40:読書(>>33の続きandコミックを含む)[sage]
2018/06/10(日) 17:17:23.68 ID:ykCJXPq20
C■~ >>33 桐野夏生「夜の谷を行く」の続き
☆少し酷評しすぎた。少なくとも読んでる最中は「ゾクゾク感」「ヒヤヒヤ感」が味わえ、堪能できたのは事実。後述の「駄本」よりは遥かに良。
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真の地獄を見たことのない人間は、物事を矮小化して、本質まで辿り着いたと思っている。真実は、訳知り顔に説明や解明なんかできないところにある。
安易な解釈を許せば、たちまち山岳ベースで起きた出来事は「俗」となる。「俗」を否定すれば「聖」を証明しなければならない。
*椎名誠「全日本食えば食える図鑑」(新潮社 2005年)
☆2000年以降の椎名氏のBest作品と思う。後述する回想本とは一線を画す。
小説新潮連載もの、原題は「全日本寄食珍食大紀行」こういうロケものでかつカラー写真が用いられてるといいですね。
18 ヤシガニ
ヤシガニの学名はBirgus latro だが、latroはラテン語の「盗人」。英語圏では「ドロボウガニ」と呼ばれている。椰子を盗んでいく、というところからきているのだろう。しかし、椰子蟹がその太い鋏で椰子の実を切り落とし、落下させて椰子を割る、という説はアヤシイらしい。そんな知恵はまずないし、切り落としたばかりの椰子の実は落ちたぐらいでは割れないからだ、という。
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椰子蟹の丸茹では見てくれほどおいしくはなかった。
うまいなあ、と思ったのは椰子蟹のミソをまぜたタレで食うザルソバで、これはしばし言葉を失うほど旨い。
蟹ミソだけでなく自家製醤油と昆布、カツオで出汁をとっているという。単品でも注文でき、ひとつ千二百円。絶品である。蟹ミソは肝臓。肝臓の病気の人が椰子蟹のミソを食えばいっぺんに治るとのこと。
56 むかし日本国はクラゲだった
海に囲まれた国なので日本もクラゲとのおつきあいはけっこう古く『古事記』の冒頭に「久羅下那州多陀用弊流時(くらげなすただよへるとき)」という文章があり、これはクラゲのことを言っているのだという。
意味は「クラゲのように漂っているとき」というもので、日本の国土のはじまりをクラゲに例えているのだという。
83 ゲテ中のゲテ
たとえばぼくが日本人の食の中で最もいやだなあと思う食べ方は、魚やエビなどの「活け造り」というやつである。
たとえば態を頭と骨だけ残し、“尾頭つきの骨”を皿がわりにしてその身の刺身をのせて出す、というやり方だ。心臓を切り取らずにおくと鯛は時おりブルブルッと全身(というか全骨)をふるわせる。それがいかにもイキがいいように見えるというので“生け簀”のある料理店などがそのようにして出すことがよくあるけれど、ぼくはこんな食い方をこそ「ゲテ食中のゲテ」と思っている。
257 虐待
釣りは好きだけれど釣り堀を代表とするその手の“生き物遊び”は嫌いである。釣り堀にいる鯉など何度も針を呑み込みそれを外され口の回りがギタギタになっている。完全な魚虐待。キャッチアンドリリースなどと言葉の響きはなにか浦島太郎的でやさしいようだが琵琶湖のブラックバスのキャッチアンドリリースは結局釣り堀をでっかくしたようなもんじゃないのか。
釣った魚は食ってしまうのが釣り師てえものでしょう。まあ食っては可哀想な前途ある幼魚のときは別ですけどね。釣りは魚の「引きあじ」なんてものを楽しむのじゃなくてソノモノの「あじ」を楽しむべきだと思うんだけどなあ。
*(コミック)望月峯太郎「ずっと先の話」(講談社 2001年)
☆こんな糞ツマンナイ漫画を読んだのは久々やな〜。あの「バタアシ金魚」「お茶の間」の作家だぞ!短編は苦手ということかね。
*(コミック[kindle本])柳沢きみお「悪の華」@
☆復讐もの。桐野の濃いい小説と併読してると、薄く感じる。こういう漫画は一気読みが吉か。
*桐野夏生「猿の見る夢」(講談社 2016年)
☆駄作。フラフラする主人公に感情移入できんし、ケリのつけ方も放りっぱなしジャーマンだし...。
オセロ黒の洗脳女をモチーフにした作品。ぜひ全てを失った主人公が洗脳女の正体を暴く続刊を希望する。
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