【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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242:さや ◆0j8YIq7DEniB
2015/04/05(日) 19:25:36.18 ID:fH0yPlZMo
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12月某日


淡い暖色系を基調とした、温かみのある落ち着いた部屋。
初めて来た時は少し意外に思った。
当時は彼女のことを、ちゃんとわかっていなかったということなのだろう。
それも懐かしく感じるほど、今では慣れ親しんだ場所となった。

そんなくつろげるつぐみさんの部屋で、私は落ち着きのない時間を過ごしていた。

淹れてくれた紅茶に口を付けつつ、真剣な表情でパソコンに向かっている彼女を窺う。
つぐみさんには、書きかけの小説を読んでもらっていた。
正確に言えば、行き詰まった小説…。


程なくして彼女はほっと一息吐き、真っ直ぐにこちらを見据える。
私と目が合うと、しかして少し視線を逸らし、ゆっくりと口を開いた。

「……よく、書けてると思う」

熱のこもった声で丁寧に告げられる。
想像していなかった反応に、戸惑いながらなんとか返事をした。

「え、あ…ほんとに…?」
「…うん…」

それほど多くない言葉。
でも、その口調と声色にただならぬものを感じた。

「…な、なら、よかった…けど…」
「…」

伝染するように、私にも言いようのない緊張が走る。

「…えっと…」
「…ふふ」

それも束の間、彼女の柔らかい笑い声で、空気が弛緩した。

「さやちゃんに頼んでよかった」

つぐみさんはいつもの笑顔で、そっと私の頭を撫でてくる。

「う……そ、そんな…自信なくなってきてたんだけど…」
「大丈夫。ちゃんとおもしろいから」

そこには普段通りの光景が広がる。
何の違いもない、はずの。





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