【浮かれた】幼なじみのお部屋で寝落ち・・・13回目【大学生】
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162:さや ◆0j8YIq7DEniB[sage]
2015/02/23(月) 22:14:08.46 ID:jMUYMxANo

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11月某日


改札を抜けて、駅の構内から外に出る。
防風壁を失った横風に一気に吹き付けられて、思わず身震いした。
秋も一層深まり、風の冷たさが身に沁みる季節となった。
コートなしでは少し肌寒い。

その寒さに堪える間もなく見慣れた車を見つけ、急く気持ちをそのままに早足で駆け寄った。
車中の彼はこちらに気がつき、小さく手を挙げて笑顔を向けてくれる。

「お疲れさま」
「ありがとう」

差し出された手に鞄を手渡し、助手席に座る。エアコンで暖められていた車は、1人で乗る時よりもずっと温かかった。

鞄を後部座席に置き、シートベルト、シフトレバー、サイドブレーキと次々に発進の準備をする。
最後に私の頭をぽんぽんと軽く叩いてにこっと笑う。
言うまでもなく、最後の動作は車の発進とは関係がない。
やはり彼が運転席に座る車は温かい。

周囲を確認しながら丁寧に車を発進させる。
その所作に危ぶむ所はなく、すっかり手慣れたものだ。
ぐるりと半周ロータリーを周って、通行車に阻まれることなく公道へと抜ける。

少し進んで一本道に入ると、視線はそのままに尋ねられた。

「どう、うまくいった?」
「うん。つつがなく」
「そっか。よかった」

実に端的な私の返答に、彼は普段と変わらない笑顔でそう返してくれる。

我ながら、今日はよくできたと思う。
大一番とも言えるこの日を乗り越えられたことは、素直にうれしく、自信にもなった。
そんな意を込めながら、内容を簡単に伝える。

「運が良かったのもあるけど…」
「いや、すごいよ。さすがさやさん」

そう言ってくれる表情もまた、変わらない笑顔だった。


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