13:名無しNIPPER
2024/09/22(日) 23:36:12.53 ID:j0Rh5Gsc0
シーズン終盤にも関わらず、席はそれほど埋まっていなかった。今年は優勝争いに絡むこともなかったし、毎年引退試合を組んでいるホーム最終戦はもう少し後だからだろうか。
「プロデューサー、こっちこっち!」
「ユッキ……おま、どこにそんな元気あんねん……」
リールを取ってもらった犬のように走り回る友紀を息を切らして追いかけ、何とか席につく。三十路で若干運動不足気味の身体には京セラドームの五階席は遠すぎた。
「お疲れ!乾杯しよっ!」
「ありがと、ところで何杯買うたん?」
「とりあえず4杯!」
「買いすぎやろ、今日はそれだけにしとくんやで」
「ちぇー」
ふくれっ面をする友紀を撫でたりして何とかなだめる。6年前にスカウトした時から、本当にこいつは変わってない。俺としょっちゅう飲むのも、26とは思えないほど子供っぽい振る舞いをする所も、気配り上手で面倒見もいい所も。変わったことと言えば、俺たちの関係性ぐらいだ。
27Res/15.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20