過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
1- 20
553: ◆S6ROLCWdjI[sage saga]
2018/10/20(土) 20:38:10.96 ID:kCMwk7zX0
【公園】
【もともと猫の多い公園だった。エサやりは当然禁止になっていたけど、人間は猫の奴隷だから】
【平気で破ってなんでも与える輩の多いこと、多いこと。ベンチに座る「こいつ」も、そういう類の迷惑な人種だった】
【コンビニで売ってる5本入りくらいのちくわを千切っては投げ、千切っては投げ。そうしていると】
【エサなんて貰い慣れてしまった馴れ馴れしい野良猫たちがニイニイ鳴いて群がってくる。擦り寄る、――赤い靴】

にゃー、にゃーだよ、にゃーなんだから。…………にゃーは可愛いねえ。
でもあんたたちよりよっぽど可愛いにゃーを知ってるんだよ、あたしは……ちくわだけじゃ釣れない子なの。

【寒くなってきたから、シャツの上に羽織るのはちょっと厚手のスカジャン。背中に一面、よくわからない刺繍】
【下はホットパンツにサイハイソックス、ずり落ちないようガーターで留めて、その脚先には厚底靴】
【目の覚めるような赤色をしていた。けれど、猫は赤色を認識できないというから、それで怯えられるということもなく】

【それと同じような色合いの髪と目をした少女。それが、猫を集めてはべらせている張本人だった】
【寄ってきている猫は3匹。薄汚れた白いのと、キジトラのやつと、白黒のハチワレ。彼女の足元にてちくわにがっつき】
【無くなれば、もっと寄越せと鳴いて媚びる。ソックスに体を擦り付けては抜け毛をくっつけて、かわい子ぶる】
【おおよそ悪くはない待遇を受けているはずだった、しかし彼女は、どこか浮かないような表情を浮かべていて】

…………、……つがるん、最近来てくれないな。
あたしまたなんかヤなことしちゃったのかな? だったらまた謝らないと、……、謝る、そうだ、そういや。

謝るって言ったらまず、……、……なんて言って謝ればいいんだろ。……わかんないや……。

【ぶつくさ言いながら何かを思い出したようにスマホを取り出す。ついついと操作して、トークアプリを立ち上げたなら】
【ぽちっと押すのは「友だち」のひとり、白い花をアイコンにしている誰か。それとのトークルームに入って】
【……眉根を寄せて唸り始めるんだった。覗き込むなら、その部屋での最後の会話が、だいぶ前の日付で止まっている】
【そういう光景が見える。きっと長い間喧嘩でもなんでもしているに違いなかった。猫はそんなことを知らないので、ずっと鳴いているけど】


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/2049.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice