
垣根はケロっとした顔でターゲットの確保に失敗したことを笑っていたが。
難を逃れたゴーグルの少年はまだ嫌な鳥肌が…と腕をゴシゴシさすっていた。
「けどまぁ、いいニュースだ。お前がひっついてる間の愛してるPはちまちま言ってる時より数倍早く増えたぞ。試してみるか?」
「悪いニュースの間違いっスよね。何スかその、課金扇動みたいな露骨な追加システム。せめてその恐怖のなんとかポイントを可視化してもらえないことには。どんなもんかわからないのにそんなこと出来ねえっス」
「別に何か減る訳じゃねえだろ」
こいつ何マジになってんの? と言われそうだがゴーグルの少年はそこはきっぱり断った。
「形は無くても俺のだいじなものが減る、そんな気がするので。お断りします」
「仕方ねえなぁ。これでいいのか?」
「ああ、垣根さんの機嫌が『悪くねえ』だと高ポイントで『ナメんな?』だとゼロ、『上出来だ』なら更に追加でボーナスなんですねって、何でコマンド結果表まで作られてるんですか?」
突然どこからかニョキニョキ現れたボードは白かった。
ひょっとしなくても、メイドイン『未元物質』のようだ。
そこに出ている表によるとトータル一〇〇万のペナルティ分を、なんとかごにょごにょポイントを増やすことで相殺出来るシステムらしい。
ゴーグルの少年はそりゃもうがんばったのだが、まだ半分以上ポイントを消化しなくてはならないようだった。
「あれ。でも思ったより減ってるんスけど。俺いったいどこでそんなに稼いだんだ?」
そう尋ねると、垣根は「今までもそれなりに楽しかったからな」
と言って笑った。
「俺が飽きて来るといい結果は出なくなるから工夫しろよ。お前、こう言うの好きだろ?」
「思考停止でひたすらタップはダメってことスか。いやいや、ここは地道に頑張らせてください」
「まぁいいぜ。どうせ楽な方に流れちまうんだから」
「恐ろしい予言はやめてくださいっス」
「今はな。すぐに勝利宣言をしてやるよ」
551 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:33:56.85 ID:Pjr5JOri0
なんと、『ゴーグル』の使用も大丈夫らしい。
もっと早く聞いとけばよかった! とゴーグルの少年は後悔したが、能力を使えば今までの数倍早くノートのページを埋めることが出来る。
おまけで新しいノートやなんかも用意してもらって、ゴーグルの少年は久しぶりに喜んでいたのだが。
「あのー、垣根さんこれは」
「おまけしてやってんだ。これくらいいいだろ。ポイント稼がせてやるよ。ほら、手出せ」
横に座ると垣根は少年の腕を引っ張って自分の頭の上に乗せた。
「撫でろ」
「えー……」
ちっとも嬉しくない新イベントの開始に思わず本音が出てしまう。
「も少し右」
明るい色の髪をわしわし撫でながらゴーグルの少年は無心でペンを操作していた。
どうやら垣根はスキンシップがずいぶんとお気に召したらしい。
「ちゃんと触れって。こっちもだ」
「はいっすー…」
そんな風にひとしきり頭を触らせて満足したのか。
「よーし。次お前な」
垣根はご機嫌で、またしても選手交代を宣言した。
「は!? いや大!丈!夫!っス! 間に合ってますね全然」
「遠慮すんなって。こいつをいじらなきゃいいんだろ?」
「ほんっとーに! 大丈夫です」
どーこーにしーよーうーかーな、と。
頭についた『ゴーグル』をよけて触る場所を探していたがゴーグルが本気で嫌がっているのを見て垣根は手をおろした。
「俺がこうしてやって、喜ばねえ奴なんざいないぜ? つうか、あれだ。お前もいい加減さ」
「だか……あーっもう、俺に触んなって! 言っ」
叫んだ瞬間。
少年の姿はなくなってしまった。
「あー。またか。今度は長くもったと思ったんだけどな」
そうぼやく垣根の前に、何やら白く光る文字が現れて流れてくる。
なにかのコードのようなそれをしばらく目で追っていた垣根は残念そうに首を振った。
「欲を掻くとかえって面倒だな。リセットだリロードだのして同じようなの何度も出来るやつの気が知れねえ。ゲーマーってのはあれか? 暇人ばっかか?」
ちょいちょい、とところどころ文字列をスクロールしながら呟く。
「まぁ、ここでハイスコア、記録更新か? そろそろあの馬鹿も気付けばいいんだけど。俺はそこまでこだわらねえぞ? つーか、その前に飽きるだろ普通。本気で一〇〇万って馬鹿かよ」
英字で短いメッセージが表示され、最終的なスコアデータの様なものが垣根の前に出そろったらしい。
「ここはあいつの夢なんだからさ。あいつがそう思い込んでるうちは、テメェが頭んなかで決めたルール通りに同じことの繰り返しだ。
それは本当に俺に通じんのか、って折角言ってやってんのに。気付くどころか別のプランを試しもしねえ。テメェが悪いの一点張りで、こっちの気はどうでもいいんだろうが」
コーヒー買って来い、と言われたがコーヒーがなかったら手ぶらで帰ってきた。
そんな機転の利かなさに呆れるような口ぶりだった。
「それに、あんなビビんなくてもいいだろ。逆らったところで別に…………」
一瞬をどこまでも引き伸ばしたような、さっきまでの下らないやり取りを思い出しているのか。
少しの間垣根は考えていたが。
「いや。やっぱ、ムカつくな?」
それとこれとは別だ、みたいな顔をすると垣根は近くに浮かんだ光る数字を邪魔そうに手ではらって消した。
552 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:38:44.59 ID:Pjr5JOri0
「なぁ、心理定規」
「なぁに」
「そいつ、今どんな夢みてやがると思う」
垣根にそう聞かれて心理定規はそいつ、ゴーグルの少年の方にちらっと目を向けた。
「そうねえ。何かミスしてあなたにこっぴどく怒られてる夢……かな」
「ううう……ごめんなさい……垣根さん…俺が悪かったんです……うーん」
「なんかすっごくうなされてるしね」
そうじゃないかな。しょうがないわね、と言いたげな少女の呟きはあんまり興味がなさそうだった。
三人そろって移動中、と言うことは『スクール』がらみのあれこれなのだが、一仕事するまえだと言うのに誰もかれもそんな空気じゃない。
「もう着くんだからそろそろ起こせよ」
自身も、やる気がなさそうなままそう言うとリーダーは軽く肩を回してあくびをした。
「私が?」
「俺にどうしろっつうんだよ。お前そこから手届くだろ。つうか、よくこれで寝れるな」
助手席に座った垣根は後部座席をちらっと振り返った。
左後ろのドアにもたれる、と言うか頭をゴツゴツぶつけながら寝入っているゴーグルの少年の隣。
シートの右端に座る心理定規は声をかけられて不満そうに首を振った。
車内の上座は運転手の後ろ、というのが世の常識らしいが。
それも『スクール』では通用しない。
もしも車が絶望的に大破しても一人無傷で降りてきそうなリーダーは、気分で勝手きままに乗車していた。
結局。
目的地に着くまでに起こしてもらえなかったゴーグルはどうなったのかと言うと。
強制的に下車させられていた。
「わあああごめんなさいっス垣根さんが垣根さんしか垣根さんだけ垣根さんは世界一っスだからあのどうか勘弁して下さい!!」
ドアが開いて、支えがなくなった少年はずるずるとそのまま地面に滑り落ちていた。
重力に負けて転がりながら意味不明な悲鳴を上げる。
「おい、この馬鹿まだ寝てんぞ」
「いだっ……たたた、あれ」
ぱち、と少年が目を開けると。
心理定規と垣根がさかさまに映っていた。
「一体どんな夢みてたの」
「いや……それが……あれー? 覚えてないんスよね。垣根さんが俺の話を全然聞いてくれなかったのはなんとなく」
「いつも通りじゃねえか」
「覚えてなくて良かったかもね。ここにすっごいシワ寄せてうなされてたから相当嫌な夢だったみたいだよ」
心理定規は笑っていたが、垣根は気のゆるみまくった態度に厳しい目を向けていた。
「お前なあ、そんな調子で大丈夫かよ。ヘマするんじゃねえぞ」
「夢だけじゃなくてこっちでも怒られたりしてね」
「そうだな。じゃあもししくじったら――」
寝起きのぼんやりした頭で。
ゴーグルの少年は何故か。
どうしてか無性に嫌な予感がしていた。
一度言葉を切った垣根はにやり、と。
確かに愉快そうに笑っていた。
553 :
長いよばか
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/11/01(日) 03:46:47.52 ID:Pjr5JOri0
ドーモ
ちくしょうやっとだ。寝るか寝るぞ寝ますよいいよね
>>201
「ゴーグルに全力でデレる垣根」だったはずだがどうしてこうなった。
ホモ大喜利とかなんじゃこりゃ
ゴーグル「デレデレのリーダーに死ぬほど愛されそうで眠れない安価ぎゃーーっ!」
心理定規「なにそれ」
垣根「キモい」
前に「夢オチなら問題ない」って聞いて。そしたら某プラスの新婚さんスチルのあれが浮かんだのでゴリゴリ押し切った。特に理由のないデレがゴーグルを襲う。
いやもうデレるとかいうかなんかだけど。
一〇〇万回って絶対無理だろうけどほんとにやるとどうなるんだろう?と思ったら無駄に伸びた。
結果、垣根が飽きた。
多分もう今回の以上、様子のおかしな垣根を書くことはないと思います。おかしさの限凸MAX。
ゴーグルくんの敗因は。
別に聞かなくても親切にお話ししてくれる垣根さんにろくすっぽ喋らせなかったことだといちはおもいましたまる
554 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/01(日) 11:45:53.36 ID:zzdAJwB+o
そろそろ他の暗部との絡みが見たいのだがどうだろうか?
アイテムとか、アイテムとか、後アイテムとか!
555 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/01(日) 13:57:16.48 ID:9NCGKmrd0
ハグしたり頭撫でたりとりあえず鼻血が止まりませんどうしてくれんですか1
インディアンポーカーにして売ってくれ
556 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/01(日) 15:11:43.80 ID:ibXt5Bg20
おっつおつ
このリアル体感型シミュレーション(アクション?)ゲームは何処に行ったらできるんだ
垣根を喜ばせたいけど終わらせたくないジレンマに苛まれながらエンディングを迎えて幸福感と謎の喪失感につつまれたままエンドレスモードに突入したい
たとえイベントが100万通りあったとしてもコンプリートしてみせるぜって廃人宣言してみたり
インディアンポーカーってのはレールガンで出てきた見た夢を保存したカードのことでそれを使って他人の夢を体感できるってやつ
そんで需要の高い良質な夢を安定供給する奴はドリームランカーって呼ばれてて青ピもそのうちの一人
詳しくは電撃大王と同時発売のとある科学の超電磁砲11巻を見てね!
557 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/01(日) 18:02:52.10 ID:GUai+Q8VO
どこが悪夢なんだよ超いい夢じゃないか
ゴーグル爆発しろ
垣根が増えてサンドイッチとかハーレムとか出来る未来のゴーグルも爆発しろ
垣根とゴーグルのどっちがどうなのか気になって読んでから寝れないので1は責任を取ってくれ
558 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/01(日) 21:55:32.37 ID:w5tu+jDrO
>>534
1しにすぎだろwwwwww
559 :
◆q7l9AKAoH.
[sage]:2015/11/01(日) 23:05:20.07 ID:Pjr5JOri0
>>556
教えてくれてありがとう。なぜか11月発売だと思ってた助かった。
青ピすげえ。
560 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/02(月) 03:33:42.33 ID:JMNb+FsAO
やたら親切なのもデレ(愛)かと思ったが、ていとくん元々自爆型だった
つか、むっちゃ笑ったけどゴーグルくんの恐怖が手に取る様にわかるタイプのガチデレ過ぎて
なんかジワジワSAN値削られてる…これは余裕もなにもあったもんじゃねえww
特にオチは最早ホラーだよwwww
おもろかった、乙
561 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/02(月) 22:21:31.97 ID:z6by2GxN0
デレていとクンキテター(゚∀゚)ー
俺がいるからコーヒーメーカー要らねぇとかなンなンですかァ、コーヒー飲みたくなったら毎回淹れてくれんのかよヒャッホゥ
ばーかってのがいちいち可愛すぎるし愛してるPとか今時バカップルでもやんねっつの
つかわりと適当にあしらわれてんのに減ってるしなにこの色々甘過ぎるていとくんたまんねぇ、むしろたまる
とりあえずゴーグルは爆 発 四 散しろ
コ/"/ー/ク/"/ルくらいになってくれ
つーことで帝子ちゃん(♂)を全裸待機するしかねぇな
562 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/02(月) 23:26:21.93 ID:zir+pp9bO
おっつ
>>545
第1位っぽい女子に嫉妬するときちゃんとテメェって呼んでる
1のゲイの細かい事
それでもポイント減らさない垣根の愛か
ゴーグル愉快なオブジェになれ
563 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/03(火) 21:07:09.82 ID:8zwihmKd0
安定して面白かった乙
いやー、3Pも惨[
ピーーー
]も気分次第とは流石垣根さん過激っすね
たとえ230万人がすし詰め状態でも垣根なら見つけられるって思ったけど想像したら空飛んでた、むしろ不可避だった、一通さんは半径3mくらいの空間ができてた、上条さんは痴漢騒動の中心で不幸を叫んでた、ウォーリー改め妹達を探せやりたくなった
564 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/05(木) 11:21:48.98 ID:jrrqxdQy0
誰も触れてないけど頂点のむぎのんvsていとくんの罵りあい超俺得です本当にありがとうございました
そこに割ってはいろうなんて流石上条さん自殺行為がお好き
よし、俺は垣根のスーツの中探って愉オブになる役やるから上条さんは麦野のビーム受けててくれ
ところでドキッ!まるごと仮装!超能力者だらけのハロウィンパーティー〜グシャリもあるよ〜はまだですかね?
565 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/05(木) 14:18:13.49 ID:HSm3e7N6O
垣根ハッピーゴーグルバッドないちゃラブエンドがみたいんですが続きはどこでみれますか
566 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/06(金) 00:26:47.23 ID:K67CL0QY0
ネタバレだったらごめんだけど
ゴーグル君のゴーグルの使い方が判明したけどここのSSは続くよな?マジ心配なんだが
ゲームにめちゃくちゃ役立ちそうwwww
567 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/06(金) 00:51:07.87 ID:V10KGqZco
本編とは別の平行世界かもしれないからセーフ
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/08(日) 16:55:54.80 ID:553lDuMl0
レイプや輪姦ものがすげえ苦手で避けてたんだが
>>1
の書くキャラとか世界とか好きだから今更ながら読んでみたらわりとイケた、多分垣根の精神が屈してないからだと思うけど。くすりちょうだいでうっかり興奮した、
>>1
のおかげで新しい扉開いたありがとう
>>1
。
569 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/08(日) 17:30:17.98 ID:t6oF1pAYo
かくして日本は少子高翌齢化にまた一歩進むのであった
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/09(月) 02:43:45.19 ID:JTD2OB+z0
ゴーグル君が夢だからといって反抗的過ぎるのは垣根さんが自分の邪魔になる奴以外にあまいからだと思います!もっと教育すべき
つかテメェ前に定規タソも膝に乗られて拒否ったろ、表出ろこの野郎芸術作品にしたるわ
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/11/12(木) 07:11:03.11 ID:bDIJzMm/O
未元物質ならなんでもありだから仕方ないね!
572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/17(火) 23:11:53.68 ID:PlMSEA1r0
土星は帝督様(エンペラー)の直属の配下であるにも拘わらず帝国民としての忠義に欠けている
帝督様(エンペラー)の御言葉には全神経ごと耳を傾け
帝督様(エンペラー)の勅令にはハイ喜んで!
帝督様(エンペラー)に最高の賛辞を
帝督様(エンペラー)に第一位又はそれを想起させる話題を出すときは細心の注意を(メルヘン,冷蔵庫,カブトムシ,バレーボールついでに鍋の具にも気をつけるべし)
以上のことを心がけよりいっそう帝督様(エンペラー)の為に尽力するように
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/19(木) 10:32:44.16 ID:8WynZC8R0
酔っ払うミサキチ可愛かったから他のメンツも見たいわぁ
できれば垣根&麦のん、削板&美琴がいいんだゾ☆
574 :
番外編「メタネタで暗部同士が接触してみる」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/22(日) 02:50:10.21 ID:aAPCJAsm0
垣根「さて。ここに向こうの組織の資料がある。お前、あいつら相手にどう対処する」
ゴーグル「何で俺だけに聞くんスか?」
心理定規「私? 私は誰が相手でも一緒よ。『心の中へは近付いて、離れた所から撃つ』あとはタイミングを見て撤退させてもらうわ」
垣根「俺もそうそう変わったことなんざしなくてもいいし。相手によって出方を変えなきゃならねえのはお前くらいだろ」
ゴーグル「なるほど」
垣根「絹旗と戦えっつったらどうする」
ゴーグル「……窒素で身を守ってても、本人の動きに問題はなさそうだな。それなら、酸素の確保に必要な空気交換が普通にされてるか、それとも窒素の装甲化にある程度条件があるのか……
とりあえず俺は盾抜けるほど威力ねえし防ぎきれるほど壁張れないんで、前面突破は避けて麻酔ガスとかスタングレネード系の武器が効くか試します」
垣根「フレンダは」
ゴーグル「余計な武器を使われる前に能力で素早く拘束しますかね」
垣根「滝壺」
ゴーグル「狙いを外されるとかならいいんですが。演算がまずいことになると俺も危ないんで、何とか能力以外で押さえ込む作戦ですかね。
直接攻撃できそうな能力じゃないし。別に、空手の有段者とか暗殺術の使い手なーんてことはないですよね?」
フレンダ「うちの滝壺はりんごくらい片手で楽勝って訳よ!」
滝壺「うん」メゴシャッ!!
麦野「テメェの×××もこうなるわよ 」
絹旗「いくらなんでも超かわいそうです。滝壺が」
ゴーグル「……やっぱり近付くのはまずそうなんでこっちが刺される前に能力でさくっと寝てもらう作戦にします」
垣根「じゃあ麦野を攻略するのはどうすりゃいい?」
ゴーグル「えーっと。基本的にはプライドもその他スペックもハイクラスっスよね。お嬢様女王様にありがちな本人も周囲も高い評価を求められる感じの。
そう言うキャラは、一芸ゴリ押し一点突破だと押しに欠けるんで……イベント何回かやってじわじわ攻めるのが有効手段っス」
麦野「何…急に」
ゴーグル「後は、こう言うタイプはやっぱり肩書きより中身重視に弱い筈なんで選択肢はそこメインで。ただし高いプライド損ねんのはダメっス」
絹旗「そんなことしたら超面白オブジェですよ」
ゴーグル「ちょっと相手のペースを乱しつつ、女の子扱いが効くパターンもあるんで『かわいいね』で向こうの防御を削りたいっスね」
フレンダ「麦野! 麦野は美人だし結局かわいいって訳よ」
麦野「何なんだよこれ」
心理定規「気にしないで。ただの茶番よ」
垣根「そっちの奴らものってるけどな」
575 :
殺伐してない『スクール』と『アイテム』の場合
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/22(日) 02:56:44.88 ID:aAPCJAsm0
ゴーグル「やっぱり自分の壁をぶち壊されたりライン越えられると気になるじゃないスか。それも、かえって一撃で行かないほうが良くも悪くも相手の関心は引ける筈っス」
浜面「あー……なるほどなーだからかよ」
絹旗「何で浜面が頭を超抱えるんですか」
麦野「どつかれたらやり返してやりたくなるじゃない? それも何度もってそりゃもうブチ殺し確定よね」
垣根「…………わかる気がすんのがムカつく」
ゴーグル「プライド高めで気が強い系の女子は、自分で追いかけはじめるとあっと言う間なんで。傾きはじめたら後は楽なのがセオリーっス。
ざっくりこんな感じのベタな攻略プランでどうっスか?」
心理定規「悪くないと思うよ」
滝壺「うん。いいと、思う」
垣根「よーし。じゃあそれでいってみろ。『アイテム』の頭を籠絡しろ」
ゴーグル「いや。俺ああいうタイプは趣味じゃないんスよね。『アイテム』で選べ、って言われたら……ぶっちぎりで滝壺さんっス」
滝壺「え。私?」
麦野「はあ?」
絹旗「超どの辺が?」
ゴーグル「黒髪清楚でおとなしめキャラっスよね。守ってあげたくなる感じの。あと……陰性電波っぽいとか、もうサイコーです」
滝壺「ごめん。私には、はまづらがいるから」
ゴーグル「プラス、確実な良妻タイプ……!! ハーレムには不向きだがピンのルートなら圧倒的に強い……ここまで揃った子が学園都市の暗部にいるなんて感動もんっスね!」
麦野「なんで私がこんなのにフラれなきゃいけないんだろうなあ?」
フレンダ「結局麦野は高嶺の花って訳よ。その辺の奴には無理無理」
滝壺「はまづらは?」
ゴーグル「は、はい?」
滝壺「はまづらはどうするの?」
ゴーグル「そっスね……浜面…君。ちょっとこっちいいっスか。男同士、話をしようじゃないか」
ゴーグル「はーいここに、タブレット端末があります。今から画像を流すんで浜面君はこれ見てくださいねー」
ゴーグル「一画面に女子が@からGまで。全部で四枚ありましたが。浜面君が注目したのが1-AとF。2-BとD。3-C。4-0枚でした。全員キャラもカラーも属性もみんな違うように見えるんスけど……」
浜面「けどなんだよ」
ゴーグル「四枚目に該当なし。それでここまで被ってないってことは……あれスか。浜面君、露出多めの装備が好きっスか? ビキニアーマーとかバトルスーツとか」
浜面「速攻で人の趣味を暴いてんじゃねえよ! なんなんだよこれ」
ゴーグル「俺が友だちと遊びで作った萌えキャラ診断第一印象編っス。これがあればゲームやアニメの作品を知らない非オタでもどう言う見た目の娘にぐっとくるのか傾向がすぐわかるんスよ。いや……あの二人の観察眼と嗅覚はもはやプロの域っスね」
浜面「なんのプロなんだよ」
ゴーグル「はい。では浜面君はコスチューム萌えの人と言うことでいいっスかね」
浜面「そう言うのじゃねえよ。オタクと一緒にすんな。俺は単に水着っぽい格好をプールでもないその辺で見れんのがいいなって思うだけでさ」
ゴーグル「……シチュエーション込みではもはや萌え単体じゃなくてフェチシズムのレベルじゃないっスかね……
と俺は思いがけずディープな嗜好にあたったことにちょっとおののきますってなんだこの口調」
浜面「……なんで俺がオタクに引かれなきゃいけないんだ」
576 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/22(日) 03:00:41.87 ID:aAPCJAsm0
ゴーグル「仮装とかコスプレって可愛いっスよね。非日常っぽいシチュがいいなあってのもわかるっス。ファンタジーほど遠くなくてその辺の隣だけいつもとちょっと違うっつうか」
浜面「そーそー。あとお祭りみたいな特別感があるだろ。別にこんな派手じゃなくていいんだよ。バニーとかそう言うのでさ」
ゴーグル「その前後で私服姿を見ちゃうのは浜面君的には有りスか無しっスか」
浜面「あー、そんな進んで見たくはねえけどありっちゃ有り……かな。なんだあんた話がわかるな?」
ゴーグル「いやー俺のだってただの好みなんスけどね。趣味って結構理解されないじゃないスか。じゃあ……浜面君にはこれを。お近づきの印っス」
浜面「なんだこれ。ちっこい外部メモリ?」
ゴーグル「ビキニアーマー、スーツ系のアルバムっス。特撮キャプが多いっスけどコス写もあります。本当は対青ピ君のジャンル別交渉用なんスけど。どうぞ」
浜面「コスプレって」
ゴーグル「コミコンみたいなイベントともなるとコスプレしたおねえさんも普通に居るらしいっスよ。学園都市はあんまりそう言うのないし俺もまだ行ったことないんだけどさ」
浜面「……どうも。あんたFUKIDASIやってるか?」
ゴーグル「仕事用プライベート用ゲーム用各端末で番号三垢分あるっス」
ゴーグル「垣根さーん! 心理定規! 仲良くなりましたよ!」
垣根「なってどうすんだよ」
浜面「なんだあいつ……いや、師匠と呼ぼう」
麦野「なーに馴れ合ってんだよはーまづらぁぁああ!」
浜面「あんた、俺とやりあえっつったらどうするんだ?」
ゴーグル「え。スキルアウトが武装してない訳ないんで、撃たれる前に即叩きます。俺レベルでも車引きちぎるくらいはいけるんで。
さようなら浜面君カエルの死体の真似してアスファルトにキスしてな、になりますよ」
浜面「ちぎるって何だよ怖えよ」
ゴーグル「いやースパッと切断とか苦手なんスよ。あ、垣根さんは車なんてペーパークラフト扱いだし分厚い鉄板もサクッと通販の包丁並みに切っちゃいますけど」
浜面「こっちのリーダーもやるわ。そう言うの」
ゴーグル「どこの組織もその辺は一緒っスかねー」
577 :
追加でおまけ
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/11/22(日) 03:04:22.64 ID:aAPCJAsm0
ドーモ
がんばれ愉快な下っ端くん達。
ちゃんと名前で呼んで欲しいから自分も名前で呼んでみる垣根
垣根「しーずりちゃーん?」
麦野「死ねエセホスト」
垣根「フレンダ」
フレンダ「はいはーい! お返しにていとくん、て呼んでもいい訳?」
垣根「最愛……ってすごい名前だな?」
絹旗「超お前が言うな、ですよ」
垣根「理后。元気か」
滝壺「はまづらにも、呼ばれたこと…ないのに……!」
垣根「よっ。仕上」
浜面「は、はい?! 何だよ!」
心理定規「」
ゴーグル「」
垣根「えーっと」
心理定規「」
ゴーグル「」
垣根「いや、ほら。あれだよ、あれ…………うーん。あのな?」
心理定規「…『未元物質』」
ゴーグル「『未元物質』!」
垣根「お前らは……許す。ああ。お前らは、悪くねえ」
一方「よォ、垣根くゥン」
垣根「……この時点で想像以上に気持ち悪いんだけど。うわーみろ鳥肌たった。俺に鳥肌って笑えねー」
一方「なンだよ不満があンですかァ。てーいとくゥーン?」
垣根「喧嘩売ってんだろ一方通行ぁぁぁあああ!?」
強敵出演:第一位
きっとあれだね?真名を人に教えてはいけないとかいう魔術的な何かが一部のやつらには恐らくあるんだね?冥土帰しとかだね?
いや、他のメンツも大体は科学サイドのはずだけどね?
カブトムシさんのフルネーム呼びは相手へのリスペクトなんでしょうかね。
578 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/11/22(日) 03:13:51.98 ID:aAPCJAsm0
>>554
アイテムと関わらせるとなると夏休みから九月をすっ飛ばして十月まで話を進めるかどっかでゲストかネタにして出すか……
とか言ってたら頂点でエセホストと年増が並んだー!やったー!
1は垣麦も好きだ。
チアもきたー!やったな浜面!
>>555
ゴーグルくんに言ってください。
あんなんでも人によっていい夢だったりするのか。
>>556
どこだろうな。六羽野市とか…ちょっといやだ。
こっちの好みに合わせて髪形や性格変更も、ってもうそれ垣根じゃない。カブトムシか?
>>557
1も書いてるうちにゴーグルがプレイヤーなのか垣根がゴーグルを攻略しようとしているのかよくわからなくなってだな。主導権をもぎ取っていく垣根さんはんぱねえ。
垣根は一人で充分だよ。増えても困らないか?
1は書いてない部分の責任はとれないからなー。
>>558
1は死なない!何度でもよみがえるさ
早く楽になりたいので三期を…
>>560
乙あり
ゴーグル「マタタビ装備で大人のライオンの檻に放り込まれた気分です」
って嘆いたら垣根に「俺そんなにかっこいいか?」って喜ばれて逆効果って言う頭の弱い没ネタがあってな。悪意がなさすぎるのもこわい。
楽しんでもらえてよかった。ほっとする。
ゴーグル君は一体何周したのか。彼の冒険はまだまだこれからだ!ご愛読ありがとうございました!
自爆型が自覚ありでデレるのはおっかねえが、本当に恐ろしいのは無自覚のデレの破壊力だと思う。
>>561
基本的には「ゴーグルにデレる垣根」で構成された垣根帝督だからゴーグルには甘い。何しろ渾身のデレだからね。
クレイジーサイコさん気味な垣根さんをあしらわずちゃんと相手していたらもっとサクッと終わったんだろうおそらくは。
あ、やっぱていこちゃんでいいの。そうか寒いぞ着て待って。
>>562
ありっす
「ムカついたからお前が稼いだとこから減点な」とか言ったら垣根がゴーグルに嫌がられるだろ!
おかしいな夢オチなら多少羽目を外しても良かったんじゃないのか。ちっとも許されてないぞ。ゴーグルが。
>>563
おつありです。
うん。飛んでるわ。垣根は飛んでるわ。人混みとか嫌いそうだわ。
そんなに密集してたら痴漢騒ぎどころか将棋倒し(被害約1名)の中心になりそうで主人公不幸つらい。
直径じゃなくて半径かよどんだけあれなんだよ第一位。ごそっと空いたスペースの後ろでは人混みに埋まった幼女がちょっとどいてどいてってミサカはミサ
そこはあれだよ「なんだよこっちも妹のほうじゃねーか!」ってオリジナルをさがせ!をしよう。妹達のほうはそっからさらに10032を厳選するんだ。目をこらせ。
>>564
いいよなあ。たぶん
>>554
もそれでだと思うよ。
あの二人並ぶとまず絵面がいいんだって、次に雰囲気がいいと1はなんでていとくん茶色に水玉にしたんだろうなと懐かしく思います。
古くからヒーローってのは自己犠牲の塊なんだぜしかし上条さん安定の不幸なセリフが涙を誘う。
十分に命知らずの
>>564
に合掌。
でも「お兄さんちょっとポケットの中身出してもらえます?」って言って右手と左手と携帯電話しか出てこなくても垣根なら驚かない。
ハロウィンな……垣根引けなかったからなーマントばさばさする垣根ほしかったなーーーあーーー大分時期過ぎてるから時効で?
グシャリもあんのかい。こえーよ超能力者。
>>565
バッドなのにいちゃラブってなんだよSAN0なのかよ。とりあえず1はその展開を書いてないから上のやつらと一緒に
>>535
のゴーグルを読心能力者のとこに連れていって脳を洗うんだどっかのルートにあるかもしれない
>>566
どこバレかな電撃かなでも大丈夫だ。そもそもここのゴーグルはゴーグルって呼び名だけど全然別人じゃないか。
サブキャラごときでんなこといったらSSなんもかけなくなっちゃうだろ。
垣根なんか……脱色して、分裂して、虫で、キーホルダーだぞ……
ゲームに便利ってオタクなゴーグルに毒されてないか。
そんなことで能力の無駄遣いしてどうするんだ。
ゴーグル能力問題は今こじつけてるから大丈夫だ。
>>567
オティヌスが作って消してみせた世界のどこかにはうっかりしくじって残念なことになったゴーグルとそれを生温い目で放置する『スクール』がいたかもしれないな。
別に原作とだいぶ違ったからって問題はないよね?
どうせSSですしすでにゴーグルじゃねえし
>>568
ひどいことをされてる垣根をなるべく書かなくて済むようにはしたんだ。うん?それは、よかったのかな?
>>568
がよかったんならまあいいか
>>569
翌ってどこでもわいてくんの?!魔力だけじゃないのか
579 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/11/22(日) 03:19:16.61 ID:aAPCJAsm0
>>570
じゃあ夢のゴーグルがはいっスわかったっスーって垣根に良いようにされればよかったのか。夢の垣根が喜ぶだけじゃないか
……垣根が幸せなら、それでよかったのかもしれないな? 1は垣根の幸せを願っている。
ゴーグル君を殴る列が形成されそうですが、最後尾はこちらですか
>>571
そう。
どんな時でも便利なのが、未元物質なんです。
そう。
一位を叩ける二万五千ものベクトル注入があるんです未元物質ならね。
>>572
なんでだよ何その勢い笑ったよw
では帝国民は一位を連想させそうな白子入りのタラちりとかもやし鍋はNGなんですかね。
バレーボいや内臓ともやしが一緒に入ったモツ鍋なんてのは厳罰対象なんですか?!うまいのに!
まあ
>>1
は帝国民ではないので食べる。ハフハフホフッでシャッキリポンさせてもらう。
もちろん、鍋には食べ物いれますよね?〆に鳴き声萌えっぽいしょご☆たんとかいれませんよね?
>>573
おさけはーはたちにーなってからー!
SSなら問題ないな。愉快な超能力者さんはまたやるんだろうか
いつかやりたいネタのとこにメモっとく
とりあえずレスな。
ドーモ
15巻あたりまで順当にいくとゴーグルVS麦野を書くんだなー……ゴーグル大丈夫かな
原作暗部パート辺やるなら心理定規vsフレンダとか書きたい気持ちがわいている。
レールガンの新刊読んだけどなんだあれw
あわきんが我が道つっぱしってるのは置いといて青ピからカードもらってたの『メンバー』の査楽?
テレポーターってあれなの。みんな残念なの?レア能力者ってそうなの?
レベルが高いほど中身がヤバい法則ならやっぱり第六位は青ピだよな!って1は古い噂話をまだ信じてるって言いながらも最終巻まで出てこなかったらそれはそれで藍花悦おいしいねって小並感をのべてみたり。
づらが無能力者なのは素養格付や手抜き時間割のせいだけじゃなくクズでも性根がそこそこ常識人だったからなんだそうに違いない。
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/22(日) 09:26:03.15 ID:g0LHFaCo0
乙
最近更新多くて嬉しいぜ
超電磁砲で一人だけ出番ねえと思ったらアレだもんなwwwwww
レベル=妄想力、稀少=中二度、高次元=マニアックさだと思ってる。一通は当たり前のようにカンスト
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/22(日) 13:59:11.97 ID:SNAySPXAO
心理定規vsフレンダむっちゃみたい!
けど暗部抗争パート入ったら終わっちゃうじゃないですかやだー
582 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/22(日) 21:12:56.72 ID:s1Ml7jQp0
浜面あっさり攻略されてんなよ
殺しあい無しの暗部なら今度はグループも混ぜてほしい
一位二位のどつき漫才も見たい
心理定規もゴーグルも名前で呼んでもらえないの仕方ないけど可哀相すぎ
583 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/23(月) 00:11:32.34 ID:2EMgvjAZO
>>577
垣根=鶏
チキン→ミンチ→保存・加工→丸める→鍋に入れる
なんだただの鳥団子鍋じゃないか
584 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:06:04.25 ID:qCiiFrl70
Tシャツの上に着たノースリーブのシャツは地味なチェック柄、背中には膨らんだリュックサック。
オシャレさを意識していないことをあえて前面に押し出したスタイルの少年はふんふーんと鼻歌交じりであるいていた。
アップテンポなメロディは、はやりの洋楽でも人気アイドルの新曲でもない。深夜に流れるアニメソングだ。
クレヨンで紙にかいたオタク族がそのまま歩いているような少年は第七学区にいた。
目的地のいつものゲーセンで筐体に座り、プリペイド機能付きのユーザーカードを入れてボタンを押す。
さーてゲームスタートと、思ったところで頭上から能天気な低音が降ってきた。
「おーっセンセやん。なぁなぁこれ何だか知ってる? 『インディアンポーカー』って言うんやけど」
そう言っておなじみ青髪ピアスが自慢げに見せてきたのは一枚のカードだった。
特に目立ったイラストもない。両面つるっとした何用かもわからない一見ただのカード。
このゲームセンターにあるどのゲームにも使われていないものだ。
あとは一般的なトレーディングカードより少し大きくて厚みがある、と言うくらいだろうか。
「今、一部の物好きの間で話題だとか言う? 青ピ君よくそんなん持ってるねー」
ゴーグルの少年は生返事でゲームをスタートさせる。
どこかで名前だけ見た覚えがあった。
その時は調べてみても元ネタらしい遊び以外それらしい情報が出てこなかったから気にしていなかったが。
最近どこかの掲示板で見かけた気がする、その程度の印象だった。
「さーすがセンセ、聞いたことあったんや。まだプレ体験版って感じらしいけどけっこーおもろいよ?」
「なんだっけ。『夢が見れるカード』だっけ? あんまりなぁ。物見るのに困らないんだよなあ俺」
そう言って少年は、そばに置いた荷物に目をやった。
中に入っている彼のトレードマークでもある便利な装備を使えば。
ゲームしながら同時にアニメを見て別作品の劇場版をついでで流すことも可能だ。
市場に出回るヘッドマウントディスプレイの最新機種でさえ、まだ目で物を見せている。
『ゴーグル』本来の役割は「使用者の視点」を補強することだが副産物的な利点として、使用者の脳直通で情報を視せるゴーグルにはその質も性能も遠く及ばない。
人間の目は確かに優れたレンズ機能を備えているがそれでも生身の生き物である以上の脳の処理とのバランスを取っている部分がある。
眼球が本来備えた機能を画素数に置き換えると視野全体で五億以上のとんでもない数値になるが、目は常にそれだけのものを認識しているわけではないのだ。
585 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:11:12.84 ID:qCiiFrl70
いくら情報の多くを視覚に頼っていてもそれを四六時中、水道の蛇口を目いっぱいひねった様に延々流し込まれ続けるデータを処理していたら。
脳みそだってたまったものではない。
普段はっきりとものを見ている中心部分、意識的に処理される有用な情報を得るための範囲はごく狭いもので。
その部分の画素は合計しても約八〇〇万近くまで落ちてしまう。
どんなに高画質なたとえば『磁性制御モニタ』に映し出された映像でさえ、出力されたデータそのままの精度で脳に到達することはない。
その過程である程度の劣化は避けられないだろう。
学園都市の最新型スマートフォンのカメラ機能のスペックは『外』の一般的なデジタルカメラ並みの性能を誇るすぐれものだ。
そして彼がゴーグルをそう言った、またそれ以上にハイスペックな機器にリンクさせれば。
映したものを場所ごとで劣化なんてしない均一な画像情報としてまるごと脳に処理させることも出来る。
それは機材のつなぎかえで静止画動画を問わず、更に多様化する。
外付けのデバイスに入力を頼っている分、はじめからバックアップがある状態なので印象や記憶違いによって情報の劣化や変質もほとんど起こさずに済むはずだ。
学園都市が目指している能力開発ではその身ひとつで便利な能力が起こせるのが利点なのだが。
少年はちょっとした事情から余計なものを頭に着けて能力を延長して扱うことになってしまった。
だが彼はそれに不自由さは感じていない。
それどころか日常的にゲームやアニメと無駄な方面にそれを活用しまくっているのでプラスアルファ分お得な恩恵にあずかっている。
そして。
そういったものに慣れ親しんでいるおかげで、学園都市お得意の新技術で作られたらしい謎のカードをみても、
「なんだこれすごーいどうなってるの?」なんてテンションが上がることも残念ながらなかった。
地味なワケあり少年は興味なさげに視線をゲーム筐体の画面に戻す。
青髪ピアスはどうしても関心をひきたいのかカードをひらひらさせながら、
「じゃあセンセ作る方は? 今なら限定五名様に制作方法伝授キャンペーンらしくてボクは『親』モニターに前回教えてもろたから、抽選枠に孫モニターを一人紹介できるんやけど」
と追加要素を発表した。
まだ大衆に認知されていない隠れ面白アイテムの制作・体験モニターを募集する活動があるらしい。
簡単に説明された参加資格ははっきりした強いイメージの夢を見れることだとか。
カードに夢を記録するなんてよくわからないことをしようと言うなら、情報も中身も濃い方が抽出しやすいのかもしれない。
だが。
画面内の自機を操作しながら話を聞いていた少年は一層気分の乗らなさそうな声で聞き返した。
「……すっげえ怪しくね? 大丈夫スかなんか金巻き上げられたりしてない?」
「ないない。カード作る装置作るのにおもちゃを幾つか買わないとでちょっと元手がかかるけどそれくらいやし、あとはさらのカードが今んとこ一週間くらいの順番待ちがあって……」
「装置だけ売りつける詐欺じゃなくて? なんでそんな内々でやってんのさ。え、もうこれ俺じゃなくて風紀委員とかに相談したほうがいんじゃないの?
やったねゴーグル君フラグが増えるよ!」
586 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:14:38.54 ID:qCiiFrl70
青ピ君だな
補完頼む
脳内で
587 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:18:32.64 ID:qCiiFrl70
「いやいや?! 詐欺被害の相談やないって勧誘してますっ! 作れる物がすごいから、急に爆発的ブームからの激品薄にならへんようになってるだけやと思うって!
せやかてセンセ!! 毎日山ほど夢は見ないやろ? 丁度いいんやってば」
青髪ピアスは拳を握って熱く語る。
どこかの研究施設が一般人をモルモットにデータ収集でもしているのか。
それか在庫を抱えた玩具メーカーが商品の販売促進で尾ひれ付きのステマでもはじめたかとも思えたが、それにしては話がどこか変だ。
限定○名様にお得な情報!系の話がうさんくさいのは今にはじまったことじゃないのだが。
ゴーグルの少年は日頃からアブないことばかりして風紀委員に迷惑をかけている友人が、本格的にヤバい話に手を出していないか疑いながら五面までクリアした。
雑談に応じながらゲームを進める少年の横で青髪ピアスは残念そうに肩を落としていた。
「なんやー。センセクラスなら人気ゲームのカードでA以上は余裕で作れると思うんやけどホンマに? やらへんの?」
実験的なおもちゃのモニター間で出来上がったカードの交換会も行われているらしい。
今日もその交流会がここであると青ピは自慢げに語っていた。
高ランク―高い実用性が見込めるユニークな夢―のカードは特に人気があるそうだ。
その中では、「カードを使ってから何故か数学の宿題が楽々出来る様になった」なんて噂もあるらしい。
夢の中に作った人間の得意分野の情報が紛れ込むことで、それを追体験することも出来るのだろうか。
「俺、ゲームに関してはPARとかあんま好きじゃないんで。攻略動画は撮っても、狙ってゲームの夢みたりカードは作らないかな」
「そーなん? もったいな。あ、そうや! 確かモニター仲間に、メクちゃんのA以上ピンクシリーズ持ってるのがおったと思ったけど在庫あるか聞いてみよっか? 確か好きやったよね罰音ちゃん」
「メクちゃんはDIVAだから。俺の心の聖域だから。他人の夢で会うくらいなら『外』でやってるライブに行きたい。あーあー『外出許可』なーあーあー」
青ピはどうしても謎のカード愛好会に勧誘したいのか、ゴーグルの少年の二次嫁を餌にしてみたが上手くいかなかった。
なぜかがっくり落ち込みだした反応も予想外だったらしく、長身を折り曲げると画面につっぷした友人の肩をはげますようにたたいた。
「センセ……あれなん? なんやそっかー二次でもストイックやねー。なら、これもええかなーこの前たまたまボクんとこで『0マイナス』のカードが出来たんやけど」
「えっ」
「ボク、ノノちゃん好きやし多めやけど……一応三人とも出てたかなあ。レンコちゃんおるけど、ま。センセがいらんっちゅーんならこれも取引に流して」
「あ、あお青ピくん?」
「どしたん? センセ」
588 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:22:12.91 ID:qCiiFrl70
「金ならある。言い値で譲っていただけないだろうか。『ラブマイナス』、最近制作サイドで色々あってっスね。スタッフが大幅に変わったりしてですね
ちょっと展望が辛い感じで俺ら全国の「カレシ」は「カノジョ」の実家が心配で心配で…」
なにやら急に早口で話しはじめたかと思うと。
ゴーグルの少年は久しぶりに水をもらったしなびかけの野菜みたいにシャキっと立ちあがる。
まんまと狙いの大物がかかったわけだが、青髪ピアスは何故かものすごく無邪気な笑顔でカードを取り出した。
「やーっ、そんなぁボクとセンセの仲やないの! ええよそんなん。ハイどうぞー」
カードに貼られた付箋には「『ラブマイナス』ノノ、レンコ、もなか S」とあといくつか教室、制服などの単語が書いてあった。
カードに記録されている夢の中で覚えているものを程度メモしてあるらしい。
トレードするのに「誰が作った」、「どんな夢か」が交渉材料になるならストーリーなんかもあった方がいいのだろうが。
断片的な情報しかそこにはなかった。
ゴーグルの少年は、そんなことよりアルファベットに注目したらしい。
なにしろ。
ついさっき夢にはレアリティがつくと聞いたばかりだ。
「これっ……一番レアなやつ? マジで! いいの? えーっ本当に?」
「いやーボクんとこではSの出来っちゅーてもセンセが気にいるかはわからへんもん。
どうしてもっちゅうんなら……トレードにせえへん? 後でボクの装置貸すから、ゲーム系のカードが出来たらもらってもええ?」
もしや初めから目的はそっちだったのか。
たった今いいことを考えついたような顔で交渉をしかけてきた悪友だが。
ゴーグルの少年は眉間にしわを寄せていたさっきまでとは大違いの隙だらけなハイテンションで諸手をあげた。
「そんなんお安いごようっスよー!! もー青ピくんてば愛してるー持つべきものは友だちだね!」
「ホンマやねー。え、三枚もええの? センセめっちゃ好きー。ずーっと詰まってるとこがあってな? でもセンセはゲームのコツとか教えてくれへんしー」
「聞かれたら教えてるじゃないかー何言ってんのさーはっはっはー」
「ズバーっとかズドーンとかスササッて言われてもボクよおわからへんもーん」
おかしいなー垣根さんはそれで出来るんスけどねーと不思議がりながら少年はご機嫌でカードをバッグにしまった。
ぐちっていた青ピは別のゲーム機の前まで行くと、ゴーグルを手招きする。
「ちょっとほら。これは? センセここやってみて」
「えーっと。いいっスか? こっちを、こう。こうして、こう…………」
…
…
…
「で、ここを」
「ここを?」
「だらっしゃあ! って。ほらできたー出来たじゃないか青ピ君!」
「だーかーらーボクには出来へんってば! そんなん気合で出来るかー!」
ほらどうだ! とゲームの先生役はいい笑顔で振り返った。
青髪ピアスは STAGE CLEAR! の文字がでかでかと表示された画面におもいっきりツッコミをいれた。
589 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:27:47.25 ID:qCiiFrl70
「俺はさぁ青ピ君……期待に胸を躍らせて、パソコンの出力端子を機能最大精度でまとめてゴーグルに繋いだあの日の絶望をそりゃもう深く覚えてるんだよ!!」
場所をファーストフード店に変えた二人は『インディアンポーカー』の話題で盛り上がっていた。
ちなみに会計は、テンションが上がりきってすっかり心の中までお花畑になりつつあるゴーグルの少年持ちである。
心の壁も距離もぶち破って今なら多少の無理難題もひとつ返事でどうぞウエルカムな近距離無警戒ぶりだった。
一応これでも暗部組織の一員なのだ。
こんな、絵に描いたように悲しい残念なオタクであっても。
学園都市の汚れ仕事や面倒事を回されたり、鉄さび臭い殺伐ワールドを日常パートのすぐ横で繰り広げなくちゃならないような人間の一人。
その筈だが、今の彼はとてもそんな風には見えなかった。
ちょっと怪しい契約書に適当にサインをしたり、あからさまな詐欺っぽい勧誘にホイホイついていきそうな雰囲気だが、ちょっとした判断力の大幅な低下が原因なのだから仕方がない。
一般人からオタクをも殺す「嫁」の一文字の破壊力はすさまじいものだった。
「円盤入れてみても、そりゃ少しは画質音質良くなったかなーいや気のせいかなくらいのもんでさ!!
調整も適当すぎて後で具合は悪くなるし二次元にダイブなんて出来なかった。
俺はやっぱり惨事元の男の子なんだなぁどんなにあの子が恋しくても虹の向こうにいけないんだ……ってあの日は自分の無力さに枕を濡らすしかなかったんだ。
その夢が! 今、君のおかげで叶うかもしれない! あなたが神か?!」
「なんやボクにはなにをしたんかはよおわからんけど……その辛く苦しい気持ちはよぉっくわかるでセンセー!」
「わかってくれるか! 青ピくぅぅぅんんん!!」
熱い友情を確認しあうオタク共の雄叫び飛び交うおかしな儀式は、
「他のお客様の迷惑ですんで神だか何だかしらねーがでてけゴルァ」と笑顔&殺気全開の店員さんに追い出されるまで続いた。
590 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:30:46.52 ID:qCiiFrl70
鼻歌まじりで隠れ家にやってきたゴーグルは上機嫌でドアを開けた。
テレビの前にはまたしてもプチ家出中のリーダーがつまらなさそうに座っていた。
以前なら、超の付くプライベート(オタク活動、主にゲーム)で既に誰かが居る隠れ家を使うことは組織のメンバーの前では控えていた筈だ。
だが少年は部屋が被ったことは気にしていないのかカードをかかげてくるくるおどっていた。
どうやらまだ夢も見ていないのに青ピの癖が早くも伝染したらしい。
そして今まさに脳内お星さまだらけで無敵モードに突入した彼はそう簡単に止まれなかった。
「垣根さんじゃないスかーこんばんわーきいてくださいよー俺、友だちにインディアンポーカーのカード貰ったんスよー!」
なんだそりゃ、と振り向きもしない背中を向けたままのリーダーから一応返事があった。
「これを使って寝ると他人の見た夢が見れるんス。えっへっへー青ピ君も好きなゲームでよかったなあ」
そっちの部屋かりまーすと無駄に挙手つきで宣言した超絶ハイテンションなゴーグルの少年に。
厄介なものを感じ取ったらしい垣根は、さっさとあっちいけ、と追い払うように手をふった。
「寝言が聞こえても返事はしねえから安心しろ」
「ありがたいっスけど。なんでっスか?」
寝言と会話するとそいつ目が覚めなくなるって言うだろ、と冗談なのか本気なのかわからないトーンで言いかえされたが、
「垣根さん。俺のスマホ通話にしとくんで、カード使いはじめたらめっちゃ話しかけて下さい」
ゴーグルの少年は大真面目な顔でそう宣言した。
「ああ。ウザそうだから切っとく」
しばらくして。
部屋からでてきたゴーグルの少年は、入っていった時とは別人のようにテンションが低かった。
おまけに泣いていた。
自分の余命宣告でもされたのかと言いたくなるほどの暗い空気を背負っているのを流石に垣根も無視はできなかったのか、
「泣くほど感動的だったのかよ」
「いや……あの、思ってたのと違うっつうか、大分……衝撃的で」
床に崩れ落ちた少年は、そのまま拳で床を叩いた。
違うそうじゃないんだどうして、どうしてそうなっちゃうんだよ……最低だ、俺などと意味の分からないことをぶつぶつ呟いている。
何がどうショックだったかはわからないが、とにかくものすごい落ち込みようだ。
青髪ピアスはSランクだと思った夢は、どうやらゴーグルの少年の好みではなかったらしい。
反応からして大外れ、それも期待していた分だけギャップが激しくてきつい結果になってしまったのか。
「俺…別にああ言うノノちゃんが見たかったんじゃなくてっスね。いろいろと方向性が……ううう、レンコちゃんは、俺のレンコはあんなこと言わないんだぁあああ」
「たかが夢なんだろ。それもゲームの」
うるせえ黙れ、と厳しく言われたがよっぽどショックだったのかゴーグルの愚痴は止まらない。
591 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:33:15.18 ID:qCiiFrl70
「夢だけど、中身ばっちり覚えてて好きなキャラの夢なんてそうそう狙って見れないっスよ。
しかし……似たようなオタク同士でも嗜好の差は谷のように深く山の如く越え難いものなのだと俺は今知りました。
でも貴重なSレアを快く譲ってくれた青ピ君の友情は◯ェルタースオリジナルっスね!!」
おまけにしゃべってるうちに勝手に意味不明でいい感じに立ち直ってしまった。
そう言うのはSNSでやってろと言いたくなる短時間での切り替えだ。
そんなゴーグルの少年の大騒ぎで、むしろ興味がわいてしまったのか。
垣根はまだ残っているカード手に取って眺めだした。
「そんなに面白れーのかよ。これは」
「こっちは他のユーザーから貰ったんス。Aレアカードがいくつかゲット出来たんスよ」
カードのトレードをしにゲーセンにやってきた青ピの知り合いからもその話を聞いていた。
ちなみにゴーグルの少年が青髪ピアスの友人だと知ったら無償で譲ってくれた。
どうやら彼は体験者の中でもカリスマ的な人気を誇っているらしい。
みんな揃って青ピのような無邪気(にみえなくもないよう)な笑顔を浮かべていた気がする。
「さっき装置の作り方も見せてもらったんスけど……やっぱこいつ俺のゴーグルにちょっと似てますね」
そう言って少年は借りてきた紙の袋をみた。
中には例のカードを作る装置が入っている。
童話に出てくるお菓子の家のように組み上げられた、おもちゃの集合体だった。
そのうち一つに脳波をキャッチして専用のボールを動かして遊ぶ念動能力を科学で再現したようなものがある。
他にも五感や脳とリンクして遊ぶタイプのおもちゃを交えて作り上げられていた。
彼の使うゴーグルは駆動鎧などにも使われているBMI(ブレインマシンインターフェイス)技術を応用している。
人間の脳から送られた信号を拾いあげ、機械に伝えて手を触れずに操作するのが学園都市外部でも実用化されているBMI技術だが。
ゴーグルはその逆。
リンクした機器からの情報を使用者の脳に直接送ることで情報伝達の簡略化と大幅な向上を図っている。
592 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:35:00.16 ID:qCiiFrl70
「俺のは視覚の割合多めなんスけど、このカードは脳に働きかけて情報の吸出しと書き込みをして夢を再現させてるみたいっス」
続いて荷物から取り出した自分のゴーグルを回すと輪の内側とカードを見比べながら少年は珍しく、ゲーム以外の分野で解説をはじめた。
本来は念動力補助目的で彼の視点を増やす機械なのだが、ゴーグルの少年はそれで「ながら見」もするとぶっちゃけた。
カメラやモニタを機材に登録しチャンネルを繋いで行動中も動画や情報を頭に流し込むのだと言う。
「学校のテスト勉強にも使えますよ。暗記系は頭に映像で流して俺は飯食ったりゲームしてます。一発でフル記憶まではしないんで、何周かしますかね」
「んなことしてよく平気だな。普通の映画だって長時間見続けるなって注意書きがでてくるだろ」
と呆れた顔をした垣根だが。
「そうか……それでお前、頭が」
と直後にいやに納得した様な、同情めいた風にうなずいていた。
日頃の少年の様子や奇行と言動を思えば使いすぎの弊害もあって仕方ない、と思ったらしい。
「無休じゃないっスよ流石に重いし疲れるんで時々外します。被るだけじゃ深くサイコドライブなんてしませんし、こいつは俺にはメガネとそんなかわらねえっス」
生き物が道具を扱う技術は人がサルから進化の道を歩き出すその以前からはじまっている。
そしてそれ以来ともに進み適応し続けているものだ。
手にした道具をまるで自分の一部のように感じる仕組みをもともと人間がもっているからこそ。
イメージと実際の動きがスムーズにつながって、駆動鎧やおもちゃのボールは動いてくれる。
さらに優れた技術をもつ者は道具との間に強いつながりを持つ。
各分野のプロはメスや楽器、球技のボールやラケットを手足のように扱い、それには自動車や航空機のような体よりはるかに巨大なものもふくまれる。
優れた能力者ほど、自分の手足以上に自在に能力を扱うことを考えたら、能力開発からまるっきりかけ離れた話題でもないのかもしれない。
自分の体の一部と言えるほどに道具に慣れ親しめば脳の自己認識もそれにあわせて広がっていくと言う研究もある。
それと同時に、眼鏡を探す眼鏡っ子の法則が存在する矛盾を解き明かせたらイグノーベル賞も狙えたりするだろうか。
「でもお前、前にぶっ通しでゲームしてなかったか」
「流石に熱と鼻血が出たら止めてますから大丈夫ですって」
使用者本人はけろっとして笑いながら言ったが。
やっぱり全然大丈夫じゃなさそうだった。
あるあるネタの振りじゃなくマジっぽいのが手遅れだ。色んな意味で。
593 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:41:03.12 ID:qCiiFrl70
「そこまでして成果はあんのかよ」
「テストの方の結果は……まあテレビみながら勉強してるようなもんスかね。こいつで記憶領域までの書き込みと定着が出来たら俺もう一生勉強なんてしなくていいんスけど」
だめな子の夢みたいな話を苦笑いでするゴーグルだが、出来すぎて困る子の代表みたいな垣根はなにがそんなに悔しいのか理解できないと言った様子だった。
「集中して普通に勉強した方が早いんじゃねえの。それか小型化していっそカンニングでもしたら」
「こいつ目立ちますよねーそれが出来たらいいんスけど。あ、でもそしたら俺改名してカチューシャとかイヤホンにしないといけないっスよ」
なんて冗談を言いながらゴーグルの少年は話を続けた。
確かに話をすればするほど、こうなっているだろうと考えつくカードの仕組みとゴーグルの間で似ていそうな点が出てくる。
分解したらもっと詳しいこともわかりそうだが、そこまでするほどの話題でもなさそうだった。
おまけにカードはどれも未使用。
ちょっと気になるレベルでばらばらにするのはいくらなんでももったいないだろう。
BMI技術そのものは子どものおもちゃになるくらい、既に学園都市のあちこちに普及しているのだから今更驚くことでもないのだが。
他人と夢を共有する、と言うのはなかなかユニークな思いつきだった。
そこでふと、ここを直に繋いじまったらどうだ、と垣根が自分のこめかみをつついた。
「BTBI(ブレイントゥブレインインターフェイス)スか?
そっちはそこまで広く浸透するんスかね。今だってやろうと思えば念話能力とか洗脳能力で足りるじゃないスか」
簡単なコミュニケーションていどならまだいいが、マインドメルティングまで行って人類みんなで赤い海にダイブするようになるのはちょっと嫌だ。
と垣根にはよくわからない言語でコメントが返される。
「あれは規模が小さいだろ、確かあの辺は強能力者が多いしな、やっても横並びになりそうだ。でも複数の能力者同士の脳を繋いだりすりゃあ面白くなるかもしれないだろ」
「オラに力をわけてくれー! とか出来ちゃったらヤバいっスね。えーと、能力者間でなんか演算とかそう言うののやり取りをしたりだとかしてすげー能力を使えないかってっスね?」
なにそれ、と言いたげな垣根の反応にゴーグルは慌ててつけたした。
パロディは、元ネタがお互いわかっていないとうまく伝わらないのがつらいところだ。
「ぜってぇそんなのには加わりたくねえ。そうだ。お前、「ニューラルアンサンブルの発火保存」や「集団効果」の原理はどうだ? 単一のニューロンのふるまいを人間ひとりに置き換えてみると――」
「タンマっス。えーっと、BMIもっスけど大脳生理学の「相対論的な脳」系の話は確か長点上機の学生が一世代進んだ論文を発表してませんでしたっけ。
俺そっちの専門的なのは全然っス。軽くお茶するんなら連絡先調べさせますよ」
頭が痛くなりそうな話題の予感にゴーグルの少年はてきぱき矛先をそらした。
伝わらないアニメネタではないが、少年にとって小難しい専門分野の話では役不足だ。
ある程度のリアクションを求められたら困るし、うなずくだけの聞き役では中途半端にしか出来そうにない。
594 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:45:51.33 ID:qCiiFrl70
「……じゃあ気分転換に軽く読書でもするか。前にあった『幻想御手』のデータどこやった」
「え。あれ結局流れてませんでした? ありますけど。あっちこっちに」
はいこれですねどうぞ。
と今すぐ出てこないことがご不満だったのか。
はぁ? なんで、と言いたげに垣根はゴーグルを睨みつけた。
組織で主に使っているプライベートクラウドに集めた情報をそのまま放置しておけばハッキングのリスクもあるので。
一定期間を置いたらデータをコピーしブロックごとにフォルダを分けた上で別の場所の物理ドライブでばらばらに保管しているじゃないかと少年は確認した。
作業は下部組織の技術担当みたいな連中がしているが、ドライブやサーバーのアクセス権の一部はゴーグルの少年にも与えられているし保管場所の話をされたこともある。
オタクが誤解されているなぁとゴーグルの少年はここでもちょっとした温度差を感じていた。
別にオタクだと自称していても機械にものすごく強い訳ではない。
その時は携帯ゲーム機の記録領域に情報を書き込む話をした。
少年は基本、ソフトを買う派(それも複数)なのでハード(これまた複数)に用意されているDL用の容量が余ることが多かったから思いついた話だ。
AIの記憶媒体があれば、紙幣のICチップにさえ情報を隠せてしまう学園都市の技術力では、諜報活動をする方も防ぐ方も苦労しそうだった。
「見るんスか? 必要なら一覧から関連データ引っ張って、並べてまとめときますけど」
「じゃあ眺められるようにしとけ。今すぐな。それとシステム神経生理学系の資料も追加。大脳生理学は専門じゃねえからな。一応古典にも敬意をはらってやるか」
そういって、垣根はコンビニに買い物を頼むように気楽な様子で口を開いた。
しかし出てくるのは簡単なおつかいメモの中身ではない。
研究者の名前と幾つかの論文が上がって、後は……MNAP(マルチニューロンデータ集積プロセッサ)、オペラント条件付け、あとマルチタスキングの基礎理論……
まぁ、とりあえずはこの辺だな、とつぶやく垣根はどうってことなさそうな顔をしてるが。
横で聞いていただけのゴーグルの少年には難解な香辛料の名前みたいになんだかよくわからない専門用語の嵐だ。
「今スか?! ちょ、ちょっと待ってもらえます?」
ゴーグルを被った少年は大慌てであっちこっちと動き回った。
頭の横から垂れ下がったケーブルがクラゲの足のようにぶらぶらしていた。
パーフェクトな執事並みのサポートスキルをスペック不足の部下に唐突に期待されても困ってしまう。
595 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:47:55.65 ID:qCiiFrl70
ガチャン、とドアを閉める音に反応したゴーグルの少年は小声とボディランゲージで「こっちにきてくれ。なるべく静かに慎重にな」と少女に伝えた。
メッセージを読んだ彼女は、バイトが終わってからそのまま駆けつけてくれたのか前髪を軽くなでつけると部屋にはいってきた。
「(心理定規ー!)」
「何よ。急に呼んだりして。君たち何してるの?」
「しっ、今垣根さん夢を見てるんスよ」
さっと口元に指を立てると、少年はソファに目くばせした。
足を組んで横になった垣根の額の上にはカードが一枚乗せられていた。
どうせなら時間つぶしにとゴーグルの少年が一枚進呈したものだ。
「きれいな顔してるだろ、寝てるんだぜ? それ。って言いたくなる安らかな表情っスね」
「そのまんまじゃない。何これ」
「このカードに誰かの見た夢が入ってるんス。夢の中のことを経験するんで、体感ムービーな遊びが出来るみたいなんスけど」
一度眠るとカードの中身が再生し終わるまで目覚めにくい効果でもあるのだろうか。
その前から眠っているのだが、心理定規に説明している間も垣根は静かに寝息を立てていた。
「心理定規がこんな早く来れると思わなかったんで、レアな垣根さんの写真とっといたんスけど見ます?」
「……なに、これ」
スマートフォンの画像を見せられた心理定規は、軽く絶句しつつゴーグルを見返した。
そこには数枚の寝顔の写真があったが、どれも無駄にキラキラ白飛びしてはしゃいだ女子高生のプリクラみたいになっていた。
「未加工なんスけど、なんか光っちゃってるんスよ。『未元物質』って写真に写るんスかね」
「やだ。本当ね」
小さなシャッター音に続いて心理定規のスマートフォンの画面でもアイドルのCDジャケットやグラビア写真みたいになった垣根の寝顔が写っていた。
無駄にキラキラして、それが何だか似合っているのが笑える。
本人にはとても見せられない画像データがそれぞれの携帯に保存された。
垣根にばれたら本体を容赦なく真っ二つにされるだろう。
横にへし折られるのではなく、縦に。
「これは何の夢をみてるの?」
「えーっと確か……『カナダの森と渓流(おまけ)』っスかね。あれ。おまけ付きってなんだ?」
カードの入っていたスリーブに貼られたラベルを読み上げるとゴーグルは首をひねった。
見比べながら残りのカードを手に取ると心理定規に見せる。
「Aランカーの人が居て『いい夢旅気分』ってシリーズのカードが貰えたんスよ。心理定規もどうっスか? もう一枚、こっちは……南の海でイルカと遊べるやつがあります。
人気のだとBランカーの『動物モフモフシリーズ』なんてのもあるらしいんスけどそっちは在庫無しで」
他にも、『いやがるワンちゃんにかわいいお洋服を着せる夢』とか『おねえさんとこいぬちゃん』ってほのぼのっぽいのもSNSに作られたモニター間トレードリストにのっていた。
夢の記録と言うより個人の日常がアップされた動画サイトみたいなラインナップだったが、そうそうドラマティックな夢ばかり見る人間もいないだろう。
596 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:51:15.40 ID:qCiiFrl70
ほのぼの系もゲットしておくべきだったのか? と頭を悩ませる少年にはまだゴーグルが装着されていた。
そのケーブルのうち一本は、ミニタワー型のパソコンケースに接続されている。
どうしたのそれ、と聞かれてゴーグルは垣根にデータ整理を言いつけられたと息をはいた。
「幾らなんでもんなすぐ準備できないんで、終わるまでこいつに垣根さんの相手してもらおうと思ったんスよ。あ。今、該当ファイルを順番に並べ替えてもらってます」
あちこちの引き出しや箱の中、棚にばらばらに隠しておいたジグソーパズルのピースを必要な分だけ集める作業を済ませたらしい少年は完成図にそってそれをまとめる指示を出す。
それにも、本人の手や指は使われない。
軽く手を振るだけで能力で操作されるマウスもキーボードも、まるで直接彼の脳から信号を受けているようによく働いていた。
人使いの荒いリーダーの方はそんな苦労をよそによく眠っていた。
黙ってじっとしているとイケメンさが跳ね上がる、と部下たちののんきな会話のネタにされていたのだが。
「なんか……うなされてない?」
「と思ったら笑いだしたっスね」
「……ただの雑魚じゃないって訳か! いいぜ、少しだけ本気を出してやるか!」
更に、安眠とはほど遠そうな寝言まで言いはじめた。
異変を感じて急いで二人がその場を離れると。
眠ったまま笑い続ける超能力者が目覚めるまで心理定規はドアの近くで様子をうかがっていた。
普段はそれなりの気づかいや手加減があっても、寝ている人間相手にその常識は通用しないだろう。
ちなみに。
ケーブルの長さが足りなくて、退避をしくじったゴーグルの少年が庭にリードで繋がれた犬みたいにずっこけたが。
心理定規は、
(静かにしてね)と自分の唇に人差し指を当てた後、無言で手を振って離れてしまった。
ぷるぷる震える愛玩犬なら助けてもらえたかもしれない。
597 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:53:00.50 ID:qCiiFrl70
「ん……? なんだ…めじゃーはーとか」
その後。
目をこすりながら起き上った垣根は平然としていた。
後半なんだか騒いでいたのに熟睡出来たようで、機嫌は悪くなさそうだった。
「おはよう。ずいぶん楽しそうな夢だったみたいね」
「ああ」
垣根が見た夢の中では。
学園都市にいたら見れないような、大自然あふれる景色が広がっていたらしい。
森の中や岩だらけの渓流の横を散歩したりとほとんどはのんびりしたトレッキングみたいな内容だったそうだが。
「で、最後の方で熊が出た」
「クマが?」
「いやー野生動物ってのも結構やるな?」
コキコキ首を鳴らしながら話す垣根は嬉しそうに話した。
四〇〇キロ以上ありそうな大きな熊とのタイマンで、最終的に森の王を打ち倒して覇権を手にしたところで目が覚めたらしい。
「やっつけちゃったんスか」
「流石に殺してはねえよ。元からそう言う夢なんだろうし。あれだな、ある程度決まった内容になるように誘導されるみてえだ」
夢の劇場体験を思い出していた垣根は何だか少し悔しそうだったが、一体何をどうしたのかは二人とも聞く気になれなかった。
「しっかし、絶景や旅情系かと思いきやまさかの熊相手に無双するオチ……だと。すごいっスねインディアンポーカー」
流石高レアランカーの夢なのかひねりの効いた展開まであるらしい。
まさかそんなものばかりではないだろうが、残りのカードを心理定規は不審そうな目で見ていた。
「面白かったんなら……良かったんじゃない」
「ま、それなりに。景色はいいし、退屈はしなかったな」
「……どうスか、心理定規。南の海の夢、やります?」
「いいわ。途中でサメとか出てきたら嫌だもん」
心理定規はお菓子を我慢するときのようなむくれた顔でカードから目を背けていた。
興味があっても、かわいいケーキの箱がとつぜんびっくり箱に変わったら嫌だ、なんて心境なのかもしれない。
598 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/23(月) 23:57:06.44 ID:qCiiFrl70
まだ使っていないカードを前に話をしたが。
垣根はもちろん、心理定規もこのカードについてはよく知らなかったらしい。
実際使ってみた垣根は改めて何か気になったのか、ゴーグルにまとめさせた資料のデータにPDAでアクセスしていた。
彼が雑談のつもりで話していた、
「カードを使ってから勉強が出来る様になった」
なんて胡散臭い開運グッズのレビューみたいな噂のところで、垣根は顔をあげた。
「中に大能力者が能力使ってる夢や開発記録の入ったカード、ってのがあったら? 似た系統の能力者が使うと能力向上に影響すんのか」
「あれ。なんか……『幻想御手』みたいっスね。もしかして、それでっスか?」
なんでまたそんな話題を持ち出したのか、やっとわかったらしいゴーグルの少年に。
それよりよっぽどたちが悪いんじゃねえか、と垣根は返事の代わりに呆れたように口にした。
アルファベットが怪しいような子どもがカードを使ったら一晩で外国語がマスター出来たなんて話が大げさな噂話だとしても。
小さなことでも実際に効果があるならその技術自体は本物かもしれない。
おかしな技術がこそこそと広がりだしている流れは前にひと騒動起こしたものと似ている。
おまけにその中身も類似性がある、とくれば『スクール』が目を光らせるには十分な情報かもしれない。
「脳の働きを誘導して夢を見せるなんて、やってんのは洗脳や睡眠学習みたいなもんだろ。カードだってものによってはただの遊び以上に利益が出るものもあるんじゃねえか」
どこがそんな技術を気軽に流してやがるんだか、と疑うような口調で呟くとまた視線を資料に戻した。
「スキル習得系だと、パラパラチャーハンが作れるようになるかもしれないカードとかありましたけど。確かにプロがカードを作ったら、技術そのものに価値があるのなんてのや特殊技能のヤバそうなのもありそうですよね」
「文書化できないニュアンスや数値化できない微細なデータまで吸い上げられるんなら便利そうね」
「ダーツや射撃が上手くなる夢で知らねえうちに人殺しに便利なスキルが身につくかもな。つまらねえ学校生活の夢で、行ったこともねえ場所の詳細な地理情報が得られるってのも笑えそうだな」
気軽に下らないことに使っていては気付かないかもしれない、なんだか怖い話に話題がシフトしていった。
「夢ってのは意識下の情報を脳が処理してる間に見る、過去の記憶がぶちこまれた情報のるつぼだ。一見無意味で荒唐無稽なもんも、広げてきれいに並べ変えてみたら他のもんが出てくるってことがあるかもしれねえ。
そう言うのも含めて疑似体験で他人の記憶情報が入ってきてるとしたらどうだ」
「インプリンティングを仕込むことも出来るかもね。見た夢をほとんど遜色なく記録して、それを他人の頭で再現させることが出来るなら……
夢に限らず決まったパターンの印象やメッセージをカードの中に紛れ込ませたりなんてことも楽だと思うけど。任意の情報を識閾下に投射出来る仕組みがあれば、催眠暗示をかけるより手間もかからないでしょうし」
全部が全部そんな訳はないでしょうけど。こう言ったものは悪用しようとしたら幾らでも良くない使い方が出来そうだわ。
と心理定規は肩をすくめる。
599 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/24(火) 00:00:13.00 ID:5BwSfWl+0
「まぁ、訳のわからねえもんはやたらと多用しねえ方がいいだろうな。この『インディアンポーカー』ってのも、たかが暗示で火傷しちまう程度の脳みそを、疑似体験でより複雑に騙くらかすって言うもんの筈だ。
深い夢の中で死ぬと人間ってのはどうなるんだろうな」
垣根は、脅す様なことを笑顔で言った。
気楽に考えていたゴーグルの少年に対して。
彼より慎重で賢くて、そして時にずるい二人の意見はカードの機能の楽しさの裏に隠れているかもしれない危うさを掘り起こすようだった。
この街の住人はなまじ科学との親和性が高く、少しくらいおかしなことが出てきてもはいはい神様のおかげ、天狗のしわざ、みたいな信仰レベルで納得してしまうから気付きにくいだけで。
脳に直接作用する技術も、学園都市の他の先進技術と同様に。
便利便利と気軽に触れているから危機感が薄れているだけで、実際はもっと厄介なものなのかもしれない。
少年が青髪ピアスから聞いた、カードは機能を向上させる為にまだ改良を重ねているらしい、と言う情報から。
開発途中のものである以上様子をうかがう必要性があると『スクール』の中ではまとまった。
だが。
心理定規と垣根の反応からして。
交渉や情報収集など組織としての活動に使えそうなら上手く利用するつもりだろうと言うのは今の段階でも彼にはよくわかった。
いい面でも悪い面でも多彩な使い方が出来る便利な発明品には違いなさそうだった。
青髪ピアスがこれで一緒に遊ぼうと誘ってきたのもよくわかる、確かにすごいカードだった。
「三枚作るのに最低でも三日っスかねえ。毎日見た夢覚えてるわけじゃねえし」
ゴーグルの少年はおもちゃの塊の前で腕を組んだ。
とりあえず、お礼のカードは作らなくてはいけない。
対価を先出しで受け取ってしまったのだ、それも相手が欲しいのはお金ではなく「ゲームの上手い友人が作った」、
「攻略法や操作技術のエッセンスが含まれるかもしれない夢」のカードなのだから。
変わりのものを別に用意するのも失礼だろうと少年はいたって真面目に考えていた。
まさかそんなもので青ピが急に名人クラスまで上達するとは今までカードの効果について散々議論していた少年にも思えなかったし。
どうせ景品の当たらないくじみたいなもので適当に三つ用意しても構わないのだが。
少しくらい当たりそうな気がする方がいいだろう、と考えてしまうのはいつも引く側であるゲーマーの悲しい心理だった。
「それってタイマー予約は出来ないの?」
まるでテレビの番組録画のやり方を聞くような気軽さで心理定規が質問した。
「入眠からの時間帯で眠りも夢も質が変わるそうよ。早い段階のREM睡眠は情報が凝縮している…芸術的短編映画みたいだって言ってたかしら。
日中の経験を色濃く反映した夢を記録したいなら、そう言ったところを注意してみたらどうかな」
狙った夢を効率よくみれるようなアドバイスの為か。
相変わらず情報網の広い少女の言葉にゴーグルはへえーーといつものように感心しつつもお約束ネタ的な反応でうなずいた。
「またお客さんからの情報スか。あれスか。心理定規さんたら今日は脳神経学者とでも楽しくおしゃべりを?」
「ううん。セラピスト。彼女、何でもすぐ分析しちゃうからそう言うことを気にしない相手との交流を求めてるみたい」
でも、お互いに日ごろの癖や習慣はなかなか抜けないのよね、と零した辺り。
心の外側に現れてくるものの、心理状態のチェックをしなくて済んでいると言うことではなさそうだ。
「格闘ものの漫画にありそうな、お互いの間合いを測りあうにらみあいみたいになってそうっスね」
笑顔で談笑している水面下でくりひろげられる高度な心理戦なんて、そうと知っている人間にしかわからない火花が背景に飛びまくっているんだろう。
おまけに熟練した使い手同士の手合せの様に互いに傷をつけないハイレベルさなのは間違いなさそうだ。
ご招待されても隣に座りたくない、シュールで怖いワンシーンになりそうだった。
600 :
◆q7l9AKAoH.
[saga]:2015/11/24(火) 00:02:26.82 ID:5BwSfWl+0
「お前な、自分の立場を自覚してんだろうな」
「はい?」
「さっきも言ったけど。意図してないものが紛れてる可能性はゼロじゃねえ。もし『スクール』に関わる情報がそんな経路で漏れてみろ。お前ら二度と目覚められなくなるぞ」
「……今日から細心の注意を払って寝ます」
リーダーからの警告に少年は身を震わせる。
これから最短で三日間はゆっくり休めそうになかった。
それじゃあ逆はどう? といって心理定規は今度は少年のゴーグルを指さした。
「君のそれをそっちの機械と一緒に使って、見ているものを外部機器に出力することは出来ないのかな? そしたら夢に問題がないかチェックできそうじゃない」
機密レベルの高い暗部組織の情報漏えいの危険性とゴーグルたちの死亡フラグを回避するとびきりのアイディアに思われたが。
女神の天啓にも、ゴーグルの少年は断固拒否だと大騒ぎした。
「それってまるっきり『ダイダロス』、『コレクター』の機能じゃないスか? いや、え。嫌っスよいくら夢だからって頭の中をオープンしたくないっスせめてcv.H原のソバカス美人にお願いします!!」
「意味わかんねえ」
結局、やったこともないしわかりません、何かあったら責任は取りますとゴーグルの少年が頭をさげまくって事態はおさまった。
いくら暗部の人間だからって可能性の低いたらればで、一般人の知り合いを血祭りにあげるつもりはないらしく少年はほっとした。
垣根から、機材を下部組織に回して機能を拡張したり改良できないか調べたらどうか、などと少年の読心能力者化計画を推進しようとする発言まで出てきたが。
少年が、自分の分身であるゴーグルはそんなところにやれないと必死で訴えてそっちもなんとか見逃してもらった。
嫌がる理由が趣味のことならそれって今更じゃないか、と二人は不思議そうにしていたが。
少年は今までもそこまでオープンに趣味の話題を提供している訳じゃないし、一般人のイメージするゲーム好きとオタクではちょっと種類が違うのだ。
そもそもやっているゲームもちょっと違う。
少なくとも画面内の非実在な推しキャラにガチで声援送ったり泣いたりするような痛い奴だとはあんまり知られたくないゴーグルの少年は。
どうにか安全そうなカードを作ろうとそれからひたすらゲームセンターに通い続けることにした。
ゲーセンからおやすみまでカード作りのタイムキーパーなんかを手伝ってもらった下部組織の下っ端は、横で作業していただけでスコアが伸びてしまったのだが、果たして青ピにはカードの効果があったのかどうか。
その中身は開けてみるまで分からない。
601 :
◆q7l9AKAoH.
[saga sage]:2015/11/24(火) 00:08:05.45 ID:5BwSfWl+0
ドーモ。
いいなぁインディアンポーカー。ってことで。
こっちのカレンダーはまだ夏休みなんだろうけどむりやり混ぜてみた。
超電磁砲コミック展開と某小説ネタをパク、オマージュオマージュ。
オマージュってこれだけいっときゃ大丈夫ですか。
ドラえもんのひみつ道具で『夢みせ機』が超超欲しかった1には夢のようなアイテムだ。
早くこっちの世界でも実用化されないかなー。
あんまり面白くなくてぶちぎったゴーグルの設定をここぞとばかりにぶち込んでみたり。
ゴーグル君活躍するよりオタク力発揮してばっかだからドヤ顔で能力の解説が出来ないんだな。リーダーを見習おうな。
十二月号の超電磁砲最新話も読んだけど、
垣根「見ろよ。今の俺なら世界に通用するぜ。ほら、なんでも箸でつかめるぞ」
ゴーグル「流石垣根さん! こんな細かいネイルアートも箸で出来るんスね!」
心理定規「じゃあ次は、ここにラインストーン並べて?」
って展開になるところだったのか?笑い死ぬよ?
まだ佐天さんが使ってないとおはし名人のカードを奪いに中学生の所にリーダーが襲来すんのでせうか。
流石悪党だぜ大人げない。
タイムアップでレス後日、にしたいんだけど
>>583
今日の晩飯鳥団子鍋だった。
予知能力の才能でもあるんじゃないか。タイムリー過ぎてびびった
602 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/11/24(火) 01:29:09.41 ID:T/mVdUpCo
俺の今日の・・・昨日の?晩飯は焼き鳥とチキンソテーと唐翌揚げだったな
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