【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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さや
◆0j8YIq7DEniB
2015/03/28(土) 00:48:36.54 ID:duORX07Qo
降り出した時の勢いも弱まり、今はしとしと雨に変わっていた。
か細い雨音は、不思議と無音よりも静けさを感じる。
これくらいの雨は嫌いじゃない。
…出歩かなければ、だけど。
鞄から折りたたみ傘を取り出すと…それを取り上げられてしまった。
「これはいらないねー」
「……そうですね」
彼が差す傘に入る。
必然、身体が寄り添う形になる。
それよりも気持ち近づいて、傘を持つ腕に手を添えた。
傘を叩く音が絶え間なく耳に届く。
心地よい静かな雨音。
雨の中を歩くのも、嫌いじゃないかもしれない。
「さむいな」
「うん…」
冷たい風が通り過ぎ、彼がぶるっと身を震わせる。
むき出しの手は、さぞかし冷たいのだろう。
傘を持つ手を囲うように両手で握る。
「…こうすれば、少しはあったかいよ」
「……あざといなー」
「それはお互い様」
なんと言われようと、握った手は離したりしない。
たとえこの先どんなことがあっても、私からは決して離さない。
「おつかれー」
「あ、おつかれっす」
「…今さら離してもばれてるから」
「…はずかし…」
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