過去ログ - とあるバイセクシャルのチラ裏戦記5:30代の一歩
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191: ◆ijxboO81y6[sage]
2015/12/28(月) 07:18:10.97 ID:27XBWPdAO
「初めての恋愛感情の自覚&別れ」前スレ979からの続き


意味もなく眺めていた地図と、胸骨にあたるシートベルトのテンションと、暗い駐車場にさしこむ光ばかり脳裏に焼き付いていて、どうやって平常運行にもどったのか思い出せない。

なんでショッピングモールの立体駐車場にいるんだっけ?といえば時間潰しで私が「スーパーに行ってみたい」と言ったからだ。

・・・

全国展開しているようなスーパーでも意外と品揃えは地域によって違うもので「これって地元の人は普通に食べるの?」なんて聞きながら見てまわるのは楽しかった。

Cの好きなものはハンバーグにコロッケあとは卵焼きに辛くないカレー。食材を見ながら「これ好き?」「好きー」「こうやって食べても美味しいですよね」「えー(不満気)」そんな会話をしていると好みや人となりが浮かんでくる気がする。大人アレンジは苦手らしい。

おばあちゃん子でお母さんのことが大好きな甘えんぼの末っ子、そんな子供時代までが垣間見えた気がした。

結局、庭園のレストランには戻らず、なぜかCが通った大学やよく行くお店を案内してもらうことになった。なんでだろう、スーパーを二人でブラブラしたことで一気に日常の空気になったのかな。あるいはなんとなく来た道を戻るのがおっくうになっただけか。

「そういえば新歓で飛び込んだバカがいてさぁ」

学内の池のほとりを歩きながらCが言う。庭園の池ほど美しくはないただの池がCの思い出とリンクしていく。さっきまで自分とは無関係などこにでもあるような景色だったのに。

「うわぁ…ミドリムシいっぱいいそうなのに」
「ミドリムシってwwあ、でもすごいイイ奴なんだよ」
「今でも連絡とかとるんですか?」
「うん、たまーにね。こっち来ると飯おごれーとか」

二人とも前を見ながらのんびり歩く。Cの独り言のような呟きが会話となってなんとなく続く。

「研修のころ大変だったなぁ…」
「そんなに大変なんですか?」
「大変だったよーww周りも大変だけどさ、ほんと新人なんて何にもできないから」
「へぇ…今じゃ全然想像できないですね」Cは少なくとも仕事については揺るぎない大人に見えてた。
「みんな怒られてばっかりだったよ」

当時の私には未知の領域だった「仕事で怒られる世界」に少しおののいたけど、新人の頃の話、学生時代の話、Cが少し懐かしそうに目を細めたりしながら、いつになくよく話してくれるのが嬉しく、楽しそうな声が心地よかった。




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