過去ログ - とあるバイセクシャルのチラ裏戦記5:30代の一歩
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592: ◆ijxboO81y6[sage saga]
2017/07/18(火) 00:01:01.68 ID:1CGS6va90
「初めての恋愛感情の自覚&別れ >>573からの続き

その後の就活はカオスだった。

今、振り返ってもエントリーに応じてくれた企業の担当者や役員が、私の何を試したかったのか疑問が残る。頑健性か。

インターン中に失言したカノの会社の面接では、「やっぱり根に持ってるでしょ!?」的なネチネチとした揚げ足取り攻撃を繰り出され、別の企業では何語かも分からない外国語が挟みこまれ、さらには南極で氷を売る方法の類を尋ねられた。

カノの会社の面接で囲まれて必死に交わした記憶しかなくて、何が良かったのか、はっきりした手応えらしきものはなかったが、最終面接。

役員やら部長やらの前で、前に話したエピソードを武勇伝的に掘り返された。(自称)反社会的勢力の方のお電話を30分ひっぱり最後は「頑張ってね」と言ってもらった話だ。

「ほぉ、すごいね!コールセンターなんて向いているんじゃない?」と偉い人。

『この会社コールセンター無いでしょう……こりゃ落ちたな』と思いつつ「長く話していると、すぐ喉痛くなっちゃうんですよ。だから、メールかファックスならお役に立てるかもしれませんが……」と返すと

「大丈夫、飴ちゃん舐めながら仕事できるから」と言われ

『あれ、落とすつもりはないのかな?』と、のれんのような豆腐のような手応えを感じた。

そんなこんなで、2社内定をもらい、1社最終面接という状態で、身近な人たちにどの会社に私は行くべきか聞いて見た。
父は一番ハイリスクハイリターンな感じのX社推し、母は「もっとちゃんとしたところ」、Cはカノの会社、彼氏はX社が一押しでYとカノの会社であれば「どちらもでも大丈夫じゃない」、ルーは「1が決めることだけどX社大変そうだね」

母の意見は私には無理です、ごめんなさい。マッチョな男性陣のX社推しは、逆に、かえって自分が行くべき場所ではないような気がした。結局、Cが推してくれたことで、カノのインターン社に決めた。なんとなくCと絡んでたいという気持ちがあったのは否定できない。

たとえ、きっかけがCに推されたからという曖昧模糊としたものであっても、終わったとなればスッキリするものだ。

X社に内定辞退の電話をすると、どこに行くのかと尋ねられた。インターン社に行くことを伝えると、電話の向こうで一瞬「え?」という声が聞こえる。一応、直接会ってお詫びさせていただく段取りをつけて電話を切った。通話を終えた瞬間、気持ちが軽くなる。

その勢いでインターン担当だった当時のカノに電話する。今にして思えば勤務時間中。2回くらい呼び出し音がなってカノが出た。

「はい?」

「もしもし?インターンでお世話になった1です。」

「うん」

「あの、そちらの会社にお世話になることを決めまして……」

「え、うち来るの?私お世話しないよ?」と間髪入れず冷たく言い放たれた。

思わず絶句していると、耐えかねたようにクスクスと笑う声が聞こえてきて

「おめでとう、一緒に働けるのを楽しみにしています。」と言われた。

『おめでとう』と言ってもらえるとは思えなくて、ちょっと込み上げて来るものがあって、口を開けないでいると

「今、忙しいから、またね」

そんな声が聞こえてきて「ありがとうございます、よろしくお願いします」どうにか、そんなことを言って通話を終えた。

就活中、たくさんの大人に自己アピールをして、ひとかどの人間だと認めてもらえるように振舞ってきたけれど、所詮それはゲームのようなもので、何一つ本当に手応えがあるような気がしなかった。けれども、当時のカノに「一緒に働くのを楽しみしている」と言われた途端、やっとちゃんとした仲間に出会えたような気がして、いるべき場所が見つかったような気がして嬉しかった。




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