【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
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16:ブラックハート&リベル=アシェル ◆auPC5auEAk[saga sage]
2019/03/23(土) 17:20:01.81 ID:QhqfSCns0
>>15

(……考えようによっちゃ、これ……これも、残酷だな……ドラッグに逃げるってのを、まんま見てるみたいだ……)

【なんて事のない話題に興じながら――――興じようとしながら、必死の作り笑いをしている夕月に、なんとも言えない心境になる】
【無理をしている事が、手に取る様に分かってしまうから。そして、その無理を、更なる『無理』で塗りつぶそうとしている】
【――――こんな時に「しっかりしろ」などと言うべきではない。正解が、正着手が見えないから、ブラックハートは何も言う事が出来なかった】

<……ブラックハート、ちょっと……>
――――夕月、今はもう何も考えなくていい。余計な事は、雑音は、もうこれ以上……ッ――――!?

【そんな無理が、逆方向に溢れ始めた――――リベルはもう、偽装している口調を投げ捨てて、ブラックハートに厳しい視線を向ける】
【ブラックハートとしても分かっていた。夕月に、この現実を見せるべきではない。シャットしなければならない、と】
【――――だが、もう遅すぎた。恐らく、崖際の巌を、転がしてしまったのだ】

――――ッ、ミア…………!?
<……ブラス、フェ、ミア――――ブラックハート、もしかして、夕月は……!?>
……言うんじゃないよ、『ランド』――――分かってる……分かってる。安くはないよ……何か、とんでもない、何か……あるのは、分かってるんだよ……!

【そして、夕月の口から漏れ出た愛称――――『ブラスフェミア』を表すのだろうその言葉に、2人は息を飲む】
【ブラスフェミア。恐らくは、夕月にとって、因縁浅からぬ関係であり、そして――――話題の渦中に居る、台風の目】

【――――もっと言えば、何よりも――――】

――――――――夕月、ちょっと良いかい…………――――この刻印、見た事は無いか……?

【ブラックハートは、少し間をおいて、取り出した紙に何やらマークを書いていく。30秒は掛からないだろう、書き上がったそれを、夕月へと示して】

――――これは、『ブラスフェミア』と言う人物を表す、或いは……彼女が自身で使っている、シンボルマークだって話だ……

【やりきれない様に、しかし抑えきれない怒りを表すように、ブラックハートは、努めて平明な事実を口にする】

――――アーディンの旦那の保護してた『子供』が、このマークを刻み付けられて、バラバラにされちまったんだ
……アーディンの旦那に、一杯食わした敵って言うのが……子供をズタズタにしてのけた、ブラスフェミアって女なんだよ……!

【そのマークの出所。それは、アーディンの――――恐らくは、彼の善意か何かで面倒を見ていた子供の、凄惨な有様にされた体に残っていたモノ】
【――――アーディンが現在、敵として戦っているのは。――――そこから先は、もう言う必要も無いんだろう】

【――――しかし。ここに来てブラックハートは、全く突拍子もない事を、口にし始める】

――――夕月。あたしゃ実は……元『機関』の操り人形だったんだ。セリーナが……命がけで助け出してくれて、アーディンの旦那が、世話を焼いてくれた……
おかしいよな? そもそも、敵としてさえ会った事のない、知らない他人に過ぎなかったってのに、さ……

――――他人であっても良い。話せる事があるなら、話してくれないかい? 思い違いかもしれないけど、あたしゃ……なんだか、あんたが……

【他人に隷属させられていた過去。それを持っているブラックハートは、夕月の事を「放っておけない」と思ったのだ】
【もしかしたら、何か束縛の下にあるのかもしれない。それが事実ならば、どうか話して欲しい、と――――】


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