´ω`)ノ こんぬづわ11
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124:読書[sage]
2019/02/15(金) 19:16:33.51 ID:IhwQqr0i0
C■~ *佐藤優「牙を研げ 会社を生き抜くための教養」(講談社現代新書 2017年)

☆2016年に開かれた講談社の早朝講座をまとめたもの。氏の著作では自伝あるいは巻き込まれたモノが秀逸であり、こういった類のモノはやや落ちる。それでも読ませるのはさすが。

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 この同語反復、トートロジーというのは、公共圏で使うのは一応禁止されています。政治の世界や会社で堂々めぐりになるトートロジーの議論をすると、「お前何言ってるんだ」ということになります。〜
 けれども、我が国の政治では少し事情が違います。イラクのサマワへの自衛隊派遣をめぐって、自衛隊の派遣と戦闘地域についての小泉純一郎首相(当時)の説明を思い出してください。非戦闘地域について定義をしてくれというと「自衛隊が派遣されている地域が非戦闘地域です」と。では自衛隊はどこに派遣できるのですかというと「それは非戦闘地域です」と。この論議を、約半年くりかしました。

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 例えば沖縄は日本の国内植民地です。沖縄の予算はどう決められているか。島根県が橋をつくりたいと考えたとしたら国交省に陳情に行きます。しかし、沖縄と北海道だけは仕組みが違います。北海道開発局、内閣府の沖縄担当が、北海道のため、沖縄のための予算を組むという仕組みです。沖縄と北海道の人たちには自分たちの力で予算を組む能力がないから、中央政府がかわりに予算を組んであげるというシステムなのです。
 こうしたことは意外に知られていませんが、予算の組み方もまったく違います。だから、沖縄振興のために3000億を渡したと聞くと、巨額のように見えるかもしれません。たしかに沖縄は人口一人あたりの国庫支出金は多いですが、国庫支出金と地方交付税の合計額でいえば、全国で12位です(平成26年度。岩手、宮城、福島を除く)。これは沖縄のホームページに出ています。

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 政治の論理とは二分法です。これをうまく表現したのがカール・シュミットで、『政治的なものの概念』という本のなかで、政治というのは友(味方)と敵を区別し、敵を殲滅することだと言っています。その場合、敵は醜い必要も、間違いを犯している必要もない。敵のほうが人格的にすぐれていて、主張が正しくて、美的にすぐれていることはいくらでもある。裏返してみると、味方にとんでもない性格のやつがいて、味方の言っていることがまちがっていて、味方のほうが醜いということはいくらでもある。しかし、政治のときの分節化の基準は敵と味方で、それ以外の価値というのは全部捨象されるということです。
 こういうやり方がうまかった人は小泉純一郎さんです。例えば郵政民営化です。竹中平蔵さんと対談したなかでも、竹中さんは、郵政民営化は必要なかった、最初からそう考えていたとはっきり言っています。しかし、小泉さんはやると言うから理屈を考えたと。それを田原総一朗さんに3回ほど説明して、3回目にわかったと言ったからその理屈でやることにしただけであったと話していました。




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