【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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26: ◆ImMLMROyPk[saga]
2019/03/23(土) 21:24:07.67 ID:6YQiD33u0
>>9
【陽が首を傾げる。山々の稜線、地平の筋が赤々と燃え上がる。朱のインキが空に落とされ、滲む】
【人々は家路に着く。歩を進め、或いは歩を止め、自らの行く先を確かめている。誰も彼も、マスメディアに踊らされながら】
【騒めきが耳を満たす。狂騒が喉を潤す。変わりない街を一人行く】

【それは、白いトレンチコートを着た銀髪の男だった。やや老けた十代にも、若々しい三十代にも見える】
【ふらり、と高層ビルへ近づいていく。ポケットに手を突っ込み、ただの一般人にしか見えない風体で】


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【空気は未だ肌寒い。吐く息がほんのりと白く染め上がる。もうすぐ春が来ると言うのに、星はまだ目覚めてくれない】
【にわかに、その碧眼が入り口近くに佇む男を見据える。とても澄んだ、宝石のような双眸だった】

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