他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
幼馴染「10年後の8月に・・・」
Check
Tweet
112 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/04/23(水) 22:59:34.11 ID:pwmSWLzC0
友「いくぜ!!」カチャ..パン
友が撃ったコルク弾はライターに命中したが、倒れただけで獲得とはならなかった。
幼友「あはははっ!ダッサー!」
友「うっせ!だが感覚は今ので大体掴んだぜ!」
ーーー3分後
友「....」
男「で、結局ライターに執着してなんも取れなかったと」
友「...」
幼友「私達は結構お菓子とかとったわよ?」
幼「なんだか変な蛙のおもちゃがとれました」
男「何ていうかお前...残念だな」
友「うるせーよ!!じゃあお前やってみ!?あんなん取れねーよ絶対!!」
幼「そういえば男君まだやってないんですね」
幼友「まぁあんたの弾込めしてあげてたからね...」
幼「男君!!がんばってください」
男「はいよ」
113 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/04/23(水) 23:19:01.62 ID:pwmSWLzC0
男「さてと...」カチャ
射的で大切な事は2つ、それは銃の射線角度と距離である。
まず射線角度だが基本的に獲物の斜め下から対角線を狙うこと、そして距離は近づけ過ぎないこと。
よく腕を限界まで伸ばして獲物に銃口を近づける人を多く見かけるが、実は近づけ過ぎると威力が落ちてしまう事がある。
かといって遠すぎると豆鉄砲状態になってしまうので注意が必要だ。
この辺りのさじ加減はやっていくうちに分かるはずである。
ソースは的屋のにーちゃん。その昔、ライターが欲しくて頑張ってたら教えてくれた。
今でもそのライターは愛用してる。
男(...ここだな)
男「One shot One kill」
男のコルク銃から放たれた直径約1cm程のコルク弾は、ライターの右上の隅に吸い込まれる様に着弾した。
下から抉るような衝撃を受けたライターは...
要するに簡単にとれました(笑)
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/04/28(月) 17:08:01.89 ID:f+cInDzA0
支援
115 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/10(土) 22:06:52.66 ID:aJ9Yi8cW0
結局5発でライター2個とオリオンのミニコーララムネをゲットした。
男「まぁこんなもんか」
幼「さすが男君です!すごいです!」
幼友「ホントにすごいわね。それに比べて...」
友「....」
男「....ひとつやろうか?」ヒョイ
友「うるせー!同情すんな!」パシッ!
幼友「でも貰うんだ..」
116 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/10(土) 22:07:42.54 ID:aJ9Yi8cW0
ーーーーーーーーーー
友「っと、もうこんな時間か」
幼友「結構いろいろ遊んでたからね〜」
もう日は傾き、空は夕焼けに包まれていた。
それにもかかわらずまるで空に反発するかのように祭りの熱気にあてられ、人々は喧々囂々と騒ぎたっている。
しかし窮屈な都会の喧騒と違いどこか心地いい、温かい気持ちになってくる。
友「今日はこの辺りでお開きにするか」
幼友「そうね。どうせ初日は七時で終わりだし」
男「明日はどうすんだ?」
幼「あっ、明日はお母さんのお手伝いをしないといけないので遊べません」
友「そっか。じゃあ幼友と一緒に見に行くよ」
幼「わは〜、待ってますね〜」
男「おい待て俺は?」
友「え?多分お前明日忙しいよ?」
男「は?一日暇だけど?幼も居ないみたいだし」
友「まぁ暇そうだったら誘うわ、じゃーな!」
男「おいちょっ..」
117 :
◆P8G.IC5UqUBR
[sage]:2014/05/10(土) 22:09:38.54 ID:aJ9Yi8cW0
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
マジで忙しかったんス
許してくださいorz
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/10(土) 23:08:42.11 ID:O2o/0Z+uo
完結してくれればゆっくりでもいいさ
119 :
◆P8G.IC5UqUBR
[sage]:2014/05/10(土) 23:41:53.21 ID:aJ9Yi8cW0
>>118
完結は絶対しますごめんなさい
書きたいこと一杯あるのにそこに行くまでが大変なんスごめんなさい
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/11(日) 04:09:37.05 ID:PiWEvhWSo
謝りすぎwwww
乙
完結するまでいくらでも待つから頑張れ
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/11(日) 11:55:01.09 ID:jS/+HF5io
乙
無理はせずに頑張ればいいさ
122 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/12(月) 20:04:14.25 ID:J0SH7FYM0
ーーーーーーーーーー
男「こういう事かよ...」
お祭り2日目。
俺は頭にタオル、腰に前掛けをした出で立ちで焼きそばを焼いていた。
???「おらぁ男!ちゃっちゃと焼きそば10パック詰めろや!お客さんが待ってんだろーがぁ!」
男「やってるよやってる!ちょーやってるからね!?もういっぱいいっぱいなんだよ!てかあんたも手伝えや!」
幼「はぅ...やっぱり私も男君のお手伝いしたいです...」
幼母「幼ちゃんはお会計だけやってくれればいいからね〜。あっちはあそこの下僕に任せておけばいいから♪...おい奴隷、とっととしろ」
男「なんかランク下がってねぇ!?」
あぁ...どうしてこうなった...
123 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/12(月) 20:20:37.89 ID:J0SH7FYM0
事の発端は今日の朝。
俺は昨日買った冷コーを飲みながらいつも通りに朝食を摂っていた。
ほのぼのしているな〜っと思っていた矢先に玄関のチャイムが鳴り響く。
最初は郵便かと思ったのだが、玄関からただならぬ殺気を感じ取った俺はスルーを決め込んだ。...なんかイヤな予感がする。主に俺の生命に関して...
しばらくやり過ごすと殺気はなくなり、ひと安心した俺は冷コーをおかわりしようと席を立つ。
と、その瞬間に開けっ放しにしていた庭へと続く窓から棒状の何かが居間に突っ込んできて、先程まで俺が座っていた場所に突き刺さった。
....な..薙刀が飛んできただと..?
飛んできた元に目を向けると、そこにはニタッと笑う般若が....
そんでもって今に至る。
男「てか殺気消して薙刀投げるの本気でやめて!?ガチで死ぬから!」
幼母「幼ちゃんに纏わり付く害獣を駆逐しないといけねぇだろ?」
え?何言ってんだこの人?駆逐ってなんだよ、夕立かよ。なに?4連装発射管の九三式魚雷でも搭載してんの?
こえぇよ、あと怖い。
幼「男君!焼きそばもう3個追加でお願いします!」
男「ちょまっ!誰か!誰かたすけてぇ!!」
幼母「あー、ビールうまうま」グビグビ
男「あんたは働けぇ!!!」
124 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/12(月) 20:29:56.51 ID:J0SH7FYM0
友「おぉ、やっぱり思った通りだったな」
幼友「なんか大変そうね」
幼「あ!友君に幼友ちゃん!いらっしゃいませ♪」
幼友「はろはろ〜。遊びにきたわよ〜」
幼「男君の作った焼きそば美味しいですよ!」
幼友「ホントに美味しそうね。...てか男死にそうだけど」
友「おーい男ー?大丈夫かよ」
男「」ギロリ
友「ひぃ...!?..え?ちょまっ..何でこっち来んの!?おい!何で腕つかむの!?何で関節極めるの!?」
男「....手伝うか?」
友「いや、俺はt男「手伝うか?」
友「だからなんで関せt男「手伝うか?」友「Sir,yes,sir」
125 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/12(月) 20:41:00.72 ID:J0SH7FYM0
男「おい友ぉ!野菜と肉は炒め終わったかぁ!?」
友「こっちは準備OKだぜ!もう麺の野郎をぶち込んでやろうかぁ!!」
男「All right!水入れ忘れんじゃねーぞ!?」
友「分かってるゼ兄弟!」
幼友「男!焼きそば2つ!」
男「ぴょーーーーxyくいfwpcqぁ;1・。、¥」
幼「男君が壊れてます..」
幼母「ふぃ〜飲んだ飲んだ。おう下僕共、しっかり働いてっか?」
男「ご覧の通りだぜチキショー!ちょっ友ぉ!ソース薄いぞ!何やってんの!てかどこ行ってたんだこのクソ忙しい時にぃ!」
幼母「んぁ?ちょっと顔出しにな。てかそのキャラうざいキモいクサイ」
男「クサくはないですぅーー!ソースの香ばしいかおりでs..あぁストップごめんなさい包丁置いてください」
126 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/12(月) 20:59:53.09 ID:J0SH7FYM0
ーーーーーーーー
幼母「おっし、今日はもう店終いだ!全員お疲れ!」
友「...やっと..終わった...」ゼ-ヒューゼーヒュー
男「...」バタッ
幼「わわわっ男君!?」
幼友「男は一日働きっぱなしだったみたいだからねー」
幼母「ったくだらしねーなぁー。そんなことより幼友ちゃんとモブ、こっち来い」
幼友「はーい?」
モブ「ねぇ俺今日頑張ったよね?ね?」
幼友「はいはい分かったから寄らないで、暑苦しいのよ」
モブ「うそやん」
幼母「ほれ二人共、小遣いくれてやる。これでなんか遊んでこい」
幼友「え!?いいんですか!?」
幼母「今日は二人共しっかり働いてくれたんだ。助かったぞ、二人共」ニコッ
幼友「なんかかっこいい」キュン
友「な、なんという破壊力!普段は厳しい土方系ねぇちゃんのデレたニコッ...くぅーーー!ごちそうさまです!!」
幼友「幼のお母さんってめっちゃ若いですよね。20代って言っても通るんじゃないですか?」
幼母「やだねぇ、流石に無理があるよ。でも嬉しい事言ってくれるね幼友ちゃん。よしっ、みんな付いてこい!かき氷おごってやる!」
友「うっす!ゴチになりますっ!」
幼「あの...男君が...」
幼母「んー?じゃああそこで寝かせてあげようか」
幼「あそこってゴミ捨て場じゃ...」
友「おら男、起きなきゃ捨てられるぞ」ゲシゲシ
男「グーー..グーー...」
幼友「爆睡してるわね」
幼母「ったくコイツは。あそこの神社のベンチにコイツ寝かせて来るからちょっと待ってろ」ヒョイ
友「Wow、めっちゃ力持ち」
127 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/12(月) 21:13:03.90 ID:J0SH7FYM0
男「ん...んぁ?俺寝ちまったのか」
目が覚めると神社の境内のベンチで一人で横になっていた。
この神社には見覚えがある。いつも幼と一緒に寄っていた神社だ。
そして今横になっているベンチは...
男「...間違いねぇ、あの写真のベンチだ。今でもハッキリ覚えてる」
あの日、10年前の世界にタイムスリップする直前、自室のパソコンに映し出された一枚の写真。
その写真に写っていたベンチと全く同じ。俺達に馴染みの深いベンチだ。
男「そういえばやけに静かだな」
境内は驚くほど静まり返っていた。セミの声も聞こえなければ、すぐ近くで演奏されているはずの祭囃子の音も聞こえない。
男「....みんなはどこにいるんだ?.....!?」
男が見つめる視線の先。そこには小さな祠が立っている。
男「....何か..何かいる..!」
何かの気配を感じ、ゆっくりと近づく。
その祠には文字が書いてあった。
男「.............稲荷大明神か」
128 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/12(月) 21:16:17.24 ID:J0SH7FYM0
まだ狐の性別考えてなかった
どっちがいいとか要望ありますか?
多数決にしようと思ってるんですが...いいですか?
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/12(月) 22:39:57.83 ID:3qXMv/FS0
どちらでもー
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/12(月) 23:29:14.29 ID:osRQh5a1o
なんとなくおっさんで
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/12(月) 23:44:05.23 ID:ButBLadFo
いいと思う
なんとなくお兄さんで
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/05/13(火) 15:16:58.86 ID:M1bbjXTz0
てす
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/13(火) 17:23:49.47 ID:nxsRh2UEo
いや、生意気なメスのキツネがいいな!
つまり
>>1
が書きやすいキャラならなんでもいいな
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/13(火) 20:52:29.36 ID:yBoM2U4pO
おっさん案外ありだな
135 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/13(火) 23:35:27.64 ID:RyEcK6h10
男「....」
その祠にじっと目を向け、かすかな気配を感じ取る。
...何かの気配がする。
そっと手を伸ばし、祠に触れる。しかし表面がボロボロに箚さくれていたせいで指を切ってしまった。
男「痛っ...くねーか」
指を少し切った程度ではなんともない。少し血が出てしまったが放っておいて大丈夫だろう。
しかし男が祠から手を引く時、血が一滴だけ祠に垂れてしまった。
その時だった。
バァン!!
扉が勢いよく開き、中から何かが飛び出てきた。
男「うぉっ!?」
驚いたのもつかの間、飛び出してきた物体はそのまま男の頭に思いっきりぶつかった。
男「んがっ!!」ゴンッ!!
鈍い音が響き、意識が遠くなる。
薄れゆく視界の中、ハッキリと見えたその姿は...
男「....尻尾が9本の...狐..?」..バタッ
136 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/14(水) 00:28:57.90 ID:iIPF7NzL0
ーーーーーーーーーー
男「....ん..はっ!!」
目が覚めるとそこは先ほどと変わりない神社の境内だった。
しかしセミはまるで高2男子が女子の居る教室で大きめの声で友達と雑談するかのような激しい自己主張を行い、祭囃子は軽やかなリズムを奏でていた。
そして一番違うのは俺の寝具。
確かにベンチの上に横になっているのだが、頭の後ろにはしっとりと柔らかい感触、眼前に広がるのは控えめながらもその存在を主張する山2つ。
ほのかに汗の匂いを感じるこの距離...間違いない、膝枕だ。
幼「あ!おはようございます」
男「...おう。悪いな、何か知らんうちに爆睡してたみたいで」
幼「大丈夫ですよ〜。男君、とても気持ちよさそうに寝ていましたね♪」クスッ
男「完璧に過労だ。超ブラック屋台だったぞあそこ。むしろブラック過ぎて眠気冷めるレベル」
幼「でも焼きそば焼いてる男君、かっこよかったですよ?」
男「...まぁ幼がそう言うならいいか」
フッと一息をつき、あることに気がついた。
男「そういやみんなは?」
幼「かき氷を買いに行ってます。お母さんがみんなに奢るって言ってました」
男「...俺の分ちゃんとあるかな?」
幼「友君が居るので大丈夫ですよ」クスッ
そして俺はこの時、幼と話をしているせいで気が付かなかった。
思いっきり個人が特定できるほどの殺気を漂わせている鬼神(幼母)に...
137 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/05/14(水) 00:33:56.99 ID:iIPF7NzL0
おっさんが一歩リードしています。
>>1
に狐娘を書かせたい人はがんばって下さいwww
あとコメントって結構励みになります(感謝)
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/14(水) 18:27:13.77 ID:C0U92MVno
現在
おっさん…二票
お兄さん・生意気なメス…一票
俺はあえてお兄さんに一票
あと乙です
139 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/14(水) 20:46:30.56 ID:M2iS4Jq60
おばさんに一票
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/16(金) 07:22:28.93 ID:PTOUVJwNo
じゃあ俺もおばさん
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/16(金) 08:46:52.21 ID:77zh0EX10
おいおい
ここは狐っ娘一択だろーが
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/17(土) 21:31:37.24 ID:U8uuPiiRo
なら狐っ娘
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/19(月) 09:14:13.53 ID:kB+IlY57o
間をとって男の娘が公正だと思います
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/05/22(木) 08:12:15.25 ID:ap/Go5pIo
他は否定しませんが、男の娘は単純に気持ち悪いです。
145 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/02(月) 22:13:38.30 ID:sbXawIfA0
幼母「てめぇ...くたばったかと思ったら何してやがんだオラ」
背後から凍りつくような声色が聞こえ、先程までのほのぼのとした空気を一気に消し飛んだ。
幼「あ、お母さん。おかえりなさい」
幼母「ただいま幼ちゃん♪」ニコッ
男(ヤバイヤバイヤヴァイ!!)ガバッ!
幼「男君?どうかしたんですか?まだ横になっていてもいいですよ?」
なんでこの子気づかないの?バカなの?天然なの?
幼母「....まぁ今日は許してやる。とっととかき氷食え」
男「あざっす!いただきますっ!」
幼友「ただいまーっと。お、男起きたんだ」
友「うぃー、かき氷買ってきたぞー」
幼「わー!!美味しそうです!」
友「おうお前ら、何味がいい?」
男「ブルーハワイ」
幼「イチゴがいいです」
146 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/02(月) 22:14:14.28 ID:sbXawIfA0
幼「んーー♪おぃひぃでふ♪」シャリシャリ
男「ん...うまい。すげー久しぶりに食った」
友「おぅ!?あ..頭痛ぇ...」キンキン
幼友「がっついて食べるからでしょバカ...んっ!」キンキン
友「がっついてたべr幼友「なんか言った?」ガシッ
友「言ってないのでアイアンクローはやめて下さい!!」
男「何してんだお前ら」
幼「男君、一口どうぞ」アーン
男「んむ...じゃあ俺のもやるよ」アーン
幼「むふー、おいしいです」
友「...」
幼友「...あげないわよバカ」
友「えーー」
幼友(...だって恥ずかしいじゃない...)
147 :
◆P8G.IC5UqUBR
[sage]:2014/06/02(月) 22:16:32.25 ID:sbXawIfA0
狐候補バラバラ過ぎだろwww
とりあえずこの候補の中から独断と偏見で選びますかな
148 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/12(木) 00:15:44.86 ID:7WfNBvqE0
友「っと、そろそろ明日の打ち合わせの時間だな」
幼友「もうそんな時間?じゃあうちとコイツはもう行くね」
幼「太鼓のお話ですか?」
幼友「うん。搬入とか開始時間とか色々ね」
友「んじゃ、そゆことで」
男「おう、がんばれよ」
幼友「あっ、忘れるとこだった。男って明日の朝へーき?」
男「あ?どゆこと?」
友「そういや男に明日の朝うちの太鼓搬入手伝ってほしいって師匠が言ってたな」
男「朝か...何時くらい?」
友「多分8時くらいだと思うけど。今日の打ち合わせで詳しくわかる」
男「そっか、師匠には世話んなってたしな〜。幼、行ってもいいか?」
幼「勿論ですよ♪お祭りはお昼からですし」
男「サンキュ、じゃあとりあえずOKって師匠に言っといて」
友「分かった、マジ助かるわ」
149 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/12(木) 00:16:18.89 ID:7WfNBvqE0
幼母「じゃああたしらも帰るか」
幼「はい♪男君、行きましょう?」
本来ならここで華麗にgo to homeを決めているところだがそうもいかない事態が発生していた。
友と幼友が帰った途端、境内のどこからか違和感を感じる。
男「あ〜悪い、ちょっと寄るトコあるから先帰っててくれ」
幼「用事ですか?じゃあここで待ってますけど...」
男「いや、幼も今日は疲れたろ。早く帰ってゆっくり休め」
そう言うと幼はキョトンとしていたが幼母は何かを感じ取ったようだ。
幼母「...じゃあ先に帰るぞ。行こっか幼ちゃん」
幼「え...でも」
幼母「大丈夫大丈夫。おい男、用事が終わったら家に来い。晩飯くれてやる」
男「あいよ。ありがたく頂きますかな」
幼「じゃあまたあとで♪」
男「おう」
150 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/12(木) 00:17:10.99 ID:7WfNBvqE0
二人に別れを告げると、幼母が去り際に耳打ちをしてきた。
幼母「...気配が一匹、お前に関係あんのか?」
武道を習得していると五感が強化され、なんとなく気配や殺気を感じ取る事ができるようになる。
さすが幼母、すでに俺が感じている違和感を気配として感じ取っていたようだ。
だがこの違和感の正体が何なのか分からない。ただ先程の夢に出てきたモノになにか関係があるような気がする。
男「...分かんねーけど心当たりがある」
そう言うとそれ以上は追求してこなかった。
幼母「まぁ悪い気配じゃねーから大丈夫だろ。ただ気をつけろよ」
男「....了解」
151 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/29(日) 23:50:42.49 ID:zVawLtUB0
男「...さてと」
二人がいなくなり、境内を静寂がつつむ。
目線は例の祠に向けたまま、ゆっくりと近づいていく。
男「...そこにいんだろ?出てこいよ」
??「...」
祠の裏からでてきたソレはとてもキレイな色をしていた。
男「...やっと見つけたぞ」
??「やっと見つけてくれたわね」
黄金に輝くその体。耳は大きく目は鋭く、何より目につく九本の尾。
狐娘「はろはろ〜。あたしの名前は狐娘。よろしくね♪」
152 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/29(日) 23:51:43.32 ID:zVawLtUB0
男「...」
狐娘「ありゃ?驚かないんだ?」
男「そりゃここ最近奇想天外アンビリーバボーな出来事に見舞われ続けてるからな」
狐娘「そりゃそっか。なんせ十年後から飛ばされてきたんだものねー」
そう言って狐娘と名乗る目の前の野生動物はケラケラと楽しそうに笑う。
....おいおいおいなんだよコレ!なんでキツネが喋ってんだよ!てかこいつキツネだよな?ホンドギツネだよな?
Vulpes vulpes japonicaだよな?なんで喋ってんの?動物って口を横に開く(い)の発音が出来ないんじゃないの?
驚かないわけねーだろアホが!ご自慢のポーカーフェイスだバカヤロー!ポーカのルール知らねぇけど!
狐娘「なんだ、しっかりと驚いてるじゃない。安心したわー。流石に無反応って傷つくのよねー」
...なん...だと...
コイツ心を読みやがった。俺のプライバシーが爆散したぞうぉい。
男「...てめぇ一体何者だ。今までの一連の出来事は全部てめぇの仕業か?」
狐娘「まぁまぁそんなに睨まないの。あたしはただの案内役よ」
153 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/29(日) 23:52:31.52 ID:zVawLtUB0
男「じゃあ案内役さんよ、とりあえず色々聞きてぇ事はあるがまずこの状態はなんだ?」
狐娘「見たまんまよ。あなたは十年前に飛ばされてきた、それ以上に何か必要かしら?」
男「当たり前だろ。なんでこんな事になってる?」
狐娘「まぁそれは順を追って説明するわ」
狐娘「まず天界には二人の神様っぽい奴がいるのよ。片方は生を司る神、もう片方は死を司る神」
男「おい、神っぽいってどーいう事だよ」
狐娘「うっさいわね、いちいちつっこまないでくれる?」
おうおう、なんだコイツ。イラッとしちゃったぞ♪
狐娘「んでもってある日、生を司る神は言いました...」
男「...」ゴクリ
狐娘「田舎を舞台にイチャイチャする幼馴染同士のラブコメが見たい!!」
男「...はい?」
あれ?なんかシリアスな感じになるはずなのにおかしいぞ?え?神様ってそういう感じなの?謎すぎだろ。
狐娘「まぁ最近奴の部屋にラブコメアニメのDVDが散乱してたしね〜」
男「神様DVD見んの!?」
狐娘「しかもこの間なんて部屋から大声で「めんまーーー!!」って叫んでたし」
男「謎発言の原因分かっちゃったよ!!」
やばいよ神様、重症だよコレ。
狐娘「それでなんやかんやあって貴方を十年前に戻して幼馴染とあなたをくっつけようと言うわけですね」
男「なんか最後適当じゃねぇ!?」
154 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/29(日) 23:53:20.33 ID:zVawLtUB0
狐娘「でもここで一つ問題があります」
狐娘「あなたがこの時代に介入することによって未来が少なからず変わってしまいます。例えば死ぬはずの人間が死なない運命を辿ったり」
狐娘「それをよく思わないのが死の神様です」
男「...」
狐娘「...やだなぁ、そんな厳しい顔しないでよ。それ自体はあんまり問題じゃないんだから」
男「そうなのか?」
狐娘「ここで大事なのは変化の度合いよん。死の神だってそんなにヒマじゃない、一人二人生き残ったって気付かないわ」
狐娘「ただあまりにもとの運命から遺脱した行為をすると流石にばれるわよ」
男「...バレるとどうなる?」
狐娘「全事象の運命が貴方を殺しにかかる。勿論幼馴染もね」
男「生の神はなんとかしてくんねーのか?」
狐娘「人の死は管轄外なのよ。手出しできないわ」
男「なるほどな。手出し出来ない代わりにお前を寄越した、そういうことだろ?」
狐娘「話が早くてたすかるわー」
狐娘「つまりあなたは死の神にばれない程度で更に幼馴染が生き残る為の小さな変化を起こして運命を変える必要があるの」
大きな変化を起こしてしまうと死の神にバレて死ぬ。
しかし変化が小さすぎても今度は幼馴染が死ぬということか。
155 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/29(日) 23:54:07.57 ID:zVawLtUB0
男「...それって結構厳しくねぇか?」
狐娘「うん、厳しいね」
さらっと言ってくれるぜ。何するにしても程よくが一番難しいのに。
狐娘「んでもって、なるべく失敗しないように派遣されたのがあたしってわけ。お分かり?」
男「ってことはお前はどうすればいい具合に運命が変わるか知ってるわけだ?」
狐娘「んにゃ?全然?」
男「は?」
狐娘「人が死ぬ運命を見ることができるのは死の神だけ、あたしにはじぇんじぇん分かんないわ」
おいおいそれじゃあ意味ねーだろ。何のためにお前いんだよ。
狐娘「ムッ..あんた結構失礼な事言うのね」
男「頼むから心読むなよ...」
狐娘「うっさいわね、我慢しなさい童貞」
男「うるせぇ野生動物が。同定すんぞ」
狐娘「...寒っ」
目の前のキツネが何でコイツ生きてんの?死ねば?と言わんばかりの目線を送ってくる。
...結構うまいこと言ったと思うんだけどな。
156 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/29(日) 23:54:52.91 ID:zVawLtUB0
男「..コホン。で、お前は何が出来んだよ」
狐娘「あたしが出来る事は色々あるけど、大きいのは2つ。人の心を読む事。それと、少し先の未来を見ることよ」
男「...未来を見る?」
狐娘「そっ。ただ未来と言ってもそんなに鮮明には見れないわ。Happy endかBad endか、常に変化する運命の先がどちらに転ぶかが大雑把に分かる程度よ」
男「それって役に立つの?」
狐娘「立つか立たないかは使い手によるわよ。あんたはすでにあたしと主従の契約結んでんだからうまくやりなさい」
男「.....は?」
157 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/06/29(日) 23:57:19.65 ID:zVawLtUB0
お待たせしました。
もう誰も見てないかもしれませんが(泣)
キツネは結局♀って事になりました〜
引き続き温かい目で見守って下さいな
158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/06/30(月) 00:31:40.91 ID:ytC4c70cO
見てますよぉ!
楽しみにしてますよぉ!
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/06/30(月) 01:35:09.69 ID:nmGdbVD70
見てないとでも思ったか 1レス30匹はいるんだぞ
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/06/30(月) 14:38:41.68 ID:rQwH3uCsO
待ってた!
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/06/30(月) 21:18:19.97 ID:PYvQM7HXo
待ってた(´・ヮ・`)
162 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/01(火) 00:17:03.82 ID:PYSMCw/u0
男「いやいや待てよ、俺契約なんて結んでねーんだけど?」
狐娘「あんたさっきあたしの祠に血ぃ垂らしたでしょ?あれで契約が成立しちゃってんのよ」
男「え?契約ってそんな簡単でいいの?実印は?」
狐娘「いるわけ無いでしょバカ。古くから人と妖かしは血の契約によって結ばれるって決まってんよ」
狐娘「と、いうわけで。これからよろしく」
男「まぁ..そういう事なら...よろしく」
163 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/08(火) 21:41:03.56 ID:CQiFx+Xk0
男「で?お前はこれからどーすんだ?」
狐娘「あたしには運命が正しく変わるまで見守る義務があるわ」
狐娘「ってことであんたのとこでお世話になりまーす」
男「いや、それはいいんだけどよ。キツネのまま家に来るのか?」
狐娘「なんか問題あんの?」
男「いやさ、俺のばあちゃんマタギだからさ。まぁ大丈夫だとは思うけど」
狐娘「ふーん...じゃあこれなら問題ないでしょ?」ボンッ
男「うおっ!?煙!?」
すると先程までの九尾のホンドギツネの姿は無く、目の前には巫女服を羽織った同い年くらいの少女が立っていた。
狐娘「...っと、これでよし」
男「いやいやいや、なんもよくねーよ。家に知らない女が居たら大問題になるだろーが。しかも狐耳、尻尾、巫女服なんつーお決まりの格好しやがって...
見つかったら俺が死ぬわ。社会的に」
狐娘「それに関しては大丈夫よ。あんた以外にあたしの姿は見えないし触れないから」
男「そなの?俺にはめっちゃハッキリ見えるけど?」
狐娘「あんたはあたしと契約したからよ。あとはよっぽど霊感的なものが強い人じゃなきゃ気配すら感じ取れないわ」
164 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/08(火) 21:42:16.90 ID:CQiFx+Xk0
男「んじゃもうひとつ。その格好何?」
狐娘「巫女服はあたし達の正装よ。あんたが勝手に変な目で見てるだけよ童貞」
男「童貞関係ねぇだろ...。んで?耳と尻尾は?」
狐娘「普通化身の時に耳とか尻尾が生える事は無いんだけど...ここに来る前に奴にやられた。これが王道だー!っつって...」
そう言うと狐娘は悔しそうに拳を握る。
...神様ホントに重症だな。
まぁコイツは顔も小さく整ってるし髪も長い狐色で綺麗だし、正直似合ってるからいいと思うが。
狐娘「耳はまだいいんだけど尻尾が邪魔よ。9本もあるから鬱陶しくてしゃーないわ」
男「それは消せないもんなのか?」
狐娘「術をかけられたからね。呪いみたいなもんよ...あのクソヤロォ...」
男「ご愁傷様。そのうち慣れんだろ。俺以外に見えないなら問題ねぇ、とっとと帰るぞ」
狐娘「ほーい。あたしお腹すいたー」
男「帰ったらな」
ばあちゃんへ
変な同居人が一人増えます。
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/07/09(水) 06:58:52.62 ID:myxfkXoeO
おつん
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/07/12(土) 01:39:55.07 ID:h1/WPd2iO
乙!
167 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/12(土) 18:15:32.95 ID:ef8TouEl0
とりあえずキツネを連れて家に帰宅。
まだばあちゃんは帰ってきていないようで少し安心した。
男「とりあえず上がれ、後は適当に過ごしてろ」
狐娘「ほーい。おっじゃまっしまーす」
ズカズカと居間に入り込む狐娘を横目に着替えを準備する。
狐娘「あれ?あんた幼馴染の家に行くんじゃないの?」
男「お前話聞いてたのかよ。...盗み聴きはよくないぞ」
狐娘「あんたが今思ってることを読んだだけよ」
男「マジかよ...」
ホントになんでもありだなこのキツネ...
男「先に風呂はいんだよ。一日焼きそば焼いてたから汗とソースの匂いが染み付いてヤバイ」
狐娘「へーそー、行ってらっしゃーい」
...この野郎、聞いちゃいねぇな。
つか人の煎餅勝手に食ってんじゃねぇぞ。
あと紙敷け紙、ポロポロこぼれてんだろーが。
まぁ言ったところで無駄だろうけどな。
男「...麦茶は冷蔵庫にあるから、勝手に飲め」
狐娘「ほいほーい」
着替えを持って風呂場に向かう。
脱衣所で服を脱いでいると居間から叫び声が聞こえた。
...そういや昨日の麺つゆコップに入れっぱだったな。
168 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/12(土) 18:17:06.29 ID:ef8TouEl0
風呂も上がり、一人で幼の家に向かうともう既にご飯の準備がされていた。
ちなみに狐娘は居間で爆睡してたからおいてきた。
幼「ん..男君いい匂いがしますね」
男「まぁ風呂入ってから来たからな。幼はまだ入ってないのか?」
幼「家に着いてからすぐ入りましたよ〜」
そう言って頭をすり寄せてくる幼。
男「ホントだ、いい匂いがする」クンクン
幼「えへへー、くすぐったいですよぉ//」
あぁ〜癒やされるなぁ。やっぱ幼が一番だな。どっかの我が儘娘とは大違い。
幼母「....お前らこのクソ暑い中なにしてんだ?」
男「ぬぉ!?びっくりしたー!なんだ、あんたか」
幼母「ねぇお前やっぱ死ぬ?それとも死ぬ?」
男「いやごめんなさい。ちょっと調子乗りました」
幼母「...まぁどうでもいいから飯食うぞ。とっとと座れ」
幼「はーい♪」
あれ?いつもならここでありもしない罵詈雑言を叩きつけてくるはずなのに。
なんか幼母がやさしいぞ?
169 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/12(土) 18:18:12.12 ID:ef8TouEl0
男「ごちそーさま」
幼「ごちそうさまでした」
幼母「ん、お粗末さん」
幼母が作った肉野菜炒めを食べ終わり、お腹が程よく満たされた。
...てかコレ絶対今日の残りだよね?麺がない焼きそばだよね?何それ悲しい。
しかし作って頂いた身分でケチなど付けれるはずもなく、ただただ静かに現実を受け止めていた。
幼母「幼ちゃん悪いんだけどスイカ切ってきてくれない?」
幼「わかったー」
男「じゃあ俺も手伝おうか...」
幼母「まぁ座ってろ」
男「...はぁ」
いつにもなく真剣な表情をする幼母に少し気圧されてしまった。
幼母「....んで、どうだったんだ?」
男「どうだったと言われましても...まぁ..」
ぶっちゃけこの人にはすべてを話してしまおうかと考えていた。
なんせ当人の母親だ。自分の娘の身を誰よりも案じているはずである。
しかも普段はこんなふざけた人だがきちんと話を聞いてくれる人だ。
こんなふざけた事実もしっかりと聞き入れてくれるだろう。
でも...だからこそ言えなかった
170 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/12(土) 18:22:05.79 ID:ef8TouEl0
幼母「...言えないか?」
男「いえ...」
幼母「いやいいんだ。無理に聞き出そうとは思ってねぇ。ただこれでもお前のことは気にかけてんだよ」
男「...」
幼母「お前は人の為、特に幼の事になると少し無茶をする癖があるからな。心配なんだよ」
男「....あの時は迷惑かけました。すんません」
幼母「まぁ幼を守るためだったし、何よりお前が無事だったからもういいさ」
幼母「...今何が起きてんのかは知らねぇが無茶だけはすんなよ。いつだって頼ってきていいんだからな」
男「...はい」
今ここで幼の未来、俺の現状を話せばこの人は色々と必死になって助けてくれるだろう。
でもだから、だからこそこの人には言えない。
誰よりも娘を強く想い、昔から俺を実の息子のように接してくれるほど優しい人。
今話せば未来を大きく変えてしまうかもしれない。それだけの力がこの人にはあるんだ。
少なくとも今は言う時期ではないのだ。
静かな部屋に幼の明るく抜けた声が響く。
幼「スイカ切ってきましたよ〜」
幼母「おぉ、幼ちゃんありがとな。ほら男も食うぞ」
この話は終わりだと頭をガシガシと撫でてくる。
少し痛いこの感触が、心地いいと感じる。
大丈夫だと、今は言わないでいい、ただいつでも守ってやるからと伝わってくる。
...やっぱり母は強しなんだな。
171 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/07/12(土) 21:15:34.48 ID:gXWicZEB0
半年前から見てます
頑張って下さい
ちなみにあの花は最近みました
172 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/16(水) 19:04:50.05 ID:g6HrR+5D0
男「ただいまっと」
自宅に戻り、居間の扉を開くと例のキツネがまだ爆睡していた。
男「...おい、そろそろ起きろ」ユサユサ
狐娘「ん...んあぁ..ふぁ〜よく寝た〜。今何時ぃ?」
男「9時過ぎだ。とっとと風呂入ってねろ」
狐娘「えぇー..お腹すいたぁ〜」
コイツ寝起きだとこんな感じなのかよ。ちょっとかわいいじゃねーか。
男「...入ってる間に作ってやるからとっとと行って来い」
狐娘「む〜...はぁーい」
ったく、結局夕飯作んなきゃならねぇじゃん。
もうめんどくさいし素麺でいいだろ。
173 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/16(水) 19:05:43.71 ID:g6HrR+5D0
ーーーー次の日の朝
男「ってことで俺は今からちょっと出るからな」
狐娘「はいはい、お手伝いね。行ってら」
男「くれぐれも俺がいない間に問題起こすなよな?」
狐娘「分かってるから早く行きなさいようるさいわね」
男「...お前寝起き以外ホント可愛げないな。びっくりするわ」
狐娘「はぁ?あんたに媚び売ってどうすんのよ。バカなの?」
男「バカじゃねーわコラ。...じゃあとりま行ってくるからな」
狐娘「ほーい」
174 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/07/16(水) 19:06:48.61 ID:g6HrR+5D0
>>171
ありがとうございます
これからも頑張って書いていきます
175 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/07/16(水) 22:40:04.75 ID:ikcLlXWQ0
おつんつん
176 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/07/18(金) 00:15:07.31 ID:UgTJPI5rO
ゆっくり自分のペースでこれからもよろしくです(^o^)
すっごい楽しみにしてます!
177 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/08/06(水) 01:07:54.25 ID:oi0R/UnDO
ほ
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/08/06(水) 09:40:48.68 ID:OzhP2+bnO
期待
179 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2014/08/22(金) 19:29:31.80 ID:g7B0ja+tO
まだかなー
180 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/24(日) 23:47:38.71 ID:thkwnUa80
ガラガラ
友「おっす、迎えに来たぞーっと」
男「おう、ちょうど今出ようとしたところだ。じゃあ行くか」
ーーーーーー
男「とりあえず師範の家か?」
友「そ、俺とお前で師範の家にある太鼓を軽トラに積む」
男「あいよ、..っともう着いたな」
友「師範ー!男連れて来ましたよー」
友が玄関前で叫ぶと、家の中から恰幅のいいスキンヘッドの親父が出てきた。
181 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/24(日) 23:48:53.48 ID:thkwnUa80
師範「おう男かぁ!しばらくぶりだなぁ!!」
男「しばらくぶりです、お元気そうでなによりです」
師範「まぁな!まだまだ歳にゃー負けねーよ!」
この人が友や幼友、そしてかつて俺に太鼓を教えていた師範である。
見た目完璧にやーさんだが実際に軽くやーさんである。
一応植木屋なんだがこの辺りの催事を指揮したり、色々な揉め事を力で解決しようとするおっさん。
だが見た目はヤバイが普通にいい人である。俺もよく世話になってるし、10年後もこっちに戻ってくると大体一緒に飲む。
師範「悪いな男、夏休みなのに呼び出しちまって」
男「全然大丈夫ですよ。いつでも呼んで下さい」
師範「いやぁーまったく...いい男に育ったもんだ!それに比べて...」
友「ねぇ師範?なんで俺の事見てんの?その温かい目やめてくんない?」
182 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/24(日) 23:49:44.67 ID:thkwnUa80
男「そういえば幼友とか他の人は?」
師範「あぁ、あいつらは今日叩かせるから怪我させれねーんだわ。だから俺と男と友の三人だけ」
男「なるほど。確かにそうですね」
友「そこで納得しちゃうのは俺の価値観のなさを揶揄してるの?」
男「お前は怪我したっていいだろ。むしろしろよ」
友「よくねーよ!俺も叩くんだよ!ちょっとは労ってくんね!?」
師範「んじゃまず六寸からどんどんトラックに載っけよう」
友「でたよスルー!最近多いなぁ!」
男「うっす、友、何張り乗りそう?」
友「んだよチキショー...とりあえず六寸六張りだな。それから寸胴はデカイから一張りでそのあと残った三尺載っけて隙間に締めだな」
男「じゃあ台とチャンチキは最後だな」
友「そだな、じゃあ運ぶか」
183 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/24(日) 23:50:27.42 ID:thkwnUa80
男「これで全部載ったか?」
師範「とりあえずは平気そうだな!男、ロープで落ちないようくくっといてくれ!」
男「もやいで引っ掛けて南京で締め上げる感じですか?」
師範「それで頼む」
友「あれ?ラチェット無かったでしたっけ?」
師範「去年お前が壊してから買ってねぇ」
友「...てへっ」
男「...フンッ」スパァン!!
友「痛ぇよ!!ロープは駄目だろ!常人だったら死んでるぞ!?」
184 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/24(日) 23:55:08.04 ID:thkwnUa80
...夏って忙しいよな(訳;ホントに申し訳ない)
保守していただいた方々、ホントに助かりました。
夏休みも今日で終わりなのでこれからはなるべく空けないようにします...
あとちょくちょく分かる人には分かる単語が出てきますのでご了承ください
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/08/25(月) 00:36:35.63 ID:N0/3QM5p0
おつn
186 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/26(火) 22:25:18.88 ID:x4Dnf6vJ0
ーーーーーー
師範「到着っと」
ついた場所には既に舞台ができており、後は太鼓を並べるだけのようだ。
師範「じゃあどんどん下ろすぞ。配置はこの紙に書いてある」ペラ
男「了解です」
友「男ー!これどうやって解くの!?」
男「こんなの引っ張りゃいいんだよ」シュルッ
友「すげぇ」
187 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/26(火) 22:26:32.83 ID:x4Dnf6vJ0
男「おいしょ...っと。これで全部かな」
友「こんなもんでしょ、これでいいよな師範?」
師範「おうOKだ!二人共一回帰るだろ?」
男「まぁそうですね」
師範「じゃあ送ってやるから荷台乗っとけ」
友「うーっす」
ブロロロロ
友「おっふ...荷台だと振動が直にくるな」
男「ゴムパッドも敷いてないしな。流石田舎のベンツ」
友「いやベンツではねーだろ」
188 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/08/26(火) 22:27:50.98 ID:x4Dnf6vJ0
男「ただいまー」ガラガラ
幼「あっ!男君おこえりなさい!」トテトテトテ
男「なんだ幼、来てたのか」
幼「そんなことより男君!こっち来てください!」
男「おいちょっ...、ひっぱるなって、分かったから」
幼「ほら!これ見てください!」
男「はいはい。なんでそんな興奮して.....」スッ
居間をのぞくと、見慣れたキツネが一匹腹を出して寝ていた。
....おい、早速問題起こしてるじゃねーか。どうすんだこの状況。てかなんでキツネに戻ってんだよ、目視確認されちゃってんじゃん。
幼「男君の探していたキツネさんですよ!」
男「うん...そうだね...」
幼「気持ちよさそうに寝ていますね〜♪かわいいです♪」
幼が幸せそうな顔で眺めていると、その視線に気が付いたのかキツネが目を開けた。
やばっ!!コイツの寝起きは結構アホだからヤバイ!!このままだと多分...!!
男「幼!ちょっとこっちk狐娘「んっ...ふぁ〜...男ぉ..おかえり〜」
男「」
幼「!?」
狐娘「んぁ....あっ」
あっ、じゃねーよ。
幼「き...キツネさんが喋ってる!!」
...最悪の事態が起きた。
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/08/27(水) 18:23:02.03 ID:hg4m02I80
いつも楽しみにしてます!
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/08/27(水) 18:24:11.55 ID:hg4m02I80
いつも楽しみにしてます!
191 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/04(木) 22:35:39.22 ID:11Lh1QcK0
幼「男君!今このキツネさんしゃべりましたよね!?」
男「あぇ?そうだったぁ?空耳じゃねーの?」
おいこの野郎どうすんだ!
とりあえずこれ以上喋らすわけにはいかねぇ...
がんばって狐に目配せをし、なんとか伝えようとする。
この想い!君に届けぇ!!
するとキツネがこちらを見て、頷いた。
よし!分かってくれたか!
とりあえずこれ以上は絶対しゃべんじゃねーぞ...
普通のキツネアピールだ、Vulpes vulpes japonicaになりきれ!!
...てかなんで学名って2回続くの多いんだろう、ゴリラの学名なんてGorilla gorillaだし、ニシローランドゴリラに至ってはGorilla gorilla gorillaだからね?ゴリラっていう情報しか入ってこないからね。ゲシュタルト崩壊するレベル。
192 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/04(木) 22:36:37.97 ID:11Lh1QcK0
まぁんなこと今はどうでもいい、なんとかこの状況を打破してくれ!!
狐娘「ゴホン...オッス、オラキツネダヨ!フクワジュツデシャベッテルンダ!」
男「そうじゃねーよ!!」
なんなんだお前は!どうしてそうなった!?バカなの!?
幼「男君腹話術なんてできるんですか!?」
男「おっ...おう!俺はなんでもできるからな!」
幼「あれ?でも声はキツネさんから聞こえた気が...」
男「そういう仕様だ!」
幼「おぉ!男君すごいです!!」
幼がアホの子でよかった、とりあえずは大丈夫だな。
とりあえず狐娘はどっか行け!はやく!
狐娘「...」コクッ タッタッタ...
193 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/04(木) 22:37:31.40 ID:11Lh1QcK0
幼「あー、いちゃいました...」
男「そりゃそうだろ野生動物なんだから...」
ふぅ....なんとか凌げてよかった。
ったくあいつは...何考えてんだ、ホントビビったわ...
狐娘「いきなりだったんだからしょうがないでしょ」
背後から聞こえた声に振り返ると、人型になった狐娘が戻っていた。
男「おまっ!なんでもd狐娘「静かにしなさい」キュッ
背後をとられた俺はそのまま首をキメられ口を塞がれた。
てゆーかマジで死にそう。コイツ本気で締めてるわ、むしろこのまま指が喉仏の右外方三横指分の位置から胸鎖乳突筋を突き破る勢い。何それ死んじゃう。
194 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/04(木) 22:38:25.98 ID:11Lh1QcK0
狐娘「あの子にあたしの姿は見えてないんだから騒がない。言いたいことあったら心のなかで言って」
そうだった。俺以外の人間にはコイツの人型の姿は視認できないんだ。
男(てか心読めんだったらなんでさっきの状況で読まなかったんだよ!)
狐娘「こっちだって常日頃から読めるわけじゃないのよ。意識してある程度集中しないと」
男(つまりさっきは寝ボケてたと)
狐娘「うっさい」ゴキッ
男「グエッ」バタッ
幼「どうしたんですか男君!顔が青いですよ!?」
男「あぁ...ちょっと暗殺されかけただけだから大丈夫」コヒュ- コヒュ-
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/09/05(金) 10:53:04.42 ID:gIbO+Fuu0
乙
待ってたぜ
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/09/06(土) 11:40:03.71 ID:XIKAyWmH0
追いついたぞ
早く頼む
197 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/10(水) 23:54:27.82 ID:M2Bn26Pf0
男(頼むから今はおとなしくしといてくれ!)
狐娘「ハイハイ分かってるわよ、あたしはあんたの部屋でもう一眠りしてくるわ」
男(どんだけ寝んだよ。校長の授業聞いてる時の俺かよ)
狐娘「それはちゃんと聞きなさいよ...まぁなんでもいいわ。後は二人でお好きにどーぞ」
男(あぁ、それと午後から外出るからな...って、もう2階行きやがったあいつ)
幼「男君さっきからボーっとしてどうしたんですか?」
男「んあ?あぁ、何でもない。ちょっと暑くてな」
幼「太鼓運んできたんですもんね。いま麦茶淹れてきます」
男「サンキュー」
198 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/10(水) 23:55:32.61 ID:M2Bn26Pf0
午後
男「宿題もある程度やったし、そろそろ祭り行くか?」
幼「そうですね♪じゃあ一回戻って準備してきますね〜」
ーーーー10分後
幼「お待たせしました〜」
男「おし、じゃあ行くか」
アブラゼミが奏でる爆音に囲まれながら二人で道を歩く。
幼と二人でのお祭り。こういった何気ない時間がどれだけ大切か、俺は既に知っている...
皮肉なものだな、本当に大切なものってやつは大体失ってから気付くもんだ。常に側にいるから、失うなんて思っちゃいないから、だから間違えた。
死ぬほど後悔した。けど、後悔も反省も意味がなかった。次が無かったから...もう二度と手に入らないものだと思っていたから...
男「....」キュッ
幼「あっ...えへへ♪」
すぐ隣りの小さな手を握る。夏に手を握ると暑いな...
けど....今度は離さない。
男「よし!幼、何が食いたい?なんでもいいぞ?」
幼「うーんっと、男君の作った焼きそばがいいです!」
男「ごめんなさいそれ以外で」
幼「クスクスッ、冗談ですよ♪」
この笑顔を...守ってみせる。
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/09/11(木) 01:06:30.92 ID:l1RWgRzG0
待ってたぜ
200 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/16(火) 22:57:09.53 ID:KGyIUL0s0
ーーーー祭り会場・大通り
男「やっぱ最終日ってだけあって活気づいてんな」
幼「日曜日なので人も多いですね〜」
男「んじゃとりあえず飯食うか、腹減ったわ」
幼「私じゃがバタ食べたいです!」
男「おっし、じゃあ探すか」
ーーーー
幼「あっ!男君!ありましたよ!」
男「どれどれ...幼、こいつぁダメだ」
幼「えー?何でですか?」
男「ここのじゃがバタは蒸かしてるだけ、俺が求めてるじゃがバタは蒸かしプラス揚げだ」
幼「おぉー、確かに。そっちの方がお美味しそうです」
男「だろ?値段は高くなるがその分うまいんだよなー。ほれ、あっちのじゃがバタは揚げてあるしあっちの買おうぜ」
幼「ホントだ!しかも見てください男君!バターつけ放題ですよ!」
男「...神だな」
幼「神ですね♪」
201 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/16(火) 22:58:04.60 ID:KGyIUL0s0
幼「あ!金魚すくいですよ!」
男「金魚すくいは破れないようにゆっくりやるとドツボにはまるぞ。ある程度思い切ってすくい上げろ」シュパッ
幼「わ〜!ヨーヨーです!」
男「輪っかが表面張力で水面にくっついてるやつが狙い目だ」ヒョイ
幼「缶落としです!」
男「っうぉらぁ!!」ガッシャン!!
幼「クジもありますよ!」
男「それは無理!!」
202 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/16(火) 22:59:44.36 ID:KGyIUL0s0
男「結局クジやったのはいいけど...何このちっちゃい蛍光色のムカデ、クソ懐かしいんだけど」
これはアレだな、確か押入れの缶の中にかなり溜まってたはずだ。
子供の時はエアガンが欲しくてかなりクジやったなー...当たったこと一度もねぇけど。
幼「でも他は凄いいろいろ取りましたね!男君昔から屋台遊びが得意ですよね〜」
男「まぁばあちゃんの遺伝だわな、腕が鈍ってなくてよかった」
幼「桜祭りの時も遊んだじゃないですか、そんなすぐに鈍りませんよ」クスクス
男「.....そうだな」ワシャワシャ
幼「わわっ」
幼の頭をガシガシと乱暴に撫でる。
幼と一緒に楽しく遊んでいると、たまに自分が10年後から来た存在だということを忘れそうになる。
...まぁ家に帰ればあのアホ狐がいるから嫌でも思い出すんだけどな。
男「っと、そろそろ友と幼友の太鼓始まんじゃね?」
幼「そうですね、見に行きましょう」
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/09/18(木) 08:48:38.85 ID:lAKKN3C80
おつんつん
204 :
</b> ◇P8G.IC5UqUBR<b>
[saga]:2014/09/24(水) 21:58:03.09 ID:Qw8q8DYk0
ここの祭りは多くのお店が立ち並ぶ町の大通りを通行止めにして開催される。
左右にズラッと屋台が並ぶ大通りを真っ直ぐ行くと、その終点には神社があり、隣接する広いスペースがメインの会場になる。
ここでは各自治体ごとのイベントが行われたり、なんかしらの演奏や出し物が行われ、夏の終わりには納涼盆踊り大会なんかも行われたりする。
その会場から懐かしい太鼓の音が聞こえる。
男「あれ?もう始まってんじゃん」
幼「あっ!友くんと幼友ちゃんですよ!」
二人は黒い法被を身に纏い、又引きに足袋といった出で立ちで、背中には赤い線で家紋のようなマークが書かれている。
友は手拭いを喧嘩かぶり、幼友はねじり棒をを頭に巻き、それぞれが担当する太鼓を叩いている。
幼「幼友ちゃんかっこいいですね〜」
男「まぁアイツはもともと上手かったからな。...ってか友のやつ頑張ってんな」
幼友はオーソドックスな一尺六寸の太鼓を叩いている。振り上げる腕の高さもリズムも周りのメンバーとピッタリ合っていて流石である。
そして問題は友である。
友は今年から任されたのであろうポジションにいた。
男「...桶胴に長胴、締め二つか...大変だな」
締太鼓は皮の締め付け具合をロープ、またはボルトで調節して音程を変えることができる太鼓で、友が使っている二つの締太鼓もそれぞれ出る音が微妙に違う。
音程の違う締太鼓二つと桶胴、長胴太鼓に囲まれている状態は、まるでドラムのように見える。
幼「友くんのソロですね!」
男「うおっ、めっちゃ早打ちじゃん!えげつねー」
205 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/24(水) 21:59:01.01 ID:Qw8q8DYk0
ーーーー
幼「二人共お疲れ様です!!」
幼友「いやー疲れたー!二人共見てたの?」
幼「バッチリ見てましたよ!カッコ良かったです!」
幼友「アハハ...なんか恥ずいな、けどありがと」
男「そうそう。スゲー上手かったぞ?ほれポカリ」ポイッ
幼友「ありがと、まぁ目立ったミスもなくて良かったわ」ゴクゴク
友「ねぇ男、俺は?俺は?」
男「お前全体的に少し走りすぎ、あと誤魔化したみたいだけど一回バチ当たってたのバレバレだぞ。帰れ」
友「何その酷評!?」
男「罰としておまえだけアクエリだ」
友「...ん!?」
206 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/25(木) 00:00:48.96 ID:A2Xhuadm0
男「冗談だ、上手く出来てたぞ」
友「ったく、素直にそう言えよ。ホント男はツンデレだな」
男「はぁ?何言ってんだてめぇぶち殺すぞハゲ」
友「ツンがでけーよ!致命傷レベルだわ!」
幼友「ほらバカやってないでとっとと行くわよ。皆片付け始めてるんだから」
友「やばっ!師範に殺される!じゃーな二人共!」
男「あいつ元気だな」
幼「それが友くんの取り柄ですからね」
男(...この子結構酷いこと言うな)
207 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/25(木) 00:02:47.46 ID:A2Xhuadm0
ーーーー
幼「あ!あの猫の置物かわいいですね♪」
男「んぁ?どれどれ...射的か。ちょっとやってみるか」
幼「男君がんばって下さい!」
しかし置物は意外と重量があり、現代のシモ・ヘイヘと呼ばれた俺でも倒す事は至難の業だった。
男「クソッタレ、あと二発しかねぇぞ」
幼「倒れても落ちてくれませんね〜」
おっちゃん「ガハハ!諦めな兄ちゃん!」
そう、射的のルールとして獲物を倒すだけでなく台から完全に落とさなければ獲得とはならない。
男「どーすっかなー...」
??「ありゃありゃ、この程度の獲物で苦戦するようじゃまだまだだな」カチャ
男「!?」
突然声をかけられたと思ったら、縦に繋がった二本の鉄の棒が目の前に現れた。
これは...
おっちゃん「じ...上下二連式散弾銃!?」
上下二連式散弾銃とは、日本の狩猟用の銃として多く利用されるポピュラーな銃である。
狩猟ライフルと比べれば射程も威力も低いが、扱いやすく汎用性が高い銃である。
そしてこんな銃を人前で振り回すような人間を俺は一人しか知らない。
男「そんなもんで撃ったら粉々になるでしょーが。おかえりばーちゃん」
ばば「スラッグ弾でこの距離だから大丈夫。たでーま」
御年58歳の現役マタギ...俺のばーちゃんである。
何が大丈夫なんだよ。駄目だわ、吹き飛ぶわ。
208 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/26(金) 00:46:40.57 ID:ZVIcNOEo0
幼「おばーちゃんこんにちは!」
ばば「あらま幼ちゃん、元気にしてたかぃ?後で肉差し入れに行くからお母さんに言っとき」
幼「わぁ!ホントですか!?ありがとうございます!お母さんに言っておきますね♪」
男「ちなみに何肉?鹿?」
ばば「おっこt...唯の猪だ」
おい、今何言いかけた?狩っちゃったの?海を渡ってきた白い猪狩っちゃったの?
男「てかスゲー獣クサイんだけど、風呂入ってこいよ」
ばば「そぉか?まぁ一応顔出しに寄っただけだからすぐ帰るべ」ヒョイ
男「っと、何で銃奪うんだよ」
ばば「まぁ見てろって...」カチャ パン!パン! ゴトッ
男「すげぇ」
209 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/26(金) 00:47:42.69 ID:ZVIcNOEo0
ばーちゃんと別れ、二人で大通りをぶらぶらする。
祭りも終わりに差し掛かり、この喧騒もラストスパートといったところだ。
幼「明日から本格的に夏休みが始まりますね♪」
男「まぁ毎年この祭りが終わって夏休みがスタートするって感覚だからな」
幼「今年もいっぱい遊びましょうね!!」
男「どっか行きたい場所でもあんのか?」
幼「はい♪海とか山とかいっぱいあります!」
男「...そっか」
今更だが俺は夏が好きだった。友や幼友、そして幼と一緒に過ごす夏休みは何よりも充実していた。
幼を失ってからは夏がくるたびに心にポッカリと穴が空いたような虚無感を感じるようになっていた。
いつだって幼の死が脳裏に浮かび、俺はそのたびに自分を責めていた。
俺の夏の時間はあの時からずっと止まったまま、時計は壊れたままだ。
けど...
男(...ばーちゃんがいつも言ってるな、壊れたものは直せ、無いものは作れって...)
材料はすべて揃った。モノ作りと修理は俺の十八番だ。
あとは組み立てるだけ...
幼「あ!友くんと幼友ちゃんですよ!」
男「おうお前ら、デートか?」
幼友「誰がこんな奴と...太鼓の片付けが終わったからブラブラしてただけよ。暇つぶし暇つぶし」
男「って言う割にはめっちゃ食い物持ってんのな」
幼友「動いたからお腹すいちゃってね〜、友が奢ってくれるって言うし」
友「...こいつ結構食うのな」
男「まぁなんだ...お疲れ」
幼「クスクス♪」
止まっていた時間が、今、動き出す。
210 :
◆P8G.IC5UqUBR
[saga]:2014/09/26(金) 00:48:27.95 ID:ZVIcNOEo0
...やっと夏休み入れた
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2014/09/26(金) 00:56:12.52 ID:SL/zspU70
乙
403.15 KB
Speed:0.2
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)