過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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◆zO7JlnSovk
[saga]
2018/08/23(木) 23:56:01.01 ID:NTZcU/Lso
>>456
【──── 彼女は言葉を探した、けれども上手く言えなくて】
【痛いという言葉の響きを、ただ盲目的に信じるみたいに、思わずぱっと手を果たして】
【しゅん、と目尻を垂らして──── 言葉を少しだけ言いよどんだ】
……申し訳御座いません、少し力が入りすぎてしまいましたわ────
ダメ、ですね……私としたことが、こんな時に上手く伝えられなくて
いいえ、こんな時こそ、毅然と──── 伝えなければいけませんのに
【視線は手元に落ちた、握り治す自分の手は、思うよりずっと小さくて】
【ふと、言葉にひかれる様にユーイの方向を見た、そこには得意げに笑う表情があって】
【一瞬、彼女は言葉を失った、その微笑みを形容する手段がなかったから】
【──── やがて、目を細める、眩しい太陽に直面したときの様子に似ていた】
【ならばユーイは正しく日輪であった、屈託のない笑みが木漏れ日の様に降り注いで】
【だからこそ、目尻に浮かんだ露の彩葉、煌めく飛沫の一葉を、涙の名残と呼ぶのだから】
【イスラフィールは徐に抱きしめていた、貴方の身体を、強く、強く────】
ええ……ユーイちゃんは、ユーイちゃんはとても、偉いですわ、……ふふ
私としたことが、すっかり、忘れていましたわ──── そうです、私は
貴女の様な人々を守りたいからこそ、この道を選んだのですね
──── 帰りましょう、今日は……暖かいお家が待っていますわ
【そのままずっと、抱きしめていたい、そう思うぐらいの貴き一瞬に────】
【彼女はやがて立ち上がり、自分の住むマンションへと連れて行こうと試みるだろう】
【手を引いて、どうかしら、なんて声を掛けてみた】
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