【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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179:さや ◆0j8YIq7DEniB
2015/02/26(木) 22:18:39.29 ID:4QONYRmuo



「何の課題?」

炬燵で暖をとる彼女に、簡素なコーヒーを差し出しながら尋ねた。

「ありがとー。○○学の。苦手なやつー…」
「あー、言ってたね」
「うん。その課題がさー、ーーー」

講義の内容に対して考察するという課題が、毎週出るらしい。確かに中々大変だ…。
前に聞いたことがあった。
彼女は苦手だというが、しょうちゃんはそうでもないらしい。
だからきっと、頼りにしているのだろう。

同じ大学に進学した私たちだが、学部が違えばこうしたことはほとんどない。
専門科目が増えるこの先は、もっとなくなるのだろう。

羨ましいと、そう思った時もあった。
自分で選択した道に決して後悔はないけれど、少しばかりは考えてしまった。
尤も、新たな事に充実している今となっては思わなくなった。
そもそもこういう考えは、進路に悩んでいた2人に、それ以外の人たちにも失礼だ。


「…羨ましい?」

私の顔を覗き込みながら、からかうような表情で聞いてくる。

相変わらず鋭いなぁ…。
当たってはいないけど、どんなことを考えているかはわかるらしい。
まあ、当たってないのもわかっていながら言っているのだろうけど。

「……別に」
「えー?今から2人っきりで、ぴったりくっついて課題するんだよ?」

何を今更…そちらのことに関しては羨ましく思ったりしたことはない。

「そんなこと…。私なんて、昨日は…」
「……え、なに?」
「い、いや、べつに…」
「なに?何したの?」

両手で顔を挟んで、じーっと目を見て「教えろー」と問い詰めてくる。
や、やめてーどきどきしちゃうからやめてー

目を逸らしつつ、やっぱり勿体無くて見つつしながらやり過ごした。

ただの予定調和である。
そして、これが彼女なりの優しさであり気配りであることを、私はよく知っている。




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