14:階段はせいぜい4〜5階だよな(笑)[sage]
2022/07/20(水) 22:51:45.32 ID:GSa3xBPDO
87: 里奈・13 [sage] 2021/04/20(火) 23:57:33 ID:98Q7dT0k
「はあ!…はあ!……」
里奈は今、羽月ビルの階段の中をひたすら登り続けていた。
(わ、分かっちゃいたけど!10階や20階なんて!ほ、本来階段で行くもんじゃ…ないわ、ね!)
しかしそんな地道な彼女の苦労の賜物か、遂に追いかけていた二人に再開した。
「牧村さん!」
「里奈さん!」
「本条さん!彩水ちゃん!二人とも無事で良かった!」
「あなたもね!」
「え?…ええ!」
(あ〜…アレ(キ…)は、ノーカンだよね?緊急避難、正当防衛的な?)
「どうかしましたか、里奈さん?」
「いや何でも!?そ、それより!早くみんな屋上に行きましょう!さっき、あの暴徒たちを
下で見たの!もうすぐここにも来るわ!」
里奈は誤魔化したい思い半分、事実も半分とした気持ちだったが、実際は「彼」がかなりの時間を稼いで
食い止めてくれてるハズだ、とした思いもあった。
(…アイツ、そう簡単にくたばるようなタマじゃないわよね。心配するだけ損、かな)
今さっき、誰かと全く同じような事を頭の中で思い描きつつ。
「な、何だお前ら?!まだこんな「中間層」にいたのか!」
「「「え?!」」」
「このビルの屋上は、ここより更に30階上にあるんだ」とした、後からの追跡者の声に
居合わせた女性陣全員あっけにとられるばかりだった。
「「「まだ走るの!?」」」
とした、もはや拷問の類いかと思わせるような日々を生きた彼女たちの偽らざる本音が
ハーモニーを奏でるようにして漏れていた。
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