´ω`)ノ こんぬづわ11
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401:読書(11,12月)[sage]
2020/12/17(木) 19:16:10.89 ID:Xk9eA2sR0
C■~ *中尾健次「映画で学ぶ被差別の歴史」(解放出版社 2006年)

☆もっと多くの作品が取り上げられてると思いきや、かなり少ない。いかにこの題材を扱うことの難しさが分かるね。
「もののけ姫」には中世の「市」やハンセン病者が描かれている。

16 森実さんは、「『もののけ姫』は、自然と人間との闘いという面だけで解釈」してはいけないとしたうえで、「あの映画には被差別民衆と武士や貴族との闘いという面も含まれていることが見えてくる」(「同和教育への招待」解放出版社)と述べていますが、そのとおりだと思います。

171 部落を映し出したドキュメンタリーで最高の作品が「人類みな兄弟」でることは、だれもが認めることでしょう。


*山田朗「昭和天皇の戦争 『昭和天皇実録』に残されたこと・消されたこと」(岩波書店 2017年)

☆現代人必読の書。公金はたいて勝者・捏造の歴史が作られることのまたとない例。

H
 「実録」では天皇の発言を裏付ける資料があるにもかかわらず、また、そういった資料を確実に参照してるにもかかわらず、歴史叙述として採用されずに消されてしまっている。史料批判の結果、当該箇所は採用しない、という判断は歴史叙述の常として当然あるだろう。しかし、本書で検討するように、「実録」においては、天皇の戦争・戦闘に対する積極的発言とみなされるものは、極めて系統的に消されてしまっているのである。

IB
 「昭和」の終焉から三〇年近くが経過したが、昭和戦後期に形成された天皇平和主義者論や「情報は天皇に達していなかった」とする見方は、依然として幅広く流布している。天皇平和主義者論は、「実録」においても拡大再生産されているが、問題は、天皇の「平和主義」の中身を考察することである。

270
 「実録」における歴史叙述は、従来の「昭和天皇=平和主義者」のイメージを再編・強化するためのものであり、そのストーカー性を強く打ち出したものである。

125
 満州事変勃発の際も、熱河作戦の時も、日中戦争が拡大したときも、天皇は当初は懸念を示し反対した。しかし、現実的な戦果があがり、勢力圏拡大が達成されると、事態を事後承認し、独断専行者たちを賞賛するというやりかたを繰り返したのである。また、昭和天皇は、杜撰な計画や行動を非常に嫌い、つねに用意周到な計画、緻密な計算を要求した。それが結果的に、軍部の作戦計画樹立を促進することもあった。

203
 天皇はアッツ島「玉砕」を契機にして、統帥部に対して強い口調で「決戦」を要求するようになるが、「実録」には、そのような天皇の言動は全く記録されてない。

244
 「実録」では天皇が「粛軍の実現は困難」との感想を漏らしたとされているが、木戸幸一によれば、天皇は「モウ一度戦果ヲ挙ゲテカラデナイト中々話ハ難シイト思フ」と答えたとされており、近衛の上奏の趣旨は粛軍を契機とした戦争終結への転換であるので、天皇は粛軍だけでなく、戦争終結への転換の勧告を拒否したということである。だが、ここで天皇の言う「戦果」とは何か。→「台湾決戦」を期待していた。



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