過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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◆auPC5auEAk
[saga sage]
2018/08/17(金) 21:14:31.91 ID:sn7z0i1H0
【――――世界は、絶えず時の流れと共に移り変わっていき、今を生きる人の数だけ、物語もまた時の流れと共に紡がれていく】
【今を生きる人の数だけ紡がれる、幾百億編の物語――――】
【――――水の国 公園】
ぅ……うぉ、ぅ…………ぅう…………
【前面を開いたままで青いコートを羽織り、魔術師である事を如実に表す青のハットを被った】
【手には指輪と、グリップの部分に赤い石をあしらわれている、金属製の棍を握り締めている】
【がっしりとした体格の、深い眼窩が鋭い視線を放っている、身長180cm前後の偉丈夫が】
【力なく脱力しきった様子で、ベンチに横たわりながら、えづくようにうめき声を上げている】
【その顔色は青く、健康そうな印象を与える、頑健な肉体と対照的な有様。アルコールの酔いが回って、相当に時間が経っている事を思わせる】
【――――お節介な通りすがりが、見かねて声を掛けようとしたが】
――――ほっとけ…………今は、1日3回は吐かなきゃ、気が済まねぇんだ……よ……!
【露骨な「余計なお世話だ」という態度に、すごすごと退散してしまう。再び1人となった偉丈夫は、憔悴しきった表情のまま、涙と唾液を地面へ流す】
【その巨躯と様子は、公園の中でも目立っているが、何か近寄りがたい雰囲気が、彼を孤独にさせていた――――】
【――――所変わって、水の国 商店街】
……なんだってんでしょうねぇ、本当になんだってんでしょうねぇ……全くもう……
呑気に夕飯の買い物をしてるってのも、考えてみれば何やってんだって話ですねぇ……もう少し、なんかこう、無いんですかねぇ?
【切れ長で涼しさを感じさせる瞳が、艶のある短い黒髪の中で映える顔立ちの】
【医療従事者用と思しき白衣を着こみ、ポケットからはステンレス製の細長い箱が覗いている】
【頭に、白いつば広の帽子を被っている、身長160p前後の女性が】
【両手に買い物袋を下げて、どこか呆れたような表情で、夜の道を早足で歩いていた】
【相応に膨らんでいる買い物袋からは、ワインの瓶が1本だけ、頭を突き出して自己主張をしている】
ま、ありがたい事に最近暇ですし……少しはおいしいものを食べたって良いでしょうよ……
(――――で、一息ついたら、少しじっくりと考えてみますかねぇ……)
【どこか物思いにふける様な遠い目をしながら、直後にはそれを振り払う様な苦笑を浮かべて、女性はすたすたと歩いていく】
【何か、鼻歌でも聞こえてきそうな、リズミカルな歩調で――――ただ、その瞳だけは、昏い憂いを帯びている様な色で】
【――――どの物語も、今と言う時の中に、確かに存在している物である】
【もし変化が訪れるとしたら――――それはどの物語なのだろうか】
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