過去ログ - 【叫ぶような声も】能力者スレ【無痛になっていく】
1- 20
293: ◆1miRGmvwjU[saga]
2018/08/15(水) 21:38:24.74 ID:5c2+aIKh0
>>290


   「 ──── 動くな。」


【生温く血腥い悲劇に塗り潰された礼拝の場に、 ──── 截然とした足音と、冷然とした声が響く。若い女のそれ。】
【 ─── 暗闇から現れるのは果たして一人の少女である。金髪碧眼、吊り上がった切れ長の目尻。】
【端整な目鼻立ちは却って性主張を薄めていた。月明かりに晒されて、後ろ結びに燻んだ金色が光輝を宿した。】
【ごく若者の服装をしていた。首に回した黒いヘッドホン。他人を隔てる輪郭を曖昧にするビッグサイズの白いシャツには、それらしい英字とロゴがプリントされていた。】
【それでいて、 ─── 華奢な手脚に不釣り合いな、大口径の拳銃を構えていた。照星が狙うのは、赤いドレスの正中。】


「ゆっくり両手を上げろ。」「そのまま頭の後ろに回せ。」
「妙な真似はするな。」「 ──── そうしなかったら、撃つ。」


【一歩ずつ少女は詰め寄ろうとする。血塗れの脚元を踏むたびに、血糊の潰れる不快な水音を重ねるたびに、眉間に宿した影が色濃さを増す。】
【冷たい声の中に静かな憤怒を隠していた。それでいて隠し切れていなかった。或いは最初から、自身の怒りを垣間見させることが肝要であるかのような語調であった。】
【然して、でありながら、 ─── どこかに怯えを宿していた。青い双眸と、銃爪を引き絞る指先と、歩みを重ねる両脚が、幽かな震えを堪えられていなかった】

/日付変わるくらいまでになっちゃいそうですが!


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/2049.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice