´ω`)ノ こんぬづわ11
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125:読書[sage]
2019/02/15(金) 19:17:06.69 ID:IhwQqr0i0
229-231 芳沢光雄「論理的に考え、書く力」(光文社新書)からの引用
---さて「個性尊重」だの「多用な人材を集める」などという理由による"入試改革"に関して、もう一つ挙げなくてはならないことがある。それは、主に1980年代にトップクラスの私立大学文系学部から始まった「少科目入試」である。この入試を導入した本音は、「偏差値のつり上げ」である。入試での偏差値は、生徒が受験した科目の日頃の成績と合否結果で算出するのである。
 たとえば、英語と社会だけで受験できる某私立大学があるとする。A君は数学と理科の偏差値は35であるものの、英語と社会の偏差値は70とする。Bさんは数学、理科、英語、社会どの科目の偏差値も65とする。その大学の受験結果でA君は合格し、B君は不合格になったとすると、その大学は偏差値70の人は合格するものの、偏差値65の人は不合格になる"超ハイレベル"な大学ということになる。第2次ベビーブーム世代が受験した頃週刊紙で「ついにMARCH(明治、青山、立教、中央、法政)は偏差値で東北大学に大差をつけた!」という記事が躍っていたが、これにはそのような算出法が背景にある。
 このような少科目入試をトップクラスの私立大学文系学部が始めた頃は、一科目を入試必須科目から外すと偏差値は5ポイント上昇するのが相場であった。外す対象として最も狙われたのは、言うまでもなく数学である。現在、私立大学文系学部の入試で数学が必須の大学は日本全国で確か2、3校である。トップクラスの私立大学が始めたものだから、中堅以下の私立大学は、理念などはかなぐり捨てて偏差値競争に負けないように少科目入試を続々と導入したのだ。
 その行き着いた先は、一部の私立大学で導入された1科目入試であり、それがエスカレートして「剣玉」や「カラオケ」などの"一芸合格"も流行った。そのような流れで特に迷惑を被った学問は経済学であろう。「私大経済学部では数学は不必要」という、世界の中でも希な日本固有の迷信をつくってしまった(136〜138頁)


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