【ゆるゆりSS】きもちに寄り添う数秒間
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7:名無しNIPPER[sage saga]
2024/09/07(土) 22:51:30.42 ID:49voo3/L0
 みんなと一緒に宿題をする機会があれば少しは一緒になってやる気を見せることもなくはない櫻子だが、みんなが帰って一人になってしまうと途端にやる気がなくなってしまう。というか、勉強をしなくてはいけない身の上を忘れ、「次の楽しいこと」を探すのに夢中になってしまうのだ。

 夏休み初日。昨日に引き続きものすごい暑さになるようだと天気予報の女性キャスターが言っていたのを耳にした櫻子は、おもむろに庭にビニールプールをひろげてホースで水を溜め始めた。小さなガーデンチェアに腰掛け、まだ溜まっていない段階から足をつけてじゃばじゃばと楽しそうにはしゃいでいる。そばに置いてあった花子のアサガオの鉢にも、ホースでぴゃぴゃっと水をかけてあげた。

「なにしてるし、櫻子」
「見ればわかるでしょ! プール作ってんの♪」
「べつにいいけど、そこからどうやって上がるつもりだし。びしょびしょのまま家に入ってきちゃだめだし」
「あー忘れてた。花子タオルもってきて、その辺に置いといて〜」
「まったく……」

 花子が脱衣所の方へと消えていくのと入れ替わりに、今度は玄関ががちゃっと開き、撫子が出てきた。ちょうど外に出かけるところだった様子で、水の音を聞きつけ、植木を避けながら櫻子のところへやってきた。

「うわ、めんどくさいことしてる」
「めんどくさいって何! 楽しいことでしょ!」
「べつにいいけど、外なんだからはしゃぎすぎないでよね。あと片付けはあんたが全部やってね」
「わかってるもーん。ねーちゃんどっかお出かけ?」
「友達とね。夕方には帰ってくるから」
「ふーん」


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