【剣と魔法と】ここだけ世界の境界線★24【光線銃】
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691:ジョシュア・アーリントン ◆4J0Z/LKX/o[saga]
2019/05/21(火) 00:53:40.79 ID:QCTfu2cx0
>>687
「いやァ、キツいですよ……グリードは特性でモノを視ますから」

初めて出会った時より、ニュクスはイムカを母親だと認識している。それは彼女を構成するに至った因子として、イムカの肉片が用いられているからだろう。
つまりニュクスとは、ある意味でイムカのクローンのようなものだ。生物ではないため、生殖ではなく捕食による模倣という形を取ってはいるが。

「逆に言えば、俺もグリードみてェなモンなのに、ニュクスが俺を肉親だと思わないのは……種族が同じだけで、完全な別個体だからでしょう」
「そんだけグリードの個体識別は、完璧だと言えます」

かつてグリードとの戦争に陥った際、個体ごとに独立した役割が与えられていたことを覚えているだろうか。
ジョシュアであれば戦士級、その他にも不定形の捕食級や大型の射手級などのさまざまな役職が存在していた。
ニュクスの素体となったのは高い学習能力を誇り、他の個体にその情報を伝達するグリード・サーバ級である。
各自を構成するグリードは種族こそ同一なれど意識は共有しておらず、ゆえにジョシュアとニュクスにも血筋的な繋がりは一切ないということだ。

「おいしいね、ママ……」

現状として、ニュクスはイムカに母性と父性のどちらをも与えられている。
ともなればイムカは実質的にニュクスの親となり師となり、彼女の発達に最も帰依してきた存在である事に違いない。
だからこそニュクスはイムカを慕っている。それこそイムカによって与えられた自主性がもたらした、彼女なりの好きな生き方なのだろう。
イムカへと向けられる屈託のないその笑顔が、何よりの証。

「まぁ、そのうち分かる時が来ますよ」
「彼女も人間ですから……でしょう…………ですよね?」

遺伝的な繋がり以外にニュクスとイムカを結びつけるものがない、すなわち本来的な意味の親子関係にはないという事実。
それはニュクスの自我が完全に成熟し、イムカの支えが必要なくなった時に自ずと理解できるようになるだろう。
ならば、甘えてくるうちに思い切り甘やかしてやった方がいい。語尾は自信なさげではあるが、ジョシュアはそう考えていた。

//そいではこの辺りで。おつありでしたん!


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