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垣根帝督「はぁ? 俺はオタクじゃねえぞ」
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451 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/06(日) 03:47:30.44 ID:D7S5WN+q0
このスレタイからこんなことになろうとはな
ゴーグル裏山すぎ
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/06(日) 11:12:47.15 ID:0tlXAY99O
9月になったけど
>>1
レスしにも来なかったな
453 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/06(日) 14:09:25.46 ID:6aowFm68O
レスとかいいだろ
他にもなんか書いてんじゃないの
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/11(金) 15:42:12.63 ID:bNV14CODO
>>453
>>1
はきっとUR引換券を取るために課金してる
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/11(金) 21:25:51.16 ID:UQvr1S/To
キメセクで忙しいんでしょ
456 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/17(木) 09:43:55.12 ID:IlhSpQsBO
すんげー今更だけど、
>>161
の描写ってデッドマンズQのオマージュなのかしら
457 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/17(木) 20:46:28.58 ID:tkPxpiyxo
確かにそれっぽいな。
垣根も平穏を求めている・・・?
458 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/09/17(木) 23:04:19.46 ID:ZlwduGjNO
そんな事より1はどうしたんだ
459 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/18(金) 20:20:29.95 ID:uH6LG5yi0
デレていとクンマダァ-?
(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
460 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/18(金) 20:57:46.34 ID:7+SJXQRMo
テイトクマスターシンデレラていとくん
略してデレていとクン
461 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/09/24(木) 13:58:26.63 ID:oY7bbAf6O
待ってるぞー!
462 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/09/24(木) 22:11:54.11 ID:P8R7w++NO
シルバーウィークが終わったし
来るよな?
463 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/02(金) 17:22:37.38 ID:rwhfKcHMO
このまま落とさないとは思うけど十月になったから心配
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/04(日) 11:03:51.32 ID:aEWSkDMx0
まだかよ
めっちゃ楽しみにしてんだぞ
465 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/04(日) 14:52:48.53 ID:1A7F0n+tO
1もとあるに嫌気がさしたんだろ
HOはアニメ化したけどもう3はやらないだろうし
スクールなんてマイナーじゃネタも続かない
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/07(水) 12:53:50.48 ID:HPhV8nmyO
どっかで3期はないだろうって言われたらしいな
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/09(金) 12:41:52.95 ID:g5J41zS1o
あと一週間以内に
>>1
が生存報告してくれればもう二か月希望が持てるのでオナシャス
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/11(日) 21:24:28.58 ID:IpCeTvgS0
はよせんと落ちちゃうで
469 :
まだ八月なんだよなここ
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 02:38:56.63 ID:yXmdwrH20
「俺の借りものが『レベル4以上の能力者』なんスよ! ケータイは使えねーし連絡つく大能力以上のレベルの知り合いなんて垣根さん以外いないんですよ!!
それにここで高得点をたたき出せればうちの学校にもチャンスがあるんス。ですからどうか俺と一緒に走ってくださいおねがいします失格だけは何としても避けたいんス!!
でないと人質に取られた俺の大事な」
「はぁ? めんどい。怠い。靴が汚れる」
大覇星祭真っ最中。
二日目、とある競技場内。
観客席の学生用観覧スペースで一世一代の演説を一席ぶっていた少年のマシンガントークがたった三発であっけなく叩き落とされていた。
「そんなざっくり論破しないで欲しいっス。つか垣根さん最後って問題なくないっスか?」
「何よりダセェ。全世界公式行事なんて馬鹿言ってる場所でんな真似出来るか」
突然の事件事故に巻き込まれても微塵もダメージがなさそうなレベル5様は実害より精神的なデメリット、プライドが汚されること理由を盾に首を横に振った。
場内のコースにはずらっと報道用カメラのレンズが向けられている。
「大丈夫っスよ、もしカメラに抜かれても世界規模での垣根さんファン人口がちょっと増えるくらいっスから!」
「馬鹿じゃねえの。お前が大丈夫かよ」
必死になりすぎたのかハイテンションでいよいよおかしなことを口走りはじめた少年に、垣根は心底呆れたような目を向ける。
普段以上のトンだ言動に頭の具合を怪しんでいるらしい。
「君のところの競技は……ちょっと変わってるけどメインは二人三脚なのよね? ちっとも競走させる気がなさそうだけど」
「げ。なんだありゃ。動く障害、ぬかるんだプールに地雷式煙幕……ってえげつねえお笑いの罰ゲームかよ」
観客席の上に設置された巨大なモニターには競技場内のコースの様子が映し出されていた。
その一部を見ただけで、垣根はそのくだらなさに嫌気のさしたような顔をしていた。
この競技場で繰り広げられる競技は。
ただの二人三脚ではない。
ただの借りもの競走でもない。
470 :
いつになるかわかんないので
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 02:48:22.26 ID:yXmdwrH20
二人一組で並び立つアトラクションを乗り越える、新感覚アクション強制参加な競技だった。
会場を中心とした競技範囲そのものはそこまで広くない。
だが、子ども相手とは思えないサバイバルアタックを押し出したド派手な演出はまるでスポーツエンターテイメント番組のような催しだった。
学園都市のアミューズメント事業に携わるいくつかの企業がプロモーションもかねて協賛していると噂されるくらい大がかりなコースは派手で、
極めて安全だがものすごく難易度の高いものになっているらしい。
その為話題性、動員される取材カメラと一般の観客数のいずれも高いお祭り騒ぎな種目だった。
「どうスか心理定規! その辺の能力者を協力させてもらって結構っスから!」
「あら。彼の方がずっと頼りがいがあるわよ。あなたもせっかくこんな所まで来て観戦してるんだから……参加してあげてもいいんじゃない? 思い出になるかもよ」
どうしても競技に出場しないといけないらしいゴーグルの少年はいつになく必死だった。
すぐさま標的を変えようとする少年の動きに心理定規はいち早く別のルートを示してそれを回避しようとしていた。
それも、垣根の気分を盛り下げないように巧みに言葉を選んでいる。
読み合いを駆使した本気っぽい頭脳戦をすごい小規模で繰り広げる二人を、本来まとめ役の垣根は一歩引いた様子でみていた。
「お前らって……変わり身早いよな。っつうかお前はここでもいつもの格好かよ」
「流石に自分のところに参加しなきゃいけない時は……あれに着替えるしかないと思うけど。まだいいでしょ」
そう言って心理定規は小さく頬をふくらめた。
仮に彼女の能力強度が4以上、大能力者だとしても。
体操服どころか、学校指定の制服でさえない心理定規は今すぐハードな競技に参加なんてできそうになかった。
本来避けそうな垣根に真っ先に話をそらしたあたり、本人は協力して関わるのもいやなのだろう。
と言うかドレス姿の女子を走らせるとかそれだけでも間違いなく大事故が起きる。
そちらは対策済みかもしれないが、心理定規に限っては一般人の衆目に晒してはいけない危険なおまけが短いスカートの下から出てきそうで怖い。
「はあああ……もう、だめだぁあ」
手詰まりになってゴーグルの少年はがっくりとその場で膝をついた。
その時だった。
471 :
小ネタにしました
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 02:52:07.95 ID:yXmdwrH20
「よっこいしょーー!!」
「うえぇ!?」
謎の雄たけびと共に頭上から何かが降ってきた。
ズズン、と大きな地響きを起こしたそれは片腕を大きく上に突き上げる。
「うしっ! 根性っ!!」
バウーン! と特撮ヒーローものっぽい煙と爆音の特殊効果を自力で起こしたのは。
もこもこしたまるっこいシルエットの未確認飛来物体だった。
「な、なんスかこれ? 垣根さん、空から女の子が! じゃなくて手作りっぽい…着ぐるみ?」
「オレは大覇星祭非公認マスコット!! そ……根性くんだ! おまえらの根性を応援してやるぜ!」
「うわぁああ? なんだこれめっちゃ早い分身、いや残像?! なんか動きが怖い!」
コンジョウゥ! と謎の鳴き声をあげながらゆるキャラっぽい空から落ちてくる系のなにかは突然、着ぐるみにしては激しいアクションをはじめた。
「一体なんなんスか……って垣根さん? 心理定規まで。なんで急にそっぽ向くんスか? そんな他人みたいな顔って……聞こえて、ない…? ガチシカト…だと…?」
他人の振りどころか。
ゴーグルの少年も、この「オレか? オレは根性の妖精だ!」とか自称しそうなもこもこしたものも。
まるで見えていない様な反応の二人に、少年は呆然としていた。
「おいお前。そんなに落ち込んでどうしたんだ? もっと根性出せ! 根性!!」
「そうだ……超障害物借り物二人三脚に出てくれる大能力者よりすごい人がいないと俺はっ、俺の大事なものが……!」
「そんなことか根性! オレに任せろ根性! ったく、お祭りなんだぞ! 決まった競技にしか出れねえとかやることちっちぇえんだよな!」
「なんスか急になんでゆるキャラが俺の足をぐるぐる巻きに?」
ゴーグルの少年の持っていたバンドを奪い取ると、根性くんは勝手に自分の足首らしきところと結んでしまった。
おっ、また向こうの組かちょうどいいぜ、張り合いねえと面白くないからな、と意味の分からないことを言っている非公認マスコットはすっかり競技に参加するつもりらしい。
「何とか競走のルールは? 根性。手短にな根性」
「参加者と協力者がこれとこれを着けて、スタート、ゴールと途中の障害のセンサーを全部通って最後の借り物チェックをクリアしたらおしまいです」
もこもこしてるくせに威圧感ハンパない根性くんの気迫に押されて彼は簡潔な説明をした。
足についたバンド、そして手に持ったGPS付きのリストバンドを指さしてからゴーグルの少年は会場内の特設ステージに張られたゴールテープを指した。
「よーしコースはあっちか根性! 干渉数値を気にすんのはスタートしてからだったな根性。
まあ数字聞いてもよくわかんねえしどーせオレの競技じゃないからこまけえこたあいいだろ根性」
「えっあの」
「よっしゃあいくぜ! ハイパーエキセントリックウルトラグレートギガエクストリームすごい……ダッシュ!!」
「ちょt」
いきなり降ってわいた助っ人の登場と勢いについていけてなかったゴーグルの少年は。
一瞬で本当に見えなくなった。
「きゃっ! 衝撃の余波でこれって。もう!」
突然の暴風にスカートを押さえると心理定規はスタート地点の方をにらんだ。
肝心の走者の姿は見えないが、そこ目がけて一直線につむじ風のようなものが伸びていく。
「行ったか」
「あら。他人をわざわざさけるなんてあなたらしくないんじゃない? あのぬいぐるみの中身がどう考えても超能力者だから?」
「嫌なんだよああ言う言葉の通じねえタイプ。人の話を聞く気のないヤツは特にな」
コキンと首を鳴らした垣根はうんざりしたような顔をしていた。
厄介ごとが二つ、二人の前からものすごい勢いで遠ざかっていった。
472 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 02:53:29.26 ID:yXmdwrH20
「おい。何かあっちで派手なのが上がってっけど」
「ゴールしたみたいね。彼は無事かしら」
高さ一五メートルほどのステージの上に作られたゴール地点では派手な三色の煙が特撮ものっぽい爆音と共にたちのぼっていた。
超難度のコースクリアに拍手と歓声が沸き起こり取材のカメラが勝者にレンズを向ける。
競技場のどでかいモニター内では、物理法則を無視していそうな動きではしゃぐ超能力者入りの着ぐるみが暴れていた。
「ちースおわりました……」
砂埃となんだかドロドロしたものと白い粉にあちこち塗れて、体操服に焦げまでつけたひどい格好でゴーグルの少年は観客席にやってきた。
カメラが追い切れていなかったところも含め、障害物コースはなかなかハードだったらしい。
「根性くん大活躍で上位に入ったのはいいんスけどまだ目の前がぐるぐるして…
うーん垣根さんが三人見えるぅうう……あなたが落としたのは金の垣根さんですか、銀の垣根さんですか……金なら一枚銀なら五枚……」
「やだ。そんなにいたら大変じゃない」
「あの着ぐるみどうした」
「ゴール直後になんか係とか警備員に追いかけられてものすごい速さで去っていきました。でもおかげでボーナス付きで得点ゲットっスよ!
いやー怖かったけど非公認マスコットさまさまっス!! ってなんで二人ともそんな冷たい目なんスか 俺がんばったんスけど?!」
「だって。ねえ?」
「結果出したのお前じゃなくてあの着ぐるみだろ」
何言ってんだろうこいつ、と言う二人の指摘にそうなんスけどねえ?! と叫んでゴーグルの少年は頭を抱える。
圧倒的なレベル差の相手に文字通り必死になってついていった少年の苦労は残念ながらいまいち評価されなかった。
473 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 02:57:35.51 ID:yXmdwrH20
「非アクティブ低フィジカル勢にこんなハードな競技をあてるなんてあいつら覚えてろ。前日のバルーンハンターがうちの種目にあったら良かったんスけど」
「どうなるんだよ」
「えーっと」
……競技開始から一〇分が経過していますがハイペースで風船が割られていきます!
突然飛んでくる球に対応できる選手もいますが……しっかし何が起こってるのかよくわかりませんね?
どうやらどこかのチームに『念動力者』がいるようだけど。遠隔操作が出来るならこの競技相当有利ね。
威力の高い能力で動く標的の頭部に乗せた紙風船を狙うのはかえって危険だ。
見えない狙撃手、序盤から攻めてるけどこんなに飛ばして大丈夫かぁ?!
『空間移動』では精密な計算と高度な演算が必要だけどそう言った縛りがないのも単純な能力の強みだけど。
ほぼ同時に離れたポイントでも攻撃している点からも能力者は複数いるとみるのが自然だろうと……
脳内妄想で都合のいいゲーム展開をざっくりシミュレートすると少年はうんうんうなずいた。
勿論、余計な装備は競技場に持ち込み禁止です、と言われたら地味に一つ一つボールを操作して割っていくしかない。
「ゴーグル有りでいいんなら、誰がやったかよくわからないまま、いい展開に持ち込めそうな気がします。クラスメイトにカメラ頼めばいけますね」
「それって盛り上がんの」
「観客はつまらないかもね。君あっちこっちひどいけど、大丈夫?」
「あー、学校戻って着替えますよ。って、ソッコーでカムバックメールかよあいつらもっと功労者をねぎらえっての……お二人とも、じゃあまたっス」
文句をいいながらもうれしそうな顔をしたゴーグルが行ってしまうと垣根は隣の心理定規にどうする、と声を掛けた。
早くも飽きてしまったようなやる気のなさだ。
ダサカッコ悪く障害に苦戦する選手たちは繰り返し見るほど面白いものではなかったらしい。
「そうね。私も競技があるからもう少ししたら行かないと。あと午後にも、一つあるけど……なぁに」
「いや? 客席から手の一つも振ってやろうか」
「いいわよ? 別にわざわざ見なくたって。そう面白いものじゃないから」
「そうだな」
頬杖をつく心理定規はそのままにして垣根は先に席を立った。
「けどまぁ、暇だからな。さーて、後はどうすっかな」
ナイトパレードは見た方がいいんだろ、とぼやくと垣根はつまらなさそうに欠伸をしていた。
日が暮れるまでの時間潰しに悩み始めた横顔に心理定規がため息をつく。
「あなたこそ所属校で何かやれば良かったんじゃない? 似合わないことしてるあなたなんて珍しいもの。応援くらいなら、してあげてもよかったわよ」
「……そうかよ」
垣根が睨むように見上げた先のオーロラビジョンには懸命に競技に取り組む生徒たちの姿があった。
夢や希望、絵空事ではなく目の前にある勝利をつかもうと汗や泥に汚れながら描かれる青春の一ページが大きく映し出されていた。
474 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 03:00:58.59 ID:yXmdwrH20
『第3レースを開始しています。走者が制限時間内に競技場に戻らない場合はその場で失格と見なされます。参加者の皆さん、ご注意ください』
場内のアナウンスが聞こえる。
競技場からそう遠くない場所で一人の男子生徒が歩いていた。
足取りは重く覇気に欠けた様子で、おまけにふらふらしている。
「戦う前から勝負は終わったんや……こんな借りもん……せめて女子、いやロリショタならやる気もでるんやけど無理やん。
こんなん無理やねんなー。まず、見付からへんって……のぉっ?!」
「あぁん? なんだコラテメェどこに目ぇつけてんだよ」
うつむき加減でぼやいていた青髪ピアスはコントのようなリアクションで後ろにのけぞった。
前からやってきた茶髪に鼻ピアスの男子学生とぶつかってしまったせいだ。
青髪ピアスとキャラが被りそうで被らないちょっと被るキャラ要素をしているが、こちらはどう見ても違う方面でアウトだった。
大覇星祭なんて関係ありまっせーん! みたいなTHE不良な格好をしたお友達がたくさんいた。
スキルアウトのみなさんで、間違いない。
「なんだこれ。借りもの競走? つまんねーことしなきゃならないヤツらは大変だな。見ろよこれ」
青髪ピアスの手から落ちた、でかでかと競技名の印刷された紙切れを拾い上げると茶髪鼻ピアスはそれを仲間に回した。
開いた中に書いてある、二人三脚のパートナー兼借りものは。
『外人傭兵部隊に所属してそうなでかくて重いマッチョマン』
競技の助っ人としては大当たりの借りものでも、開発された能力の評価が極めて高い学園都市の中ではガチの体育会系はなかなかハードルの高そうなオーダーだった。
そのとき。
青ピの前をふさいで笑っていた不良少年達の後ろから。
ゴリラと、フランケンシュタインの怪物のハーフみたいな日本人離れしたガタイの男がぬっと現れた。
仲間の手から紙切れをつまみあげると。
それを読んだでかくて重そうなマッチョマンは、
「……手伝うか?」
そう尋ねて青ピに首をかしげた。
見た目によらず親切な方だったようだ。
475 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 03:05:16.43 ID:yXmdwrH20
(いややぁあああそっち!? 絡むんでもカツアゲでもなくそっちぃ? なんでそこ、見逃してくれなかったん?
こんなギャップ無駄やん萌えへんもん、ちぃっとも萌えへんから! 筋肉でも巨大でも性別:女子なら別としても!!)
ものすごく大当たりっぽいけど絶対に肩を組みたくない借りもの候補(仮)の出現を青ピは脳内で激しく嘆いた。
引いた借りものが女子でオーケーそうだったら合法的に。
いやルールだから仕方ありませんがなにか? と堂々とNO職質、YES密着だった筈なのに。
やっぱり日頃の行いとかあるんかなあ、カミやんの不幸って感染るんかなぁ……と青ピは乾いた笑いを浮かべていた。
「あははは…大丈夫やって。ボクも丁度サボったろーと思っとったとこで……」
そう言って不良たちにさよならしようと背を向けようとした青ピだが、そこで街頭のモニターが目に入った。
近くの競技場の様子を流しているそれには、クラスの奴らと小萌先生が応援しているところも映っていた。
「小萌せんせー、みんなぁ…ボクは、ボクはぁああ……なんて、なんてことをッ!!」
今まさに私欲にかられて欠場してやろうと目論んでいた人面獣心鬼畜青髪ピアスの邪智暴虐非道の所業など彼らは知らない。
ただ、青ピが競技場に戻ってくることを。
そして、全力でゴールテープを切ることを待ち望んで、いや信じてあの場に立っているのだ。
「みんなの気持ちを裏切れない」と「マッチョマンはダメ。マッチョマンはダメ」の相反する感情にさいなまれて青髪ピアスはその場に崩れ落ちた。
「ううう……この青髪ピアスにはみんなに合わせる顔なんてないんやッ」
「立て。仲間の所に戻るんだろう」
その肩を叩いたのは。
パーフェクト借りもの要素を体現したマッチョマンさんその人だった。
「駒場のリーダーが」
「出場するぞおまえらあ!!」
「っしゃあ! アレ用意しますか?」
「構わん。小細工は、無しだ」
どうやらリーダーらしいゴリマッチョ氏が手下っぽいやつに首を振ると、周りの少年たちのテンションがますます上がった。
よっしゃカメラ用意しろ、とかなんとか勝手な声援が上がりはじめる。
青髪ピアスの目の前でものすごい勢いで退路が断たれ、いかっちいオニイサンとなかよしこよしおてて繋いで出場への道に向けてルートが狭まっていく。
476 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 03:16:51.74 ID:yXmdwrH20
「ガキ共に勇姿を見せつけてやってくださいよ!!」
「……行くか」
何が決定打だったのか。
それまで陰鬱だった男の声が一段と真剣さを増していた。
なぜかすっかり参加する気も覚悟完了しているマッチョマンさんを前に、とてもじゃないが青ピがお断りできる空気ではなかった。
きっと言っても周りの奴らが聞いてくれないし、今度はそれでスキルアウトの団体様にボコボコにされそうである。
(だがしかぁあし! ばっちりゴール出来たら小萌せんせーにほめてもらえるやん? なでなで付きでッッ!!
おまけにクラスのヒーローになって帰ったらもうそれこそ女子の矢印、フラグの総取り……に、とどまらず! 学園都市さらにはテレビの向こうの女子の溢れるラヴがっ……ふはは、カミやんにばっかおいしい思いはさせられへんよねーっ!)
想像妄想たくましく、一気にテンションをぶっちぎらせた青髪ピアスは勢いよく立ち上がった。
その横に不良少年のリーダーが並ぶ。
青ピも背は高い方なのだが。
この「気は優しくて力持ち(おまけに顔怖い)キャラ」っぽい御方は更に縦にも横にもでかかった。
革のジャケットの下はプロアスリート並みに鍛えられた鋼の肉体だろうと素人目に見てもわかる。
障害物競走にはものすごーく有利だろうが、たとえ足手まといだろうとパートナーはかわいい女子がいい。
二人三脚の理想展開、足がもつれてラッキースケベなんて冗談じゃない。
もし青ピが全力で転んでも相手の軸は一ミリもブレない気がする。
競技内容におあつらえ向きすぎる屈強なパートナーをゲットした青髪ピアスはこの試合には勝てそうだが、男としての勝負に負けていた。
「やっぱりいーやーやーぁああああ!」
肩をつかまれ、ちょっとひきずられるようにして会場に戻っていく青ピを、盛り上がった不良少年達は大きく手を振って見送っていた。
477 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/10/15(木) 03:28:04.32 ID:yXmdwrH20
ドーモ。
青ピ「って言う夢をみたんやけど。いやー、おっかなかったわー」
うんまたなんだすまない。
根性つながりでモツ鍋さんでもよかったんだけど謎解の方がロリの頂点競ってたからゴリ場さんにしました。
ロリの味方とロリの天敵が手を取りあったありえねー大覇星祭いっぱつネタでしたどっとはらい。
いつからレスもしてなかったっけ…と1は自分のふがいなさを見下げ果てつつ小ネタで延命とお茶を濁そうと目論みます。
前回のスクールもの本編分は、卵の割れる音で新耳袋の怖い話を思い出した、昔のゴーグルくん能力ネタリサイクルもちょろっとしたやつ。
そんときのありえねーネタもみつかったから供養しとく
垣根「エナジードリンクって。こんなん飲んでうまいのかよ」
ゴーグル「試してみます? これは通販で買ったマジモンなんで、その辺のコンビニのより効きます。シュガーフリーのもあるんスけど」プシッ
垣根「ふーん」ゴク
バサッ
ゴーグル「え?」
垣根「なんだこれ。あれ? 消えねえ」
心理定規「何してるの? もう気はすんだんじゃなかった?」
垣根「いや…なんか翼が勝手に、っつうか…しまえねえんだけど」
心理定規「それって収納するものだったの?」
ゴーグル「あのCMほんとだったんだ? レッド○ルすげええええええ!」
当然の如く没。翼がーほーしーいー
チャンスをみつけてまたきますなるはやで
478 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/15(木) 16:19:14.84 ID:oPSqwEyx0
パズデックスの垣根記念カキコしようと思ったら来てた、乙
落とさないならどんなスローペースだろうが待ってる
全レスも待ってる(ニッコリ
479 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/15(木) 21:45:47.27 ID:i75RJAiAo
SSの更新万歳!Hurrah! Ура!
480 :
お久の本編です
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/15(木) 23:59:09.62 ID:yXmdwrH20
午後のファミレスの一角。
比較的静かな奥のテーブル席を『スクール』のメンバーが陣取っていた。
その前にはどれも中身の少ないグラスが並んでいる。
「……で、今度『スクール』のメンバーの枠が埋まるかもしれねえって話だ。
派遣業者からのレンタル品でも、頭数が欲しいってことなら……その内デカい仕事でも回す気なんだろ」
先程までの電話の声の話を鬱陶しそうに垣根はまとめたが、その顔はちょっと楽しげだった。
一方、隣の心理定規は唇を尖らせてアイスティのストローを弾いていた。
「そんな話をさせる為に、あの人こんなところまで呼び出したのかしら」
「まあまあ。最近活動してなかったじゃないスか」
「その割にあなた達と顔合わせてる気がするけどね」
「確かに高エンカウントっスねえ。そうだ。垣根さーん、あれから艦っち全然やってないっスよね? やりましょうよー」
「……何で知ってんだよ」
むっとした返事にゴーグルの少年はカバンを持ち上げた。
「こう言うのは……フレンドのログイン状況が見えるんスよ。ほら、ここです」
テーブルをはさんでタブレット端末の画面を見せながらゴーグルはそう言った。
ユーザーネームの横には最新のログイン情報が表示されているが、垣根のものは他と比べて随分と以前のものだ。
「言ったろ。飽きた」
そんなあ、まだ全然っスよこれから面白くなるんスよボイス聞かないとさびしいなあってその内生活の一部になっちゃうんスよ?
いや、垣根さんにこっちの道にはまってほしいんじゃないんですけどね?
と少年の無駄に熱い叫びを前に垣根はうざったそうに片手を振った。
「お前自分で作業ゲームだっつってたろ。何が楽しいんだこう言うの」
「好みのキャラゲットしよう、出たら今度は育てよう、とかそう言うのきっかけにするじゃないスか。ログボとかでもいいんスけどね。
こう言うのは、スタート押しちゃえばなんとなくで続くんス。その内ランキング上位とか報酬とかが見えてくるとまた幅がっスね」
481 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 00:12:29.68 ID:cKXKQ63x0
「こんなんに好みもクソもあんのかよ」
ゲーム画面に並んだ萌え系少女キャラの画像を前に垣根は首をひねっていた。
そうは言っても、絵師も違えばキャラタイプもさまざまでこう言うのには、
大所帯のアイドルよろしくどこか一か所一人くらいツボを狙い撃ちしてくるのがあると言うのがセオリーで醍醐味なのだが。
「ツインテが好きだー。五人いたら緑の子! とか。縦セタ最高、ツンデレはやっぱ王道だよなーとか……そういうのないっスか」
「そう言うので好みを判断すんの?」
「あー、そうっスよね。ですよね……」
新人提督様にはちっともピンとこなかったらしい。
心底不思議そうな目をしている垣根の反応に、なぜかゴーグルの少年は打ちのめされていた。
軽く額をおさえていたかと思うと、心理定規に声をかけられて頭を上げる。
「いや…非オタとのフィルタリングの違いを再認識して俺は今ちょっとした衝撃を受けてます。そうっスよね……普通は属性とか気にしないんスよね?」
高身長イケメンクール俺様ホスト系ミステリアス悪役リーダーポジ規格外能力高パラ底が見えない大物感ギャップメルヘンセレブ臭超能力者謎のチェーンetc…
本人にはハイスペックで多彩なタグ付けがされそうだが『スクール』のリーダーには縁のない知識かもしれない。
「はぁ。これ、お願いしていい? 今度はあったかいのがいいな」
「はいっスー! 垣根さんは?」
「炭酸」
男子の意味不明トークを不審そうに伺っていた心理定規はにっこり笑ってグラスをゴーグルの少年の前におしやった。
暗部のミーティングも終わったところで、ゴーグルの少年はファミレス仕様いつのもお仕事に取り掛かるべくドリンクバーへと向かっていく。
482 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 00:15:45.92 ID:cKXKQ63x0
「あぁ? 何だよ。話は終わったんじゃなかったのかあの野郎」
着信音を鳴らしながら震えるポケットに向かって悪態をつくと。
うるさい携帯電話を片手に垣根は席を立ってしまった。
その隙に、と言った様子でゴーグルの少年は腰を浮かせた。
「そう言えば、今日はいつもの運転手じゃなかったっスよね。まさか、またコレですか」
首元を指先で一閃するジェスチャー付きでひそひそ尋ねたが。
心理定規の話によるといつもの運転手はただの休みだと言う。
小声で不安そうに聞いてきたゴーグルの反応が面白かったのか、彼女はくすっと笑って目を細める。
「心配? 大丈夫よ。彼もそう無駄なことはしないでしょ。前にやって懲りてるはずだから」
「あん時は、なかなか替えに出来そうなのが居なくって垣根さんイラついてましたもんね」
下部組織から探さなくても、腕のいい専門の業者を使えばいいじゃないかと少年は遠い目をしてぼやく。
上司が目に見えて不調なのは職場の空気も悪くなるし、人員の精神衛生上もよろしくなかった。
そんな経験でも思い返しているらしい。
「そう言うのって一般人ばかりじゃなかった?……ねえ。前の運転手さんのこと、覚えてる?」
「ハイヤーの人っスよね? んーまあ。礼儀正しい、普通っぽい人でしたよね」
「普通。そうね、お子さんは二人、男の子の方は小学校に上がったばかりで娘さんは三つだったかな。きっと、私達みたいにはなってほしくないでしょうね」
カップにポーションのミルクを注いでいた心理定規はそう言って目を伏せた。
持ち上げたスプーンから小さくしずくが落ちる。
「なんでそんな詳しいんスか」
「別に私が聞いたわけじゃないわ。ああ言う人ってつい自分から話を振っちゃうのは職業柄かしら?
特に男の人は、狭い空間で相手が女の子とみると安心感でも与えたいのか何気ない話題っていうのを頼んでなくても持ち出したがることがあるのよ」
「へえ〜。そうなんスか……うわ、俺そんな覚えねーやって思ったらそもそも女子に振れる一般受けしそうな話題も、そのシチュも前例なかったっス」
「得意げにしないで。で、そんな普通の人が、わざわざこんな仕事に関わってたのも……まぁ、よくある話よね」
知ってるけどなぁに? みたいな顔をした心理定規からすらすら出てきたプライベート情報に目を丸くしたゴーグルに首を振ると。
呆れたような顔で眉をあげながら、情報網の広そうな少女はカップを傾ける。
483 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 00:31:08.73 ID:cKXKQ63x0
「そう言えば心理定規も運転出来るって聞きましたけど。立候補したりとか…」
「気乗りしないわ。仕事中に余計な気を使いたくないし、もし事故に巻き込まれたら困るもの」
「ですよねえ」
リスクをわざわざ増やしたくないと語る少女にゴーグルは同意したが。
どう見ても学生っぽい女の子が運転席に座っていることの方が、本来は問題なはずだ。
カップを置くと淵に付いてしまったリップを指先でなぞりながら彼女は続いてため息をもらした。
「前みたいに彼が一眠りできるくらいのテクニックを求められるのも、ね。
まぁ、そんなこと言い始めたら今以上に…ものすごく厳選しなきゃいけなくなるんだけど。何とか妥協してもらいましょう」
それか、今度の新入りさんの運転技術に賭けてみる?と茶化した。
そんな話を聞いていた少年は、納得するどころか改めて疑問を深めたらしい。
「それをすてるなんて…じゃなく、なんでまたそれを切っちゃったんスか。垣根さんも。確か……ちょっと言うこと聞かなかっただけですよね?」
入手の難しいアイテムをうっかり処分しようとしたプレイヤーに警告するゲーム内のメッセージを口にしかけた少年は、ますますリーダーのパターンも思考もよくわからない。
そんな顔を心理定規に向けた。
「さあ? あえて言うなら…あの人が暗部の人間じゃなく、普通過ぎたのが原因じゃない? 出過ぎた真似をして、リーダーの言いつけがきちんと守れないのは致命的よ」
ハンドルを握れなくなった運転手なんて置いておけないでしょ、と当たり前のことを疑問にも思わないように彼女は口にした。
同情めいたものも感慨もそこには感じられない。
484 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 00:35:00.41 ID:cKXKQ63x0
「あれ。垣根さんがしたんじゃないんですか? ビジネス的な意味だけじゃなく物理的に切り捨てたんスよね」
「そうよ。最終的には…ね。命に関わるほどのものでもなかったし、事故扱いで彼にはちゃんと上から手当てが出たみたいだけど。
もうこんな仕事は出来ないでしょうね。したくもないでしょうけど。そうだ、私たちがそんな目にあっても災害時の保険みたいなのは適応されると思う?」
気軽な思い付きとでもいいたげに少女は可愛らしい仕草で首を傾げた。
冗談なのか、本気なのかわからない。
そもそも想定された事態が、あまり考えたくもない類のものだ。
一応は、組織の頂点に据えて掲げている人間からそんな目には合わせられたくない、と言う気持ちはあるだろう少年は。
あえて真面目ぶった顔で彼女の問いに腕を組んだ。
「天変地異だと場合によるんですよねー。でも隕石が頭の上に降って来るよりはありえそうで嫌っスね」
「戦争だと免責なんだっけ。死んでもおかしくない状況では仕方ないのかしら」
「垣根さん戦闘能力は充分そっちで通用するクラスっスけど。うーーん。そう言う意味じゃ、俺たち暗部はいつ何が起きても、ってとこありますよねえ。その辺は自己責任で、って感じっスかね」
「まぁ、私が使えないのにそんなものがあってもね。それでブランドの新作が着れるわけじゃないし」
「同感っス。運よく生還しても入院してる間に録画予約がふっとんでたりしたら川向こうのお花畑にもっかいダイブしたくなります」
ブラックなジョークの体でオチをつけたところで、心理定規は通路の先をみると一度席を立った。
奥のシートに座った垣根はおしゃべりしていた二人を見比べた。
「何の話だ?」
「使えねーのに金だけあっても困るんで、それよりは万一ん時に積み荷を燃やしてもらうことを考えねえとって話をっスね」
「なんだそりゃ」
災害や天変地異、はたまた世界規模のドンパチとある意味並べられそうになっていた一個人が戻ってきて。
縁起でもない、くだらない雑談は終わった。
485 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 00:43:15.89 ID:cKXKQ63x0
また着信音が鳴る。
またしても出所は垣根。
今度はスマートフォンだった。
だが垣根は通話はしないで画面を触っていた。
「あれ。出ないんスか」
垣根はちょっと面倒そうな顔をすると、
「こっちはプライベート用だからな」と言って画面をスライドすると着信を切った。
「放っておいていいんスか」
私用の電話なら余計に出ればいいのにと思うところだが。
気をつかっているのか、嫌なのか。
垣根本人は、登録してねえ番号には出ねえ、と首を振った。
「迷惑なラブコールだよ。心底ウンザリしてるんだが、一つ着拒するとすぐ別の番号から掛けてきやがる。こう言うのは無視が一番だ」
「えっ。垣根さんにそんな人がいたんスか?」
予想外の、「暗部のリーダーにまさかの恋バナ浮上か」、「お相手は某アイドル似の一般女性!?」なんて三面記事の見出しみたいな話題の予感にゴーグルの少年は食いついたが。
口にした本人は楽しいどころか、渋い顔をしていた。
「そんなんじゃねえよ。言葉通り受け取んな」
「ああ。確か相手は……男の人だっけ」
「え」
またしても訳知り顔、事情通の心理定規さんの問題発言に、ゴーグルの少年は困った顔でしばらく二人を見回していた。
「垣根さん……イケメンも大変なんスね。それともストーカーっスか?」
「ばーか。違えよ、だからそんなんじゃねえっての」
「あなたがおかしな言い方するからだと思うけどな。でも熱烈なラブコールには違いないんでしょ?」
なんなんスか、って言うかまた二人でひそひそバナシっスか? とゴーグルの少年が騒がしくなりはじめたところで。
垣根は気忙しげに髪をかきあげた。
不服そうな視線を向けられた心理定規は私? 関係ないわ、と言わんばかりに肩をすくめる。
486 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 00:45:25.01 ID:cKXKQ63x0
垣根は眉間にしわを寄せたまま大きく息を吐いた。
ものすごーく忌々しげに自分のスマートフォンを睨みつけてからやっと口を開いた。
「潮岸だよ。統括理事会理事の一人。ったく、番号も部屋も前に変えたんだがな」
「な、何でそんな人から? 『スクール』じゃなくて垣根さんに直電が?」
突然のビッグネームにゴーグルの少年はガタッと体を起こした。
知り合いに超能力者と言うのも一応はかなりのものだが、「組織のリーダーがめっちゃすごい人」と「名前は聞いたことあるなんかすげーえらいひと」では随分印象が違うらしい。
「軍事関係はあの人の仕事みたいだから。彼の能力を活かして色々作りたいんだって。前から声は掛けられてたみたいよ。プレゼントも随分来てるんでしょ?」
なんて言いながら。
垣根がいつになく困った状況にあるのを見て心理定規は楽しそうに笑った。
「全部突き返してるぞ」
「それ。この前も『スクール』傘下の構成員の子をつきあわせてたよね。理由は伏せて、わざわざあなたの部屋まで様子を見に行ったんでしょ?」
その言葉にゴーグルの少年はピンと来た顔をした。
夏休み前後、このリーダーは仕事もないのにやけにあちこちの『スクール』の隠れ家に顔を出していると見たり聞いたりしていたのだが。
「もしかして垣根さん、最近こっちによくいるのって」
「ああ。そうでなくても、俺名義のとこにはよく交渉人とかがうろついてんだ。暑くなるとヤブ蚊も増える。んな所に帰るのも面倒だろ。そう言う連中を一々熨斗付きで帰らせるのも最近じゃ飽きてきたし」
垣根は今度は気軽に答えた。
ひょっとしなくても、自分の部屋にあまり帰っていなかったらしい。
学園都市内に暗部組織のものとは言え、勝手に使えるセカンドハウスみたいなものがゴロゴロしているとあまり不自由は感じないのかもしれないが。
聞いていたゴーグルの少年は、おかしな話だと言いたげに眉を寄せた。
そして。
超能力者の倍返しなんて想像するのも恐ろしいのだろう。
詳しく中身を質問するような真似は自粛したらしい。
「大丈夫スか垣根さん。牛乳とか冷蔵庫の中のもんダメにしてませんか」
「俺の冷蔵庫は最新式だ。まぁ、腐る様なもんも放置してねえけど」
ふと。垣根が首を傾げた次の瞬間。
バキバキと音を立ててゴーグルの前にあった空のグラスが上からきれいに潰れていった。
一瞬前まで容器だったのに、今はちょっとおしゃれなコースターのようなものに変貌している。
「なんスか?! 俺何かしましたっけ?」
「ムカついた。何でかはよくわかんねえけど」
場を和ませるつもりだったのか適当に振った話題が予想外の方向に転がってしまった。
加害者本人もよくわからない怒りをぶつけられた不運な無機物に、少年は申し訳なさそうに目をやった。
487 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 00:51:54.29 ID:cKXKQ63x0
「幾らなんでも個人情報漏れすぎじゃないっスか? 待ち伏せプレゼント攻撃とか芸能人の出待ちじゃないんスから」
「そうかな。まぁ、家に押しかけるのは確かにちょっとやり過ぎな気はするかも。向こうから呼びつけるくらいはしそうだけどね」
「第四学区のお高い料亭で会談とかっスか。かっけー」
心理定規とゴーグルがのんきに議論しているのを。
垣根は腕組みしながら見ていた。
「っつうことは、少なくともお前らが売ったんじゃねえのか」
何気ない垣根の言葉にゴーグルの少年は激しく首を振った。
ついさっきの物騒なたらればトークが頭に浮かんでいるらしい。
もしどこかから取引をもちかけられて、どんな魅力的な報酬が用意されようと。自分の命には代えられないだろう。
この組織のリーダーを裏切るなんて真似をしたらそんなものはまとめてあっさり消し飛ばされてしまいそうだ。
裏切ったなんて真っ黒間違いない事態では出過ぎた真似、で済む様な余地もない。
「んなことしませんよ! ってか、知らねえし……ええー……垣根さん俺ら疑ってたんスか。そんなに信用ねえっスか」
「『スクール』の関係者がリークしてたんなら、私達の使ってる隠れ家なんて真っ先におさえられてると思うけどな。
まあそんなことしてもすぐに上にばれて、悪い子はとっくに首を切られてそうじゃない?」
「それもそうか」
一人へこむゴーグルの少年を放置して。
話を続けていた二人は首を傾げ、肩をすくめて顔を見合わせた。
「先回りしてこっそりサプライズってのは、好意のある相手だから喜ばれるんスね。そうじゃなけりゃただのこわーいストーカーっスよね」
アニメや漫画のような展開は補正のない現実世界では通用しないのだと深くうなずくゴーグルの少年。
「学校の先生が生徒の連絡先や住所を知ってるのは別におかしなことじゃ無いんだけどね。きっとそういう人は情報源なんてあちこちに持ってるんでしょうし。まぁ、後は本人のモラルの問題と感覚の違いになっちゃうかな」
悪気のない押しつけが好きな人っていうのもあり得るのよね、とひとまず疑問の落としどころを具体的に提示してみる心理定規。
「確かに理事って言ったら、学園都市って学校の偉い先生みたいなもんっスけど。納得しちゃっていいんスかこれ」
「この街で俺らが管理されてるなんざ、今にはじまったことじゃねえだろ。わかり切ってることを今更ゴチャゴチャ言うんじゃねえ」
そう言うものだ、と知っていても割り切って、まして愉快な気持ちにはならないだろう。
垣根はうんざりしたように息をはくと氷のなくなった薄いコーラを飲みほした。
488 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 01:00:57.44 ID:cKXKQ63x0
「お偉いさんからプレゼントって何が来るんスかね。中見ました?」
「ここのさぁ……リストに良さそうだと思ったもんを入れといたら、たまに何か持ってくるみたいなんだよな。全部確かめてるわけじゃないけどさ」
「カッキーさんの欲しいものリスト……怖っ。こんなもんまでチェックしてるんスか? 学園都市のサンタクロースか足長おじさんか知らないっスけど有難迷惑っつか怖いっスね。
俺こんなん人にみられたら恥ずかしさにのたうちまわってプライドの粉砕が死因でニュースになっちゃいます」
「そりゃ安いプライドだな」
スマートフォンで垣根が開いて見せたのは、よくありそうな通販サイトだった。
その中の会員ページの一部をのぞくとゴーグルの少年は顔をしかめる。
「こんな薄気味悪い真似されて、もし物贈られてもだぞ? 喜ぶとか本気で思ってんのかな。こっちの情報が筒抜けだって脅しにしてもちょっと遠回しすぎねえか」
「潮岸って、確かそれなりに高齢だったわよね」
「ボケか。なんだ、施設にブチこんでジジイの見舞いに死に花でも贈ってやりゃあいいのか。それともあれか。お望み通り頭の上から『未元物質』でも降らして欲しいってか」
苛立っているのか、ふざけているだけなのか。
垣根の発言はいつになくテンションが高かった。
「そんなツッコミ死んじゃうっスよ、そこはタライにしときましょうって。
じゃあ反・潮岸派の妨害工作って線はどうスか。潮岸のせいにして、垣根さんに嫌われちゃえばいいとか思ってるのがいたりして。
どっちにしろリストを非公開にするか、ダメ押しでアカごと消した方がいいかもしれないっスね」
「嫌がらせは別人とか、余計面倒じゃねえか。相手が誰だって構わねえけど…いい加減泳がすのも甘すぎんのか」
じゃあ潰すんですか、と聞かれて垣根は首を振った。
「馬鹿の相手で消耗したくねえ。関わるのも面倒なんだよ」
その後、「寝床があちこち変わんのも意外と面白えぞ」と言っていたので今の状況も、もしかしたらそれなりに楽しんでいるのかもしれない。
「このショップでID紐付きのアドレス使ってました? 学生IDって『書庫』や他のデータベースもたどれるんで。
セキュリティさえなんとかすれば、個人の開発記録までいけるらしいって噂っスから。最新の現住所くらい楽勝じゃないスかね」
「いや。別に作った方だ」
「じゃあ、サイトの提携先と共有してた情報から漏れたとか?」
「そう言う面倒なことするか? 俺達だって似たようなことは出来るんだ。その気になりゃ個人情報くらいなんとかなるだろ」
んなこと気にしてどうすんだよ、と垣根はあんまり中身のないここまでの議論をまぜっかえした。
いやー出所不明ってもやもやしないっスか、と言いながら頭を悩ませていたゴーグルの少年はふと。
あることに気付いたのかハッとして顔をあげた。
「もしかして……いつもマネーカードなのってそのせいっスか」
「別に。まあこう言う時にも便利だぞ」
「クレジットカードは買い物のデータが残るからね」
「使い捨てで替えが利く、手軽な方が何かとな」
薄いケースに目をやった垣根は大したことがないようにそう口にした。
489 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 01:04:57.26 ID:cKXKQ63x0
「相手がほんとに理事かどうかは別として、そう言うストーカーっぽいのに見られてる前提でなんか牽制とかしときます? なんかいい害虫駆除はないっスかね」
「こう言うの入れておいたら? 後は盗聴器チェッカーとか。持っていても便利だけどね」
そう言って心理定規の鞄の中から出てきたのは携帯用の防犯グッズだった。
実際に動きがなくても、素振りだけでも相手の警戒は引き出せるのよとすっかり用意周到キャラになりつつある少女は信ぴょう性二割り増しで語る。
「ちょっとアレな本とかどうっスか? いかにも大人の嫌いそうな、無駄に殴りあってそうなのとか」
次にリストに追加されたのは「バイオレンスヤンキー列伝〜ムカツクヤツらのオロシ方〜」のコミック全巻大人買いセット。
「よくわからないものがあったらどれが本命か混乱しないかな」
「ミステリのガイド完全犯罪指南毒殺編改訂版」と「サイコパスに学ぶアリバイ作りマニュアル『そうだ、殺そう。で後悔しないためのアフターケアの重要性』」
なんて人生でもそんなに役立ちそうにないハウツー本が二冊。
読者層のニッチが狭すぎて何故発行したのかもちょっと理解出来ない感じのものだ。
「確かに意味わかんねえっス……あ。こんなのありましたよ」
「大人のピタ◯ラ装置その5〜ハピ◯リ風事故発生装置・良い子は真似しちゃいけません〜」なんて愉快なタイトルのDVDが一本。
木を隠すなら森のなか、ないなら作ってやろうぜ! とばかりにそうやって、別に欲しくもないものをいくつも追加された本人は呆れた顔で向けられた一覧画面を眺めていた。
「人のリストを香ばしい中二思考のガキの本棚みたいにしてんじゃねえよ。ったく、ここまでくるといっそ笑える」
「相手は運送屋じゃなくてわざわざ人使って持って来させるんスよね? 重くてデカいのわざと入れて、持って帰ってもらいます?
冷蔵庫とか家電とか。後は時期的に生ものっスかね。パンパンに膨らんだ世界最恐のニシンの缶詰めとかどうスか。お、こっちにパーティ用食べ頃指定が出来るやつが……」
「出前や宅配ピザをたくさん送り付ける嫌がらせじゃないんだから」
「ピザ送り返してみます?」
「そういうのは住所がわからねえと駄目だろ。なんで直で持ってくんだと思ってたが、業者使うとデータが残るからそっち対策か?」
「手渡しだとお使いの子にただご馳走してるだけになっちゃいそうね」
そんな風に。
三人揃って散々ふざけた話のネタにしていたところで、ゴーグルの少年は急に真面目ぶって腕を組んだ。
「でもしつこいようならやっぱ対策したほうがいいっスよ。警備員に話し通したり、訴え起こすのもまるっきり無駄ってことないんじゃないスか」
ソッコーでもみけされそうっスけど、拒否の意思は伝わりますって、と改めて進言したがトラブルの中心人物はそんな対処は不満そうだった。
490 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 01:13:43.73 ID:cKXKQ63x0
「ああ言う連中に頼るくらいなら自分で何とかするっつうの」
「いくら理事とのコネクションが欲しくても、お互いに利害が合わないならむしろ邪魔よね」
軽犯罪じみた馬鹿な真似を理事本人がしているか、と点はさておいて。
大きな影響力と権力をもった人物が、垣根個人とつなぎをつけたいと申し出ているのは事実だった。
学園都市理事会の一員の後ろ盾、なんて得ようと思って手に入るほどのものではないが。
恐らく求められるだろう対価が『未元物質』だと言うのは垣根にとって大きな問題だろう。
この街の学生たちならきっと少なからず共感出来るはずだ。
特に、高いレベルにいる能力者にとって自分の能力の成果を開発官でもない他人に好きにされると言うのはあまり気分のいい話ではない。
人の役に立つ、世界の為に、技術の発展に、とそれらしい美辞麗句を並べるならならまだしも。
当然のように旨味を利用する気でいる、と言う下心が透けていそうな。
疑念を抱かせる相手にはそれは難しい。
能力としてだけでなく資源としてみても『未元物質』は魅力的で希少な存在だ。
それを占有している垣根帝督を第二位たらしめているのも学園都市における有益さ、その点によるところが大きい。
それを十分に自覚しているからこそ、垣根は相手が理事であってもやすやすと交渉には応じない様子だった。
暗部でつまらない雑用をこなしていても。
自身の価値をポンド単位でバターの様に切り売りしたがるような趣味はないのだろう。
「こっちが下手につついてかえって手間がかかるのも癪だ。今の所はくっだらねえ話のネタにしかならねえな」
垣根帝督が、それこそ本気で取り合えば今起きている問題は解決するだろう。
その問題が片付いても、どこでどんな風にそのしわ寄せが生じるかは不明。
そもそも相手の目的や真意さえ見えていないのだ。
そう言った不確定な部分が出そろうまで待っているのか。
話をするのでさえ、こちらに優位な絶好のタイミングを見極めるためにあえて放っておいているのかもしれない。
まさか、すべらない話の鉄板にでもする気で温めていた、と言うことはないだろうが。
案外、本当にただ面倒なだけなのかもしれない。
「これ可愛い。バッグはピンクもいいなあ」
「あ、あのゲーム新作出てるんスね。次ちょっと見せてくださいっス」
暫くスマートフォンを覗いていた二人はそのうち勝手にショップのページをあちこち開きはじめた。
「お前ら幾らなんでも調子に乗って変なもんばっか入れんじゃねえぞ? 悪趣味な馬鹿に俺の趣味が疑われたらどうすんだよ」
もし届いても受け取らねえぞ、と釘を刺してから垣根はスマートフォンを回収した。
どこか気の抜けた、苦笑いでそれをポケットにおさめる。
491 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/10/16(金) 01:15:22.16 ID:cKXKQ63x0
店内が混んできて、あたりはがやがや騒がしくなってきていた。
ゴーグルの少年がドリンクバーの前に出来た列に並んでいると後ろから背中をつつかれた。
ついさっきおかわりはいらないと言っていた心理定規は、空のカップを持ち上げて席の方を示した。
テーブルで通話中のリーダーに気を使って席を空けてきたらしい。
持っているのが携帯電話、と言うことは迷惑電話問題ではなく仕事がらみだろう。
どっちにしろ彼にとってあまり愉快な話ではなさそうだ。
「まさか垣根さんにそんな事情があったとは。知らないとは言え俺、相当邪魔してたんスねえ」
「ああ、君結構隠れ家使ってたものね」
「でもひとこと言ってくれたって良くないスか? そしたら被んない様に気を付けるくらいするっつうか。隠すほどのことっスかね?」
「カッコ悪いのは嫌なんだって。話をした時も相当渋ってたし。男の子はほら、面子とかそう言うの気にするでしょう?」
「超能力者って大変ですね」
「彼は特に、かな。イメージとかこだわる方みたいだし」
ちらっと後ろを振り返った少年は、心理定規にちいさく手招きした。
「さっきやけに静かでしたけど、もしかして俺に余計な話したから怒ってます?」
「どっちかって言ったら……悔しいんじゃないかな。私たちに弱みを見せたと感じてるのかもね」
「リーダーって、大変なんスね。いやあ俺手下ポジでよかったあ。隠しごととか緊張感とか重い空気苦手なんで。あ、心理定規は何にするんスか」
能力でグラスを持ち上げボタンを押して、一度に三人分のドリンクを用意していたゴーグルは、短い通知音にスマートフォンを取り出した。
それに心理定規はあからさまに嫌そうな顔をしてみせる。
「君は、もうちょっと気にしてもいいと思うよ。周りの目とかその辺も」
「趣味のことなら大丈夫っス。俺はそういう路線なんで」
カバーからストラップまで『痛』仕様な少年はわかりやすいオタク属性の目印と、飲み物を乗せたトレーを持って席に戻っていった。
492 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/16(金) 01:33:04.32 ID:cKXKQ63x0
ドーモ。
垣根ハロウィンコスプレデビューおめでとう!
お祝いしたかったけど小悪魔なみさきちが二枚もきただけでしたちくせう水泳部もアイテムも揃ったし軍覇もきたしノーマル垣根が増えたよちくせう
どうせ女子はのちのちカナミンショップに並ぶんだろうにな!むしゃくしゃして投下した。今は心臓が痛い。
equ.darkmatter関連で一枚噛んでそうだよなと前々から思ってた潮岸の絡め方がわからなくてこのSSではこうなりました。
田舎のじいちゃん系お土産攻撃(善意)もしくはstkアピール(悪意)なのかは現在真偽不明で。すいません偉い人なのにネタにして。
>>502
くらいでまた安価とろうかなと二か月くらいまえは思ってたんですけどね。
もちろん前のも消化はしますがここんとこペースがひどいのでどうしようかなと思っとります。
ずるずるしてるデレメルヘンは次の予定です。おまたせしてますが期待値ハードル低めでオナシャス
この際まとめてレスも
>>400
そうですね!未元物質は最高です。
常識は通用しねえだからピカソでもよかったんだけど原型ありだと再現がすごそうじゃん。
その分削板が爆発した。芸術はばっくはつだー。
まぁオフ時のシェリーさんの趣味がわかんないからな。フォークとチョコパンで感動する人だし。
>>401
えーと貴方は初めまして。のあれをやったほうがいいのかな?めんどいからいい?
垣根がデレてるっていうか……うん。
まだ『滞空回線』は知らない体で書いたからねー。
知ってたらあんなこと言わずに何してやがったさっさとしろ!ってキレると思う。
電話のヤツもそれまで何もせずに放置してた訳だし。
1の頭の中はフツーです。妄想力はそこそこ。レベル3くらい。日常でSS書くには便利だと感じられる強さ。
>>402
ここのは名前はゴーグルだけど全然別もんだしな。まあそれ言ったらキャラみんなそうなんだけど。結局、そこは原作が全てって訳よ。
垣根愛か。そっちもレベル3くらいかな。自分でSSスレとか立てちゃうくらいの強さ。
>>403
15巻終了時でイラストが黒くされてた麦野、砂皿も後で実は生きてました!ってなってたからゴーグルは戦闘不能、生死は不明でいいんだろうけど。
ステファニーの活躍の為に、生死不明で退場から復活を遂げた砂皿と違って、今後確認する理由がないから生きててもゴーグルは原作で出番はないだろな。
>>404
1は普通中庸ノーマルストレートでーす。
そっち系のネタは、どうせなら笑えるのがいいです。
>>405
垣根はあんまり感情移入とかしなさそうだよなーと思ったら熱さの足りない上辺きれいな仮面の秀才みたくなった。そこまでやったら盛りすぎだけど。
常識外のことができる筈なのにその常識が邪魔をするのか…かっこいいな!!
>>407
君はあれか1のソウルメイトか?フォロワーか?ツボ過ぎて素敵だとりあえず笑った。
ビーカーから飛び出すアレイスターってなんかすっっごい懐かしいんだけどどこで見たんだ。みんなやっぱ考えるよな。
理事長はビーカーinでもout+衝撃の杖でもいつか実装されないかなーとたのしみにしております。サイド問わず味方攻撃超特大みたいなボーナス仕様のスキルで是非。
>>407
常識に精通しようとして常識問題っぽいマニュアル本読んだり、『スクール』内でも「今のおかしくねえよな?」ってつい聞いてしまう垣根を想像してしまったがちょっと悲しいだけだった。
自分だけの現実由来の能力振り回してる時点で常識ってのが一般かつ普遍的なもんじゃないよな学園都市に限っては。いかに非常識で枠と殻をぶち壊せるかみたいなとこがありそう。
って言うと
>>405
が的を得てる感素敵よな。
>>408
一方さんは高校生だよね。浜面も上条さんと同じくらい?垣根も高一か二、それくらいじゃないかとは思ってるけど。
ここのゴーグルは中三から高一くらいのイメージ。心理定規と垣根の間でいいすか。
学園都市は圧倒的にレベル>>>学年その他だからあんま関係ないかもしれないけどちょっとそういう情報もほしいわ。
その風紀委員はすげー爽やかな作り笑顔で朝の挨拶しそうですね。校則違反はとてもじゃないが出来ませんね。
>>409
「『風紀委員』だコラ」って羽バサーする垣根はかっこいいかもしれない。ですの!にインパクトで勝てるか?
うーん、帝春かあ。まだみぬ次回ネタに期待?
>>410
風紀委員は基本校内所属じゃなかったっけ。
支部って各校、各学区内にいくつもある交番みたいなイメージでいいのか?
あの辺よくわからないんだよな。レールガンアニメと禁書原作でも微妙に設定違うらしいし。
最初のがただの単発ネタだったから風紀委員さんネタの続きがあるのかもわからん。
まあまたイベントでなんかネタに出来そうなのがあればやるかもしれない。しかしあのシリーズは教師もみんなメガネか?女子がメガネなのか?
つうかお前らホモが好きか好きだな好きですねー
>>411
生徒会役員である限り委員長はツンを通しそうでもある。デレはくるのか。
今回は潰れて未完 < 一方さんに手伝ってもらい最終的に邪神像が出来上がる方が不幸判定が上っぽそう。
>>412
製作過程で上条さんがやらかしたところを一方さんが修正して、上条さんがしくじったところに一方さんが手を加え……と繰り返すことで上条さんの努力が段々そげられて画伯成分が濃く残ったんじゃないんだろうかと今考えた。
そんなにひどいやつじゃないかもしれないよ。いやわかんないけど。第二位は第一位と直接交渉権が絡むとよくわかんなくなるギャグ方面のイメージ。
493 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/16(金) 01:36:11.87 ID:cKXKQ63x0
>>413
警備員さーんこっちです!風紀委員じゃ埒があきません!
それは個人指導と言う名の粛清じゃないか?そんなに愉快なものだろうかと1は心配します。
>>414
茶碗は叩くものではありませんよと1は遅くなっていたことに頭を下げつつ食卓でのマナーを注意します。
>>415
この夏は暑かったけどパンツと靴下くらい我慢しよう。警察組織のお世話になる前に。
>>416
風紀委員さーん!ですのの風紀委員さーん!危険物の通報です。座標
>>416
をどっか飛ばしてくださいです。どこか遠くになるべく遠くに精度度外視でお願いします。
何か既に座標ずれてるみたいですけど構わずに。
>>418
ああ大丈夫だ『未元物質』がある
それにここはまだ八月だからね!まだ二ヶ月あるよ
>>419
その下に信頼感や思慕が透けるんですかね呼び方って大事。ベタだけどここぞって時の名前呼びは燃えるな。
おねーさまとかあの馬鹿とかクソガキとかニックネームも大事。
垣根はいきなり呼び捨てだとシカトしそう。
>>419
ちょっと妄想してみた。
なんやかんやで垣根に提督になってもらうには
鎮守府にGO
アレイスター「『直接交渉権』が欲しいか?探せ!この世の全てをそこに(ry」
エイワス「今日からお前は富……提督だ!」
暗部の指令『海洋上に謎の敵性組織が発見された。対抗戦力を率いて迎撃にあたれ』
「えっまだ提督じゃないんですか第一位は既に着任したらしいですよ(棒)」
深海にGO
バレーボールがどんぶらこ
上里君がホワイトを転送(科学サイドに効くのか?効かないかもな)
提督じゃないけどまさかの学園都市で
垣根ホワイト「……白いガキを拾ったんだが」???「ウミ…ドコ?」
こんなとこか。
オリジナルより数倍柄悪いあんちゃんみたいな垣根ホワイトが懐かれてほのぼのとか微笑ましすぎて腹筋が割れるね。物騒で殺伐日常ライフでもいいね。
かたき役が似合うなあ垣根は。深海サイドならノリノリで敵艦出撃させそうだし。
残留思念でサルベージさせるなら、より深海向きではあるかもね。
>>420
艦娘も正体はよくわかってないんだよね?
なるほど禁書と絡めるとそういう設定も出来るんだすげー。
はたから見ると垣根のものすごい遠回りなひとり相撲だけどw
がんばれ垣根提督。
超能力者が提督になりましたって言うと六人中ほぼ全員自ら前線に出張りそうだもんなあ。麦野一人でも相当いけるよ。
一掃の粗大ゴミも沈んでるから深海艦は魔術産って言うのもいけるかもしれない。
対魔術ならプロがいるし、鎮守府に着任するゴールデンレトリーバーはちょっと……いやかなりみたい!!だれかたのむ。
>>421
思えば最初の投下からそんな話したのは1だから原因はそこかな。すまんね。
>>422
そうな。出来る限り書かせていただいてます。
>>1
も早く六道から外れて、妄想をSSとして吐き出すだけの存在とかになりたいわー。解脱しようにも煩悩しかないけどね。
>>423
なー!禁書の方で、上条さんの出ない暗部パートをはたしてやってくれるのかがもう不安だしお願いしたい。
でも超電磁砲な…もっと絡まないイメージが。
494 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga ]:2015/10/16(金) 01:53:22.21 ID:cKXKQ63x0
>>438
そこでカブトムシさんですよ。抽出されたポイントと濃度によっていろんなタイプの垣根が…ってそんなに居ても大変そうなだけだがね!
>>439
「様子のおかしなやつ」として受け入れられつつある。『スクール』でも1の脳内でも
>>440
そうなの?まあみんな禁書が好きなんだな。こんなとこまでありがたいな
>>441
ここでも容赦なくボケさせたりオチにしたりとやってまして、ご容赦ください。残りの安価もはっちゃけてるってレベルじゃなさそうなのがもう内容からして続く予感なので。ええ。
>>442
おつありっすー
SSでくらい楽しそうに、してほしいじゃないか(遠い目)
>>443
それなら宇宙人がピコピコ侵略してきても安心ですね!!わざわざ妨害してくれる一方さんお暇か。
>>444
どんな覚醒。そんなスキスロあっても埋まっても困らないか。B連打でキャンセルできるやつですか。まずは心理定規ちゃんが他人の間の距離が操作できるか話し合わないとな。
>>445
暗部はみんな個性的だしな。オンオフのオフ時、休日ネタみたいなのはいいよね。
>>446
ありがとうございます。合間に本編一回くらいはさみそうです。でもあまりきたいはしないでください。
>>447
知っているのか雷電?!
>>448
まだ…ハイ。続きます。ハイ
>>449
暗部の仕事って何してんだろ。上からくる指示によるんだろうけど他の組織と変わらずに邪魔者への対処がメインとか?基本ゆるくても時間問わず呼び出されたりしそう。
>>450
恐竜園いいね遊びに行かせたいね。そう言うのなら超能力者勢かなと思うけど安心力が高すぎてちょっとくらい事故が起きてもあいつら平気で観光してそうだな。クロスっぽいのもやってみたいね
>>451
1も予想外でしたのことよ
>>452-455
ほんとうに1の不徳の致す限りだと…
でもおかしなことはしてない。そこはないよまずないよ
>>455
。課金はしてないけどBOXは回しまくった。3周しても出なかった
>>456
すまん元ネタがわからない。のでオマージュではないですね。
>>457
垣根の平穏はどこにあるのでしょう、と1は原作の行く先に思いを巡らせます。
>>458
引換券も本体も落ちないとのたうちまわってました(hz
>>459
このつぎだよー(予定)
>>460
カブトムシを720匹捕まえてテイトクマスターを目指す奴かと一瞬思ってしまった
>>461-464
大変お待たせしておりました。
>>465
心配するな。気持ちもネタもまだある。
>>466
いつかの電撃祭だっけ。禁書のキャストさん呼んだけど三期の話は一切なかったとか言う。
>>467
お恥ずかしながら戻ってまいりました
>>468
セーフ?!
>>478
ドラキュラなのに天使の羽がでてしまう垣根をリーダーにしたい。特大変換とかおいしい木原くンリストラ確定。乙ありです…!んな甘いこと言ったってなあ、1を持ち上げてもくだらねえネタしか出てこないぞ!
>>479
ワールドワイドなばんざーい!ありですの
改行大杉久しぶりwいろいろながーく伸ばしまくることで定評がついてしまいそうな
>>1
ですが。コンゴトモヨロシクしたいです。ではまた
495 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/16(金) 11:41:45.02 ID:pKu1Oi18O
めっちゃ久々に見に来たらまだ続けててビビった
496 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/16(金) 14:02:05.83 ID:wvZXdl36O
ツッマンネーはなしはいいんだよ
いいからあくしろよ
やらねーんなら養分になっちまえ
497 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/16(金) 18:42:30.48 ID:esDluAawO
本当に久しぶり小ネタが小ネタって長さじゃないぞw
大覇星祭でも心理定規はツンツンで垣根はツンデレ
ゴーグルを見習ってちょっと素直になったほうがいいんじゃないか
498 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/16(金) 21:22:09.69 ID:nAwf+b+x0
乙!
どこのスレも最近停滞気味だから戻ってきてくれて嬉しいっす
499 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/16(金) 22:50:20.94 ID:e7nCla9l0
小ネタのゴーグル君は相変わらずはっちゃけてんなぁ
そしてそれを受け流す垣根はだいぶ甘いな
金でも銀でも未元物質でもない垣根が欲しいよ
500 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 10:34:55.00 ID:rb8I5EcAO
今回の潮岸の件ってファミレスで黒ひげ危機一髪やってたときに垣根と心理定規が話してたやつ?
エンカウント率とか、話の持っていき方が丁寧ですごい好きだ
ごく自然に冷蔵庫ネタ入れて笑かすところもなww
501 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 15:17:13.10 ID:EofbbcOPO
1さえよけりゃまた安価やってよ
スクールのはなしもあるしここ落とさなきゃ待つから
白カブトムシとフレメアでやってほしいんだけどどう?
502 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 17:00:46.04 ID:DOd4mxo70
カブトムシとフレメアはスクールに関係なくね
俺は心理定規中心のも見てみたい
503 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 17:46:10.89 ID:BE5JB9H50
おお、来てたか乙
心理定規の風に煽られた裾とレアな体操着ぺろぺろ
あと首を傾げる駒場のリーダー可愛いぺろぺろ
何気に垣根の通販サイトのユーザー名カッキーかよwwww
ゴーグルがカッキーさんとか呼んだらオブジェ不可避だろうか
504 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 18:25:11.10 ID:kjwXiYPRO
垣根と心理定規って雰囲気絶妙だな
暇だからって言いながらちゃんと様子見にいったのか垣根はパレードも一緒に見たのか
なんだこのリーダーたまんねえ
あと誰も触れてないがそぎっしーさんはっちゃけすぎだろww
二人三脚してやる爽やかな垣根も見たかったけどな
ファンはどんどん増えればいい
505 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 21:49:04.21 ID:UwF09L5GO
風紀委員のやつで初春が出てくるのもみたいな
あとレスしてた艦これと垣根のやつも。ほっぽちゃんとホワイトとか完璧に保護者
506 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/17(土) 23:35:03.27 ID:50igA6wco
垣根に冷蔵庫を送り続けて愉快な死体になりたーい
507 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/18(日) 00:21:51.11 ID:PAN2gjLCO
毎日ベッドが変わるのを楽しむ垣根だと
お泊まりフラグはあるのか
508 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 01:58:52.96 ID:jhxsP0SN0
艦これ×垣根は一時期大真面目にネタを考えた事があるが、どう足掻いてもチートハーレム物にしかならなかったから諦めた
結局だらだらしてる垣根と心理定規を妄想してる方が楽しいし
509 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 08:50:27.49 ID:4MK2mkjC0
NカブトムシR冷蔵庫SRバレーボールLR垣根オリジナルな垣根オンリーソーシャルゲーム思いついたけど、垣根主人公で冷蔵庫から吐き出される未元物質を使役する方が面白そう
最弱のカブトムシが進化で稀に白垣根ができたり
510 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 18:15:47.08 ID:sLG2f1l8O
>>508
>>11
さてはお前
>>1
だな
511 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 20:46:52.05 ID:lECZT/8So
実はこのスレの書き込みは殆どが
>>1
の自作自演であった可能性が微レ存・・・?
512 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 21:10:47.36 ID:1tCeftdDO
俺たちが
>>1
だ!!
513 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 21:24:43.89 ID:eg52OGArO
垣根はかきやすいとか艦これなら設定はこうするとか講釈してるどっかの作者様達だろ
どうせなら宣伝もしてけばいい
514 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 22:29:59.75 ID:llqWIy1o0
垣根スレ、自演、ホモ…そうか!わかったぞ!
>>1
の正体が!
515 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/18(日) 23:33:48.45 ID:lECZT/8So
野獣先輩垣根帝督説
変幻自在→未元物質も変幻自在
野獣先輩は人間の屑→暗部だから
野獣先輩女の子説→天使で可愛いから
516 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/26(月) 22:44:11.53 ID:eMJeVk1U0
垣根がアイドルのスピンオフに出たってな
カブトムシじゃないらしいし良かった
517 :
◆q7l9AKAoH.
[sage]:2015/10/26(月) 23:49:16.79 ID:4ulPkCn+0
え。なにそれ
ちょっと意味がよくわからないからパズデのガチャ回してくるね?
518 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/27(火) 13:59:12.25 ID:EG9VIxsAO
パズデに脊髄反射ワロタ
アイドルの方はさておき、超電磁砲が盛り上がりそうだなスクール好き的に
単行本化したらカラー絵拝めっかなあアイテムみたいに
519 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/27(火) 16:29:09.69 ID:e9RFJ4qe0
アイドルの方は垣根出てたし超電磁砲に心理定規さんとゴーグルも出てた
もう死んでいい
520 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 00:30:28.71 ID:F2A8Ouj70
まじかよちょっと電撃大王買ってくる
521 :
垣根帝督偶像化計画?
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 00:51:14.08 ID:UkFX5uCs0
学園都市某所。
人気のない場所に一人で呼び出された垣根帝督は、ポケットから取り出したPDA相手に盛大に顔をしかめていた。
【この度お前は『スクール』アイドルとして売り出すことに決まったからな。
上からの決定事項だ。
今日から、「プロデューサー」と呼んでもらってかまわないぞ】
『スクール』の上役である電話の男が、任務の話かと思いきやとんでもない話を放り投げてきたのだ。
ここが組織の隠れ家なら垣根は容赦なく吹き飛ばしていただろう。
もちろん、それも見越していたのだろう。
暇そうな素振りも見せず、違和感も消し去ってごく自然な店内の背景の一部と化している店主を横目に垣根は息を吐いた。
「馬鹿じゃねぇの? 待て。俺は、ってどう言うことだよ」
【お前以外の超能力者(レベル5)も『絶対能力(レベル6)』目指してこれからアイドルとしての活動をだな……】
「あのなぁ、そんな真似してレベルが上がるんならこの世に無能力者なんざいねーよ」
【多くのファン、そこに含まれる能力者のAIM拡散力場の指向性を――】
垣根が馬鹿にして吐き捨てると、PDAに長々とした計画の詳細が送信されてきた。
一応は、理論的に成果の見込みありと裏付けられている実験計画なのだそうだ。
「テメェら…何かっつうと『AIM拡散力場』っつっとけばいいと思ってるんじゃねえよな」
ざっくりそれに目を通した垣根は。
なんでテメェがマネジメントまで兼任してんだ、と続けてぼやくように言った。
【暗部の仕事とのスケジュール調整は他の人間にはこなせないだろう】
おかげでこちらは大忙しだ、と言う嫌味は無視された。
522 :
小ネタなんですよ
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 00:53:35.83 ID:UkFX5uCs0
「芸能活動(笑)しながら暗部の活動も続けんのかよ。なぁ、テメェら俺にどうなって欲しいんだ?」
【トップアイドル。そして、『絶対能力者』だ】
予想外に真面目な声で返事があった。
おや、と目を丸くした垣根だが。
次の瞬間にはそれがゆがむ。
獰猛な獣じみた視線を液晶に落とすと舌打ちがそれに続く。
「俺にそんなもんの頂点取らせようって? ったく、阿呆らしい話は大体見えたが。俺に何の旨味もねえのにそうですかって馬鹿な真似やってられるか」
【いわゆる「セレブリティ」の連中を考えてみろ。やつらの財力、コネクション、各界への影響力、それらを束ねるカリスマ性。表立って大々的に「神に選ばれし者」の一員となって潜在的な支援を集めることも……野心的なお前には悪い話ではない筈だが】
「俺の影響力が高まれば、連中も無視出来なくなる。発言権も得られるか……馬鹿なパフォーマンスでレベルが上がるとはとても思えねえが、そっちなら……まぁ」
垣根は真剣な目をして何事か考えはじめた。
ある意味神々しいギフト、彼の能力について触れそうな単語も、珍しく頭にこなかったらしい。
「たまにはつまらねえ話にも乗ってやっても、いいかもな」
いい退屈しのぎをみつけた、とでも言いたげにその口元が釣りあがる。
まるで、そのタイミングを見計らったかのように電話の男は話題を次の段階へとすすめた。
【今までの経験上、お前の資質はある程度こちらも把握している。
不要な営業活動や仕事は除き、お前の強みを活かした仕事が出来るよう「今まで通り」組織で支援してやろう。
当面の活動に必要なスポンサーとも話を進めてある。
まずは幾つかの企業のコマーシャルをこなしてもらう予定だ】
そう言って、次にいくつかの企画資料が送られてきた。
そこに名を連ねているスポンサー候補は。
各分野の有名企業のような大手から、一六学区の個人事業主など規模はさまざまだった。
能力者と聞いてまっさきに飛びついてきそうな学習塾や開発関連企業は、既にあちらでカルテル染みた協定が出来上がっているようだ。
出資し合った企業ごとに、アイドル活動をしている超能力者たちのPR期間のローテーションが平等に組まれるらしいと注釈が付いていた。
超能力者なんて能力開発分野でも反則レベルの絶大な偶像を奪い合っては、競合して潰し合うのは目に見えているから、かもしれない。
523 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 00:56:13.76 ID:UkFX5uCs0
大がかりなライヴ、大手雑誌のグラビア、特集記事などそう言う派手な仕事は、もっとアイドルとしての知名度を上げてから効果的に進めていくらしい。
とりあえずは地道に宣伝広告の方を頑張ってもらう方針だと言う。
どうやらプロデューサーや上層部は餌を充分撒いてから、雑魚をごっそり網にかける気でいるらしい。
【お前達がアイドル活動をしてるってことを市民に周知させる必要がある。
超能力者アイドル化計画推進として、それぞれCDも出すからな。
お前の音源もサンプルが幾つか用意してある。すでに本格的な楽曲製作を進めて……】
「待て。いつそんなもん録った」
【この前カラオケに行っただろう】
「完全プライベートだぞあんなの。油断も隙もねえな、本当」
【とりあえず致命的な音痴じゃなくて一安心だそうだ】
よかったな、と言いたげな言葉に。
はあー、と仕方なさそうに垣根はため息をつく。
【超能力者の話題性にそのルックスだ。
お前のような逸材にはかかる声も多くてな、それでも随分厳選したんだぞ】
更に資料のページを進めると、具体的に詰められた企画のスケジュールの予定が並んでいた。
一体、垣根を納得させられなかったらどうするつもりだったのかと呆れるくらい、本人のしらないところで勝手に話が進められていたらしい。
「なんだこりゃ……お、ファッション系が結構入ってんな。ふーん、どこもそこそこのブランドじゃねえか。
『外』のもあるな……ん、高級寝具メーカー? こっちは……ガキ向けの学用品のPRって?
なーんかまともそうな中にちょいちょいおかしいのが混じってんぞ。何やらせる気だテメェら」
【垣根帝督を前面に打ち出して広告をだしてもらうんだよ。喜べ。どちら様も喜んで受けてくださるそうだぞ】
524 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 01:01:11.60 ID:UkFX5uCs0
「まぁ、向こうから頭下げてくるくらいが筋ってもんじゃねえの? で。テメェらのプランの核になりそうな…俺の強みって……なんだよ」
【そりゃあ、天使の羽に決まってるじゃないかw】
「はぁ?」
ここに来て一転。
馬鹿にした時の口調になった電話の声もといプロデューサーは笑い転げるのを我慢しているように裏返り気味な声で続けた。
【年末年始の特番『絶対に笑ってはいけないin学園都市スペシャル』と『芸能人格付けチェック』の能力者席には出れるように頑張ろうな!】
「完ッッッ全にお笑い枠にねじ込む気だろ? なぁ!!」
ガターンと椅子が一つ後ろに飛んだ。
騒音にも店主は眉ひとつ動かさない。
【顔がいいのがあえて外して、馬鹿をやるのがいいんだろう。
お茶の間にはそう言う方がウケがいいらしいからな。
お前の能力にもぴったりじゃないかwww】
「ナメてんのかテメェぇぇぇッ!」
PDAを掴むと垣根は吠えるように叫んだ。
その背中には、いま馬鹿にされた翼が翻っている。
既存の物理を捻じ曲げる能力でも、流石に居場所の知れない通話相手を愉快な死体にはできない筈だが。
既に垣根はそんなことは考えていないだろう。
【そうやってお前ら超能力者はすぐキレるけどな、芸能界の先輩方を見習えよ。
今日日そんなやっすいキレ芸じゃ流れ星にしかなれないぞー?】
「芸でキレてんじゃねえっつうの!!」
【悔しかったら結果を出せ。垣根帝督。障害をねじ伏せその手で登りつめてみろ。お前のやり方が通用するなら、の話だがな】
チィッ、といまいましげに舌打ちすると垣根は近くの椅子を乱暴に引いた。
どさりと再び腰を下ろした。
ほんの少し。
何かを切り替えるような空白を置いて、垣根は顔をあげた。
「いいぜ。俺にその常識は通用しねえ。アイドルだ? 愚図な聴衆共がなんだって?」
その顔は、挑む様に薄く笑っていた。
みてろ、と彼は牙を剥く。
「世界を、ガラリと変えてやるよ」
こうして。
まんまとアイドルに担ぎ上げられた垣根帝督は、トップアイドルの座を目指して学園都市のお茶の間を席巻するようになるのだが。
それはまたべつのおはなしである。
525 :
◆q7l9AKAoH.
[ saga sage]:2015/10/28(水) 01:05:01.11 ID:UkFX5uCs0
と、いうはなしだったらいいのになーなおはなし。
とあるあいどるの〜〜に垣根が出てるって聞いてちょっと読みたくなったのでやっつけた。
ガチャはこころをしずめてくれないしいくら回しても徳もつめないのである。
ので。いきなりの小ネタ。失礼。
正直、ちょっとしたデモンストレーションすら不安の塊だった奴らをステージから下ろすのだけはやばいと思う。
超能力者並べてバラエティとかトーク番組出したら編集地獄にしかならないって。
しばらくお待ちくださいからのCMあけたら357以外ちょいちょいぬいぐるみになってそう。生放送は絶対ダメだゾ☆
アイドルな超能力者様は第一位以外もやんのかね?
ラブリーミトンとコラボして泣いて喜ぶ御坂さんとかは大歓迎です。
ドーモ。
ではまた!
526 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 09:52:31.21 ID:F2A8Ouj70
乙
言いたいことがあるんだよ
やっぱり垣根はイケメルヘン
すきすき大好きやっぱ好き
やっと見つけた天使様
俺が生まれてきた理由
それはお前に出逢うため
俺と一緒にlevel6目指そう
世界で一番愛してる
527 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 14:44:37.63 ID:yLF/NLPQo
アイドルは生がダメとな!?
528 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/28(水) 16:37:37.69 ID:IhdM+e7CO
>>321
の安価の中身を初春がインディアンポーカーのカードにしてくれてたら間違いなくSランクで超高額取引されただろうな
529 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2015/10/28(水) 19:32:43.60 ID:prWCd+dfO
乙
530 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/28(水) 19:47:11.43 ID:NvkkFCAAO
羽毛布団とランドセルwwww
ひでえwwwwww
……その布団3セット下さい!
531 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2015/10/30(金) 12:35:24.88 ID:rGZW7Ghg0
垣根さんマジちょろいっす
垣根の能力フル活用したらジャケ絵とかPVとか撮影楽そうだよな
自前で羽散らせるしwwww
532 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/11/01(日) 02:25:13.50 ID:Pjr5JOri0
ドーモ
>>495
恥ずかしながらまだやっとります。ハイ。
スレが埋まるかネタが尽きるまではやるのか、いい加減だらだらしてんのもどうなのとはね?
>>496
話によってむらがあるよなあとは書いてても思います。
見事にハロウィン垣根はこなかったよ!ノーマルな垣根はぞろぞろ来たけどな!
超能力から絶対能力まで諭吉が楽々シフトしたって言うところまではお伝えしておこう。経済力も運もない甲斐性なしの1だからか…これが……不幸、か。
ちくしょうそうさ、俺が養分だ!
>>497
リーダー、ツンデレ。紅一点、ツンツン。オタク、だだ漏れ。あれ?バランス取れててよさそうだね?(白目
垣根はある意味素直な気がしてきた。最近。
>>498
そういってもらえると1も嬉しいっす。乙あり!
>>499
垣根はキョロちゃん知ってるのかなって今思った。
ゴーグル君の起こした波に度々乗せていることはこのスレの公然の秘密だからな。
>>500
そうそう。ゴーグル君思いつきよかった。こじつけと寒いギャグは任せろ。
白くて大きな家電を見るとついね。帝凍庫君を思い出してね。disってない、いじりだ。
>>501
そう言ってもらえるとほっとするでな。
前もなんか言われた気する。カブトムシ。
なんか思いついたら保守ネタにするかもしれないししないかもしれない。
レスをネタにしたのはちょいちょいあるんだけど、確約は安価のみと言うことで一つ。
うん。僕もあんまりスレがごちゃごちゃしてるのはどうなんだと思うんだけどね?むずかしいんだね?
>>502
では心理定規濃度の高いのが出来たら。
なぜかゴーグルびいきだとみんなに反応されるけど、定規ちゃんもめでたい。
>>503
名前で呼んで欲しい垣根さんはニックネームだと喜ぶのか、キレるのか。
青ピやつっちーが一緒にいたら普通に返事するかもしれないけど、カッキーさんが奴らにも定着しかねない諸刃の剣。そうなると怒るな。
>>504
垣根はツンデレか。そうか。
暇ならなにしてもいいってわけじゃねえんだぞコラーって言ってやりたいな。
上手く垣根が出場してくれても、別のどっかの誰かの借り物に立候補したゆるキャラと同じレースだと、白熱しすぎた展開にゴーグルが愉快な死体になってしまうんじゃ…
>>505
風紀委員長ネタもか。もしなんか思いついたら(r
艦これはね、元ネタがよくわからないから難しいな。運がないから多分建造でかぶりまくってすぐ詰む。
あえてちょっとやってみるなら
海中から突如として現れた生物兵器の艦隊。
最新鋭科学の過剰戦力を投入してどこよりも早くその敵性の撃破・虜獲に成功したのは学園都市だった。
その根源、敵の正体を探る為の研究材料として、敵艦を壁の中に搬入する運びとなった。
だが移送中にトラブルが発生、拘束していた対象の逃走を許してしまう。
垣根ホワイト「ああ? なんだこれ」
北方棲姫「ウミ……ドコ?」
異形の白い少女と少年が遭遇する。
世界の大洋で発見される謎の『深海棲艦』。
奇しくも過去の大戦、歴史の記す戦火の跡地に彼らは現れた。
砲身を向けられた各国の決断が刻々と迫られる中、港湾棲姫が動いた。
その標的は――学園都市。
第四次世界大戦の勃発は免れないのか。
緊張の増す中、襲撃者が次々と二人に迫る。
???「乱造品の不始末を私に取れとかいい度胸してんなぁクソが」
???「『とりあえず』……それを引き渡してもらおうかァ」
少年は少女を海に帰すことが出来るのか。
彼女の望みは叶うのか。
北方棲姫「テイトク、ゴメンナサイ……」
科学と深海両者の闇が交差する時、物語が変わる。
禁書×艦これの新感覚クロスオーバー、この秋進水開始。
こんな感じで。嘘です。
533 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/11/01(日) 02:33:36.49 ID:Pjr5JOri0
>>506
何でムカつくかわからないけどもやもやする垣根さんの怒りが有頂天でゴーグル君がストレスでマッハなんてことになるぞ。
鬼かどMか
>>507
その発想は無かった(棒)
突撃!隣の構成員!とか言っていきなりお宅訪問したら心理定規に全力で追い返されそう
「どちらさまー? って」
「よお」
ガチャ……ギッ
「なん、で……あなたがいるのよっ?!」
「よお」
「……何なの。こんな時間にいきなり来て」
「え? 泊まりに来た」
「どうして」
「昨日はゴーグルんとこだったから。今日お前な」
「帰ってちょうだい」
「へー。お前こんな部屋に住んでんだ? ん? なんだよソファ小さいな? じゃあこの辺にベッドを作って……」バサッ
「ねえちょっと勝手に部屋のものに触らないで羽も出さないで。家具を増やさないでってば! 帰ってちょうだい!」
困った。リーダー帰ってくれそうにない
>>508
なー。チートハーレムじゃないガチな戦史ものでクロスとかはまたハードル超たっかいな。
1は今脳幹先生のかんこれSS探してる。
なんだよ妄想してんならなんかかいてよーねーねーかいてよーーー
>>509
オリジナルのレア低くねwはいむら絵なのか?なら仕方ない
ガチャの冷蔵庫が、冷蔵庫(家電)なのか冷蔵庫みたいな装置なのかで愉快さが変わるんじゃ。
冷蔵庫のドアガチャーなら微笑ましいが、引くたびに病理さんがボタンポチーだったら嫌だ。
カブトムシの中にたまにエラーがいてそいつは垣根未元体(SSR)に進化とかなんですか。需要狭すぎて誰得だよお。
>>510
やったー1が増えたぞよしじゃあこっちの1はひたすら強敵叩く係な。そっちの1はNカード集めて売却しといて
>>511
いつからお前が
>>1
ではないと錯覚していた?
>>512
奇遇だな。私も1だ。
>>513
雑談はおーけーなのですよ。って言うかあれだよきっとこのスレ話題がねえんだよ。1が来たり来なかったりだからだよいわせんなばか
宣伝か。ちょっとくらいしてってもいいよね。なんか書いてんならいいじゃんなー教えてくれても
>>514
な、なんですって?一体誰が犯人なんです!
>>515
そんなこといったらこの世のほとんどが垣根になっちゃいます。未元物質こわい
>>518
えー。アイテムみたいに超人気が出て超出番が超増えるンですか?超嬉しいンですけどォ超ほンとですかァ
534 :
◆q7l9AKAoH.
[sage saga]:2015/11/01(日) 02:35:10.43 ID:Pjr5JOri0
>>519
待てよ。そんな簡単に死ぬんじゃねえよ。
まず超電磁砲で垣根が登場するだろ。俺ら死ぬだろ。
上手く進んで禁書の方で暗部サバイバル編がやるだろ。俺ら死ぬだろ。
絶望しろコラで博士死ぬだろ。俺ら死ぬだろ。
次々でてくる垣根往年の名台詞。俺ら死ぬだろ。
一方通行出てくるだろ。垣根死ぬだろ。
数年たって三期アニメ化の話が出てくるだろ?死ぬわ。
声優が決まるだろ。死ぬわ。
アニメのカラー絵が発表されるだろ。死ぬわ。
放送日が決まるだろ。死ぬわ。
OPで垣根が出てくるだろ。死ぬわ。
アニメで喋って動くんだろ。俺たち死んでられないだろ?
いいぜ。せいぜい今のうちにさっさと死んどけよ。
いつまでも死体のままでいれると思うなよ。こっからが本番だろ。
気を付けろ。死に続けてるとな、そのうち起き上がって痛いSS書いたりするようになるんだよ。1みたくなんぞ
>>520
まじかよ。もっと早く言ってよーだよな
>>526
ごめんちょっと笑ったw
ジャ二◯ズとか男性アイドルにもああ言うのあるのかな
キラキラ衣装で踊る垣根とかメルヘン過ぎていろいろ耐えられる自信がない。腹筋とか
>>527
一方垣根、御坂食蜂は一緒にしたら挑発しあって騒動になりそう。麦野はピー音入れそうなことも平気で言いそうだし削板が一番何するか読めなさそう。やっぱ全員問題あり放送事故必須。
>>528
インディアンポーカーて?
>>529
乙ありですドモ
>>530
キレッキレでランドセル体操踊る第二位とかテレビの前のお茶の間が愉快なことになってしまうよ。第二位のイメージ的にまずそうなことはさせないと思いたい。事務所OK出ても本人が断ってくれるはず
きっと企業も便乗しまくってくれる。
限定プレミアム特別仕様だと販促用グラビアポスターやシーツ他コラボおまけが付いてきて今ならお得な羽毛布団夏冬1組二十四回払い月々二万円コースとかがあるんじゃ(適当)
>>531
【超能力者とか言ってもまだ子どもだからですかね。レベル5の中でもお前先発だから第一位に先手打てるぞって言ったらあの後笑えるくらい張り切ってやんのwww】
【見た目通りやっぱ派手好きなんでしょうねー。撮影やステージやらせても自分で演出したがるんですよ。照明スモーク特殊効果おまけに火薬なしで爆発までいけるしいろいろ費用も浮いてます。いやー便利な能力で助かるわww】
今さらだけどスクールの制御役って男でよかったのかな
『アイテム』が軽めでテンション高いステファニーさん系のおねーさん、『グループ』が嫌味な丁寧口調の「くどい海原」みたいな男。
『スクール』は全然描写ないけど超電磁砲のあれで「煽ると草生やす兄さん」イメージなんだがそんなんでいいのか
誰ですかー?本屋さんの電撃大王ラスワンゲットした子はー。先生しかたなく密林さんにお願いしたのですよー。
こっから安価
>>201
のなげおとすけどなー1も予想外に心配なかんじになったからくれぐれも注意ですよ。
535 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:41:45.82 ID:Pjr5JOri0
※キャラクターイメージを大いに損なう恐れがあります。くれぐれもご注意ください
※ネタをネタと(r
「あれ……ここ、どこだ?」
ベッドの上からぼけぇ〜っとした声が上がる。
間抜けなセリフの主は、寝癖だらけの頭をぐしゃぐしゃと掻いて首をひねった。
彼のことは某組織での呼び名で仮に『ゴーグル』の少年としておく。
ゲーム機とアニメグッズだらけの自室とは似ても似つかない場所で目覚めた彼はちょっとした浦島太郎気分でぼんやりしていた。
思わず口にした疑問はまだ解決していない。
見たことのない部屋だった。大きなベッドと真っ白なシーツ、広い部屋はどこかのホテルみたいだった。
確か昨夜は寝落ち寸前までゲームをしていたが、こんなところにきた記憶がない。
どうしたものか、とりあえずその場に正座してまぶたをゴシゴシしていると。
白い部屋のドアが開いた。
そこから入ってきた人物にゴーグルはねぼけ眼を大きく見開いた。
一発で目がさめるどころか、うっかり心臓が口から出そうなくらいびっくりした。
「おう。目ぇ覚めたか」
暗部組織『スクール』のリーダー、垣根帝督がにこやかに入ってきた。
朝から「ご機嫌なリーダー」なんて言う激レアに遭遇したゴーグルは、その後ろのドアをじっと見つめた。
心理定規や下部組織のやつらがベタなプラカードでも持ってきて「寝起きドッキリ大成功!」みたいなのを期待したが。
垣根は黙って後ろ手にドアを閉めてしまった。
何やら片手にトレイを持って、垣根はベッドの前まで歩いてきた。
ぼさっとしているゴーグルのだらしない格好を見るとしょうがねえなあ、って顔をして眉を寄せた
「ったく、遅く帰ってきてゲームすんならちゃんとしろっつったろ。ソファーで落ちてたから俺が運んだんだぞ。ほら」
そう言われてもさっぱりわからないし、なんでそんなことをされたのかも覚えてない。
じゃあここは垣根の部屋なのか? なんでそんなところで寝てた?
ますます状況が読めなくなる彼の前にマグカップが差し出された。
「あ……なんかわざわざ、すんませ……え」
ペコッと頭を下げてゴーグルは差し出されたマグカップを受け取った。
トレイに残っていたのはソーサーに乗ったティーカップだった。
白く華奢な造りのそれと、自分の手の中のアニメプリントのカップを見比べて少年は反射的に垣根を見返した。
「片方淹れてる間に支度は済む。ついでだ」
ベッド横の椅子に掛けると垣根は足を組んだ。
いちいち絵になる様でカップを口元へ運ぶ。
「紅茶のついででカフェオレっスか」
「コーヒーいれんならお湯は九〇度以下、紅茶の方は沸かしたてに限るだろ。んなことより。味」
なんで全然種類が違うんだろうと思わずつぶやいたが垣根はこれぐらい当然だろ、と言う風にお茶の知識を披露していた。
そして、カップを持ったままぼけっとしていたゴーグルに目を向けてくる。
慌ててゴーグルもコーヒーをすすった。
焦って口をつけた瞬間、火傷を覚悟したのだが。
ちょうど飲み頃な温かさだった。
「なんスかこれ……メッチャうまいっス」
軽く感動しながらそう言うと、垣根は得意げに目を細めた。
「そうだろうな。ま…隠し味が違うからよ」
「だ、『未元物質』っスか?」
「お。お前も違いがわかってきたな」
冗談のつもりでそう聞いたのだが、垣根は特に否定もしないでうなずいている。
まさかの当たり、ガチでしたか? それは口にしても大丈夫なのでしょうか。
ごくん、とカップの中身を飲み込んでから固まるゴーグルの少年。
それを見ていた垣根は愉快そうに笑った。
「ばーか。冗談だよ。俺がちょっとその気になりゃこんなもん楽勝だっての。どうだ? コーヒーメーカーの買い替えは、無期限延期だろ」
「こーひーめーかー?」
「もう忘れたのか? いつまで頭が寝てんだお前」
一体なんの話だろう。
ゴーグルの少年が首を傾げている間に。
垣根は空になった食器を持って部屋を出て行ってしまった。
536 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:45:37.44 ID:Pjr5JOri0
とりあえず起きよう、と意を決した彼が寝室っぽいとこを出て、やっぱり見覚えのない白くて広い部屋をうろうろしていると。
ひときわ広いスペースに垣根がいた。
壁にはめ込まれた大きなテレビの前に立っていた垣根は、ゴーグルに気付くとキッチンらしきスペースの方を指さした。
「俺そろそろ出るぞ。お前の飯はそっちな、有難く食えよ」
「えっ?! すんませ……あれ」
激レア、超激レアときて更にありえない追加イベントが発生した。
なんかもう、いきなりおかしな事故にあうとか突然敵対組織に襲撃されてうっかり死ぬんじゃないか俺と混乱しながらゴーグルは頭を下げた。
びっくり仰天意味不明の連続だが、反射的に謝罪を忘れなかった。
そして。
顔をあげた時、ここにきて一番の違和感を目にした。
さっきまでは下ばかり向いていたから気づかなかったが。
彼の頭にある疑問が浮かぶ。
今目の前にいるのは本当に垣根帝督なんだろうか?
ぽかんとするゴーグルの少年に、垣根は何故か得意げな顔をしてネクタイを結んでみせた。
「これか? よそのやつも呼んで朝からミーティング。あいつら俺にちゃんとした格好してこいってうるせえんだよ。誰に物言ってんだか。で、どうだ」
「いや……垣根さんっスよね? 垣根さんだけど、垣根さんじゃない?」
以前から大人っぽい服が似合うとは思っていたが。
仕立ても値段もよさそうなスーツにきちんとネクタイまでしていると「ぽい」がすっかりどこかへ行ってしまうようだった。
暗部のリーダーの貫禄はそのままに全体的に落ち着いた雰囲気の垣根が立っている。
「見違えるほどか? それとも寝ぼけてんのか? ったく、ほら。我ながらイケてんだろ。何もねえの」
寝起きの瞬間からよくわからないこと続きでゴーグルの少年は混乱していた。
「はぁ……似合ってるっス」
てきとーな返事がお気に召さなかったのか、垣根はむっとした表情で足をゴーグルへと向けた。
「別に俺は、お前が『嫁』を何人持とうが気にしねえけど。その倍は俺に尽くすのがフェアなんじゃねえか?」
「え、あ」
ゴーグルの少年は不機嫌な垣根の迫力に後ずさる。
言ってる意味はよくわからないが。
垣根は明らかに怒った様子で一歩一歩向かって歩いてくる。
近づいてくる垣根をよく見て、さっき感じたひっかかりの正体が彼にも何となくわかった。
整った顔や細いシルエットは記憶にあるものより精悍さが増しているような気がした。
今目の前にいるのは彼の知っている十代の垣根ではないようだった。
数年越しの記憶喪失、とか中身だけタイムスリップなんて単語が頭に浮かんだ。
まさかそんな、漫画やゲームじゃないんだからと否定したいが、目の前の現実はそうはいかない。
「お前はやっと休みだろうけど、これからつまんねえ用事で出掛ける恋人に気の利いた言葉一つ言えねえのかよ。お前ってさー、何年経っても本当変わんねえな」
「はい? 今……なんて?」
ここ一番の爆弾発言にあっけにとられながら。
おかしな声で叫びそうになるのをこらえて、なんとか聞き返した。
ゴーグルの前まで詰め寄ってきた垣根はそこでふと眉を寄せた。
よく見る不機嫌な表情とは少し違う。
心配そうな目をしている……かもしれない。
「俺今日仕事だぞ。あれ、言っといたよな?」
「いやそこじゃないっス。えっ、冗談ですよね? こいびととかまさ……か」
口にし終える前に、瞬間ゴーグルは悟った。
これはあれだ。
やってしまった。
それを聞いた垣根の顔が一瞬無表情になった気がした。
その後で唇がゆっくりと弧を描く様がなんだか死神の鎌にみえた。
それはそれはきれいにみごとに思いっきり地雷を踏み抜いた実感があった。
背筋にブワッと嫌な寒気を走らせて、引きつった笑顔のままゴーグルは立っているしかなかった。
537 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:48:06.21 ID:Pjr5JOri0
「ふーん。随分笑えねえジョークだな? お前にしては」
「あの、いや、なんか寝ぼけてて、あれー何言ってんだろ……すみません」
「なあ。俺は朝からすげームカついてんだけど」
「だってあの……俺っ」
ゴツ、と後頭部が壁にぶつかる。
元からどこにいたってなさそうだった逃げ場は完璧にゼロになっていた。
だが。
ゴーグルを追い詰めた垣根は何故か楽しそうに笑ってみせた。
「んなガチでビビんなよ。何それ。うっかりときめくだろ」
「ぎゃあっ!」
ベキャア! と垣根が手をついていた壁が砕けた。
ゴーグルの背中の後ろまで大きくヒビが入っている。
垣根は某第五位みたいな、他人をてっぺんから見下したいい笑顔をしていたが冗談ではない。
恐怖の壁ドンにゴーグルの頭は真っ白になった。
垣根の次の行動がまるでわからない。何だか話もいつも以上に通じていなくて。
ただただこの意味不明な状況が恐ろしかった。
事故とか襲撃とかんなかわいいもんじゃねえ、ここ? 俺ここで死ぬ? と心臓を縮み上がらせながら少年は震えだした。
その耳元に顔を近づけると垣根は静かに囁いた。
「『俺が悪かった、帝督ごめんなさい』って言ってみ。三回くらい」
「はい。えっと……」
「言えよ」
命令する垣根の声が低くなった。
ゴーグルは目を閉じると必死に声を張り上げる。
「俺が悪かったです。垣根さんごめんなさい。ごめんなさい!」
命じられたままにそのあと三回分繰り返すと垣根は腕を組んだ。
「うーん、そうだな。『帝督愛してる』って言ってみろ。百万回くらい。努力次第で考えてやってもいいぜ」
「えええ!」
おまけに考えてやる、だ。
そこまでしてもこの元(?)リーダーはあっさり許してはくれないらしい。
でもゴーグルだってしたくて怒らせた訳じゃないのだ。
なんでこんなことになったのか彼には覚えがない。
あってもそれは嫌だが、いきなりすぎてついていけない。
まるで夢でも見てる気分だった。
夢。
そのひらめきにゴーグルの少年はハッとした。
「なんだこの流れ……あれ、これ夢? ギャルゲ御用達な夢イベントだ? しかも垣根さん√?! なんだそれ誰得だよ!」
そう考えると何となく今までの展開にも納得できた。
覚えてないだけで何がどうおかしな世界線に突入したのか。
生涯ぼっち予備軍だったオタクの俺が暗部のリーダー(男)とくっついちゃったらしいです!なんて話よりはよっぽど。
夢オチの方が可能性と希望がある。
と言うかそうでないとわけがわからないよ。
未来設定の夢の中で新婚さんな二人がいってきますのチューや何やらを巡ってイチャコラする感じのイベントは漫画やゲームでもよくあるやつだ。
目がさめると遅刻寸前とか、登校前にその子とバッタリとかそんなオチのつくやつで。
ラブコメのテンプレってぐらいあるあるなネタの一つな訳ですが。
もし、そうで。
お約束の展開の流れ通りにするなら、垣根にはなんとか穏便に出勤してもらえば話は済むんじゃないか。
「いってらっしゃい」できれいにオチをつけるのが平和なやり方だと思いたい。
ドタバタは勘弁だ。
間違ってもラブコメ路線なんてもってのほかだ。
538 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:50:40.12 ID:Pjr5JOri0
「これから仕事なんスよね? ダメっスよいかないと」
「平気だって。俺一人抜けたくらいで回らなくなるなんて柔な環境も、ダメな部下もいねえから。
ある程度、トップ不在で動ける組織作りってのはしておかねえと。相変わらず下にいるのは無駄に年だけ食ってる奴らばっかだけどな」
何だか無駄に過去の背景設定の生かされていそうな台詞が出てきた。
一体どんな仕事をしてるんだろう、と興味はわいたが今はそこにかまっていられない。
垣根は、自分の機嫌を損ねたゴーグルになんらかの責任を取らせる為に仕事を休むつもりらしい。
機嫌悪いから休みます、だと小学生でもやらないサボりになってしまいそうだが。
この人なら平気でやりそうな気もするし、そのあと休んだ分くらいはしれっと挽回しそうでもある。
「えーっと……俺のせいで垣根さんの仕事にまで迷惑かけらんねえっス。そういうの、ちゃんと大事にして下さいっス。俺、ちゃんと反省しときます」
(これいけるんじゃねえ? 垣根さんを立てつつ、反省してますって感じで満点はいかなくても高得点なセリフだと思う!!)
よかったこれは現実じゃないぞと思った時点で、彼の心は少し持ち直していた。
ふだんの夢のようにただ見ているというよりは自分である程度行動できるかんじなので、ちょうどゲームでもしている気分だ。
ゴーグルの少年の好きなゲームの中では、途中でちょっとしたズルをすると次に電源を入れた時に彼女から怒られてしまうことがある。
最悪、スタート画面にさえ移動出来ないと言う目にも何度かあったことがある。
おまけにそう言う時に限って場所が電車の中や教室だったりするのだ。
不思議と、マイクでの解除ワードの催促をされても答えられないような悪いタイミングが重なる。
そんな時にゲームしてんじゃねえよ、と言う話は置いておいて。
今、この場合。
ミスると夢の中でもオフになる可能性がある。
ゲームの電源や何かよりよっぽど大事なものかもしれない。
夢だからって嫌なものは嫌だ。
悪夢はすすんで見たくない。今だって十分そんな状況だけど。
そして、夢だと言っても相手はあの垣根帝督。それを避けるには最大限の注意を払って対応しないといけないだろうとゴーグルの少年は直感していた。
愉快な死体エンド痴情のもつれ?バージョンはないと願いたい。
ゴーグルは最悪の目覚めから逃れるために一生懸命頭を下げた。
539 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:51:42.02 ID:Pjr5JOri0
「……お前がそこまで言うんならしょうがねえな」
垣根が仕方なさそうに頭を掻くと。
その後ろ。離れた床の上に白い点が現れた。
ばしゃん、と液体でも固体でもなさそうなものが大きく広がる。
白いその中から人型が生えてきたと思うと。
あっと言う間に目の前の垣根とそっくり同じ姿をした人物が出てきた。
着ているものも髪型も、もちろん顔も見分けがつかない。
『未元物質』で作られた偽物と言うことなのか。
それに向かって垣根は、気になっていた小さな汚れを片付けたような顔をして晴れやかに笑った。
「よし。俺の代わりに行ってこい。これ、今日のスケジュールな」
ぽいっと投げつけられたPDAを受け取ると二人目の垣根は画面を覗いて顔をしかめた。
ゴーグルの少年が夢の中(仮)だというのに驚いてしまうほど自然な、生き物のような反応だった。
「うわーオリジナルお前サボりかよ。こんだけ予定詰めといてよくぶっちぎるな」
「先方には愛想良くしろよ? ただでさえこっちが優位な話じゃ反感食らいやすい。精々向こうの顔くらい立ててやれ」
「何お前ら修羅場? それとも……えー、朝から随分元気だなテメェら」
垣根(その2)は垣根とゴーグルを呆れた様な目で見ていた。
「ばーか。まぁ、その辺はほら。こいつの今後の態度次第だな」
「はい?!」
心臓によろしくない不穏なワードが次々飛び出してくる。
だが、垣根は二人ともそれを無視した。
大したこともなさそうな、慣れきったような態度が逆に恐ろしい。
「面倒事人に押し付けといて何だよな。楽しそうでうらやましいぜ。久しぶりに血の雨の降りそうなやつかそれとも……
まぁ、どっちにしても後で俺も混ざっていいか。怠いし、幾つか削れんだろこれ」
「うるせえ。いいから行ってこい。手ぇ抜くなよ」
荷物を押し付けると垣根は蹴り出すようにして垣根二号を部屋から出て行かせた。
窓からじゃなくてよかったなあとかくだらないことを考えていたゴーグルの少年は。
何も事態が良くなっていないことにやっと気付いた。
「これでいいだろ。なんかさ、もう行く気なくなったわ」
遅かった。
せいせいしたろ、と笑う垣根は既に問題が解決したと判断しているらしい。
垣根の方はそれでいいかもしれない。
まさかの、気分で仕事の予定をぶっちぎってしまった。
いや。確かに現状で問題は何もないかもしれない。
垣根帝督(らしきもの)は出勤しているわけだし。
残っているのは、ゴーグルの少年がいかに最小限の被害でこの先のステージをクリアできるかと言う未知の課題だ。
それに備えて出来ることはまだあるのか。
「大丈夫だ、俺がしっかり数えとく。だからお前は余計なことなんざこれっぽっちも考えなくていいぜ。ただ俺を満足させりゃいい」
ラスボスはさわやかな笑顔でそう言った。
ここで何か抵抗できるか。
いや。そんなことしても、事態が良くなるとは思えない。
何よりすっかり垣根帝督のペースだ。
きっとこの先待ち受けているのは超能力者ランク『未元物質』の固有結界ステージだ。
「あの馬鹿が帰って来る前に済ましちまおうぜ。まぁ、勝手に増えるなって言っといたからあいつまで替え玉立てて戻ってくるってのはないと思いたいが」
「え。あの垣根さんっぽいの増えるんですか? 更に?」
「そうそう。それにあいつらはほら、俺と違って色々と……な?」
『未元物質』驚愕の新機能らしきものや、さっきからの同性に向けるには色々と問題ありそうな発言と無駄にいい笑顔となんかフェロモンっぽいのやらと、トドメに怖い台詞含みまくりなウィスパーボイスがゴーグルの少年に繰り出される。
丸腰のゴーグルの少年は隙のない垣根の連撃を前にして。
迎撃するにもこっちは弾幕張れない、回避もないしこれ着弾したらアウトだとゲーマーの勘で悟っていた。
なにより相手は垣根帝督。
大人しく従うしかないだろう。
今までも、if未来軸の夢でもそこは変えられないのか。
今までの常識ゲームオーバーの予感に彼のこれまでの人生がつまらないエンドロールになって浮かんできそうだった。
540 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:53:08.63 ID:Pjr5JOri0
「わぎゃぁぁぁあああああ! あああ、あ……あれ」
がばあっ! と跳ね起きたゴーグルはベッドの上でぜえぜえ息をしていた。
「夢……スか」
肩を上下させながら、少年は部屋の中を素早く見回した。
垣根大人バージョンはそこには居なかった。
部屋のなかは薄暗い。
さっきまでの出勤前の朝っぽい雰囲気もここにはなかった。
「よかったぁ……本っ当に夢でよかったー」
目が覚めた、ということはあのわけわからん空間は夢だったらしい。
これで無事だ。
一安心だ。
「あっちこっちおかし過ぎて、気になるっちゃー気になるけどあの場で深く考えたらそこで終わりな気がする。SAN直的な意味で」
手元にダイスが無くて良かった、振ったらがっつり持ってかれるやつだ、と呟きながら。
悪夢から無事目を覚ませたことに安心しきってゴーグルはベッドの上をごろごろ転がり始めた。
「何してんだか。お前も面白えな」
ドアの開く音と聞き覚えのありすぎる声にグギギギギ、とゴーグルは振り向いた。
ギリギリセーフなのか今度はよく知っている垣根の姿だった。
「目は覚めたか? 」
「かきね、さん? いま、俺の……」
スクール』に入ってすぐ、自己紹介の時に『ゴーグル』を見せたら次の瞬間にはあだ名が決まっていた。
それ以来、もしかしたらはじめてかもしれない。
自分の名前、なんてきっと一生で相当の数見て聞くものを久しぶりに呼ばれて。
ゴーグルの少年は日ごろの扱いとのギャップでうっかり泣きそうなくらい感動していた。
「何だよ。大袈裟だな。それよりハニーとかのが好みか?」
「え」
油断したとたんに雲行きがまた怪しくなった。
垣根が口にしたのは、ついさっきまでの夢の中を想起させる単語だった。
やばい。
これはやばいやつだ。
パターンの判別なんてするまでもない。
この流れはあれだ。
「私はまだ変形を残している」系のボスキャラや、アクションものやホラー映画のオチでよくある「終わったと思ったか? はっはーんまだあるぜ!」的な奴だ。
この場合、物語は一旦締められたように演出されているが、それは次の展開への伏線や次作への期待を持たせるものだ。
残念なことに、油断していたところをひきずり落とされたゴーグルの少年はその気配に恐怖と絶望しか感じない。
「嫌か? じゃあ、ダーリンとか後は……俺の天使? いや、流石にねえな。そんなことより」
「え」
「まだ九十九万四千二百七十三回分残ってるけど。どうすんだ? 続けんのか?」
「あーーー! そっちかぁあああ?!」
はっとして少年はベッドから駆け下りた。
垣根を押しのけてドアを開けた先にはまた広い空間。
そこはまたしても白い壁紙白い床。
見慣れない、白い部屋だった。
541 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 02:54:59.53 ID:Pjr5JOri0
「る、ループだ?! 終わってなかったのかよさっきの続きなのかこれどこだ二面か?
おまけに地味に減ってるってことはガチでやらなきゃダメなんスか、ノルマはスルー不可っスか?
そして俺はいつの間にそんなに言わされたんスか」
「何だ。やっと気付いたのか。じゃあお前まだそんなに飛んでねえの?」
ドアの前でへたり込むゴーグルの後ろで垣根はコキンと首を鳴らしていた。
「と、飛ぶって?」
「これ何回目だ、って話してんだけど。へえ、意外ともつもんだな」
「い、嫌だ……覚めない悪夢とかなんの冗談スか。つうかループしたってことは、前の俺はどうなった?
よくあるやつは特定のポイントでループだしあとは……死んでトリップコース? まさか……か、垣根さんに? とうとう俺も愉快な死体デビュー?」
「何だよ。あれ? お前それも覚えてねえのか。詳しく聞きてえか?」
一旦リセットすんのかこれ。いや、状況がわかってんなら最低限、背景設定くらいは頭に入ってそうだよな。
と意味のわからないことを呟きながら垣根は首を傾げた。
「それは気になるけど恐いので遠慮させて下さい」
「遠慮なんざしなくていいっつーの。んなことより、もっと大事なことに頭を使え」
「この垣根さんも前の垣根さんも設定とか何とかは諸々引き継いでらっしゃるのでしょうか?! その優しさが俺には怖いっス」
「別に優しさじゃねえよ」
「それでは一体なんなのでしょうか」
「真心じゃねえから下心、とか」
おっと。
ちょっと不穏な空気がやわらいだぞ、とゴーグルの少年は垣根のベタっぽいボケの振りに便乗してみた。
「でははい、そのこころは」
「えーと。恋?」
「垣根さんにしてはなんかベタすぎっスね」
「そこはスルーかよ」
危険なワードはあえて触れない。
下手に内部パラメーターでも変動して、会話がおかしな分岐に進んでしまっては困る、とゴーグルはノベルゲームにでも興じる気分で笑って返事をした。
「言葉あそびっスよね? そうですよね。ツッコんだら駄目な気がします」
「え? 何だって?」
「あー、いや。はい。スルーしました」
絶対に聞こえていたのに、狙い澄ましたようなおうむがえしで尋ねた垣根に、ゴーグルはあえて言葉を変えた。
その切り返しに垣根は感心したように、にやりと笑った。
「自分からの見え見えの振りをシカトかよ。いい度胸してんな」
「自己防衛本能っス。俺はチキンなんで運良く踏みそこなった地雷は全力で回避します」
542 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:02:09.71 ID:Pjr5JOri0
おい、とゴーグルに一声かけると垣根は隣に座ってきた。
「は、はい? なんスか」
「ん? いや、やっぱよくわかってなさそうだからさ。どうすりゃいいかヒントくらい教えてやろうか?」
大サービスだぞ? と人差し指をたてて得意げに言うが。
なんかもうノリがおかしすぎてゴーグルはぽかんとしていた。
「なんでこっち来るんスか?!」
「ほら、俺別にお前の敵じゃねえけどこう言うのが許されてんのかまではわからねえだろ。バレない様にこっそり聞けよ?」
そのまま内緒話をするように更に距離をつめてくる。
普段ならそこまで過敏にはならないだろうが、さっきまでの悪夢体験でゴーグルの少年はひどく怖がっていた。
「だからって近っ、顔近いっス!」
「デカい声出すなって。『総体』にバレんぞ」
「えっ。なんスかそれ。もしかして夢の平行ループ世界に散らばる垣根さんの中核が? じゃあその垣根さんに許して貰えたらこのおかしな夢も……」
「いや適当言ったんだけど。そんなの本当にあったのか。へえ、外に出て探してみるか?」
窓の外を指さして垣根はそんなことを提案したが、またしてもほっとしかけたところを落とされてゴーグルの少年はろくに話を聞いていない。
大慌てで垣根から距離をとった。
「なんで! 今! そんなテキトーな嘘吐いたんスか? ちょっと期待したじゃないですか」
「やたらビビってるお前に近寄るには、いい口実だろ? 何お前そんな引いてんだよ」
完全な棒読みで「うわー傷ついた。俺いますげー傷ついたぞ」と言っているのも、普段の垣根ならありえないふざけ方だ。
「やっぱこれ俺の知ってる垣根さんと違う」
「どんなもんかは知らねえけど。お前の知ってる俺ってのが、本当の俺なのか? どれだ? 『スクール』のリーダーの俺か? 『超能力者』の俺か? 他には何だ。何がある?」
皮肉めいた笑みをうかべると。
垣根はふと遠い目をして呟いた。
「そいつの何を、誰が本当にわかってやがるんだろうな」
ゴーグルの少年もオタクの端くれだ。
妄想とかそんなのは大好きだし、実は◯◯設定やもしもネタも笑って楽しめる。
だからって「何故か全力フルスイングで盛大にデレてくる垣根さん」とかはゴーグルの少年は嬉しくなかった。
なんかもうデレとかそんなちゃちなレベルじゃねえのはうすうすわかっていたが。
アクション映画やサスペンスの手に汗握る展開だって見ているからこそ面白い。
自分の身に降りかかってくるのは別問題だ。
もし二次元嫁推しキャラなら強制ラブコメ大歓迎オールオッケーこっちから三つ指ついてお願いしますでも。
実は垣根はホモだったんだよ! 世界は滅亡する!! とか言われたら世紀末の終焉の方に激しく納得同意してしまうと思う。
「なんスかねこの状況。いっそ楽にしてもらった方がマシなのか……
いや、もし死んでも戻るんならなんにもならないじゃないスか長引くだけっスよね。何がループのフラグだったんだ」
543 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:03:38.21 ID:Pjr5JOri0
ゴーグルの少年は悩みだした。
別におかしなものに触ったり、謎のゲートを通ったりバケモノの返り血を浴びたり。
時間や世界を移動する色んな装置を使ったり乗り物にも乗っていない。
世界を自分の意のままにする女子高生と交流なんかもしていない。
白くてウザいちんちくりんに何か願いごとをしたりもしていない筈だ。
それに、そう言う系のループなら何か便利そうなことや前回の記憶を持ちこしているのがお約束の筈だった。
そもそも夢の中身に理由なんてないのかもしれないけど。それにしてもいきなりすぎて訳がわからなかった。
早く目が覚めるのをまつ以外に対処も浮かばない。
夢だとわかっている夢の中でタイミングよくいまだ! Yボタン、とかすると現実世界に戻れたりするのだろうか?
「俺もよくは知らねえけどお前のことだ、大方俺の機嫌を損ねたんだろ。それがマズいって思ったんじゃねえのか」
「まさかそんなのが原因って……」
「否定出来んのか?」
「そんなぁ? だってここ俺の夢の中ですよね!?」
「そりゃあな。だが相手は垣根帝督だぞ? 俺にそんな理屈や、お前の常識が通じると思ってんのか」
根拠も説得力もないはなしだが、そう言われると何故か納得できてしまう気がするのは暗部組織でのあれこれに毒されているのだろうか。
別に垣根帝督個人はそこまで破滅的に傍若無人で非常識で血も涙もないクレイジーさんではけっしてないのだが。
「夢にしたってすげー理不尽なのになんかしょうがない気がする……垣根さんってすげーなー。えー。じゃあとりあえず、さっき聞いた一〇〇万回どうの…ってのがんばるしかないんスかね」
「まぁ、俺の不満を先に解消させた方がいいだろうな」
そう言うと、垣根はゴーグルをほっといてその場を離れた。
「さっきから随分余裕こいてるみたいだけど……そうやって口が利けてるうちに数稼いだ方がいいんじゃねえのか」
ベッドに腰かけながら垣根はゴーグルの少年を見下ろした。
なぜそこに? 椅子そっちじゃね? と思いながらゴーグルは垣根さんは何してるんですか、と聞いた。
「いや。どうせなら、特等席で聞いてやろうと思って。お前はそこで正座な。まだ」
まだってなんだろうと思ったが、余計なことはきっと聞かない方がいい。
探索者系の一般人寄りのジョブは下手に深追いするとすぐおかしくなって死んでしまうのがゲーム盤上のお約束だ。
長生きしたかったら手も口も出さずにスルースキルを磨いたほうがよさそうだった。
544 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:09:06.77 ID:Pjr5JOri0
「口にすんのはもう止めたのか」
「夢の中だからってそんな長時間愛を唱えて過ごしてたらうっかり事故りそうで嫌っス。なんか心理定規が前にそんな様なことをっスね……あとで目が覚めるからってToLoveるのは勘弁っス」
とりあえず、一〇〇万回の罰ゲームノルマを遂行中のゴーグルの少年だが言いはじめてみた解除ワードが予想以上に厳しかったので。
もう少し優しいやり方でなんとかならないかと垣根に相談してみた。
なぜかあっさりノートとペンが用意されたので、今は小学生の漢字の書き取りみたいなことを床の上でしていた。
「嘘から出た真って言葉があるよな。別にいいんだぜ、何か芽生えちまっても」
「殺意とか争いの芽とかは縁起でもねえっスけど。愛とかこの場で芽生えても何にもならないスよ」
「何もねえってことないだろ。そうなったらとりあえず、今の俺はしばらく退屈しないで済むだろうな」
「はぁあああ、何故ここにいる垣根さんはそんなに広くオッケーなんスか。
『俺と垣根さんがこう……口に出すのも憚られる感じの、夢の中の設定』の影響なんですか。そこを目指さないと旅は終わらないとかだったらどうしよう」
「なんだよ。そう言う方向性で行ってみるか? っつうかむしろ不満があんのか。顔も頭も良くて金もあって超能力者で、非の打ち所のねえ俺のどこが気にいらねえんだか。
あ。完璧過ぎるとだめってやつか? そればっかりはな。仕方ねえよ。天に二物も三物も与えられてるもんな、俺」
「それを自分で言っちゃうのが垣根さんっスよね。いやあの俺男はものすっごく守備範囲外です。フラグも圏外です」
「じゃあ女ならいいのか。そうだな、別に夢だしなんとか……あれ。お前女の方がいい?」
「そうだ。そうですそうでした。そもそも俺三次元はですね」
「アニメって幾らあれば作れんだ」
金かけるとワンクール数千万だっけ、億いくっけ? いや。垣根さんならリアルワールドでも、用意できたとか言いそうでこわいぞ、とゴーグルはビビッていた。
「えー、あの俺垣根さんのことは『スクール』のメンバー以上に見れないっスから。やっぱ無理ですって」
「お前なあ。ここ夢だぞ。何堅く考えてんだ。まぁ、それでもお前がそこまで言うんなら……仕方ねえ」
あーあ、と残念そうに言うと。
垣根は頭を掻いた。
「お友達から…よろしくな。幸せにしてやるよ」
「最後なんでカッ飛ぶんスか? なんで恋人ルートで完結しちゃうんスか他のENDはどこいったんスか!」
ものすごいファールを場外にぶち込んだ超能力者はものすごくさわやかに片手を差し出したが。
拳を握ったゴーグルの少年が握手に応じないのを見るとすぐにそれをポケットにしまった。
「何言ってんだ終わってなんざねえよ。俺達の活動はこれからが本番だ」
「だめだ。やっぱり聞いてくれない。俺の声は聞こえてるはずなのに話にならない。なぜだどうしてだ」
ただでさえ真偽のあやしい常識なんてものはここではカンナかけてやすりで削っておまけにロードローラーで轢きつぶされてしまったくらい粉々なのかもしれない。
「夢の中の垣根さん、あれっスか……あなたさまは実は男も大丈夫だーとかそんなのが……?」
現実ならもちろんばっさり否定してもらいたい質問だがどうしても、この夢の中が不可解すぎてつい聞いてしまった。
「男だから女だからってのは、そんなに大した問題か? そいつだから、って答えの前にはつまらねえもんだろ」
「夢にリアル世界の理屈を持ち出すのもなんスけど。違和感ハンパねえっスよ」
幅のありそうな返答にほっとしていいのか悪いのか判断に悩みつつ、ひたすらページを埋めながらゴーグルは新たな疑問をぶつけてみる。
「何でだよ。この俺がいいっつってんのにか」
「だって俺っスよ? 能力も大したことねえ顔も並みモブ・ザ・モブいいとこなしオタクで名無しのゴーグルっスよ?」
自分で言っててちょっぴり悲しくなる事実を告げるとベッドの上で暇そうに転がっていた垣根は起き上がって反論した。
「おい。俺のもんを馬鹿にすんのはたとえお前でも許さねえぞ」
「垣根さんかっこいー! じゃなくて! もうちょっとこう、具体的にですね。知りたくないけどきになるっつうか。俺のどこがそんな気に入られてんのかさっぱりなんで…」
545 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:12:24.56 ID:Pjr5JOri0
「何だよ。じっくり聞かせてほしいって?」
よーし、いいぞ、と。
何故かちょっと照れくさそうにしながら垣根はベッドから降りてきた。
慌てて、ゴーグルの少年は両手を広げてそれを止めた。
マイペースでいつでも俺のターン! って感じのこの人をうかつに近寄らせてはいけない。
そう直感した。
いつだったか心理定規の話を聞いておいてよかった。
何ていうか、相手の都合なんて最初からお構いなしな垣根は相手のテリトリーに踏み込んだら最後、すべて総取りでもぎ取っていきそうだった。
肩ポンで敵も味方もイチコロ、ワンパンキルみたいな。もちろん文字通りの意味でも。
「タンマっス。わかりました。下手に垣根さんの好感度が上がりそうなチョイスは俺の為にならないんですね。
藪から『未元物質』でソッコー詰むの怖いんでとりあえず見た目で! 顔は?」
「ほら、えっと……主張し過ぎねえ控えめなとこがお前らしくていいと思うぞ? なんとかは三日で飽きるっつーけどそんな心配もねえし。
いい意味で平均的なのはマイナスが少ねえってことじゃねえの」
イケメンにドヤ顔でそう言われてゴーグルの少年は肩を落とした。
何故か不思議と悲しかった。
「どうしてでしょう褒められてるはずなのに心が痛いっス」
「お前は自分でモブだなんて言うけどな。たとえ三〇〇人居たって俺はそこからお前を見つけてやるよ」
「……垣根さんて、すごいっスね」
「ゴーグル! って呼んでいい感じに返事すんのがお前だ」
「俺の、アイデンティティ……」
ゴーグルの少年はがっくり床に伏せた。
とどめの余計な一言がなければ。
ちょっと、いやかなり感動しそうだったのだが。
色々恵まれたハイスペックな人間ともなると、あんまり他人の外見に興味はないのだろうか。
「んなこといわれてもだな。じゃあさ。お前は女だとどう言うのがいいんだよ」
「そっスね。やっぱ大和撫子系の、守って応援してあげたくなるよーなのが。基本けなげ系で……髪は黒でロングがベストっスかねー。
ふわふわ系、頑張り屋さんもいいっスけど、ちょいネガちょい病みも全然。派生で毒舌とかもまあ。眼鏡はあってもなくても……あとは」
二次元キャラの個人的萌えポイントをずらっと並べてみたが、垣根はちっとも理解できなさそうな顔をしていた。
かと言って、それに具体的な作品とキャラ名をあげてわかるわかる超わかるー、と同意されたらそれはそれで激しく微妙だったが。
「簡潔にまとまらねえの」
「うーん……わかりやすく正反対なキャラ二派で分かれるやつなら…懐かしアニメのWヒロインでいくと、俺はこっちのアルビノ1st派っスね。
ハーフの2ndはちょっと……性格言動キツい子はあんま、ついでに金髪もそんなに嬉しくねえっつか中外ゆるふわタイプだとむしろ有りなんスけど、
傍若無人に蹴り入れてきそうなのはちょっと」
何かないか、と探したら都合よくズボンのポケットからスマホが出てきたのでゴーグルの少年はそれで画像を検索すると垣根に見せた。
そんなところは夢仕様で便利で助かった。
しかし、それをみた垣根の顔色がさっきまでとはまるで変ってしまった。
「テメェもあれか? やっぱ『第一候補』だよなってことか? ああ?!」
「はい? ちょっ、え、垣根さん?! 意味わかんねえけど……ごめんなさい!?」
背中から翼が出てきそうな勢いで怒鳴った垣根に、訳も分からずゴーグルの少年は頭を下げた。
「女の子の話でしたよね。垣根さん、一体何が地雷だったんだ?」
まさかリメイクででてきた三人目とかをちゃんと数に入れた方がよかったのか。
もっと違う最近の作品ならよかったのか。
何がまずかったんだろうとゴーグルは会話イベント失敗の原因に首を傾げていた。
546 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:16:11.49 ID:Pjr5JOri0
「ほら。そんなことより手が止まってんぞ? いいのか」
「不思議と手とかは疲れないんスけどこれ精神的にきます。気分転換にひらがなオンリーでもいいっスかね」
垣根の名前は地味に書きづらい上に画数が多い。
「いいんじゃねえの別に」
よし。じゃあほら、後ろにハートも付けろ。
とかすごく似合わないメルヘンなことを言われてゴーグルの少年はもう数えるのも嫌になるくらいのため息を吐き出した。
今まで彼の頭の中にあった「垣根帝督像」がガラガラ音を立てて崩れていきそうだった。
クールでカッコいい暗部のリーダーはどこにいってしまったのだろう。
ていとくあいしてる♡とかもう頭がおかしいとしか言いようのない文字の並び始めたページを見て垣根はちょっぴり嬉しそうだった。
なぜか、ハートマークだけじわじわと色が変わりはじめている。
視界の端で芸の細かい仕事がされているが最早そんなことに一つ一つ反応しているゴーグルではない。
そういったアクション一つにも消費されていそうな精神力的なものを温存しなくてはいけないのだと自分に言い聞かせていた。
(あれ、これ秘書艦に言われてるって思えば……いける? はっはっは、もう、俺ってば愛されてるなぁ)
とひたすら手を動かしながら妄想で逃避しはじめる始末だった。
「あれ。意外とルール緩いんスか?」
「いや、お前が勝手にはじめたんだろ」
「でも垣根さんだめなんていいませんでしたよね?」
「俺も待ってる間暇だし。これなら、話くらい出来るだろ」
おや?
と微妙な意見の食い違いに、怖くなってゴーグルは手を止めた。
彼は、「原因である垣根さんがいいって言うんだからやり方変えても大丈夫だろう」と思っていたのだが。
当の垣根はまるで責任感のないコメントをしている。
この差はなんだろう。
って言うか、こんなことしてていいのだろうか。
「……このノートとペンは?」
「お前がいるって言うから用意したんだけど」
「……この、愛のデスノートみたいになってるものはどうなるんでしょう。最後の審判的なので有利な物証になるんですか」
「さあ?」
「俺…何してるんだろう。え、この時間がまるで無駄だったなんて考えたくもない」
既に何ページもぎっしり文字で埋まったノートを前にゴーグルの少年は割と本気で落ち込んでいた。
時間をかけてこつこつ進めたゲームの報酬がなんかすげーしょぼいしおまけに中途半端で全然使えそうにない大外れだった時の心境に近い虚しさがあった。
「いや、うん。そんな落ち込むなよ大丈夫だろ? 多分だけどさ」
「じゃあ今何回分クリアになってます?」
「あー……良かったな。ちゃんと残り減ってるぞ」
垣根はちょっと慌てた様子で、落ち込みまくるゴーグルのフォローをした。
そして。何か確認しているのか宙をにらんで考えると、つまらなさそうにそう言った。
「……なんでそんな、残念そうに言うんスか?」
「きっとこれが全部済んだら、俺達がこうしてる意味もなくなるんだろ」
「垣根さん」
「なぁ。俺はさ」
「なーんて言っても騙されませんよ! だからなんですぐ距離を詰めようとするんスか。境界線! 境界線!! はーい、こっから俺の陣地ーー!!」
何か言いかけながらまた接近してこようとする垣根だったが。
白い床の上にペンでガーッと線を引きながらゴーグルは大声で騒いだ。
「チッ。だめか」
何らかの、きっとあんまり愉快じゃない目論見が外れたのか垣根は悔しそうに舌打ちをしていた。
547 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:19:00.77 ID:Pjr5JOri0
「よし」
「……あれって、聞いた方がいいんスかね。垣根さん、そんなとこで一体何してるんですか」
「来いよ」
さっきゴーグルが床の上に適当に引いた線の向こうでは、垣根が腕を広げた姿勢で座っていた。
「仰る意味がわからないのでスペックの低い俺にもわかる言葉でお願いしていいスか。出来たらやさしいにほんごでおねがいします」
「俺が行くのがだめならお前が来りゃいいだろ。ほら、受け止めてやるから」
「どうしてそこで俺がそっちに行く前提なのかがわからないんスけど。いや、キョトンとする所でもないと思います」
なんでお前こっち来ないの? って反応をされてしまった。
目を丸くして首を傾げる「らしくない」垣根の振る舞いにゴーグルはがっくり肩を落とした。
なんというか、ギャップが普段とありすぎてリアクションに疲れる。
「なぁ。お前ノリ悪いぞ」
「うっかりノリツッコミでもして取り返しのつかないことになったら怖いので。そして俺はページを埋めるのに今とても忙しいのです。
そんな訳で塩対応で失礼します」
一応、書き取り地獄が有効なことはわかったのでゴーグルの少年は一刻もはやくこれなんとかしないとって気持ちでひたすらペンを動かしていた。
「なぁ……暇なんだけど」
ペット禁止の学生寮住まいのゴーグルには未経験のことだが。
お猫様と呼ばれる生き物のお世話をしている人間は、何かやっていてもまともに作業をさせてもらえないらしい。
下僕がなにやら忙しくしていると、それが膝だろうがテーブルだろうが、たとえキーボードの上だろうがお構いなしにお猫様がよじ登って来て『相手をしろ』と邪魔をしてくることがあるというのだ。
不満そうに睨んでくる垣根を見たゴーグルはそんな話を思い出していた。
ギャグ漫画よろしくダイビングポーズで飛びかかってこられでもしたら色んな意味で瞬殺っぽいのでその点はありがたいのだけど。
なんでそんなことを思いついたのか。
第二位だけに、にゃんにゃんなのか。じゃあ一位ならわんわんだったのか。
ははは。猫とか洒落にならない。
今の状況を思い出して、そんなおかしなひとり連想ゲームの中身にNGのタグを脳内で速やかに追加した。
どこかに数値化もされていないし実感もないが疲れてきているのだろうか。
妄想脳内逃避も残念な感じになってきていた。
「そんなこと言われても一体何故こんなことになったのか……ってきっと俺のせいなのかもしれないけど
残りはネタをガチでやらせることにした垣根さんのせいっスよね。一〇〇万回ってマジっスか」
「その一〇〇万回だけどさ。お前このまんまで本当にいいのか」
突然真面目な顔をする垣根に、ゴーグルの少年も背筋を伸ばして話を聞いた。
「ここは夢の中だ。なら疲労しねえんじゃねえか、って想定で。お前が今まで通りちまちま数を稼ぐとする」
そこまで言うと垣根はゴーグルがもっているノートを指さした。
「やってみてわかったと思うが、声に出した方が断然早いだろ。一分間に三〇回なんとか言えたとして。
そのペースを維持して、それでも不眠不休で二〇日は掛かる計算だぞ? 不毛過ぎねえか。んなことやる意味、あるのか?」
僕とゲイ約して、ホモォ少年になってよ、みたいな無茶ぶりから。
今度は小学生にもわかりそうなさんすうのお話でいかにゴーグルが無駄なことをしているか説いて落としにきた。
「ぐぅううう。その根本はなんとかならないんスか根っこから問題は解決しないんスか」
「だから俺にはわからねえんだって。しらねーもんそんなの。もっとマシな解決法くらい自分で考えろよ」
「どっちだ……どっちの笑顔なんだこれ」
僕わかりません、みたいにいい笑顔をしてくる垣根は知らないふりをしているのか、本当にわからないのか。
疑念のこもった目を向けてもゴーグルにはさっぱり判断がつかない。
548 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:21:40.11 ID:Pjr5JOri0
「漫画だと段々スピードアップしてって、一日一万回の正拳突きとかも出来るようになっちゃうんだけどなあ」
「そうだ。それでちょっと思いついたんだけど。面白い話がある。まあ聞け」
「……なんですか」
「平均して十分に一回。一日で百四〇回『愛してる』とか『好きだ』って言う生活をすると一〇〇万回まで十年掛からねえんだよ」
「あれ。計算おかしくないっスか? そのハイペースでも二〇年は掛かりますよね」
「お互いに言いあえば数は半分で済むだろ。で? そんな生活ってのはどうだ」
何となく、いい感じのオチをつけようとしているのを察したゴーグルは垣根の発言を踏まえつつ、少し考えてから口を開いた。
「……幸せは倍、ってオチですか」
「そ。『一〇〇万回の……』って言葉は色々あるけど、何も大袈裟な例え話じゃねえ。実現可能な数字だって気がしてくるだろ。
十年なんて短いスパンで考えなくても人生ってのは長いんだしもっと緩く気楽にすりゃいい」
なんだ。お前ちゃんと上手いこと出来るんだな、なんでそれを使わねえのかわからねえ、とよくわからない独り言を言うと垣根は「面白い話」を終えた。
「はー。なるほど……じゃあ、一生の間に一〇〇万回のありがとうとかも聞いてるかもしんないっスね」
「で、どうだ。俺に養われる覚悟はそろそろ決まったか?」
がくっ、とそこで少年は肩を落とす。
「ああーっ! なんか女子にも受けそうないい話だと思ったのに!
意外と垣根さんロマンチックな話もできるんですね素敵! って思った途端にこれですよ。
そしてさりげなく最後すり替えないでくださいなんスか俺は何故に養われるんスか。最早対等だとかパートナーとかそんなレベルでもないんスか俺ペット枠っスか?!」
「だから幸せにしてやるって。俺が」
「俺の幸せは俺が決めます! 大丈夫っス!!」
このパターン何度目だろう。
頭を抱えながら。
そんなことが考えられるくらい、ネタ化したやりとりに段々慣れ始めていることにゴーグルの少年は悲しくなった。
流せるようになってきているのは夢の中での彼がいまのおかしな状況に順応している証拠だ。
この先ちょっとやそっと変な振り方をされても、座布団が狙える対応が出来そうなくらいだ。
だが気持ちのハードルが下がってきているのは、まだ笑えるレベルとは言え、振られるネタの傾向を考えてもあんまり良くないだろう。
「チッ……遠回しなプレゼンは失敗か」
「垣根さんって『ガンガンいこうぜ』な感じのゴリ押しパワータイプだと思ってたのに。何だか戦闘スタイルが変わってきてる気がする……垣根さんやっぱすげえ」
「なんだ。競争でもするか? 『ガンガンイ」
「余りにレベルの低いとこに反応するのはどうなんスか。小学生スか」
ゴーグルの言葉にかけて、垣根が下方面の問題発言をしそうになったが。
下らなさすぎてさすがに言い終わる前に止めた。
「あれっスよね? なんか『ホモネタっぽいこと言ってみたいなー』って言うやつですよね? そう言う設定で、ちょっとふざけてるだけですよね」
「いいのか」
「へ?」
「じゃあ、本気出してもいいのかよ?」
小さくため息をつくと垣根はその口元をつりあげて問いかける。
それに言葉を詰まらせたゴーグルの少年の全身からダラダラと嫌な汗が噴き出す。
凍りついたような反応に垣根が目をそらすと、ついさっきまでの圧迫感はなくなっていた。
へなへなと腰を抜かしたゴーグルはそのまま額を床に擦り付けた。
「すいませんでした俺が大変悪うございました」
549 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:25:15.76 ID:Pjr5JOri0
「少しは理解できたか? この状況でお前が平然と過ごせてんのは俺が遊んでやってるからだ。俺の広い心、俺の温情、つまり」
「つまり?」
「愛だな」
一旦ためて、もったいつけた後に垣根は見事なドヤ顔で言い切った。
ここしばらくの間に、ゴーグルの少年はすっかり見慣れてしまってありがたみが薄いのだが、ドヤ顔品評会とか決め顔選手権があったらグランプリを狙えそうないい表情だった。
「ああ。はい」
「あれ……そこ噛みつかねえな?」
渾身のいい顔と絶好のつっこみどころな一撃に、当然ゴーグルの少年のカウンターを期待していたらしい垣根は。
狙いが外れてちょっと困ったような顔をしていた。
一方、散々な垣根の言動をいまや軽くスルー出来るほどになってしまったゴーグルは修行中のお坊さんの様に静かな表情でうなずいた。
「はい。日本語として広い意味でみればその単語には特別問題がなさそうなんで」
「まぁ……いいや。俺の愛がちっとはわかったところで……おい聞こえないフリしても意味ねえぞ」
「いいえ。聞いていますよ」
「なら……感謝の一つくらいしたらどうだ」
「ありがとうございます垣根さん」
「どこでそんなの覚えたんだよ」
このタイミングで流れるような五体投地をするゴーグルの少年に。
今までさんざん押していたはずの垣根も若干引いていた。
仏教徒みたいなお礼では感謝の気持ちが届かなかったらしく。
垣根はもっと心に響くやつにしろ、とお礼の上乗せを要求してきた。
「で。なんでハグしろなんでしょうか」
「別にいいだろこれくらい。ハグなんて挨拶だろ? ははあ、お前もしかして俺のこと意識してんのか。
まぁ、仕方ねえよな。自分で言うのも何だが、俺は相当魅力的だ」
この自信はどこからくるのか。
垣根さんはこんなこと言うキャラじゃないはずだ、とゴーグルは思うが。
ナルシシズム溢れるセリフもなんだか似合ってしまうのは確かだった。
色んな時に使える魔法の言葉「但しイケメンに限る」は伊達じゃないらしい。
「いや? それはっスね」
「何とも思ってねえんなら……出来んだろ」
「思ってないっスよ? 思ってませんとも」
こんなやすい挑発に乗る奴はいない、と普通なら思うかもしれないが相手は垣根帝督なのだ。
ジャイ○ンがの○太の漫画を「貸せよ!」と言った瞬間にはもう奪い取っているように。
ここまで発言したからには要求でも挑発でもない、確認ですらない。確定事項なのだ。
主導権も決定権もゴーグルにはない、是非も無し。
「え。俺は顔見ながらしてーんだけど。お前、前から嫌なの?」
「顔見ながらハグってどうやるんスか。繰り返しますが、ハグっスよね。絶対間違いないですよね」
「うん。とりあえずは」
少し嫌な含みがあったが、素直にうなずいてくれたので良しとした。
別にまあ普段の垣根相手ならHAHAHAって感じで欧米ノリのハグくらい、何すんだコラと返り討ちにあわなければ出来ると思うのだが。
今この垣根に正面から近づくのは、野生のクマに背を向けるよりはるかに危険だとゴーグルの少年は感じていた。
「はいはい。お前って何気にワガママだよな。意外と度胸あるっつうかどっか抜けてんのかわかんねえけど」
じゃあバックで、と残念そうに垣根は言ったがゴーグルの少年は黙殺した。
ネタを振られた予感は悲しいかななんだかとてもしたが、今その相手をするとやばーいフラグ満載の地雷原で詰むことになる。
辺り一面まとめて吹っ飛んで、この様子のおかしな垣根さんに笑顔で骨を拾われるのは嫌だった。
ビシッと仁王立ちする垣根の背後に回って、ゴーグルは言われたように腕を回した。
長身の垣根とでは身長差があるのでなんとも中途半端な感じに終わり、ゴーグルの少年はげんなりした顔で手を放した。
「何だこの虚しさと敗北感」
「想像以上に……つまらねえんだけど」
こんなことしない方がよかったんじゃないかと言うくらい、不満そうな顔で垣根は首を振った。
550 :
>>201「ゴーグルに渾身のデレをかます垣根」
◆q7l9AKAoH.
[ saga]:2015/11/01(日) 03:28:50.03 ID:Pjr5JOri0
「せめて補う努力をしようぜ」
「いやこんなもんっスよね? 挨拶程度のサムシングに俺はいったい何を期待されてるんスか?!」
「じゃあ、ほら。交代」
そう言って強制的に立ち位置が入れ替えられる。
あまりこうして他人を近づけたことが無いのだと垣根は言った。
日本人ならそうそうこんな風にハグとか、よっぽどふざけてないとしませんよねーとゴーグルは返したが。
そう言うことじゃねえよ、と呟くと垣根は肩のあたりに顔を寄せた。
「どこ行っても厄介な実験動物扱いだったからな。昔っからさ」
「垣根さん」
「……何だよ」
「なんかめっちゃ当たるんですが」
「んー? 何が」
「耳に、息が! つうか話の途中で息を荒くしないでください!!」
「なんつーんだっけ。こう言うの。やると喜ぶんだろ? ……えっと、『耳つぶ』?」
「垣根さんがおかしな流行に毒されてる?! っつうかこれもうハグじゃないっスよね? ホールド寸前っスよね俺。ブレーク! ブレェエエエク!!」
ゴーグルの少年は自分の胸の前まで回された腕を激しくタップしてタイムを要求した。
「なんだバレたか。いい作戦だと思ったんだけどな」
垣根はケロっとした顔でターゲットの確保に失敗したことを笑っていたが。
難を逃れたゴーグルの少年はまだ嫌な鳥肌が…と腕をゴシゴシさすっていた。
「けどまぁ、いいニュースだ。お前がひっついてる間の愛してるPはちまちま言ってる時より数倍早く増えたぞ。試してみるか?」
「悪いニュースの間違いっスよね。何スかその、課金扇動みたいな露骨な追加システム。せめてその恐怖のなんとかポイントを可視化してもらえないことには。どんなもんかわからないのにそんなこと出来ねえっス」
「別に何か減る訳じゃねえだろ」
こいつ何マジになってんの? と言われそうだがゴーグルの少年はそこはきっぱり断った。
「形は無くても俺のだいじなものが減る、そんな気がするので。お断りします」
「仕方ねえなぁ。これでいいのか?」
「ああ、垣根さんの機嫌が『悪くねえ』だと高ポイントで『ナメんな?』だとゼロ、『上出来だ』なら更に追加でボーナスなんですねって、何でコマンド結果表まで作られてるんですか?」
突然どこからかニョキニョキ現れたボードは白かった。
ひょっとしなくても、メイドイン『未元物質』のようだ。
そこに出ている表によるとトータル一〇〇万のペナルティ分を、なんとかごにょごにょポイントを増やすことで相殺出来るシステムらしい。
ゴーグルの少年はそりゃもうがんばったのだが、まだ半分以上ポイントを消化しなくてはならないようだった。
「あれ。でも思ったより減ってるんスけど。俺いったいどこでそんなに稼いだんだ?」
そう尋ねると、垣根は「今までもそれなりに楽しかったからな」
と言って笑った。
「俺が飽きて来るといい結果は出なくなるから工夫しろよ。お前、こう言うの好きだろ?」
「思考停止でひたすらタップはダメってことスか。いやいや、ここは地道に頑張らせてください」
「まぁいいぜ。どうせ楽な方に流れちまうんだから」
「恐ろしい予言はやめてくださいっス」
「今はな。すぐに勝利宣言をしてやるよ」
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