過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
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30:名無しのパー速民[sage saga]
2018/08/09(木) 22:16:15.96 ID:xSkVyWoQ0
>>27

…………赤木怜司。――ッ、死ぬようなことだってするって、言ってたって、聞いたのにっ、――聞いたのに!
間違いだったって言って自分だけ気が済んだみたいな、――顔して! わたしのことを馬鹿にしたんだ、なんにもできないならなんにもしないって――ッ、
――ッ、じゃあ赦さない! みんなみんな赦さない、っ、間違いだったなら赦さない! ――、ねえっ。ねえ――!

夕月ちゃんはどうしてここに居られるの? どうしてここまで来てくれたの? ねえ……。――ひどいこと、されたの? じゃあ、っ。
どうして帰りたいの? ねえ――、いっしょに、しようよ……。――いまなら、出来るんだよ、……。……わたしたち、嫌だったこと、全部、変えちゃえて。
ねえ、そうやって思ったら、駄目なの……? 変えられるんだよ、……そうでしょ? だから、ここに、来られたんでしょ――?

……だったら。ヤなこと全部。変えちゃおうよ。ねえ。赦してくれるよ。だって。かみさまなんだよ。かみさまだから、いいんだよ。……。
それを嫌ってにんげんたちが思うなら。嫌だったことも。怖かったことも。全部、ぜんぶ……、謝ってくれなきゃ。おかしいよ。おかしいんだよ。

ねえ、わたし、へんなこと、言ってるのかな……。

【ぎりと歯噛みする音がして。続いたのはひどく叩きつけるように乱暴な鈴の音色、きらきら冠みたいな赤色が、――恨みがましいようにギラギラと喚いたのなら】
【ここに居るならそうなんでしょうって尋ねた、急にひどく弱い声を出すに違いなかった、泣き出しそうな声。――けれどすぐに"そうな"ではなくなって】
【色違いの瞳からぼたぼたと大粒の涙を落としていく――わたしたちならできるんだよ、って、言うのは。けれどそれは世界の崩壊に相違なかった、それでも、そうだとしても】
【泣きじゃくる夕月に縋るみたいに少女も泣きじゃくっていた。嫌だったことも怖かったことも変えてしまおう。神様だから誰に伺う必要もなくて。一緒にしようよ】

【(――――それが嫌ならみんなでわたしに謝ってよ。神様でもいいって言ってよ。そうして仲間に入れてほしかったのに)】

【――だからきっと彼女がおかしかった。いじめられっこがある日教室に包丁を片手に登校してきたようなものだった。ずっと我慢していたんだから】
【そうしてそのための力も手に入れたんだから。みんな殺しちゃえるんだから。そうしたら嫌も怖いも消してしまえるんだから。"変えられるんだから"】
【反動に似ていた。それでいて自分がおかしいってきっとどこかで分かっていた。――だけれどもう簡単に納得できないところまで、拗れてしまったのなら】
【いつかイルに言った言葉があった。――怖くない神様になれたなら。誰にもいじめられなくて、怖くない場所で、暮らせるのかな、なんて、】

無駄じゃない。馬鹿みたいじゃない。だけど。あの子たちがそうなってても誰も見てあげようともしない世界は、嫌い――。

【――――ならばそれもずっと隠してたほんとうの気持ちなんだろう。それ自体が無駄だと馬鹿げてると思ったなら、そもそもしないし、四年も続けてこないだろう】
【そうしたらいつかの言葉はやけっぱちだったのかもしれなかった。だけどそんな風に言っちゃいたいくらいの気持ちだったんだろう。だから、言い切る】
【無駄ではないし馬鹿げてもない。――――けれど、それを、そんな子供たちが居ることを、当たり前に、何も考えないで、受け入れている世界は、大嫌いだと】


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