幼馴染「10年後の8月に・・・」

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612 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 00:22:10.15 ID:ymsSpvG60
幼「ふぇ!?」

友「うぉいびっくりした、何でお前が一番驚いてんの?」

男「す...すまん、ちょっと気が動転して」

幼友「それで?あのカラスまだ生きてるけどどうするの?飼い主さん?」

男「あ、あーそうだなー。まったく一体どこで拾ってきたんだー。森に返してあげないとなー(棒)」

男「というわけで!俺はいろはと一緒にカラスを返してくるから!先にお肉食べて待ってて!」ダッ

友「お、おい...行っちゃったよ」

幼友「なんかすごい怪しかったけど...どうする?」

幼「どうでもいいのでお肉焼きましょう。お腹が空きました」

友「お、おう...それでいいのか幼馴染...」
613 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 00:22:40.31 ID:ymsSpvG60
男「ゼェ...ゼェ...この辺でいいか。それで、詳しく話してくれ」

いろは「詳しくも何も、枝拾ってたらこのカラスが呑気に寝てるのを見つけたから、拉致ってきたのよ」

男「なるほど...いや何も分かってないけどさ。とりあえず絵面がアニマルプラネットだから人型に戻ってくれ」

いろは「はいはーい...と、これでいい?」ボンッ

男「...コスプレした女の子がカラスの首を鷲掴みにしているシュールな光景になったでござる」

いろは「あんたも同じようにしてあげましょうか?」イラッ

614 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 00:23:29.87 ID:ymsSpvG60

男「それで?そいつは本当にあの八咫烏なのか?ってか生きてるのかコイツ?」

いろは「気絶してるだけよ。そもそも押さえつけて羽交い締めにしただけだし。というより最初から弱ってたわ」

男「弱ってたねぇ...こいつは人型にはなれないのか?」

いろは「使獣だし勿論なれるわよ。する?」

男「え?できんの?」

いろは「ちょっと待ってなさい」

いろはが気絶しているカラスに手を当てる。
優しい光がカラスを包み込んだ瞬間、大きくなった体がドサッと地面に落ちた。
615 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 00:24:13.52 ID:ymsSpvG60
男「うわマジだ...」

現れたのは黒い作務衣のような服に、地下足袋を履いた黒いショートカットの女の子であった。
一つ普通の人と違う点は、その背中に伸びているカラスの羽だ。

彼女は気絶している上に、人化の衝撃で少し服が乱れている。
っつーかこれ完全に...

いろは「おぉーっと!野生のポリスメンがっ!!」

男「てめぇ通報はやめろやぁ!!つか、おまえがやったんだろ!」

いろは「ヤッたとか...ごめんなさい、私ノーマルなんです」

男「知らねぇし、いらねぇよその情報...誰得だよ」

いろは「そっか、男はあれだもんね。うんうん良いと思うよ。あたしは気にしないからさ。友君と仲良くね」

男「ホモじゃねぇし。てめぇこの野郎犯すぞ」

いろは「野郎犯すだなんて...やっぱり!!」

男「だーっ!もういいんだよこの話は!!とりあえずこの子の服装の乱れを何とかしてくれ」

八咫烏「...目が覚めたらなんかやべぇやつに囲まれてるッス。貞操の危機ッス」


616 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 00:26:14.14 ID:ymsSpvG6o
今日はもう寝る
クリスマス暇だから頑張った(白目
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/26(月) 01:38:47.56 ID:5P4PWBQb0
久しぶりの更新ありがとう。
見てるからこれからも頑張って!
618 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 21:03:26.30 ID:ymsSpvG60
男「お、目ぇ覚ましたか」

いろは「とりあえずあんたには色々聞きたいことがあるんだけど」

八咫烏「え?え?なんで人型になってるッスか?どうなってるんスか?っていうかあんたは...あ」

男「ドーモ。カラス=サン。男です」

八咫烏「...」ダッ!!

いろは「あ!逃げっ...」

男「...」ヒュン!

ドスッ...パラパラ...

八咫烏「ぴゃー...」ヘタリ...

いろは「鉈って投げても木に刺さるものなのね...もう数センチでグロ画像不可避だったけど」

男「おいおい...そうはしゃぐなよ...」ユラァ...

男「また会えてうれしいぜぇ?」ニッゴリ

八咫烏(あー、ここでウチ死ぬんスね)
619 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 21:04:14.76 ID:ymsSpvG60
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八咫烏「あのー、ほどいてもらえないッスかね?」

いろは「あんたが逃げようとするからいけないんでしょ?...にしても縛るの上手ね」

男「おう、ロープワークは得意分野だ」

いろは「それにしたって、もう少しまともな結び方は無かったの?女の子相手にガチで縛るって...色気も何もないわね」

男「相手は使獣だし念には念をな。ってか色気のある縛りってなんだよ。亀甲縛りでもやれってか?」

八咫烏「地味に関節が痛いんスけど...はっ!?さてはこのまま性的に乱暴するんスね!?エロ同人みたいに!!」

男「おっと、何騒ぎだしてんだこのアホは」

八咫烏「でも無駄っすよ!何をされたところでウチは負けないッス!!」

いろは「ぐへへ、口ではそう言ってもこっちのお口はどうかなぁ?」

八咫烏「こんな屈辱を味わうなんて...くっ...殺せ!」

いろは「ほぅら?ここか?ここがええのんか?」

八咫烏「悔しい!でも感じちゃう」

男「...おまえら実は仲良いだろ」
620 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/26(月) 21:04:56.72 ID:ymsSpvG60
八咫烏「とまぁ冗談はここまでにするッス」

男「お前が仕切るのかよ」

いろは「男、やっぱ亀甲縛りにしましょう。味気ないわ」

男「お前はちゃんと仕切れよ」

八咫烏「ぶっちゃけもう体力的にも限界なんで、逃げるのは諦めてるッス。こんなトコで脳漿炸裂ガールにはなりたくないッスし」

男「...こんなことお前に聞くのもあれだが、なんでそんな疲弊してるんだ?」

八咫烏「あー、ウチもよく分かってないんスけど、普通に飛んでたらいきなり猛禽類達に襲われたッス」

男(絶対大黒PAの皆さんだ...)

八咫烏「あいつら本気で撃墜しようとしてたッス...木の葉落としとか初めて見たッス...」

男「零戦かよ...」


621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/12/27(火) 23:41:49.04 ID:BpeSvBjp0
待ってました!
622 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 00:48:07.02 ID:0czZ6klc0
八咫烏「それで、ウチは何を話せばいいッスか?」

男「なんだよ、やけに素直じゃねぇか」

八咫烏「今のウチじゃ二人から逃げれそうにないッスからね。別に隠すことも無いッスし」

男「じゃあ...とりあえずお前は誰だ?なんで俺を殺そうとする?どうすれば俺達は助かる?」

八咫烏「とりあえずって言ったくせにガッツリ聞くんスね。まぁいいッスけど」

八咫烏「ウチは八咫烏。死神の使獣、黄泉への案内係ッス。男様を殺す理由ッスけど...仕事?ッスから?」

男「なんでクエスチョンなんだよ。つーか、なぜに様付け?」

八咫烏「ウチは使獣で男様は姉御のお気に入りッスから。当然ッスよ」

男「おい、コイツの方がしっかりしてんだけどどゆこと?」

いろは「八咫烏は情報通でもあるくらい勤勉よ。あんたなんか足下にも及ばないわ」

男「てめぇがしっかりしろって揶揄してんだよアホ」

八咫烏「...お腹が空いたんでとっとと終わらせたいんスけど...」

623 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 00:48:47.52 ID:0czZ6klc0
八咫烏「なんでか知らないッスけど、姉御は男様にえらく執着してるんスよね。だから幼馴染様を殺して男様も殺したいんスよ」

男「ちょっと待て、なんで俺が執着されると幼が殺されるんだ?無関係じゃねぇか」

八咫烏「そうっすねぇ...男様、人間は死ぬとどうなると思うッスか?」

男「あ?...どうだろうな、考えたことねぇけど」

いろは「幸福感や達成感、満足感を持って死んだ人間は天界へ...絶望や恐怖みたいな負の感情を多く持って死んだ人間は死神に召集される」

八咫烏「さすが神の使獣ッスね、その通りッス。ウチはその召集係みたいなもんなんスけど...満足した人間はそのままキレイにリセットされて次の生に転生するんスよ。輪廻転生って言うんスかね?
でも負の感情が多い魂が次の生に移ろうとすると、拒絶反応とか色々問題がでるんスよね。まぁ悔いとか未練タラタラッスから、当然っちゃ当然なんスけど。
んで、そういう奴は一回死神...ウチの姉御ッスね、のところに集めて、浄化してあげたり悔いを無くしたりっていうクッションが必要になるんスよ。所謂成仏ってやつッスかね。
だから逆に幸福のまま死ぬと姉御んとこにはいけないんス」

男「だから、それがどう幼の死と俺が殺されるのに関係するんだよ」

八咫烏「あー...もともとの原因は...ウチよりそこのキツネさんに聞いた方が早いんじゃないッスかね?」

いろは「...」
624 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 00:49:14.62 ID:0czZ6klc0
男「...なんか知ってるのか...いろは」

いろは「...10年後のあの日、あんたは死ぬ予定だったのよ」

男「...は?」

いろは「...ねぇ男?今のあんたにとって、一番避けたい事ってなに?」

男「そりゃ俺が死ぬことと...幼が死ぬことだ」

いろは「そう、あんたにとっての一番の絶望は幼ちゃんが死ぬこと。10年後のあの日、偶然にも幼ちゃんの事を深く思い出してしまったあなたは...あの後自殺する予定だったの」

男「...」

いろは「たまたま見ていた夏の風景画...写真...そういったものがあなたを絶望に追い立てた」

八咫烏「んで、無事に自殺した男様は晴れて姉御とご対面。男様の魂は永久に姉御の側にっていうハッピーエンドのはずだったんスけどねぇ」

男「...生の神が俺を10年前に飛ばした事でそれが叶わなくなった上に、幼が生き続ける事で俺は死神に会わなくなる可能性がでてきた...と」

八咫烏「理解が早い人は好感持てるッスよ」

いろは「...」ギロッ

八咫烏「じょ、じょーだんッス」
625 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 00:49:55.27 ID:0czZ6klc0
男「でもなんでわざわざお前に殺させる?死神ならもっと簡単に殺せるだろ?」

いろは「前に海でも言ったけど、あんたはこの世界にとってのイレギュラーなの。あんたの行動、思想、生死はあんた自身でしか干渉できないわ」

八咫烏「姉御は今の男様には手も足も出せないッスからね。だからウチが呼び出されてるんスよ」

八咫烏「ほっとけば幼馴染様は死ぬ運命、そう知りつつも先に自分が死んでしまえば男様はきっと悔やむッス。だからこの際どっちが先に死んでもいいんスよ。
こうなると邪魔をしてくる男様を先に殺す方がてっとり早いんス」

そう言ってケラケラと笑う八咫烏。
見た目はただの女の子だが...かなり危険だ。
626 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 00:51:46.27 ID:0czZ6klc0
...なんでこんな話になってんだ?
これちゃんと収集つくのか俺ぇぇ...
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/29(木) 08:29:57.42 ID:I4f+ZRmy0
>>626
どうしたんだろうね
頑張ってけろ
628 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:08:44.85 ID:0czZ6klc0
男「それにしても...なんでそこまで俺が狙われにゃいけないんだ」

八咫烏「それはホントに知らないッス。姉御もそれだけは頑なに教えてくれないッスからね」

男「なんか心当たりはねぇのかよ?」

八咫烏「強いて言うなら...愛ッスかね」ドヤァ

男「重いよ...これが愛なら愛なんていらねぇわ」

八咫烏「まぁこうは言ったッスけどね?ウチはあんまり男様をどうこうしようとは思ってないんスよ?」

男「はぁ?」

八咫烏「ウチらは本来死んだ魂を受動的に受け入れるだけ。能動的に殺すなんて事はしないんスよ」

男「じゃあお前としては俺を殺すのには抵抗があると?」

八咫烏「あー、抵抗はないんスけど...正直規定の業務外なんでめんどくさいッス。殺すのも別に得意じゃないッスし」

男「なにこの役所仕事臭」

いろは「神の仕事なんてそんなもんよ。基本的に管轄外はノータッチだから」

八咫烏「大体これって出張手当付くんスかね?完全に職員を私用で使ってるんスけど」

いろは「あたしの場合は時間外業務に含まれるっぽいのよね。貰えるのは本来より全然少ないけど、大事な時以外自由にしていいみたいだし」

八咫烏「あー、やっぱそうなんスか。でもウチ来月厳しそうなんスよね」

男「おーい?なんで上司の愚痴話しになってんの?なんならもう居酒屋行くか?」
629 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:09:16.10 ID:0czZ6klc0
いろは「それで、こいつはどうするの?」

男「とりあえず野放しにはできないな...いつ殺されるか分からないし。お前の不思議パワーで何とかできないのかよ」

いろは「無理よ、そんな都合のいい術なんてあるわけないじゃない」

男「えー...殺すわけにもいかないし困ったな」

いろは「そう?カラスに戻してあげるから首落としちゃえば?」

男「女の子になってるトコ見ちゃってるからなぁ」

八咫烏「会話の内容がドン引きッスけど...」
630 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:09:50.69 ID:0czZ6klc0
八咫烏「とりあえずこのままだとヤバそうなんで、抵抗させてもらうッス」プチッ パラパラッ

男「ロープが...そうか、鉈を放置したのは失敗だったな」

八咫烏「申し訳ないッスけど男様、仕事なんで死んで貰うッス」ダッ

いろは「!?...男っ!!」

八咫烏「えいっ!!」ヘナヘナ

男「...?」パシッ チョップ!

八咫烏「ヘブッ!?」バタン

男「...」

いろは「...」

八咫烏「...」シーン

こいつ...めっちゃ弱ぇ...
631 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:10:28.89 ID:0czZ6klc0
八咫烏「うーん...ん...あれ?」

いろは「あ?やっと目を覚ましたのね?」

八咫烏「あ、おはようございまッス。ところで、なんでウチは膝枕されてるんスか?」

いろは「河原にそのまま寝かせるわけにもいかないから、お前の夢と脂肪がつまった太ももを枕にしてあげろって男がね」

八咫烏「男様がッスか...当の本人はどこにいるんスか?」

いろは「ほら、あそこでバーベキューしてる最中よ。幼ちゃんと友君と幼友ちゃんの4人で」

八咫烏「通りでいい匂いがするッスね...空きっ腹には拷問ッス」

いろは「あとでお肉貰ってきてあげるから我慢しなさい」

八咫烏「...ウチはどうなるんスか?まさかあそこにお肉として並ぶッスか?」

いろは「んなエグい事しないわよ...一つ聞きたいんだけど、男に襲いかかったときって全力?」

八咫烏「あれが精一杯ッスよ。確かに疲労困憊してたッスけど、全力とあんまり変わらないッス」
632 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:11:00.56 ID:0czZ6klc0
いろは「それでよく襲いかかろうと思ったわね...」

八咫烏「ワンチャンあると思ったんスけどね。でも殺しなんてやったことないッスし、体術もかなり苦手なんスよ。そもそも直接殺せる技術があったら、最初っから瓦なんて落とさないで
直接殺りに行ってるッス」

いろは「そう...なんというか、同情するわ」

八咫烏「だからウチに出来ることはせいぜい事故死を作り上げることっす。これもかなり条件縛りがあってキツイんスけどね」

いろは「そう...じゃあ心配事は杞憂だったのね」

八咫烏「ん?なんスか?」

いろは「まぁあれね...先に謝っておくわ、ごめんね」

八咫烏「え、ちょっと待って下さいッス。なんで謝るんs男(お、起きたのか八咫烏)...へ?」

男(そろそろ肉持ってっていいぞ。ここに皿置いとくからな。あと箸も)

八咫烏「...なんで契約してないのに男様の心の声が聞こえるッスか?」ダラダラダラ

いろは「あははー...あのね?流石に強襲みたいなのが何回も続くと大変だし面倒だから...じゃあ契約しちゃえば意志疎通できるから強襲はできなくなるんじゃない?って言ってしまいまして...」

八咫烏「も...もしかして」

いろは「寝てる間に血を飲ませて...」

男(あーそうそう、俺の身の安全の為に契約させてもらったから。よろしく)

八咫烏「....なぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

633 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:11:34.73 ID:0czZ6klc0
男(あれ?まずかった?)

八咫烏「まずかったもなにも!そんなの強姦と同じッス!レイプッス!睡姦ッス!!」

男(おいこら、人聞きの悪いこと言うな。身体にはほぼ触れてねぇぞ)

八咫烏「わー!ウチはじめてだったのに!寝てる間に無理矢理なんてひどいッス!!」ワンワン

男(...なんだろう、部分的に合ってるだけに反論しにくい)

八咫烏「ひどいッス...鬼畜ッス...」グスグス

いろは「あーあ、女の子泣かしたー」チラッ

男(おめぇが提案したんだろうが!!なに?そんな重大な事だったの?なんかごめんね?マジで)

634 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:12:02.90 ID:0czZ6klc0
八咫烏「まぁ別に契約自体は大したことないんスけど...男様と契約したなんて...姉御にばれたらなにされるか分かんないッスよ...」ビクビク

いろは「あー、そっちの心配ね」

男(契約したのってやっぱバレるもんなの?)

いろは「今年は平気だけど...来年の更新の時には書かないといけないからバレるわね。保険もちょっと変わるし」

男(なんだよ更新って...免許かよ)

友「んー?どうした男?渋い顔して」

幼友「もしかしてまだ生だった?ごめんね」

男「あぁ、ぜんぜん大丈夫。言い焼き加減だぞ」

幼「ヤマメ...おいしいです」ハフハフ

男「もっとゆっくり食えよ...こぼれてる、すげぇこぼれてるって」
635 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:12:33.49 ID:0czZ6klc0
男(まぁこの話はまたゆっくりしよう。とりあえず今は腹ごしらえだ)

いろは「じゃああたしは肉とってくるから、もう普通に座れるわね?」

八咫烏「あー、申し訳ないっす。ふとももお借りしましたッス」スクッ

幼「男君、このお肉は何肉ですか?」

男「あー?多分シカの背ロースだな」

幼友「魚以外と美味しかったわね。友、もっと釣ってきなさいよ」

友「もう勘弁してもらっていいですかね...」

男「そういえばさっきフレッシュなクマ糞あったから気をつけてね」

幼友「...どうやって?」

幼「男君、クマっておいしいですか?」

男「俺は食ったことないけど、美味しいって話はよく聞くな」

友「あれぇ?ここに置いといた肉、誰か知らね?」

幼友「自分で食べたんじゃないの?」

友「そうだっけぇ?」アレー?

八咫烏「ウチはシカよりイノシシの方が好きッス」

いろは「それって大抵の人がそうじゃない?」

俺を殺しにきたカラスがいたり。
そいつがとんでもねぇ運動音痴だったり。
色々あってそいつとも主従の契約を結んだりしたけど。

日常は何も変わらずに進んでいく。

渓流の魚だけが、流れに逆らって力強く泳いでいた。

636 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:13:04.94 ID:0czZ6klc0
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ガラガラ

鉄砲屋「いらっしゃい。おや?」

ババ「世話になってるねぇ鉄砲や」

鉄砲屋「いえいえ、いつもご贔屓にしていただいて感謝の極みです」

ババ「銃のことはあんたに任せておけば間違いないからねぇ...またよろしく頼むよ」

鉄砲屋「イッヒッヒ、そりゃありがたい。それで本日は何用ですかな?」

ババ「...一つ注文がしたい」

鉄砲屋「弾頭ですか?火薬ですか?それともパーツ?」

ババ「いや...ライフルを一丁」

鉄砲屋「...詳しく聞きましょう」
637 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2016/12/29(木) 22:13:46.07 ID:0czZ6klc0
今日はここまで。
明日は飲み会だから多分更新できない。
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/30(金) 03:07:31.89 ID:3Sg97EJWo
おつおつ
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2016/12/31(土) 14:58:45.36 ID:9XZTeIPA0
どんどん話し膨らんでいくなww
640 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/01/01(日) 20:50:15.57 ID:XD6K+CcE0
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男「ただいまー」ガラガラ

いろは「あれ?おばあちゃんは?」

八咫烏「おじゃましますッス」

男「そういえば鉄砲屋行くって行ってた気が。もう幼もいないから人型になっていいぞ。八咫烏はまず風呂入ってこい」

八咫烏「あ、すんませんッス。お先にいただきますッス」テクテク

男「あいつの部屋着も俺の着なくなったジャージでいいか」ナタカタズケ

いろは「パンツは?幼ちゃんの着替え用はあたしが使っちゃってるけど」テアライ

男「それはばーさんに言ってあるから買ってきてくれてるはず」

いろは「そう」

男「...」モクモク

いろは「...」テキパキ

八咫烏「いやおかしいッス」ガラッ ホクホク
641 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/01/01(日) 20:51:02.14 ID:XD6K+CcE0
いろは「随分早いわね。ちゃんと洗った?」

男「おめーが無駄に長風呂なんだよ」

八咫烏「いえ、しっかりいただいたッス。ありがとうございましたッス。...いやそうじゃなくて」

男「...?」

八咫烏「なんで男様を殺しに来たウチが、男様の世話になってるんスか?おかしくないッスか?」

男「あー、俺としては知らないトコでうろうろされたり画策される位だったら、目の届くとこにいて欲しい」

いろは「そうよ。それにほら...」ポン

八咫烏「?」

いろは「世の中には抹殺対象にたいやき一つで懐柔されちゃう宇宙一の殺し屋だって存在するんだから」ニコッ

男「お前神様のマンガこっそり読んでるだろ。悪いががトラブルだけはおこすなよ」

642 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/01/01(日) 20:53:43.56 ID:XD6K+CcE0
あけましておめでとうございます。
がんばって今年中には絶対終わらせます。ほんとです。たぶん。
みなさんのコメや応援、とっても励みになります。
今年もよろしくお願いします。

>>639
もう自分が一番困惑してる
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/06(金) 00:31:31.49 ID:Wl6QhnjE0
頑張れよ
今年中にとは言わんが完結させなかったら恨むからな
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/06(金) 22:40:47.80 ID:235p+7+U0
お、これは結構面白いオリジナルss
まあ俺もみんなには頑張ってもらいたいと思ってるけどねー
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/06(金) 22:51:10.92 ID:73/6bYQA0
age荒らしかよ
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/01/31(火) 00:45:57.45 ID:yw19oQVr0
続きまだ〜?
647 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/02/13(月) 20:05:20.83 ID:Cx3yNoNmO
ばば「ただいまー...あ?」

八咫烏「あ、お帰りなさいッス」ウィーーー

ばば「...あ...ありのまま 今起こった事を話すぜ!家に帰ったと思ったら黒い羽の生えた女の子が掃除機をかけていた...な...何を言っているのかわからねーと思うが、あたしも何が起こっているのかわからなかった...頭がどうにかなりそうだった...ダイソンだとかルンバだとかそんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…」

男「残念ながら時間止める系の能力は持ってないぞ」

八咫烏「風を操る程度の能力はありそうッス」
648 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/02/13(月) 20:06:50.27 ID:Cx3yNoNmO
――――

男「っつーわけで、一匹増えるけどいいか?」

ババ「...事情はわかった。けど大丈夫なんか?」

男「あーあれだ。こいつに直接殺される心配は皆無だぞ。デコピンでも勝てる」

八咫烏「さすがにそれは弱すぎないッスか?」

いろは「実際そんなもんでしょ」

八咫烏「普段はデスクワークしかやってないッスからねー」

ババ「まぁ二人が受け入れてんならいいかぇ。これからよろしくね」

八咫烏「なんかホントに申し訳ないッス。お世話になります。ウチに出来ることがあれば何でも言って下さいッス」

いろは・男「「ん?今何でもって言ったよね?」」

ババ「うるせぇ」
649 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/02/13(月) 20:07:19.88 ID:Cx3yNoNmO
ばば「しかし、殺しに来たことを除けば一番真面目そうだぇ」

八咫烏「いえいえそんなことないッスよ。でもありがとうございますッス」

ばば「その様子じゃずっと掃除してくれてたんだろ?お茶でもいれようか」

八咫烏「あ、ウチがやるッスよ。おばあちゃんは座ってて下さいッス」

ばば「そうかい?ありがとねぇ」

男「俺コーヒー」

いろは「あたしはクワトロベンティクラシックキャラメルバニラアーモンドヘーゼルナッツアドジェリーエキストラチョコレートチップエキストラチョコソースエキストラキャラメルソースエキストラホイップエキストラシロップノンティーダークモカチップフラペチーノ」

八咫烏「ねぇッス」

男「あるよ」

八咫烏「あるんスか!?」

ばば「いやねぇよ」
650 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/02/13(月) 20:08:50.29 ID:Cx3yNoNmO
ここ最近家にすら帰れてない
少ないけど更新
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 20:23:36.70 ID:y7LAsx92o
やっと追いついた……
男のCV杉田感と幼のCV水瀬いのり感
応援してるぜおつおつ
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/02/16(木) 23:17:14.61 ID:rdeoh0TA0
完結十年後説ホントになりそう
653 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/02(木) 23:32:51.67 ID:hlXPWo1No
ばば「〜〜」カチャカチャ

八咫烏「...」

ばば「〜ん?どうしたんだい?」

八咫烏「え?いや〜...そういえばそれで撃たれそうになったなって思ったッス」

ばば「あぁ、そんなこともあったね」キュッキュッ

八咫烏「...」ジー

ばば「...」カチャカチャ

八咫烏「...」ジー

ばば「...銃に興味があるんかい?」

八咫烏「はぇ?あ...いやー、どうッスかねー。自分体力ないんで銃あったら便利かなってちょっと」

ばば「...そうかい。じゃあ少し教えてあげようか」

八咫烏「え?いいんスか?」

ばば「折角興味を持ってくれたんだ。年寄りってのはそういうもんだよ」

八咫烏「はぁ...そういうもんスか」
654 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/02(木) 23:35:25.06 ID:hlXPWo1No
男「なぁばーちゃ...」ガラガラ

八咫烏「これがライフル銃ってやつッスか」

ばば「ほんとは自分以外の人が触っちゃいけないんだけどね。はっちゃんは獣だし法律関係ないだろ」

八咫烏「はっちゃんッスか...なんか思ったより銃口ちっちゃいッスね」

ばば「あたしが使ってるのは小口径高速弾だからね」

八咫烏「もっと大きいのもあるんスか?」

ばば「大きいって言うと308とかかねぇ。弾頭のバリエーションが多いのは270とかになるね」

八咫烏「ばーちゃんのはどれになるんスか?」

ばば「あたしのは243だね。この年になると少しでも軽くしたくなるのさ。小口径だから当たりどころが悪いと走られるけど、きちんと当てれば問題ない。ほれ、これが弾だ」
655 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/02(木) 23:36:39.15 ID:hlXPWo1No
八咫烏「へぇー。あれ?なんかサラサラいってるッス」

ばば「中に火薬が入ってるからね」

八咫烏「もっとぎっしり入ってるかと思ってたッス」

ばば「同じ弾でも火薬の量を変えれるからね。この銃でこの弾頭を使うんだったら、このくらいの量が一番着弾が安定するんさ」

八咫烏「へぇー、色々あるんスね」カチャ

ばば「銃を扱うときは銃口を絶対人に向けちゃいけないよ。引き金に指もかけちゃだめ」

八咫烏「こ、こうッスか?」

ばば「そ。んでそこのボルト動かしてみ」

八咫烏「はい」カチャカチャ

ばば「それをあと5回」

男「なんでライフルの講習会始まってんの?」
656 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/06(月) 21:53:04.34 ID:Xi1Be5tMo
ーーーー

男「それで銃を教わってたのか」モグモグ

八咫烏「そうなんッス。ウチも欲しなっちゃいましたッス」モグモグ

いろは「そんな簡単に買えるもんなの?」モグモグ

ばば「人だったら警察行って初心者講習会受けてって色々必要だけど、いかんせんはっちゃんは獣だからねぇ」モグモグ

他にも弾装ロッカー、ガンロッカーを揃えたり、いちいち警察署に行って書類提出しなきゃならん。
金も手間もかなりかかる。

それにしても...

男「はっちゃんか...随分と仲良くなったのな」

ばば「よく手伝ってくれるし話も聞いてくれるからね。あたしにとっては只のかわいい女の子だよ。もちろんそれはいろはちゃんにも言える」

男「俺を殺しに来たのに?」

ばば「んなもん知らねぇ」
657 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/06(月) 21:54:25.46 ID:Xi1Be5tMo
男「そういえばさ」

八咫烏「?どうしたッスか?」

男「いろはには少し先の未来を見たり俺に憑依したりする能力があるけど、お前ってなんか能力あんの?」

八咫烏「まぁ一応あるッスよ。男様とは契約したので憑依もできますし。そうッスね...」

そう言うと、ちょうどご飯のおかわりに立ったいろはを指差す。

八咫烏「"不慮の事故"」

ガッ!!

いろは「っ!?くぅぅぅううううう!!」

男「おぉ、タンスの指に小指ぶつけた」

八咫烏「これがウチの能力ッス。事故を予言したり、タイミングが合えば起こしたりすることができるッス」

ばば「...なるほど、だから瓦を落とせたのかい」

八咫烏「うっ、申し訳ないッス」

困ったように頭を掻く八咫烏。
こうしていると普通の女の子...いや羽生えてるから普通じゃねぇけど。
一応俺の事を殺すために派遣された使獣。
そんなやつと今は同じ円卓で飯をつついている。

男「俺も順応してきたなぁ」

いろは「こ...小指がもげた」プルプル
658 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/06(月) 21:55:20.49 ID:Xi1Be5tMo
出張長ぇ
家に帰りたい...
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/06(月) 23:33:34.35 ID:uUe381Tjo
おつおつ
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/07(火) 00:30:28.49 ID:wQSMLvxA0
ホテルのモーニングはたまに食うと旨い
ずっとは飽きるけどな
661 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/07(火) 23:25:20.87 ID:zoXklRw0o
ーーーー

いろは「ふみゅ...おはよぉ」ファァァ

男「おう。顔洗ってこい」

八咫烏「ちょうど朝ごはんできたッスよ」ジュゥゥ

ばば「ありがとねぇ。ホント助かるよ」

男「家事やってくれんのはありがたいけど...無理して潰れんなよ?」

八咫烏「嫌いじゃないんで全然へーきッスよ。どうぞ」コトッ

男「目玉焼きとウィンナーと味噌汁か...無難だな」

いろは「ソーセージじゃないの?」

男「...どうなの?」

八咫烏「ソーセージは腸詰めの総称で、ウィンナーは羊の腸、フランクフルトが豚の腸だった気がするッス」

ばば「日本農林規格だと太さで呼び方が変わるね」

いろは「ですってよポークピッツ」

男「なめんな。戦闘時にはアメリカンドックになるんだよ」

いろは「...それって包まれてんじゃん」

八咫烏「?何の話ッスか?」

男「やめて。そんな綺麗な目で俺を見ないで」
662 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/07(火) 23:25:47.63 ID:zoXklRw0o
ばば「さて、今日は畑仕事だ。男は暇かい?」

男「わりぃ、幼と買い物行く約束してんだわ」

ばば「そっか、じゃあしょうがないね」

いろは「一応ついて行った方がいいのかしら?」

男「んー...そこんとこどうなの?」

八咫烏「ウチが手を出さない限りはあの日まで安全に過ごせるはずッスよ」

ということは今更どうこうできるものでも無いということか。
とりあえず一安心ではあるが、運命の日一発勝負である可能性もでかくなったわけだ。
どちらにせよ八咫烏を手元においといたのは正解だったな。
663 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/07(火) 23:26:15.83 ID:zoXklRw0o
いろは「んー...そゆことね。じゃあ今日1日暇ね。どうしようかしら」

ばば「いろはちゃん暇なのかい?だったら畑手伝ってくれると助かるんだけども」

いろは「任せて!前に男とやったことあるわ」

八咫烏「ウチもお手伝いするッス!」

男「いろはは俺のジャージでいいけど、八咫烏のはどうしようか。服装チェンジとかできないの?」

八咫烏「基本的にこの服だけッスね。神具なんで汚れる事も無いッスし」

ばば「じゃあ下着とかも買ってきたけどいらなかったのかい?」

八咫烏「そんなことないッス!めっちゃありがたく使わせてもらってるッス!」
664 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/07(火) 23:26:45.03 ID:zoXklRw0o
男「そういやいろはの巫女服もそんな感じだったな...ん?」

こいつ、出会った当初は紅白の綺麗な巫女服を着ていたはず...
しかし、今現在のいろははどうだろうか。俺のスウェットを履いてTシャツ一枚でゴロゴロしてる姿を見て、誰が神の使獣だと思うだろうか。

男「お前最近巫女服着てないけど、どうしたの?」

いろは「あーあれ?なんかこっちの方が楽なのよね」

男「おい、仮にも神の使いがそんなんでいいのか」

いろは「こっちに来てから本当の自分に出会えた気がするわ」

男「なにドロップアウトしてんだよ...」

665 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/07(火) 23:30:14.43 ID:zoXklRw0o
今日はここまで

>>659
おつあり
>>660
それが会社で平屋借りてるから自炊なんすよ...
なんもいいとこねぇなこの島。本土に帰りてぇ
666 :sage :2017/03/08(水) 01:40:17.84 ID:C/MHlHHSO
おつ
島なんか久しく行ってねぇな
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2017/03/08(水) 01:47:25.82 ID:C/MHlHHSO
すまんsageミスった
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/08(水) 06:48:11.99 ID:7vj0zRM4O
>>1は農林関係の仕事してるのかな?結構そっちの方の知識に精通してるし
どっちにしても体調崩さないように気をつけてね
669 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/08(水) 22:23:01.65 ID:5QCS1hhgo
ばば「じゃあ行ってくるからね」カチャ ブロロロロ

男「いってらっさい」

いろは「あたし荷台ね!」

八咫烏「ウチが軽トラ運転しましょーか?」

ばば「できるのかい?」

八咫烏「勿論ッスよ。ウチの車もミッションなんで大丈夫ッス」

男「そっちの世界にも車あんのか...なに乗ってんの?」

八咫烏「JA11ッス」

男「JA11...ジムニーか!」
670 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/08(水) 22:23:29.78 ID:5QCS1hhgo
八咫烏「古くてボロボロッスけどちゃんと走ってくれるッスよ」

男「にしても随分と特異なの乗ってんだな。なんでそれにした?」

八咫烏「ウチの趣味ッス!!やっぱ車は箱形が一番カッコいいッス!」

男「そりゃわかるけど...あぁ、そういう感性だから銃にも興味あんのか」
671 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/08(水) 22:23:55.71 ID:5QCS1hhgo
ばば「いろはちゃんも何か乗ってたりするのかい?」

いろは「あたしは原付しか持ってないわね」

男「ちなみに何?」

いろは「TODAY」

男「...フッ」

いろは「おいこらTODAYバカにしてんのか?お?」
672 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/08(水) 22:27:19.57 ID:5QCS1hhgo
>>668
一応農林関係だね。硝煙の臭いがしまくる仕事をしてる。
全身の節々が痛いけど頑張るよ。
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/08(水) 22:46:10.99 ID:3gsbV3gY0
>>672

特定した
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/08(水) 23:30:08.61 ID:oJuBl/XA0
硝煙の臭い
山林関係
自衛隊のレンジャー部隊だな
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/14(火) 21:47:00.82 ID:Uw41L4za0
もう始まってから4年もたったのか
676 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/29(水) 22:02:10.34 ID:m6ULygGI0
----

男「わざわざバスで町までやってきたが...何買うんじゃ?」

幼「新しい靴が欲しいのですが、ついでに色々見て回ろうと思いまして」

男「靴ねぇ...足袋?安全靴?農スパ?」

どうでもいいけど安全靴履いてますって言うと踏んでくる奴はなんなの?
あとヘルメット被ってると頭叩いてくる奴。

幼「ワークマンから離れてください...秋から履くので少し落ち着いているおしゃれなものがいいですね」

男「そういや幼ってヒール履かねぇよな」

幼「んー、なんというか私の体型に合ってないんですよねぇ。どうしてもがんばってお洒落してる子供感が抜けないと言いますか」

男「でもヒールってあれでそ?もともとうんこ踏まないために接地面積減らしてああなっただけでしょ?」

幼「それが今ではファッションになってるからすごいことですよね」

男「うんこに感謝だな」

客1(...なんかヒール履いてるのが恥ずかしくなってきた)
677 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/29(水) 22:02:48.88 ID:m6ULygGI0
幼「男君、これなんてどうでしょうか」

男「んー...普通というか無難というか」

幼「んもー、そこは普通に『かわいいよ、幼』とか囁いとけばいいんですよぅ」

男「って言ってもなぁ...かわいいのはデフォルトだし」

幼「知ってます?かわいいは作れるんですよ?」

男「なんで今それ言ったの?ねぇ?」
678 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/29(水) 22:03:18.74 ID:m6ULygGI0
男「そもそも俺には美的感覚は皆無だからな」

幼「でも男君、最近は普通の格好が増えましたよね?全身真っ黒はやめたんですか?」

男「なにその前は普通じゃなかった的言い方...まぁお前にださいって言われたし」

幼「こうやって少しずつ量産型高校生に近づいていくんですね」

男「量産型とかいうな、無難といえ」

幼「個性といって理解できない感性を持たれるよりましじゃないですか?」

男「ちょっと幼ちゃん?口がわりーでございますよ?」
679 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/29(水) 22:04:04.42 ID:m6ULygGI0
--その頃畑では--

八咫烏「あ、アカネズミがいるッスよ!」

いろは「この辺じゃ別に珍しくもないんじゃないの?」

八咫烏「狩りごっこしなくていいんスか?」

いろは「なに?野生開放しろと?」

ばば「二人ともー、麦茶煎れたから飲みないねー」

680 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/03/29(水) 22:07:40.17 ID:m6ULygGI0
>>673
なにそれこわい
>>674
やってることは似てるかもな
>>675
いいかげん早く終わらせます
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/03/29(水) 23:51:20.37 ID:UBYCPJIA0
いや安全靴はとりあえず踏むだろ
しかもつま先じゃなく足の甲んとこ
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/01(土) 01:30:55.67 ID:O7vnMoE+O
カラスとキツネのフレンズなんだね!乙
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/04(火) 18:43:42.20 ID:HyxS09J20
更新乙
何年でも待ってるから完走するんやでー
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/09(日) 11:57:27.95 ID:9lZFVdCqO
今更存在を知り 読まさせていただきました
これから応援させていただきます
頑張ってください
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/09(日) 15:02:49.37 ID:mkxKfBtA0
メ欄に携帯アドレスいれてsageって表示させなさい
686 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/04/18(火) 22:31:43.15 ID:5ceC8Nv50
男「お、コーヒーメーカーじゃん」

幼「男君ってそんなにコーヒー好きでしたっけ?」

男「まぁな」

コーヒーを飲むようになったのはいつからだろうか?
はじめは少し背伸びして、格好つけようと思って飲み始めたコーヒーだが、
気付けば朝晩と必ずコーヒーを飲むように習慣付いてしまった。

男「コーヒーはいいぞ。寝る前の一杯なんて最高だ」

幼「えー?寝れなくなったりしないんですか?」

男「人間ホントに眠いときは何飲もうが爆睡するぞ」

眠々飲んで気が付いたら朝とかザラである。
687 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/04/18(火) 22:33:15.31 ID:5ceC8Nv50
幼「コーヒー煎れるのにも色々道具があるんですね」

男「俺ね、あれやってみたい、ラテアート」

幼「らてあーと?」

男「コーヒーの上に泡立てた牛乳敷いて絵を描くんだ。クマとか猫とか」

幼「へぇ!それは素敵ですね!よくそんな小洒落たもの知ってましたね?」

男「いろいろあんだよ...」

前の世界で幼がいなくなってからというもの、俺は彼女を一切作らなかった。
仲のいい女友達はいたが、どうしても幼の姿がチラついてしまい、深い関係に踏み込めなかったのである。
そしてかわりに一人で出来る趣味に没頭した。どれも長続きはしなかったが。
コーヒーもその中の一つで、一時期は豆を煎るところまで手を出していた。
688 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/04/18(火) 22:34:42.08 ID:5ceC8Nv50
幼「お茶請けとかも置いてありますね」

男「あー、なんか買ってくか。アルフォートとか」

幼「まぁホワイトロリータ一択ですね♪」

男「いやいやルマンドだろ」

幼「ありえねーです。いいとこバームロールですよ」

男「は!だったら俺はチョコリエールを推すね」

幼「...」

男「...」
689 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/04/18(火) 22:38:11.67 ID:5ceC8Nv50
>>681お前はゆるさない
>>682-683 乙あり
>>684 あざっす

書き貯めたデータが消えたぞくそったれ
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/18(火) 23:20:34.49 ID:sOjR/N8DO
ブルボンしかないのか
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/19(水) 07:35:16.94 ID:flPfWwFqO
シャレオツやね
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/04/24(月) 02:09:21.09 ID:NSq7HoiR0
追いついた 面白いので期待
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/04/24(月) 02:18:24.90 ID:d1iq6I+A0
>>692
ハゲろsage
694 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/01(月) 23:35:40.23 ID:JVN4PW0X0
ーーーー

男「色々廻ったが、結局大したものは買わなかったな」

幼「お目当てのものが買えたからいいんですよー」

男「そりゃよござんした」

幼「あ!男君!折角なので駄菓子や寄って行きましょう!」

男「...駄菓子屋か」

バス停から真っ直ぐ家に向かわず、反対方向に少し歩く。
ノウサギが跳ね回ってる坂道を上がり、アマゴが泳ぐ橋を渡ると見えてくる...
絵に描いたような駄菓子屋。

いつから放置されているか分からないガチャガチャの脇を通り、常に開けっぱなしの入り口をくぐる。

幼「思い起こせば最近来てなかったですねぇ。おばあちゃんは元気でしょうか?」

男「そうだなぁ...ほんと...久しぶりだなぁ」
695 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/01(月) 23:36:10.16 ID:JVN4PW0X0
男「おーいばーさん、生きてるかー?」

駄菓子「お?ババァんとこのクソガキじゃないか。久しぶりだねぇ」

男「どっちもババァだから何言ってるのかわかんねぇよ」

幼「お久しぶりです♪」

駄菓子「おー、お転婆娘んとこの幼ちゃんも一緒かい。相変わらず仲がいいのねぇ」

男「幼母って昔からああだったのか」

駄菓子「ちちゃい時はよくウチで爆竹やらかんしゃく玉やら買って近所の大人を困らせてたもんだ」

男「...あっさり想像がつくな」


696 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/01(月) 23:36:38.70 ID:JVN4PW0X0
男「さて、いろはと烏になんか買ってやるか」

さっと店内を物色する。外見こそ古ぼけた駄菓子屋だが、品揃えはしっかりしている

男「いろははつまみ系...ビックカツとかが合いそうだな。烏はなにが好きなんだろうか...」

幼「男君!昔の写真が飾ってありますよ!」

男「んー?おー、みんなこの駄菓子屋で撮ったやつか?」

駄菓子「大体はウチに来てたこの辺の子供達さ。幼母の子供の頃の写真もあるよ」

幼「あ!これですね!」

男「なんでウシガエル持ってピースしてるんだよ」
697 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/01(月) 23:37:19.45 ID:JVN4PW0X0
駄菓子「たしかお前達の写真もあったはずだけどねぇ...あ、これだこれだ」

指さされた一枚の写真に目をやる。そこには仲良くラムネを飲む泥だらけの三人の子供が写っていた...

男「...ん?三人?」

幼「この女の子は...誰でしょうか?」

気付いた瞬間背筋がぞっとした...

そして思い出した...直感で理解した...
698 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/01(月) 23:37:57.73 ID:JVN4PW0X0
駄菓子「んー?この子かい?...確かこの写真は幼ちゃんが森で迷子になって、男が探し出してきたときに撮った写真だった気が...」

幼「私が崖から落っこちてしまった時の話ですね?男君が無茶して私を捜し出すために一人で森に探しに来てくれたときの...」

駄菓子「あー...思い出した。この女の子も確か迷子だったんだよ。それを幼と一緒に男が拾ってきたんだった。いつの間にかいなくなってた不思議な子だよ」

...そりゃ不思議な子だろうな...なぜならその子は...
子供の頃の俺が、いたずらに手を差し伸べたその子は...






八咫烏「っ!?...そんなッ!?」

いろは「この気配...どういうこと、直接干渉は出来ないはずでしょ」

ばば「...」




???「ごめんください。...すこし暑くて。...」

黒くて長い髪をなびかせ、吸い込まれそうな瞳でこちらを見てくる。

死神「ラムネを一つ、いただけるかしら?」ニコッ

699 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/01(月) 23:38:51.49 ID:JVN4PW0X0
物語としてやっと進むかな?
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 01:42:53.84 ID:dDigL+EFO
更新乙、だから男に執着してたんだな
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/02(火) 07:34:06.36 ID:1VGXWLnHO
おおー
更新来てた乙です
702 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 22:55:58.73 ID:cRUSjbX30
時間が止まったようだった。
その瞳はどこまでも黒く、一瞬でも反らすことが許されないようであった。

幼「わはー...すごい美人さんですねー」

駄菓子「いらっしゃい...この辺りじゃ見ない子だね?」

死神「幼い頃、少しお世話になったのですよ。久しぶりに来てみようと思いまして。」

そう言ってクスリと笑う彼女...
しかしその目はずっとこちらを見ている。

死神「それに...こちらには会いたい方もいましたので...ね?」ニコッ

男「...そうですか、会えるといいですね。それではこれで」

幼「わわっ!男君!?いきなり引っ張らないでくださいよー」
703 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 22:56:52.87 ID:cRUSjbX30
幼の手を引き店を出る。あいつらへのお土産は買えなかったが、まぁホワイトロリータを少し分けてやればいいだろう。

幼「男君...!少しっ!早いです!」

決して振り向かず、ただ前に進む。
とにかく今はあいつから逃げたかった。

ひょんな事から10年前にタイムスリップした俺だが、幼と過ごす一日一日が本当に幸せだった。
いつからか幼が死ぬなんて事は忘れていた...忘れた事にしていた。
だが...あいつが来てしまった。幼を“正しく”殺すため、あいつが来てしまった。

幼「ちょ、ちょーーっとストップです!」グイッ

男「おわっ!おま、以外と地力あんのな」

幼「女の子にそういうこと言ったら駄目ですよ...それよりどうしたんですかいきなり?」

男「んにゃ...なんでもねーよ」

幼「いや、そーいうのマジでいいんで、何があったか言って下さい」

男「お前たまに口悪いぞ?どーしたの?」
704 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 22:57:28.00 ID:cRUSjbX30
幼「それはこっちのセリフですよ...あの女の子見た瞬間から何かおかしいですよ?知ってる子なんですか?」

男「いや...全く」

幼「もしかして....私の知らないうちに...そんな...」

男「...」

幼「ヤッっちゃったんですか?」

男「ヤッてねーよ!?お前清純系ヒロインとしてその発言はどうなの!?」

幼「失礼ですよ!女の子は少なからずみんな不純です!!」

男「怒るトコそこなの!?」

705 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 22:58:03.88 ID:cRUSjbX30
男「いや...あの子はホントに知らないんだ。ただ嫌な予感がしてな...」

まぁ嘘は言っていないはずだ。

幼「...とりあえずそういうことにっ!?」バタッ

男「幼!?」

いきなり倒れた幼を間一髪で抱き留める。
一瞬最悪な展開を予想したが、まだ普通に息をしている。
おそらく気絶しただけだろう。

死神「あら、いきなり逃げるなんて酷いじゃない。」

背中から発せられた声に背筋が凍る。
辺りが静かになり、どこからか吹く涼しい風が身体を撫でる。

死神「お久しぶりね...男くん?」
706 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 22:59:12.36 ID:cRUSjbX30
幼を抱き留めていた手に力が入る。
なぜこいつはここまで追ってきた...こいつは幼に何をした...
疑問視だけが頭の中を駆けめぐる...

死神「いやね、そんなに熱い視線を送らないでもらえるかしら?」クスクス

男「...幼に何をした」

死神「うふふ、大丈夫よ、ただ気絶しているだけだわ。流石に直接命を奪うなんて出来ないもの...ねぇ?」

男「...」

死神「ただ、目の前でイチャイチャされるものだから、少し意地悪をしたくなってしまったの、ごめんなさいね。」ニコッ

言っている事とは裏腹に微笑む死神の目は笑っていなかった。
ただただ冷たく、心臓を捕まれている気分だ。

男「...俺に何かようですか?」

死神「用って程でもないのだけれど、あなたに一つ提案をしにきたのよ。」



死神「あなた、私のものにならないかしら?」


707 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 23:00:18.24 ID:cRUSjbX30
男「どういう...ことだ?」

死神「勿論あなたにも見返りはあるわよ?私の欲しい物はあなたただ一人なの。そうすれば他の物なんてどうでもいいわ?たとえば...今抱きかかえてる女の子の命とか。」

男「!?」

死神「ねぇ...悪い提案ではないと思うのよ?」

そう言って一歩ずつ近づいてくる死神。

死神「あなたは私に手を差し伸べてくれたわ。暗い洞窟で誰も話してくれない、誰も遊んでくれない。そんな時にあなたは私を外に連れ出してくれた...」
708 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 23:00:54.18 ID:cRUSjbX30
『うおっ!?びっくりした!!』

『グスッ...グスッ...?』

『んー?ねー?どうしてきみはないてるの?』

『...あなただれ?』グスン

『ぼく?ぼくはおとこだよ!きみは?』

『...しにがみです...』

『へぇー!しにがみちゃんっていうんだ!よろしくね!』

『へ...?』

『きみもまいごなんでしょ?おれのおさななじみもいままいごでなー。このくらいのおんなのこみてない?』

『...しらない』

『そっかー、あいつどこまでいっちゃったんだろうなー。じゃあいこっか』

『...わたしはここからでられないの...みんなをふこうにしちゃうからって...ここにとじこめられたの』

『なにいってんのー?べつにいりぐちふさがってないじゃん?』

『いや...だから...』

『よくわかんねー!いいいからはやくいくぞ!ひがくれちゃう!』グイッ

『あの...ちょ』
709 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 23:01:56.50 ID:cRUSjbX30
死神「あの日、あなたが外に連れ出してくれたからわたしは天界にあがれたの。そして私は望まれない死を持った人を浄化するために...私と同じ、寂しい思いをしている魂を一つでも減らそうと努力したわ。」

死神「ただ...その子が死んでからのあなたを見るのは辛かったわ...毎日死んだような目をしていた。だから私はずっと想っていたわ...あなたの魂は私の元で永遠の幸せを与えようと...」

死神「そしてやっと呪縛から解き放たれて私の側に来てくれると思った矢先に...生神も余計な事をしてくれたわね。でもいいの、こうしてあなたにまた会えたのだから。」

男「...」

死神「いままで辛かったでしょう?もういいのよ?」

一歩...また一歩と近づいてくる。
俺がコイツのものいなれば幼は生きていられるのか?
幼が幸せにに生きられるのが俺の望み...なら

幼のいない10年間は辛かった...何度も何度も悔やんで泣いた...ならいっそ
710 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 23:02:32.47 ID:cRUSjbX30
幼を抱く腕の力が抜けていく...

ひんやりとした手が頬に触れる。

死神「さぁ男くん、永久に私のものになりなさい」スッ




刹那。


感覚が研ぎ澄まされる。

全ての筋繊維が呼応する。

体が軽くなる。






「ちょっと体借りるわよ」



711 : ◆6FKbqG4.1U [saga]:2017/05/04(木) 23:03:01.54 ID:cRUSjbX30
何が起こったのか分からなかった。
一陣の風が吹いた瞬間。意識が覚醒する。
蝉の爆音が耳を支配し、暑苦しい日差しが肌を射す。
気が付けば死神から離れていた。

(まったく...今回は許してあげるけど、二度とその手を緩めるんじゃないわよ)

男「...畑仕事はどうした居候」

(その主が死んだら居候ができないじゃない、このポンコツ主が)

聞き慣れた笑い声が脳内に響く

男「...さんきゅーいろは」

いろは(お礼はルマンドでいいわよ)

男「おまえにゃホワイトロリータで十分だ」


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