過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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418: ◆zO7JlnSovk[saga]
2018/08/19(日) 22:16:01.24 ID:285I86ATo
>>417

【かくん、と右膝が折れる、筋弛緩の毒がどれほどの作用を持つのかは彼女に伺いしれないが】
【崩れる体勢、横顔に刻まれる表情の色合いは、その手で穢す無垢なキャンパスに似て】
【繊細に組み上げられた硝子細工の調度品を思わせる、──── 忍の思惑は、存外に深い】


……っ……愛されているから、無防備で良いのですわ、銃を持つのも無粋ですこと
それに強かさもまた、必要とされる能力でしょう、自分の身ぐらい、自分で守れなければ

ふふ、"忍" とは私心を棄てて、任務に忠実な存在と聞いておりましたが

どうやらそうでない方もいらして、悪くないですわ、貴女様の意思を感じますこと
私は民の意思を汲み還元する者、その感情もまた、心地よいのです


【変容する妖気、少年の声が耳元をすり抜けて────】
【彼女の身体が大きく突き飛ばされた、弛緩した右足では踏ん張る事も能わず】
【強く路地裏の壁に打ち据えられ、座り込む──── それが幸運であった】

【暴風の直撃は避けた、しかし、打ち据えられる風の作用は防げない】
【華奢な体躯は木の葉の様に、強い風が何度も彼女を激しく叩いて】
【肺から大きく息を吐いた、糸の切れた傀儡のように、力なく座り込んだまま】


──── っ……げほっ……こほっ……それはそれは……勿体ないお言葉ですことっ……
大丈夫……ボク? ……怪我はない、かしら……っ

……まさか、清廉潔白で政治家が務まるとでも?

っ……"Lost Memory Wonderland"────


【彼女の右手から伸びた糸が、彼女へと絡みつく、一瞬だけ深く、その身体を縛る糸】
【声にならない嬌声が響いた、締め付ける糸の作用は、緊縛の色合いに似て、艶やかな音を刻む】
【寸刻の後には、傷跡を無くした、元の穢れ無き彼女が居た】

【──── 全治ではない、寧ろ、服の汚れを見るに、"戻した" ──── そう】
【過去の状態、針を受ける前の状態に強引に戻した、という表現が正しいだろうか】
【即ちそれは応急処置に過ぎない、蓄積したダメージは変わらず、少し突けば倒れる砂上の楼閣】

【それでも尚、彼女は翼を持った忍に、真っ直ぐ相対した】


──── おいでなさい、この国の理を教えて差し上げます


【右手から伸びる糸、口元にその中央を加えたなら、先端が閃光の如く伸びて】
【近くの瓦礫へと結びつく、その位置は忍の後方、糸の伸縮する速度は瞬きよりも速く】
【右手の指先が絡め取る、ハープを弾くよりも可憐な動作で】

【放つのは糸の "ギロチン" に似ていた、手元と奥の瓦礫とで結ばれた糸は、忍を挟み込むように伸びて】
【そのまま閉じたなら、岩ですら真っ二つに切り裂く鋭利さをもっているのだろう、どうやらただの糸ではない】
【軌道は変則的であったが、攻撃の軌道は読みやすい、回避もそう難しくはないだろうが】


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