【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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165:さや ◆0j8YIq7DEniB[sage]
2015/02/23(月) 22:22:11.59 ID:jMUYMxANo



夕陽を背負いながら、決められた速度で一本道を進んでいく。
進む先に広がる景色は、後方からの光に照らされて常よりも美しい。
その実無機質な風景であっても、この時間だけは橙色に輝いていた。
暮れ始めた陽は直に沈み、今見えているこの景色も変わってしまうのだろう。



会話もなくなり、外の景色をぼーっと眺めていた。
何もしていないこんな時間さえも、幸福に感じられる。

「……ありがと」

小声でぼそっとお礼を言った。

そんな唐突な言葉に少し思案して、軽い口調で返してくれる。

「…これぐらいしかできないけどね」

迎えのお礼ととったのか、そう答える彼を見てつい顔が綻ぶ。
なんでもないかのような、彼らしいその言い方が堪らなく愛おしい。
そっと彼の膝に手を置いて、実感しなが言い添えた。

「そばにいてくれるだけでいいよ」

ただそれだけで、見える景色が変わる。
穏やかに明るむ日常は、時折目が眩むくらいに目映い。
隣にいるだけという幸福な時間が確かにあるのだ。




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