過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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??????
◆auPC5auEAk
[saga sage]
2018/08/18(土) 01:06:21.18 ID:or3ujOWk0
>>335
――――誰があいつを歪めちまったのか、結局分からず仕舞いだ……別人の様に洗脳されて、滅茶苦茶やらかして、気が付きゃ虚神だとさ……畜生め
……冒涜されちまった、あいつの命は……もう――――
【沸々と沸き立つような言葉が、偉丈夫の中から絞り出される。一時の悲しみを慰めるために、酒気に浸されていたその魂は】
【そのベールを取り去ってしまえば――――静かに滾る熱量に満たされていた。涙ながらに、その瞳は、どこか遠くにいる『許せないもの』を見据えている様に、夜闇を睨みつけて】
【――――ゴウと風を切る重い音が、空気を震わせたのはその直後だった】
がぁっ――――!?
【ゴキン、と金属的な中低音が響き渡る――――偉丈夫の手にしていた棍、それが咄嗟に女の拳を受け止めていた】
【流石に、酒気に乱れていた身体には、踏ん張り切るだけの力は無かったが、それでもその拳を外へと逸らして。偉丈夫のその動きは、確かな『棒術』のそれだった】
てめぇ……いきなり不意打ちたぁ、なんの腹積もりだ……!
【咄嗟にベンチから身を投げ出して、偉丈夫は身構えた――――身体は重い。まだその身に力が籠め切らない。だが、その意識は、今の一瞬でハッキリと覚めた】
【先の一撃、決して冗談の類で放たれたものではない。実戦経験の故に、彼はそれを察していた】
――――関係ねぇんだよ、世界に何人いようが……俺の人生は、俺だけのものだ……! だから、俺がケリつけなきゃならねぇんだよ……!
【女の怒りの根源が、男には分からなかった。まさか、そんな安っぽい道徳論を今更振りかざすでもないだろう】
【ただ、ハッキリしているのは――――周りで誰がどんな体験をしていようと、自分の苦境は、自分だけのものでしかないという事だった】
【「天上天下唯我独尊」――――その言葉の真意は、他に囚われず、自分の人生を生きろ、という意味である】
【だからこそ、彼は、目の前のリアルな苦境を前に、他人の苦しみなど考えるつもりはなかった】
……?
…………どこの世界の夢ぇ語ってやがる……そんな戯言以上に馬鹿馬鹿しい話なんざ、俺は知らねぇぞ……!
――――救われねぇんだよ。分かってた事だ……アルクの……あいつの遺言通りさ。んな夢ぇ見てる馬鹿がいるなら、「こうなっちまった」んだろうが!
【歯牙にもかけない、とはまさにこの事だろうか。売り言葉に買い言葉とは言え――――虚神達の起こした事件、その責任の一端に「お前みたいな奴のせいで」というニュアンスを含ませて】
【偉丈夫の瞳が、昏く淀んで、同時に熱く煮えたぎり始めていた。犠牲となった仲間、殺し合わなければならなくなったヒト、それらへの想いが強ければ強いほど、その意志も強く】
――――来いよ。それだけのご高説のたまいやがったんだ……この二日酔い相手に、ヘボを見せるようなら――――――――許さねぇぞ?
【根を構え、重心を下げながら、偉丈夫は低く呟くように挑発した。相当に「鶏冠にキている」様子である。己のコンディションが不調な事を承知の上で、彼は女との「実戦」を所望した】
【口だけで終わらないというなら、それを証明して見せろ――――と】
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