過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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名無しのパー速民
[sage saga]
2018/08/10(金) 22:08:00.15 ID:s3Ep/Qe20
【路地裏――――その深部】
【うだるような、というよりも蒸しあげるような暑さと湿度が満ち満ちていた、地面にたまる薄汚い水たまりは、夕立の気配だけ残して】
【そのくせそれを見上げればビルの明かりによって薄められた星空が敷き詰められていて、ならば、それ以上の雨は予感させない】
【――ならば、ぱちゃん、と、小さな水の音は誰かの足音であるのだろう。そうして誰かが覗き見るのなら、そこにはやはり、人影が一つある】
――――、
【――――透き通るように薄いウィステリア色の髪は肩も撫でぬ長さ、かえって鮮やかさを錯覚するほどに白い肌に、いっとう鮮烈なマゼンタの瞳が映えて】
【真っ白なワンピースは前面にボタンのついたもの、腰のところをリボンでぎゅうと絞って、だから、ふくらと豊かな胸元と、その腰の細さがよく目立つのだろう】
【やはりつくりものみたいに白い脚は惜しげもなくさらけ出されて。その足元はかかとの高くないサンダル。それでも平均よりいくらも高い背をしたなら】
【けれど大人とは思わせないだろう。それは限りなく少女だった。しかして子供とも思わせぬ刹那をきれいに切り出して】
【そのくせに明らかに異質であるのは、こちらも惜しげなくさらけ出した両腕――その左手に、指先までそろえて伸ばしたなら生すら錯覚しそうなほどに、精巧な、蛇の入れ墨】
【――であれば"残党"であるのは間違いがなかった。それどこか報道に目を通していたなら、行方不明/生死不明とされていた幹部であるとすらわかるのかもしれなくて】
……、――。
【――――――そうして、そうだと分かる距離まで近づくのなら、"それ"にも気づくんだろう。その腕に何かを抱き留めていた、だからか、白い服も汚れていた】
【ぬいぐるみ程度の大きさの、何かぐしゃぐしゃした汚らしいもの。だのに腕を服を汚す色は赤色で。かすかに生臭さまでもがあった、だけれどきっと"彼女"ではなく】
【ならば気づくのかもしれない。抱き留めた腕からこぼれてぶらぶら揺れているのはきっと尻尾だった。――おそらくは猫の死骸、少女はそれを抱いていて】
【――特別に悲しげではなくて、ただ楽しげでもなかった。あるいはそれを見止める"誰か"が居たとしたなら、もしもその誰かが知っていたなら】
【向かう先の方角に、ちょっとした空き地――みたいな、場所があって。立ち入り禁止ではあるけれど、子供たちが入って遊ぶような場所がある】
【そこなら埋めてやれると思っているのかもしれなくて――けれど薄藤の髪に紅紫色の瞳。それから鮮やかな蛇の入れ墨は、あんまりに目立つ、特徴だった】
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